JP3985809B2 - 食器洗い機 - Google Patents

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本発明は、洗浄水の噴射により食器等の洗浄を行う食器洗い機に関する。
従来、この種の食器洗い機は、図3または図4に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
図3に示すように、扉体1は、扉軸2を中心にして、食器洗い機本体3の下部に開閉自在に取り付け、食器洗い機本体3の前面開口部を覆うよう構成し、上部に扉体1を開閉する際につかむための把手部4と、スイッチ5により解除されるロック手段6とを設け、閉成状態で固定できるよう構成している。
また、ロック手段6には、食器洗い機の運転動作の入力機能と連動し、扉体1が完全に閉成状態でない場合は運転しないよう構成し、運転途中に扉体1を開放された場合でも、洗浄水が食器洗い機の機外に噴出しないよう配慮されている。食器洗い機本体3は、内部に洗浄槽7を設けており、この洗浄槽7は、内部に食器かご8を配置している(例えば、特許文献1参照)。
食器洗い機の基本的な動作は、一般的によく知られているので、以下に簡単に述べると、使用者がスイッチ5によりロック手段6を解除し、その後、把手部4を持って扉体1を開放し、食器洗い機本体3内の洗浄槽7に配置された食器かご8に汚れた食器類をセットする。
つぎに、扉体1を閉め、ロック手段6を動作させて運転を開始すると、洗浄槽7の底部に配置されたヒータによって洗浄水を加熱しながら、洗浄ノズルから食器類10に向かって噴射し、食器類の汚れを落とす洗浄行程を行う。その後、食器類をすすいだ後、乾かす乾燥行程を行って運転を終了する。
また、他の食器洗い機として、図4に示すようなものがある。このものは、食器洗い機本体9に設けた2個の扉体10a、10bを上下方向に各々回動して洗浄槽11の開口部を開閉する構成であり、連動リンク12によって、扉体10a、10bは連結されている。このため、扉体10aを持って開放すれば、同時に他方の扉体10bも開放するようになっている。この食器洗い機も上述した基本動作を行う(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−276203号公報 特開昭50−26356号公報
このような従来の構成で、図3に示す構成では、通常、ロック手段6の動作と扉体1を開くための把手部4が別々に設けられており、扉体1を開ける際には、スイッチ5によりロック手段6を解除し、把手部4をつかみ直す必要がある。また、扉体1は閉塞方向に付勢されているため、把手部4を開放終了までつかんで開けなければならなく、煩わしく使い勝手に劣るという問題を有していた。
また、近年、食器洗い機の設置性を向上するために、扉体を複数に分割したものはさらに煩わしく、また、図4に示すように、複数個の扉体10a、10bを連動リンク12によって回動自在に連結した場合でも、扉体10a、10bの開放に関して、1枚扉と同様の問題を有していた。
また、いずれの構成においても、扉体の開放速度を減速させる手段を有していないため、開放直後においては、扉体が開放を開始すると同時に噴射された洗浄水が食器洗い機本体の機外に噴出されたり、扉体が完全に開放される際に大きな衝撃を生じるという問題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、上扉体と下扉体を自動的に連動して開放することで、使用時の煩わしさを解消し、かつ、扉体の開閉時の過剰な開放速度による不具合を解消して、使い勝手を向上することを目的としている。
本発明は上記目的を達成するために、食器洗い機本体と、前記食器洗い機本体内に設けた洗浄槽と、前記洗浄槽に設けた開口部を開閉する上扉体と下扉体と、前記洗浄槽の左右両側に設けた上固定枢軸で軸支され前記上扉体を閉塞状態から上方に回動自在に支持する左右一対の上支持部材と、前記洗浄槽の左右両側に設けた下固定枢軸で軸支され前記下扉体を閉塞状態から下方に回動自在に支持する左右一対の下支持部材と、左右それぞれにおいて前記上支持部材と下支持部材とをそれぞれ回動自在に連結して前記上扉体と下扉体とを連動する左右一対の連動リンクと、前記上扉体と下扉体を連動して自動的に閉塞状態から開放状態まで開放する左右一対の自動開放機構とを備え、前記自動開放機構は、前記連動リンクの前記下扉体側と前記洗浄槽の片側とに懸架され、前記上扉体と下扉体の閉成状態では前記連動リンクを前記上扉体と下扉体開放方向に付勢し、開放動作途中から開成までは前記連動リンクを前記上扉体と下扉体の閉塞方向に付勢する第1のスプリングと、前記連動リンクの前記上扉体側と前記上支持部材とに懸架され、前記連動リンクを常に前記上扉体と下扉体の開放方向に付勢する第2のスプリングと、前記洗浄槽の片側に懸架された第3のスプリングにより付勢され、前記上支持部材に摺動させることで生じる摩擦力によって前記扉体の開放速度を減速させる摺動部材とを備えたものである。
