以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施形態における再生装置のブロック図を示すものである。図1において、1は磁気テープ、2は回転シリンダ、3はRアジマス角を有する第1の磁気ヘッド、4はLアジマス角を有する第1の磁気ヘッド、5はRアジマス角を有する第2の磁気ヘッド、6はLアジマス角を有する第2の磁気ヘッド、7はコントロールヘッド、8はキャプスタンモータ、9はピンチローラ、10は第1のポスト、11は第2のポスト、12は時間モード/未記録判定部、13はテープ走行制御部、14は第1のスイッチ、15はアナログ映像の処理と検出を行うアナログ映像信号処理ブロック、16はアナログ音声の処理と検出を行うFM音声信号処理ブロック、17はディジタル信号の処理と検出を行うディジタル信号処理ブロック、18はディジタル/アナログ検出部、19は第2のスイッチ、20は第3のスイッチ、21は第4のスイッチ、22は映像信号出力端子、23は音声信号出力端子、24はディジタル信号出力端子である。ディジタル/アナログ判定部29は、アナログ映像信号処理ブロック15、FM音声信号処理ブロック16、ディジタル信号処理ブロック17、ディジタル/アナログ検出部18を含んでいる。
ここで、第1の磁気ヘッド3及び4はアナログ映像信号用のヘッド(例えば、アジマス角±6度)であり、第2の磁気ヘッド5及び6はFM音声信号及びディジタル信号用のヘッド(例えば、アジマス角±30度)である。各々の磁気ヘッドは回転シリンダ2上に取り付けられており、回転シリンダ2には磁気テープ1が第1のポスト10と第2のポスト11により斜めに巻回されており、磁気テープ1に斜めに形成されたトラックをスキャンして記録された信号を読み出す。ここで、第2の磁気ヘッド5、6はディジタル信号/FM音声信号共用ヘッドとしたが、各々に個別のヘッドを設けても良い。
また、磁気テープ1上にテープ走行方向と平行に形成されたリニア記録領域に記録されたコントロール信号は磁気テープ1のテープパス上に固定されたコントロールヘッド7(固定ヘッド)で再生され、再生コントロール信号として、時間モード/未記録判定部12およびテープ走行制御部13に入力される。時間モード/未記録判定部12は再生コントロール信号の有無により、未記録か否かを判定し、未記録でないときには、再生コントロール信号の周期により磁気テープ1を記録したときのテープ走行速度を示す時間モードを判定する。(時間モード/未記録の判定方法の詳細は後述)
そして、テープ走行制御部13は、時間モード/未記録判定部12より時間モードの情報を得て、キャプスタンモータ8のFG信号及びコントロールヘッド7の再生コントロール信号を用いてキャプスタンモータ8を制御し、磁気テープ1を記録時と略等しい速度・位相で走行させる。ここで、オートトラッキング等により磁気テープ1の位相を調整しても良い。
よって、キャプスタンモータ8とピンチローラ9により磁気テープ1が所望の速度・位相で走行し、さらに回転シリンダが所定の回転速度で回転することによって、各々の磁気ヘッドは磁気テープ1上をヘリカルスキャンする。ここで、本実施形態ではディジタル信号再生時とアナログ信号再生時で回転シリンダ2の回転数は同一として説明する。もちろん、ディジタル信号再生時とアナログ信号再生時で回転シリンダ2の回転数は異なっていても良く、磁気テープ1の走行速度に対して1対1に回転シリンダ2の回転数が決まっているときには、後述する時間モード/未記録判定処理中で磁気テープ1の走行速度を指令すると同時にシリンダ2の回転数を設定すればよいし、同一の磁気テープ走行速度で回転数が異なっているときには第3の実施形態で述べる方法により設定すればよい。
図14(a)はFM音声信号記録時のトラックパターン、(b)は本実施形態におけるディジタル信号記録時のトラックパターンである。実際にはヘリカルスキャンされるトラック51は磁気テープ1上に斜めに形成されているが、ここでは簡略化して表している。図14(a)、(b)において、磁気テープ1上のリニア記録領域50にはコントロール信号が記録されており、コントロール信号とRまたはLアジマス角のトラック51との位相は、FM音声信号記録時とディジタル信号記録時で同一である。よって、アナログ信号再生時及びディジタル信号再生時において、テープ走行制御部13により磁気テープ1の位相を変えることなく、第2の磁気ヘッド5、6は正確に記録トラック上をトレースし記録信号を再生できる。
次に、アナログ信号を再生する場合の信号処理について述べる。
磁気テープ1上に記録されたアナログ映像信号は、第1の磁気ヘッド3及び4により再生され、アナログ映像信号処理ブロック15により復調され、再生映像信号を得る。また、ディジタル/アナログ検出部18はアナログ信号であることを検出し(検出方法は後述)、第1のスイッチ14を切り換え、第2の磁気ヘッド5及び6の出力をFM音声信号処理ブロック16へ送る。よって、磁気テープ1上に深層記録されたFM音声信号は、FM音声信号処理ブロック16で復調され再生音声信号を得る。そして、ディジタル/アナログ検出部18の出力により、第2のスイッチ19及び第3のスイッチ20が切り換えられ、再生映像信号及び再生音声信号が各々映像信号出力端子22及び音声信号出力端子23に出力される。ここで、アナログ信号を記録再生する複数の時間モード(例えば、SP、LP、EPモード)を有する場合には各々の時間モードに対して専用の磁気ヘッドを用いても良いし、いくつかの磁気ヘッドで兼用しても良い。
また、ディジタル信号を再生する場合には、ディジタル/アナログ検出部18により第1のスイッチ14が切り換えられ、第2の磁気ヘッド5及び6の出力がディジタル信号処理ブロック17へ送られ、復調されて再生ディジタル信号を得る。さらに、ディジタル/アナログ検出部18により第4のスイッチ21が切り換えられ、ディジタル信号出力端子24に再生ディジタル信号を出力する。
