JP3987376B2 - 追記型光記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、追記型(WORM:Write Once Read Many)光記録媒体に係り、特に350〜500nm程度の青色レーザ波長領域でも高密度記録が可能な追記型光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
超高密度の記録が可能となる青色レーザの開発は急速に進んでおり、それに対応した追記型光記録媒体の開発が行われている。
従来の追記型光記録媒体では、有機材料からなる記録層にレーザ光を照射し、主に有機材料の分解・変質による屈折率変化を生じさせることで記録ピットを形成させており、記録層に用いられる有機材料の光学定数や分解挙動が、良好な記録ピットを形成させるための重要な要素となっている。
従って、記録層に用いる有機材料としては、青色レーザ波長に対する光学的性質や分解挙動の適切な材料を選択する必要がある。即ち、未記録時の反射率を高め、またレーザの照射によって有機材料が分解し大きな屈折率変化が生じるようにするため(これによって大きな変調度が得られる)、記録再生波長は大きな吸収帯の長波長側の裾に位置するように選択される。
【0003】
何故ならば、有機材料の大きな吸収帯の長波長側の裾は、適度な吸収係数を有し且つ大きな屈折率が得られる波長領域となるためである。
しかしながら、青色レーザ波長に対する光学的性質が従来並みの値を有する有機材料は未だ見出されていない。これは、青色レーザ波長近傍に吸収帯を持つ有機材料を得るためには、分子骨格を小さくするか又は共役系を短くする必要があるが、そうすると吸収係数の低下、即ち屈折率の低下を招くためである。
つまり、青色レーザ波長近傍に吸収帯を持つ有機材料は多数存在し、吸収係数を制御することは可能となるが、大きな屈折率を持たないため、大きな変調度を得ることができなくなる。
【0004】
青色レーザ対応の有機材料としては、例えば、特開2001−181524号、特開2001−158865号、特開2000−343824号、特開2000−343825号、特開2000−335110号各公報に記載がある。
しかし、これらの公報では、実施例を見ても溶液と薄膜のスペクトルを測定しているのみで、記録再生に関する記載はない。
特開平11−221964号、特開平11−334206号、特開2000−43423号各公報では、実施例に記録の記載があるものの、記録波長は488nmであり、また記録条件や記録密度に関する記載はなく、良好な記録ピットが形成できた旨の記載があるのみである。
特開平11−58955号公報では、実施例に記録の記載があるものの、記録波長は430nmであり、また記録条件や記録密度に関する記載はなく、良好な変調度が得られた旨の記載があるのみである。
【0005】
特開2001−39034号、特開2000−149320号、特開2000−113504号、特開2000−108513号、特開2000−222772号、特開2000−218940号、特開2000−222771号、特開2000−158818号、特開2000−280621号、特開2000−280620号各公報では、実施例に記録波長430nm、NA0.65での記録例があるが、最短ピットが0.4μmという低記録密度条件(DVDと同等の記録密度)である。
特開2001−146074号公報では、記録再生波長は405〜408nmであるが、記録密度に関する具体的な記載がなく、14T−EFM信号の記録という低記録密度条件である。
【0006】
また、従来のCD、DVD系光記録媒体と異なる層構成及び記録方法に関して、以下のような技術が公開されている。
特開平7−304258号公報には、基板/可飽和吸収色素含有層/反射層という層構成で、可飽和吸収色素の消衰係数(本発明でいう吸収係数)の変化により記録を行う技術が開示されている。
特開平8−83439号公報には、基板/金属蒸着層/光吸収層/保護シートという層構成で、光吸収層によって発生した熱によって、金属蒸着層を変色又は変形させることで記録を行う技術が開示されている。
特開平8−138245号公報には、基板/誘電体層/光吸収体を含む記録層/反射層という層構成で、記録層の膜厚を変えることにより溝部の深さを変えて記録を行う技術が開示されている。
【0007】
特開平8−297838号公報には、基板/光吸収体を含む記録層/金属反射層という層構成で、記録層の膜厚を10〜30%変化させることにより記録を行う技術が開示されている。
特開平9−198714号公報には、基板/有機色素を含有する記録層/金属反射層/保護層という層構成で、基板の溝幅を未記録部に対して20〜40%広くすることにより記録を行う技術が開示されている。
特許第2506374号公報には、基板/中間層/金属薄膜という層構成で、金属薄膜が変形しバブルを形成することにより記録を行う技術が開示されている。