これにより、上扉体と下扉体を自動的に連動して開放することで、使用時の煩わしさを解消でき、かつ、扉体の開閉時の過剰な開放速度による不具合を解消できる、使い勝手のよい食器洗い機を提供することができる。
本発明の食器洗い機は、上扉体と下扉体を自動的に連動して開放することで、使用時の煩わしさを解消し、かつ、扉体の開閉時の過剰な開放速度による不具合を解消して、使い勝手のよい食器洗い機を実現することができる。
第1の発明は、食器洗い機本体と、前記食器洗い機本体内に設けた洗浄槽と、前記洗浄槽に設けた開口部を開閉する上扉体と下扉体と、前記洗浄槽の左右両側に設けた上固定枢軸で軸支され前記上扉体を閉塞状態から上方に回動自在に支持する左右一対の上支持部材と、前記洗浄槽の左右両側に設けた下固定枢軸で軸支され前記下扉体を閉塞状態から下方に回動自在に支持する左右一対の下支持部材と、左右それぞれにおいて前記上支持部材と下支持部材とをそれぞれ回動自在に連結して前記上扉体と下扉体とを連動する左右一対の連動リンクと、前記上扉体と下扉体を連動して自動的に閉塞状態から開放状態まで開放する左右一対の自動開放機構とを備え、前記自動開放機構は、前記連動リンクの前記下扉体側と前記洗浄槽の片側とに懸架され、前記上扉体と下扉体の閉成状態では前記連動リンクを前記上扉体と下扉体開放方向に付勢し、開放動作途中から開成までは前記連動リンクを前記上扉体と下扉体の閉塞方向に付勢する第1のスプリングと、前記連動リンクの前記上扉体側と前記上支持部材とに懸架され、前記連動リンクを常に前記上扉体と下扉体の開放方向に付勢する第2のスプリングと、前記洗浄槽の片側に懸架された第3のスプリングにより付勢され、前記上支持部材に摺動させることで生じる摩擦力によって前記扉体の開放速度を減速させる摺動部材とを備えたことにより、付勢するための第1および第2のスプリングを連動リンクに設けるだけの簡単な構成で、上扉体と下扉体を自動的に連動して開放することができ、使用時の煩わしさを解消でき、かつ、扉体の開閉時の過剰な開放速度による不具合を解消できる、使い勝手のよい食器洗い機を提供することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、第1のスプリングおよび第2のスプリングによる上扉体と下扉体の開放方向への付勢力に抗して前記下扉体を洗浄槽に閉塞状態に固定するロック手段と、前記ロック手段を解除して前記上扉体と下扉体を連動して自動的に閉塞状態から開放状態まで開放する操作手段とを備え、上支持部材、摺動部材および第3のスプリングは、前記上扉体と下扉体の開扉開始直後の開放速度を弱めるよう構成したことにより、簡単かつ扉体の開放速度および開放時の衝撃力のばらつきを小さくした構成で、ロック手段が解除されて扉体が開放を開始すると同時に噴射された洗浄水が食器洗い機本体の機外に噴出されることを防止できる、扉体の開閉動作が安定した、使い勝手のよい食器洗い機を提供することができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、第1のスプリングおよび第2のスプリングによる上扉体と下扉体の開放方向への付勢力に抗して前記下扉体を洗浄槽に閉塞状態に固定するロック手段と、前記ロック手段を解除して前記上扉体と下扉体を連動して自動的に閉塞状態から開放状態まで開放する操作手段とを備え、上支持部材、摺動部材および第3のスプリングは、前記上扉体と下扉体の開放速度を減速させ、開放する際の衝撃力を緩和するよう構成したことにより、簡単かつ扉体の開放速度および開放時の衝撃力のばらつきを小さくした構成で、ロック手段が解除されて扉体が完全に開放される際の衝撃力を緩和することができる、扉体の開閉動作が安定した、使い勝手のよい食器洗い機を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1および図2に示すように、食器洗い機本体13は内部に洗浄槽14を設け、この洗浄槽14の開口部15を上扉体(扉体)16と下扉体(扉体)17により開閉するよう構成している。上扉体16に上支持部材18を固定し、この上支持部材18を上固定枢軸19で基盤部材20に回転自在に軸支している。また、下扉体17に下支持部材21を固定し、この下支持部材21を下固定枢軸22で基盤部材20に回転自在に軸支している。