ここで、第1のスイッチ14を切り換えて、第2の磁気ヘッド5及び6の出力をFM音声信号処理ブロック16またはディジタル信号処理ブロック17へ入力するとしたが、FM音声信号再生時とディジタル信号再生時で信号処理回路の一部(例えば、プリアンプ等)を共用し、各々別の処理を行う手前にスイッチを設け信号を切り換えても良い。さらに、第1のスイッチ14を用いず、第2の磁気ヘッド5及び6の出力をFM音声信号処理ブロック16及びディジタル信号処理ブロック17の両方へ入力することも可能であり、ディジタル/アナログ判定時等でのスイッチの切り換えを省くことができる。
次に、時間モード/未記録判定の処理について図2を用いて説明する。
図2は時間モード/未記録判定部12における時間モード/未記録判定処理の一例を説明する処理フローである。ここでは、3種類のテープ速度で記録再生が可能であり、この各々に対応して時間モードも、SP(StandardPlay)、EP(ExtendedPlay)、LP(Long Play)の3種類存在し、SP、EPモードではアナログ信号の記録再生のみが、LPモードではディジタル信号とアナログ信号の記録再生が可能であるとする。
まず、カセットテープをVTRに挿入し、使用者が再生を指示した場合を例にとり説明する。まず、VTR全体の制御部(図示せず)からテープ再生の指示を受けた時間モード/未記録判定部12は、ステップ30で磁気テープ1を走行させるため、テープ走行制御部13に対し、例えば、SPモードでのテープ走行指令を出す。時間モード/未記録判定部12は、磁気テープ1の走行が安定したときに、ステップ31でコントロール信号の有無を検出し、単なるコントロール信号の一時的な抜けでなく、磁気テープ1上にコントロール信号が記録されていないことを検出した場合には、磁気テープ1は未記録(未記録モード)であると判定し、ステップ38でテープ走行制御部13及びディジタル/アナログ検出部18に通知する。コントロール信号が記録されている場合には、時間モード/未記録判定部12は、ステップ32、34、36で再生されたコントロール信号の周期を検出して時間モードを判定し、どの時間モードでもないときには、異常モードであると判定し、ステップ39で異常モードであることをテープ走行制御部13及びディジタル/アナログ検出部18に通知する。ここで、SP、EP、LPモードの判定順序は任意であり、例えば、ディジタル信号の再生を迅速に行いたい場合にはLPモードから判定すればよい。そして、時間モードが判定された場合には、ステップ33、35、37でテープ走行制御部13に対し、判定された時間モードで磁気テープ1を走行させるようにテープ走行制御部13に対し指令を出す。次に、ディジタル信号及びアナログ信号の記録再生が可能な時間モード(本実施形態ではLPモード)ではディジタル/アナログ検出部18に対し、ステップ40で再生信号がディジタル/アナログのいずれであるかの検出を指示する。ここでは、ディジタル及びアナログ信号を記録可能な時間モードはLPモードのみとしたが、複数の時間モードでディジタル及びアナログ記録再生可能な場合でも同様にして時間モード判定及び処理を行う。
また、他の時間モード(SP、EPモード)ではディジタル信号の記録再生が行われないので、時間モード/未記録判定部12は、ステップ41でディジタル/アナログ検出部18に対しアナログ信号の再生処理(アナログモード)を指示する。図2には示していないが、ディジタル信号の記録再生のみを行う時間モードを有し、この時間モードであると判定されたときには、ディジタル/アナログ検出部18に対し、ディジタル信号の再生処理(ディジタルモード)を指示すればよい。
このように、アナログ信号またはディジタル信号のいずれかのみを記録再生する時間モード(本実施形態ではSP、EPモード)では、コントロール信号を用いて磁気テープに記録された信号がディジタル信号かアナログ信号かを判定することにより、ディジタル/アナログ判定を迅速に行うことができる。
次に、ディジタル/アナログ検出処理について説明する。
図3は、ディジタル/アナログ検出部18における処理フローの一例を示したものである。ディジタル/アナログ検出部18は時間モード/未記録判定部12の出力より、磁気テープ1の状態が未記録であるか、ディジタル信号が記録されているか、アナログ信号が記録されているか、ディジタル信号またはアナログ信号のいずれかが記録されているか、或いは異常モードであるかを知ることができる。よって、ディジタル/アナログ検出部18は図3に示すように、ステップ61、63、65、68において、時間モード/未記録判定部12からの情報に基づいて判断する。ディジタルモードの指示があれば(ステップ61)、ディジタル/アナログ検出部18はスイッチ14を切り換えて第2の磁気ヘッド5、6の出力をディジタル信号処理ブロック17に入力し、ステップ62でディジタル信号が正常に再生できているかどうかをディジタル信号処理ブロック17の出力するディジタル信号検出信号または再生ディジタル信号に基づいて確認し、正常に再生できていればステップ69でディジタルモード処理を行う。ディジタルモード処理では、ディジタル/アナログ検出部18は、第4のスイッチ21を切り換え、ディジタル信号処理ブロック17の出力(再生されたディジタル信号)がディジタル信号出力端子24に出力される。
また、アナログモードの指示があるときには、ディジタル/アナログ検出部18は、まず、スイッチ14を切り換えて第2の磁気ヘッド5、6の出力をFM音声信号処理ブロック16に入力する。そして、ステップ64においてアナログ映像信号処理ブロック15の出力するアナログ映像信号検出信号、再生映像信号、FM音声信号処理ブロック16が出力するアナログ音声信号検出信号、再生音声信号等を用いて、アナログ信号が正常に再生できているかを確認し、再生できていればステップ70にてアナログモード処理を行う。このアナログモード処理では、ディジタル/アナログ検出部18は、スイッチ19、スイッチ14及びスイッチ20を切り換え、映像及び音声の再生されたアナログ信号がそれぞれ映像信号出力端子22及び音声信号出力端子23へ出力される。
