JP3987378B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に対して所定の処理を行う基板処理装置における技術に関する。より詳しくは、基板に所定の処理液を塗布し、当該処理が適切に行われたか否かの判定を行う検査技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板の表面に対してレジスト液などの所定の処理液を塗布する場合、保持台上の所定の位置に基板を保持しておき、スリットノズルによって処理液を吐出しつつ基板の表面を走査するスキャンコーティングが行われる。例えば、特開平11−165111号公報には、モータによってボールネジを回転させ、スリットノズルの両端に剛性結合された2つの移動台を移動させることにより、スキャンコーティングを行う基板処理装置に関する技術が提案されている。このような技術は、処理対象となる基板が大型である場合や、角形の基板である場合には、スピンコーティング(基板を回転させつつ塗布する手法)による均一な薬液塗布が難しいため、特に有効である。
【0003】
しかし、このように塗布処理に有効なスキャンコーティングにおいても、スリットノズルの吐出不良など、種々の原因によって基板の表面上に形成されるべき処理液の層が均一に形成されない場合がある。これらの不良基板は、製品として出荷すべきでないことから、従来より、後工程において、塗布処理が行われた後の基板に対して、塗布処理により形成された処理液の層の検査が行われ、不良基板の検出を行い、当該不良基板の再処理または破棄が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、後工程における前述の検査によって、不良基板の選別を行うことはできるものの、不良基板が検出されるのは、基板が後工程に搬送され、検査された後である。したがって、塗布不良となる原因が基板処理装置において発生していても迅速な対応ができず、その間に処理された基板が同じ原因により、不良基板となってしまうという問題があった。
【0005】
また、上記問題を解決するために、例えば、後工程における検査と同等の検査を行うための構成を基板処理装置に設けるとすれば、装置構成がいたずらに複雑化するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、装置構成を複雑化させることなく、簡易に処理状況を確認することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、基板を保持する保持台と、前記基板に対して所定の処理液を吐出するスリットノズルと、前記保持台の上方に略水平に掛け渡された架橋構造と、前記架橋構造を前記基板の表面に沿った略水平方向に移動させる移動手段とを備え、前記移動手段が、前記略水平方向に前記架橋構造を移動させつつ、前記スリットノズルによって前記基板の表面を走査することにより、前記基板の表面に対して前記所定の処理液の層(形成層)を形成する基板処理装置において、前記架橋構造のうち前記基板の表面と対向する位置に取り付けられ、所定の方向にレーザ光を投光し、前記存在物の表面により反射された前記レーザ光のうちの第1正反射光を受光素子配列で受光することにより、所定の方向の存在物との間の距離を検出するセンシング手段と、前記センシング手段の検出結果に基づいて前記形成層の厚さ寸法を算出する算出手段と、前記架橋構造に配置されたスリットノズルを昇降させる昇降手段と、前記センシング手段の検出結果に基づいて、前記昇降手段を制御する制御手段と、前記算出手段により算出された前記形成層の厚さ寸法に基づいて、前記基板に対する処理の良否を判定する判定手段とをさらに備える。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る基板処理装置において、前記センシング手段が、前記形成層が形成される前後において、前記基板の表面との間の第1距離と前記形成層の表面との間の第2距離とを検出し、前記算出手段が、前記第1距離と前記第2距離との差を計算することにより、前記形成層の厚さ寸法を算出する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る基板処理装置において、前記センシング手段が、所定の方向にレーザ光を投光し、前記レーザ光のうち、前記形成層の表面により反射された前記第1正反射光と、前記基板の表面により反射された第2正反射光とを同時に受光素子配列上に受光し、前記算出手段が、前記第1正反射光により受光素子配列上に現れる強度分布のピークと、前記第2正反射光により受光素子配列上に現れる強度分布のピークとの受光素子配列上における距離に基づいて、前記形成層の厚さ寸法を検出する。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係る基板処理装置において、前記基板がフラットパネルディスプレイ用の基板であり、前記所定の処理液がレジスト液である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0015】
