JP3986152B2 - 粉粒体の乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体の乾燥装置に関し、特に加熱気体によって粉粒体を乾燥処理する粉粒体の乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、先に図9及び図10に示したような粉粒体の乾燥装置を開発し、国際出願を行った(国際出願番号:PCT/JP96/03751、国際公開番号:WO97/24570)。
【0003】
かかる粉粒体の乾燥装置は、図示したように任意の高さの水平断面が同心円状の内部空間102を有する筒状容器101と、該筒状容器101の下部に接続された粉粒体の導入管103及び加熱気体の導入管104と、前記筒状容器101の上部に接続された粉粒体及び加熱気体の排出管105とを備えた粉粒体の乾燥装置であって、上記筒状容器101の底壁全面を、図10に示したように開口106が筒状容器と同心円上の略周方向の一方を向くように配置された複数の噴出口107が形成された多孔板108で構成し、該多孔板108の下方を、図9に示したように容器109によって覆い、該容器109に上記加熱気体の導入管104を接続すると共に、上記筒状容器101の下部側壁全周を、同じく図10に示したように開口110が筒状容器の接線方向の一方を向くように配置された複数の噴出口111が形成された多孔板112で構成し、該多孔板112の周囲を容器113によって覆い、該容器113にも上記加熱気体の導入管104を接続することにより、筒状容器101内に旋回気流を形成すると共に、上記多孔板112の上方に位置する筒状容器101の側壁外周面を、図9に示したようにジャケット114により覆い、該ジャケット114と筒状容器101の側壁外周面との間に形成される空間115に、加熱媒体を供給する構成とした粉粒体の乾燥装置である。
【0004】
上記した粉粒体の乾燥装置によれば、粉粒体は筒状容器101内に形成される加熱気体による旋回気流に同伴して下方から上方に移動することとなり、その移動途中において旋回気流から上昇力のみならず遠心力を受け、湿って塊となった粉粒体も解砕されて良好な分散状態と成るために、別途、粉粒体の供給口付近に分散機或いは叩解機等を付帯する必要がなく、また、供給された粉粒体は筒状容器101内を旋回しながら上昇するため、その移動距離は単に上昇気流に同伴されて移動する場合に比較して飛躍的に長くなり、且つ粉粒体はその移動途中において旋回気流から遠心力を受け、加熱媒体により加熱された状態にある筒状容器101の側壁内周面に圧接された状態で移動するため、該筒状容器からの伝導伝熱によって乾燥されると共に、移動途中において接触する加熱気体とは筒状容器内壁面との摩擦抵抗の違いにより速度差があり、常に新たな加熱気体と接触することとなるために熱交換量が増え、粉粒体の乾燥状態を飛躍的に向上させることができるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した粉粒体の乾燥装置にあっては、筒状容器101内に加熱気体による旋回気流を形成するために、該筒状容器101の底壁全面及び下部側壁全周を、図示したように多孔板108及び112により各々形成したため、該多孔板108及び112の開口106及び110から常に加熱気体が噴射されているとしても、該開口106及び110、特に底壁である多孔板108の開口106からの粉粒体の粉漏れ現象は絶無ではなく、これが多孔板108の下方を覆う容器109内に徐々に堆積し、この堆積した粉粒体がしばしば熱変成、熱劣化することが大きな課題となっていた。
【0006】
また、上述した粉粒体の乾燥装置にあっては、粉粒体の伝導伝熱による乾燥を行うために、図示したように筒状容器101の側壁外周面をジャケット114により覆い、該ジャケット114と筒状容器101の側壁外周面との間に形成される空間115に加熱媒体を供給する構成とはしているが、その形成位置は湿った粉粒体が旋回しながら長時間滞留することとなる筒状容器101の底部ではない(この部分は、上記したように筒状容器101内に加熱気体による旋回気流を形成するために多孔板108及び112により形成されているため、この部分に伝導伝熱面を形成することは不可能である。)ため、粉粒体の効果的な伝導伝熱による乾燥を期待できる構造のものではなかった。