次に、ステップ65にて時間モード/未記録判定部12より、ディジタル/アナログ検出の指示があると判断されたときには、ディジタル/アナログ検出部18は、第2の磁気ヘッド5、6の出力がディジタル信号処理ブロック17へ入力されるようにスイッチ14を切り換え、ステップ66でディジタル信号処理ブロック17の出力するディジタル信号検出信号によりディジタル信号が磁気テープ1に記録されているかを判定し、ディジタル信号であると判定した場合は、ステップ62で再生された信号がディジタル信号であることを確認し、ステップ69でディジタルモードの信号処理を行う。
また、ディジタル/アナログ検出部18は、ステップ66でディジタル信号ではないと判定したときには、スイッチ14を切り換えて第2の磁気ヘッド5、6の出力をFM音声信号処理ブロック16に入力し、ステップ67でアナログ信号検出信号(アナログ映像信号検出信号及びアナログ音声信号検出信号)によりアナログ信号が磁気テープ1に記録されているかを判定し、アナログ信号と判定した場合には、ステップ64でアナログ信号が再生されていることを確認した後、ステップ70でアナログモード処理を行う。ここで、アナログ信号かどうかの判定を行ってからディジタル信号かどうかの判定を行っても良い。
一方、ディジタルモードの指示があるのにディジタル再生信号がない場合、アナログモードの指示があるのにアナログ信号を再生できない場合、ディジタル/アナログ検出の指示があるのにいずれの信号も再生できない場合、さらに、時間モード/未記録判定部12から指示がないときには、ディジタル/アナログ検出部18は、ステップ71で異常モードであることを時間モード/未記録判定部12に通知し異常モード処理を行う。異常モード処理ではスイッチ19、20、21をOFFに切り換え、各信号処理ブロック15、16、17の出力を各出力端子22、23、24に出力させない。また、時間モード/未記録判定部12から未記録または異常モードの通知がある時(ステップ68)にもステップ72でスイッチ19、20、21を切り換え、各信号処理ブロック15、16、17の出力を各出力端子22、23、24に出力させない。
ここで、ディジタル/アナログ検出部18が時間モード/未記録判定部12に異常モードであることを通知したとき、時間モード/未記録判定部12はもう一度時間モード/未記録の判定を行っても良いし、異常モードを認識し、例えば直前の時間モードを保持して磁気テープ1を走行させても良い。
なお、ディジタル信号及びアナログ信号の確認は必須のものではなく、ステップ62、64はなくても良い。
以上のように、ディジタル信号検出信号により磁気テープに記録された信号がディジタル信号か否かを判定し、アナログ信号検出信号により磁気テープに記録された信号がアナログ信号か否かを判定することにより、ディジタル/アナログの判定を確実にできる。
また、FM音声信号の再生とディジタル信号の再生を同一の磁気ヘッドで行い、コントロール信号に基づき時間モード及び未記録を判定し、安定した走行状態になった後、磁気テープに記録された信号がディジタル信号かアナログ信号かを判定することにより、簡単な構成でディジタル信号及びアナログ信号が記録された磁気テープを再生できる。
そして、アナログ映像信号検出信号のみをアナログ信号検出信号とする構成も可能である。この場合、アナログ信号検出信号生成用にアナログ映像用ヘッド(第1の磁気ヘッド)を、ディジタル信号検出信号生成用にディジタル/FM音声共用ヘッド(第2の磁気ヘッド)を専用化でき、FM音声信号処理系を動作させる必要がなくなるので、ノイズの混入を少なくでき、ディジタル/アナログ判定をより正確にできる。また、ディジタル/アナログ検出時に第1のスイッチ14を切り換える必要がなくなり、ディジタル検出とアナログ検出を略同時に行うことが可能になる。
さらに、アナログ音声信号検出信号のみをアナログ信号検出信号とする構成も可能である。この場合、再生されたFM音声信号とディジタル信号でディジタル/アナログ判定を行い、ディジタル信号/FM音声信号共用ヘッドのみでディジタル/アナログ判定が可能となり、アナログ映像信号処理系を動作させる必要がなくなり、判定時のノイズの混入防止や省電力化の効果がある。
なお、本実施形態ではアナログモードを検出する信号として、アナログ映像信号検出信号及びアナログ音声信号検出信号を用いたが、どちらか一方のみを用いることも可能である。例えば、FM音声信号が記録されていない可能性のある場合やディジタル記録されている信号によりFM音声信号検出が不正確になる場合等ではアナログ映像信号検出信号のみをアナログ信号検出信号として用いることにより検出精度を向上することが可能である。
また、ディジタル/アナログ検出指示があるときは、ディジタル及びアナログ信号検出信号により検出し各々判定されたモードの処理を行うとしたが、ディジタル/アナログ検出はディジタルまたはアナログ信号の再生エンベロープのレベル検出等で行い、ディジタル/アナログ判定後、再生されたディジタル信号またはアナログ信号を用いてより厳密に確認を行うことも可能であり、判定後に確認処理が必要にはなるが迅速かつ正確な判定が可能となる。
さらに、アナログ/ディジタル判定時及び確認時にトラッキング調整を行うことも可能であり、オートトラッキング等によりトラッキングを調整した後判定及び確認をしても良いし、判定後にディジタル/アナログの確認が必要にはなるが、判定時にはオートトラッキングを行わず確認時にオートトラッキングをすることによりディジタル/アナログ判定を高速化しても良い。
また、再生音声信号はFM音声信号を再生したものであるとしたが、リニアトラックに記録されるリニア音声信号等他の音声信号の再生が可能なときには、その信号を再生音声信号として出力しても良く、この時ディジタル/アナログ検出でアナログ信号検出信号として、この音声信号のレベルを検出したもの等を使用しても良い。
そして、第1のスイッチ14を用いず、第2の磁気ヘッド5及び6の出力をFM音声信号処理ブロック16及びディジタル信号処理ブロック17の両方へ入力することも可能であり、これによって構成を簡単にできる。
次に、ディジタル信号検出信号を生成する処理の例を図4、図5を用いて説明する。
