JP2003335062A - 追記型光記録媒体とその記録方法 - Google Patents

追記型光記録媒体とその記録方法

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JP2003335062A JP2002144434A JP2002144434A JP2003335062A JP 2003335062 A JP2003335062 A JP 2003335062A JP 2002144434 A JP2002144434 A JP 2002144434A JP 2002144434 A JP2002144434 A JP 2002144434A JP 2003335062 A JP2003335062 A JP 2003335062A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 青色レーザ波長領域に対応可能であり、転写
性のよい浅溝基板が利用でき、記録再生波長の変動に対
し、記録特性や反射率等の変化が少ない、有機材料を用
いた追記型光記録媒体とその記録方法の提供。 【解決手段】 (1)基板上に、少なくとも、未記録時
の主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に存在し、
かつ記録再生波長の光に対して吸収機能を有しない有機
材料層、光吸収層、光干渉層が順次積層された層構造を
有する追記型光記録媒体。 (2)基板上に、少なくとも、光干渉層、光吸収層、未
記録時の主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に存
在し、かつ記録再生波長の光に対して吸収機能を有しな
い有機材料層、カバー層が順次積層された層構造を有
し、カバー層側から記録再生が行われる追記型光記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、追記型(WOR
M:Write Once Read Many)光記
録媒体に係り、特に350〜500nm程度の青色レー
ザ波長領域でも高密度記録が可能な追記型光記録媒体と
その記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超高密度の記録が可能となる青色レーザ
の開発は急速に進んでおり、それに対応した追記型光記
録媒体の開発が行われている。従来の追記型光記録媒体
では、有機材料からなる記録層にレーザ光を照射し、主
に有機材料の分解・変質による屈折率変化を生じさせる
ことで記録ピットを形成させており、記録層に用いられ
る有機材料の光学定数や分解挙動が、良好な記録ピット
を形成させるための重要な要素となっている。従って、
記録層に用いる有機材料としては、青色レーザ波長に対
する光学的性質や分解挙動の適切な材料を選択する必要
がある。即ち、未記録時の反射率を高め、またレーザの
照射によって有機材料が分解し大きな屈折率変化が生じ
るようにするため(これによって大きな変調度が得られ
る)、記録再生波長は大きな吸収帯の長波長側の裾に位
置するように選択される。
【0003】何故ならば、有機材料の大きな吸収帯の長
波長側の裾は、適度な吸収係数を有し且つ大きな屈折率
が得られる波長領域となるためである。しかしながら、
青色レーザ波長に対する光学的性質が従来並みの値を有
する有機材料は未だ見出されていない。これは、青色レ
ーザ波長近傍に吸収帯を持つ有機材料を得るためには、
分子骨格を小さくするか又は共役系を短くする必要があ
るが、そうすると吸収係数の低下、即ち屈折率の低下を
招くためである。つまり、青色レーザ波長近傍に吸収帯
を持つ有機材料は多数存在し、吸収係数を制御すること
は可能となるが、大きな屈折率を持たないため、大きな
変調度を得ることができなくなる。
【0004】青色レーザ対応の有機材料としては、例え
ば、特開2001−181524号、特開2001−1
58865号、特開2000−343824号、特開2
000−343825号、特開2000−335110
号各公報に記載がある。しかし、これらの公報では、実
施例を見ても溶液と薄膜のスペクトルを測定しているの
みで、記録再生に関する記載はない。特開平11−22
1964号、特開平11−334206号、特開200
0−43423号各公報では、実施例に記録の記載があ
るものの、記録波長は488nmであり、また記録条件
や記録密度に関する記載はなく、良好な記録ピットが形
成できた旨の記載があるのみである。特開平11−58
955号公報では、実施例に記録の記載があるものの、
記録波長は430nmであり、また記録条件や記録密度
に関する記載はなく、良好な変調度が得られた旨の記載
があるのみである。
【0005】特開2001−39034号、特開200
0−149320号、特開2000−113504号、
特開2000−108513号、特開2000−222
772号、特開2000−218940号、特開200
0−222771号、特開2000−158818号、
特開2000−280621号、特開2000−280
620号各公報では、実施例に記録波長430nm、N
A0.65での記録例があるが、最短ピットが0.4μ
mという低記録密度条件(DVDと同等の記録密度)で
ある。特開2001−146074号公報では、記録再
生波長は405〜408nmであるが、記録密度に関す
る具体的な記載がなく、14T−EFM信号の記録とい