【0007】
本発明は、上述した従来において開発した粉粒体の乾燥装置が有する課題に鑑み成されたものであって、その目的は、処理する粉粒体の粉漏れ現象が生じ難い粉粒体の乾燥装置を提供すること、また、粉粒体を伝導伝熱により効果的に乾燥できる粉粒体の乾燥装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するため、任意の高さの水平断面が同心円状の内部空間を有する筒状容器内に、該筒状容器の底壁から加熱気体を旋回させて導入すると共に、筒状容器の下部側壁から粉粒体を供給し、該粉粒体を上記加熱気体による旋回気流中に分散浮遊させて乾燥し、筒状容器の上部から排出させる構造の粉粒体の乾燥装置において、上記筒状容器の底壁中央の一箇所のみに穴を形成し、該穴より加熱気体を筒状容器内に導入する構成とすると共に、前記穴の上方に邪魔板を配設し、且つ穴の周囲の底壁と上記邪魔板との間に上記旋回気流を発生させる偏向板を設けた粉粒体の乾燥装置とした。
【0009】
上記した本発明にかかる粉粒体の乾燥装置によれば、従来、本発明者らが開発した上述した粉粒体の乾燥装置が有する利点を備えつつ、且つ粉粒体の粉漏れ現象が生じ難く、伝導伝熱による乾燥が効果的に行われる粉粒体の乾燥装置を提供することができる。
即ち、上記した本発明においては、筒状容器内に加熱気体による旋回気流を形成する機構として、筒状容器の底壁中央の一箇所のみに穴を形成し、該穴より加熱気体を筒状容器内に導入する構成とすると共に、前記穴の上方に邪魔板を配設し、且つ穴の周囲の底壁と上記邪魔板との間に上記旋回気流を発生させる偏向板を設けた構成とした、即ち、従来の底壁全面を多孔板により構成した場合とは異なり、粉粒体が存在し難い底壁中央の一箇所のみの穴を除き開口部がないので、粉粒体の粉漏れ現象を防止できると共に、粉粒体は旋回しながら底壁と接触できる構造となるために、該底壁からの伝導伝熱により粉粒体を効果的に乾燥することが可能な装置となる。
【0010】
ここで、上記本発明においては、筒状容器の底壁外側面を、ジャケットにより覆い、該ジャケットと筒状容器の底壁外側面との間に形成される空間に加熱媒体を供給する構成とすることが好ましい。
これは、筒状容器の下部、特に筒状容器の底壁は湿って密度の高い粉粒体が旋回しながら長時間にわたって滞留する部位であるため、該底壁を加熱媒体により強制的に加熱する構造とすることは、伝導伝熱による粉粒体の乾燥を最も効果的に行うことができるために好ましい。
【0011】
また、上記本発明においては、筒状容器の少なくとも粉粒体の供給部位の上方に位置する側壁部分を、開口が上記偏向板により筒状容器内に形成される旋回気流の旋回方向と同一方向を向くように配置された複数の噴出口を有する多孔板で構成し、該多孔板の開口からも加熱気体を筒状容器内に導入する構成とすると共に、筒状容器の少なくとも底壁から上記多孔板との間に位置する側壁外周面を、ジャケットにより覆い、該ジャケットと筒状容器の側壁外周面との間に形成される空間に加熱媒体を供給する構成とすることが更に好ましい。
これは、このような多孔板を筒状容器の途中に設けると、該多孔板より筒状容器内に噴射される加熱気体は、筒状容器の側壁内周面から中央方向にある幅を有する高速旋回気流、所謂エアーリングをその部分に形成し、このエアーリングが湿った粉粒体を上昇させずに容器下部に旋回させながら滞留させる作用を果たし、加熱媒体により強制的に加熱された筒状容器の側壁内周面と長時間にわたって粉粒体を接触させることができ、効果的な伝導伝熱による粉粒体の乾燥が行われることとなるために好ましい。
【0012】
更に、上記本発明においては、筒状容器の底壁中央に形成した穴の上方に配設した上記邪魔板を、頂部が上方を向いた円錐体形状とすることが好ましい。
これは、このような形状の邪魔板であれば、その上方に粉粒体が堆積する憂いが無いために好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、上記した本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
