JP3987197B2 - 現像剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置に用いられる現像剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フルカラー電子写真プロセスは、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの4色のトナーの色重ねによる色再現を行うため、使用されるトナーとしては、その透明性が高いと共に、ざらつきの少ない均一な定着表面を得られるトナーが必要である。このようなトナーを得るために、シャープメルトしやすい低分子量で分子量分布の狭い樹脂が求められており、一般に、低分子量でも比較的靭性強度が高いポリエステル系樹脂が使われている。しかし、ポリエステル系樹脂は、溶融時の弾性が下がるため、オフセットを発生しやすいという問題があった。
【0003】
オフセット対策の1つとして、一般にフルカラー電子写真装置では、定着ローラに、シリコンオイルを塗布するためのオイル補給機構を設けた定着装置が用いられている。
【0004】
しかし、この定着装置を用いると、定着させた印刷物にシリコンオイルが付着し、特にOHPシートに定着させた場合など、シリコンオイルにより画像上に縞模様が発生したり、保存時にべた付きが発生するなどの問題があった。
【0005】
また、このような定着装置では、オイル補給機構を有するために機械の大型化は避けられず、さらに定期的にシリコンオイルをタンクに補給するなどの管理が必要であった。さらにまた、オイル塗布機構の機械的なストレスによりヒートローラの摩耗が生じ、そのために、ヒートローラの寿命を短くしていた。
【0006】
ヒートローラの摩耗については、例えばその表面に含フッ素樹脂を被覆することで、ローラの機械的強度を増すことが可能である。しかし、含フッ素樹脂はシリコンオイルとの親和性が悪く、含フッ素樹脂を被覆すると、十分な量のオイルを塗布できないためオフセットの防止が困難となるという問題があった。
【0007】
他のオフセット防止対策として、一般に黒トナーでは、トナー中に低分子量PP、PE等のワックスを含有させ、トナー自体に離型性を持たせる方法が用いられている。しかし、フルカラートナーで使用されるポリエステル系樹脂は、黒トナーによく用いられるスチレン系樹脂と比較して、非極性基を多く持つワックスとの相溶性が悪く、また、熱的に柔らかいために、混練時に加えてもトルクが十分かかりにくく、微細に分散させることが困難であった。トナー材料は、混練の後5〜15μm程度まで微粉砕するため、使用されるワックスはトナー中で細かく分散している必要がある。ワックスの分散が不良な場合、トナー表面に露出するワックスが多くなり、トナーを高温で放置した際に凝集したり、ライフでトナーがキャリアを汚染する現象、いわゆるスペントトナーが増加するという問題があった。また、このようなワックスの分散不良は、トナーの透明性を悪化させたり、感光体へのフィルミングの原因となっていた。また、スチレン・アクリル系樹脂の重合の際、ポリプロピレンやポリエチレンのワックスを樹脂合成時に添加して分散性を向上させる手法が知られているが、ポリエステル系樹脂の場合、これらのワックスと相溶性が悪く、分散性を向上させることは困難であった。
【0008】
一般に、異種のポリマー同士は相溶せず、細かく分散させるのは容易でない。異種ポリマーを混合するためには、グラフト共重合やブロック共重合のように一つの分子鎖の中に両方のポリマーのブロックを枝別れあるいは交互に導入して両方のポリマーの特質を共存させ、更に改質させる方法が考えられる。しかしながら、このような方法を用いると、ワックスが樹脂鎖の中に取り込まれ、外部滑剤としてオフセットを防ぐ機能が薄れたり、自由な設計・配合ができなくなる傾向があった。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】
以上説明したように、ポリエステル系樹脂は、低分子量で分子量分布が狭く、シャープメルトし易いことから、現像剤に使用すると、その透明性が高いと共に、ざらつきの少ない均一な定着表面が得られるという利点がある。
【0010】
しかしながら、溶融時の弾性が下がるために耐オフセット性に劣り、また、ワックスの分散性が悪いという欠点があり、そのために、種々の試みがなされているが、耐オフセット性の向上は見られるものの、他の現像剤特性を損なうという問題があった。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ポリエステル系樹脂を結着樹脂として用い、画像形成装置の大型化、定着部材の消耗、及びスペントトナー等の不具合を伴わず、かつ流動性、保存性、画質、耐フィルミング性、及び樹脂の透明性等の特性を損なうことなく、その耐オフセット性を向上した現像剤を提供することにあり、特に、結着樹脂として用いられるポリエステル系樹脂と、ワックスとの分散性の改良を行なうことにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、上記耐オフセット性を向上した現像剤を製造するための方法を提供することにあり、特に、結着樹脂として用いられるポリエステル系樹脂と、ワックスとの分散性を改良した現像剤の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリエステル重合時にエステルワックスを添加し、該ポリエステル樹脂の縮合重合した末端OH基と、該エステルワックスのCOOHとを縮合させ、ポリエステルの末端に該エステルワックスのエステルが配位して得られたワックス内添ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、着色材と、前記エステルワックスと同種のエステルワックスとを含む混合物を溶融混練して得られることを特徴とする現像剤を提供する。
【0017】
本発明は、また、ポリエステル原料とエステルワックスを用いて重合を行ない、該ポリエステル樹脂の縮合重合した末端OH基と、該エステルワックスのCOOHとを縮合させ、ポリエステルの末端に該エステルワックスのエステルを配位させたワックス内添結着樹脂の製造工程と、該ワックス内添結着樹脂、前記エステルワックスと同種のエステルワックス、及び着色材を合む混合物を溶融混練し、溶融混練物を得る溶融混練工程とを具備することを特徴とする現像剤の製造方法を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、結着樹脂として使用されるポリエステル系樹脂とワックスとの分散性を改良すべく、検討を行なった。
これにより、適切な添加方法により、特定のワックスあるいは相溶化剤を適用することにより、ポリエステル系樹脂とワックスとの分散性を格段に向上し得ることを見出だし、本発明をなすに至った。
【0020】
本発明は、第1ないし第6の発明に大別される。
このうち、第1ないし第3の発明は現像剤を提供する。また、第4ないし第6の発明は、各々第1ないし第3の発明にかかる現像剤の製造方法を提供する。
【0021】
本発明によれば、着色材と、ポリエステル系樹脂と、ワックスとを含む現像剤が得られ、その主な特徴は、第1の発明及び第4の発明では、ワックスとして酸価を持つ天然ワックスを使用し、これをポリエステル樹脂の重合時に添加し、第2の発明及び第5の発明では、ワックスとしてエステルワックスを用い、これを重合時及び溶融混練時に添加し、第3の発明及び第6の発明では、ポリエステル系樹脂として、ポリエステル/スチレンハイブリッド樹脂を用い、及び相溶化剤としてアルキレンブロック重合体及びグラフト重合体のうち1つをさらに添加することにある。