図4はディジタル信号処理ブロック17の処理の一例を示すブロック図である。第2の磁気ヘッド5、6の出力は、第1のスイッチ14を経てディジタル信号処理ブロック17に入力され、再生アンプ101により増幅され、再生イコライズ及びAGC処理回路102、チャンネルデコーディング回路103により信号処理された後、誤り訂正復号器104によって復号が行われ、再生信号の誤りが訂正される。また、誤り訂正復号器104は、復号されたディジタル信号を第4のスイッチ21に出力し、エラーフラグ検出器105に対して再生信号の誤りを示すエラーフラグを出力し、エラーフラグ検出器105はエラーフラグの入力状況に基づいて再生状態を検出して(例えば、単位時間当たりのエラーフラグの数を計測して所定の数より少なければ正常であると判定する)正常にディジタル信号が再生できているときにはディジタル信号検出信号をディジタル/アナログ検出部18へ出力する。このとき、ディジタル信号検出信号生成部は再生アンプ101、再生イコライズ及びAGC処理回路102、チャンネルデコーディング回路103、誤り訂正復号器104及びエラーフラグ検出器105で構成される。
また、図5に示すように、チャンネルデコーディング回路103から信号を取り出し、シンク検出回路106でディジタル信号の同期信号を検出し同期信号の周期をチェックして正しく同期信号が再生できているかを判定し、この結果をディジタル信号検出信号として出力することも可能である。このとき、ディジタル信号検出信号生成部は再生アンプ101、再生イコライズ及びAGC処理回路102、チャンネルデコーディング回路103及びシンク検出回路106で構成される。
さらに、再生アンプ101の出力信号のエンベロープレベルを検出することによりディジタル信号検出信号を生成しても良い。
なお、誤り訂正復号器104の後にディジタル信号デコーダ回路を設け、アナログ映像信号および音声信号に変換して第4のスイッチ21に出力するように構成しても良い。
次に、アナログ信号検出信号について説明する。アナログ信号検出信号はアナログ映像信号検出信号とアナログ音声信号検出信号の2つからなり、磁気テープ1に記録されているアナログ信号が正常に再生できているかをどちらか一方または両方の信号によりディジタル/アナログ検出部18で検出する。図6はアナログ映像信号検出信号の生成処理を示すアナログ映像信号処理ブロック15の構成の一例である。第1の磁気ヘッド3、4の出力はプリアンプ111で増幅され、高域フィルタ112で再生輝度信号が、低域フィルタ113で再生クロマ信号が分離され、各々、再生輝度信号処理回路114及び再生クロマ信号処理回路115で復調され、加算器117で加算合成され、第2のスイッチ19に出力される。ここで、映像エンベロープ検出器116は、低域フィルタ113の出力エンベロープレベルを検出し、アナログ映像信号が正常に再生できているときにはアナログ映像信号検出信号を出力する。このとき、アナログ信号検出信号生成部はプリアンプ111、低域フィルタ113及び映像エンベロープ検出器116である。もちろん、検出するエンベロープはプリアンプ111等の出力でも良いし、再生輝度信号処理回路114でVシンク信号又はHシンク信号が正常に再生できたかを検出しアナログ映像信号検出信号を生成しても良い。
図7はアナログ音声信号検出信号を生成する処理を示すFM音声信号処理ブロック16の処理の一例である。第2の磁気ヘッド5、6の出力はプリアンプ121で増幅され、帯域通過フィルタ122で右FM音声信号と左FM音声信号とに分けられ、再生FM音声処理回路123により復調されて第3のスイッチ20へ出力される。エンベロープレベル検出器124は、帯域通過フィルタ122の出力のエンベロープレベルを検出し、正常にアナログ音声信号が再生されているときには、アナログ音声信号検出信号を出力する。このとき、アナログ信号検出信号生成部はプリアンプ121、帯域通過フィルタ122及びエンベロープレベル検出器124である。
ここで、エンベロープレベルの検出は右FM音声信号または左FM音声信号のどちらか一方で行っても良いし、両方を用いても良い。さらには、プリアンプ121の出力をエンベロープレベル検出し、アナログ音声信号検出信号を生成することも可能である。また、再生FM音声処理回路123中で再生音声信号が正常に復調できたかを検出しアナログ音声信号検出信号を生成しても良い。
次に、一つのカセットテープにディジタル信号とアナログ信号とが混在している場合や途中に未記録部分がある場合のモード検出処理について説明する。
図8は第1の実施形態のモード検出の一例を示した状態遷移図である。本実施形態では図2、図3を用いて説明したように磁気テープ1が未記録であることを示す未記録モード90、ディジタル信号が記録されていることを示すディジタルモード91、アナログ信号が記録されていることを示すアナログモード92、何らかの異常がある異常モード93の4つのモードを有する。
まず、磁気テープ1の未記録領域を磁気ヘッドが走査しているとき、VTRの使用者が再生を指示すると、時間モード/未記録判定部12はコントロール信号が検出されないことにより未記録であることを判定し、テープ走行制御部13は、例えばSPモードで磁気テープ1を走行させ、コントロール信号が再生されるまで、この未記録モードを保持する。磁気テープ1の未記録領域が終わりコントロール信号が再生され始めると状態94に移行し、時間モード/未記録判定部12は時間モードを判定し、テープ走行制御部13は判定された時間モードの速度・位相で磁気テープ1を走行させる。このようにして時間モードが決定された後、状態95でディジタル/アナログ検出部18により磁気テープ1に記録されている信号がディジタル信号かアナログ信号かを判定し、状態96または97でディジタル信号またはアナログ信号を確認し各々のモード状態91、92に移行する。これらの検出処理の詳細は図2及び図3を用いて説明したのと同様であり、状態95、96、97は図3を用いて説明したディジタル/アナログ検出処理に相当する。ここで、状態91及び92中では各々再生したディジタル信号及びアナログ信号の有無を監視しているので、状態96、97はなくても良い。