う低記録密度条件である。
【0006】また、従来のCD、DVD系光記録媒体と
異なる層構成及び記録方法に関して、以下のような技術
が公開されている。特開平7−304258号公報に
は、基板/可飽和吸収色素含有層/反射層という層構成
で、可飽和吸収色素の消衰係数(本発明でいう吸収係
数)の変化により記録を行う技術が開示されている。特
開平8−83439号公報には、基板/金属蒸着層/光
吸収層/保護シートという層構成で、光吸収層によって
発生した熱によって、金属蒸着層を変色又は変形させる
ことで記録を行う技術が開示されている。特開平8−1
38245号公報には、基板/誘電体層/光吸収体を含
む記録層/反射層という層構成で、記録層の膜厚を変え
ることにより溝部の深さを変えて記録を行う技術が開示
されている。
【0007】特開平8−297838号公報には、基板
/光吸収体を含む記録層/金属反射層という層構成で、
記録層の膜厚を10〜30%変化させることにより記録
を行う技術が開示されている。特開平9−198714
号公報には、基板/有機色素を含有する記録層/金属反
射層/保護層という層構成で、基板の溝幅を未記録部に
対して20〜40%広くすることにより記録を行う技術
が開示されている。特許第2506374号公報には、
基板/中間層/金属薄膜という層構成で、金属薄膜が変
形しバブルを形成することにより記録を行う技術が開示
されている。特許第2591939号公報には、基板/
光吸収層/記録補助層/光反射層という層構成で、記録
補助層を凹状に変形させると共に、記録補助層の変形に
沿って光反射層を凹状に変形させることで記録を行う技
術が開示されている。
【0008】特許第2591940号公報には、基板/
光吸収層/多孔質な記録補助層/光反射層、或いは、基
板/多孔質な記録補助層/光吸収層/光反射層という層
構成で、記録補助層を凹状に変形させると共に、記録補
助層の変形に沿って光反射層を凹状に変形させることで
記録を行う技術が開示されている。特許第259194
1号公報には、基板/多孔質な光吸収層/光反射層とい
う層構成で、光吸収層を凹状に変形させると共に、光吸
収層の変形に沿って光反射層を凹状に変形させることで
記録を行う技術が開示されている。特許第298292
5号公報には、基板/有機色素を含む記録層/記録補助
層という層構成で、記録補助層と有機色素が相溶して、
有機色素の吸収スペクトルを短波長側へシフトさせるこ
とで記録を行う技術が開示されている。
【0009】特開平9−265660号公報には、基板
上に反射層と記録層の機能を有する複合機能層、保護層
を順次形成した層構成で、基板と複合機能層がバンプを
形成することで記録を行う技術が開示されている。な
お、複合機能層としては、ニッケル、クロム、チタン等
の金属、又はそれらの合金との規定がある。特開平10
−134415号公報には、基板上に金属薄膜層、変形
可能な緩衝層、反射層、保護層を順次形成した層構成
で、基板と金属薄膜層を変形させ、同時にこの変形部で
の緩衝層膜厚を薄くさせることで記録を行う技術が開示
されている。なお、金属薄膜層としては、ニッケル、ク
ロム、チタン等の金属、又はそれらの合金との規定があ
る。また、緩衝層としては、変形し易く適当な流動性を
持つ樹脂が用いられ、変形を促進させるために色素を含
有させても良いとの記載がある。
【0010】特開平11−306591号公報には、基
板上に金属薄膜層、緩衝層、反射層を順次積層した層構
成で、基板と金属薄膜層を変形させ、同時にこの変形部
での緩衝層膜厚と光学定数とを変化させることで記録を
行う技術が開示されている。なお、金属薄膜層として
は、ニッケル、クロム、チタン等の金属、又はそれらの
合金が好ましいとの記載がある。また、緩衝層は色素と
有機高分子の混合物からなり、記録再生波長近傍に大き
な吸収帯を有する色素が用いられる。特開平10−12
4926号公報には、基板上に金属記録層、バッファ
層、反射層を順次積層した層構成で、基板と金属記録層
を変形させ、同時にこの変形部でのバッファ層膜厚と光
学定数とを変化させることで記録を行う技術が開示され
ている。なお、金属記録層としては、ニッケル、クロ
ム、チタン等の金属、又はそれらの合金が好ましいとの
記載がある。また、バッファ層は色素と樹脂の混合物か
らなり、記録再生波長近傍に大きな吸収帯を有する色素
が用いられる。
【0011】以上のように、上記諸々の従来技術は、青
色レーザ波長領域での追記型光記録媒体の実現を狙った
ものではなく、青色レーザ波長領域で有効となる層構成
や記録方法ではない。特に現在実用化されている青色半
導体レーザの発振波長の中心である405nm近傍にお
いては、従来の追記型光記録媒体の記録層に要求される
光学定数と同程度の光学定数を有する有機材料が殆んど
存在しない。また、405nm近傍で記録条件を明確に
し、DVDよりも高記録密度で記録された例はない。更
に、上記従来技術における実施例の多くは、従来のディ
スク構成(図1参照)での実験であり、また、従来のデ
ィスク構成と異なる構成も提案されてはいるが、そこに
用いられる色素は従来と同じ光学特性と機能が要求され
ており、青色レーザ波長領域で、有機材料からなる追記
型光記録媒体を容易に実現できる層構成や記録原理、記
録方式についての有効な提案はない。
【0012】また、従来の有機材料を用いた追記型光記
録媒体では、変調度と反射率の確保の点から、記録再生
波長に対し大きな屈折率と比較的小さな吸収係数(0.
