JP3986245B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源から制御回路を介して、電圧が印加される定着ヒータを有する定着手段を具えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の画像形成装置には、待機時にむだな電力が消費され、また待機が解除された際、動作モードに移行するまでに長いウォームアップ時間を要するという問題があった。そこでこのような問題を解消するために、特開平9−230741号公報に開示されたようなものが提案されている。
【0003】
ところでこのような既提案の画像形成装置は、前記のような問題を解消するために、定着ヒータの消費電力測定手段と、これで測定された消費電力測定値が入力される制御手段とを設け、制御手段は前記消費電力測定値が、定着動作の待機時に予め設定した消費電力測定値になるように、定着ヒータに位相制御によって通電するような構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような画像形成装置は、限定された待機時のみに動作するものであり、また動作状態から待機状態に切り替った場合、どのような動作をして対応するかについて配慮されることがなく、さらに消費電力を検知する手段を欠如していて、前記のような問題を解消するための有効な手段となり得ないという問題がある。
【0005】
そこで本発明の目的は、前記のような既提案の画像形成装置のもつ問題を解消し、待機時にむだな電力が消費され、また待機が解除された際、動作モードに移行するまでに長いウォームアップ時間を要することがないのに加えて、電源の電圧が変動しても、定着ヒータに常にほぼ一定の電力を供給することができる画像形成装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記のような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、定着ヒータと、定着ヒータの温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段が検知した温度が所定の温度を超えたとき定着ヒータの消費電流を検出する電流検出手段と、前記温度検知手段で検知した温度と予め設定した所定温度を比較すると共に、前記電流検出手段で検知した消費電流値と予め設定した所定消費電流値を比較して、前記所定温度を超えたとき前記定着ヒータへの通電を制御する制御回路とを備え、前記定着ヒータへ所定の通紙間隔で通紙を行っているときに前記電流検出手段により検出された消費電流値が予め設定した消費電流値を超えている場合には、前記通紙間隔より大きい通紙間隔にすることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、検出された消費電流は、一定時間の平均値からなることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、定着ヒータと、定着ヒータの温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段が検知した温度が所定の温度を超えたとき定着ヒータの消費電流を検出する電流検出手段と、検出された消費電流から消費電力を演算する演算手段と、前記温度検知手段で検知した温度と予め設定した所定温度を比較すると共に、前記演算手段で演算した消費電力値と予め設定した所定消費電力値を比較して、前記所定温度を超えたとき前記定着ヒータへの通電を制御する制御回路とを備え、前記定着ヒータへ所定の通紙間隔で通紙を行っているときに前記演算手段により演算された消費電力値が予め設定した消費電力値を超えている場合には、前記通紙間隔より大きい通紙間隔にすることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、演算された消費電力値は、一定時間の平均値からなることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、定着ヒータの消費電力を検出する検出手段は、交流電源と定着ヒータとの間にカレントトランスを使用したものからなることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の第1実施形態が示されており、1は商用電源、2は定着ヒータ、3はリレー、4はトライアック、5はサーミスタ、6は制御回路、7は消費電流検出回路、8はCPUをそれぞれ示す。これらは電源が投入されていない時点では、リレー3及びトライアック4はオフの初期状態に設定されている。
