JP3984490B2 - 冷間圧延における圧下制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷間圧延工程で絶対値ゲージメーターAGCを適用するためのミルストレッチモデルを用いた圧下制御方法におけるモデルの使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、熱延仕上スタンド等では絶対値ゲージメーターAGCによる板厚制御が行われてきた。絶対値ゲージメーターAGCを適用するにはミルストレッチと呼ばれる圧延機の弾性変形による上下ワークロール間ギャップの増分を正確に把握するための高精度ミルストレッチモデルが必要であり、特開昭60-30508にはモデルの基本構成や基本的な使用方法に関する技術が開示されている。また、特開平6-285525にはこのモデルを熱延で使用する際に限定して本モデルから圧延荷重とロールベンディング力の影響係数を算出して、影響係数を用いた板厚制御方法に関する技術が開示されている。
【0003】
一方、冷間タンデム圧延では一般に張力による板厚制御が行われてきた。これは、第1スタンド以外では圧下による板厚制御は難しいという経験的な知見とそれを裏付ける鎌田らの文献(塑性と加工、9、899(1968-6)等)による。第1スタンドに関しては圧下による板厚制御は可能であるが、これまではBISRA-AGCのような相対値ゲージメーターAGCやマスフローAGCが主として用いられており、絶対値ゲージメーターAGCは適用されていない。
【0004】
商業用の冷間タンデム圧延機ではミルやスタンドによって油圧圧下方式と電動圧下方式が混在している。圧下制御にとっては応答性の早い油圧圧下方式が望ましいので、老朽更新の時期に電動圧下方式から油圧圧下方式へと改造するのが一般的であり、次第に油圧圧下方式が増えてきて主流になりつつある。特に冷間タンデム圧延機の中段スタンドから後段スタンドにかけては圧延速度が速いため、油圧圧下方式が望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
冷延に絶対値ゲージメーターAGCが適用されなかった理由として、冷延では板厚精度を確保するのが難しいという問題があった。冷間圧延では板厚が薄いため、例えば原板で3mmの板厚の場合、板厚が目標から30μmずれただけでもその誤差は1%となる。許容度が小さいために、高度な板厚精度を確保しなければならない冷延では非常に高精度なミルストレッチモデルや冷延特有のモデルの使用方法等をもちいなければならない。
【0006】
電動圧下のミルを油圧圧下に改造するには設備費が必要である。冷間タンデム圧延機は一般に5〜6スタンド圧延機で構成されているので、全スタンドを改造するとなるとそのコストは莫大になる。必要最小限の投資で電動圧下から油圧圧下に改造することを考えると、最も優先されるべき圧延スタンドは圧延速度が速く、早い応答性が要求される最終スタンドといえる。最終スタンドが油圧圧下方式となった状態であれば、その油圧の高応答をうまく利用して、そのミル能力を最大限に発揮する圧延方法が必要となる。
【0007】
本発明はこのような点を考慮して熱延で実績のある既存のモデルを流用してそのモデルの持つ能力を最大限に利用する冷間圧延における圧下制御方法であり、この方法によれば定常部の板厚を高精度に保つことが可能なばかりか、接合部近傍のオフゲージを減少させることが可能となる。また、オフゲージのほとんどない板厚制御を行うことにより、その技術を第1スタンド以外のスタンドにも拡張すれば、張力変動を極小化し、張力変動起因の板破断を防止することも可能である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記したような従来法の問題点を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離し、ロール変形以外の寄与分に関しては予め上下ワークロールをキスさせて行う締め込み実験によって計算する圧下制御方法において、冷間圧延に関してキスロール締め込み実験直前に潤滑油を供給しながらキスロール締め込み運転を行いロールの熱膨張量を飽和させた後に、潤滑油を供給しながらキスロール締め込み実験を行い、ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離することを特徴とする圧下制御方法。