【0022】
本発明によれば、上述のような所定のワックスあるいは相溶化剤を添加することにより、細かいワックス分散が得られる。ワックスの分散性が向上することにより、本発明にかかる現像剤は、その耐オフセット性が格段に良好となる。
【0023】
このため、シリコンオイル塗布機構及び含フッ素樹脂被覆を省略したヒートローラ例えばシリコーンゴムローラ及びフッ素樹脂被覆ローラ等を用いることが可能となる。また、例えシリコンオイル塗布機構を用いた場合でも、その塗布量を格段に低減することができる。例えばカラートナーの定着を行なう場合には、ヒートローラへのオイル供給量は約10〜100mg/枚(A4)の条件で行なわれるが、本発明を用いると、約4mg/枚(A4)以下のオイル供給量で、良好な定着を行なうことができる。これにより、例えば印刷物へのシリコンオイルの付着、特にOHPシートにおける画像上に縞模様の発生、保存時のべた付き等を著しく低減することが可能となる。
【0024】
なお、本発明において、ワックスを分散させた樹脂を使用したトナーの処方は、特に限定されるものではない。一般的なトナーの処方としては、本樹脂と着色剤、電荷調整剤等を均一に混合、混練した後、所定の大きさまで粉砕・分級を行い、シリカ、酸化チタン等の外添剤を添加させることによってトナーを得ることができる。また製造に用いる機械についても特に限定されるものではない。
【0025】
以下、第1ないし第6の発明について、さらに詳しく説明する。
まず、第1の発明にかかる現像剤及び第4の発明にかかる現像剤の製造方法について説明する。
【0026】
第1の発明にかかる現像剤は、重合時に酸価を有する天然ワックスを添加して得られたワックス内添ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、着色材とを含有する。
【0027】
また、第4の発明にかかる現像剤の製造方法は、第1の発明にかかる現像剤を製造するための方法であって、ポリエステル原料と酸価を有する天然ワックスとを用いて重合を行なうワックス内添結着樹脂製造工程と、得られた結着樹脂及び着色材を含む混合物を溶融混練し、溶融混練物を得る溶融混練工程と、得られた溶融混練物を粉砕して、トナー粒子を製造するトナー粒子製造工程とを具備する。
【0028】
本発明に使用し得る天然ワックスとしては例えばライスワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、木ろう、みつろう、ラノリン、モンタンワックス等があげられる。このようなワックスは、構造的には高級脂肪酸と高級脂肪族アルコールのエステルが主成分で、未反応の高級脂肪酸や高級アルコール、その他の成分も含まれている。
【0029】
これらの天然ワックスはいずれも低い融点を持つ。例えばライスワックスは79℃前後、カルナバワックスは83℃前後、キャンデリラワックスは71℃前後である。100℃での溶融粘度も低いためヒートローラで素早く溶けてオイル状になりオフセットの改善に効果があるが、融点が低すぎる傾向がある。また、低温度までDSCでの吸熱性を示すとトナーの熱保存特性が悪くなってしまう傾向がある。そのようなことから、本発明に使用される天然ワックスとしては、ライスワックス、カルナバワックスが優れており、耐オフセット性という観点から見ると、ライスワックスが最も優れている。
【0030】
エステルを構成する成分として、ライスワックスの場合、高級脂肪酸としてはほぼ直鎖の飽和脂肪酸でCが24のリグノセリン酸とCが22のベヘン酸が主成分を占め、高級アルコールとしてはCが24から34の偶数のものが大半を占めている。比較的炭素数範囲が狭く、結晶性が高いことが耐オフセット性の向上、及び光沢性に寄与していると思われる。特にC24のリグノセリン酸の脂肪酸中の比率を60%以上になるように精製したものは更に耐オフセット性が向上することが確認されている。
【0031】
また、ポリエステル合成時にワックスを添加する際、遊離脂肪酸(酸価)あるいは遊離アルコール(アセチル価)があまり多くないワックスを選ぶことが好ましい。遊離脂肪酸(酸価)あるいは遊離アルコール(アセチル価)が多すぎると、重合時に反応が進みすぎ、ワックスの特性が大きく変わってしまう傾向がある。ライスワックスは、酸価は5程度でアセチル価はほとんど無く、好ましい。
【0032】
添加するワックス量は、好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。量が少ない場合、オフセットを防止する効果が薄くなり、多すぎるとトナーの熱保存特性が悪化したり、分散が不十分になってクリーニング不良や画像濃度低下などライフ特性が悪化したりする。
【0033】
また、本発明に用いられるポリエステル樹脂としては、特に構造を特定されるものではなく、通常使用されている熱可塑性ポリエステルを用いることができる。ここでいうポリエステル樹脂は、2価の酸と2価のアルコールがエステル縮合した重合体を主鎖とした樹脂を指し、飽和あるいは不飽和のモノマーを使用することができる。不飽和の2重結合を持っている場合、さらにスチレン等のビニルモノマーを共重合させることも可能であるが、架橋があまり進んで熱硬化性になると好ましくない。
【0034】
使用するモノマーとしては、2価の酸としては例えばフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、セバチン酸、コハク酸、アジピン酸などがあげられる。2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコールやプロピレングリコール、ブチレングリコール、ブテンジオール等の脂肪族グリコール、あるいはもっと一般的なものとしては芳香族系のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等があげられる。
【0035】
本発明において、ポリエステルの重合時に、上述の天然ワックスを添加すると、ポリエステルの縮合重合した末端OH基と、ワックス高級脂肪酸のCOOHが縮合し、末端に直鎖アルキル基が導入されると考えられる。
代表的なポリエステルの縮合反応の例を下記式(1)に示す。
【0036】
【化1】
また、高級脂肪酸による直鎖アルキル基導入の様子を式(2)に示す。
【0037】
【化2】
【0038】
このようにして、ポリエステルの末端にワックスのエステルが配位した比較的低分子量の新エステルが生成する。
図1に、長鎖アルキル基が導入された新エステルが、ポリエステルとワックスの界面に入ってくる様子を表わすモデル図を示す。
【0039】
図示するように、長鎖アルキル基が導入された新エステルは、ポリエステル樹脂とワックスの界面に入り込むと、そのポリエステル鎖がポリエステル樹脂と、その直鎖アルキル基がワックスとうまくなじみ、相溶化剤としての働きをすると考えられる。
【0040】
次に、第2の発明にかかる現像剤及び第5の発明にかかる現像剤の製造方法について説明する。
第2の発明にかかる現像剤は、着色材と、重合時にエステルワックスを添加して得られたワックス内添ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、エステルワックスとを含む混合物を溶融混練して得られる。
【0041】
第5の発明は、第2の発明にかかる現像剤を製造するための方法であって、ポリエステル原料とエステルワックスとを用いて重合を行なうワックス内添結着樹脂製造工程と、該ワックス内添結着樹脂、エステルワックス、及び着色材を含む混合物を溶融混練し、溶融混練物を得る溶融混練工程と、溶融混練物を粉砕して、トナー粒子を製造するトナー粒子製造工程とを具備する。