また、磁気テープ1に記録されたディジタル信号が正常に再生されているディジタルモードから他のモードへ移行するときには、ディジタル信号検出信号が無くなることにより磁気テープ1上のディジタル信号が記録されていたディジタル信号記録領域が終わったことをディジタル/アナログ検出部18は、認識する。ディジタル信号記録領域の終端を認識することにより、ディジタルモードから状態94へ移行し、時間モード/未記録判定部12は、時間モード/未記録の判定を行う。ディジタル信号記録領域後の領域で、コントロール信号が再生できないときには未記録モードへ移行し、時間モードが判定されたときにはディジタル/アナログ判定を行う状態95へ移行する。同様にして、アナログ信号記録領域の終端はアナログ信号検出信号が無いことで判定し、アナログモードから状態94へ移行する。
また、異常モードへの遷移は図2、図3を用いて説明した条件のもとで行い、状態95、96、97から移行する。ここで、異常モードの処理は任意であり、未記録モードの処理と同じとしてもよいし、時間モード(磁気テープ1の走行速度・位相)は直前のモードを保持してもよい。
このように、コントロール信号により時間モード/未記録を判定した後、再生されたディジタル信号またはアナログ信号によりディジタル/アナログ判定を行うことにより、磁気テープにディジタル信号及びアナログ信号が混在している場合や途中に未記録領域がある場合でもディジタル/アナログのモード判定を確実に行うことができる。
なお、ディジタル信号記録領域およびアナログ信号記録領域中では、時間モードが同一で各々ディジタルまたはアナログ信号が記録されていれば複数のプログラムが連続またはつなぎ撮り記録されていてもかまわない。また、つなぎ撮り記録等でトラッキングがずれる場合にはディジタルまたはアナログモード内で信号レベルの悪化を検出しオートトラッキング等により磁気テープ1の位相を調整し直しても良い。
そして、ディジタル信号記録領域/アナログ信号記録領域後の領域が未記録や直前の領域と異なる時間モードである時には、ディジタル信号記録領域/アナログ信号記録領域の終端をコントロール信号で判定することも可能であり、再生信号と併用することにより確実性を高めることができる。
また、図9にディジタル信号を再生する時間モードが一つしかない場合の状態遷移図を示す。ディジタル/アナログ検出部18は、ディジタル信号記録領域の終端をディジタル信号検出信号で判定し、ディジタル信号記録領域後の領域において、状態98でコントロール信号によりディジタルモードを含まない時間モードが決定できたときには磁気テープ1にアナログ信号が記録されていると判定することが可能である。また、ここでコントロール信号が再生できないときは未記録と判定できる。よって、状態98でコントロール信号により磁気テープ1にアナログ信号が記録されているか否かを検出することにより、ディジタルモードからアナログモードへの遷移を迅速に行うことができる。また、同様にして、アナログ信号を再生する時間モードがひとつしかない場合には、アナログモードからディジタルモードへの遷移を高速化することも可能である。
このように、ディジタル信号またはアナログ信号が記録されているモードがひとつしかない場合にはコントロール信号のみでディジタル信号またはアナログ信号記録領域後の領域に記録されている信号がアナログ信号かまたはディジタル信号かを迅速に判定できる。
以上のように、コントロール信号により時間モード/未記録を判定した後、再生されたディジタル信号またはアナログ信号によりディジタル/アナログ検出を行うことにより、ディジタル/アナログのモード判定を常に正確に行うことができる。
以下本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。ここでは、ディジタル/アナログ検出部18がディジタル信号検出信号又はアナログ信号検出信号のどちらか一方で判定する場合について述べる。
図10、図11はディジタル信号検出信号のみで検出を行う場合の例である。図10において、第2の磁気ヘッド5、6の出力はFM音声信号処理ブロック16及びディジタル信号処理ブロック17に送られる。この信号からディジタル信号処理ブロック17内のディジタル信号検出信号生成部でディジタル信号検出信号を生成し(生成処理は第1の実施形態と同様)、この信号によりディジタル/アナログ検出部18は再生信号がディジタル信号かアナログ信号かを判定する。ここで、ディジタル信号処理ブロック17内のディジタル信号検出信号生成部は、アナログ信号再生中も常に動作し、磁気テープ1に記録された信号がアナログ信号からディジタル信号に変化した場合でも迅速にディジタル/アナログ判定を行うことが可能である。
図11はディジタル/アナログ判定時の動作を示すフローチャートである。なお、時間モード/未記録判定処理は、図2と同じである。ステップ81でディジタル/アナログ検出指示の有無を判定し検出指示が有る場合には、ステップ82でディジタル信号検出信号を用いて磁気テープ1上にディジタル信号またはアナログ信号のいずれが記録されているかを検出する。ここで、ディジタル信号検出信号によりディジタル信号が記録されていると検出した場合には、ステップ84でディジタル信号を確認した後、処理69でディジタルモードの処理を行い、ステップ82でディジタル信号検出信号がないときには、アナログ信号であると判断しステップ86でアナログ信号が正常に再生されているかを確認する。アナログ信号が確認できたときにはステップ70でアナログモード処理を行い、ステップ86でアナログ信号が確認できないとき及びステップ84でディジタル信号が確認できないときにはステップ71で異常モードの通知及び処理を行う。
また、ディジタルモードやアナログモードの指示、未記録または異常モードの指示があるときはステップ83、85、87で図3で述べたのと同様に処理される。ここで、ステップ84、86でのディジタル信号又はアナログ信号が正常に再生できているかの確認方法は任意であり、映像出力信号や音声出力信号で確認すればよいし、さらには、確認をしなくても良い。
また、アナログ信号検出信号のみを用いても同様にして検出可能である。図12はアナログ信号検出信号のみを用いて、磁気テープ1に記録されている信号がディジタル信号かアナログ信号かの判定を行う場合の一例である。ここでは、FM音声信号の有無によりディジタル/アナログ判定を行う場合を示す。