(2)ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離し、ロール変形以外の寄与分に関しては予め上下ワークロールをキスさせて行う締め込み実験によって計算する圧下制御方法において、冷間圧延に関してワークロールの温度を測定しながらキスロール締め込み実験を行い、ワークロールの温度変化に起因するロールの膨張量変化を算出して、当該膨張量をロールの凸クラウンとしてロール変形の寄与分の計算に取り入れることにより、ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離することを特徴とする圧下制御方法。
【0009】
(3)ミルストレッチのロール変形以外の寄与分については予め上下ロールをキスさせて行う締め込み実験によって求めておき、それにロール変形の寄与分を加える方法で構成されるミルストレッチ式を用いる圧下制御方法において、冷間圧延で圧延荷重、ロールベンディング力、ロールシフト量がミルストレッチに及ぼす影響係数を求め、その全てを用いて圧延中の圧下操作量を決定することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の圧下制御方法。
(4)先行材の最後端と後行材の最先端を接合して連続して冷間圧延する工程において、先行材の定常部で(3)の当該圧延条件を入力したミルストレッチモデル式より当該スタンド出側板厚を推定し、当該スタンド出側に設置された板厚計により実際の板厚測定値(もしくはそれ以外の場所に設置された板厚計からの板厚推定値)とを比較して誤差を算出し、その誤差分の補正を後行材圧延開始時から行うことを特徴とする前記(3)に記載の圧下制御方法。
(5)冷間タンデム圧延機の最終スタンド、あるいは第1スタンドと最終スタンドで圧下操作による板厚制御を行い、それ以外の圧延スタンドにおいてはロール周速を利用した張力制御による板厚制御を行うことを特徴とする前記(3)あるいは(4)に記載の冷間タンデム圧延における圧下制御方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
絶対値ゲージメーターAGCを冷延へ適用するための基本モデルは既に完成しているが、冷延特有の使用方法でモデルを用いることにより冷延で板厚を高精度に制御することが可能となる。まず、すでに開示されているモデルの基本構成について述べ、続いて改良点に関して述べる。本ミルストレッチモデルでは特開昭60-30508に開示されているように、キスロール締め込み実験からキスロール時のロール変形の寄与分を理論的に厳密に算出して減じることにより、ロール変形以外の寄与分を予め求めておき、同様に理論的に厳密に算出できる圧延状態のロール変形の寄与分を加えることによって当該圧延条件のミルストレッチを正確に推定する。キスロール締め込み実験はバックアップロールが変更される際に行うので、実験開始時にはロールは冷えている状態にある。ロールをキスさせて回転させながら絞め込んでいくとロールは発熱し、サーマルクラウンが成長していく。
【0011】
サーマルクラウン成長の寄与分は、サーマルクラウンを測定もしくは推定しない場合、幾何学的に厳密に計算されるロール変形の寄与分には含むことができないので、ロール変形以外の寄与分として誤差として残ってしまうことになる。特に問題となるのはキスロール締め込み実験中にサーマルクラウンが成長する場合であり、その場合はサーマルクラウンの影響が時間経過と共に増加していくことになるので、誤差がロール変形以外の寄与分の中に非線形に残ってしまう。そこでロール変形以外の寄与分を算出する際にサーマルクラウンを考慮した2つの方法を考案した。
【0012】
1つ目の方法はサーマルクラウンを締め込み実験前に飽和させておく方法である。サーマルクラウンはロール温度に依存しているので、ロール温度がほぼ一定になれば、サーマルクラウンも飽和したと考えて良い。ロールの熱膨張量がキスロール締め込み状態で時間と共にどのように変化するのかを調査した結果を図1に示す。実験は径の異なる3種類のロールを使用して、約500tonfの締め込み荷重で、潤滑油温度60℃、潤滑油供給量60リットル/min、ロール周速度30m/minで行った。この条件は通常のキスロール締め込み実験の条件の中の1つである。ロール温度は予め潤滑油がついた状態のロールで較正を行っておいた放射温度計を用いて、胴長中央部の表面を測定した。ロール温度はいずれのロール径でも時間が経過するに従って次第に増加し、直径307mmのロールでは約20分以降で、直径411mmのロールでは約50分以降で、ロール径505mmのロールでは約90分でほぼ一定でほぼ同じ温度となった。
