JP2009190307A - 電鋳金型の製造方法 - Google Patents

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隆人 稲宮
Hideaki Takenouchi
秀章 竹之内
Eizo Kaida
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Abstract

【解決手段】所定の凹凸パターンが形成された母型モールドの該凹凸パターンに、紫外線硬化型樹脂組成物からなる転写面を有する転写材の該転写面を接触させ、該転写面を紫外線硬化させて転写材に上記凹凸パターンに対応した凸凹面を形成し、次いで、該凸凹面を有する上記転写材の表面に無電解めっき及び電鋳を行うようにした電鋳金型の製造方法において、上記転写材が、上記転写面を有する転写層、基材層及びハードコートの3層構造を有し、かつ上記ハードコート層は、ガラス転移温度が120℃以上、波長365nmにおける紫外線透過率が30%以上及び鉛筆硬度が2H以上である材料にて形成されることを特徴とする電鋳金型の製造方法。
【効果】本発明の製造方法によれば、無電解めっきプロセス中においても凸凹面を有する転写層が変形したり膨潤することがなく、凸凹面に形成されるめっき皮膜を均一に形成することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種の光情報記録媒体の記録面を成形するのに使用されるニッケルモールド等の電鋳金型の製造方法に関するものである。
DVD等の光情報記録媒体の情報面を成形するためには、従来よりニッケル(Ni)電鋳による型取り技術が利用されている。この電鋳技術により作製した1個のスタンパーから数万から数十万以上のDVD等の光情報記録媒体を複製することができる。即ち、スタンパーを作製するには、一般的には、ガラス材等の基材表面に光情報記録媒体の情報パターンに対応する微細な凹凸面を成形したガラス原盤をマスターとして用い、これに導電膜を形成し、ニッケル等の金属による電鋳を行い、光情報記録媒体用のスタンパー(電鋳金型)を製造する。
上記スタンパーの作製方法については種々提案されており、例えば、特開昭54−40239号公報(特許文献1)、特開昭59−173288号公報(特許文献2)及び特開平8−287529号公報(特許文献3)等が挙げられる。
また、本願出願人が先に提案した特開2007−291339号公報(特許文献4)には合成樹脂製の転写材を用いた技術がある。即ち、この技術は、光硬化型転写材をスタンパーに押圧し、この状態で光照射により硬化し、スタンパーを硬化した光硬化型転写材から除去することにより、微細な凹凸パターンを光硬化型転写材に形成するものである。
しかしながら、後工程として電鋳を行うために光硬化型転写材の凹凸パターン表面には無電解めっきの前処理が行われるものであり、そのめっきプロセス中に上記転写材が膨潤してしまい、微細な凹凸パターンに歪みが生じてしまい、所望の電鋳モールドが得られない場合が生じるという不具合がある。
特開昭54−40239号公報 特開昭59−173288号公報 特開平8−287529号公報 特開2007−291339号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、無電解めっきプロセス中に転写材に施された凸凹面が変形することがなく、母型モールドに形成されたと同じ凹凸パターンを有する電鋳金型を高精度かつ確実に得ることができる電鋳金型の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、紫外線硬化型樹脂組成物からなる転写材の転写面に所望の凹凸パターンと相応する凹凸面を形成し、その表面に無電解めっき膜を介して電鋳を行い、電鋳金型を作製する場合に、使用する樹脂製転写材を、転写面を有する転写層、基材層及びハードコート層との3層構造とし、基材層の表面に転写層が、基材層の裏面にハードコート層がそれぞれ具備するようにし、かつ上記ハードコート層を、ガラス転移温度が120℃以上、波長365nmにおける紫外線透過率が30%以上及び鉛筆硬度が2H以上である材料にて形成した場合、無電解めっきプロセス中においても凸凹面を有する転写層が変形したり膨潤することがなく、凹凸面に形成されるめっき皮膜を均一に形成することができ、高精度の電鋳金型を確実に製造することを見出し、本発明の製造方法を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、所定の凹凸パターンが形成された母型モールドの該凹凸パターンに、紫外線硬化型樹脂組成物からなる転写面を有する転写材の該転写面を接触させ、該転写面を紫外線硬化させて転写材に上記凹凸パターンに対応した凸凹面を形成し、次いで、該凸凹面を有する上記転写材の表面に無電解めっき及び電鋳を行い、上記転写材を除去することにより、上記所定の凹凸パターンと同じ凹凸を有する電鋳金型を得る電鋳金型の製造方法において、上記転写材が、上記転写面を有する転写層、基材層及びハードコートの3層構造を有し、基材層の表面に転写層が、基材層の裏面にハードコート層がそれぞれ設けられており、かつ上記ハードコート層は、ガラス転移温度が120℃以上、波長365nmにおける紫外線透過率が30%以上及び鉛筆硬度が2H以上である材料にて形成されることを特徴とする電鋳金型の製造方法、特に、上記ハードコート層がウレタンアクリレートオリゴマーを主材として形成される電鋳金型の製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、無電解めっきプロセス中においても凸凹面を有する転写層が変形したり膨潤することがなく、凸凹面に形成されるめっき皮膜を均一に形成することができ、高精度の電鋳金型を確実に製造することができる。
以下、本発明の製造方法につき更に詳しく説明する。
本発明は、紫外線硬化型樹脂組成物からなる転写層を用いて最終的に電鋳金型を成形するものである。即ち、一面にハードコート層を積層してなる基材層と紫外線硬化型の転写層とを設けた転写材を母型モールドに押圧、密着させて母型モールドの微細形状を転写し、紫外線照射により転写層に上記微細形状を形成させるものである。
母型モールドは、通常、ニッケルやガラス等の金属により形成されたものを用いることができる。この母型モールドには、電鋳金型の使用目的に応じた所定の凹凸パターンが形成され、上記転写層にこの凹凸パターンが転写されるものである。
上記転写材については、図1(A)に示されるように、上記転写面を有する転写層10、基材層11及びハードコート層12からなり、該ハードコート層12は、ガラス転移温度が120℃以上、波長365nmにおける紫外線透過率が30%以上である材料にて形成されることを特徴とする。
基材層及びハードコート層の材質としては、紫外線透過率が高く、かつ十分にコシのある樹脂材料を用いることが好ましい。また、後述するように無電解めっきが実施されることから、めっき浴中では加水分解しないよう耐めっき性を有することが要求される。
また、基材層及びハードコート層において、ガラス転移温度(Tg)は樹脂の熱可塑性や温度依存性の指標であり、本発明の所望の効果を得る上ではTgが120℃以上であり、好ましい範囲は、140℃以上、さらに好ましくは160℃以上である。
また、波長365nmにおける紫外線透過率が30%以上であることが必要である。これは、転写材の転写面を上記母型モールドの凹凸パターンに接触させた状態で基材層側から紫外線照射が行われることにより、基材層に積層した転写層を紫外線硬化させるために基材層が所定の透過性を有することが必要であるからである。波長365nmにおける紫外線透過率は高い方が好ましく、その下限値として30%以上であることが望ましい。
さらに、ハードコート層については、基材層の強度を補強する点から、鉛筆硬度2H以上、好ましくは5H以上であることが必要とされる。なお、鉛筆硬度とは、JIS K5600−5−4に基づいた試験機器により、引っかき傷が生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を言い、6B(軟らかい)〜6H(硬い)の硬度範囲がある。
基材層の材質としては、特に制限はないが、例えば、ポリエステル(PET),ポリフェニレンサルファィド(PPS),シクロポリオレフィン(COP),ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリサルフォン(PSF),ポリエーテルサルフォン(PES)等が挙げられる。
一方、ハードコート層の材質としては、上記物性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル系モノマー等を含有した光硬化型樹脂組成物にて形成することができ、この光硬化型樹脂組成物を基材層に塗布し、紫外線により硬化膜を形成することができる。具体的には、商品名「UV−7600B」、「UV−6300B」(日本合成化学工業社製)等のウレタンアクリレートオリゴマー等を採用することができる。また、特開平11−124514号公報、特開2001−205179号公報及び特開2001−232730公報等に記載されたハードコート層を採用することができる。さらに、後述する転写層用の紫外線硬化型樹脂組成物と同様の材質をハードコート層に使用することもできる。
