JP3986753B2 - 緩衝筒付きキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緩衝筒付きキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
錠剤を入れた容器においては、容器の震動等の衝撃により錠剤が破損することを防止するため、錠剤押えとして容器上部内へプラスチック製のシートを塊状に丸めて入れたり、又発泡ウレタン等を入れたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、別に設けた錠剤押えを容器体内へ入れると、錠剤押えを容器内へ入れた後にキャップを嵌合させることとなる面倒があり、又錠剤押え取外し時に容器体内錠剤の一部が錠剤押えと共に取出されて容器外方へ落ちることがあった。
【0004】
本発明は、上記錠剤等押えとしての緩衝筒を、予めキャップ内へ収納させておき、該キャップを容器体口頸部へ嵌合させると、自動的にキャップ内から緩衝筒が下降して容器内錠剤等上面をその緩衝筒下面が押圧するよう設けたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として容器体口頸部の開口部を覆う頂壁3と、この頂壁3外周から垂下させると共に容器体口頸部外面へ螺合させる外周壁2と、この外周壁2と同軸状に頂壁下面から垂下され、容器体口頸部内へ遊挿させる逆雌ねじ筒4とを備えたキャップ1と、
外周から複数の弾性片 24 を放射状に突出、ないし弾性外向きフランジを突出した底板 21 と、この底板外周から起立すると共に、上記逆雌ねじ筒4内へ螺合させた逆雄ねじ筒 22 とを備えた緩衝筒23とからなり、
各弾性片24の先端ないし弾性外向きフランジの先端により形成される仮想円の外径を容器体口頸部内径よりも大とした。
【0006】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に、上記キャップ1を、主キャップ1aと、該主キャップ上面へ着脱自在に設けた補助キャップ1bとで形成して、上記外周壁2および逆雌ねじ筒4を主キャップ頂壁から垂下させる共に、逆雌ねじ筒4が囲む頂壁部分に振出し孔8を穿設し、又補助キャップ1bは上記振出し孔8を閉塞可能に設けた。
【0007】
第3の手段として上記第2の手段を有すると共に、上記緩衝筒23の底板21の一部を破断用線25で囲成させ、該破断用線が囲む除去用板部26の除去によって形成される透孔の大きさを、容器体内へ収納させる錠剤等が通過できる大きさに形成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面について説明すると、1は容器体31の口頸部32外面へ螺合させる外周壁2を頂壁3外周から垂下すると共に、その頂壁下面から容器体口頸部内面へ遊挿させる逆雌ねじ筒4を、上記外周壁と同軸状に垂下するキャップである。又外周壁と同軸状に容器体口頸部内面へ嵌合させるシール筒5も垂下させている。
【0009】
図示例においてそのキャップは、上記外周壁2と逆雌ねじ筒4とシール筒5とを有する主キャップ1aと、該主キャップ上面へ着脱自在に嵌合させた補助キャップ1bとで形成し、主キャップの外周壁上端後部に補助キャップ短周壁6の下端後部を肉薄ヒンジ7を介し連結させ、主キャップの頂壁の一部で逆雌ねじ筒4が囲む頂壁部分には振出し孔8を穿設してその振出し孔周縁からガイド筒9を垂下し、又補助キャップ頂壁10の下面からは上記ガイド筒9内へ気密に嵌合させる筒状栓11を垂下させている。尚補助キャップ頂壁外周からは短周壁6を垂下させて、主キャップ周壁の上端部に設けた小外径の嵌合部2a外面へ嵌合させている。又短周壁の下端前部には補助キャップ開閉用の指掛け片を前方へ突出させている。
【0010】
上記逆雌ねじ筒4内へは、底板21外周から逆雄ねじ筒22を起立する緩衝筒23を螺合させる。その底板21外周からは弾性片24を放射状に突出させており、それ等弾性片先端円は容器体口頸部の内径よりも大とする。尚逆雄雌ねじ筒の螺合部分長さは、外周壁2と口頸部との螺合部分長さよりも長くする。
【0011】
底板21の中央部には破断用線25を周設して、該破断用線が囲む底板分を除去用板部26としている。図示例ではその破断用線を、凹溝を周設させてその凹溝部分を肉薄部とし、かつ該肉薄部へ間欠的に多数の透孔を穿設し、その透孔間の肉薄部分を破断子27として形成しているが、その破断用線を肉薄溝で形成することも考えられる。
【0012】
緩衝筒23下面はキャップ外周壁2下端面とほぼ同一高さに設けるとよい。
【0013】
上記キャップおよび緩衝筒は合成樹脂材でそれぞれ形成している。
【0014】