【0042】
本発明に使用するエステルワックスは、エステル基を有するワックスであれば、前述の第1の発明及び第4の発明に用いられる天然ワックスの他、グリセリン脂肪酸エステル、グリコール脂肪酸エステルなどの合成ワックスも使用し得る。
【0043】
また、ポリエステルの重合時に添加するワックスと、溶融混練時に練り込むワックスは、エステル基を有するワックスであれば、異なる処方のワックスでもよいが、ワックス分散性がより良好となるため、同一のワックスを用いることが好ましい。
【0044】
また、ポリエステルの重合時に添加するワックス量は、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。添加量が0.1重量%より少ない場合、相溶化剤として働くエステル成分の生成量が不十分でワックスを微細に分散させることができない傾向があり、また、添加量が10重量%より多いとエステル成分の生成量が過剰になり、樹脂の分子量が低下し、逆にオフセット性が悪化してしまう傾向がある。
【0045】
さらに、ポリエステルの重合時に添加するワックス量と、溶融混練時に樹脂に練り込むワックス量の総量は、樹脂全重量に対し好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは2〜10重量%である。ワックス添加量の総量が1重量%より少ないと、オフセットを防止する効果が薄くなる傾向があり、多すぎるとトナーの熱保存特性が悪化したり、分散が不十分になってクリーニング不良や画像濃度低下などライフ特性が悪化する傾向がある。
【0046】
これらのエステルワックスを分散させるポリエステル樹脂としては、上述の第1及び第4の発明に使用されるポリエステル樹脂を使用することができる。
本発明によると、ポリエステルの重合時に、エステルワックスを添加すると、ポリエステルの縮合重合した末端OH基と、上述の式(1)に示すように、ワックス高級脂肪酸のCOOHが縮合し、末端に直鎖アルキル基が導入されると考えられる。これにより、ポリエステルの末端にワックスのエステルが配位した比較的低分子量の新エステルが生成する。新エステルは、ポリエステル樹脂とワックスの界面に入り込み、そのポリエステル鎖がポリエステル樹脂と、その直鎖アルキル基がワックスとうまくなじみ、相溶化剤としての働きをすると考えられる。そのため、ワックスが非常に微細に分散したポリエステル樹脂を得ることができる。
【0047】
さらに、このポリエステル樹脂に着色材及びCCA等を溶融混練する工程において、さらに追加のワックスを適量添加することにより、樹脂合成時に分散したワックスが核となり、練り込まれたワックスが分散する。練り込み時にのみワックスを添加した場合に比べ、非常に良好なワックス分散性が得られる。また、このとき、ポリエステル樹脂の一部のエステル基と、追加のワックスの一部のエステル基と間でエステル交換が行なわれる。図3に、エステル交換の様子を表わす図を示す。図示するように、このエステル交換により、前述の新エステルよりも高分子量の新エステルが生成すると考えられる。
【0048】
次に、第3の発明にかかる現像剤及び第6の発明にかかる現像剤の製造方法について説明する。
熱混練により2種のポリマーA,Bをブレンドする場合でも、所謂相溶化剤と呼ばれる両方のポリマーに、親和性のある物質を混ぜることにより、分散性を向上させる方法が知られている。このような相溶化剤として、下記式(3)及び式(4)に示すような両ポリマーのブロック共重合体、グラフト共重合体等が有効である。
【0049】
【化3】
【0050】
【化4】
【0051】
このとき、Aポリマーと同じ構造のブロックはAポリマーと相溶し、Bポリマーと同じ構造のブロックはBポリマーと相溶する。こうした相溶化剤の存在によって、例えば水と油が界面活性剤の存在下で細かく分散するように、両ポリマー間の界面張力が低下して細かい分散が得られるようになる。従って、ポリエステル系樹脂とワックスを均一に混合するには、ポリエステル系樹脂とワックスの両方の構造を持った相溶化剤を導入するのが効果があると考えられる。
【0052】
本発明者らは、上述の考えに基づき、ポリエステル系樹脂と相溶化剤とワックスの最良の組み合わせを見出した。
第3の発明にかかる現像剤は、ポリエステル/スチレンハイブリッド樹脂と、アルキレンブロック共重合体及びグラフト共重合体のうち1つと、ワックスとを含有する。
【0053】
第6の発明は、第3の発明にかかる現像剤を製造するための方法であって、ポリエステル/スチレンハイブリッド樹脂原料を重合する結着樹脂製造工程と、得られた結着樹脂、及び着色材を含む混合物を溶融混練し、溶融混練物を得る溶融混練工程と、溶融混練物を粉砕して、トナー粒子を製造するトナー粒子製造工程とを有し、少なくとも結着樹脂製造工程または溶融混練工程において、ワックスと、アルキレンブロック重合体及びグラフト重合体のうち1つとを添加することを特徴とする。
【0054】
アルキレンブロック重合体またはグラフト重合体は、重合時及び溶融混練時のいずれの工程で添加しても良い。
第3及び第6の発明にかかる現像剤に用いられるワックスとしては、天然のものや合成のものでいろいろな種類のものがあげられるが、いずれも共通して非極性な長鎖のアルキル基を主成分として持っている。ワックスの種類としては、大まかに天然ワックス、石油ワックス、及び合成ワックスに分けられる。
【0055】
ワックスとしては、第1、第2、第4及び第5の発明にかかる天然ワックスの他、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、合成の脂肪酸エステル、脂肪酸ビスアマイドなどの合成ワックス、さらには、パラフィンワックス、マイクロワックス、ペトロラタム等の石油ワックスを使用することができる。これらの石油ワックスは、いずれも石油を精製して得られる直鎖あるいは側鎖を一部持った炭化水素である。
【0056】
これらのワックスを分散させるための相溶化剤としては、長鎖アルキル基を導入したポリマーが有効であると考えられるが、樹脂がポリスチレンの場合、スチレンと、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリアルキレンをブロック共重合あるいはグラフト共重合させたものが有効である。相溶化剤は2つのポリマーの界面に入って表面張力を下げることが目的であり、多くの量を添加する必要はなく、主樹脂の特性を大きく変えないですむメリットがある。
【0057】
樹脂としては、ポリエステルの不飽和酸の2重結合部に、ビニル化合物であるスチレンを付加重合させたハイブリッドタイプの樹脂を用いる。
ポリエステル/スチレンハイブリット樹脂に用いられる相溶化剤は、スチレン/アルキレンのブロック或いはグラフト重合体である。この相溶化剤はハイブリッド樹脂のスチレン成分とよくなじみ、かつワックスともなじみが良い。
【0058】
ワックスとしては低い融点を持った例えば天然ワックスがヒートローラで素早く溶けてオイル状になりオフセットの改善に好ましく使用される。但し、あまり融点が低すぎるか、あるいは低温度までDSCでの吸熱性を示すと、トナーの熱保存特性が悪くなってしまう傾向がある。このようなことから、ライスワックス、カルナバワックスが好ましく用いられる。耐オフセット性という観点からみると、ライスワックスがさらに好ましい。
【0059】
