JPH0663301A - 噴霧乾燥方法及び噴霧乾燥装置 - Google Patents

噴霧乾燥方法及び噴霧乾燥装置

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JPH0663301A
JPH0663301A JP24427592A JP24427592A JPH0663301A JP H0663301 A JPH0663301 A JP H0663301A JP 24427592 A JP24427592 A JP 24427592A JP 24427592 A JP24427592 A JP 24427592A JP H0663301 A JPH0663301 A JP H0663301A
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drying
air outlet
dried
spray
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JP24427592A
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Hitoshi Tanimoto
均 谷本
Takahiro Fukumoto
隆宏 福元
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】縦型円筒形状の乾燥室の側壁に設けられた熱風
吹き出し口より供給され乾燥室内を上向きに流れる熱風
と、噴霧ノズルより噴霧され乾燥室内を落下する被乾燥
物とを向流で接触させて乾燥を行う噴霧乾燥方法におい
て、水平かつ等間隔に配置された4ヵ所以上の熱風吹き
出し口に、特定の角度で熱風ダクトを接続した噴霧乾燥
装置を用いて、それぞれの熱風ダクトを介して熱風吹き
出し口から熱風を供給することにより、乾燥室内で熱風
の下向きの旋回流を発生させ、ついで上昇旋回流とする
ことを特徴とする噴霧乾燥方法、並びにその装置。 【効果】本発明によれば、向流式噴霧乾燥を行う場合の
粗大粒子の発生を抑制し、同時に乾燥効率を向上させる
ことができる。しかも熱的安定性に問題のある物質を含
む被乾燥物を乾燥する場合の変質防止、発火抑制にも有
効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱風を用いた噴霧乾燥
方法及び噴霧乾燥装置に関し、特に噴霧ノズルより噴霧
した被乾燥物の液滴と熱風を向流で接触させて乾燥を行
う方法及びそれに使用する噴霧乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】一般的に
噴霧乾燥装置は熱風と被乾燥物の接触方式、つまり乾燥
室内での熱風の流通方向と被乾燥物の流通方向の比較に
おいて2つの形式に大別できる。一つは図1に示すよう
に、熱風と被乾燥物の流通方向が下向き同方向である並
流式の噴霧乾燥装置であり、もう一つは図2に示すよう
に熱風が上向きに流れ被乾燥物が下向きに流れる向流式
の噴霧乾燥装置である。
【0003】一般的に並流式噴霧乾燥装置においては、
被乾燥物は乾燥初期の溶媒含有量の多い段階で高温の熱
風と接触し、乾燥の進行に伴い接触する熱風温度も低下
してくることから、乾燥中の被乾燥物の温度が比較的低
く保たれ、熱に弱い材料、例えば薬品、食品等の有機物
の乾燥に有利である。しかし熱風と被乾燥物の流通方向
が同一であるため、その乾燥効率は良くない。これに比
較して向流式噴霧乾燥装置においては、被乾燥物は乾燥
室内を落下し乾燥していくに伴い、より高温の熱風に接
触する。つまり乾燥終期の減率乾燥期にもっとも高温の
熱風に接触することから、乾燥効率の面で並流式噴霧乾
