JP3986042B2 - 水系塗料用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系塗料用樹脂組成物に関する。
より詳しくは、優れた光沢性、鮮映性、塗面平滑性、耐水性、耐湿性、耐薬品性および、塗り重ね性などの性能をもつ塗膜を与えることを特徴とし、特に鮮映性、耐水性の要求される工業用製品などに対する焼付塗装に適した水系塗料用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の水系焼付塗料用樹脂組成物は、水溶解可能にするために高酸価であり、また塗面平滑性を向上させるため高沸点の造膜助溶剤を多量に必要としていた。このため溶剤系塗料用樹脂組成物と較べて耐水性が劣り、また昨今問題となっている環境に有害な揮発性有機溶剤を多く含んでいるという欠点を持っている。
【0003】
そこで、この対策手段として低分子量の界面活性剤を用いて、揮発性有機補助溶剤を殆ど、または全く含まない乳化重合樹脂組成物の利用が提案されているが、この乳化重合樹脂組成物の単独使用では、その必須成分である低分子量の界面活性剤が塗膜中に残留もしくは塗膜表面にブリード(滲み出し)して所期の耐水性が得られず、更に不均一系樹脂であるため、鮮映性、塗面平滑性が溶剤系塗料用樹脂組成物と較べて大幅に劣るという問題を持っている。
【0004】
また、他の水溶性樹脂を併用したり、共重合性を有する低分子量の界面活性剤を活用した乳化重合樹脂組成物などが提案されているが、必ずしも溶剤系塗料用樹脂組成物に匹敵する耐水性、鮮映性をもつ塗膜が与えられる訳ではない。
そこで、これを改良すべくカルボキシル基の少なくとも一部をアミン等で中和後、水溶解可能となるポリカルボキシル成分と、本質的に水分散できないポリヒドロキシル成分との部分縮合により得られる水に希釈可能な塗料用樹脂組成物として、例えば、特開平4−30427号、またポリヒドロキシ成分にエポキシ基を導入して部分付加させた、特表平9−511263号などが開示されている。
【0005】
しかしながら、上記塗料用樹脂組成物は工業用製品の上塗り塗料用として要求される耐水性、耐湿性および耐薬品性をもつ塗膜が与えられる訳ではない。
その主な理由としては、水分散可能にするために必要となるカルボキシル基含有不飽和単量体の含有量が多いこと、架橋塗膜を形成する際に必要となる官能基である水酸基含有不飽和単量体が疎水性樹脂成分にのみ配合されており、親水性樹脂成分には配合されていないため、架橋に寄与しない親水性樹脂成分が塗膜中に多く存在すること、および水酸基含有不飽和単量体の含有量が多い、すなわち水酸基価が高く架橋に寄与しない自由な水酸基が塗膜中に残留する可能性が高いことが、原因として挙げられる。
【0006】
すなわち、従来の技術では揮発性有機溶剤含有量が極めて少なく、工業用製品の上塗り塗料として要求される優れた光沢性、鮮映性、塗面平滑性、耐水性、耐湿性および耐薬品性をもつ塗膜を与える水系塗料用樹脂組成物は提供されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の問題点を解決し、優れた光沢性、鮮映性、塗面平滑性、耐水性、耐湿性および耐薬品性、更には優れた塗り重ね性をもつ塗膜を与える水系塗料用樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸基および水酸基を有する親水性アクリル系共重合体と、エポキシ基および水酸基を有する疎水性アクリル共重合体とを、部分的に付加させた水分散可能なアクリル共重合樹脂と、炭素数3〜8のアリキルエーテル基含有のメラミン樹脂とを組み合わせることにより、低酸価、低水酸基価であっても水分散性安定性が良好であり、揮発性有機溶剤含有量が極めて少ない、優れた光沢性、鮮映性、塗面平滑性、耐水性、耐湿性、耐薬品性および塗り重ね性をもつ塗膜を形成する水系塗料用樹脂組成物を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の水系塗料用樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有不飽和単量体、水酸基含有不飽和単量体および、その他の不飽和単量体から得られる親水性アクリル共重合体と、(B)置換あるいは非置換のエポキシ基含有不飽和単量体、水酸基含有不飽和単量体および、その他の不飽和単量体から得られる疎水性アクリル酸共重合体とを、部分的に付加および、または縮合させた(C)アクリル共重合樹脂と、(D)炭素数3〜8のアルキルエーテル基含有のメラミン樹脂からなる水系塗料用樹脂組成物に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく具体的に説明する。
【0011】
(A)親水性アクリル共重合体成分は、酸価30〜150、好ましくは50〜100mgKOH/g、水酸基価10〜120、好ましくは30〜80mgKOH/gの水溶解可能なアクリル共重合体であり、使用する単量体は下記に例示の(Aa)、(Ab)、(Ac)などを使用し、好ましくは溶液重合法を用いて製造される。
【0012】