特許第2591939号公報には、基板/光吸収層/記録補助層/光反射層という層構成で、記録補助層を凹状に変形させると共に、記録補助層の変形に沿って光反射層を凹状に変形させることで記録を行う技術が開示されている。
【0008】
特許第2591940号公報には、基板/光吸収層/多孔質な記録補助層/光反射層、或いは、基板/多孔質な記録補助層/光吸収層/光反射層という層構成で、記録補助層を凹状に変形させると共に、記録補助層の変形に沿って光反射層を凹状に変形させることで記録を行う技術が開示されている。
特許第2591941号公報には、基板/多孔質な光吸収層/光反射層という層構成で、光吸収層を凹状に変形させると共に、光吸収層の変形に沿って光反射層を凹状に変形させることで記録を行う技術が開示されている。
特許第2982925号公報には、基板/有機色素を含む記録層/記録補助層という層構成で、記録補助層と有機色素が相溶して、有機色素の吸収スペクトルを短波長側へシフトさせることで記録を行う技術が開示されている。
【0009】
特開平9−265660号公報には、基板上に反射層と記録層の機能を有する複合機能層、保護層を順次形成した層構成で、基板と複合機能層がバンプを形成することで記録を行う技術が開示されている。なお、複合機能層としては、ニッケル、クロム、チタン等の金属、又はそれらの合金との規定がある。
特開平10−134415号公報には、基板上に金属薄膜層、変形可能な緩衝層、反射層、保護層を順次形成した層構成で、基板と金属薄膜層を変形させ、同時にこの変形部での緩衝層膜厚を薄くさせることで記録を行う技術が開示されている。なお、金属薄膜層としては、ニッケル、クロム、チタン等の金属、又はそれらの合金との規定がある。また、緩衝層としては、変形し易く適当な流動性を持つ樹脂が用いられ、変形を促進させるために色素を含有させても良いとの記載がある。
【0010】
特開平11−306591号公報には、基板上に金属薄膜層、緩衝層、反射層を順次積層した層構成で、基板と金属薄膜層を変形させ、同時にこの変形部での緩衝層膜厚と光学定数とを変化させることで記録を行う技術が開示されている。なお、金属薄膜層としては、ニッケル、クロム、チタン等の金属、又はそれらの合金が好ましいとの記載がある。また、緩衝層は色素と有機高分子の混合物からなり、記録再生波長近傍に大きな吸収帯を有する色素が用いられる。
特開平10−124926号公報には、基板上に金属記録層、バッファ層、反射層を順次積層した層構成で、基板と金属記録層を変形させ、同時にこの変形部でのバッファ層膜厚と光学定数とを変化させることで記録を行う技術が開示されている。なお、金属記録層としては、ニッケル、クロム、チタン等の金属、又はそれらの合金が好ましいとの記載がある。また、バッファ層は色素と樹脂の混合物からなり、記録再生波長近傍に大きな吸収帯を有する色素が用いられる。
【0011】
以上のように、上記諸々の従来技術は、青色レーザ波長領域での追記型光記録媒体の実現を狙ったものではなく、青色レーザ波長領域で有効となる層構成や記録方法ではない。
特に現在実用化されている青色半導体レーザの発振波長の中心である405nm近傍においては、従来の追記型光記録媒体の記録層に要求される光学定数と同程度の光学定数を有する有機材料が殆んど存在しない。また、405nm近傍で記録条件を明確にし、DVDよりも高記録密度で記録された例はない。
更に、上記従来技術における実施例の多くは、従来のディスク構成(図1参照)での実験であり、また、従来のディスク構成と異なる構成も提案されてはいるが、そこに用いられる色素は従来と同じ光学特性と機能が要求されており、青色レーザ波長領域で、有機材料からなる追記型光記録媒体を容易に実現できる層構成や記録原理、記録方式についての有効な提案はない。
【0012】
また、従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体では、変調度と反射率の確保の点から、記録再生波長に対し大きな屈折率と比較的小さな吸収係数(0.05〜0.07程度)を持つ有機材料しか使用することができない。
即ち、有機材料は記録光に対して十分な吸収能を持たないため、有機材料の膜厚を薄膜化することが不可能であり、従って、深い溝を持った基板を使用する必要があった(有機材料は通常スピンコート法によって形成されるため、有機材料を深い溝に埋めて厚膜化していた)。そのため、深い溝を有する基板の形成が非常に難しくなり、追記型光記録媒体としての品質を低下させる要因になっていた。
更に、従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体では、記録再生波長近傍に有機材料の主吸収帯が存在するため、有機材料の光学定数の波長依存性が大きくなり(波長によって光学定数が大きく変動する)、レーザの個体差や環境温度の変化等による記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等が大きく変化するという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、次のような特性を有する追記型光記録媒体の実現を目的とする。