<1. 実施の形態>
<1.1 構成の説明>
図1は、本発明の実施の形態である基板処理装置1の概略を示す斜視図である。図2は、基板処理装置1の本体2を上方から見た平面図である。また、図3および図4は、本体2の正面図および側面図である。
【0016】
基板処理装置1は、本体2と制御系6とに大別され、液晶表示装置の画面パネルを製造するための角形ガラス基板を被処理基板90としており、基板90の表面に形成された電極層などを選択的にエッチングするプロセスにおいて、基板90の表面にレジスト液を塗布する塗布装置として構成されている。したがって、この実施の形態では、スリットノズル41は基板90に対してレジスト液を吐出するようになっている。なお、基板処理装置1は、液晶表示装置用のガラス基板だけでなく、一般に、フラットパネルディスプレイ用の種々の基板に処理液(薬液)を塗布する装置として変形利用することもできる。
【0017】
本体2は、被処理基板90を載置して保持するための保持台として機能するとともに、付属する各機構の基台としても機能するステージ3を備える。ステージ3は直方体形状の一体の石製であり、その上面(保持面30)および側面は平坦面に加工されている。
【0018】
ステージ3の上面は水平面とされており、基板90の保持面30となっている。保持面30には多数の真空吸着口が分布して形成されており、基板処理装置1において基板90を処理する間、基板90を吸着することにより、基板90を所定の水平位置に保持する。
【0019】
この保持面30のうち基板90の保持エリア(基板90が保持される領域)を挟んだ両端部には、略水平方向に平行に伸びる一対の走行レール31aが固設される。走行レール31aは、架橋構造4の両端部に固設される支持ブロック31bとともに、架橋構造4の移動を案内し(移動方向を所定の方向に規定する)、架橋構造4を保持面30の上方に支持するリニアガイドを構成する。
【0020】
ステージ3の上方には、このステージ3の両側部分から略水平に掛け渡された架橋構造4が設けられている。架橋構造4は、カーボンファイバ樹脂を骨材とするノズル支持部40と、その両端を支持する昇降機構43,44とから主に構成される。
【0021】
ノズル支持部40には、スリットノズル41とギャップセンサ42とが取り付けられている。
【0022】
水平Y方向に伸びるスリットノズル41には、スリットノズル41へ薬液(レジスト液)を供給する配管やレジスト用ポンプを含む吐出機構(図示せず)が接続されている。スリットノズル41は、レジスト用ポンプによりレジスト液が送られ、基板90の表面を走査することにより、基板90の表面の所定の領域(以下、「レジスト塗布領域」と称する。)にレジスト液を吐出する。
【0023】
ギャップセンサ42は、架橋構造4のノズル支持部40に基板90の表面と対向する位置に取り付けられ、所定の方向(−Z方向)の存在物(例えば、基板90やレジスト膜)との間の距離(ギャップ)を検出して、検出結果を制御系6に伝達する。
【0024】
図5は、ギャップセンサ42に用いられるレーザ変位計の原理を示す図である。ギャップセンサ42は、CCD(一般には、受光素子配列)420および受光レンズ421を備え、図示しない投光部から所定の方向にレーザ光を発射(投光)する。投光部から発射されたレーザ光(入射光)は、存在物の表面SF1で反射され、当該反射されたレーザ光のうちの正反射光が受光レンズ421を通して、CCD420で受光される。
【0025】
ここで、ギャップセンサ42において、投光部、基準面SF0、およびCCD420の各位置関係は既知であり、投光部が発射するレーザ光の発射方向および受光レンズ421の焦点位置も既知である。したがって、ギャップセンサ42は、受光したレーザ光のCCD420上における強度分布(CCD420上の受光位置を示す)から三角測量法の原理に基づいて、基準面SF0と存在物の表面SF1との間の距離(ギャップ)Dを検出する機能を有している。
【0026】
このように、ギャップセンサ42が、存在物の表面で反射されるレーザ光のうち、正反射光を受光して当該存在物との間の距離の検出を行うことにより、例えば、拡散反射光を受光する場合に比べて、分解能を向上させることができるため、存在物の表面との間の距離を精度よく測定することができる。
【0027】