【0014】
ここでサーミスタ5は、内蔵している抵抗によって定着ヒータ2の温度を電圧変換する温度検出部を有し、制御回路6は内部に第1コンパレータ11を内蔵していて、サーミスタ5から送られてくる温度情報と第1コンパレータ11に予め設定されているターゲット温度とを比較する機能を有している。またCPU8から制御信号を受けてリレー3やトライアック4をオン/オフする機能を有している。
【0015】
また消費電流検出回路7は、商用電源1から本回路に流れる消費電流を随時検出する機能を有し、検出された消費電流は、制御回路6に送られる。制御回路6は、内部に前記の第1コンパレータ11とは別の第2コンパレータ12を内蔵していて、消費電流検出回路7から送られてくる消費電流値と、第2コンパレータ12に予め設定されているターゲットとなる消費電流値とを比較する機能を有している。ここで制御回路6は、送られてきた消費電流値をそのまま比較するのではなく、ある一定時間の平均値を算出して比較する機能を有している。ここでターゲットとなる温度及び消費電流値は、CPU8から第1、第2コンパレータ11、12に指定されるものである。
【0016】
このようなものにおいて、電源が投入されると、CPU8が初期設定処理を実行し、この初期設定処理の1つとして、定着ヒータ2を所定温度まで加熱するために、CPU8から制御回路6に制御信号が出力される。そして制御回路6は、この制御信号を受けてゲート信号を出力し、リレー3、トライアック4の順にオンする。
【0017】
この状態で定着ヒータ2が加熱されて徐々に温度が上昇してゆくが、やがてターゲット温度を超えたことを制御回路6が認識すると、この状態から消費電流検出回路が検出する消費電流値を制御回路6が認識する。そして制御回路6は送られてくる消費電流値から、ある一定時間の平均値を算出して、ターゲットとなる消費電流値との比較を随時行う。この場合の一定時間とは、動作時において、1つのプリント動作終了時から、つぎのプリント動作終了時を1サイクルとして、1サイクル又は数サイクルの時間のことを言う。
【0018】
ここで画像形成装置が、印字可能な状態となって通紙が開始された場合においては、定着ヒータ2は印字される用紙によって熱を奪われ、そのため連続して通紙が行われる場合には、定着ヒータ回路の温度制御機能によって、定着ヒータ2の温度の上昇と下降とが繰り返されることになるのが一般的である。
【0019】
このような動作状態においては、制御回路6がトライアック4を頻繁にオン/オフして定着ヒータ2への通電を制御することになるが、その結果消費電流値も激しく変動することになる。この時に変動する消費電流値を消費電流検出回路7が常時検出しており、その検出値を制御回路6に送り、制御回路6はその消費電流の平均値と、動作時のターゲットとなる消費電流値の比較を行う。
【0020】
そして検出された消費電流値が、ターゲット以下であれば何の制御もせずにそのままとするが、商用電源電圧の変動等の理由によって、ターゲットを超えていた場合には、制御回路6がターゲット以下の数値となるように、通紙間隔を大きくする等の制御を行う。このような制御回路6の制御により、定着ヒータ2の動作時の消費電流をほぼ一定に保持することが可能になる。
【0021】
つぎに図2に示す第2実施形態は、消費電流検出回路7に代えて消費電流/電圧回路9を設け、さらに消費電力演算回路10を設けた点で、第1実施形態と相違し、その他においては同様となっている。
【0022】
この実施形態において、消費電流/電圧回路9は商用電源1から本回路に流れる消費電流及び電圧を随時検出する機能を有し、検出された消費電流値及び電圧値が消費電力演算回路10に送られ、ここで電流値及び電圧値が掛け算されて消費電力値が算出され、この算出された消費電力値が制御回路6に送られる。
【0023】
この制御回路6は、送られてくる消費電力値と、内臓しているコンパレータ12に予め設定されているターゲットである消費電力値と比較する機能を有している。ここで制御回路6は、第1実施形態における消費電流値と同様に、送られてきた消費電流値をある一定時間の平均値として算出して、ターゲットと比較する機能を有している。
【0024】
この実施形態において、定着ヒータ2の動作状態では、消費電流値と電圧値の検出を行い、その値から消費電力演算回路10で消費電力が算出され、制御回路6でターゲットとなる消費電力値との比較が行われる。そして算出された消費電力値が、ターゲットを超えていた場合には、第1実施形態におけると同様に、これをターゲット以下の数値となるように制御する。このような制御方法によって定着ヒータ2の消費電力を、ほぼ一定に保持することが可能となる。また第1実施形態に比べて、消費電力値を検出して制御を行うため、その精度はさらに高いものとなる。