(A)親水性アクリル共重合体成分を構成する各単量体を例示すると、(Aa)はα、β−エチレン性不飽和カルボン酸、例えば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等があり、(Ab)は2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基または、6〜12個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を含むジオールと、(メタ)アクリル酸とのモノエステル、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール等があり、(Ac)は特に限定されることのない各種(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、ビニルエステル単量体、各種ビニル単量体など、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が使用でき、溶液重合で使用可能な重合調整剤、例えばノルマルドデシルメルカプタン、1−チオグリセロール、2−メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイマー、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等を併用して分子量を調整することも可能である。更に2個以上の二重結合を有する単量体、例えばジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1・6−ヘキサンジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン等の単量体を共重合することも可能である。
【0013】
前記の親水性アクリル共重合体(A)成分の酸価が30mgKOH/g未満では、水分散したときの乳化安定性が悪く、水分離や疎水性樹脂成分が沈降するなどの問題が発生する。150mgKOH/gを超えると、塗膜の耐水性、耐湿性が低下する。
【0014】
前記の親水性アクリル共重合体(A)成分の水酸基価が10mgKOH/g未満では、水酸基と化学結合しうる他の官能基含有樹脂との架橋度合いが低くなり、耐水性、耐湿性および耐薬品性が低下する。120mgKOH/gを超えると、他の官能基含有樹脂と架橋せずに塗膜に残留する自由な水酸基の影響で、塗膜の耐水性、耐湿性および耐薬品性が低下する。
【0015】
(B)疎水性アクリル共重合体成分はエポキシ基を含有する不飽和単量体が0.3〜5重量%、好ましくは1〜3重量%、水酸基価5〜60、好ましくは15〜40mgKOH/gの本質的に水溶解不可能なアクリル共重合樹脂であり、使用する単量体は下記に例示の(Ba)、(Bb)、(Bc)などを使用し、好ましくは溶液重合法を用いて製造される。
【0016】
(B)疎水性アクリル共重合体成分を構成する各単量体を例示すると、(Ba)は側鎖にエポキシ基を含有する不飽和単量体、例えば(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル、アリルグリシジルエーテル、脂環式エポキシ単量体として、ダイセル化学工業(株)製のサイクロマーA200、サイクロマーM100、サイクロマーM101等があり、(Bb)は2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基または、6〜12個の炭素原子を有するオキシアルキレン基を含むジオールと、(メタ)アクリル酸とのモノエステル、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール等があり、(Bc)は特に限定されることのない各種(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、ビニルエステル単量体、各種ビニルエステル化合物、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が使用でき、溶液重合で使用可能な重合調整剤、例えばノルマルドデシルメルカプタン、1−チオグリセロール、2−メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイマー、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート等を併用して分子量を調整することも可能である。更に2個以上の二重結合を有する単量体、例えばジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1・6−ヘキサンジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン等の単量体を共重合することも可能である。
【0017】
前記の疎水性アクリル共重合体(B)成分のエポキシ基を含有する不飽和単量体が0.3重量%未満では、親水性アクリル共重合体(A)成分との結合割合が少なく、従って界面活性機能が十分発揮されず、乳化性および経時安定性に問題が生じる。5重量%を超えると合成時にゲル化の危険性が生じる。
【0018】
前記の疎水性アクリル共重合体(B)成分の水酸基価が5mgKOH/g未満では、水酸基と化学結合しうる他の官能基含有樹脂との架橋度合いが低く、耐水性、耐湿性および耐薬品性が悪化する。60mgKOH/gを超えると、他の官能基含有樹脂と架橋せずに塗膜に残留する自由な水酸基の影響で、塗膜の耐水性、耐湿性および耐薬品性が低下する。