05〜0.07程度)を持つ有機材料しか使用すること
ができない。即ち、有機材料は記録光に対して十分な吸
収能を持たないため、有機材料の膜厚を薄膜化すること
が不可能であり、従って、深い溝を持った基板を使用す
る必要があった(有機材料は通常スピンコート法によっ
て形成されるため、有機材料を深い溝に埋めて厚膜化し
ていた)。そのため、深い溝を有する基板の形成が非常
に難しくなり、追記型光記録媒体としての品質を低下さ
せる要因になっていた。更に、従来の有機材料を用いた
追記型光記録媒体では、記録再生波長近傍に有機材料の
主吸収帯が存在するため、有機材料の光学定数の波長依
存性が大きくなり(波長によって光学定数が大きく変動
する)、レーザの個体差や環境温度の変化等による記録
再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エ
ラー率といったような記録特性や、反射率等が大きく変
化するという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、次のような特性を有する追記型光
記録媒体とその記録方法の実現を目的とする。 (a) 青色レーザ波長領域(350〜500nm程
度)、特に405nm近傍の波長領域であっても記録再
生が容易に行える、有機材料層を有する高密度記録可能
な追記型光記録媒体。 (b) 転写性のよい浅溝基板でも記録再生が容易に行
える、有機材料層を有する追記型光記録媒体。 (c) 記録再生波長の変動に対し、記録感度、変調
度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、反射
率等の変化が少ない追記型光記録媒体。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題は、次の1)〜
9)の発明(以下、本発明1〜9という。)によって解
決される。 1) 基板上に、少なくとも、未記録時の主吸収帯が記
録再生波長に対して長波長側に存在し、かつ記録再生波
長の光に対して吸収機能を有しない有機材料層、光吸収
層、光干渉層が順次積層された層構造を有することを特
徴とする追記型光記録媒体。 2) 基板上に、少なくとも、光干渉層、光吸収層、未
記録時の主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に存
在し、かつ記録再生波長の光に対して吸収機能を有しな
い有機材料層、カバー層が順次積層された層構造を有
し、カバー層側から記録再生が行われることを特徴とす
る追記型光記録媒体。 3) 有機材料層が、光吸収層の光吸収機能による発熱
によって分解し、記録再生波長での吸収係数が増加する
有機材料からなることを特徴とする1)又は2)記載の
追記型光記録媒体。 4) 光干渉層が、保護層としての機能を有することを
特徴とする1)記載の追記型光記録媒体。 5) 光吸収層が、SiC、Si又はGeを主成分とす
る材料からなることを特徴とする1)〜4)の何れかに
記載の追記型光記録媒体。 6) 光干渉層が、ZnS−SiOを主成分とする材
料からなることを特徴とする1)〜5)の何れかに記載
の追記型光記録媒体。 7) 350〜500nmのレーザ波長範囲で記録再生
が可能であることを特徴とする1)〜6)の何れかに記
載の追記型光記録媒体。 8) 基板上に、少なくとも、未記録時の主吸収帯が記
録再生波長に対して長波長側に存在し、かつ記録再生波
長の光に対して吸収機能を有しない有機材料層、光吸収
層、光干渉層が順次積層された構造を有する追記型光記
録媒体に対し、基板側からレーザ光を照射し、光吸収層
の光吸収機能による発熱によって有機材料層の有機材料
を分解させ、有機材料層の記録再生波長での吸収係数を
増加させて記録を行うことを特徴とする追記型光記録媒
体の記録方法。 9) 基板上に、少なくとも、光干渉層、光吸収層、未
記録時の主吸収帯が記録再生波長に対して長波長側に存
在し、かつ記録再生波長の光に対して吸収機能を有しな
い有機材料層、カバー層が順次積層された構造を有する
追記型光記録媒体に対し、カバー層側からレーザ光を照
射し、光吸収層の光吸収機能による発熱によって有機材
料層の有機材料を分解させ、有機材料層の記録再生波長
での吸収係数を増加させて記録を行うことを特徴とする
追記型光記録媒体の記録方法。
【0015】以下、上記本発明について詳しく説明す
る。本発明では、光吸収層の発熱によって、有機材料層
の有機材料を分解させ、有機材料の主吸収帯よりも短波
長側の吸収を増加させることが記録の基本原理である。
本発明の追記型光記録媒体は、従来、光吸収層であり、
かつ分解・変質に起因した屈折率(複素屈折率の実部)
変化による記録層として機能していた有機材料層から、
光吸収機能と記録機能とを分離させた点に特徴がある。
即ち、有機材料層から光吸収機能を除き、有機材料層に
隣接させて光吸収層を設けたものである。従って、本発
明では、記録再生波長の光に対して吸収機能を有しない
有機材料層を用いるが、ここで言う「吸収機能を有しな
い」とは、光吸収層に比べて十分小さな光吸収機能しか
持たず(その吸収係数が光吸収層の吸収係数よりも十分
小さく)、有機材料層単独の光吸収機能では、有機材料
自身を分解させるような温度に至らないことを意味する
(即ち、実質上、光吸収層として必要な吸収機能を果さ
ないことを意味する)。従って、具体的には、有機材料
の吸収係数が小さい場合や、膜厚が薄い場合を指すこと
になる。
【0016】従来の追記型光記録媒体では、有機材料の
分解・変質によって記録再生波長における吸収係数を低
下させ、これによる大きな屈折率変化を利用して変調度
を発生させていた(図4参照。横軸の下の矢印は記録再
生波長を示す)。これに対し、本発明の追記型光記録媒
体では、有機材料の分解によって、その有機材料を構成
していた分子や分子団の吸収を発生させ(大きな吸収帯
よりも短波長側での吸収係数を増加させ)、この分子や