【0025】
つぎにこの実施形態の定着ヒータ2が待機状態での消費電力ら制御に関する点について説明する。画像形成装置が動作状態から待機状態に移行したことをCPU8が検知すると、制御回路6内の第2コンパレータ12に、今度は待機モード時の消費電力値を設定する。そして第2実施形態におけると同様に、消費電流/電圧回路9から消費電力演算回路10を経由して制御回路6に送られてくる待機時の消費電力データの平均値と設定値との比較を行う。
【0026】
そして検出された消費電力データが電源事情の悪化等の理由によって、設定値を超えていた場合には、定着ヒータ2への通電オフをさらに長くする等の制御を行い、設定値以下になるようにする。この場合の消費電力の平均値は、待機モードに入って以降の平均値又は比較前の一定時間(3分程度)の平均値とすれば十分である。
【0027】
つぎに第3実施形態について図3を参照して説明する。この実施形態においては、図3に示すように消費電流/電圧検出手段としてカレント・トランス(以下CTという)17と、交流から直流への変換回路19とを使用する。そして商用電源1から流れる交流電流を変換回路19によって直流電流に変換した後、1次巻線に流れる1次電流をIc、2次巻線に流れる2次電流をIs、1次/2次の巻数をN1/N2とするとつぎの式が成り立つ。
Is=(N1/N2)・Ic
【0028】
このようにして2次電流Isを検出することができる。さらに2次電流にかかる電圧を検出するために、抵抗Rscを接続する。このときRscの両端には、
Vrs=Is・Rsc=(N1/N2)・Ic・Rsc
と、Icに比例した電圧Vrsを検出することができる。
このようにしてCTのN1/N2巻数比によって、IcとIs,Vrsの間に相関関係が成り立つ。
【0029】
Icと商用電源電圧Vinとの間には、Ic大→Vin大、Ic小→Vin小という相関関係があるため、VinとVrsとの間にも相関関係が成り立つ。本実施形態を構成する際に、実際のIcの電流値と、その時の商用電源電圧Vinを測定しておき、Ic-Is,Vin-Vrsの相関データを制御回路内の記憶手段に設定することにより、制御回路は定着ヒータにかかる電流値Icと、電圧値Vinを常に検出することが可能となる。前記以外の制御は第1実施形態に準拠することとなる。このようにしてCTを使用することにより、消費電流/電圧を精度良く検出することが可能となる。
【0030】
つぎに第4実施形態について図4を参照して説明する。本発明のような画像形成装置にあっては、電源事情が悪化する可能性が低い場合などのように、必ずしも消費電力による制御を必要としない場合があることが考えられる。このような場合は、従来のような温度制御による制御方式だけで、対応することができるように切換え手段を設けて消費電力制御方式を選択することとなる。
この実施形態は、このような構想のものに属するものであって、オン/オフ手段を構成するスイッチ13を商用電源1と、定着ヒータ2との接続線に設け、制御回路6によってスイッチ13を位置Aに選択した場合は従来制御方式、位置Bに選択した場合は消費電力制御方式の本発明方式を行うようにしたものであり、その動作等は前記の各実施形態に準拠することとなる。
【0031】
別の例として、制御回路6の内部に切換え手段を設けて、従来制御方式を選択した場合には、通電時に消費電力検出回路により消費電力が検出されても、制御回路6がこれを検知しない方式であってもよい。このように定着ヒータの消費電流、消費電力制御方式と従来制御方式とを切り換え手段を設けることにより、選択することによって、状況に対応した使用方法を行うことが可能となる。
【0032】
【発明の効果】
この発明は前記のようであって、請求項1に記載の発明は、定着ヒータと、定着ヒータの温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段が検知した温度が所定の温度を超えたとき定着ヒータの消費電流を検出する電流検出手段と、前記温度検知手段で検知した温度と予め設定した所定温度を比較すると共に、前記電流検出手段で検知した消費電流値と予め設定した所定消費電流値を比較して、前記所定温度を超えたとき前記定着ヒータへの通電を制御する制御回路とを備え、前記定着ヒータへ所定の通紙間隔で通紙を行っているときに前記電流検出手段により検出された消費電流値が予め設定した消費電流値を超えている場合には、前記通紙間隔より大きい通紙間隔にするので、商用電源の電圧が変動しても、定着ヒータにほぼ一定の電力を供給することができるという効果がある。