ポリエステル/スチレンハイブリッド樹脂としては、特に構造を特定されるものではなく、通常使用されている熱可塑性ポリエステル/スチレンハイブリッドを用いることができる。ここでいうポリエステル樹脂とは、2価の酸と2価のアルコールがエステル縮合した重合体を主鎖とした樹脂のことであり、不飽和(及び飽和)のモノマーを使用することができる。不飽和の2重結合を持っている部分に、更にスチレン等のビニルモノマーを共重合させてハイブリッド化させたものだが、架橋があまり進んで熱硬化性になると好ましくない。
【0060】
使用するモノマーとしては、2価の酸としては例えばフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、セバチン酸、コハク酸、アジピン酸などがあげられる。2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコールやプロピレングリコール、ブチレングリコール、ブテンジオール等の脂肪族グリコール、あるいはもっと一般的なものとしては芳香族系のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等があげられる。
【0061】
本発明によれば、ポリエステルとスチレンのハイブリッド樹脂に、スチレン/アルキレンブロック共重合体を相溶化剤として加えることにより、ワックスを分散を良好にすることができる。図4に、ポリエステルとスチレンのハイブリッド樹脂と、スチレン/アルキレンブロック共重合体に対する相溶化剤の作用を説明するための図を示す。ワックスはポリエステルともポリスチレンとも相溶性が良くないが、図示するように、スチレン/ブタジエンあるいはスチレン/エチレン等のスチレンとアルキルの二重結合をもったモノマーのブロック重合物を添加してやることにより、スチレン部分が樹脂部分と相溶し、ポリアルキル部分がワックスと相溶することにより、ワックス分散性をあげることができる。
【0062】
以上説明した本発明の現像剤は、例えば図5に示すような画像形成装置に適用することができる。
図5は、本発明の現像剤を適用し得るフルカラー画像形成装置の一例を表わす該略図である。
【0063】
図5において、像担持体である感光体ドラム1aは、径40mm、長さ266mmの円筒形の積層型有機感光体であり、図示矢印方向へ回転可能に設けられている。
【0064】
この感光体ドラム1aの周囲には、回転方向に沿って以下のものが配設されている。すなわち、感光体ドラム1aを一様に帯電させる導電性ゴムローラからなる帯電ローラ5aが感光体ドラム1aの表面に接触して設けられ、この帯電ローラ5aの下流側には帯電した感光体ドラム1aの表面を露光して静電潜像を形成する露光部7aが設けられている。また、露光部7aの下流には現像剤を収納し、この現像剤で露光部7aにより形成された静電潜像を現像する現像器9aが設けられている。現像器9aの下流には感光体ドラム1aに対し、転写材である用紙Pを搬送する搬送手段が設けられている。
【0065】
更に、感光体ドラム1aの用紙Pとの当接位置よりも下流測にはブレードクリーニング装置17a及び除電ランプ19aが設けられている。ブレードクリーニング装置17aは、後述する現像剤像の転写後に感光体ドラム1a上に残留した現像剤をブレード21により掻き落として除去するものである。また、除電ランプ19aは、転写後、感光体ドラム1aの表面を光除電するタングステンランプである。この除電ランプ19aによる除電により、画像形成の1サイクルを終え、次に画像形成する時に、未帯電の感光体ドラム1aは再び帯電ローラ5aにより帯電される。
【0066】
搬送手段11は、感光体ドラム1aのドラム幅とほぼ等しい幅を有している。この搬送手段11は環状ベルトの形態をとっており、搬送手段11の上流側及び下流側の環状部分には、それぞれテンションローラ13及び駆動ローラ15が設けられている。この環状部分においてテンションローラ13及び駆動ローラ15の外周に沿うように、搬送手段11はテンションローラ13及び駆動ローラ15に接触している。尚、テンションローラ13から駆動ローラ15までの距離は約300mmである。
【0067】
テンションローラ13及び駆動ローラ15は各々図示矢印i及びi方向に回転可能に設けられている。駆動ローラ15の回転にともなって搬送手段11が環状に送られることになる。搬送速度は、感光体の回転速度と等しく制御されている。
【0068】
この搬送手殴11の近傍には、用紙Pを収容する給紙カセット25が設けられている。この給紙カセット25には用紙Pを1枚ずつピックアップするピックアップローラ27が、図示矢印f方向に回転可能に設けられている。ピックアップローラ27により取り出された用紙Pの搬送方向であって、搬送手段11の手前側には、上ローラ及び下ローラからなるレジストローラ対29が回転可能に設けられている。レジストローラ対29は、搬送される用紙Pを感光体ドラム1aに形成された現像剤像の先端が用紙Pの先端にくるように、タイミングをとって搬送手段段11へ送り出す。
【0069】
送り出された用紙Pは、搬送手段11を挟んでテンションローラ13と対向する位置で、搬送手段11に当接して接地された吸着ローラ24に搬送される。この吸着ローラ24は、6mm径のSUS製の金属ローラである。これは、カーボン分散のウレタンゴム等の導電性ゴムローラでも良い。また、電導性ブラシでも、コロナチャージャーでも良い。
【0070】
吸着ローラ24への電圧の供給は、電源41により行う。印加電圧は−1.5kVとした。吸着のための印加電圧は高ければ高い程、ベルトに付与する電荷量が増え、吸着量が増すが、ベルト材料の耐電圧性の限界がある(大きくても3kV程度)。
【0071】
吸着ローラ24は、環状ベルトに従動して自転する。用紙Pが吸着ローラ部へ搬送されてくると同時に、電源41から吸着ローラ24に吸着バイアスが印加される。それにより用紙P表面は負に帯電し、ベルト反対側(テンションローラ13側)は正に帯電する。この電荷による静電力により、用紙Pを吸着することができる。
【0072】
上述の感光体ドラム1a、帯電ローラ5a、露光部7a、現像器9a、ブレードクリーニング装置17a及び除電ランプ19aによって、プロセスユニット100aが構成されている。
【0073】
搬送手段11上には、テンションローラ13と駆動ローラ15との間に、搬送方向に沿って、プロセスユニット100aの他、プロセスユニット100b、プロセスユニット100c及びプロセスユニット100d(以下プロセスユニット100a、プロセスユニット100b、プロセスユニット100c及びプロセスユニット100dを総称してプロセスユニット100とする)を備えている。プロセスユニット100b、プロセスユニット100c、プロセスユニット100dはいずれもプロセスユニット100aと同様の構成を有している。
【0074】
すなわち、感光体ドラム1b、感光体ドラム1c及び感光体ドラム1d(以下感光体ドラム1a、感光体ドラム1b、感光体ドラム1c及び感光体ドラム1dを総称して感光体ドラム1とする)が各々のプロセスユニット100のほぼ中心に設けられている。この感光体ドラム1の周囲には各々帯電ローラ5b、帯電ローラ5c及び帯電ローラ5d(以下帯電ローラ5a、帯電ローラ5b、帯電ローラ5c及び帯電ローラ5dを総称して帯電ローラ5とする)が設けられている。帯電ローラ5の下流側には露光部7b、露光部7c及び露光部7d(以下露光部7a、露光部7b、露光部7c及び露光部7dを総称して露光部7とする):現像器9b、現像器9c及び現像器9d(以下現像器9a、現像器9b、現像器9c及び現像器9dを総称して現像器9とする):ブレードクリーニング装置17b、ブレードクリーニング装置17c及びブレードクリーニング装置17d(以下ブレードクリーニング装置17a、ブレードクリーニング装置17b、ブレードクリーニング装置17c及びブレードクリーニング装置17dを総称してブレードクリーニング装置17とする):除電ランプ19b、除電ランプ19c及び除電ランプ19d(以下除電ランプ19a、除電ランプ19b、除電ランプ19c及び除電ランプ19dを総称して除電ランプ19とする)を設けた構成もプロセスユニット100aと同様である。
