JP3983580B2 - タッチパネル用透明導電性フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐ペン摺動性、耐薬品性、耐候性に優れた透明タッチパネル等に用いられる透明導電性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CRTやLCDなどの表示装置上に配置されて表示を見ながら指やペン等で押さえることによりデータや指示・命令を入力できる透明タッチパネルが普及している。従来はタッチパネル等の基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアクリル樹脂などからなるアンダーコート(UC)を積層し、その上に透明導電膜としてインジウムと錫の複合酸化物(ITO)を成膜した透明導電性フィルムが用いられてきた。しかし、ITOとハードコートの密着が悪いと、ITOの耐ペン摺動性や耐屈曲性が悪くなり実使用上の問題があった。
さらに、耐ペン摺動性等の耐久性が高いITO膜を得るには、結晶質のITO膜をフィルム上に積層させる必要がある。結晶質のITO膜を得るには、特開昭61−79647号、特開2000−127282号等に記載されているように低温で製膜した後加熱処理しなければならない。しかし、ガラス転移温度の低いUCでは成膜工程での熱でUC表面がひずみ、室温に戻したときにITOとの密着が悪くなり、安定した導電膜が得られないことや、タッチパネル組立工程での銀電極の焼成でITO抵抗値が安定しにくいという不具合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ITOとの密着力があり、かつガラス転移温度が高いハードコートを積層することでITOを高結晶に加工できるタッチパネル用透明導電フィルムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1) フィルムの少なくとも片面に、ガラス転位温度が150℃以上の、(メタ)アクリレートを主成分とする樹脂組成物を架橋して成るハードコート層を積層し、該ハードコート層の上にインジウム・スズ酸化物からなる透明導電膜を成膜したタッチパネル用透明導電性フィルム。
(2) 前記(メタ)アクリレートが少なくともイソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレートを含むものである(1)のタッチパネル用透明導電性フィルム。
(3) 前記樹脂組成物におけるイソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレートの含有量が40wt%以上である(2)のタッチパネル用透明導電性フィルム。
である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるフィルム基板は特に限定されるものではなく熱可塑性ポリエステル、芳香族ポリエーテルスルホン、熱可塑性芳香族ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、環状ポリオレフィン、ポリカーボネイト、及びそのコポリマー等があげられる。また、これらのフィルムは滑剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、顔料、染料、無機質充填剤などを適宜ブレンドしても良い。また、高度の耐ペン摺動性が要求される用途では、インジウム・スズ酸化物が結晶化しやすい150℃以上のガラス転移温度を有していることが好ましく、タッチパネル製造上、耐熱性、透明性、加工性、耐衝撃性のバランスの良いポリエーテルスルホンが特に好ましい。
ハードコートは、ガラス転位温度が150℃以上の、(メタ)アクリレートを主成分とする樹脂組成物であれば特に限定はしないが、特にイソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレートを含むことが望ましい。樹脂ワニス中に含まれるイソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレートは樹脂成分の40wt%以上であることが望ましい。イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレートが40wt%以上であればITOとハードコートの密着がさらに良好と成り、ITOの耐ペン摺動性や耐屈曲性が向上する。さらにハードコートのガラス転移温度も上がるので、ITOの高温成膜により高結晶化が期待できる。該樹脂ワニスに含まれるイソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート以外の樹脂としては、紫外線硬化性樹脂ならば特に制限するものでなく、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、これらの樹脂は2種類以上を混合して用いても良い。