燥装置に比べて有利である。そのため一般に最低200
℃付近までの温度領域で、実質的に熱による変質、劣化
を起こさない被乾燥物である場合で特に生産量が多量で
ある場合には、使用熱量と乾燥量との比較に基づいた経
済性の面から向流式噴霧乾燥装置が有利である。また大
量生産には、被乾燥物の噴霧方式としてはノズル噴霧方
式が好適である。
【0004】このようなノズル噴霧方式による向流式噴
霧乾燥装置に関しては、従来より種々の検討が行われて
いる。例えば噴霧ノズルを多本数、多レベルの状態で使
用して向流式噴霧乾燥装置の生産能力を向上し、良好な
乾燥物を得ようとする方法については、特公昭53−4
257号公報(米国特許第3629951号及び362
9955号)あるいは特公昭55−9039号公報に記
載の方法がある。また向流式噴霧乾燥装置に熱風を供給
する方法を改良して、乾燥効率を向上させ粗大粒子の少
ない乾燥物を得ようとする方法については、特公昭61
−51921号公報に記載の方法がある。また熱に弱い
被乾燥物を向流式噴霧乾燥装置を用いて乾燥する際に、
熱風吹き出し口付近の壁面に乾燥物が付着して焦げが発
生することを防止する方法としては特公平1−4136
1号公報に記載の方法がある。
【0005】噴霧ノズルを用いた噴霧乾燥装置におい
て、その処理量を多くすることは経済性の面からみて有
利である。そしてその実現のためには乾燥装置に供給す
る被乾燥物の供給量を増加する必要がある。また、供給
量が増加した被乾燥物を効率よくしかも良好な乾燥物が
得られるように噴霧ノズルから噴霧する方法として特公
昭53−4257号公報並びに特公昭55−9039号
公報に記載の方法が提案されているが、これらの方法に
おいては、熱風の供給方法について従来の技術と比較し
て特段の改善を示す記載は無い。従ってこれらの方法で
は、例えばノズル噴霧方法を改善し得たにしても熱風供
給方法が改善されていないために、その効果は十分に発
揮されない。
【0006】このように噴霧乾燥装置においては、被乾
燥物の供給方法つまり乾燥室内に供給する被乾燥物を液
滴化する方法が重要であることと同時に乾燥装置に熱風
を供給する方法が重要となる。
【0007】向流式噴霧乾燥装置に熱風を供給する方法
としては従来より、図3に示すように乾燥装置の側壁の
熱風吹き出し口より熱風を側壁の接線方向に供給するこ
とにより乾燥室内に熱風の旋回上昇流を発生させるよう
にしたものと、図4に示すように熱風吹き出し口より熱
風を乾燥装置の中心に向けて供給することによって乾燥
装置の垂直中心線に平衡な上昇流を発生させるようにし
たものがある。しかし、前者においては熱風の旋回が強
く乾燥室内の被乾燥物は旋回運動を行い、それによる遠
心力で乾燥装置側壁にぶつかり付着を生じ、粗大粒子発
生の原因となるという欠点があった。一方後者では熱風
が乾燥室内を垂直上昇するために、被乾燥物の乾燥装置
側壁への付着は発生しにくい。それゆえ粗大粒子の発生
する確立は前者に比べて低いが、熱風の旋回が無いため
に被乾燥物の乾燥室内滞留時間が短く、また乾燥室内で
の熱風の混合が起こりにくく乾燥装置の水平断面で見た
ときの温度差が大きくなり、乾燥効率が低下するという
欠点があった。
【0008】これらの熱風供給方法に関する欠点を改良
すべく、特公昭61−51921号公報に記載の方法
は、向流式噴霧乾燥装置に供給する熱風を分割して乾燥
装置の接線方向に供給する系統と乾燥装置の中心方向に
供給する系統を設け、それぞれの系統から供給する熱風
量を調整することにより、乾燥室内での熱風の流れ方向
を制御して乾燥効率の向上と粗大粒子発生の抑制を図ろ
うとしたものである。しかしこの方向では熱風供給系統
が複雑化し、装置費用面でも高価である。またこの方法
を用いた向流式噴霧乾燥装置では、熱風の旋回により被
乾燥物に遠心力が作用して熱風吹き出し口付近にも被乾
燥物が飛来する。そして飛来した被乾燥物の多くは熱風
吹き出し口より噴出する熱風により吹き払われるが、一
部は熱風吹き出し口付近に生じる熱風の渦流により熱風
吹き出し口から熱風ダクト内に逆流入する。しかし特公
昭61−51921号公報に記載の方法では一部あるい
は全部の熱風ダクトが水平あるいは水平に近い角度で熱
風吹き出し口に接続しているために、熱風ダクト内に逆
流入した被乾燥物は熱風ダクト内に滞留し、供給する熱
風の温度によっては被乾燥物の熱による変質、分解を招
くという欠点がある。特に有機物質を含有する被乾燥物
を噴霧乾燥法により乾燥する場合、含有される有機物質
の熱に対する安定性と乾燥に使用する熱風の温度は密接
に関連する。一般に有機物質は無機物質に比べて低温で
分解を起こす。しかも分解時にその有機物質自体あるい
は分解により発生するガスが燃焼する可能性さえある。
燃焼に至らなくても分解により製品の価値が失われるこ
とになる。
【0009】これを避けるべく、特公平1−41361
号公報には噴霧乾燥装置内に微粉末を供給して、熱風吹
き出し口付近への被乾燥物の付着を抑制し、焦げの発生
を防ぐ方法が記載されている。しかしながら、被乾燥物
の種類によっては使用可能な適当な微粉末が無い場合、
あるいは被乾燥物の乾燥後の用途などからみて不必要な
微粉末を使用しなければならないという問題がある。
【0010】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点を解決すべく、向流式噴霧乾燥装置において乾燥を
行う際の粗大粒子の発生を抑制し、同時に乾燥効率を向
上させ、しかも有機物質のように熱的安定性に問題のあ
る被乾燥物を乾燥する際の、熱分解による価値の喪失を
回避し、更に燃焼発生の防止により安全性を向上させる
ことのできる噴霧乾燥方法および噴霧乾燥装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
縦型円筒形状の乾燥室の側壁に設けられた熱風吹き出し
口より供給され乾燥室内を上向きに流れる熱風と、噴霧
ノズルより噴霧され乾燥室内を落下する被乾燥物とを向
流で接触させて乾燥を行う噴霧乾燥方法において、水平
かつ等間隔に配置された4ヵ所以上の熱風吹き出し口
に、下記の(a)及び(b)の条件を満たすようにそれ
ぞれ熱風ダクトを接続した噴霧乾燥装置を用いて、それ
ぞれの熱風ダクトを介して熱風吹き出し口から熱風を供
給することにより、乾燥室内で熱風の下向きの旋回流を
発生させ、ついで上昇旋回流とすることを特徴とする噴
霧乾燥方法、並びに、縦型円筒形状の乾燥室、該乾燥室
の側壁に設けられた熱風吹き出し口、該吹き出し口に接
続され熱風の供給方向を決定する熱風ダクト、該熱風ダ
クトを介して乾燥室と連通する熱風供給手段、および被
乾燥物を噴霧する噴霧ノズルを少なくとも具備する向流
式噴霧乾燥装置において、熱風吹き出し口が水平かつ等
間隔に4ヵ所以上配置され、該熱風吹き出し口に下記の
(a)及び(b)の条件を満たすように熱風ダクトを接
続したことを特徴とする向流式噴霧乾燥装置に関する。 (a)熱風吹き出し口の中心を通る水平面と、熱風吹き
出し口における熱風ダクトの接続方向線のなす角度が1
0°以上60°以下であること (b)熱風吹き出し口の中心を通る水平面上に、熱風吹
き出し口における熱風ダクトの接続方向線を投影した時
の投影線と、熱風吹き出し口の中心における乾燥室外周
円接線のなす角度が20°以上80°以下であること
【0012】以下、本発明の噴霧乾燥方法及び噴霧乾燥
装置を図を用いて説明する。図5、図6及び図7は本発
明方法を実施する場合に好適な本発明の向流式噴霧乾燥
装置の一例を示すものである。