【0075】
各プロセスユニットで異なる構成は、現像器に備えられた現像剤であり、プロセスユニット100aにはイエロー、プロセスユニット100bにはマゼンタ、プロセスユニット100cにはシアン、プロセスユニット100dにはブラックの各色の現像剤が収容されている。
【0076】
カラー画像の出力の際は、搬送手段11を搬送される用紙Pは各々の感光体ドラム1と順次接触する。この用紙Pと各々の感光体ドラム1との当接位置には、転写手段である給電ローラ23a、給電ローラ23b、給電ローラ23c及び給電ローラ23d(以下給電ローラ23a、給電ローラ23b、給電ローラ23c及び給電ローラ23dを総称して給電ローラ23とする)が各々の感光体ドラム1に1対1に対応して設けられている。
【0077】
すなわち、給電ローラ23は、対応する感光体ドラム1と搬送手段11との当接位置と搬送手段11に背面接触して設けられ、搬送手段11を介して感光体ドラム1に対向するようになっている。また、給電ローラ23a、給電ローラ23b、給電ローラ23c及び給電ローラ23dは、図では省略しているが、電圧印加手段であるバイアス電源にそれぞれ接続されている。給電ローラ23は、搬送手段11の移動に従動して回転するようになっている。
【0078】
ここで、このように構成された面像形成装置の画像形成プロセスについて説明する。上述の4つのプロセスユニットの各々の回転する感光体ドラム1が、まずAC重量DCバイアスが印加された接触帯電ローラ5によって、一様に約−500Vに帯電される。
【0079】
帯電ローラ5によって一様に帯電された感光体ドラム1は、蛍光体により露光を行う固体走査ヘッド(露光部7)から光照射され、静電潜像が形成される。この静電潜像に対し、現像器9により各色の予め十分に帯電された現像剤により現像が行われる。
【0080】
一方、用紙Pは給紙カセット25からピックアップローラ27により取り出され、レジストローラ対29へ送られる。レジストローラ対29は、用紙Pの先端に現像剤像の先端がくるように感光体ドラム1の回転とタイミングをとった後、用紙Pを搬送手段11上へ送り出す。
【0081】
用紙Pが転写位置に搬送されてくると、搬送手段11には各々の給電ローラ23からバイアス電圧として例えば約1400Vの電圧が印加される。バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム1と搬送手段11との間に転写電界が形成される。従って、まず感光体ドラム1a上の現像剤像が用紙P上に転写され、この現像剤像を担持した用紙Pは搬送されて感光体ドラム1bに達する。感光体ドラム1bに形成された現像剤像が、先に転写された現像剤像上に重ねて転写される。用紙Pは更に搬送されて、感光体ドラム1c、感光体ドラム1dにおいても、同様に各色の現像剤像が転写される。
【0082】
このように、多重転写により形成された像を担持した用紙Pは、搬送手段11から定着器33へ送られる。定着器33は加熱ローラ35及び加圧ローラ37を有している。用紙Pは加熱ローラ及び加圧ローラとの間を、像が加熱ローラと接触する状態で通されることにより、用紙P上に定着される。
搬送手段から用紙Pが離れた後、ベルト表面はブレードクリーニング16により表面をクリーニングされる。
【0083】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
本発明において、トナーの定着、オフセット性、画像、ライフ性等を評価するために、東芝電子複写機プリマージュ251の定着器を改造した装置を使用した。図2に、本発明のトナーの特性を評価するために使用される定着器を表わす図を示す。
【0084】
図示するように、この装置は、ヒータ103の入った芯金にゴムを被せた構造あるいはその表面をPFA、PTFE等の薄いチューブで覆った構造を有するヒートローラ101、このヒートローラ101上に設けられたクリーニングローラ1044、及びヒートローラ101に対向して設けられ、ヒートローラ101と同期して回転可能な加圧ローラ102を有する。クリーニングローラ104は、微量のトナー汚れ、紙かす等をクリーニングするものだが、シリコンオイルを含浸させたものでもいい。
【0085】
今回のオフセット確認実験においては、シリコンオイルは全く含浸させなかった。ヒートローラは上下ともφ40のPFAチューブローラを使用し、ローラ硬度70°、ニップ幅6mm、荷重55kgf、プロセススピード127mm/secの条件で実験を行った。
【0086】
以下に、参考例を示す。
参考例1
ポリエステル樹脂の合成において、モノマー構成のアルコール成分として、ビスフェノールAのプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイド付加物例えばポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 65.034重量部、酸成分としてテレフタル酸15.162重量部、フマル酸10.596重量部を用いた。さらに、ライスワックス(融点79℃、酸価4.7)を、重合後の全樹脂量に対する比率が5重量%になるように、5.208重量部添加し、重合を行なった。
【0087】
得られたワックス内添ポリエステル樹脂は、Tgが65℃、重量平均分子量が1万3千、個数平均分子量が3千であり、ワックスにより着色されたが透明性は保たれていた。
【0088】
上記樹脂96重量部、アゾ系マゼンタ顔料3重量部、無色金属錯体CCA 1重量部を均一に混合し、加圧ニーダーにて、約80℃で混練した後、ハンマーミルにて2mmパスに粉砕、さらにジェット粉砕機にて微粉砕し、微粉を気流分級機によりカットして、体積50%粒径が8.0μmのマゼンタトナー粒子を得た。
【0089】
さらに、上記トナー粒子100重量部、及びシリカ微粉末(日本アエロジル製疎水性シリカR×200)1重量部をヘンシェルミキサーにて3分間混合し、200メッシュの篩にてふるって目的の二成分用負帯電トナーを得た。
【0090】
得られたトナーを東芝製デジタル複写機プリマージュ251に入れて画像形成を行なったところ、鮮明なマゼンタの画像が得られ、カブリ、及びトナー飛散も発生しなかった。また、画像及び現像剤について、非オフセット温度、OHP透過率、熱保存性、ライフ画像濃度、及び感光体フィルミングを測定し、各々評価を行なった。
【0091】
その結果を下記表1に示す。
ライフ画像濃度は、6万枚の通紙を行った後、得られた画像の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、各々、画像濃度(ID)1.8以上を○、ID 1.7以上1.8未満を△、ID 1.7未満を×と評価した。
【0092】
感光体フィルミングは、目視により測定し、各々、フィルミングのないものを○、フィルミングしているが画像に影響のないものを△、画像に画点を生じるものを×と評価した。
【0093】
非オフセット領域は、図2に示す定着器を用いて、画像を目視評価することにより、行なった。その結果、表1に示すように140−180℃の非オフセット領域が得られた。
【0094】