分子団の吸収波長帯と記録再生波長とが重なるように設
定することにより、記録再生波長における吸収係数を増
加させて変調度を発生させる(図5参照)。その結果、
有機材料層は、屈折率の制限が全く無くなり、また、記
録再生波長に対し光吸収能を有する必要が無くなるた
め、光学定数に関して従来のような厳しい制限が無くな
る。
【0017】唯一有機材料に要求されるのは、光吸収層
の発熱によって確実に分解を起し、かつ、その分解特性
(分解スピ−ド、分解量等)が優れていることである。
従って、記録再生が青色領域で行われるとしても、有機
材料層の材料として、赤色レーザ波長領域に大きな吸収
帯を有し、青色レーザ波長領域には大きな吸収帯を有し
ないが、分解特性の優れた有機材料、例えばCD−Rや
DVD−R用の色素を用いることができる。また、従来
は、波長制御のために、複雑な置換基や合成上困難性の
高い色素を記録層として用いる必要があったが、本発明
の有機材料層ではそのような複雑な波長制御は必要ない
ため、コストの安い有機材料を選択することが可能とな
る。
【0018】上記の記録原理についてもう少し詳しく説
明すると、本発明で用いる有機材料は、小さな分子や分
子団が結合して、或いは、錯体や会合体等を形成して大
きな共役系を形成した有機材料であって、分子や分子団
が持っていた固有の吸収波長(図6の吸収スペクトル
A、Bに相当)よりも長波長側に大きな主吸収帯を持
ち、個々の分子や分子団が持っていた固有の吸収帯が消
滅、又は減衰した吸収スペクトルを持つ(図7の吸収ス
ペクトルCに相当)。このような有機材料に対し、図7
で示すようなλ1を記録再生波長として選択すると、未
記録時はλ1での吸収が少なかった状態から、有機材料
の分解によって、大きな分子を形成していた分子や分子
団が持つ固有の吸収が増加し(図6参照)、λ1での吸
収も増加し、吸収係数の変化による記録部が形成でき
る。従って、ただ小さな分子や分子団が結合しているだ
けであって、共役系の広がりが形成されないような分子
は、図7のような状態、即ち、分子や分子団が持ってい
た固有の吸収帯が消滅又は減衰し、新たに大きな鋭い吸
収帯が形成されるような状態が実現されないため、記録
前後での吸収係数の変化が大きくならず、記録ピットを
形成することができない。
【0019】また、従来の追記型光記録媒体では、有機
材料層が記録機能と光吸収機能を兼用していたため、記
録再生波長に対して大きな屈折率nと比較的小さな吸収
係数kを有することが有機材料の必須条件であり、その
ため有機材料を分解させる温度まで到達させるには、比
較的厚い膜厚が必要となっていた(また相変化型の追記
型光記録媒体に対し基板の溝深さが非常に深くなってい
た)。しかし、本発明の記録媒体では、光吸収機能と記
録機能を分離したため、有機材料層の膜厚は従来に比べ
て薄くすることが可能となる。また、有機材料層の薄膜
化が可能となったことにより、転写性(成形性)に優れ
た溝深さの浅い基板を使用することが可能となり、追記
型光記録媒体の信号品質が大幅に向上すると共に、従来
に比べて基板を容易かつ安価に製造(成形)できる。
【0020】更に、本発明の光吸収層には、屈折率が正
常分散性を示す材料を用いることができるため、また、
有機材料層には、大きな吸収帯が記録再生波長よりも十
分長波長側に存在する色素などの有機材料を用いるため
(大きな吸収帯近傍では屈折率が異常分散性を示し、屈
折率が波長によって大きく異なるという性質を示すが、
大きな吸収帯から十分離れた波長領域では屈折率は正常
分散性を示し、屈折率は波長に対し緩やかな変化を示
す)、レーザの個体差や、環境温度の変化等による記録
再生波長の変動に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エ
ラー率といったような記録特性や、反射率等が大きく変
化するという従来の問題を大幅に解消することができ
る。
【0021】また、本発明は、上記のように、有機材料
の主吸収帯よりも短波長側の吸収を増加させる記録原理
を利用するものであるから、記録再生波長の範囲に制限
はなく、赤色領域から青色領域まで、更には青色領域よ
りも短波長の領域までを含む広い範囲の記録再生波長に
対応した追記型光記録媒体に適用可能である。そして、
対象となる媒体の記録再生に用いられるレーザ波長に合
わせて、適切な吸収帯を有する分子や分子団を含む有機
材料を選択することにより、広い範囲の記録再生波長に
対応した媒体を作成することができる。しかし、下記
(1)〜(3)の理由により、本発明が適用される記録
再生波長の範囲は500nm以下とすることが好ましい
(現状では、利用可能なレーザ光の波長からみて350
〜500nm程度である)。 (1)500nmを越える波長領域では、分子骨格が大
きくなるため分解特性に優れた材料が多数存在すること (2)色素の分解によって発生する分子や分子団の吸収
波長は、ほぼ500nm以下に発生すること (3)光吸収層として用いるSiC、Si又はGeの吸
収係数(及び屈折率)は、長波長になるほど減少するこ
と(赤色レ−ザ波長領域では、光吸収層又は光反射層と
してSiやGeが十分機能しなくなる)
【0022】本発明では、主に光吸収層の光吸収機能に
よる発熱によって、有機材料層の記録再生波長での吸収
係数を増加させることで記録を行うが、物理的な変形
(例えば基板や光吸収層の変形)を補助的に記録に用い
ることもできる。但し、この場合、基板や光吸収層等の
変形による記録は、有機材料の分解による吸収係数の増
加に起因する記録極性(記録によって再生信号が低下す
るか、増加するかを指す)と同一にすることが好まし
い。この基板や光吸収層等の変形による記録極性は、基
板の溝形状や変形量等で制御することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、添
付した図面を参照しつつ詳しく説明する。基板材料とし
ては、熱的、機械的に優れた特性を有し、基板側から
