JP3984417B2 - レンズシートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に使用されるプリズムシートやマイクロレンズアレイ、プロジェクションテレビ等に使用されるフレネルレンズシートやレンチキュラーレンズシート等、透光性基材の片面あるいは両面にレンチキュラーレンズ形状またはプリズム形状等のレンズ形状が付与されたレンズシートの製造方法に関するものであり、特に、レンズピッチの高精度の制御が要求されるマイクロレンズアレイの製造に好適なレンズピッチの変動が少なく、レンズシート全体にわたって設計通りのピッチを有するレンズシートを提供できる製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等のバックライトに使用される輝度向上プリズムシート、プロジェクションテレビ等の投写スクリーンとして使用されるフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートは、プレス法、切削法、押し出し法等の方法で生産されているが、いずれの製造方法においても生産性の観点から十分に満足できるものではなかった。例えば、プレス法では、加熱・加圧・冷却のサイクルで成形するために、一枚の光学シートの製造にかなりの時間が必要であり、切削法においても一枚の樹脂板から切削機を用いてパターンを削り出すため、この切削に長い時間が必要であった。また、押し出し法では、大量の光学シートを生産するには有利な方法であるが、多品種の光学シートを生産する場合には、金型の交換に時間がかかるため生産性の良い方法ではなかった。このような生産性の問題を解決するために、例えば、特公平1−35737号公報等に記載されているように、透明プラスチックシート等の透明シート状基材の上に紫外線等の活性エネルギー線硬化性組成物によりプリズム、フレネルレンズ等のレンズ部を成形する方法が利用されてきている。
【0003】
これまで、これらレンズシートにおいては、例えば、液晶表示装置等のバックライトに使用されるプリズムシートでは、プリズム列のピッチは、液晶セルとのモアレを生じさせず、数十μm程度の微細なものであれはよく、さほど高い精度のピッチ制御が要求されるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、より高精細な画像表示が要求されるようになってきており、これらレンズシートにおいても、今まで以上に高い精度のレンズピッチ制御が必要となってきている。
【0005】
一方、液晶パネルのカラーフィルターによる光の損失を低減させるために特開平10−301110号公報、特開平10−319217号公報、特開平11−258604号公報等で提案されているようなマイクロレンズアレイシートにおいては、液晶パネルのセルピッチとマイクロレンズアレイシートのレンズピッチを画面全域にわたって一致させる必要がある。
【0006】
このようなマイクロレンズアレイシートについては、レンズピッチの精度としては12.1インチの液晶ディスプレイの場合、246mmの幅において±50μm、望ましくは±10μmの極めて高精度の制御技術が必要とされるため、
液晶パネルのセルピッチとレンズアレイのレンズピッチを実用レベルで一致させる製造方法は、未だ確立されていないのが現状である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記のようなレンチキュラーレンズシート、プリズムシート等のレンズシートのレンズピッチを高精度で制御する製造方法を提供することであり、特に、極めて高精度のレンズピッチ制御が要求されるマイクロレンズアレイシートにおいても実用レベルのレンズピッチ制御が可能となる製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決させるための手段】
本発明者等は、このような状況に鑑み、レンズシートの製造過程で生じる透光性基材の収縮に注目し、この収縮によるレンズピッチのずれを透光性基材に付与する張力の制御と、この張力に応じたレンズ型でのレンズピッチの補正を行うことにより抑止し、極めて高精度のレンズピッチの制御を行うことができることを見出し、本発明に到達したものである。
【0009】