また、トナー透過率は、図2に示す定着器を用いて、160℃においてOHPに定着を行ない、その透過率を分光計を用いて690nm波長の透過率を測定したところ、75%と良好な透明性を得られた。
【0095】
熱保存特性は、得られたトナーをポリ容器に入れて55℃の恒温水槽に8時間つけた後のトナーの凝集を目視により観察して、各々、トナーが粉体のままであるものを○、振動により粉体に戻るものを△、トナーが固化したものを×と評価した。その結果、凝集はほとんど無く、良好であった。
【0096】
比較例1
参考例1において、ワックスを添加しない以外は、同様にして樹脂を合成した。得られた樹脂を用いて参考例1と同様にトナーを作成し、参考例1と同様にして定着試験を行ない、その特性を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0097】
この試験では、全温度でオフセットが発生し、紙がヒートローラに巻き付いた。
熱保存特性は良好であった。
【0098】
比較例2
参考例1においてワックスを添加せずに樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂91重量部、ライスワックス5重量部、アゾ系マゼンタ顔料3重量部、無色金属錯体CCA1重量部を均一に混合し、参考例1と同様にトナーを作成した。得られたトナーについて、参考例1と同様にして定着試験を行ない、その特性を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0099】
得られたトナーを東芝製デジタル複写機プリマージュ251に入れて画像を評価したところ、鮮明さがやや劣っていた。更に3万枚の通紙テストを行ったところ画像濃度が低下し、感光体にフィルミングが見られた。
【0100】
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、140−180℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ71%だった。熱保存特性は、やや凝集塊が生じた。
【0101】
参考例2
ワックスをカルナバワックス1号(エヌエスケミカル有限会社製:融点83℃、酸価3)5重量%にかえる以外は、参考例1と同様にして、樹脂を合成し、その後、同様にトナーを作成した。得られたトナーについて、参考例1と同様にして定着試験を行ない、その特性を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0102】
得られたトナーを東芝製デジタル複写機プリマージュ251に入れて画像を評価したところ、鮮明なマゼンタの画像を得ることができた。更に、表1に示すように6万枚の通紙テストを行った後でも画像濃度、かぶりとも良好な画像を得られ、トナー飛散も良好であった。
【0103】
また、定着器により定着試験を行ったところ、150−170℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ73%だった。また熱保存特性も良好であった。
【0104】
比較例3
ワックスをポリエチレンワックス三井ハイワックス800P(三井化学株式会社製:融点127℃)5%に変える以外は参考例1と同様にして、樹脂を合成したところ、合成後の樹脂が白濁した。その樹脂を用いて参考例1と同様にトナーを作成した。
【0105】
得られたトナーについて、参考例1と同様にして定着試験を行ない、その特性を評価した。その結果を下記表1に示す。このトナーを東芝製デジタル複写機プリマージュ251に入れて画像を評価したところ、鮮明さがやや劣っていた。更に1万枚の通紙テストを行ったところ、画像濃度が低下し、感光体にフィルミングが見られた。
【0106】
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、160〜180℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ68%だった。熱保存特性は、やや凝集塊が生じた。
【0107】
比較例4
ワックスをマイクロワックス180(モービル石油株式会社製:融点83℃)5%にかえる以外は、参考例1と同様にして樹脂を合成したところ、合成後の樹脂が白濁した。その樹脂を用いて参考例1と同様にトナーを作成した。
【0108】
得られたトナーについて、参考例1と同様にして定着試験を行ない、その特性を評価した。その結果を下記表1に示す。得られたトナーを東芝製デジタル複写機プリマージュ251に入れて画像を評価したところ、鮮明さがやや劣っていた。更に、1万枚の通紙テストを行ったところ画像濃度が低下し、感光体にフィルミングが見られた。
【0109】
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、140〜170℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ70%だった。熱保存性は凝集粉が生じ、不良であった。
【0110】
【表1】
【0111】
上記表1に示すように、参考例1及び2に示すように、参考例にかかる現像剤は、非オフセット温度、OHP透過率、熱保存性、ライフ画像濃度、及び感光体フィルミング等の特性に良好な結果が得られたが、比較例1のようにワックスを全く添加しなかったり、比較例2のようにライスワックスを重合時に添加しなかったり、比較例3及び4のように、他のワックスを使用した場合には、良好なトナー特性は得られなかった。
【0112】
次に、第2の発明及び第5の発明にかかる実施例について説明する。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
参考例1と同様にしてワックス内添ポリエステル樹脂を得た。
【0113】
得られたワックス内添ポリエステル樹脂91重量部、アゾ系マゼンタ顔料3重量部、無色金属錯体CCA 1重量部、ライスワックス5重量部を均一に混合する以外は、参考例1と同様にして体積50%粒径が8μmのマゼンタトナーを得、これを用いて同様にして、二成分負帯電トナーを得た。
【0114】
得られたトナーを用いて、参考例1と同様にして画像形成を行なったところ、より鮮明なマゼンタの画像が得られた。また、画像及び現像剤について、参考例1と同様にして、非オフセット温度、OHP透過率、熱保存性、ライフ画像濃度、及び感光体フィルミングを測定し、各々評価を行なったところ、良好な結果が得られた。
【0115】
さらに、スペントトナー量として、通紙テスト後の現像剤からキャリアを分離し炭素量を測定し、初期キャリアの炭素量との差を求めたところ、スペントトナー量は少なかった。
【0116】
得られた結果を下記表2に示す。
比較例5
溶融混練時に、ポリエステル樹脂86重量部、ライスワックスを10重量部、アゾ系マゼンタ顔料3重量部、無色金属錯体CCA 1重量部使用し、重合時にワックスを添加しない樹脂を作成した以外は、比較例2と同様にしてトナーを作成した。
【0117】
得られたトナーについて実施例1と同様に画像形成を行なったところ、鮮明さがやや劣っていた。また、実施例1と同様にして、画像及び現像剤の特性を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0118】
3万枚の通紙テストを行ったところ画像濃度が低下し、感光体にフィルミングが生じた。また、通紙テスト後のスペントトナーが多く、現像剤が劣化していた。これは、ワックスの分散が不良であるためと考えられる。
【0119】