(基板を通して)記録再生が行われる場合には光透過特
性も優れているものであれば、特別な制限はない。具体
例としては、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチ
ル、非晶質ポリオレフィン、セルロースアセテート、ポ
リエチレンテレフタレートなどが挙げられるが、ポリカ
ーボネート、非晶質ポリオレフィンが好ましい。基板の
厚さは用途に応じて異なり、特に制限はない。
【0024】光吸収層には、有機材料層との屈折率差が
大きく(通常0.5以上)、かつ熱伝導率がAgやAu
に比べて比較的低い材料が適している。有機材料層との
大きな屈折率差は、反射率を高め、記録再生信号の品質
を向上させるために有効である(光吸収層を光反射層と
して兼用できることが好ましい)。また、AgやAuに
比べて比較的低い熱伝導率を有することは、効率よく
(低記録パワ−で)有機材料を分解させるためにも必要
である。更に、有機材料の分解を低記録パワ−で生じさ
せるために、光吸収層の材料として、記録波長における
吸収係数がある程度大きい(好ましくは0.2以上の)
ものを用いることが好ましい。以上の点から、光吸収層
には、SiC、Si又はGeを主成分とする材料を用い
ることが好ましい。ここで、主成分とは、材料全体の5
0重量%以上を占めることを意味する。光吸収層の好ま
しい膜厚範囲は、5〜50nmである。
【0025】光干渉層は、変調度と反射率を高めるため
に、光吸収層の隣接層のうち、有機材料層とは反対側の
隣接層として挿入される。また、入射レ−ザ光に対し
て、光吸収層よりも奥側の層として設けられる。光干渉
層には、記録再生波長に対して吸収係数が十分小さい
(好ましくは0.02以下の)材料を用いることが好ま
しい。その具体例としては、Al、MgO、Be
O、ZrO、UO、ThOなどの単純酸化物系の
酸化物;SiO、2MgO・SiO、MgO・Si
、CaO・SiO、ZrO・SiO、3Al
・2SiO、2MgO・2Al・5Si
、LiO・Al・4SiOなどのケイ酸
塩系の酸化物;AlTiO、MgAl、Ca
10(PO (OH)、BaTiO、LiNb
、PZT、PLZT(PbTiO−PbZrO
系酸化物)、フェライトなどの複酸化物系の酸化物;S
、Si6−ZAl8−Z、AlN、B
N、TiNなどの窒化物系の非酸化物;SiC、B
C、TiC、WCなどの炭化物系の非酸化物;LaB
、TiB、ZrBなどのホウ化物系の非酸化物;
CdS、MoSなどの硫化物系の非酸化物;MoSi
などのケイ化物系の非酸化物;アモルファス炭素、黒
鉛、ダイアモンド等の炭素系の非酸化物を挙げることが
でき、ZnS−SiOを主成分とすることが好まし
い。ここで、主成分とは、材料全体の50重量%以上を
占めることを意味する。
【0026】光干渉層の膜厚は、高反射率化(未記録時
の反射率)と高変調度化が実現できるような膜厚に設定
されることが好ましく、通常は5〜200nm程度であ
る。更に、光干渉層には、有機材料層や光吸収層を外部
から保護する保護機能を持たせてもよいし(いわゆる保
護層としても機能させる)、光吸収層の変形を抑制する
ための機能を持たせることも可能である。この保護機能
や変形抑制機能を持たせる場合には、光干渉層材料とし
て硬度の高い材料(例えば上記した材料)を用いること
が好ましく、また高反射率化と高変調度化を両立できる
条件下で、膜厚を厚くすることが好ましい(通常は、高
反射率化と高変調度化が両立できる光干渉層の最適膜厚
範囲が複数存在するので、その中で厚めの膜厚範囲を選
択することが好ましい)。
【0027】有機材料層に用いられる材料としては、色
素が好ましい。色素としては、ポリメチン系、ナフタロ
シアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、ク
ロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アント
ラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフ
ェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、
フェナンスレン系、トリフェノチアジン系各色素、及び
金属錯体化合物などが挙げられる。例えば、酸化によっ
て左右の複素環を結合するメチン鎖が切断されタール化
するが、左右の複素環は残存するという分解挙動が知ら
れている下記シアニン色素〔化1〕は、本発明に適した
色素の一例である。また、〔化1〕の色素の左右の複素
環は、その複素環単独で350〜500nmに吸収ピー
クを有する分子や分子団であることが好ましい。これに
よって、分解時の吸収係数の増加が青色レーザ波長領域
で大きくなり、この領域での信号の検出が容易になる。
なお、〔化1〕中のX、Y、Zは、公知のシアニン色
素が有する種々の置換基又は陰イオンを表す。
【0028】
【化1】
【0029】色素層の形成は、蒸着、スパッタリング、
CVD、溶剤塗布などの通常の手段によって行なうこと
ができる。塗布法を用いる場合には、上記染料などを有
機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティング、
ディッピング、スピンコーティングなどの慣用のコーテ
ィング法で行なうことができる。用いられる有機溶剤と
しては、メタノール、エタノール、イソプロパノールな
どのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド
類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチ
レングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;
酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;クロロホル