(a) 青色レーザ波長領域(350〜500nm程度)、特に405nm近傍
の波長領域であっても記録再生が容易に行える、有機材料層を有する高密
度記録可能な追記型光記録媒体。
(b) 転写性のよい浅溝基板でも記録再生が容易に行える、有機材料層を有す
る追記型光記録媒体。
(c) 記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率とい
ったような記録特性や、反射率等の変化が少ない追記型光記録媒体。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、次の1)〜3)の発明によって解決される。
1) 基板上に、少なくとも、未記録時の主吸収帯の最大吸収波長が500nmより長波長に存在する有機材料層、光吸収層、光干渉層が順次積層された層構造を有し、350〜500nmのレーザ波長範囲で記録再生が可能であることを特徴とする追記型光記録媒体。
2) 基板上に、少なくとも、光干渉層、光吸収層、未記録時の主吸収帯の最大吸収波長が500nmより長波長に存在する有機材料層、カバー層が順次積層された層構造を有し、350〜500nmのレーザ波長範囲で、カバー層側から記録再生が可能であることを特徴とする追記型光記録媒体。
3) 記録再生波長における有機材料層の吸収係数Kaと、光吸収層の吸収係数KbとがKa<Kbの関係を満足することを特徴とする1)又は2)記載の追記型光記録媒体。
【0015】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明では、光吸収層の発熱によって、有機材料層の有機材料を分解させ、有機材料の主吸収帯よりも短波長側の吸収を増加させることが記録の基本原理である。
本発明の追記型光記録媒体は、従来、光吸収層であり、かつ分解・変質に起因した屈折率(複素屈折率の実部)変化による記録層として機能していた有機材料層から、光吸収機能と記録機能とを分離させた点に特徴がある。即ち、有機材料層から光吸収機能を除き、有機材料層に隣接させて光吸収層を設けたものである。
従って、本発明では、記録再生波長の光に対して吸収機能を有しない有機材料層を用いるが、ここで言う「吸収機能を有しない」とは、光吸収層に比べて十分小さな光吸収機能しか持たず(その吸収係数が光吸収層の吸収係数よりも十分小さく)、有機材料層単独の光吸収機能では、有機材料自身を分解させるような温度に至らないことを意味する(即ち、実質上、光吸収層として必要な吸収機能を果さないことを意味する)。従って、具体的には、有機材料の吸収係数が小さい場合や、膜厚が薄い場合を指すことになる。
【0016】
従来の追記型光記録媒体では、有機材料の分解・変質によって記録再生波長における吸収係数を低下させ、これによる大きな屈折率変化を利用して変調度を発生させていた(図4参照。横軸の下の矢印は記録再生波長を示す)。
これに対し、本発明の追記型光記録媒体では、有機材料の分解によって、その有機材料を構成していた分子や分子団の吸収を発生させ(大きな吸収帯よりも短波長側での吸収係数を増加させ)、この分子や分子団の吸収波長帯と記録再生波長とが重なるように設定することにより、記録再生波長における吸収係数を増加させて変調度を発生させる(図5参照)。
その結果、有機材料層は、屈折率の制限が全く無くなり、また、記録再生波長に対し光吸収能を有する必要が無くなるため、光学定数に関して従来のような厳しい制限が無くなる。
【0017】
唯一有機材料に要求されるのは、光吸収層の発熱によって確実に分解を起し、かつ、その分解特性(分解スピ−ド、分解量等)が優れていることである。
従って、記録再生が青色領域で行われるとしても、有機材料層の材料として、赤色レーザ波長領域に大きな吸収帯を有し、青色レーザ波長領域には大きな吸収帯を有しないが、分解特性の優れた有機材料、例えばCD−RやDVD−R用の色素を用いることができる。
また、従来は、波長制御のために、複雑な置換基や合成上困難性の高い色素を記録層として用いる必要があったが、本発明の有機材料層ではそのような複雑な波長制御は必要ないため、コストの安い有機材料を選択することが可能となる。
【0018】
上記の記録原理についてもう少し詳しく説明すると、本発明で用いる有機材料は、小さな分子や分子団が結合して、或いは、錯体や会合体等を形成して大きな共役系を形成した有機材料であって、分子や分子団が持っていた固有の吸収波長(図6の吸収スペクトルA、Bに相当)よりも長波長側に大きな主吸収帯を持ち、個々の分子や分子団が持っていた固有の吸収帯が消滅、又は減衰した吸収スペクトルを持つ(図7の吸収スペクトルCに相当)。