【0033】
請求項2に記載の発明は、検出された消費電流は、一定時間の平均値からなるので、この平均値とターゲットとを比較することによって、効率良く省エネルギ化を実現することができるという効果がある。
【0035】
請求項3に記載の発明は、定着ヒータと、定着ヒータの温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段が検知した温度が所定の温度を超えたとき定着ヒータの消費電流を検出する電流検出手段と、検出された消費電流から消費電力を演算する演算手段と、前記温度検知手段で検知した温度と予め設定した所定温度を比較すると共に、前記演算手段で演算した消費電力値と予め設定した所定消費電力値を比較して、前記所定温度を超えたとき前記定着ヒータへの通電を制御する制御回路とを備え、前記定着ヒータへ所定の通紙間隔で通紙を行っているときに前記演算手段により演算された消費電力値が予め設定した消費電力値を超えている場合には、前記通紙間隔より大きい通紙間隔にするので、商用電源の電圧が変動しても、さらに精度よく定着ヒータにほぼ一定の電力を供給することができるという効果がある。
【0036】
請求項4に記載の発明は、演算された消費電力値は、一定時間の平均値からなるので、この平均値とターゲットとを比較することによって、効率良く省エネルギ化を実現することができるという効果がある。
【0037】
請求項5に記載の発明は、定着ヒータの消費電流の検出手段は、交流電源と定着ヒータの間にカレントトランスを使用したものからなるので、定着ヒータにかかる消費電流/電力を精度よく検出することが可能となって、請求項1、3に記載の発明の効果を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の要部の縦断正面図である。
【図2】この発明の第2実施形態の要部の縦断正面図である。
【図3】この発明の第3実施形態の要部の縦断正面図である。
【図4】この発明の第4実施形態の要部の縦断正面図である。
【符号の説明】
1 商用電源 2 定着ヒータ
3 リレー 4 トライアック
5 サーミスタ 6 制御回路
7 消費電流検出回路 8 CPU
9 消費電流/電圧回路 10 消費電力演算回路
11 第1コンパレータ 12 第2コンパレータ
13 スイッチ
Claims (5)
- 定着ヒータと、定着ヒータの温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段が検知した温度が所定の温度を超えたとき定着ヒータの消費電流を検出する電流検出手段と、前記温度検知手段で検知した温度と予め設定した所定温度を比較すると共に、前記電流検出手段で検知した消費電流値と予め設定した所定消費電流値を比較して、前記所定温度を超えたとき前記定着ヒータへの通電を制御する制御回路とを備え、前記定着ヒータへ所定の通紙間隔で通紙を行っているときに前記電流検出手段により検出された消費電流値が予め設定した消費電流値を超えている場合には、前記通紙間隔より大きい通紙間隔にすることを特徴とする画像形成装置。
- 検出された消費電流は、一定時間の平均値からなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 定着ヒータと、定着ヒータの温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段が検知した温度が所定の温度を超えたとき定着ヒータの消費電流を検出する電流検出手段と、検出された消費電流から消費電力を演算する演算手段と、前記温度検知手段で検知した温度と予め設定した所定温度を比較すると共に、前記演算手段で演算した消費電力値と予め設定した所定消費電力値を比較して、前記所定温度を超えたとき前記定着ヒータへの通電を制御する制御回路とを備え、前記定着ヒータへ所定の通紙間隔で通紙を行っているときに前記演算手段により演算された消費電力値が予め設定した消費電力値を超えている場合には、前記通紙間隔より大きい通紙間隔にすることを特徴とする画像形成装置。
- 演算された消費電力値は、一定時間の平均値からなることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 定着ヒータの消費電力を検出する検出手段は、交流電源と定着ヒータの間にカレントトランスを使用したものからなることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
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