また、ノズル支持部40にスリットノズル41とギャップセンサ42とが取り付けられることにより、これらの相対的な位置関係が固定される。したがって、制御系6は、ギャップセンサ42の検出結果に基づいて、基板90の表面とスリットノズル41との距離を検出することができる。なお、本実施の形態における基板処理装置1では2つのギャップセンサ42を備えているが、ギャップセンサ42の数はこれに限られるものではなく、さらに、多くのギャップセンサ42を備えていてもよい。
【0028】
昇降機構43,44はスリットノズル41の両側に分かれて、ノズル支持部40によりスリットノズル41と連結されている。昇降機構43,44はスリットノズル41を並進的に昇降させるとともに、スリットノズル41のYZ平面内での姿勢を調整するためにも用いられる。
【0029】
架橋構造4の両端部には、ステージ3の両側の縁側に沿って別れて配置された一対のACコアレスリニアモータ(以下、単に、「リニアモータ」と略する。)50,51が、それぞれ固設される。
【0030】
リニアモータ50は、固定子(ステータ)50aと移動子50bとを備え、固定子50aと移動子50bとの電磁的相互作用によって架橋構造4をX軸方向(基板90の表面に沿った方向)に移動させるための駆動力を生成するモータである。また、リニアモータ50による移動量および移動方向は、制御系6からの制御信号により制御可能となっている。なお、リニアモータ51もほぼ同様の機能、構成を有する。
【0031】
リニアエンコーダ52,53は、それぞれスケール部および検出子(図示せず)を備え、スケール部と検出子との相対的な位置関係を検出して、制御系6に伝達する。各検出子は架橋構造4の両端部にそれぞれ固設されており、リニアエンコーダ52,53は架橋構造4の位置検出を行う機能を有している。
【0032】
制御系6は、プログラムに従って各種データを処理する演算部60、プログラムや各種データを保存する記憶部61を内部に備える。また、前面には、オペレータが基板処理装置1に対して必要な指示を入力するための操作部62、および各種データを表示する表示部63を備える。
【0033】
制御系6は、図示しないケーブルにより本体2に付属する各機構と接続されており、操作部62および各種センサなどからの信号に基づいて、ステージ3、架橋構造4、昇降機構43,44、およびリニアモータ50,51などの各構成を制御する。
【0034】
特に制御系6は、この実施の形態では、ギャップセンサ42の検出結果に基づいて、スリットノズル41の基板90に対する姿勢および高さを制御し、また、ギャップセンサ42の検出結果に基づいて、基板90の表面に形成されたレジスト膜の厚さ寸法を算出し、算出した厚さ寸法に基づいて、基板90に対するレジスト塗布処理の良否を判定する。なお、判定結果は、表示部63に表示させる。
【0035】
制御系6の具体的な構成としては、記憶部61はデータを一時的に記憶するRAM、読み取り専用のROM、および磁気ディスク装置などが該当し、可搬性の光磁気ディスクやメモリーカードなどの記憶媒体、およびそれらの読み取り装置などであってもよい。また、操作部62は、ボタンおよびスイッチ類(キーボードやマウスなどを含む。)などであるが、タッチパネルディスプレイのように表示部63の機能を兼ね備えたものであってもよい。表示部63は、液晶ディスプレイや各種ランプなどが該当する。
【0036】
<1.2 動作の説明>
次に、基板処理装置1の動作について説明する。基板処理装置1では、オペレータまたは図示しない搬送機構により、所定の位置に基板90が搬送されることによって、レジスト塗布処理が開始される。なお、処理を開始するための指示は、基板90の搬送が完了した時点で、オペレータが操作部62を操作することにより入力されてもよい。
【0037】
まず、ステージ3が保持面30上の所定の位置に基板90を吸着して保持する。続いて、制御系6からの制御信号に基づいて、昇降機構43,44が、ノズル支持部40に取り付けられたギャップセンサ42を基板90の厚み分よりも高い所定の高度(以下、「測定高度」と称する。)に移動させる。
【0038】
ギャップセンサ42が測定高度にセットされると、リニアモータ50,51が、架橋構造4をX方向に移動させることにより、ギャップセンサ42をレジスト塗布領域の上方まで移動させる。ここで、レジスト塗布領域とは、基板90の表面のうちでレジスト液を塗布しようとする領域であって、通常、基板90の全面積から、端縁に沿った所定幅の領域を除いた領域である。このとき、制御系6は、リニアエンコーダ52,53の検出結果に基づいて、それぞれのリニアモータ50,51に制御信号を与えることにより、ギャップセンサ42のX軸方向の位置を制御する。
【0039】