ハードコート層は、上述したように、光硬化型組成物を含有する塗液を上記基材層の表面に塗工し、UV照射することにより、所定厚の膜厚を得ることができる。したがって、光硬化型組成物には、通常、各種の光開始剤、アクリルモノマー等が配合される。また、有機過酸物を配合することにより所定時間、熱乾燥させることにより、ベース樹脂を熱硬化させることもできる。
ハードコート層の厚さについては、特に制限はないが、好ましくは0.01〜3μm、より好ましくは0.1〜2μmである。
転写材1を構成する転写層10は、紫外線硬化型樹脂組成物にて形成されるものであり、その樹脂組成物の硬化物が比較的強固であり、耐アルカリ性を有することが好適である。
転写層用の紫外線硬化型樹脂組成物としては、光重合性官能基を有する反応性希釈剤とポリマーとを含有する組成物を用いることができ、例えば、本願出願人が先に提案した特開2007−291339号公報に記載された組成物を使用することができる。具体的には下記の組成成分を採用することができる。
上記光重合性官能基を有する反応性希釈剤としては、例えば、(メタ)アクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリレートメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類;ポリオール化合物(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸又はこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記、多塩基酸又はこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と、有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4’−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2’,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら光重合可能な官能基を有する化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。
上記ポリマーとしては、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ビニルアセテート/(メタ)アクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン及びその共重合体、ポリ塩化ビニル及びその共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、2−クロロブタジエン−1,3−ポリマー、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等を挙げることができ、良好な転写性及び優れた硬化性の点から、アクリル樹脂を使用することが好ましい。
また、上記組成物には、滑剤としてリン原子含有化合物を含有することができ、加工性や貼り合わせ等の加工性向上の目的で各種の炭化水素樹脂や紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤等を必要に応じて適宜添加することができる。
上記転写層10は紫外線硬化型樹脂組成物にて形成され、上記母型モールドの凹凸パターンを転写後、所定の条件で紫外線照射する。転写層10は、基材層11の一端面に紫外線硬化型樹脂組成物を塗布し、上記転写後、これを基材層側から紫外線照射させて上記樹脂組成物の硬化物を得る。具体的には、図3に示すように、凹凸パターンが形成された母型モールド50の表面に転写材1を押圧させ、基材層11端面に塗布した紫外線硬化型樹脂組成物を図に示すように凹凸パターン形状に型取りし、図中矢印に示すように、この状態で基材層側から紫外線照射させて上記樹脂組成物を硬化させる。なお、紫外線硬化型樹脂組成物の形成方法は、カレンダー,ロール,Tダイ押出,インフレーション等の製膜法によりフィルム状に製膜する態様を採用することができる。この場合、製膜されるフィルムの厚さは適宜選定されるが、5〜100μmの範囲内にすることが好ましい。
また、ウェットラミ方式などにより各種ラミネート装置を用いて樹脂組成物を基材層の表面に形成することができる。
なお、紫外線硬化型樹脂組成物の紫外線硬化は、定法によって行うことができる。
また、上記樹脂組成物からなる転写層の表面には剥離シートを具備することができる。具体的には、図2に示されるように、上記転写材の外面に剥離可能に剥離シート20を貼着することで、使用前には粘着性が保持される上、ほこりの付着等の汚染を回避でき、また、使用時にはハンドリング性が良好になる。この場合、上記剥離シートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)を主材としてなるものを挙げることができ、特にPETを好適に挙げることができる。