【0013】
当該条件ではロール径に依存して運転時間を変更させなければならないが、ある一定時間以上キスロール締め込み運転を行えば、サーマルクラウンを成長・飽和させることが可能であることが判明した。また、締め込み荷重50tonf、300tonfでも同様の実験を行ったが、飽和するまでの時間が異なるものの飽和する温度はほぼ同じであった。この実験はサーマルクラウンを飽和させることが可能であり、サーマルクラウンを飽和させた後にキスロール締め込み実験を行えばサーマルクラウンを一定として取り扱えることを意味している。ところでロール変形の寄与分にサーマルクラウン量を含めなければ、ロール変形以外の寄与分に定常偏差として残るので、サーマルクラウン量を測定もしくは推定する方法が必要となる。その方法を2つ考案した。1つ目の方法は予め飽和する温度におけるサーマルクラウン量を実測しておく方法である。
【0014】
先ほどの実験でサーマルクラウンは飽和させることができたので、飽和させた状態のロールを実験終了直後に取り出して実測した。その際に温度が下がっていないことも確認した。実測した結果、サーマルクラウン飽和後のロール径と元々のロール径の比はいずれのロール径でも等しかったので、今後はその比を用いてサーマルクラウン量を推定することとした。この比はロール材質によって異なると考えられるので、異なる材質のロールを用いる際には、その比は新たに測定しなければならないことに注意を要する。
【0015】
2つ目の方法はモデルによってサーマルクラウン量を推定する方法である。サーマルクラウンはロール温度を測定しておけばモデル式を用いて推定することが可能であり、例えばロール半径方向の平均温度を用い、一般化平面歪み問題として計算された式(1)等を用いることができる。
u=(θm−θ0)×β×R …(1)
ここでuはロール半径あたりの熱膨張量であり、θmはロール半径方向平均温度であり、θ0はロール初期温度であり、βは熱膨張係数であり、Rはロール半径である。今回の場合、ロール温度は飽和しているのでロール温度は均一として
θm=表面温度として良い。
【0016】
先ほどの実験のようにロール温度はある一定時間経過すれば飽和するので、キスロール締め込み条件に合わせて適当な時間キスロール締め込み運転をした後、非接触の放射温度計や接触式温度計等でロール温度を測定してモデルによって飽和量を推定すればよい。また、実際に温度を測定しなくても、ロール材質が同じであれば、飽和した時点でのロール温度はほぼ一定であるので、一旦飽和温度を測定して把握しておけば、その後は毎回測温する必要はなく、その値を用いてサーマルクラウン量を推定してもよい。
【0017】
ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離する際、上述したようにサーマルクラウンを測定もしくは推定しない場合、サーマルクラウンはロール変形以外の寄与分に含まれてしまうが、サーマルクラウンが飽和した後にキスロール締め込み実験を行った場合には定常偏差として含まれるだけであり、定常偏差は圧延開始後に学習によって除去することが可能であるので、ロール交換直後の板厚精度が多少悪くなるものの、大きな問題となるわけではない。ここで、学習とは当該スタンド出側に設置されている板厚計測定値もしくはいずれかのスタンドに設置されている板厚計からマスフローによって推定される板厚とミルストレッチモデル推定板厚とを比較して誤差を算出し、誤差が存在すれば誤差を補償する作業のことを指す。逆に言えば、サーマルクラウン量を上記のような方法で除去しておけば学習なしでも圧延初期から高精度に板厚を制御可能となると言える。
【0018】
上記の1つ目の方法はサーマルクラウンを一定量として取り扱えるという利点はあるが、キスロール締め込み実験前に予備運転を行わなければならず、締め込み実験に時間がかかることが問題である。それを回避するために、サーマルクラウンを考慮する2つ目の方法として、締め込み実験を温度を測定しながら行い、温度変化に起因したサーマルクラウン変化を推定し、経時的に変化するサーマルクラウン量を各締め込み位置および荷重と対応させて推定し、ロール変形の寄与分として減じる方法考案した。この方法によれば、短時間での実験が可能となる。サーマルクラウンの推定はモデルを用いた方法が推奨される。それは例えば式(1)であり、もしくはロールが2層構造になっている場合には例えば特開平7-80517で開示されているサーマルクラウンモデル等があり、各締め込み位置に対応させたロール温度を測定しておけば、その締め込み位置でのサーマルクラウン量を推定することができる。