このような有機材料に対し、図7で示すようなλ1を記録再生波長として選択すると、未記録時はλ1での吸収が少なかった状態から、有機材料の分解によって、大きな分子を形成していた分子や分子団が持つ固有の吸収が増加し(図6参照)、λ1での吸収も増加し、吸収係数の変化による記録部が形成できる。
従って、ただ小さな分子や分子団が結合しているだけであって、共役系の広がりが形成されないような分子は、図7のような状態、即ち、分子や分子団が持っていた固有の吸収帯が消滅又は減衰し、新たに大きな鋭い吸収帯が形成されるような状態が実現されないため、記録前後での吸収係数の変化が大きくならず、記録ピットを形成することができない。
【0019】
また、従来の追記型光記録媒体では、有機材料層が記録機能と光吸収機能を兼用していたため、記録再生波長に対して大きな屈折率nと比較的小さな吸収係数kを有することが有機材料の必須条件であり、そのため有機材料を分解させる温度まで到達させるには、比較的厚い膜厚が必要となっていた(また相変化型の追記型光記録媒体に対し基板の溝深さが非常に深くなっていた)。
しかし、本発明の記録媒体では、光吸収機能と記録機能を分離したため、有機材料層の膜厚は従来に比べて薄くすることが可能となる。
また、有機材料層の薄膜化が可能となったことにより、転写性(成形性)に優れた溝深さの浅い基板を使用することが可能となり、追記型光記録媒体の信号品質が大幅に向上すると共に、従来に比べて基板を容易かつ安価に製造(成形)できる。
【0020】
更に、本発明の光吸収層には、屈折率が正常分散性を示す材料を用いることができるため、また、有機材料層には、大きな吸収帯が記録再生波長よりも十分長波長側に存在する色素などの有機材料を用いるため(大きな吸収帯近傍では屈折率が異常分散性を示し、屈折率が波長によって大きく異なるという性質を示すが、大きな吸収帯から十分離れた波長領域では屈折率は正常分散性を示し、屈折率は波長に対し緩やかな変化を示す)、レーザの個体差や、環境温度の変化等による記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等が大きく変化するという従来の問題を大幅に解消することができる。
【0021】
また、本発明は、上記のように、有機材料の主吸収帯よりも短波長側の吸収を増加させる記録原理を利用するものであるから、記録再生波長の範囲に制限はなく、赤色領域から青色領域まで、更には青色領域よりも短波長の領域までを含む広い範囲の記録再生波長に対応した追記型光記録媒体に適用可能である。
そして、対象となる媒体の記録再生に用いられるレーザ波長に合わせて、適切な吸収帯を有する分子や分子団を含む有機材料を選択することにより、広い範囲の記録再生波長に対応した媒体を作成することができる。
しかし、下記(1)〜(3)の理由により、本発明が適用される記録再生波長の範囲は500nm以下とすることが好ましい(現状では、利用可能なレーザ光の波長からみて350〜500nm程度である)。
(1)500nmを越える波長領域では、分子骨格が大きくなるため分解特性に優れた材料が多数存在すること
(2)色素の分解によって発生する分子や分子団の吸収波長は、ほぼ500nm以下に発生すること
(3)光吸収層として用いるSiC、Si又はGeの吸収係数(及び屈折率)は、長波長になるほど減少すること(赤色レ−ザ波長領域では、光吸収層又は光反射層としてSiやGeが十分機能しなくなる)
【0022】
本発明では、主に光吸収層の光吸収機能による発熱によって、有機材料層の記録再生波長での吸収係数を増加させることで記録を行うが、物理的な変形(例えば基板や光吸収層の変形)を補助的に記録に用いることもできる。
但し、この場合、基板や光吸収層等の変形による記録は、有機材料の分解による吸収係数の増加に起因する記録極性(記録によって再生信号が低下するか、増加するかを指す)と同一にすることが好ましい。
この基板や光吸収層等の変形による記録極性は、基板の溝形状や変形量等で制御することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、添付した図面を参照しつつ詳しく説明する。
基板材料としては、熱的、機械的に優れた特性を有し、基板側から(基板を通して)記録再生が行われる場合には光透過特性も優れているものであれば、特別な制限はない。具体例としては、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非晶質ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられるが、ポリカーボネート、非晶質ポリオレフィンが好ましい。
基板の厚さは用途に応じて異なり、特に制限はない。
【0024】
光吸収層には、有機材料層との屈折率差が大きく(通常0.5以上)、かつ熱伝導率がAgやAuに比べて比較的低い材料が適している。
有機材料層との大きな屈折率差は、反射率を高め、記録再生信号の品質を向上させるために有効である(光吸収層を光反射層として兼用できることが好ましい)。また、AgやAuに比べて比較的低い熱伝導率を有することは、効率よく(低記録パワ−で)有機材料を分解させるためにも必要である。