上記緩衝筒付きキャップを螺合のため容器体口頸部の上端部へ嵌合させると、各弾性片先端は口頸部32内壁面に圧接して弾性変形する。続いてキャップを螺降方向へ回動させると、逆雌ねじ筒4もキャップと共に回動するに対して、逆雌ねじ筒と逆雄ねじ筒との螺合は、口頸部と外周壁との螺合に対して逆ねじとなっているため、口頸部内壁面への弾性片圧接によって口頸部に対して回動しない逆雄ねじ筒22に対する上記逆雌ねじ筒4の回動は、緩衝筒螺脱方向への回動となり、そのため緩衝筒23は逆雌ねじ筒4に対して螺降することとなる。各弾性片24が口頸部内壁面下端から外れると、逆雌ねじ筒4に対する逆雄ねじ筒22の下降は停止するが、その停止以前に緩衝筒底板21が容器体内収納の錠剤等上面に接して逆雌ねじ筒4と逆雄ねじ筒22とが共に回動することを阻止すると、キャップの回動と共に緩衝筒23は逆雌ねじ筒4に対して螺降することとなる。弾性片24は、口頸部内壁面の下端から外れると同時に図3のように弾性復元して容器内錠剤等上面を押さえることとなる。
【0015】
容器体内錠剤等取出しの場合は、図3の状態から一たんキャップを外す。該取外しの際、再び弾性片24が口頸部内壁面へ圧接することで緩衝筒23は逆雌ねじ筒4と共に回動することが阻止され、すると逆雌ねじ筒4に対して逆雄ねじ筒22は螺進することとなり、そのため緩衝筒23は逆雌ねじ筒4内へ入ることとなる。
【0016】
主キャップ螺脱後、緩衝筒23をキャップから外してもよく、或いは除去用板部26を除去して再度キャップを容器体口頸部へ螺合させる。緩衝筒23をキャップ内に残して除去用板部26を除去したときは、補助キャップ開蓋状態から容器体を傾ける等することで、収納錠剤等は、除去用板部26取外し跡に形成された透孔および振出し孔8を通って振出すことが出来る。
【0017】
図示例ではキャップが主キャップ1aと補助キャップ1bとからなるものについて説明したが、そのキャップはキャップ頂壁に振出し孔を有しない通常のキャップであってもよい。この場合は収納錠剤等取出しを、取出しの都度キャップを外して行うこととなる。又弾性片は弾性外向きフランジに代えてもよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするものであり、請求項1記載の場合は、キャップを容器体口頸部へ螺合するだけで、該キャップ内へ逆螺合させた緩衝筒が自動的にそのキャップに対して更に下降して容器体内収納錠剤等を押さえることとなるため、キャップ螺合に先だって予め容器体上部内へ錠剤等押えを押し込む必要がなく、従ってその錠剤等押えを引出す際にその錠剤等押えと共に錠剤等が引出されて外方へ落すようなことがない。
【0019】
請求項2の場合は、錠剤等の振出しを補助キャップ開閉で振出し孔8を利用して行えるから、キャップ全体の螺脱を不要とできる便利がある。
【0020】
請求項3の場合は、除去用板部26を除去した緩衝筒23をキャップに装着させたままで残すこととなるから、容器開封後もその残余緩衝筒部分が容器体内錠剤等の移動を或る程度制御することとなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明キャップの断面図である。
【図2】 容器体口頸部へ浅く嵌合させて示す、キャップの断面図である。
【図3】 容器体口頸部へ深く嵌合させて示す、キャップの断面図である。
【符号の説明】
1…キャップ 1a…主キャップ
1b…補助キャップ 4…逆雌ねじ筒
23…緩衝筒 24…弾性片
Claims (3)
- 容器体口頸部の開口部を覆う頂壁3と、この頂壁3外周から垂下させると共に容器体口頸部外面へ螺合させる外周壁2と、この外周壁2と同軸状に頂壁下面から垂下され、容器体口頸部内へ遊挿させる逆雌ねじ筒4とを備えたキャップ1と、
外周から複数の弾性片 24 を放射状に突出、ないし弾性外向きフランジを突出した底板 21 と、この底板外周から起立すると共に、上記逆雌ねじ筒4内へ螺合させた逆雄ねじ筒 22 とを備えた緩衝筒23とからなり、
各弾性片24の先端ないし弾性外向きフランジの先端により形成される仮想円の外径を容器体口頸部内径よりも大とした
ことを特徴とする、緩衝筒付きキャップ。 - 上記キャップ1を、主キャップ1aと、該主キャップ上面へ着脱自在に設けた補助キャップ1bとで形成して、上記外周壁2および逆雌ねじ筒4を主キャップ頂壁から垂下させる共に、逆雌ねじ筒4が囲む頂壁部分に振出し孔8を穿設し、又補助キャップ1bは上記振出し孔8を閉塞可能に設けた
ことを特徴とする、請求項1記載の緩衝筒付きキャップ。 - 上記緩衝筒23の底板21の一部を破断用線25で囲成させ、該破断用線が囲む除去用板部26の除去によって形成される透孔の大きさを、容器体内へ収納させる錠剤等が通過できる大きさに形成した
ことを特徴とする、請求項2記載の緩衝筒付きキャップ。
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