【0019】
キスロール締め込み実験で実験直前に潤滑油を供給しながら約20分間のキスロール運転を行い、サーマルクラウンを成長・飽和させた後、ロールの温度を測定しておいてキスロール締め込み実験を行った。測定結果を解析する際に、サーマルクラウンを考慮する場合と、考慮しない場合の2つのロール変形以外の寄与分を算出した。その両方の値を用いて、ある圧延条件(定常部)での推定板厚の誤差を計算した。サーマルクラウンを考慮した場合にはX線板厚計の測定値と一致していたが、サーマルクラウンを考慮しない場合にはそれらの値から28μm大きな値を示していた。上述したように、この誤差は学習によって除去することは可能であるため組み替え直後の板厚精度が多少悪くてもよいのであれば大きな問題とはならないが、ロール組み替え後の圧延初期から誤差無く圧延するためには、サーマルクラウンの影響を凸クラウンとして除去する方法が有効であることがわかる。
【0020】
本ミルストレッチモデルでは特開昭56-61449に開示されているようにミルストレッチに及ぼす圧延荷重・ロールベンディング力の影響係数を高精度に算出することができる。モデルではロールの接触長を用いて計算するので、計算ではロールシフト量は固定されなければならない。そのためロールシフト量の影響係数を求めるためには他の入力項目は変更せずにロールシフト量だけを変化させた計算が必要となる。冷延では中間ロールシフト機能を有する6Hiミルが多く採用されているので、特に中間ロールシフトの影響係数を圧下制御に用いることは重要である。
【0021】
図2にオフラインで計算したある圧延条件において圧延荷重・ワークロールベンディング力・中間ロールシフト量の影響係数を用いて板厚を推定した場合と圧延荷重・ワークロールベンディング力のみの影響係数を用いて板厚を推定した場合のミルストレッチの誤差を示す。図2では0秒に接合部を通過しており、中間ロールは約−5秒から5秒にかけてシフトを行っている。ロールシフトを考慮しない場合の圧延荷重・ワークロールベンディング力の影響係数は中間ロールがシフトを終了した定常部のロールシフト量を用いて算出している。中間ロールシフト量の影響係数を用いた場合、考慮しない場合と比較して、仮定しているシフト量(後行材定常部のシフト量)と実際のシフト量の差が最も大きい0秒で推定誤差が最も大きく、約6.5μmである。定常部に近づくにしたがってその差は小さくなり、シフトが終了した5秒付近で差はほぼ0μmとなった。このことから数μm程度の差ではあるものの、中間ロールシフト量の影響係数を用いることの重要性がわかる。但し、先行材と後行材で板幅が変更されない場合には中間ロールシフトは行われないので、中間ロールシフト量の影響係数を使用する必要はなく、荷重とワークロールベンディング力の影響係数のみで制御できる。また、冷延では中間ロールベンディング機能を有する圧延機も少なくない。
【0022】
従って、ミルストレッチに及ぼす中間ロールベンディング力の影響係数もミルストレッチモデルで算出する方が望ましい。中間ロールベンディング力の影響係数は中間ロールシフト量の影響係数のように入力項目を変化させて計算を行う必要はなく、モデルから直接その影響を分離することが可能である。ここで、実際の荷重・ワークロールベンディング力・中間ロールシフト量の影響係数を算出する方法を具体的に提案する。冷延では接合部が存在するので、先行材の定常部で後行材の影響係数を算出することが必要となる。
【0023】
この計算では上位プログラムで計算される後行材定常部の予測荷重・設定ベンディング力・設定ロールシフト量等の値を用い、これらの影響係数は接合部が通過した直後から切り替えて使用するのが望ましい。また、中間ロールシフト量の影響係数を求めるためには2種類の中間ロールシフト量を入力して計算する必要があるが、その1つは上述の設定中間ロールシフト量で、もう1つは先行材の定常部の中間ロールシフト量とすれば、接合部近傍で変更される中間ロールシフト量の変化に合致した圧下操作量を決定できる。
【0024】
圧延中には鋼板の塑性変形に伴う加工発熱や摩擦発熱が生じるので、圧延中に成長するサーマルクラウンはキスロール締め込み時のサーマルクラウンとは異なる。このサーマルクラウンやロール摩耗等ミルストレッチモデルに直接考慮されていない項目が存在するので、圧延中にはそれらの影響により推定板厚に誤差が生じる場合がある。その誤差を除去するために、先行材の定常部でモデル推定板厚と実際の板厚の誤差を求めて学習するための計算を行う必要がある。