【0019】
親水性アクリル共重合体(A)成分および疎水性アクリル共重合体(B)成分は、水と相溶性のある有機溶剤、好ましくはアルコール、グリコールエーテル等の親水性有機溶剤中で、既知の溶液重合法により合成される。本発明の(C)アクリル共重合樹脂は、親水性アクリル共重合体(A)成分と疎水性アクリル共重合体(B)成分の酸−エポキシの付加反応により得られ、反応温度は80〜150℃、好ましくは90〜120℃である。この場合、親水性アクリル共重合体(A)成分と疎水性アクリル共重合体(B)成分を有姿基準で10:90〜60:40の割合で混合するのが好ましく、次いでこの混合物を加温し有機溶剤を実質的に除去するかまたは除去せずに反応を行う。反応後、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等、適当な塩基性化合物で中和し、水で所望の固形分に希釈、分散・乳化する。
【0020】
本発明に使用する(D)炭素数3〜8のアルキルエーテル基含有のメラミン樹脂は、アルキルエーテル基以外に、一部イミノ基、メチロール基を含有しても差し支えない。例示すると、マイコート506(三井化学(株)製)、ユーバン20SE60(同)、ユーバン20SB(同)、スーパーベッカミン17−590(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。特に好ましいのは、ユーバン20SE60、スーパーベッカミン17−590の比較的分子量が大きいブチル化メラミン樹脂である。特にイソブチル化メラミン樹脂は低温硬化に寄与し好ましい。また所望により他の水系塗料用樹脂あるいは、本発明のメラミン樹脂以外の硬化剤を組み合わせて使用することを提供するものである。
【0021】
本発明のメラミン樹脂を使用すると、優れた光沢性、鮮映性、塗面平滑性、耐水性、耐湿性および耐薬品性を実現できることはもとより、水系アクリル樹脂塗料の欠点である塗り重ね性の問題を解決することが可能となる。混合比率は固形分基準でアクリル共重合樹脂(C):メラミン樹脂(D)=65:35〜85:15が好ましく、更に好ましくは70:30〜80:20である。本発明のメラミン樹脂の使用方法は、アクリル共重合樹脂水分散溶液に混合して使用されるが、特に水分散性の安定な樹脂液組成物を得るためには、アクリル共重合樹脂と本発明のメラミン樹脂を混合した後、水に分散、乳化する方法が特に好ましい。これにより低分子量の親水性メラミン樹脂では達成できない作業性、仕上がり性およびリコート性すなわち、塗り重ね付着性の優れた焼付塗料用の水系塗料用樹脂組成物を提供することが可能となる。
【0022】
本発明の水系塗料用樹脂組成物は、揮発性有機溶剤の含有量が極めて少ない焼付硬化型塗料を調製するために、水酸基と化学結合可能な架橋樹脂成分および、他の水系塗料用樹脂組成物と組み合わせて使用できる。用途については、例えば工業用製品の生産ライン上で主に使用される着色および透明塗装用の水系焼付硬化型上塗り塗料の製造に好適である。
【0023】
本発明の特徴は、水溶解可能な親水性アクリル共重合体成分中のカルボキシル基と、水溶解不可能な疎水性アクリル共重合体成分中のエポキシ基との付加反応によりエポキシエステル結合が生成され、1分子中に親水性部位と疎水性部位を有するアクリル共重合樹脂を含有する混合物が得られる。すなわちこのアクリル共重合樹脂は、親水性部分のカルボキシル基を塩基性化合物で中和することにより極性が生まれ、界面活性能を発現する。このため、当該混合物を水中に分散させたとき、疎水性アクリル共重合体成分を中心に上述の界面活性能を有するアクリル共重合樹脂が配位し、乳化性の良好な水分散樹脂が得られる。
【0024】
本発明のアクリル共重合樹脂と、本発明のメラミン樹脂を組み合わせた場合、親水性アクリル共重合体(A)成分および、疎水性アクリル共重合体(B)成分の両方と架橋反応する。よって、硬化乾燥後の塗膜中に水溶解可能な樹脂成分が残留することなく、溶剤型塗料と同等水準の強靱な塗膜を形成し、工業用上塗り塗料として要求される、優れた光沢性、鮮映性、塗面平滑性、耐水性、耐湿性、耐薬品性および塗り重ね性を実現することが可能となる。
【0025】
本発明を利用するに際し、得られた水系塗料用樹脂組成物に各種の公知の添加剤、例えば、顔料、分散剤、湿潤剤、色分かれ防止剤、消泡剤、溶剤、造膜助剤、可塑剤、凍結防止剤、増粘剤、粘性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、低汚染化剤、pH調整剤、防腐剤および抗菌剤など、用途、目的に応じて添加することができる。
【0026】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について比較例と併せて更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、例中の部および%は、特に記載しない限り重量部および重量%である。
【0027】
〔親水性アクリル共重合体(A)成分および疎水性アクリル共重合体(B)成分の製造〕