先ず図1〜図4は、本発明の一実施の形態を示した図である。
この図1〜図4中1は、任意の高さの水平断面が同心円状の内部空間2を有する筒状容器であり、この筒状容器1は、径方向に比べて軸方向が長く形成されている。そして、この筒状容器1の途中には、内径の大きい筒状部材3を切頭円錐状部材4,5を介して連接した拡大部6が形成されている。
但し、この筒状容器1は、図示したように拡大部6を有する円筒形状のものには限らず、単なる円筒形状、或いは下方ほど直径が拡大した、又は逆に縮小した切頭円錐体形状であっても良く、またその高さ方向の中央部がビア樽の如く拡大した容器であっても良い。
【0015】
上記筒状容器1の底壁中央には、図1及び図2に示したように穴7が形成されている。そして、この穴7を除く底壁外側面は、ジャケット8により覆われ、該ジャケット8と筒状容器1の底壁外側面との間に形成される空間9に、管10を介して連続的に温水或いは加熱蒸気等の加熱媒体が供給され、管11を通って排出されるように構成されている。
【0016】
また、上記筒状容器1の底壁下方は、容器12によって完全に覆われ、該容器12に加熱気体の導入管13が接続されている。そして、この加熱気体の導入管13を介して、図4に示したようにエアフィルター14で清浄化され、エアヒーター15で加熱された空気が供給ブロワー16の送風作用によって容器12内に供給され、底壁中央に形成された上記穴7を通して筒状容器1の内部空間2内に加熱気体が導入される。
但し、上記加熱気体の導入管13は、図示したように容器12を介して上記穴7に連通されている必要は必ずしも無く、直接穴7に上記加熱気体の導入管13を接続した構造としても良い。
【0017】
なお、その他図4中17は、加熱媒体(水蒸気等)の供給管で、上記エアヒーター15に加熱媒体を供給する。18は上記供給管17に設けられた温度制御装置で、加熱気体の供給管19に設けた温度検出器20により検出した加熱気体の温度に対応して、供給管17の途中に設けたバルブ21の開閉制御を行うように構成されている。
【0018】
上記筒状容器1の底壁中央に形成された穴7の上方には、図1及び図2に示したように隙間をあけて邪魔板22が配設されている。この邪魔板22は、その上部に粉粒体が堆積しないよう、例えば頂部が上方を向いた円錐体形状に形成されている。そして、この邪魔板22と上記穴7の周囲の底壁との間には、穴7から筒状容器1の内部空間2内に導入される上記加熱気体を旋回気流とする偏向板23が設けられている。
【0019】
この偏向板23は、図3に示したように穴7の周縁から外方に向かって渦巻状(穴7の中心を通る直線に対して一定の角度を設けた状態)に複数枚の羽根24を立設した構造となっており、該羽根24と底壁及び上記邪魔板22とにより画成される通路25に、穴7から筒状容器1の内部空間2内に導入される加熱気体を導き、該通路25の先端から勢い良く加熱気体を噴射させることにより、図示した方向の旋回気流を筒状容器1の内部空間2内に形成する。
但し、偏向板23を構成する上記羽根24の形状は、図3に示したように平板である必要は必ずしも無く、図5に示したように湾曲した羽根26を立設した構造としても良く、このような湾曲した羽根26を立設した構造とすると、加熱気体をよりスムーズに旋回方向に偏向できるために好ましい。
【0020】
また、上記した偏向板23は、図6に示したように開口27が接線方向の一方を向くように配置された複数の噴出口28が形成された円筒形状の多孔板29を穴7の周囲の底壁と邪魔板22との間に立設した構造としても良い。このような多孔板29を立設した構造の偏向板23を介して筒状容器1の内部空間2内に噴射される加熱気体も、上記複数枚の羽根24を立設した構造の偏向板23と同様に水平方向の旋回気流を筒状容器1の内部空間2内に形成する。
但し、上記多孔板29に形成される噴出口28の形状は、図7に拡大して示したようにその屋根状隆起部30が外方に突出している形状でも、また図8に示したように内方に突出している形状でも良く、更に長尺な所謂スリット形状の噴出口としても良い。