図12において、第2の磁気ヘッド5、6の出力はFM音声信号処理ブロック16及びディジタル信号処理ブロック17に送られる。この信号からFM音声信号処理ブロック16内のアナログ信号検出信号生成部は、アナログ信号検出信号を生成し(生成方法は第1の実施形態と同様)、この信号によりディジタル/アナログ検出部18は再生信号がディジタル信号かアナログ信号かを判定する。ここで、FM音声信号処理ブロック16内のアナログ信号検出信号生成部は、ディジタル信号再生中も常に動作し、磁気テープ1に記録された信号がディジタル信号からアナログ信号に変化した場合でも迅速にディジタル/アナログ判定を行うことが可能である。また、ディジタル/アナログ検出時の動作は図11と同様であるので説明を省略する。もちろん、FM音声信号処理ブロック16内のアナログ信号検出信号生成部の代わりにアナログ映像信号処理ブロック15内のアナログ信号検出信号生成部を用いても良い。
図13はアナログ映像信号用に複数の磁気ヘッドを搭載する場合の例である。ここで、25、26は長時間モード用磁気ヘッドであり、第1の磁気ヘッド3、4よりもギャップ幅が狭く、狭トラック(LPモード、EPモード)でも隣接クロストークの少ない再生が可能である。長時間モード用磁気ヘッド25、26の出力と第1の磁気ヘッド3、4の出力は第5のスイッチ28により切り換えられ、アナログ映像信号処理ブロック15に送られる。また、第1の磁気ヘッド3、4の出力はアナログ信号検出信号生成部27にも出力され、アナログ信号検出信号生成部27が生成するアナログ信号検出信号を用いて、ディジタル/アナログ検出部18は磁気テープ1に記録されている信号がディジタル信号かアナログ信号かの判定を行う。ここで、アナログ信号検出信号生成部27は図6を用いて説明したアナログ信号検出信号生成部と同様のものである(例えば、アナログ再生信号中のHシンクを検出する)。このアナログ信号検出信号生成部27はディジタルモードやアナログ信号を再生する狭トラックの時間モード(LP,EPモード)でも常に動作し、磁気テープ1に記録されている信号がディジタル信号かアナログ信号かを常に監視する。このようにギャップ幅の広い磁気ヘッドを用いることで、狭トラックの時間モードでもオントラックする確率が大きくなり、正確なトラッキングをしなくてもアナログ信号か否かの検出を正確に行うことが可能になる。
以上のように、再生されたディジタル信号またはアナログ信号のどちらか一方で、磁気テープに記録された信号がディジタル信号かアナログ信号かを判定することも可能であり、1回の検出でディジタル/アナログの判定を行え、検出が容易になるとともに、構成を簡略化できる。さらに、検出時には検出に使用しない信号処理系を停止させることで、ノイズの混入を減少でき、正確なディジタル/アナログ判定が可能となる。
以下本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。ここで、本実施形態における再生装置のブロック図、時間モード/未記録の判定処理及び状態遷移は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。図14(c)は本実施形態のディジタル信号記録時のトラックパターンであり、リニア領域50に記録されているコントロール信号の位相は図14(a)に示すFM音声信号記録時のトラックパターンと異なり、位相が180度ずれている。図14(d)は本実施形態のヘッドスイッチ信号(HSW)と再生コントロール信号(CTL)の関係を表すタイミング図である。ここで、第1の磁気ヘッド用HSW、第2の磁気ヘッド用HSW及びアナログ再生時のCTLは第1の実施形態でも同じであるが、第1の実施形態では、図14(d)に示す第3の実施形態とは異なり、ディ
ジタル再生時のCTLとアナログ再生時のCTLは同様のものとなる。また、HSWは回転シリンダ2の回転に同期した信号であり、周波数はシリンダの回転数と同一である。さらに、回転シリンダ上の第1の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドの取付け位置の角度分だけ、第1の磁気ヘッド用HSWと第2の磁気ヘッド用HSWの位相は異なる。そして、CTLは磁気テープ1を走行させ、磁気テープ1のリニア記録領域50に記録されたコントロール信号を固定ヘッド7により再生した再生波形である。ここで、磁気テープ1の走行速度はディジタル信号記録時再生とアナログ信号再生時で同一であるとして説明する。
まず、アナログ信号が記録された図14(a)に示すラックパターンの磁気テープ1を、図14(d)に示すアナログ再生時のCTLの位相で走行させると、Rアジマス角の第2の磁気ヘッド5は磁気テープ1上のRアジマス角のトラック上を、Lアジマス角の第2の磁気ヘッド6はLアジマス角のトラックを走査し、トラックに記録されたFM音声信号を再生する。この時、第1の磁気ヘッドも同様にして、各磁気ヘッドが各々同じアジマス角のトラック上を走査し、アナログ映像信号を再生する。これは第1の実施形態でも同様である。
次に、本実施形態において、ディジタル信号が記録された図14(c)に示すトラックパターンの磁気テープ1を、第1の実施形態と同様に、図14(d)に示す第2の磁気ヘッド用HSWとアナログ再生時のCTLとの関係を保つ位相で走行させる場合を考えると、Rアジマス角の第2の磁気ヘッド5は磁気テープ1上のLアジマス角のトラック上を、Lアジマス角の第2の磁気ヘッド6はRアジマス角のトラックを走査し、アジマス損失によってトラックに記録された信号を再生できない。(一方、第1の実施形態では、ディジタル信号再生時のCTLとアナログ信号再生時のCTLとが同一であるので、信号は再生されてしまう。)
このように、FM音声信号記録時とディジタル信号記録時でコントロール信号の位相を異ならせることにより、ディジタル信号の再生ができない再生装置にディジタル記録した磁気テープをかけたときに不快な雑音(ビート音等)が再生されるのを防ぐことが可能である。