次に、ギャップセンサ42が基板90表面のレジスト塗布領域における基板90表面とスリットノズル41とのギャップの測定を開始する。測定が開始されると、リニアモータ50,51が架橋構造4をさらにX方向に移動させることでギャップセンサ42がレジスト塗布領域を走査し、走査中の測定結果を制御系6に伝達する。このとき、制御系6は、ギャップセンサ42の測定結果を、リニアエンコーダ52,53によって検出される水平位置と関連づけて記憶部61に保存する。
【0040】
架橋構造4が基板90の上方をX方向に通過して、ギャップセンサ42による走査が終了すると、制御系6は、架橋構造4をその位置で停止させ、ギャップセンサ42からの検出結果に基づいて、スリットノズル41のYZ平面における姿勢が、適切な姿勢(スリットノズル41とレジスト塗布領域との間隔がレジスト液を塗布するために適切な間隔となる姿勢。以下、「適正姿勢」と称する。)となるノズル支持部40の位置を算出し、算出結果に基づいて、それぞれの昇降機構43,44に制御信号を与える。その制御信号に基づいて、それぞれの昇降機構43,44がノズル支持部40をZ軸方向に移動させ、スリットノズル41を適正姿勢に調整する。
【0041】
このように、基板処理装置1では、レジスト液の均一な塗布を実現するために、スリットノズル41と基板90の表面との距離を厳密に調整する必要があるが、制御系6が、ギャップセンサ42の検出結果に基づいて、昇降機構43,44を制御する。
【0042】
さらに、リニアモータ50,51が架橋構造4を−X方向に移動させ、スリットノズル41を吐出開始位置に移動させる。ここで、吐出開始位置とは、レジスト塗布領域の一辺にスリットノズル41がほぼ沿う位置である。
【0043】
スリットノズル41が吐出開始位置まで移動すると、制御系6が制御信号をリニアモータ50,51およびレジスト用ポンプ(図示せず)に与える。その制御信号に基づいて、リニアモータ50,51が架橋構造4を−X方向に移動させることでスリットノズル41が基板90の表面を走査し、そのスリットノズル41の走査中にレジスト用ポンプを運転することでスリットノズル41にレジスト液が送られ、スリットノズル41がレジスト塗布領域にレジスト液を吐出する。これにより、基板90の表面上にレジスト液の層が形成される。
【0044】
スリットノズル41が吐出終了位置まで移動すると、制御系6が制御信号をレジスト用ポンプ、昇降機構43,44およびリニアモータ50,51に与える。その制御信号に基づいて、レジスト用ポンプが停止することによってスリットノズル41からのレジスト液の吐出が停止し、昇降機構43,44がギャップセンサ42を測定高度に移動させる。
【0045】
次に、リニアモータ50,51が架橋構造4をX方向に移動させることでギャップセンサ42がレジスト塗布領域を走査し、基板90上に形成されたレジスト膜とのギャップを測定して制御系6に伝達する。制御系6は、レジスト塗布前に測定したギャップの値(基板90の表面との間の距離)と、レジスト塗布後に測定したギャップの値(レジスト膜の表面との間の距離)との差を計算することにより、基板90上に形成されたレジスト膜の厚さ寸法を算出する。
【0046】
さらに、算出した厚さ寸法に応じて、許容される厚さ寸法の範囲として予め設定されている所定値と比較することにより、基板90に対して行われた塗布処理の良否を判定し、判定結果を表示部63に表示する。
【0047】
これにより、基板90の表面上に処理液の層(レジスト膜)を形成した後、速やかに良否判定を行うことができることことから、表示部63に表示された判定結果に基づいて、例えば、オペレータなどが処理状況に迅速に対応できる。また、当該判定は、ギャップセンサ42を設けるだけで行うことができることから、装置構成をいたずらに複雑にすることなく簡易に検査をすることができる。
【0048】
なお、ギャップセンサ42を用いた検査では、主にX軸方向の異常の検出を行うことができることから、例えば、レジスト液が塗布されていない(レジスト液の不足)、吐出開始位置や吐出終了位置がずれている、塗布終了位置において厚膜化現象が生じているといった異常を検出することができる。このような異常は、個々の基板90毎に起きるというよりも、同じ状態で処理されるすべての基板90において生じる可能性が高く、後工程において異常を検出していたのでは、その間にも不良基板が発生してしまうことになる。したがって、基板処理装置1のように、迅速に対応することによる効果は大きい。また、当該判定により、基板90に対する処理に異常が検出された場合には、判定結果を表示するのみならず、その程度に応じて処理を停止してノズル洗浄を行うなど自動的に回復処理を行うようにしてもよい。
【0049】