本発明のハードコートは、樹脂ワニスを塗布し、加熱乾燥後、光により硬化させることで積層できる。
【0006】
フィルム基板上にインジウム・スズ酸化物からなる透明導電膜を積層させる方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CDV法等が挙げられるが特に限定はしない。
【0007】
【実施例】
(実施例1)
ポリエーテルサルフォンフィルム(厚み200μm)の片面上に、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート50重量部、光重合開始剤として、イルガキュアー907(チバスぺシャリティケミカルズ製)2重量部、酢酸ブチル48重量部の混合液をグラビアコート法により塗布し、120℃で5分間加熱して溶媒を除去後、高圧水銀灯を用いて紫外線を350mJ/cm2照射し、厚さ4μmのハードコート層を形成した。ハードコート層のガラス転移温度は240℃であった。
180℃に加熱した状態でハードコートを施したフィルム面上にDCマグネトロン法により初期真空度3×10-4Paに引き、酸素/アルゴンガス4%の混合ガスを導入し、1×10-1Paの条件下において成膜し、In/In+Snの原子比が0.98であるIn2O3、SnO2からなる酸化物の導電性層を得た。測定の結果、表面抵抗は230Ω/□であり、膜厚は30Åであった。
このようにして得られた透明導電フィルムを用いて、アナログ式タッチパネルを作成した。耐ペン摺動性試験で10万回(荷重:2.2N)摺動したところ、抵抗変化率R/R0は1.1であった。
【0008】
(実施例2)
ポリカーボネートフィルム(厚み200μm)の片面上に、ハードコートとしてイソシアヌル酸EO変性トリアクリレート40重量部、エポキシアクリレート6重量部、ウレタンアクリレート4重量部、光重合開始剤として、イルガキュアー907(チバスぺシャリティケミカルズ製)2重量部、酢酸ブチル48重量部の混合液をグラビアコート法により塗布し、120℃で5分間加熱して溶媒を除去後、高圧水銀灯を用いて紫外線を350mJ/cm2照射し、厚さ4μmの保護層を形成した。ハードコートのガラス転移温度は230℃であった。
150℃に加熱した状態でハードコートを施したフィルム面上にDCマグネトロン法により初期真空度3×10-4Paに引き、酸素/アルゴンガス4%の混合ガスを導入し、1×10-1Paの条件下において成膜し、In/In+Snの原子比が0.98であるIn2O3、SnO2からなる酸化物の導電性層を得た。測定の結果、表面抵抗は230Ω/□であり、膜厚は30Åであった。
このようにして得られた透明導電フィルムを用いて、アナログ式タッチパネルを作成した。耐ペン摺動性試験で10万回(荷重:2.2N)摺動したところ、抵抗変化率R/R0は1.2であった。
【0009】
(比較例1)
ポリエステルフィルム(厚み188μm)の片面上に、ハードコートとして、エポキシアクリレート30重量部、ウレタンアクリレート20重量部、光重合開始剤として、イルガキュアー907(チバスぺシャリティケミカルズ製)2重量部、酢酸ブチル48重量部の混合液をグラビアコート法により塗布し、120℃で5分間加熱して溶媒を除去後、高圧水銀灯を用いて紫外線を350mJ/cm2照射し、厚さ4μmの保護層を形成した。ハードコートのガラス転移温度は140℃であった。
150℃に加熱した状態でハードコートを施したフィルム面上にDCマグネトロン法により初期真空度3×10-4Paに引き、酸素/アルゴンガス4%の混合ガスを導入し、1×10-1Paの条件下において成膜し、In/In+Snの原子比が0.98であるIn2O3、SnO2からなる酸化物の導電性層を得た。測定の結果、表面抵抗は230Ω/□であり、膜厚は30Åであった。
このようにして得られた透明導電フィルムを用いて、アナログ式タッチパネルを作成した。耐ペン摺動性試験で10万回(荷重:2.2N)摺動したところ、抵抗変化率R/R0は5.7であった。
【0010】
【発明の効果】
本発明により、ITOとの密着力があり、かつガラス転移温度が高いハードコートをもつことでITOを高結晶に加工できるタッチパネル用透明導電フィルムを提供することができる。
Claims (1)
- フィルムの少なくとも片面に、ガラス転位温度が150℃以上の、(メタ)アクリレートを主成分とし、該(メタ)アクリレートが少なくともイソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレートを含むものであり、該イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレートの含有量が40wt%以上である樹脂組成物を架橋して成るハードコート層を積層し、該ハードコート層の上にインジウム・スズ酸化物からなる透明導電膜を成膜したタッチパネル用透明導電性フィルム。
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