【0013】図5は噴霧乾燥装置の正面図である。1は
乾燥室であって、その内部上方には送液管2を通して供
給される被乾燥物を噴霧するための噴霧ノズル3が設け
られている。ここでは噴霧ノズル3は1個のみ図示され
ているが、例えば特公昭53−4257号公報に記載の
方法のように複数個のノズルを複数ステージ使用するな
ど、噴霧ノズル3の複数使用は任意である。
【0014】乾燥室1の下部側壁には熱風吹き出し口5
が円周方向の水平位置に等間隔に設けられているが、こ
の熱風吹き出し口5の数は4ヵ所以上が好ましい。3ヵ
所以下では、熱風吹き出し口1ヵ所あたりの熱風量が過
大となり、乾燥室1内での熱風の流速分布が一様になり
難く、また水平断面での温度差も大きくなり、乾燥効率
が低下する。熱風吹き出し口5の間隔が等間隔で無い場
合も同様に、乾燥室内での熱風の流速分布が一様になり
難く、また水平断面での温度差も大きくなり、乾燥効率
が低下する。なお、ここで図示した熱風吹き出し口5は
円形状をしているが、角形状等の他の形状でもよく形状
は問わない。また、熱風ダクト6の断面は円筒形状を図
示しているが、角型等の多角形形状でもよく形状は問わ
ない。熱風ダクト6の形状は折れ曲がったものを図示し
ているが、直線形状、曲線形状等でもよく形状は問わな
い。
【0015】図5では、乾燥室1を取り巻くように熱風
吹き出し口5よりも高い位置に熱風ヘッダ7が設けられ
ており、熱風ヘッダ7に接続された熱風ダクト6の先端
に熱風吹き出し口5が形成されている。熱風ヘッダ7の
断面は、長方形のものを図示しているが、円筒形状、多
角形形状でもよく形状は問わない。熱風ヘッダ7はダク
ト8を介して熱風発生源9に接続している。本発明で
は、このようにドーナツ型の熱風ヘッダ7を介して熱風
を供給する方法以外に、例えば、それぞれの熱風吹き出
し口5の数だけ分岐を有する多岐管(マニホールド)等
を用いてもよい。即ち、本発明では上記の熱風吹き出し
口に、前記の(a)及び(b)の条件を満たすように熱
風ダクトが接続され、これを介してその接続方向に熱風
を供給することができれば、熱風供給する経路(熱風ヘ
ッダ7,ダクト8)は特に限定されない。但し、各熱風
吹き出し口5から供給される熱風の速度(量)は、乾燥
室1内での熱風の流速分布を一様にするため、バランス
がとれていることが好ましい。また熱風発生源9も通常
公知のものを用いればよく、従って熱風供給経路を含め
た熱風供給手段は特に限定されるものではない。なお図
5において、4は乾燥室1からの熱風の排出口、10は
乾燥された被乾燥物の乾燥室からの取り出し口である。
【0016】熱風ダクト6の熱風吹き出し口5に対する
接続方向を図6及び図7を用いて接続方向線により説明
する。ここで、接続方向線とは、熱風ダクト6が直管等
の直線形状のものである場合は接続方向線は熱風ダクト
6の中心線であり、また熱風ダクト6が曲線形状の場合
は、接続方向線は熱風ダクト6の断面中心を結んだ曲線
の熱風吹き出し口5における接線である。
【0017】図6は噴霧乾燥装置の熱風吹き込み口付近
の部分正面図である。図6において、熱風吹き出し口5
の中心を通る水平面12と、熱風吹き出し口5における
熱風ダクト接続方向線11のなす角度(角(イ))は、
上方に10°以上60°以下が好ましく、さらに好まし
くは上方に30°以上60°以下である。10°未満の
場合には熱風ダクト6内に逆流入した被乾燥物の乾燥室
内への吹き戻しが充分に行われずに熱風ダクト6内に被
乾燥物の滞留堆積が起こる。また60°を越えると熱風
吹き出し口5から吹き出した熱風が過度に乾燥室下部に
流入し、乾燥室下部逆円錐部15の温度が必要以上に高
くなることにより、被乾燥物の温度が高くなって凝集粗
大粒子化を招いたり、被乾燥物の熱による分解、変質、