レジスト膜の検査が終了すると、ステージ3は基板90の吸着を停止し、オペレータまたは搬送機構が基板90を保持面30から取り上げ、次の処理工程に搬送する。
【0050】
以上のように、基板処理装置1では、レジスト液を塗布する前後において、それぞれギャップセンサ42による走査を行い、基板90の表面との間の距離と、レジスト膜の表面との間の距離とを検出し、それらの差を計算することにより、基板90の表面に形成されたレジスト膜の厚さ寸法を算出して、基板90に対する処理の良否を判定することにより、基板90の表面上に処理液の層を形成した後、速やかに良否判定を行うことができることことから、異常状態が発生している場合に迅速に対応できる。また、レジスト膜厚測定専用のセンサを必要としないため、装置構成を複雑にすることなく簡易に検査をすることができる。
【0051】
また、制御系6が、ギャップセンサ42の検出結果に基づいて、スリットノズルを昇降させる昇降機構43,44を制御することにより、スリットノズル41の姿勢および高さの検出とレジスト膜厚の測定とをギャップセンサ42で兼用することができ、別途、スリットノズルの高さ位置を検出するため、専用の構成を設ける必要がなく、装置構成を簡素化することができる。
【0052】
<2. 第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、レジスト塗布前に測定したギャップの値(基板90の表面との距離)と、レジスト塗布後に測定したギャップの値(レジスト膜の表面との距離)との差を求めることにより、レジスト膜の厚さ寸法を検出して、塗布処理の良否を判定すると説明したが、レジスト膜の厚さ寸法を検出する手法は、これに限られるものではなく、レジスト膜の厚さ寸法を直接検出するように構成してもよい。
【0053】
図6は、このような原理に基づいて構成した第2の実施の形態におけるギャップセンサ46の原理を説明する図である。なお、第2の実施の形態における基板処理装置1は、ギャップセンサ46以外の構成は第1の実施の形態とほぼ同様であるため説明を省略する。
【0054】
図6に示すように、ギャップセンサ46は、第1の実施の形態におけるギャップセンサ42と同様に、CCD460および受光レンズ461を備えるレーザ変位計であり、ギャップセンサ42が有する機能を同様に有している。さらに、ギャップセンサ46は、投光したレーザ光(入射光)のうち、第1反射光(表面SF2で反射されたレーザ光)と、第2反射光(表面SF3で反射されたレーザ光)とを同時にCCD460上に受光し、第1反射光によりCCD460上に現れる強度分布のピークと、第2反射光によりCCD460上に現れる強度分布のピークとのCCD460上における距離δに基づいて、表面SF2と表面SF3との間の距離dを検出する機能を有する。すなわち、ギャップセンサ46は、表面SF2が基板90の表面に形成されたレジスト膜の表面であり、表面SF3が基板90の表面である場合に、直接、レジスト膜の厚さ寸法(距離d)を検出することができる。
【0055】
検出したレジスト膜の厚さ寸法は、制御系6に伝達され、第1の実施の形態と同様に、制御系6による判定が行われる。
【0056】
以上により、第2の実施の形態における基板処理装置1においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、ギャップセンサ46が、直接、レジスト膜の厚さ寸法を検出することにより、制御系6がレジスト膜の厚さ寸法を算出する必要がなく、基板処理装置1における演算量を削減することができる。
【0057】
<3. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0058】
例えば、同時に2つの面からの反射光を検出する機能を有するギャップセンサを用いて、レジスト膜の表面と基準面SF0との間の距離、および基板の表面と基準面SF0との間の距離を一回の走査で同時に求め、それらの差を算出することにより、レジスト膜の厚さ寸法を検出してもよい。
【0059】
また、上記実施の形態では、塗布処理に対する判定結果は表示部63に表示するとしたが、判定結果を確認する手段はこれに限られるものではない。例えば、プリンタなどにより印刷されてもよいし、オペレータのいる位置が離れている場合などには、判定結果をネットワークを介して遠隔地へ送信する、あるいは、警告音を発生させるなどの手段を用いてもよい。
【0060】
【発明の効果】
請求項1ないし4に記載の発明では、算出手段により算出された形成層の厚さ寸法に基づいて、基板に対する処理の良否を判定することにより、基板の表面上に処理液の層を形成した後、速やかに良否判定を行うことができることことから、処理状況に迅速に対応できる。
【0061】