すなわち、本発明のレンズシートの製造方法は、レンズパターンが形成された円筒形レンズ型のレンズパターン形成面と透光性基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物を注入し、透光性基材と円筒形レンズ型の間に活性エネルギー線硬化性組成物が挟持された状態で活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物を硬化し透光性基材の一方の面にレンズを形成するレンズシートの製造方法において、透光性基材が活性エネルギー線硬化性組成物を介して円筒形レンズ型に接している状態で透光性基材に0.03〜25Kgf/mm 2 の張力を付与するとともに、付与される張力に応じて円筒形レンズ型のレンズパターンのピッチをあらかじめ補正しておくことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のレンズシートの製造方法について、図1を参照して説明する。
図中12は、レンズ単位が刻印されたレンズパターンを有する円筒形レンズ型であり、アルミニウム、黄銅、鋼等の金属製の金属型や、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フッソ樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等の合成樹脂製の樹脂型、Ni電鋳法で作製した電鋳型等が使用される。特に、耐熱性や強度等の観点から金属型を使用することが望ましい。円筒形レンズ型12は、レンズパターンが形成された薄板レンズ型を円筒状ロールに巻き付けて固定したものを使用することもできる。また、端部に厚肉部分を形成した薄板段付きレンズ型を、円筒状ロールに巻き付けて固定した円筒状段付きレンズ型を使用することもできる。このような円筒形レンズ型12には、各種腐食防止のために銅やニッケル等のメッキを表面に施すことが好ましい。さらに、切削素材粒子の均一化および微細化のために、銅やニッケル等のメッキを厚肉に形成して、メッキ層部分にレンズパターンを形成することも可能である。
【0011】
円筒形レンズ型12には、そのレンズパターン形成面に沿って透光性基材6が供給されており、円筒形レンズ型12と透光性基材6の間に活性エネルギー線硬化性組成物10が樹脂タンク7から連続的に供給される。透光性基材6の外側には、活性エネルギー線硬化性組成物10の厚さを均一にさせるためのニップロール5が設置されている。ニップロール5としては、金属製ロール、ゴム製ロール等が使用される。また、活性エネルギー線硬化性組成物10の厚さを均一にさせるためには、ニップロール5の真円度、表面粗さ等について高い精度で加工されたものが好ましく、ゴム製ロールの場合にはゴム硬度が60度以上の高い硬度のものが好ましい。このニップロール5は、活性エネルギー線硬化性組成物10の厚さを正確に調整することが必要であり、圧力調整機構4によって操作されるようになっている。この圧力調整機構4としては、油圧シリンダー、空気圧シリンダー、各種ネジ機構等が使用できるが、機構の簡便さ等の観点から空気圧シリンダーが好ましい。空気圧は、圧力調整弁等によって制御される。
【0012】
活性エネルギー線硬化性組成物10を円筒形レンズ型12と透光性基材6の間に供給した後、活性エネルギー線硬化性組成物10が円筒形レンズ型12と透光性基材6の間に挟まれた状態で、活性エネルギー線照射装置13から活性エネルギー線を透光性基材6を通して照射して、活性エネルギー線硬化性組成物10を重合硬化しレンズ型に形成されたレンズパターンの転写を行い、透光性基材6の一方の表面にレンズを形成する。その後、得られたレンズシート11を円筒形レンズ型12から剥離する。活性エネルギー線照射装置13としては、化学反応用ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、可視光ハロゲンランプ等が使用される。活性エネルギー線の照射量としては、200〜600nmの波長の積算エネルギーが0.1〜50J/cm2となる程度とすることが好ましい。また、活性エネルギー線の照射雰囲気としては、空気中でもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下でもよい。
【0013】
本発明においては、上記のような製造過程において、透光性基材6が活性エネルギー線硬化性組成物10を介して円筒形レンズ型12に接している状態で透光性基材6に張力を付与するとともに、付与される張力に応じて円筒形レンズ型12に形成するレンズパターンのレンズピッチをあらかじめ補正しておくことが、レンズピッチの変動が少なく、レンズシート全体にわたって設計通りのピッチを有するレンズシートを製造する上で必要である。
【0014】