更に、有機材料の分解を低記録パワ−で生じさせるために、光吸収層の材料として、記録波長における吸収係数がある程度大きい(好ましくは0.2以上の)ものを用いることが好ましい。
以上の点から、光吸収層には、SiC、Si又はGeを主成分とする材料を用いることが好ましい。ここで、主成分とは、材料全体の50重量%以上を占めることを意味する。
光吸収層の好ましい膜厚範囲は、5〜50nmである。
【0025】
光干渉層は、変調度と反射率を高めるために、光吸収層の隣接層のうち、有機材料層とは反対側の隣接層として挿入される。また、入射レ−ザ光に対して、光吸収層よりも奥側の層として設けられる。
光干渉層には、記録再生波長に対して吸収係数が十分小さい(好ましくは0.02以下の)材料を用いることが好ましい。
その具体例としては、Al2O3、MgO、BeO、ZrO2、UO2、ThO2などの単純酸化物系の酸化物;SiO2、2MgO・SiO2、MgO・SiO2、CaO・SiO2、ZrO2・SiO2、3Al2O3・2SiO2、2MgO・2Al2O3・5SiO2、Li2O・Al2O3・4SiO2などのケイ酸塩系の酸化物;Al2TiO5、MgAl2O4、Ca10(PO4)6(OH)2、BaTiO3、LiNbO3、PZT、PLZT(PbTiO3−PbZrO3系酸化物)、フェライトなどの複酸化物系の酸化物;Si3N4、Si6−ZAlZOZN8−Z、AlN、BN、TiNなどの窒化物系の非酸化物;SiC、B4C、TiC、WCなどの炭化物系の非酸化物;LaB6、TiB2、ZrB2などのホウ化物系の非酸化物;CdS、MoS2などの硫化物系の非酸化物;MoSi2などのケイ化物系の非酸化物;アモルファス炭素、黒鉛、ダイアモンド等の炭素系の非酸化物を挙げることができ、ZnS−SiO2を主成分とすることが好ましい。ここで、主成分とは、材料全体の50重量%以上を占めることを意味する。
【0026】
光干渉層の膜厚は、高反射率化(未記録時の反射率)と高変調度化が実現できるような膜厚に設定されることが好ましく、通常は5〜200nm程度である。更に、光干渉層には、有機材料層や光吸収層を外部から保護する保護機能を持たせてもよいし(いわゆる保護層としても機能させる)、光吸収層の変形を抑制するための機能を持たせることも可能である。
この保護機能や変形抑制機能を持たせる場合には、光干渉層材料として硬度の高い材料(例えば上記した材料)を用いることが好ましく、また高反射率化と高変調度化を両立できる条件下で、膜厚を厚くすることが好ましい(通常は、高反射率化と高変調度化が両立できる光干渉層の最適膜厚範囲が複数存在するので、その中で厚めの膜厚範囲を選択することが好ましい)。
【0027】
有機材料層に用いられる材料としては、色素が好ましい。
色素としては、ポリメチン系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系各色素、及び金属錯体化合物などが挙げられる。
例えば、酸化によって左右の複素環を結合するメチン鎖が切断されタール化するが、左右の複素環は残存するという分解挙動が知られている下記シアニン色素〔化1〕は、本発明に適した色素の一例である。
また、〔化1〕の色素の左右の複素環は、その複素環単独で350〜500nmに吸収ピークを有する分子や分子団であることが好ましい。これによって、分解時の吸収係数の増加が青色レーザ波長領域で大きくなり、この領域での信号の検出が容易になる。なお、〔化1〕中のX、Y、Z−は、公知のシアニン色素が有する種々の置換基又は陰イオンを表す。
【0028】
【化1】
【0029】
色素層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、溶剤塗布などの通常の手段によって行なうことができる。塗布法を用いる場合には、上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティング、ディッピング、スピンコーティングなどの慣用のコーティング法で行なうことができる。
用いられる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエタン、四塩化炭素、トリクロルエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭素類;ベンゼン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族類;メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセロソルブ類;ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。
色素層の膜厚は、100Å〜10μm、好ましくは100〜2000Åが適当である。
【0030】