焦げ及び発火等が発生する。
【0018】図7は噴霧乾燥装置の平面図である。図7
において、熱風吹き出し口5の中心を通る水平面上に、
熱風吹き出し口5における熱風ダクト6の接続方向線を
投影した時の投影線(接続方向線水平面投影線13)
と、熱風吹き出し口5の中心における乾燥室外周円接線
14のなす角度(角(ロ))は、20°以上80°以下
が好ましく、さらに好ましくは30°以上70°以下で
ある。20°未満の場合は、乾燥効率の向上により乾燥
処理能力は増加するが熱風の旋回が過度に強くなるため
に被乾燥物の乾燥室側壁への付着量が増大し、粗大粒子
が多量に発生する。また80°を越えると乾燥効率が過
度に低下し好ましくない。
【0019】上記構成の噴霧乾燥装置において、熱風は
熱風発生源9よりダクト8、熱風ヘッダ7、熱風ダクト
6を経由して熱風吹き出し口5から乾燥室1内に吹き込
まれる。そして熱風ダクト6が、前記のように所定の角
度(イ)および角度(ロ)を有して下向きに熱風吹き出
し口5と接続されていることにより、まず下向きの旋回
流が発生し熱風は旋回を描きながらいったん下向きに吹
き出す。熱風は次いで上昇に転じ上昇旋回流として乾燥
室内を流れる。このため従来法のように装置外周円接線
方向に熱風を吹き込んだ場合と比べると、熱風の旋回が
弱められているために被乾燥物の側壁への衝突、付着が
少なく粗大粒子が発生しにくい。また従来法のように装
置中心方向に熱風を吹き込んだ場合に比べて熱風に旋回
を与えていることにより乾燥効率が向上し処理能力が高
められる。さらに熱風ダクト6が熱風吹き出し口5に対
して下向きの傾斜を持って接続していることにより、熱
風吹き出し口5より熱風ダクト6内に逆流入した被乾燥
部が滞留しにくく、被乾燥物に有機物質が含有される場
合にはその分解、変質等が防止される。
【0020】また、本発明において熱風の乾燥室1への
吹き込み方向を微調整し最適化を図る目的で、熱風吹き
出し口に吹き出し方向が調整可能な整流部材を取り付け
ることが有効である。整流部材の形状としては熱風吹き
出し口5が矩形の場合は、1枚又は複数の板状部材が好
ましく、また熱風吹き出し口5が円形の場合は1個又は
複数個の円筒部材が好ましい。これらの整流部材は、熱
風吹き出し口5の形状に関係なく用いることもできる。
さらにそれぞれの熱風吹き出し口5より乾燥室1内に吹
き出す熱風量を調整するために、ダンパー等の熱風量抑
制装置を熱風ダクト8や熱風ヘッダ7に設置することも
できる。
【0021】さらに、被乾燥物の熱風ダクト6への逆流
入をより抑制し、かつ熱風ダクト6からの被乾燥物の吹
き戻しをより容易にするために、図8のように熱風吹き
出し口5を設置する乾燥室1の下部側壁を斜めにして、
熱風吹き出し口5が斜め下方に開口するようにしてもよ
い。この場合、熱風ダクトは直角に当該側壁に接続する
ようにすることが好ましいことから、側壁を傾ける角度
は、水平面に対して10°以上70°以下の角度を有す
ることが好ましい。また図9のように熱風ヘッダ7を一
方通行的にしてもかまわない。
【0022】本発明の噴霧乾燥方法は、通常の噴霧乾燥
に用いられる被乾燥物の乾燥に用いることができ、この
ような被乾燥物としては、例えば、固形成分を含有する
各種の液体、ペースト、スラリー等が挙げられる。ま
た、熱風、被乾燥物の供給速度(供給量)、熱風の温
度、乾燥室内の圧力等の乾燥条件も通常の噴霧乾燥と同
様に設定すればよい。
【0023】本発明によれば、適度な熱風の旋回による
乾燥効率の向上と過度の熱風の旋回を回避することによ
る粗大粒子発生の抑制の他に、水平よりも下向きに熱風
を吹き出す(下降流)ことによる縦方向の乾燥領域の延
長効果があり、乾燥時間をより長くとれることによって
さらに乾燥効率が向上する。また熱風ダクトが下向きの