次に、透光性基材6に付与される張力を制御する方法について説明する。透光性基材6は、ブレーキ2を備えた巻出ロール1から供給されるため、このブレーキ2を作動させることによって透光性基材6に張力が付与される。また、透光性基材6の表面に活性エネルギー線硬化性組成物10によりレンズが形成され、円筒形レンズ型12から剥離されたレンズシート11は、図示されない引き取り装置によって引き取られており、この引き取り装置の引き取り速度を調整することによって透光性基材6に張力が付与される。従って、透光性基材6に付与される張力の制御は、巻出ロール1に設けたブレーキ2の駆動、引き取り装置の引き取り速度の調整によって行うことができる。なお、これらによって張力制御を行う場合は、巻き径によってトルクを変化させる必要がある。
【0015】
また、透光性基材6に付与される張力を測定することによって、張力変動が起きた場合に張力の変動を制御して、一定の張力が付与されるようにしておくことが好ましい。透光性基材6の張力を測定する方法としては、例えば、巻出ロール1と円筒形レンズ型12との間あるいは引き取り装置と円筒形レンズ型12の間に、テンションピックアップ3を設けて張力測定を行うことが好ましい。さらに、テンションピックアップ3からの出力をフィードバック14して、巻出ロール1に設けたブレーキ2の電圧を制御したり、引き取り装置の引き取り速度を制御することにより、透光性基材6に付与される張力を一定に維持することができる。
【0016】
本発明においては、透光性基材6が活性エネルギー線硬化性組成物10を介して円筒形レンズ型12に接し、透光性基材6に張力が付与されている状態で活性エネルギー線を照射して、活性エネルギー線硬化性組成物10を硬化・賦型するため、製造されたレンズシート11を製品サイズに切断する際に、透光性基材6に付加されていた応力が解放され、付与されていた張力に応じた収縮量分だけレンズピッチが大きくなる。従って、目的とする正確なレンズピッチを有するレンズシートを得るためには、透光性基材6に付与されていた張力に応じた収縮量分を、円筒形レンズ型にレンズパターンを形成する際に、あらかじめ補正したレンズピッチとしておくことが必要である。
【0017】
透光性基材6に付与された張力(T)に応じて生じる透光性基材6の収縮量(Δ)は、透光性基材6の厚さをt、ヤング率をE、ポアソン比をνとすると次の式(1)で表される。
【0018】
【数2】
従って、円筒形レンズ型12のレンズパターンのピッチを、透光性基材6に付与する張力に応じて生じる上記式(1)に示した透光性基材6の収縮量Δ分補正しておけばよい。
【0019】
また、レンズシートの製造過程においては、あらかじめ円筒形レンズ型12のレンズパターンのピッチの補正分Δに応じて、透光性基材6に付与する張力を上記(1)式で表される張力Tに制御しながら製造することが好ましい。なお、上記(1)式では、レンズピッチ方向の収縮量Δは透光性基材6の幅に依存していないが、この式(1)はレンズシート製造時の式であるので、製品サイズで換算するには按分比例で計算すればよい。
【0020】
本発明において、透光性基材6に付与する張力は、上記(1)式で表される張力Tとすればよいが、その応力値で0.03kgf/mm2以上であることがレンズピッチの安定性の観点から好ましく、透光性基材6の強度の点から25kgf/mm2以下とすることが好ましい。張力はフィルムの弾性変形量を制御する製造パラメーターであるので、正確に制御するためには、制御性の優れたブレーキを使用して制御することが好ましい。また、その他のロールなども機械的損失がないように回転摩擦係数が小さく、変動幅も小さくなるように設計されたものを使用することが好ましい。
【0021】
透光性基材6の厚さは、その用途によっても異なり20μm〜500μm程度の範囲のものが使用される。ヤング率Eは、透光性基材6の機械的物性によって決まっており、本発明で使用される透光性基材6としては40〜500kgf/mm2の範囲のものが好ましい。例えば、レンズシートの透光性基材6として、一般的に使用されるポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)では、ヤング率は300〜450kgf/mm2程度である。なお、透光性基材6のヤング率は、透光性基材6の弾性変形を小さくするという点から大きい方が好ましい。また、ポアソン比は、0.3〜0.5の値をとすることが好ましい。なお、ポアソン比とは、MD方向の張力がTD方向の弾性変形量に換算されるときのパラメーターである。
【0022】
さらに、以上のような物理量は、レンズシート製造時の温度や湿度によって影響を受けるため、製造時の温度は10〜80℃の範囲で一定とすることが好ましく、さらに好ましくは20〜60℃の範囲である。これは、製造時の温度が10℃未満では、温度調節に大量のエネルギーが必要となり、80℃を超えると透光性基材6の熱による収縮などが生じるおそれがあるためである。
【0023】