【0025】
この計算では先行材の圧延条件を入力する。定常部では圧延長手方向の板厚偏差は小さいと思われるので定常部のある1箇所もしくは数箇所の平均板厚を求めて、その値とモデル推定板厚を比較する。実際の板厚は可能であれば板厚計による測定が望ましいが、板厚計が設置されていない場合は板厚計のある場所からマスフローによって推定する等の方法を用いる。上記理由によって誤差が生じている場合があるので、その場合にはこの誤差分の補正を後行材の先端部から行えば、上記誤差による板厚偏差を除去することが可能となる。ここで、その算出された誤差を後行材にどのように反映させるかが問題となる。
【0026】
例えば外乱等によって測定板厚が影響を受けている場合も考えられるし、同様に測定荷重に誤差が生じてモデル推定板厚に影響を与えている場合も考えられる。そのようなことが全く無い場合には上記板厚推定値と板厚測定値の差をそのまま誤差として除去すればよいが、もしもこのような外乱等の影響を受けている場合には学習によって誤差を除去したつもりが、誤差を大きくしてしまうこともあり得る。それを最小限にくい止めるために、例えば先行材と先々行材の推定板厚と測定値の誤差の平均値を真の誤差として除去する方法や、先行材と測定値の誤差の例えば1/2だけを学習に用いて外乱があった場合でも影響が小さくなるようにする方法などさまざま考えられる。
【0027】
尚、ロールシフトの影響係数に関しては主に中間ロールシフトに関して記述してきたが、ワークロールに関しても応用可能であり、ワークロールシフト量のみを変化させて入力すれば、ワークロールシフト量の影響係数も算出・使用することが可能となる。また、中間ロールシフト量を変化させて計算を行った場合、上述したようにロールの接触長が異なるので圧延荷重・ワークロールベンディング力の影響係数も異なる値が算出される。ここではその誤差を無視して述べてきたが、より厳密に行う場合には、中間ロールがシフトしている間それぞれの影響係数も変化させて圧下操作量を決定する方が望ましい。
【0028】
これまでミルの圧延機構成や対象スタンドについては限定せずに述べてきたが、タンデム圧延機を考えた場合我々が最も高精度に板厚制御を行いたいのは製品厚を支配する最終スタンドである。最終スタンドは圧延速度が速いため、高応答な操作が要求され、油圧圧下方式が最も要求されるスタンドであると言える。全スタンドが電動圧下方式の冷間タンデム圧延機がある場合、板厚精度に対して必要最小限の設備費で最大の効果を上げるために、最終的に製品板厚を造り込む最終スタンドに高応答で高周波板厚外乱を取り除くことが期待される油圧圧下方式を採用する場合がある。
【0029】
高応答な板厚制御が行えるのであれば、張力制御では応答性が低いので最終スタンドで上述のミルストレッチモデルおよび本発明の使用法を用いて圧下制御を行うのが良い。冷延における圧下制御では板厚を制御できないと一般に言われているが、張力一定制御かつ上述の圧下制御を行えば板厚は高精度に制御可能である。冷間タンデム圧延機の第1スタンドに関しては上述のように圧下制御が採用されているミルもあり、電動圧下方式より油圧圧下方式が望ましいが、第1スタンドでは圧延速度が速くないので電動圧下方式でも板厚精度への影響はそれほど大きくはない。
【0030】
中間スタンドに関しても油圧圧下方式が採用される方が望ましい。しかし、最終製品厚を造り込むわけでもなく、張力一定制御を行わなければ圧下操作が板厚制御に敏感に効くわけでもないので、その要求度合いは最終スタンドや第1スタンドには劣る。電動圧下方式の中間スタンドである場合には、形状を安定させることが最も重要となるため、張力による板厚制御を行うのが良い。この例ように油圧圧下方式が最終スタンドのみに採用されるのは、コスト削減の観点から商業ミルでは大いにあり得る形態と言え、その場合に現状有しているアイテムの中で最大限の効果を上げる方法として、最終スタンドおよび第1スタンドまたは最終スタンドのみ圧下制御を行い、その他のスタンドでは張力による板厚制御を行うことは有効である。
【0031】