【0021】
上記筒状容器1の底壁近傍に位置する側壁には、図1及び図2に示したように被処理物である湿った粉粒体を筒状容器1の内部空間2内に供給する粉粒体の導入管31が接続されている。この粉粒体の導入管31には、図4に示したようにスクリューコンベヤーのような粉粒体の定量供給機32が接続されている。この粉粒体の定量供給機32は、粉粒体の導入管31を介して、筒状容器1の内部空間2内の加熱気体が該供給機32から外部に吹き出したり、逆に供給機32から外部空気が吸引されて筒状容器1の内部空間2内に流れ込むことがないように、上記した供給ブロワー16と後記する排気ブロワー41とによって機内圧力バランスが取られてはいるが、密閉性を有する供給機とすることが好ましい。
【0022】
上記粉粒体の導入管31が接続された部位の上方に位置する筒状容器1の側壁は、図1及び図2に示したように一定の幅でその全周に亘って図8(又は図7)に示したと同様の噴出口33(この噴出口33は、上記した多孔板29の噴出口28と同様に、所謂長尺なスリット形状の噴出口であっても良い。)が形成された多孔板34で構成されている。この多孔板34の噴出口33は、該噴出口33の開口35が、図3に示したように上記偏向板23によって筒状容器1の内部空間2内に形成される旋回気流の旋回方向と同一方向を規則正しく向くように複数個配置されている。
【0023】
筒状容器1の壁面を構成する上記多孔板34の全周全幅は、図示したように容器36によって完全に覆われ、該容器36の側面には、加熱気体の導入管37が接続されている。そして、この加熱気体の導入管37を介して、図4に示したようにエアフィルター14で清浄化され、エアヒーター15で加熱された空気が供給ブロワ一16の送風作用によって容器36に供給され、上記多孔板34の噴出口33を介して筒状容器1の内部空間2内に噴射される。この多孔板34を介して筒状容器1の内部空間2内に噴射される加熱気体は、上記偏向板23によって筒状容器1内に形成される旋回気流と同一方向で、ほぼ水平方向の旋回気流を形成する。
【0024】
なお、上記加熱気体の導入管37は、図3に示したように上記多孔板34の開口35が向く方向、即ち、筒状容器1の内部空間2内に形成される旋回気流と同じ回転向きの略接線方向から容器36の壁面に接続されている。これにより、該導入管37から導入された加熱気体は、容器36内を一定方向(筒状容器1の内部空間2内に形成される旋回気流と同じ回転向き)に流れ、各噴出口33の開口35から均一に、しかもスムーズに筒状容器1の内部空間2内に噴出されることとなる。
【0025】
上記筒状容器1の頂部の側壁には、該筒状容器1の内部空間2内に形成される上記旋回気流と同じ回転向きの接線方向に排出管38が接続されている。この排出管38は、図4に示したようにサイクロン等の粉粒体分離器39、及び配管40を介して排気ブロワー41に接続されている。
但し、排出管38は、上記したように筒状容器1に必ずしも接線方向から接続されている必要はなく、筒状容器1の頂部(上部端面)に中心軸方向上側から接続されていても良い。
【0026】
上記筒状容器1の底壁から上記多孔板34までの間に位置する側壁外周面は、図1及び図2に示したように、粉粒体の導入管31が接続された部位を除いてジャケット42により覆われ、該ジャケット42と筒状容器1の側壁外周面との間に形成される空間43に、管44を介して連続的に温水或いは加熱蒸気等の加熱媒体を供給し、管45を通って排出する(以上は温水の場合で、加熱蒸気の場合は供給と排出の管の上下が反対になる)構成とされている。
【0027】
また、上記筒状容器1のその他の側壁外周面、即ち、図1に示したように上記多孔板34から拡大部6までの間に位置する側壁外周面、及び拡大部6が形成された部位の側壁外周面は、同じくジャケット46及び47により各々覆われ、該ジャケット46及び47と筒状容器1の側壁外周面との間に形成される各々の空間48及び49に、管50及び51を介して連続的に温水或いは加熱蒸気等の加熱媒体を供給し、管52及び53を通って排出する(以上は温水の場合で、加熱蒸気の場合は供給と排出の管の上下が反対になる)構成とされている。