また、算出手段が、架橋構造のうち基板の表面と対向する位置に取り付けられ、所定の方向の存在物との間の距離を検出するセンシング手段の検出結果に基づいて前記形成層の厚さ寸法を算出することにより、装置構成を複雑にすることなく簡易に検査をすることができる。
また、制御手段が、センシング手段の検出結果に基づいて、昇降手段を制御することにより、別途、スリットノズルと基板の表面との距離を検出するための構成を設ける必要がなく、装置構成を簡素化することができる。
【0062】
また、センシング手段が、存在物にレーザ光を投光し、存在物の表面により反射されたレーザ光のうちの第1正反射光を受光素子配列で受光することにより、存在物との間の距離を検出することにより、存在物との間の距離を精度よく検出することができる。
【0064】
請求項3に記載の発明では、センシング手段が、形成層の表面により反射された第1正反射光と、基板の表面により反射された第2正反射光とを同時に受光素子配列上に受光し、算出手段が、第1正反射光により受光素子配列上に現れる強度分布のピークと、第2正反射光により受光素子配列上に現れる強度分布のピークとの受光素子配列上における距離に基づいて、形成層の厚さ寸法を算出することにより、演算量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における基板処理装置の概略を示す斜視図である。
【図2】基板処理装置の本体を上方から見た平面図である。
【図3】本体の正面図である。
【図4】本体の側面図である。
【図5】第1の実施の形態におけるギャップセンサの原理を説明する図である。
【図6】第2の実施の形態におけるギャップセンサの原理を説明する図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
3 ステージ
30 保持面
4 架橋構造
40 ノズル支持部
41 スリットノズル
42 ギャップセンサ
420 CCD
43,44 昇降機構
46 ギャップセンサ
460 CCD
50,51 リニアモータ
50a 固定子
50b 移動子
6 制御系
60 演算部
61 記憶部
90 基板
Claims (4)
- 基板を保持する保持台と、
前記基板に対して所定の処理液を吐出するスリットノズルと、
前記保持台の上方に略水平に掛け渡された架橋構造と、
前記架橋構造を前記基板の表面に沿った略水平方向に移動させる移動手段と、
を備え、
前記移動手段が、前記略水平方向に前記架橋構造を移動させつつ、前記スリットノズルによって前記基板の表面を走査することにより、前記基板の表面に対して前記所定の処理液の層(形成層)を形成する基板処理装置において、
前記架橋構造のうち前記基板の表面と対向する位置に取り付けられ、所定の方向にレーザ光を投光し、前記存在物の表面により反射された前記レーザ光のうちの第1正反射光を受光素子配列で受光することにより、所定の方向の存在物との間の距離を検出するセンシング手段と、
前記センシング手段の検出結果に基づいて前記形成層の厚さ寸法を算出する算出手段と、
前記架橋構造に配置されたスリットノズルを昇降させる昇降手段と、
前記センシング手段の検出結果に基づいて、前記昇降手段を制御する制御手段と、
前記算出手段により算出された前記形成層の厚さ寸法に基づいて、前記基板に対する処理の良否を判定する判定手段と、
をさらに備えることを特徴する基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
前記センシング手段が、
前記形成層が形成される前後において、前記基板の表面との間の第1距離と前記形成層の表面との間の第2距離とを検出し、
前記算出手段が、
前記第1距離と前記第2距離との差を計算することにより、前記形成層の厚さ寸法を算出することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置において、
前記センシング手段が、
所定の方向にレーザ光を投光し、前記レーザ光のうち、前記形成層の表面により反射された前記第1正反射光と、前記基板の表面により反射された第2正反射光とを同時に受光素子配列上に受光し、
前記算出手段が、前記第1正反射光により受光素子配列上に現れる強度分布のピークと、前記第2正反射光により受光素子配列上に現れる強度分布のピークとの受光素子配列上における距離に基づいて、前記形成層の厚さ寸法を検出することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記基板がフラットパネルディスプレイ用の基板であり、前記所定の処理液がレジスト液であることを特徴とする基板処理装置。
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