板厚精度が厳格化する中で目標板厚からの誤差を±3%以内とするために許容できる圧下操作前後の張力差を求めるための実験を行った。実験には図3に示す2スタンドタンデムのラボ圧延機を用いた。ワークロール径は約70mm、バックアップロール径は約200mmの4Hiミルで、板幅100mmの普通鋼コイルを圧延した。張力計および板厚計は第1スタンド入側、スタンド間、第2スタンド出側に設置されている。板厚目標値が1.6mm、2.4mm、3.5mmの場合に目標値から1mmずれた状態(出側板厚がそれぞれ1.7±0.029mm、2.5±0.032mm、3.5±0.045mm)で定常状態をつくり、その時の入出側張力を実測した後に予め計算しておいた圧下操作量分だけ圧下位置を変更し、張力と出側板厚を測定した後、第1スタンドのロール周速度を減少させてスタンド間の張力を増加させていった。圧下をかけると一瞬板厚が減少するがすぐに張力が減少し板厚は増加して圧下操作前の板厚になった。
【0032】
張力を増加させると板厚は減少し始め、張力が圧下操作前の約-10%になったときに板厚は目標値の+3%となり、更に張力を増加させると張力が約+10%となった時に板厚は目標値の-3%となった。その現象はいずれの板厚の場合もほぼ同様であった。結果を図4に示す。出側張力に関しても同様の実験を行ったが、板厚が目標値の±3%以内となる張力許容範囲は入側張力と同様にほぼ±10%以内であった。張力一定制御の許容範囲としては±10%以内が望ましいことが分かった。
【0033】
<実施例1>
影響係数を用いた場合の接合部近傍の板厚の経時変化を調査した。今回単スタンドの冷間圧延機を使用した。鋼板は圧延機の入側で接合され連続的に圧延されている。圧延機は6Hiミルであり、入出側にX線板厚計が設置されている。実験時のロールディメンジョンは上バックアップロール径1267mm、上中間ロール径473mm、上ワークロール径427mm、下ワークロール径427mm、下中間ロール径474mm、下バックアップロール径1268mmであった。
【0034】
実験はバックアップロール組み替え直後から19本目のコイルまで行い、前半の10本は中間ロールシフト量の影響係数は使用せずに圧延荷重とワークロールベンディング力のみの影響係数を使用し、後半9本には圧延荷重・ワークロールベンディング力・中間ロールシフト量の影響係数のすべてを使用した。圧延開始前にはキスロール締め込み実験を行った。その際、直前に潤滑油を供給しながらキスロール運転を行い、サーマルクラウンを考慮してロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分を分離した。板厚は入側で1.21mmから3.8mmまで、出側で0.98mmから2.5mmまでで、板幅が880mmから1250mmで徐々に狭くなるようにスケジュールが組まれていた。圧延中には学習により、サーマルクラウンやロール摩耗の影響を除去した。接合部前後のオフゲージを重点的に調査した結果、平均すると前半10本分はオフゲージ長さがこれまでの操業の平均オフゲージ長さと比較して約35%にまで、後半9本分は23%の長さにまで激減した。
【0035】
以上のように、本ミルストレッチモデルを用いて、冷延特有の特性を考慮して使用した絶対値ゲージメーターAGCを適用することによりオフゲージを減少させることが可能であることが確認された。その絶対値ゲージメーターAGCではサーマルクラウンを考慮してキスロール締め込みを行うこと、影響係数として圧延荷重・ロールベンディング力・中間ロールシフト量の3種を用いる方が望ましいことも判明した。
【0036】
<実施例2>
冷間タンデム圧延機の最終スタンドで圧下操作によって目標板厚を実現する実験を行い、従来の電動圧下による張力制御の場合と比較した。第1スタンドは電動圧下方式であり、今回は従来制御であるマスフロー一定則を利用した板厚制御のままとした。実験には実機の6Hi5スタンドで構成される冷間タンデム圧延機を用いた。最終スタンドへの圧下操作と同時に第4スタンドのロール速度とコイラーの巻き取り速度を変更して、当該スタンドの入出側の張力差を圧下操作前に対して±10%以内にした。板張力は当該スタンド入側で約18kgf・mm-2程度、出側で6kgf・mm-2程度であった。
【0037】
予め最終スタンドで潤滑油をワークロールに供給しながらロールを回転させ、サーマルクラウンを成長・飽和させてからキスロール締め込み実験を行ってロール系の変形成分とそれ以外の変形成分を分離した。圧延開始直後から最終スタンドでは圧下制御を行い、高周波板厚外乱が最も多い接合部近傍での板厚を従来制御と比較し、従来制御と本圧下制御のオフゲージ長さで評価した。従来制御分は過去に採取したデータであり、新圧下制御方式のデータは今回採取したことを付け加えておく。