カバー層は、高密度化を図るため高NAのレンズを用いる場合に必要となる。例えば高NA化すると、再生光が透過する部分の厚さを薄くする必要があるが、これは、高NA化に伴い、光学ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直からズレる角度(いわゆるチルト角、光源の波長の逆数と対物レンズの開口数の積の2乗に比例する)により発生する収差の許容量が小さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さによる収差の影響を受け易いためである。
従って、一般に基板の厚さを薄くしてチルト角に対する収差の影響をなるべく小さくするようにしている。
【0031】
そこで、例えば基板上に凹凸を形成して記録層とし、その上に反射層を設け、更にその上に記録再生用の光を透過する光透過性のカバー層を設けて、カバー層側から再生光を照射することにより記録層の情報を再生することができるような構造の追記型光記録媒体や、基板上に反射層を設け、その上に記録層を形成し、更にその上に記録再生用の光に対し透過性を有するカバー層を設けて、カバー層側から再生光を照射することにより記録層の情報を再生することができるような構造の追記型光記録媒体が提案されている。
このようにすれば、カバー層を薄型化していくことで対物レンズの高NA化に対応可能である。つまり、薄いカバー層を設け、このカバー層側から記録再生することで、更なる高記録密度化を図ることができる。
なお、このようなカバー層は、ポリカーボネートシートや紫外線硬化型樹脂により形成されるのが一般的である。
また、本発明で言うカバー層には、カバー層を接着するための層も含むものとする。
【0032】
本発明の光記録媒体における情報の記録原理を、図2〜図3を参照しつつ説明する。
光源として500nm以下の波長のレーザを用いて、5〜15mW程度のパワーで光記録媒体に照射すると、光吸収層が光を吸収し、昇温して熱を放出する。
この熱は有機材料層に伝達されて有機材料の分解を誘発する。
この分解によって、有機材料は、有機材料を構成していた個々の分子や分子団に分断され、これらの個々の分子や分子団が持つ吸収帯の強度を増加させる。
レーザ照射によって形成された記録ピット部では、この個々の分子や分子団が持つ吸収帯の強度増加と光干渉層の最適化とによって、未記録部との間に大きな反射率差が生じるため、再生レーザ光を照射することで明瞭に信号を検出することが可能となる。
【0033】
以下、図2〜図3の各構成の機能について説明する。
図2は、青色レ−ザ波長対応の追記型光記録媒体を実現させる層構成の一例を示すもので、基板上に有機材料層、光吸収層、光干渉層が順次設けられた構造を有する。この構造では、通常記録再生が基板側から行われる。即ち、基板側からのレ−ザ光照射により光吸収層が発熱し、この熱によって有機材料の分解を誘発させ、記録再生波長での吸収係数を増加させることで記録が行われる。
図3は、別の層構成の例を示すもので、基板上に、光干渉層、光吸収層、有機材料層、カバー層が順次設けられた構造を有する。この構造では、通常記録再生がカバー側から行われる。即ち、カバー層側からのレ−ザ光照射により光吸収層が発熱し、この熱によって有機材料の分解を誘発させ、記録再生波長での吸収係数を増加させることで記録が行われる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例、比較例及び参考例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0035】
参考例
本発明の層構成と記録原理によって、良好な記録再生が実現できることを検証する。
基板上に、未記録時の主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に存在し、かつ記録再生波長の光に対して吸収機能を有しない有機材料層、光吸収機能を有するSiからなる光吸収層、ZnS−SiO2からなる光干渉層を積層した光記録媒体に対し、Si層の膜厚を変えて、有機材料層の膜厚と光干渉層の膜厚を変化させた時の反射率と変調度を計算した。
なお、有機材料層の未記録時の複素屈折率は、1.50−i0.050であり、記録後の複素屈折率は1.50−i0.125と仮定した(記録再生波長は405nmに設定)。
その結果、Si層の膜厚が10nmの場合、変調度(MA)は図8、反射率(R)は図9に示す通りであり、Si層の膜厚が15nmの場合、変調度(MA)は図11、反射率(R)は図12に示す通りであり、Si層の膜厚が20nmの場合、変調度(MA)は図14、反射率(R)は図15に示す通りとなった。
また高い変調度と高い反射率が得られる領域を明確にするために、変調度×反射率(MA×R)を計算し、Si層の膜厚が10nm、15nm、20nmの場合について、それぞれ、図10、図13、図16に示した。