傾斜を持って熱風吹き出し口に接続している事により、
熱風吹き出し口付近に発生する渦流により熱風ダクト内
に逆流入する被乾燥物が容易に乾燥室内に吹き戻される
ことにより、熱による被乾燥物の分解、変質が防止され
る。このような滞留防止効果は、特に焦げの発生や発
火、燃焼の危険がある物質を乾燥する場合、即ち被乾燥
物が、含有される全固形成分100重量部あたり10重
量部以上の有機物質を含有する場合に特に有効であり、
本発明により焦げの発生や発火、燃焼を回避することが
できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらによりなんら限
定されるものではない。 実施例1〜6 下記の条件を備えた噴霧乾燥装置、乾燥条件で本発明の
噴霧乾燥方法を実施した。 噴霧乾燥装置 : 直径3m、直胴部長さ9m、ノズル
口径1.6mm、ノズル本数1本、形状は図5と同等 乾燥条件 : 熱風量100Nm3 /min、熱風温度
220℃ 即ち、熱風ダクトの熱風吹き出し口に対する接続方向を
規定する図6における角(イ)の角度を表1のように種
々変化させて、下記組成の被乾燥物スラリーを装置に送
液して同一乾燥品水分(5%)を得る場合のスラリー供
給量、粗大粒子の比率(粗粉率:乾燥品中の2mm以上
の粒子の重量%)、熱風ダクト内被乾燥物滞留量(乾燥
開始4時間後)及び乾燥室下部逆円錐部での焦げの発生
の有無(乾燥開始4時間後)を調べた。 (被乾燥物スラリー成分) (重量%) 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム (C10〜C14) 20 硫酸ナトリウム 15 珪酸ナトリウム(Na2 O:SiO2 =1:2.5) 15 水 50 その結果を表1に示す。
【0025】比較例1〜3 実施例1において角(イ)の角度をそれぞれ0°、70
°、80°とする(比較例1、2、3)以外は、実施例
1と全く同様にして噴霧乾燥を行った。その結果を併せ
て表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例7〜13 実施例1〜6において角(イ)の角度を変化させる代わ
りに図7における角(ロ)を表2のように種々変化させ
て(角(イ)は40℃)実施例1〜6と同様にして噴霧
乾燥を行った。その結果を表2に示す。
【0028】比較例4〜5 実施例7において角(ロ)の角度をそれぞれ10°、9
0°とする(比較例4、5)以外は、実施例7と全く同
様にして噴霧乾燥を行った。その結果を併せて表2に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】以上の結果より、本発明の噴霧乾燥方法に
よる実施例1〜13は乾燥効率が優れ、粗粉率および乾
燥物の滞留量も小さく、下部円錐部の焦げも無いことが
わかった。これに対し、角(イ)が本発明の範囲より小
さい比較例1では乾燥物の滞留量が多く、角(イ)が本
発明の範囲より大きい比較例2及び3では粗粉率が高
く、焦げの発生もみられ、角(ロ)が本発明の範囲より
小さい比較例4では粗粉率が高く、角(ロ)が本発明の
範囲より大きい比較例5では乾燥効率が劣っていた。
【0031】
【発明の効果】本発明の噴霧乾燥方法及び噴霧乾燥装置
によれば、噴霧ノズルによる向流式噴霧乾燥を行う場合
の粗大粒子の発生を抑制し、同時に乾燥効率を向上させ
ることができる。しかも有機物質のような熱的安定性に
問題のある物質を含む被乾燥物を乾燥する場合の変質防
止、発火抑制にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は並流式噴霧乾燥装置の従来例の概略図で
ある。
【図2】図2は向流式噴霧乾燥装置の従来例の概略図で
ある。