定着試験を行ったところ、140〜180℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着の透過率を調べたところ71%だった。また、熱保存特性は、やや凝集粉が生じていた。
【0120】
比較例6
重合時及び溶融混練時に添加するワックスをポリプロピレンワックス(融点150℃)5重量部に変える以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成した。
【0121】
得られたトナーを用いて、実施例1と同様にして画像形成を行なったところ、鮮明さがやや劣っていた。また、実施例1と同様にして、画像及び現像剤の特性を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0122】
1万枚の通紙テストを行ったところ、画像濃度がやや低下し、感光体にフィルミングが生じた。また、通紙テスト後のスペントトナーが多く、現像剤が劣化していた。これは、ポリプロピレンワックスの分散性が不良であるためと考えられる。
【0123】
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、非オフセット領域は150〜170℃と悪化していた。また、160℃でOHP定着の透過率を調べたところ68%だった。熱保存特性は、やや凝集粉が生じていた。
【0124】
実施例2
重合時及び溶融混練時に添加するワックスを合成エステルワックス(融点72℃)5重量%に変える以外は、参考例1と同様にトナーを作成した。
【0125】
得られたトナーを用いて実施例1と同様にして画像を形成したところ、鮮明なマゼンタの画像を得ることができた。また、実施例1と同様にして、画像及び現像剤の特性を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0126】
3万枚の通紙テストを行ったあとでも画像濃度、かぶりとも良好な画像が得られ、トナー飛散も良好であった。
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、140〜180℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着の透過率を調べたところ73%だった。熱保存特性は良好であった。
【0127】
実施例3
溶融混練時に添加するワックスを合成エステルワックス(融点72℃)5重量%に変える以外は、実施例1と同様にしてトナーを作成した。得られたトナーを用いて、実施例1と同様にして画像形成を行なったところ、鮮明なマゼンタの画像を得ることができた。
【0128】
3万枚の通紙テストを行ったあとでも画像濃度、かぶりとも良好な画像が得られ、トナー飛散も良好であった。また、実施例1と同様にして、画像及び現像剤の特性を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0129】
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、140〜170℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着の透過率を調べたところ74%だった。熱保存特性は良好であった。
【0130】
【表2】
【0131】
上記表2に示すように、実施例1ないし3の現像剤は、非オフセット温度、OHP透過率、熱保存性、ライフ画像濃度、スペント量、及び感光体フィルミングのいずれも良好な結果が得られた。しかしながら、比較例5のように重合時にワックスを添加しない場合、及び比較例6のようにエステルワックス以外のワックスを使用した場合では、良好な特性が得られなかった。また、実施例1は、参考例1と比較してさらに良い結果が得られていることがわかった。
【0132】
以下、参考例について説明する。
参考例3
ポリエステル/スチレンハイブリッド樹脂86重量部、ライスワックス(融点79℃)5重量部、スチレン/エチレンブロック共重合体5重量部、アゾ系マゼンタ顔料3重量部、無色金属錯体CCA1重量部を均一に混合し、加圧ニーダーにて約80℃で混練した後、ハンマーミルにて2mmパスに粉砕、さらにジェット粉砕機にて微粉砕し、微粉を気流分級機によりカットして、体積50%粒径が8.0μmのマゼンタトナー粒子を得た。
【0133】
さらにトナー粒子を用いて参考例1と同様に二成分用負帯電トナーを得た。得られたトナーを用いて、参考例1と同様にして画像形成を行なったところ、鮮明なマゼンタの画像を得ることができた。
【0134】
また、画像及び現像剤について、参考例1と同様にして、非オフセット温度、OHP透過率、熱保存性、ライフ画像濃度、及び感光体フィルミングを測定し、各々評価を行なったところ、良好な結果が得られた。下記表3に得られた結果を示す。
【0135】
6万枚の通紙テストを行った後でも画像濃度、かぶりとも良好な画像を得られ、トナー飛散も良好であった。
前述の定着器において定着試験を行ったところ、140−180℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ74%と良好な透明性を得られた。
【0136】
6万枚の通紙テストを行った後でも画像濃度、かぶりとも良好な画像を得られ、トナー飛散も良好であった。前述の定着器において定着試験を行ったところ、140−180℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ74%と良好な透明性を得られた。
【0137】
また、得られたトナーをポリ容器に入れて55℃の恒温水槽に8時間つけた後のトナーの凝集はほとんど無く、熱保存特性も良好であった。
比較例7
ここでは、相溶化剤を添加せずにトナーを作成した。すなわち、ポリエステル/スチレンハイブリッド樹脂91重量部、ライスワックス(融点79℃)5重量部、アゾ系マゼンタ顔料3重量部、無色金属錯体CCA1重量部を均一に混合し、加圧ニーダーにて混練したする以外は、参考例3と同様にしてマゼンタトナーを得た。
得られたトナーを用いて、参考例1と同様にして画像形成を行なったところ、鮮明さがやや劣っていた。また、画像及び現像剤について、参考例1と同様にして、非オフセット温度、OHP透過率、熱保存性、ライフ画像濃度、及び感光体フィルミングを測定し、各々評価を行なった。下記表3に得られた結果を示す。
【0138】
3万枚の通紙テストを行ったところ画像濃度が低下し、感光体にフィルミングが見られた。
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、140−180℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ71%だった。熱保存特性は、やや凝集塊が生じた。
【0139】
参考例4
ワックスをマイクロワックス180(モービル石油株式会社製:融点83℃)5%にかえる以外は参考例3と同様にして、トナーを作成した。
【0140】
得られたトナーを用いて、参考例1と同様にして画像形成を行なったところ、鮮明なマゼンタの画像が得られた。また、画像及び現像剤について、参考例1と同様にして、特性を評価した。下記表3に得られた結果を示す。
【0141】
6万枚の通紙テストを行った後でも画像濃度、かぶりとも良好な画像を得られ、トナー飛散も良好であった。
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、140−170℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ74%だった。また熱保存特性も良好であった。