よって、ディジタル信号が記録された図14(c)に示すトラックパターンの磁気テープ1を再生するときには、まずVTR全体の制御部からディジタルモードで磁気テープ1を走行させるようにテープ走行制御部13へ指令が送られる。テープ走行制御部13が磁気テープ1の走行時の位相を図14(d)に示すディジタル再生時のCTLと同一の位相に設定(位相基準を設定)し、磁気テープ1を所望の位相・速度で走行させる。よって、各磁気ヘッド5、6は各々同じアジマス角のトラック上を走査し、記録されたディジタル信号を再生できる。
図15は本発明の第3の実施形態のディジタル/アナログ判定の処理を示した処理フローであり、図3と同一の処理には同一の符号を付し説明を省略する。ここで、時間モード/未記録判定部12よりディジタル/アナログ検出指示が有ることをステップ65で認識すると、ステップ73において、ディジタル/アナログ検出部18は磁気テープ1の位相をディジタルモードに変更するようにテープ走行制御部13に対して指令を出す。この指令により、テープ走行制御部13は図14(c)に示したRアジマス角のトラック上をRアジマス角の第2の磁気ヘッド5が、Lアジマス角のトラック上をLアジマス角の第2の磁気ヘッド6が各々走査するように磁気テープ1の位相基準を変更する。
ここで、時間モード/未記録判定部12において時間モードを判定した後、ディジタル/アナログ検出指示を出すと共に、磁気テープ1がディジタルモードの速度・位相で走行するように指令を出せばステップ73は無くても良い。
次に、ステップ66でディジタル信号検出信号の有無を検出し、ディジタル信号検出信号があるときには、ステップ62でディジタル信号を確認し、ディジタル信号が正常に再生されている場合には処理69でディジタルモードの処理を行う。そして、ステップ66でディジタル信号検出信号がないときには、テープ走行制御部13に対して指令を出しステップ74で磁気テープ1の位相基準をアナログモードに変更して、ステップ67でアナログ信号検出信号の有無によりアナログ信号が記録されているかを検出し、アナログ信号検出信号があるときにはステップ64でアナログ信号を確認してステップ70でアナログモード処理を行う。また、ステップ62でディジタル信号が確認できなかったとき、ステップ67でアナログ信号検出信号がないとき及びステップ64でアナログ信号が確認できなかったときにはステップ71で異常モードの通知及び処理を行う。
ここで、ディジタル信号/アナログ信号の確認は必須のものではなく、ステップ62及びステップ64はなくても良い。
以上のように、コントロール信号により時間モード/未記録を判定した後、ディジタル/アナログ検出部において磁気テープの位相を調整し、ディジタル信号検出信号またはアナログ信号検出信号によりディジタル/アナログ判定を行うことにより、ディジタル信号記録時とアナログ信号記録時でコントロール信号の位相が異なっている場合でもディジタル/アナログのモード判定を確実に行うことができる。
なお、位相基準を変更してディジタルまたはアナログ信号検出信号を検出する際に、オートトラッキングを行い最適なトラッキング位置に磁気テープ1の位相を固定した後にディジタル信号またはアナログ信号を検出しても良いし、位相基準を変更せずオートトラッキングを行い、最適なトラッキング点を検出して磁気テープ1の位相を決定した後検出を行っても良い。
また、本実施形態ではディジタル信号検出信号及びアナログ信号検出信号を用いたが、第2の実施形態で述べたようにどちらか一方のみでもディジタル/アナログ判定が可能である。
また、図13で説明したように、トラックピッチよりも幅広なギャップ幅を有する磁気ヘッド(例えば、トラックピッチの2倍以上のギャップ幅を有する磁気ヘッド)を用いれば、本実施形態で述べたような位相基準の変更なしにアナログ信号検出信号を生成可能であり、位相基準の変更が不要になり、ディジタル/アナログ判定を高速化できる。
さらに、本実施形態ではディジタル信号記録時とアナログ信号記録時でコントロール信号の位相が異なっている場合について述べたが、ディジタル信号記録時とアナログ信号記録時で回転シリンダの回転数が異なる場合等でもステップ73、74で回転シリンダの回転数を変更することにより、正確なディジタル/アナログ判定が行える。
以下本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
第3の実施形態のように、ディジタル信号の記録時とFM音声信号記録時でコントロール信号の位相が異なっていると、ディジタル/アナログ検出時に磁気テープの位相基準を変更する必要があり、検出に時間がかることがある。一般に、カセットテープを管理する場合、ひとつのカセットテープ中にディジタル及びアナログ信号の記録を混在させることは少ないので、磁気テープ1中に未記録領域がある場合には未記録領域直前の再生モードを優先してディジタル/アナログの検出を行うことにより判定時間の短縮が可能である。ここで、再生モードは磁気テープ1に記録されている信号がディジタル信号かアナログ信号かを示すものであり、ディジタルモードとアナログモードの2種類が存在する。
また、ひとつのカセットテープ中に複数の時間モードでの記録を混在させることも少ないので、磁気テープ1中に未記録領域がある場合には未記録領域直前の時間モードを優先して検出を行うことにより判定時間を短縮することも可能である。
図16に磁気テープ中に信号が記録された領域と未記録領域とが混在している例を示す。磁気テープ1上にディジタル信号が記録されているディジタル信号記録領域151の後に未記録領域152が、未記録領域152の後にディジタル信号記録領域153が存在する。図17は本実施形態における再生装置のブロック図である。図1と同一のブロックについては同一の符号を付し説明を省略する。ここで、時間モード記憶部171は時間モード/未記録判定部12で判定された結果を蓄え、再生モード記憶部172はディジタル/アナログ検出部18での判定結果を蓄える。