【0028】
次に、上記した構造の本発明にかかる装置を用いた粉粒体の乾燥処理方法について説明する。
【0029】
先ず、図4に示した供給ブロワー16及び排気ブロワー41を作動する。
これにより、エアフィルター14で清浄化され、エアヒータ一15で加熱された空気が、上記加熱気体の導入管13及び37を介して各々筒状容器1に設けられた熱風室となる容器12及び36内に供給され、筒状容器1の内部空間2内に加熱気体による旋回上昇気流を形成した後、排出管38から粉粒体分離器39、及び配管40を経て排気ブロワー41から系外に排気される加熱気体の流れが形成される。
【0030】
即ち、容器12内に供給された加熱気体は、筒状容器1の底壁中央に形成された穴7及び偏向板23を介して筒状容器1内に噴出し、底壁に沿った高速旋回気流を形成する。一方、容器36内に供給された加熱気体は、多孔板34の噴出口33より筒状容器1内に噴出し、多孔板34に沿って円周方向に高速旋回する気流を形成する。そして、これらの旋回する加熱気体は、その後も連続的に加熱気体が筒状容器1内に導入されること、及び排気ブロワー41により吸引されることから、筒状容器1の内周壁面に沿って旋回しながら上昇する旋回上昇気流となり、その後筒状容器1の上端に接続された排出管38から粉粒体分離器39、及び配管40を経て排気ブロワー41から系外に排気されることとなる。
【0031】
なお、上記底壁の偏向板23及び側壁の多孔板34から各々筒状容器1内に噴出される加熱気体の量、及びその割合は、各々加熱気体の導入管13及び37の途中に設けられたバルブ54,55、及び配管40の途中に設けられたバルブ56により制御することができる。
【0032】
次に、図1に示した筒状容器1の底壁外側面とジャケット8との間に形成された空間9、筒状容器1の側壁外側面とジャケット42及び46との間に各々形成された空間43及び48、更には筒状容器1の拡大部6における側壁外側面とジャケット47との間に形成された空間49に、各々管10,44,50及び51を介して一定温度に加熱した温水を連続的に供給し、筒状容器1の内周壁面を加熱する。
【0033】
筒状容器1内の温度が所定の水準に達し、且つ筒状容器1内に形成された加熱気体による旋回上昇気流が安定した後、定量供給機32を作動し、粉粒体の導入管31より筒状容器1の内部空間2内に粒粉体を定量的に供給する。
【0034】
筒状容器1内に供給された粉粒体は、偏向板23の作用により底壁に沿って円周方向に高速旋回している加熱気体により強制的に分散され、湿って密度の高い間は、重力の作用及び旋回気流から受ける遠心力が強いことから、底壁と側壁内周面とで形成されるコーナー部付近において旋回しながら滞留し、加熱気体が持ち込む熱エネルギー及び加熱媒体により加熱された底壁及び側壁内周面からの伝導伝熱によって効果的な乾燥作用を受ける。
【0035】
その後、先に供給され、乾燥されて軽くなった粉粒体は、重力の作用及び旋回気流から受ける遠心力が小さくなり、また粉粒体の導入管31からは連続的に粉粒体が供給されていることから、徐々に筒状容器1の側壁内周面に沿って旋回しながら上昇を始め、多孔板34が設けられた部位に到達することとなるが、その間においても粉粒体は、加熱気体が持ち込む熱エネルギー及び加熱媒体により加熱された側壁からの伝導伝熱によって乾燥作用を受ける。
【0036】
多孔板34が設けられた位置においては、該多孔板34に沿って円周方向に高速旋回する気流、即ちエアーリングが形成されているため、該エアーリングが旋回しながら筒状容器1の側壁内周面に沿って上方に移動してきた上記粉粒体を阻止する。そして、上方への移動を阻止された粉粒体は、このエアーリングの下部において旋回しながら滞留し、加熱気体が持ち込む熱エネルギー、及び加熱媒体により加熱された側壁から受ける伝導伝熱によって更なる乾燥作用を受ける。そして、乾燥されて軽くなった粉粒体は、旋回気流から受ける遠心力が小さくなり、中心方向に移動して上記エアーリングの中央に形成される開口部を通って旋回しながら再び上昇する。
【0037】