【0142】
参考例5
相溶化剤をスチレン/ブタジエングラフト重合体5%にかえた以外は、参考例3と同様にしてトナーを作成した。
【0143】
得られたトナーを用いて、参考例1と同様にして画像形成を行なったところ、鮮明なマゼンタの画像を得ることができた。また、画像及び現像剤について、参考例1と同様にして、特性を評価した。下記表3に得られた結果を示す。
【0144】
6万枚の通紙テストを行った後でも画像濃度、かぶりとも良好な画像を得られ、トナー飛散も良好であった。
また、前述の定着器において定着試験を行ったところ、140−170℃の非オフセット領域が得られ、160℃でOHP定着での透過率を調べたところ73%だった。また熱保存特性も良好であった。
【0145】
【表3】
【0146】
本発明に好ましく用いられる外添剤
本発明の現像剤には、Tgが100℃以上であり、添加することによりトナー粒子との帯電性の差が±2μC/gである透明でほぼ球形のトナーより小さい微粒子粉を外添剤として添加することができる。
【0147】
このような外添剤を用いると、帯電特性を損なうこと無くスペントトナーを低減することにより、画像濃度、かぶり、トナー飛散の安定した寿命の長いトナーを得ることができる。
【0148】
現像剤が撹拌されていくと、現像剤の温度が全体的/部分的に上昇し、トナーに変形が生じる。キャリアとサブミクロン以下の距離で広い面積で接触するようになると、ファンデルワールス力が勝るようになり、トナーの強い付着、所謂スペントトナーが生ずる。微粒子添加剤の目的とするところは、トナーが機械的にキャリアに融着し難いようにコロの役目を果たすことである。
【0149】
このような目的のため、微粒子添加剤は、形状として球形に近いものの方が効果がある。また、外添剤自体が変形、劣化しないためには、外添剤のTgが100℃以上であること、或いは熱分解温度まで転移点を持たないことが必要である。
【0150】
また、この外添剤の帯電性は、基本的にトナー粒子と同等であることが重要である。トナーより高い帯電性を持った外添剤の場合、トナーから離れてキャリアと強く帯電し、外添剤のみが蓄積していくことにより現像剤の帯電量が上がって画像濃度が低下してしまう。逆に帯電性の弱い外添剤、或いは逆極性の外添剤の場合、トナーの帯電量を下げてしまい地かぶりが発生し、トナー飛散が増加する。いずれの場合も複写枚数を重ねるほど顕著になり、寿命特性を悪化させる要因となってしまう。
【0151】
なお、外添剤の帯電量は粒子の大きさが小さいほどQ/Mは上がるため、外添剤のみの帯電量で比較することは難しい。従って外添剤を添加する前のトナーの帯電量と、添加後の帯電量を比較することにより両材料の帯電性の違いを定量化することが可能である。帯電量の測定法としては、良く知られたブローオフ法を用いることができる。
【0152】
例えば500メッシュのステンレスメッシュに現像剤0.2gを乗せ、0.5kg/cm2 の圧力でN2 ガスを60秒ブローする条件で帯電量を測定している。このように測定した帯電性の差が±2μC/g以内であること、好ましくは±1μC/gであることにより、本発明の外添剤は帯電性を阻害すること無く、スペントトナーの発生を減少させて寿命の長いトナーを得ることができる。
【0153】
この外添剤の大きさは、トナー粒子より細かなものが好ましく、滑剤として働きスペントトナーを減少させる目的としては0.1から1μmの大きさであるものが好ましい。添加量としては0.1から5%程度添加できるが、0.5から2%の範囲で添加するのが特に有効である。
【0154】
また、この外添剤は、流動性向上などの目的で、既知の無機微粒子粉末と組み合わせて使用することも可能である。無機微粒子粉末としては、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等があげられる。これら無機微粒子粉末は、シランカップリング剤等により疎水化の表面処理が施されたものであってもよい。これらの外添剤は高速流動型混合機等を用いてトナーに添加することができる。
【0155】
このような外添剤としては、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、スチレン/メチルメタクリレート共重合体微粒子、シリコン樹脂微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、ポリ4弗化エチレン微粒子等の透明な(白色の)微粒子を用いることができるが、前述のようにキャリアに対して母体トナーと同等の帯電性を持つように選択することが重要である。
【0156】
【発明の効果】
本発明を用いると、現像剤中のポリエステル系樹脂とワックスとの分散性が格段に改良されるため、流動性、保存性、画質、耐フィルミング性、及び樹脂の透明性等の特性を損なうことなく、その耐オフセット性を向上することが可能となる。
【0157】
また、本発明の現像剤を用いると、フルカラー画像形成装置の定着装置に設けられるシリコンオイル塗布機構を省略すること、あるいはシリコンオイル塗布量を低減することが可能となる。このため、装置の大型化、あるいは過剰のシリコンオイルによる定着画像のべたつき、劣化等を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリエステルとワックスと新エステルの様子を表わすモデル図
【図2】 本発明のトナーの特性を評価するために使用される定着器を表わす概略図
【図3】 溶融混練時におこるエステル交換を説明するための図
【図4】 ポリエステルとスチレンのハイブリッド樹脂と、スチレン/アルキレンブロック共重合体に対する相溶化剤の作用を説明するための図
【図5】 本発明の現像剤を適用し得るフルカラー画像形成装置の一例を表わす該略図
【符合の説明】
1a,1b,1c,1d…感光体ドラム
5a,5b,5c,5d…帯電ローラ
7a,7b,7c,7d…露光部
9a,9b,9c,9d…現像器
11…搬送手段
13…テンションローラ
15…駆動ローラ
17a,17b,17c,17d…ブレードクリーニング装置
19a,19b,19c,19d…除電ランプ
23a,23b,23c,23d…給電ローラ
24…吸着ローラ
25…給紙カセット
27…ピックアップローラ
29…レジストローラ対
41…電源
100a,100b,100c,100d…プロセスユニット
101…定着ローラ
102…加圧ローラ
103…ヒータ
104…クリーニングローラ
Claims (2)
- ポリエステル重合時にエステルワックスを添加し、該ポリエステル樹脂の縮合重合した末端OH基と、該エステルワックスのCOOHとを縮合させ、ポリエステルの末端に該エステルワックスのエステルが配位して得られたワックス内添ポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、着色材と、前記エステルワックスと同種のエステルワックスとを含む混合物を溶融混練して得られることを特徴とする現像剤。
- ポリエステル原料とエステルワックスを用いて重合を行ない、該ポリエステル樹脂の縮合重合した末端OH基と、該エステルワックスのCOOHとを縮合させ、ポリエステルの末端に該エステルワックスのエステルを配位させたワックス内添結着樹脂の製造工程と、該ワックス内添結着樹脂、前記エステルワックスと同種のエステルワックス、及び着色材を合む混合物を溶融混練し、溶融混練物を得る溶融混練工程とを具備することを特徴とする現像剤の製造方法。
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