本発明において、レンズシートの製造に使用される活性エネルギー線硬化性組成物としては、紫外線、電子線等の活性エネルギー線で硬化させたものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル類、エポキシ系樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリレート系樹脂がその光学特性等の観点から特に好ましい。
【0024】
このような硬化樹脂に使用される活性エネルギー線硬化性組成物としては、取扱い性や硬化性等の点で、多価アクリレートおよび/または多価メタクリレート(以下、多価(メタ)アクリレートと記載)、モノアクリレートおよび/またはモノメタクリレート(以下、モノ(メタ)アクリレートと記載)、および活性エネルギー線による光重合開始剤を主成分とすものが好ましい。代表的な多価(メタ)アクリレートとしては、ポリオールポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上の混合物として使用される。また、モノ(メタ)アクリレートとしては、モノアルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル、ポリオールのモノ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0025】
透光性基材としては、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を透過する材料であれば特に限定されず、柔軟な硝子板等を使用することもできるが、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂等の透明樹脂シートやフィルムが好ましい。特に、レンズ部の屈折率よりも屈折率が低く、表面反射率の低いポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレートとポリフッ化ビニリデン系樹脂との混合物、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂からなるものが好ましい。透光性基材の厚さは、その用途によっても異なり20μm〜500μm程度の範囲のものが使用される。なお、透光性基材には、活性エネルギー線硬化性組成物からなるレンズ部と透光性基材との密着性を向上させるために、その表面にアンカーコート処理等の密着性向上処理を施したものが好ましい。
【0026】
本発明で製造されるレンズシートのレンズ形状は、プリズム形状、レンチキュラーレンズ形状、マイクロレンズアレイ形状等が挙げられ、円筒形レンズ型には製造されるレンズ形状と逆型のレンズパターンを形成する。レンズシートのレンズ部を構成するレンズ列のピッチは、その目的に応じて適宜決定されるものである。例えば、13.1インチサイズの液晶ディスプレイで画素数がSVGA(800×600ドット)のマイクロレンズアレイとして使用する場合には、液晶セルピッチは約300μmとなるため、レンズピッチは液晶セルピッチの整数倍あるいは1/3などの分子が1の分数倍とされる。
【0027】
本発明により製造されたレンズシートとしては、例えば、液晶表示装置等のバックライトに使用されるプリズムシート、液晶パネルに使用されるマクロレンズアレイシート、プロジェクションテレビ等の投写スクリーンに使用されるレンチキュラーレンズシート、フレネルレンズシート等が挙げられるが、その他の各種光学装置に使用される凹凸形状を表面に有したレンズシートであってもよい。中でも、レンズピッチの高精度が要求されるマイクロレンズアレイシート等に特に適したものである。
【0028】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
アクリル系紫外線硬化性組成物用いて、図1に示した製造装置でレンチキュラーレンズシートを製造した。円筒形レンズ型12は、ピッチ300μm、曲率半径400μmの断面を有する円弧状レンズ列を多数連接して形成された黄銅製の薄板に無電解ニッケルめっきを施したものを、直径220mm、長さ450mmのステンレス製の円筒状芯ロールに巻き付けて固定したものを用いた。なお、円筒形レンズ型12に形成したレンズピッチは、(1)式より算出したPETフィルムに付与する張力15kgfで製造したときの収縮量に基づき、470mmの幅で131μm小さくなるように補正を行った。
【0029】