図18および図19は、それぞれ本実施形態における時間モード/未記録判定処理およびディジタル/アナログ判定処理のフローチャートである。図18に示す時間モード/未記録判定処理は第1の実施形態の図2と同様であるが、異なる点は図18においてステップ32、34、36にて時間モード検出後ステップ181、182、183にてそれぞれの時間モード情報を時間モード/未記録判定部12が出力し時間モード記憶部171に記憶する点である。その他の処理は図2を用いて説明した内容と同様であるので省略する。
また、図19に示すディジタル/アナログ判定処理は図15を用いて説明した内容と同様であるが、異なる点はステップ62にてディジタル信号確認後ステップ191にてディジタル/アナログ検出部から出力された再生モード情報(ディジタルモード)を再生モード記憶部172が蓄える点、およびステップ64にてアナログ信号確認後ステップ192にてディジタル/アナログ検出部から出力された再生モード情報(アナログモード)を再生モード記憶部172が蓄える点である。これにより、例えばディジタル信号記録領域151を走査しているときには、時間モード記憶部には「LPモード」という情報が、再生モード記憶部には「ディジタルモード」という情報が記憶される。次に未記録領域に進んだ時には、未記録状態であると判定され未記録モード処理がなされる。時間モード記憶部171および再生モード記憶部172に蓄えられた情報は、その前の情報「LPモード」、「ディジタルモード」が保持される。
次に、ディジタル信号記録領域153に入った場合の処理について図20および図21を用いて説明する。ディジタル信号記録領域153に入ると、時間モード/未記録検出部12は未記録領域が終了したことをコントロール信号により検出した後、時間モード記憶部171に記憶してある時間モードを優先して検出する。例えば、記憶されていた内容が「LPモード」であれば、ステップ201、ステップ202を通過した後、ステップ203からステップ237に進む。未記録領域を走行中の速度はLPモードの速度であるとは限らないため、ステップ237にて時間モード/未記録判定部12はテープ走行制御部13に対して、磁気テープ1をLPモードの速度で走行させる指示を出力する。次にステップ206に進み、LPモードであるか否かの検出が行われる。LPモードであることが検
出されたなら、ステップ209に進み図18においてLPモードが検出された場合と同じ処理を行う。ステップ206にてLPモードでなかった場合は、ステップ210に進み従来と同様の時間モード検出処理を行う。ただし、時間モード記憶部171に記憶されている時間モード(この場合はLPモード)であるかどうかの判定は行わなくてもよい。
検出結果がディジタル及びアナログ記録再生可能な時間モードであれば、ディジタル/アナログ検出部18に対しディジタル/アナログ検出指示を出力する。ディジタル/アナログ検出部18は再生モード記憶部172に記憶してある再生モードを優先して検出する。例えば、記憶されていた内容が「ディジタルモード」であれば、ステップ211からステップ213に進み磁気テープの位相をディジタルとし、ステップ214にてディジタルモードであるか否かの検出が行われる。もちろん、時間モード記憶部171に記憶された時間モードでテープを走行させる際に、再生モード記憶部172に記憶された再生モードの位相で磁気テープ1を走行させてもよい。ディジタルモードであることが検出されたなら、ステップ217に進み図19のディジタルモード処理を行う。ステップ214にてディジタルモードでないと検出された場合は、ステップ219に進み従来と同様の再生モード検出処理を行う。
時間モード記憶部171の内容がSPモードおよびEPモードの場合や再生モード記憶部172の内容がアナログモードの場合も上記と同様の処理がなされ、記憶されたモードについて優先して検出処理がなされる。
このように、未記録領域直前の時間モード及び再生モードを記憶し、未記録領域後の信号記録領域で記憶した時間モード及び再生モードを優先して検出することにより、モード判定に要する時間を少なくできる。また、アナログ信号記録領域、未記録領域、アナログ信号記録領域と磁気テープ1上に記録されている場合にも未記録領域直前の時間モード及び再生モードを優先して検出することにより判定を高速化できる。
もちろん、再生モードまたは時間モードのいずれかのみを優先して検出するとしても良い。例えば、ディジタル信号を記録再生する時間モードが複数有る場合には、未記録領域後の信号記録領域の時間モードがディジタル及びアナログ記録可能な時間モードで有れば、たとえ未記録領域直前の時間モードと異なっていても、未記録領域直前の再生モード(ディジタルモード)を優先して検出することにより、記録されている可能性の高い再生モードを迅速に検出できる。
なお、未記録領域中でも未記録領域直前の再生モード(磁気テープ1の位相)を保持することにより、未記録領域の前後で再生モードが不変であれば、磁気テープ1の位相を変える必要が無くなり、未記録領域後の信号記録領域での検出をさらに高速化できる。また、時間モードに対しても同様で有り、検出時間を短縮できる。
そして、未記録領域中では直前の再生モードにかかわらず、磁気テープを存在する時間モード中で最高速のモードで走行させることにより未記録領域のスキップを高速化できる。もちろん、2倍速、3倍速等高速で磁気テープを走行させても良い。
また、本実施形態では、未記録領域152からディジタル信号記録領域153に入った場合、各時間モードを検出するステップ204、205、206の前にステップ233、235、237において時間モード/未記録判定部12はテープ走行制御部13に対して、時間モード記憶部171に記憶された時間モードの速度で磁気テープ1を走行させる指示を出力するとしたが、未記録領域152での走行速度を保持したままで最初にそれぞれの時間モードを検出し、記憶された時間モードと同じ時間モードが検出された後で磁気テープ1をそれぞれの時間モードの速度で走行させる指示を発行してもよい。
さらに、ここで述べた未記録領域直前の再生モードや時間モードを優先してディジタル/アナログの判定や未記録及び時間モードの判定を行う方法は第1、第2および第3の実施形態にも適用可能である。
以上のように、未記録領域直前の再生モードを記憶し未記録領域後の信号記録領域で記憶した再生モードを優先して検出することにより、モード判定を迅速に行うことが可能となる。