また、基盤部材20の下部には、洗浄槽14の外壁面に溶接したボルト23が入る貫通穴を設け、ナット24によって固定されている。
また、上支持部材18と下支持部材21を連動する連動手段として、連動リンク25を設けており、それぞれ上リンク枢軸26、下リンク枢軸27で上支持部材18と下支持部材21に軸支している。また、基盤部材20および上支持部材18、下支持部材21は洗浄槽14の左右両側に設けている。
下扉体17には押しボタンスイッチ28と、下扉体17を閉塞状態に固定するロック手段29を設け、押しボタンスイッチ28と連動して、洗浄槽14に設けた係止部30からロック手段29を解除できるようにしている。また、ロック手段29には、食器洗い機の運転動作の入力機能を連動し、下扉体17が完全に閉成状態でない場合は運転しないよう構成している。また、下扉体17および上扉体16と開口部15のシール、および下扉体17、上扉体16間のシールには弾性体を有するシール部材(図示せず)を設置している。
また、連動リンク25には、第1の保持部31と第2の保持部32を設けており、第1の保持部31は基盤部材20と第1のスプリング33(引っ張りコイルばね)で連結し、扉体の閉成状態では開放側に力を付加し、開成状態では閉塞方向に力を付加するよう構成している。また、第2の保持部32は上支持部材18と第2のスプリング34(引っ張りコイルばね)で連結し、上扉体16を常に開放する方向に力を付加する構成としている。第1のスプリング33と第2のスプリング34とで、上扉体16と下扉体17を連動して自動的に閉状態から開放状態まで開放する機構を構成している。
また、基盤部材20には、上支持部材18と摺動する摺動部材35を軸支し、摺動部材35は第3のスプリング36によって、上支持部材18との摺動面に負荷を加えている。
また、上支持部材18は樹脂からなり、上扉体16の支持部とは別に、閉時当接部37と開時当接部38を設け、上扉体16の閉成状態と開放途中において、摺動部材35と当接するよう構成している。また、第2のスプリング34を保持するばね保持部39を上固定枢軸19と上リンク枢軸26との間に設けている。
また、上リンク枢軸26を保持する枢軸保持部40は、上扉体16が閉成状態での上リンク枢軸26の位置より少なくとも上方向に移動可能な略連動リンク25方向の長穴形状とし、リンク機構のばらつきを吸収して確実に閉塞するよう構成している。
上記の構成において作用を説明すると、上扉体16と下扉体17は、それぞれ上支持部材18と下支持部材21によって、上下に開閉する構成であり、上固定枢軸19の回動によって上扉体16は上方に回動し、下固定枢軸22の回動によって下扉体17は下方に回動する。
この際、第1のスプリング33と第2のスプリング34とで開放側に付勢された連動リンク25によって、下扉体17に設けた押しボタンスイッチ28を作動することで、ロック手段29が解除され、上扉体16と下扉体17が連動して回動するため、使用者は、扉体をつかみ開放操作をする必要がなく、上扉体16と下扉体17は閉塞状態から開放状態まで自動的に開放することができる。
また、第1のスプリング33によって、扉体の開放動作途中に閉塞方向に力が付勢されることで、扉体が開放する際の衝撃力を緩和することができる。
また、上支持部材18に設けた閉時当接部37が、第3のスプリング36に付勢された摺動部材35によって閉塞側に力を負荷することで、扉体の開放速度を遅らせ、使用者が運転途中に押しボタンスイッチ28を動作させた場合でも、解放直後の上扉体16と下扉体17の開放速度を弱めることができ、ロック手段29の解除と同時に噴射された洗浄水が、食器洗い機本体13の機外に噴出されるのを防止することができる。
また、開時当接部38と、第3のスプリング36に付勢された摺動部材35とで生じる摩擦力によって、扉体の開放速度を減速させ、開放する際の衝撃力を緩和するとともに、下扉体17の衝撃によるリバウンドを防止することができる。
また、摺動部材35は、上支持部材18および下支持部材21を設置した基盤部材20に設置することで、それぞれの設置位置の誤差が加工誤差のみとなり、上扉体16と下扉体17の開放速度および開放時の衝撃力のばらつきをきわめて小さくできる等、組立後の扉体の動作を安定させることができる。