なお、上記した装置においては、多孔板34から噴出する加熱気体を制御(図3に示した導入管37の途中に設けられたバルブ55の開閉、及び風量の調節)することにより、粉粒体をその場に滞留させたり、滞留を解除(上昇気流に同伴させる)したり等、粉粒体の挙動(滞留時間)を制御することができる。
【0038】
上記多孔板34を通過した粉粒体は、旋回上昇気流に同伴して筒状容器1の側壁内周面に沿って旋回しながら上昇し、拡大部6に到達する。この拡大部6においては、旋回上昇気流の上昇速度が急激に低下し、上記した多孔板34によりエアーリングを形成した場合の効果と同様に、粉粒体は再び略同一水平面内において旋回しながら滞留する。そして、この滞留した粉粒体は、加熱気体が持ち込む熱エネルギー、及びこの拡大部6の側壁外周面の空間49に供給された加熱媒体から受ける伝導伝熱によって効果的な乾燥作用を受ける。
【0039】
そして、乾燥されて軽くなった粉粒体は、旋回上昇気流から受ける遠心力が小さくなり、再び中心方向に移動して旋回しながら上昇する気流に同伴し、排出管38を通って排出される。そして、排出管38から排出された粉粒体は、粉粒体分離器39で気流と分離され、良好に乾燥された粉粒体として回収される。
【0040】
なお、上述した乾燥方法により処理される粉粒体が、各種の有機溶剤を含んでいる場合、或いは粉粒体の物性等によって発火や爆発の恐れがある場合には、空気の代わりに窒素ガス等の各種不活性ガスを加熱気体として使用する。このような場合には、例えば上記排気ブロワー41の出口の配管を、溶剤回収装置(図示省略)を介して上記エアーヒーター15に連結し、閉回路を構成してこの閉回路内を不活性ガスで置換し、粉粒体の乾燥処理を行う。
【0041】
また、図4に示すように、上記筒状容器1を、その底壁の直下で容器12と分割し、また多孔板34の直上、及び拡大部6の直下、更には排出管38の接続部の直下で分割し、更に必要に応じてその間も軸方向にほぼ同じ長さで分割し、各々の分割部材の開口端面にフランジを設け、このフランジを突き合わせて、例えばクランプで着脱自在に結合する構成とすれば、装置の組立、分解が容易となると共に、容器内部の洗浄を完全に行うことかできる。さらに、必要に応じて筒状容器1の長さを短くしたり、逆に長くしたりすることが可能となる。
【0042】
【実施例】
以下、上記した本発明にかかる粉粒体の乾燥装置の効果を確認するために、含水率25%WBのポリ塩化ビニル樹脂脱水ケーキ(粒子径:20〜200μm)の乾燥を行った実施例を記載する。
【0043】
一実施例一
内径350mm、長さが内径の5倍の直管途中(底壁から1050mmの位置)に、内径が430mm、長さが350mmの拡大部を設けた筒状容器内に、底壁中央に形成した穴、及び側壁途中に設けた多孔板から各々加熱気体を導入することにより旋回上昇気流を形成すると共に、筒状容器の外周面を95℃の温水により加熱し、上記粉粒体を乾燥処理した(具体的には、図1〜図4に示した装置を用い、筒状容器の外周面を覆う全てのジャケット内に95℃の温水を供給しながら上記粉粒体を乾燥処理した)。
なお、底壁中央に形成した穴、及び側壁途中に設けた多孔板から各々導入する加熱気体量の比は、5:5で行った。
その他の粉粒体の乾燥条件及び乾燥結果を表1に記載する。
【0044】
一比較例一
内径350mm、長さが内径の5倍の直管途中(底壁から1050mmの位置)に、内径が430mm、長さが350mmの拡大部を設けた筒状容器内に、底壁の多孔板、及び側壁下部の多孔板から各々加熱気体を導入することにより旋回上昇気流を形成すると共に、筒状容器の外周面を95℃の温水により加熱し、上記粉粒体を乾燥処理した(具体的には、図9及び図10に示した装置に、図1〜図4に示した装置の拡大部6を設けた装置を用い、筒状容器の外周面を覆う全てのジャケット内に95℃の温水を供給しながら上記粉粒体を乾燥処理した)。
なお、底壁の多孔板、及び側壁下部の多孔板から各々導入する加熱気体量の比は、3:7で行った。
その他の粉粒体の乾燥条件及び乾燥結果を表1に記載する。
【0045】
【表1】
【0046】
表1より、実施例にかかる装置は、比較例にかかる装置よりも粉粒体の乾燥処理量が飛躍的に(30%程度)向上していることが分かる。