撹拌装置、温度計、還流冷却器、および滴下ロートを備え付けた反応装置に、(A)成分については50重量%、(B)成分については65重量%となるようにイソプロピルアルコール中で、各成分の単量体混合物を溶液重合により合成した。表1および表2に各成分の配合および特性値を示した。
【0028】
〔アクリル共重合樹脂(C)の製造〕
親水性アクリル共重合(A)成分および疎水性アクリル共重合(B)成分を、表3に示した割合で混合した。加温して混合物の固形分が少なくとも95重量%になるまで、イソプロピルアルコールを自然蒸留で脱溶媒した。この混合物をジプロピレングリコールモノメチルエーテルで固形分約90重量%に希釈後、95〜105℃で約3時間保温した。この混合物を約90℃に冷却し、アミンで中和した後、85℃以下でメラミン樹脂を加え、次いでイオン交換水で40〜45%に希釈した。表3に各成分の配合および特性値を示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
*1)イソブチル化メラミン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
*2)メチル化メラミン樹脂(住友化学工業(株)製)
*3)中和剤: DMEA=ジメチルエタノールアミン、
TEA =トリエチルアミン
【0033】
〔塗膜性能試験〕
上記重合体樹脂の透明塗膜性能を評価するために、表3の樹脂固形分100に対して、硬化触媒としてNACURE X49−110(楠本化成(株)製)を有効成分1%の割合で添加して透明塗料を調製した。
次に、この透明塗料をフィルムアプリケーターでリン酸亜鉛処理鋼板に60μmで塗布し、10分間セッティングしたのち、150℃で20分間焼き付け乾燥を行い、試験塗板とした。
そして、この試験片の▲1▼光沢性、▲2▼鮮映性、▲3▼耐水性、▲4▼耐湿性、▲5▼耐薬品性、▲6▼鉛筆硬度、▲7▼塗り重ね付着性を評価した。その結果を表4に示した。
【0034】
なお、それぞれの性能評価方法は、以下の通りである。
▲1▼光沢性:BYK−Gardner社製;haze−glossメーターにて、試験塗板の60゜鏡面光沢値を測定した。
▲2▼鮮映性:BYK−Gardner社製;haze−glossメーターにて、試験塗板の20゜ヘイズ値を測定した。尚、ヘイズ値は低いほど鮮映性が優れるものである。
【0035】
▲3▼耐水性:試験塗板を25℃の恒温水槽に10日間浸漬したのち、取り出した直後の白化状態およびフクレの発生具合を下記の評価基準にて目視判定した。
○:異常なし
△:中程度の白化、艶引け または、部分的にフクレ、ハガレが発生
×:完全白化、完全艶引け または、全面的にフクレ、ハガレが発生
▲4▼耐湿性:試験塗板を湿度100%で40℃の雰囲気下に10日間放置したのち、取り出した直後の白化状態およびフクレの発生具合を、上記耐水性試験と同様の評価基準にて判定した。
▲5▼耐薬品性:耐酸性については3%の硫酸水溶液に、耐アルカリ性については3%の水酸化ナトリウム水溶液に試験塗板を24時間浸漬したのち、取り出した直後の白化状態およびフクレの発生具合を、上記耐水性試験と同様の評価基準にて判定した。
【0036】
▲6▼鉛筆硬度:JIS K 5400 8.1に従い評価した。
▲7▼塗り重ね付着性:試験塗板の塗膜上に更に同一塗料を塗り重ね、同一条件で焼き付け乾燥を行って重ね塗りした塗膜に、カッターナイフで2mm幅の切り込みを入れて100個の碁盤目を作り、セロハンテープによる剥離試験を行ったのち、重ね塗りした塗膜の碁盤目の残り数を表示した。
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】
本発明の水系塗料用樹脂組成物によれば、低酸価、低水酸基価であっても水分散性が良好であり、また揮発性有機溶剤含有率が極めて少ない水系塗料用樹脂組成物であっても溶剤型塗料と同等の光沢性、鮮映性、塗面平滑性、耐水性、耐湿性、耐薬品性および塗り重ね性が実現できる。更に本発明の水系塗料用樹脂組成物は水系塗料に配合することにより、水系塗料塗膜の光沢性、鮮映性、塗面平滑性、耐水性、耐湿性、耐薬品性および塗り重ね性を改善することができる。
Claims (3)
- (A)カルボキシル基含有不飽和単量体、水酸基含有不飽和単量体および、エポキシ基を含有しないその他の不飽和単量体から得られる親水性アクリル共重合体のカルボキシル基と、(B)置換あるいは非置換のエポキシ基含有不飽和単量体、水酸基含有不飽和単量体および、カルボキシル基を含有しないその他の不飽和単量体から得られる疎水性アクリル共重合体のエポキシ基とを、部分的に付加させて得られる(C)アクリル共重合樹脂と、(D)炭素数3〜8のアルキルエーテル基含有のメラミン樹脂からなる水系塗料用樹脂組成物。
- (A)親水性アクリル共重合体成分の酸価が30〜150mgKOH/g、水酸基価が10〜120mgKOH/gおよび、(B)疎水性アクリル共重合体成分のエポキシ基含有不飽和単量体が0.3〜5重量%、水酸基価が5〜60mgKOH/gの請求項1に記載の水系塗料用樹脂組成物。
- (C)アクリル共重合樹脂と(D)炭素数3〜8のアルキルエーテル基含有のメラミン樹脂を乳化前に混合後、共乳化した請求項1〜2に記載の水系塗料用樹脂組成物。
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