なお、洗浄槽14を樹脂化し、基盤部材20を一体的に形成しても同様の作用効果が得られ、より安価に食器洗い機を提供できる。
また、基盤部材20をボルト・ナット方式としているため、上支持部材18、下支持部材21、摺動部材35および各スプリングを取り付けた状態の基盤部材20を、保守点検の際に容易に取り外しができ、メンテナンス後の位置決めも容易である。
また、上扉体16の閉成状態近傍では、第2のスプリング34によって、上固定枢軸19とばね支持部39とに上扉体16を閉方向に作用させるモーメント力が生じることにより、上リンク枢軸26の位置は長穴形状である枢軸保持部40において上扉体16を常に閉塞方向に位置させることが可能となっている。この構成により、リンク構成の寸法ばらつきによる上扉体16と下扉体17の連動不良をなくすことができ、上扉体16と下扉体17の開閉操作をスムースに行うとともに、安定したシール性を確保することができる。
なお、本実施の形態では、第1のスプリング33と第2のスプリング34とで、蓋体を自動的に開放する機構を構成しているが、リンク機構を構成する上支持部材18、下支持部材21、連動リンク25のいずれかをモータやソレノイドにより駆動してもよく、また、連動リンク25をワイヤーで構成し、モータで巻き上げるようにしてもよく、いずれも同様の作用、効果を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる食器洗い機は、上扉体と下扉体を自動的に連動して開放することで、使用時の煩わしさを解消し、かつ、扉体の開閉時の過剰な開放速度による不具合を解消して、使い勝手を向上させることが可能となるので、食器等を収納して洗浄水の噴射により洗浄を行う食器洗い機等として有用である。
本発明の実施の形態1の食器洗い機の扉体の閉成状態の断面図 同食器洗い機の扉体の開成状態の断面図 従来の食器洗い機の一例の断面図 従来の食器洗い機の他の例の一部切欠した側面図
符号の説明
13 食器洗い機本体
14 洗浄槽
15 開口部
16 上扉
17 下扉
25 連動リン
33 第1のスプリン
34 第2のスプリング
35 摺動部材
36 第3のスプリン

Claims (3)

  1. 食器洗い機本体と、前記食器洗い機本体内に設けた洗浄槽と、前記洗浄槽に設けた開口部を開閉する上扉体と下扉体と、前記洗浄槽の左右両側に設けた上固定枢軸で軸支され前記上扉体を閉塞状態から上方に回動自在に支持する左右一対の上支持部材と、前記洗浄槽の左右両側に設けた下固定枢軸で軸支され前記下扉体を閉塞状態から下方に回動自在に支持する左右一対の下支持部材と、左右それぞれにおいて前記上支持部材と下支持部材とをそれぞれ回動自在に連結して前記上扉体と下扉体とを連動する左右一対の連動リンクと、前記上扉体と下扉体を連動して自動的に閉塞状態から開放状態まで開放する左右一対の自動開放機構とを備え、前記自動開放機構は、前記連動リンクの前記下扉体側と前記洗浄槽の片側とに懸架され、前記上扉体と下扉体の閉成状態では前記連動リンクを前記上扉体と下扉体開放方向に付勢し、開放動作途中から開成までは前記連動リンクを前記上扉体と下扉体の閉塞方向に付勢する第1のスプリングと、前記連動リンクの前記上扉体側と前記上支持部材とに懸架され、前記連動リンクを常に前記上扉体と下扉体の開放方向に付勢する第2のスプリングと、前記洗浄槽の片側に懸架された第3のスプリングにより付勢され、前記上支持部材に摺動させることで生じる摩擦力によって前記扉体の開放速度を減速させる摺動部材とを備えた食器洗い機。
  2. 第1のスプリングおよび第2のスプリングによる上扉体と下扉体の開放方向への付勢力に抗して前記下扉体を洗浄槽に閉塞状態に固定するロック手段と、前記ロック手段を解除して前記上扉体と下扉体を連動して自動的に閉塞状態から開放状態まで開放する操作手段とを備え、上支持部材、摺動部材および第3のスプリングは、前記上扉体と下扉体の開扉開始直後の開放速度を弱めるよう構成した請求項1記載の食器洗い機。
  3. 第1のスプリングおよび第2のスプリングによる上扉体と下扉体の開放方向への付勢力に抗して前記下扉体を洗浄槽に閉塞状態に固定するロック手段と、前記ロック手段を解除して前記上扉体と下扉体を連動して自動的に閉塞状態から開放状態まで開放する操作手段とを備え、上支持部材、摺動部材および第3のスプリングは、前記上扉体と下扉体の開放速度を減速させ、開放する際の衝撃力を緩和するよう構成した請求項1記載の食器洗い機。
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