なお、図8〜図16の横軸は有機材料層の膜厚、縦軸は光干渉層(ZnS−SiO2)の膜厚を示す。また、図8の右側のカラムは、図中の各領域の変調度の相対的レベルを示すスケールであって、全体を0〜1として段階的に色分けして示したものである。図9〜図16も同様の段階的表示をしてあるであるが、スケールは同じであるので省略した。
【0036】
これらの結果から、例えばSi層の膜厚が20nmの場合、図16を見ると、高変調度で高反射率化が達成できる領域が、色素膜厚80〜100nmで干渉層膜厚20nm近傍と、色素膜厚80〜100nmで干渉層膜厚100nm近傍であることが分り、この領域での変調度及び反射率は、図14及び図15から、変調度50%程度、反射率30〜40%であることが分る。
従って、色素即ち有機材料を用いた追記型光記録媒体において、青色レーザ波長領域でも高反射率化と高変調度化を図り得ることが確かめられた。
なお、上記の最適条件は、前述の通り、記録による有機材料層の複素屈折率変化が、1.50−i0.050→1.50−i0.125と仮定した場合のものであるが、当然ながら本発明はこれに限定されるものではない。
有機材料層の吸収係数(複素屈折率の虚部)の増加が大きくなれば、変調度や反射率を高めることができ、最適条件の範囲も広がるので、例えば、有機材料層の膜厚を更に薄膜化することができる(つまり浅い溝の基板が使用できる)。
また、本参考例では、基板側からの記録再生を考えた基板/有機材料層/光吸収層/光干渉層という構成で反射率や変調度の計算を行ったが、記録再生波長に対しカバー層が十分厚く且つ基板とカバー層の屈折率がほぼ同一であれば、カバー層側からの記録再生を考えた基板/光干渉層/光吸収層/有機材料層/カバー層という構成での反射率や変調度も殆んど同一結果となることは明白である。
【0037】
実施例1
次いで、実際の記録によって有機材料層の吸収係数(複素屈折率の虚部)が増加することを確かめた。
溝深さ55nmの案内溝を有するポリカーボネート基板上に、(株)林原生物化学研究所製の色素(NK3408)からなる有機材料層をスピンコート法によって形成し、更にその上に膜厚10nmのSi層(光吸収層)、膜厚30nmのZnS−SiO2からなる光干渉層を順次設けて追記型光記録媒体を作成した。
なお、波長405nmにおけるNK3408の複素屈折率は、1.507−i0.056であり、従来の追記型光記録媒体に用いる有機材料に要求される複素屈折率に比べて、著しく劣った複素屈折率である(例えばDVD−Rに用いられている色素の、記録再生波長近傍での複素屈折率は、2.5−i0.10程度である)。
【0038】
上記光記録媒体に対し、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、下記の条件で記録を行った結果、変調度約55%の信号が得られた。
また、上記光記録媒体の光吸収層を剥がし、記録部分と未記録部分の色素をエタノールで溶かして、それぞれのスペクトルを測定した。
その結果、図17に示すように、記録部では、波長400nm近傍の領域において、吸収係数(複素屈折率の虚部)の明らかな増加が認められ(記録はグルーブ部のみに行われたため、記録部のスペクトルには多量の未記録部成分が含まれる)、本発明の追記型光記録媒体における記録原理を確認できた。
また、参考例おいて、記録によって有機材料層の吸収係数(複素屈折率の虚部)が約2.5倍に増加するとした仮定に妥当性があることが裏付けられた。
<記録条件>
記録線密度:1T=0.0917(μm)
記録線速度:6.0(m/sec)
記録ストラテジ:Basic strategy(基本ストラテジ)
Ttop−Tmp=1.40−0.75(T)
記録パワー:8.5(mW)
記録パターン:8−16変調信号
【0039】
以上、本発明の実施例1及び参考例から、本発明の追記型光記録媒体の層構成と記録原理が、青色レーザ波長対応の有機材料を用いた追記型光記録媒体の実現に非常に有効であることが確認できた。
また、従来、有機材料を用いた追記型光記録媒体では、有機材料層で熱を発生させる必要があったため、有機材料層を薄膜化できず、深い溝(例えば150〜180nm)を必要としていたが、本発明の記録原理によって、有機材料の薄膜化が可能となり、55nmという非常に浅い溝を有する基板を使用できることが確かめられた。
但し、本発明は、基板の溝深さを55nm近辺に限定するものではない。
【0040】
実施例2
従来のDVD−Rに用いることができる下記〔化2〕で示される色素の複素屈折率(屈折率nと吸収係数k)、本発明で使用でき且つ従来のDVD−Rにも用いることができる(株)林原生物化学研究所製の色素(NK4382)の複素屈折率(屈折率nと吸収係数k)、光吸収層として用いることのできるSiの複素屈折率(屈折率nと吸収係数k)、及び、光干渉層として用いることのできるZnS−SiO2の複素屈折率(屈折率nと吸収係数k)を測定した。
その結果を、図18(〔化2〕の色素の場合)、図19(NK4382の場合)、図20(Siの場合)、図21(ZnS−SiO2の場合)に示す。