円筒形レンズ型12とゴム製のニップロール5の間に、円筒型レンズ型12の表面に巻き付くようにして片面に密着性向上処理を施したPETフィルム(東洋紡社製A4100、厚さ100μm、幅470mm)を処理面が円筒型レンズ型12側となるように装置内に導入した。このPETフィルムのヤング率は、40℃のとき400kgf/mm2であり、ポアソン比は0.35である。巻出ロール1は、上記のPETフィルム1000mを6インチ紙管に巻いたもので、直径300mmのロールで供給した。
【0030】
次いで、タンク7に供給され40℃に保持したアクリル系紫外線硬化性組成物10を供給ノズル9から、円筒型レンズ型12とPETフィルム6との間に供給した。円筒型レンズ型12は、約6m/分の速度で回転させた。供給されたアクリル系紫外線硬化性組成物10がPETフィルム6と円筒型レンズ型12との間に保持された状態で、9.6kW(120W/cm)の紫外線照射装置13により、照射量(積算エネルギー)が200mJ/cm2となるように紫外線を照射し、アクリル系紫外線硬化性組成物10を硬化・賦型した後、円筒型レンズ型7から剥離してマイクロレンズアレイシート6を得た。
【0031】
PETフィルムの張力は、三菱電機社製テンションピックアップ3により測定し、PETフィルムの張力が15Kgfで一定になるように三菱電機社製パウダーブレーキ2のフィードバック制御14を行った。
【0032】
得られたレンズシートから300mm×200mmの大きさにレンズ稜線が短辺と平行になるように切り出し、25℃、50%RHの環境下で、恒温恒湿室内でトプコン社製工具顕微鏡TMM−100Dを用いて、レンズピッチ方向の長さの測定を行った。その結果、300mmの長さで±10μm以内であり、レンズピッチの制御が高い精度で行われた。
【0033】
また、巻出ロール1のブレーキ電圧を変えてPETフィルムの張力を0〜20Kgfの間で、5Kgfずつ変化させたときのレンズピッチ(400ピッチの合計値)の変化を図2に示した。なお、各張力値におけるレンズピッチの変化は、製造され切り出されたレンズシート100枚のうち、製造された順に1枚目のもの、50枚目のもの、100枚目のもの3枚について測定を行った。
【0034】
図2から明らかなように、PETフィルムに張力が付与されていない場合には、クリーニングロールなどの機械的損失による張力変化が大きくレンズピッチが安定しないものであった。また、円筒形レンズ型のレンズピッチの補正を行った収縮量に応じた張力である15Kgfの場合が、最もレンズピッチの制御が高い精度で行われていた。さらに、10―4の精度でレンズピッチ制御を行うためには、厚さ100μm、幅470mmのPETフィルムで張力変動を5kgfの範囲で制御すれば、レンズピッチを精度良く制御でき、これを応力値に換算すると10―4のレンズピッチ制御は0.06kgf/mm2の制御が必要となる。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、レンズシートの製造過程で生じる透光性基材の収縮によるレンズピッチのずれを透光性基材に付与する張力の制御と、この張力に応じたレンズ型でのレンズピッチの補正を行うことにより抑止し、レンズピッチの変動が少なく、レンズシート全体にわたって設計通りのピッチを有するレンズシートを提供できる極めて高精度のレンズピッチの制御を行うことができるレンズシートの製造方法を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズシートの製造方法を示す概略図である。
【図2】本発明の実施例における張力の変化によるレンズピッチの変化を示したグラフである。
【符号の説明】
1 透光性基材巻出ロール
2 パウダーブレーキ
3 テンションピックアップ
4 エアシリンダー
5 ニップロール
6 透光性基材
7 タンク
8 配管
9 供給ノズル
10 活性エネルギー線硬化性組成物
11 レンズシート
12 円筒形レンズ型
13 活性エネルギー線光源
Claims (1)
- レンズパターンが形成された円筒形レンズ型のレンズパターン形成面と透光性基材との間に活性エネルギー線硬化性組成物を注入し、透光性基材と円筒形レンズ型の間に活性エネルギー線硬化性組成物が挟持された状態で活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物を硬化し透光性基材の一方の面にレンズを形成するレンズシートの製造方法において、透光性基材が活性エネルギー線硬化性組成物を介して円筒形レンズ型に接している状態で透光性基材に0.03〜25Kgf/mm 2 の張力を付与するとともに、付与される張力に応じて円筒形レンズ型のレンズパターンのピッチをあらかじめ補正しておくことを特徴とするレンズシートの製造方法。
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