ム、塩化メチレン、ジクロルエタン、四塩化炭素、トリ
クロルエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭素類;ベンゼ
ン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン
などの芳香族類;メトキシエタノール、エトキシエタノ
ールなどのセロソルブ類;ヘキサン、ペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類など
が挙げられる。色素層の膜厚は、100Å〜10μm、
好ましくは100〜2000Åが適当である。
【0030】カバー層は、高密度化を図るため高NAの
レンズを用いる場合に必要となる。例えば高NA化する
と、再生光が透過する部分の厚さを薄くする必要がある
が、これは、高NA化に伴い、光学ピックアップの光軸
に対してディスク面が垂直からズレる角度(いわゆるチ
ルト角、光源の波長の逆数と対物レンズの開口数の積の
2乗に比例する)により発生する収差の許容量が小さく
なるためであり、このチルト角が基板の厚さによる収差
の影響を受け易いためである。従って、一般に基板の厚
さを薄くしてチルト角に対する収差の影響をなるべく小
さくするようにしている。
【0031】そこで、例えば基板上に凹凸を形成して記
録層とし、その上に反射層を設け、更にその上に記録再
生用の光を透過する光透過性のカバー層を設けて、カバ
ー層側から再生光を照射することにより記録層の情報を
再生することができるような構造の追記型光記録媒体
や、基板上に反射層を設け、その上に記録層を形成し、
更にその上に記録再生用の光に対し透過性を有するカバ
ー層を設けて、カバー層側から再生光を照射することに
より記録層の情報を再生することができるような構造の
追記型光記録媒体が提案されている。このようにすれ
ば、カバー層を薄型化していくことで対物レンズの高N
A化に対応可能である。つまり、薄いカバー層を設け、
このカバー層側から記録再生することで、更なる高記録
密度化を図ることができる。なお、このようなカバー層
は、ポリカーボネートシートや紫外線硬化型樹脂により
形成されるのが一般的である。また、本発明で言うカバ
ー層には、カバー層を接着するための層も含むものとす
る。
【0032】本発明の光記録媒体における情報の記録原
理を、図2〜図3を参照しつつ説明する。光源として5
00nm以下の波長のレーザを用いて、5〜15mW程
度のパワーで光記録媒体に照射すると、光吸収層が光を
吸収し、昇温して熱を放出する。この熱は有機材料層に
伝達されて有機材料の分解を誘発する。この分解によっ
て、有機材料は、有機材料を構成していた個々の分子や
分子団に分断され、これらの個々の分子や分子団が持つ
吸収帯の強度を増加させる。レーザ照射によって形成さ
れた記録ピット部では、この個々の分子や分子団が持つ
吸収帯の強度増加と光干渉層の最適化とによって、未記
録部との間に大きな反射率差が生じるため、再生レーザ
光を照射することで明瞭に信号を検出することが可能と
なる。
【0033】以下、図2〜図3の各構成の機能について
説明する。図2は、青色レ−ザ波長対応の追記型光記録
媒体を実現させる層構成の一例を示すもので、基板上に
有機材料層、光吸収層、光干渉層が順次設けられた構造
を有する。この構造では、通常記録再生が基板側から行
われる。即ち、基板側からのレ−ザ光照射により光吸収
層が発熱し、この熱によって有機材料の分解を誘発さ
せ、記録再生波長での吸収係数を増加させることで記録
が行われる。図3は、別の層構成の例を示すもので、基
板上に、光干渉層、光吸収層、有機材料層、カバー層が
順次設けられた構造を有する。この構造では、通常記録
再生がカバー側から行われる。即ち、カバー層側からの
レ−ザ光照射により光吸収層が発熱し、この熱によって
有機材料の分解を誘発させ、記録再生波長での吸収係数
を増加させることで記録が行われる。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限
定されるものではない。
【0035】実施例1 本発明の層構成と記録原理によって、良好な記録再生が
実現できることを検証する。基板上に、未記録時の主吸
収帯が記録再生波長に対して長波長側に存在し、かつ記
録再生波長の光に対して吸収機能を有しない有機材料
層、光吸収機能を有するSiからなる光吸収層、ZnS
−SiOからなる光干渉層を積層した光記録媒体に対
し、Si層の膜厚を変えて、有機材料層の膜厚と光干渉
層の膜厚を変化させた時の反射率と変調度を計算した。
なお、有機材料層の未記録時の複素屈折率は、1.50
−i0.050であり、記録後の複素屈折率は1.50
−i0.125と仮定した(記録再生波長は405nm
に設定)。その結果、Si層の膜厚が10nmの場合、
変調度(MA)は図8、反射率(R)は図9に示す通り
であり、Si層の膜厚が15nmの場合、変調度(M
A)は図11、反射率(R)は図12に示す通りであ
り、Si層の膜厚が20nmの場合、変調度(MA)は
図14、反射率(R)は図15に示す通りとなった。ま
た高い変調度と高い反射率が得られる領域を明確にする
ために、変調度×反射率(MA×R)を計算し、Si層
の膜厚が10nm、15nm、20nmの場合につい
て、それぞれ、図10、図13、図16に示した。な
お、図8〜図16の横軸は有機材料層の膜厚、縦軸は光
干渉層(ZnS−SiO)の膜厚を示す。また、図8
の右側のカラムは、図中の各領域の変調度の相対的レベ
ルを示すスケールであって、全体を0〜1として段階的
に色分けして示したものである。図9〜図16も同様の
段階的表示をしてあるであるが、スケールは同じである
ので省略した。
【0036】これらの結果から、例えばSi層の膜厚が
20nmの場合、図16を見ると、高変調度で高反射率
化が達成できる領域が、色素膜厚80〜100nmで干
渉層膜厚20nm近傍と、色素膜厚80〜100nmで