【図3】図3は従来の向流式噴霧乾燥装置の平面図であ
る。
【図4】図4は従来の向流式噴霧乾燥装置の平面図であ
る。
【図5】図5は本発明の向流式噴霧乾燥装置の一例を示
す正面図である。
【図6】図6は図5における熱風吹き込み口付近の部分
正面図である。
【図7】図7は図5の噴霧乾燥装置の平面図である。
【図8】図8は本発明における向流式噴霧乾燥装置の他
の一例を示す部分正面図である。
【図9】図9は本発明における向流式噴霧乾燥装置の他
の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 乾燥室 2 送液管 3 噴霧ノズル 4 熱風排出口 5 熱風吹き出し口 6 熱風ダクト 7 熱風ヘッダ 8 ダクト 9 熱風発生源 10 被乾燥物取り出し口 11 熱風ダクト接続方向線 12 水平面 13 接続方向線水平面投影線 14 乾燥室外周円接線 15 乾燥室下部逆円錐部 (イ) 角(イ) (ロ) 角(ロ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦型円筒形状の乾燥室の側壁に設けられ
    た熱風吹き出し口より供給され乾燥室内を上向きに流れ
    る熱風と、噴霧ノズルより噴霧され乾燥室内を落下する
    被乾燥物とを向流で接触させて乾燥を行う噴霧乾燥方法
    において、水平かつ等間隔に配置された4ヵ所以上の熱
    風吹き出し口に、下記の(a)及び(b)の条件を満た
    すようにそれぞれ熱風ダクトを接続した噴霧乾燥装置を
    用いて、それぞれの熱風ダクトを介して熱風吹き出し口
    から熱風を供給することにより、乾燥室内で熱風の下向
    きの旋回流を発生させ、ついで上昇旋回流とすることを
    特徴とする噴霧乾燥方法。 (a)熱風吹き出し口の中心を通る水平面と、熱風吹き
    出し口における熱風ダクトの接続方向線のなす角度が1
    0°以上60°以下であること (b)熱風吹き出し口の中心を通る水平面上に、熱風吹
    き出し口における熱風ダクトの接続方向線を投影した時
    の投影線と、熱風吹き出し口の中心における乾燥室外周
    円接線のなす角度が20°以上80°以下であること
  2. 【請求項2】 被乾燥物が、含有される全固形成分10
    0重量部あたり10重量部以上の有機物質を含有するも
    のである請求項1記載の噴霧乾燥方法。
  3. 【請求項3】 縦型円筒形状の乾燥室、該乾燥室の側壁
    に設けられた熱風吹き出し口、該吹き出し口に接続され
    熱風の供給方向を決定する熱風ダクト、該熱風ダクトを
    介して乾燥室と連通する熱風供給手段、および被乾燥物
    を噴霧する噴霧ノズルを少なくとも具備する向流式噴霧
    乾燥装置において、熱風吹き出し口が水平かつ等間隔に
    4ヵ所以上配置され、該熱風吹き出し口に下記の(a)
    及び(b)の条件を満たすように熱風ダクトを接続した
    ことを特徴とする向流式噴霧乾燥装置。 (a)熱風吹き出し口の中心を通る水平面と、熱風吹き
    出し口における熱風ダクトの接続方向線のなす角度が1
    0°以上60°以下であること (b)熱風吹き出し口の中心を通る水平面上に、熱風吹
    き出し口における熱風ダクトの接続方向線を投影した時
    の投影線と、熱風吹き出し口の中心における乾燥室外周
    円接線のなす角度が20°以上80°以下であること
  4. 【請求項4】 熱風吹き出し口に熱風の吹き出し方向が
    調整可能な整流部材を取り付けたことを特徴とする請求
    項3記載の向流式噴霧乾燥装置。
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