【0038】
圧延のタイミングが異なるのでお互いの圧延条件の詳細は異なるが、両者とも原板厚は2.7mm〜3.6mm、最終製品厚は1.5mm〜2.2mm、板幅は772mm〜1210mmのものをランダムにコイル本数21本分を採用して比較した。圧下操作代は圧下操作前後で張力が変化しないと仮定した上で予め制御モデルを用いて算出しておいた。圧下操作を行うとにより入出側張力が変化しないように予めロール速度の変更代を計算しておき、ロール速度の変更が張力に影響を及ぼすまでのタイムラグを考慮して、ロール周速の変更指令は圧下操作前に行った。圧延の結果、オフゲージ長さは本制御の方が従来制御と比較して1接合部当たり平均3.2m短くなっており、最終スタンドでの圧下方式の効果が確認された。
【0039】
【発明の効果】
本発明の冷間圧延方法によれば、ソフトの変更のみで板厚精度を向上させることが可能であり、特に接合部近傍のオフゲージ長を減少させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】潤滑油を供給しながらキスロール締め込みしたときのワークロール表面温度とロール回転時間の関係を表す図である。
【図2】板厚(ミルストレッチ)に及ぼす中間ロールシフトの影響を考慮した場合と考慮していない場合の差を示す図である。
【図3】張力一定制御を行いつつ、圧下操作をして出側板厚を目標値に制御する実験を行ったラボタンデム圧延機を示す図である。
【図4】目標板厚に対する現状の板厚の差と圧下操作前後の張力差との関係を示す図である。
【符号の説明】
1a、1b:ワークロール
2a、2b:バックアップロール
3 :入側コイラー
4 :出側コイラー
5 :張力計
6 :板厚計

Claims (5)

  1. ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離し、ロール変形以外の寄与分に関しては予め上下ワークロールをキスさせて行う締め込み実験によって計算する圧下制御方法において、冷間圧延に関してキスロール締め込み実験直前に潤滑油を供給しながらキスロール締め込み運転を行いロールの熱膨張量を飽和させた後に、潤滑油を供給しながらキスロール締め込み実験を行い、ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離することを特徴とする圧下制御方法。
  2. ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離し、ロール変形以外の寄与分に関しては予め上下ワークロールをキスさせて行う締め込み実験によって計算する圧下制御方法において、冷間圧延に関してワークロールの温度を測定しながらキスロール締め込み実験を行い、ワークロールの温度変化に起因するロールの膨張量変化を算出して、当該膨張量をロールの凸クラウンとしてロール変形の寄与分の計算に取り入れることにより、ミルストレッチをロール変形の寄与分とロール変形以外の寄与分に分離することを特徴とする圧下制御方法。
  3. ミルストレッチのロール変形以外の寄与分については予め上下ロールをキスさせて行う締め込み実験によって求めておき、それにロール変形の寄与分を加える方法で構成されるミルストレッチ式を用いる圧下制御方法において、冷間圧延で圧延荷重、ロールベンディング力、ロールシフト量がミルストレッチに及ぼす影響係数を求め、その全てを用いて圧延中の圧下操作量を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧下制御方法。
  4. 先行材の最後端と後行材の最先端を接合して連続して冷間圧延する工程において、先行材の定常部で請求項3の当該圧延条件を入力したミルストレッチモデル式より当該スタンド出側板厚を推定し、当該スタンド出側に設置された板厚計により実際の板厚測定値(もしくはそれ以外の場所に設置された板厚計からの板厚推定値)とを比較して誤差を算出し、その誤差分の補正を後行材圧延開始時から行うことを特徴とする請求項3項に記載の圧下制御方法。
  5. 冷間タンデム圧延機の最終スタンド、あるいは第1スタンドと最終スタンドで圧下操作による板厚制御を行い、それ以外の圧延スタンドにおいてはロール周速を利用した張力制御による板厚制御を行うことを特徴とする請求項3あるいは請求項4に記載の冷間タンデム圧延における圧下制御方法。
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