干渉層膜厚100nm近傍であることが分り、この領域
での変調度及び反射率は、図14及び図15から、変調
度50%程度、反射率30〜40%であることが分る。
従って、色素即ち有機材料を用いた追記型光記録媒体に
おいて、青色レーザ波長領域でも高反射率化と高変調度
化を図り得ることが確かめられた。なお、上記の最適条
件は、前述の通り、記録による有機材料層の複素屈折率
変化が、1.50−i0.050→1.50−i0.1
25と仮定した場合のものであるが、当然ながら本発明
はこれに限定されるものではない。有機材料層の吸収係
数(複素屈折率の虚部)の増加が大きくなれば、変調度
や反射率を高めることができ、最適条件の範囲も広がる
ので、例えば、有機材料層の膜厚を更に薄膜化すること
ができる(つまり浅い溝の基板が使用できる)。また、
本実施例では、基板側からの記録再生を考えた基板/有
機材料層/光吸収層/光干渉層という構成で反射率や変
調度の計算を行ったが、記録再生波長に対しカバー層が
十分厚く且つ基板とカバー層の屈折率がほぼ同一であれ
ば、カバー層側からの記録再生を考えた基板/光干渉層
/光吸収層/有機材料層/カバー層という構成での反射
率や変調度も殆んど同一結果となることは明白である。
【0037】実施例2 次いで、実際の記録によって有機材料層の吸収係数(複
素屈折率の虚部)が増加することを確かめた。溝深さ5
5nmの案内溝を有するポリカーボネート基板上に、
(株)林原生物化学研究所製の色素(NK3408)か
らなる有機材料層をスピンコート法によって形成し、更
にその上に膜厚10nmのSi層(光吸収層)、膜厚3
0nmのZnS−SiOからなる光干渉層を順次設け
て追記型光記録媒体を作成した。なお、波長405nm
におけるNK3408の複素屈折率は、1.507−i
0.056であり、従来の追記型光記録媒体に用いる有
機材料に要求される複素屈折率に比べて、著しく劣った
複素屈折率である(例えばDVD−Rに用いられている
色素の、記録再生波長近傍での複素屈折率は、2.5−
i0.10程度である)。
【0038】上記光記録媒体に対し、パルステック工業
(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波
長:405nm、NA:0.65)を用いて、下記の条
件で記録を行った結果、変調度約55%の信号が得られ
た。また、上記光記録媒体の光吸収層を剥がし、記録部
分と未記録部分の色素をエタノールで溶かして、それぞ
れのスペクトルを測定した。その結果、図17に示すよ
うに、記録部では、波長400nm近傍の領域におい
て、吸収係数(複素屈折率の虚部)の明らかな増加が認
められ(記録はグルーブ部のみに行われたため、記録部
のスペクトルには多量の未記録部成分が含まれる)、本
発明の追記型光記録媒体における記録原理を確認でき
た。また、実施例1おいて、記録によって有機材料層の
吸収係数(複素屈折率の虚部)が約2.5倍に増加する
とした仮定に妥当性があることが裏付けられた。 <記録条件> 記録線密度:1T=0.0917(μm) 記録線速度:6.0(m/sec) 記録ストラテジ:Basic strategy(基本ストラテジ) Ttop−Tmp=1.40−0.75(T) 記録パワー:8.5(mW) 記録パターン:8−16変調信号
【0039】以上、本発明の実施例1〜2から、本発明
の追記型光記録媒体の層構成と記録原理が、青色レーザ
波長対応の有機材料を用いた追記型光記録媒体の実現に
非常に有効であることが確認できた。また、従来、有機
材料を用いた追記型光記録媒体では、有機材料層で熱を
発生させる必要があったため、有機材料層を薄膜化でき
ず、深い溝(例えば150〜180nm)を必要として
いたが、本発明の記録原理によって、有機材料の薄膜化
が可能となり、55nmという非常に浅い溝を有する基
板を使用できることが確かめられた。但し、本発明は、
基板の溝深さを55nm近辺に限定するものではない。
【0040】実施例3 従来のDVD−Rに用いることができる下記〔化2〕で
示される色素の複素屈折率(屈折率nと吸収係数k)、
本発明で使用でき且つ従来のDVD−Rにも用いること
ができる(株)林原生物化学研究所製の色素(NK43
82)の複素屈折率(屈折率nと吸収係数k)、光吸収
層として用いることのできるSiの複素屈折率(屈折率
nと吸収係数k)、及び、光干渉層として用いることの
できるZnS−SiOの複素屈折率(屈折率nと吸収
係数k)を測定した。その結果を、図18(〔化2〕の
色素の場合)、図19(NK4382の場合)、図20
(Siの場合)、図21(ZnS−SiOの場合)に
示す。
【0041】図18に示す結果から、従来の記録材料に
対し、記録再生波長を有機材料の吸収帯の長波長側に位
置させるような従来の記録方法を採用すると、記録再生
波長の変動に対し、屈折率nや吸収係数kが大きく変動
することが確認できた。一方、図19に示す結果から分
るように、本発明では、従来の記録材料に対し、記録再
生波長を有機材料の主吸収帯から十分短波長側に位置さ
せる記録方法であるため、記録再生波長の変動に対し、
屈折率nや吸収係数kが殆んど変動しないことが確認で
きた。また、光吸収層として用いることのできるSi
や、光干渉層として用いることができるZnS−SiO
も記録再生波長の変動に対し、屈折率nや吸収係数k
が大きく変動しないことが確認できた(図20、図21
参照)。以上のように、本発明の追記型光記録媒体の層
構成によって、記録再生波長の変動に対し、記録感度、
変調度、ジッタ、エラー率といったような記録特性や、
反射率等の変化が少ない追記型光記録媒体が実現できる
ことが確認できた。
【0042】
【化2】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、350〜500nm程
度の青色レーザ波長領域の記録再生に対応可能であり、
転写性のよい浅溝基板を利用でき、記録再生波長の変動