また、1時間の乾燥処理後、共に装置内を点検したところ、比較例にかかる装置においては、底壁の多孔板の下方を覆う容器109内に粉粒体の堆積が確認されたが、実施例にかかる装置においては、このような堆積は見受けられなかった。なお、装置の構造上好ましい運転条件ではないが、念のために実施例にかかる装置においても、底壁中央に形成した穴、及び側壁途中に設けた多孔板から各々導入する加熱気体量の比を、3:7で行ったが(他は、上記実施例と同様の乾燥条件)、この場合においても、底壁中央に形成した穴からの粉漏れ現象は見受けられなかった。
【0047】
【発明の効果】
以上、説明した本発明にかかる粉粒体の乾燥装置によれば、処理する粉粒体の粉漏れ現象が生じ難い加熱気体による旋回気流を筒状容器内に形成する機構を有する粉粒体の乾燥装置と成ると共に、筒状容器内を加熱気体と共に旋回しながら移動する粉粒体を伝導伝熱により効果的に乾燥できる構造の粉粒体の乾燥装置となる効果がある。これにより、粉粒体の乾燥処理量を向上させることができ、また、同じ乾燥処理量では、付帯設備を含めて乾燥装置の小型化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる装置を示した縦断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示した縦断面図である。
【図3】図1のX一X線に沿う部分の拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態にかかる装置を、その前後の付帯設備と共に示した概念図である。
【図5】本発明の装置に用いる偏向板の他の例を示した平面図である。
【図6】本発明の装置に用いる偏向板の更に他の例を示した平面図である。
【図7】図6に示した多孔板の一部拡大断面図である。
【図8】多孔板の他の例を示した一部拡大断面図である。
【図9】従来の粉粒体の乾燥装置を示した縦断面図である。
【図10】図9のY一Y線に沿う部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 筒状容器
2 内部空間
6 拡大部
7 穴
8 底壁外側面を覆うジャケット
12 底壁下方を覆う容器
13 加熱気体の導入管
22 邪魔板
23 偏向板
31 粉粒体の導入管
34 多孔板
36 多孔板を覆う容器
37 加熱気体の導入管
38 排出管
42 側壁外周面を覆うジャケット
Claims (4)
- 任意の高さの水平断面が同心円状の内部空間を有する筒状容器内に、該筒状容器の底壁から加熱気体を旋回させて導入すると共に、筒状容器の下部側壁から粉粒体を供給し、該粉粒体を上記加熱気体による旋回気流中に分散浮遊させて乾燥し、筒状容器の上部から排出させる構造の粉粒体の乾燥装置において、上記筒状容器の底壁中央の一箇所のみに穴を形成し、該穴より加熱気体を筒状容器内に導入する構成とすると共に、前記穴の上方に邪魔板を配設し、且つ穴の周囲の底壁と上記邪魔板との間に上記旋回気流を発生させる偏向板を設けたことを特徴とする粉粒体の乾燥装置。
- 上記筒状容器の底壁外側面を、ジャケットにより覆い、該ジャケットと筒状容器の底壁外側面との間に形成される空間に加熱媒体を供給する構成としたことを特徴とする、請求項1記載の粉粒体の乾燥装置。
- 上記筒状容器の少なくとも粉粒体の供給部位の上方に位置する側壁部分を、開口が上記偏向板により筒状容器内に形成される旋回気流の旋回方向と同一方向を向くように配置された複数の噴出口を有する多孔板で構成し、該多孔板の開口からも加熱気体を筒状容器内に導入する構成とすると共に、筒状容器の少なくとも底壁から上記多孔板との間に位置する側壁外周面を、ジャケットにより覆い、該ジャケットと筒状容器の側壁外周面との間に形成される空間に加熱媒体を供給する構成としたことを特徴とする、請求項1又は2記載の粉粒体の乾燥装置。
- 上記筒状容器の底壁中央に形成した穴の上方に配設した邪魔板を、頂部が上方を向いた円錐形状としたことを特徴とする、請求項1、2又は3記載の粉粒体の乾燥装置。
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