【0041】
図18に示す結果から、従来の記録材料に対し、記録再生波長を有機材料の吸収帯の長波長側に位置させるような従来の記録方法を採用すると、記録再生波長の変動に対し、屈折率nや吸収係数kが大きく変動することが確認できた。
一方、図19に示す結果から分るように、本発明では、従来の記録材料に対し、記録再生波長を有機材料の主吸収帯から十分短波長側に位置させる記録方法であるため、記録再生波長の変動に対し、屈折率nや吸収係数kが殆んど変動しないことが確認できた。
また、光吸収層として用いることのできるSiや、光干渉層として用いることができるZnS−SiO2も記録再生波長の変動に対し、屈折率nや吸収係数kが大きく変動しないことが確認できた(図20、図21参照)。
以上のように、本発明の追記型光記録媒体の層構成によって、記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射率等の変化が少ない追記型光記録媒体が実現できることが確認できた。
【0042】
【化2】
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、350〜500nm程度の青色レーザ波長領域の記録再生に対応可能であり、転写性のよい浅溝基板を利用でき、記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や反射率等の変化が少ない、有機材料を用いた追記型光記録媒体を、容易にしかも安価に提供することができる。
また、本発明によれば、基板側からの記録再生により高密度化を図ることができる追記型光記録媒体、及びカバー層側からの記録再生により高密度化を図ることができる追記型光記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の追記型光記録媒体の層構成を説明するための図である。
【図2】本発明の追記型光記録媒体の層構成を説明するための図である。
【図3】本発明の追記型光記録媒体の、別の層構成を説明するための図である。
【図4】従来の追記型光記録媒体の記録原理を説明するための図である。
【図5】本発明の追記型光記録媒体の記録原理を説明するための図である。
【図6】本発明の追記型光記録媒体に用いられる有機材料の特性を説明するための図である。
【図7】本発明の追記型光記録媒体に用いられる有機材料の特性を説明するための図である。
【図8】Si膜厚が10nmの場合における変調度(MA)の計算結果を示す図である。
【図9】Si膜厚が10nmの場合における反射率(R)の計算結果を示す図である。
【図10】Si膜厚が10nmの場合における変調度×反射率(MA×R)の計算結果を示す図である。
【図11】Si膜厚が15nmの場合における変調度(MA)の計算結果を示す図である。
【図12】Si膜厚が15nmの場合における反射率(R)の計算結果を示す図である。
【図13】Si膜厚が15nmの場合における変調度×反射率(MA×R)の計算結果を示す図である。
【図14】Si膜厚が20nmの場合における変調度(MA)の計算結果を示す図である。
【図15】Si膜厚が20nmの場合における反射率(R)の計算結果を示す図である。
【図16】Si膜厚が20nmの場合における変調度×反射率(MA×R)の計算結果を示す図である。
【図17】 実施例1で用いた色素の記録前後のスペクトル変化を示す図である。
【図18】従来の記録再生波長領域での複素屈折率を示す図である。
【図19】本発明の記録再生波長領域での複素屈折率を示す図である。
【図20】本発明で用いることができるSiの複素屈折率を示す図である。
【図21】本発明で用いることができるZnS−SiO2 の複素屈折率を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 有機材料層
3 光吸収層
4 光干渉層
5 カバー層
6 反射層
Claims (3)
- 基板上に、少なくとも、未記録時の主吸収帯の最大吸収波長が500nmより長波長に存在する有機材料層、光吸収層、光干渉層が順次積層された層構造を有し、350〜500nmのレーザ波長範囲で記録再生が可能であることを特徴とする追記型光記録媒体。
- 基板上に、少なくとも、光干渉層、光吸収層、未記録時の主吸収帯の最大吸収波長が500nmより長波長に存在する有機材料層、カバー層が順次積層された層構造を有し、350〜500nmのレーザ波長範囲で、カバー層側から記録再生が可能であることを特徴とする追記型光記録媒体。
- 記録再生波長における有機材料層の吸収係数Kaと、光吸収層の吸収係数KbとがKa<Kbの関係を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の追記型光記録媒体。
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