に対し、記録感度、変調度、ジッタ、エラー率といった
ような記録特性や反射率等の変化が少ない、有機材料を
用いた追記型光記録媒体を、容易にしかも安価に提供す
ることができる。また、本発明1によれば、基板側から
の記録再生により高密度化を図ることができる追記型光
記録媒体を、本発明2によれば、カバー層側からの記録
再生により高密度化を図ることができる追記型光記録媒
体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の追記型光記録媒体の層構成を説明するた
めの図である。
【図2】本発明の追記型光記録媒体の層構成を説明する
ための図である。
【図3】本発明の追記型光記録媒体の、別の層構成を説
明するための図である。
【図4】従来の追記型光記録媒体の記録原理を説明する
ための図である。
【図5】本発明の追記型光記録媒体の記録原理を説明す
るための図である。
【図6】本発明の追記型光記録媒体に用いられる有機材
料の特性を説明するための図である。
【図7】本発明の追記型光記録媒体に用いられる有機材
料の特性を説明するための図である。
【図8】Si膜厚が10nmの場合における変調度(M
A)の計算結果を示す図である。
【図9】Si膜厚が10nmの場合における反射率
(R)の計算結果を示す図である。
【図10】Si膜厚が10nmの場合における変調度×
反射率(MA×R)の計算結果を示す図である。
【図11】Si膜厚が15nmの場合における変調度
(MA)の計算結果を示す図である。
【図12】Si膜厚が15nmの場合における反射率
(R)の計算結果を示す図である。
【図13】Si膜厚が15nmの場合における変調度×
反射率(MA×R)の計算結果を示す図である。
【図14】Si膜厚が20nmの場合における変調度
(MA)の計算結果を示す図である。
【図15】Si膜厚が20nmの場合における反射率
(R)の計算結果を示す図である。
【図16】Si膜厚が20nmの場合における変調度×
反射率(MA×R)の計算結果を示す図である。
【図17】実施例2で用いた色素の記録前後のスペクト
ル変化を示す図である。
【図18】従来の記録再生波長領域での複素屈折率を示
す図である。
【図19】本発明の記録再生波長領域での複素屈折率を
示す図である。
【図20】本発明で用いることができるSiの複素屈折
率を示す図である。
【図21】本発明で用いることができるZnS−SiO
の複素屈折率を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 有機材料層 3 光吸収層 4 光干渉層 5 カバー層 6 反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 538 B41M 5/26 Y

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも、未記録時の主吸
    収帯が記録再生波長に対して長波長側に存在し、かつ記
    録再生波長の光に対して吸収機能を有しない有機材料
    層、光吸収層、光干渉層が順次積層された層構造を有す
    ることを特徴とする追記型光記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板上に、少なくとも、光干渉層、光吸
    収層、未記録時の主吸収帯が記録再生波長に対して長波
    長側に存在し、かつ記録再生波長の光に対して吸収機能
    を有しない有機材料層、カバー層が順次積層された層構
    造を有し、カバー層側から記録再生が行われることを特
    徴とする追記型光記録媒体。
  3. 【請求項3】 有機材料層が、光吸収層の光吸収機能に
    よる発熱によって分解し、記録再生波長での吸収係数が
    増加する有機材料からなることを特徴とする請求項1又
    は2記載の追記型光記録媒体。
  4. 【請求項4】 光干渉層が、保護層としての機能を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の追記型光記録媒体。
  5. 【請求項5】 光吸収層が、SiC、Si又はGeを主
    成分とする材料からなることを特徴とする請求項1〜4
    の何れかに記載の追記型光記録媒体。
  6. 【請求項6】 光干渉層が、ZnS−SiOを主成分
    とする材料からなることを特徴とする請求項1〜5の何
    れかに記載の追記型光記録媒体。
  7. 【請求項7】 350〜500nmのレーザ波長範囲で
    記録再生が可能であることを特徴とする請求項1〜6の
    何れかに記載の追記型光記録媒体。
  8. 【請求項8】 基板上に、少なくとも、未記録時の主吸
    収帯が記録再生波長に対して長波長側に存在し、かつ記
    録再生波長の光に対して吸収機能を有しない有機材料
    層、光吸収層、光干渉層が順次積層された構造を有する
    追記型光記録媒体に対し、基板側からレーザ光を照射
    し、光吸収層の光吸収機能による発熱によって有機材料
    層の有機材料を分解させ、有機材料層の記録再生波長で
    の吸収係数を増加させて記録を行うことを特徴とする追
    記型光記録媒体の記録方法。
  9. 【請求項9】 基板上に、少なくとも、光干渉層、光吸
    収層、未記録時の主吸収帯が記録再生波長に対して長波
    長側に存在し、かつ記録再生波長の光に対して吸収機能
    を有しない有機材料層、カバー層が順次積層された構造
    を有する追記型光記録媒体に対し、カバー層側からレー
    ザ光を照射し、光吸収層の光吸収機能による発熱によっ
    て有機材料層の有機材料を分解させ、有機材料層の記録
    再生波長での吸収係数を増加させて記録を行うことを特
    徴とする追記型光記録媒体の記録方法。
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