次に、図1(B)に示されるように、転写材1を上記母型モールド50から離間させ、次いで、図1(C)に示されるように、転写面を凹凸パターン形状に型取りした転写層10及び基材層11からなる転写材1の上記凹凸パターンに対応した凸凹面を有する転写層上に無電解めっき皮膜40を形成する。この無電解めっき皮膜は、図1(C)の符号40で示されるように、凸凹面が形成された樹脂製転写層の表面に薄く製膜される。
無電解めっき皮膜の形成方法については、公知のめっき浴、即ち、水溶性金属塩、次亜リン酸又はその塩等の還元剤、安定剤、促進剤、潤滑剤、及び硫酸アンモニウム等の錯化剤を使用することができる。無電解めっきには、通常、ニッケルめっき,コバルトめっき及び銅めっき等が挙げられるが、本発明では、電鋳金型として多様に使用されるニッケルとの密着性の点から、ニッケルめっきを使用することが好適である。なお、無電解ニッケルめっき浴には、通常、普及浴や低温浴と呼ばれるめっき浴の組成を使用することができ、そのpHは4.0〜6.0の範囲とすることが好ましい。
上記めっき浴を用いて無電解めっきを行なう方法は、通常の方法を採用することができ、塩化第一錫酸性水溶液で処理した後、塩化パラジウム酸性水溶液で処理するセンシタイジング−アクチベーティング処理等の公知の前処理法によって上記転写層の凸凹面上に金属パラジウム核を形成させた後、上記無電解めっき浴に浸漬することによって、上記金属パラジウム核が付着した凸凹面上に無電解めっき膜が形成され、この場合、めっき濃度、めっき温度及びめっき時間は、所望するめっき膜厚に応じて適宜選定される。なお、上記金属パラジウム核を形成するための前処理、無電解ニッケルめっき浴等の無電解めっき浴としては市販品を使用することができる。
次に、図1(D)に示されるように、転写材1の凸凹面に無電解めっき皮膜が形成された後、該めっき皮膜の表面には更に電鋳加工が施される。
電鋳については公知の作業方法を採用することができる。上記無電解めっき皮膜と同様、金属としてニッケルを用いたニッケル電鋳を採用することが好ましい。ニッケル電鋳浴の選定については、一般に、全塩化ニッケル浴、ワット浴、ホウフッ化ニッケル浴及びスルファミン酸ニッケル浴等が挙げられるが、電着応力の低減化及び電着効率の点から、スルファミン酸ニッケル浴を使用することが好適である。この場合、浴組成は、スルファミン酸ニッケル300〜450g/l,塩化ニッケル0〜30g/l及びホウ酸30〜45g/lの範囲であり、作業条件は、通常、pH3.5〜4.5、温度40〜60℃である。
上記転写材1を溶解や剥離等の除去方法により、所望の電鋳金型30を製造することができる(図1(E)参照)。転写材1を電鋳金型30から剥離する場合、無電解めっきにより形成されためっき皮膜40は電鋳により積層した電鋳層と一体化して電鋳金型を形成するものである。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜5、比較例1,2]
実施例及び比較例に共通する基材層としてポリエステル(商品名「HPE」(帝人デュポンフィルム株式会社製))を用いて厚さ188μmに作成した。また、下記表3に示す光硬化型組成物を、塗工速度1.0m/min、膜厚5μmにて基材フィルムに塗工し、600mJ/cm2照射してウェットラミネート法によりハードコート層を製膜した。なお、実施例5については、光硬化型組成物に有機過酸化物(商品名「パーブチルO」(日本油脂社製))が含有されており、ウェットラミネート後、100℃、10分間にて加熱・乾燥させて硬化物を得た。
次に、全ての実施例及び比較例に共通する下記表に示す紫外線硬化型樹脂組成物からなる転写層を形成した。即ち、紫外線硬化型樹脂組成物をフィルムにウェットラミ方式により製膜した。
Figure 2009190307
ポリマー1の合成
2−ヒドロキシエチルメタクリレート「12.1質量部」、メチルメタクリレート「74.6質量部」、ブチルメタクリレート「13.2質量部」、AIBN「5質量部」、トルエン「50質量部」及び酢酸エチル「50質量部」を配合し、モノマー液を加熱し、重量平均分子量が110000になるまでポリマー合成を行った。
次に、図1に示すように、母型モールドの凹凸パターンに、樹脂組成物からなる転写面を有する転写材の該転写面を接触させ、該転写面を紫外線硬化させて転写材に凸凹面を形成した。
次に、図1に示すように、凸凹面を有する上記転写材の表面に無電解めっき及び電鋳を行った。
下記表に示すように、めっき液(日本化学産業社製の「ニッケルプーマーHCR」)を中心とした一連のめっきプロセスを行った。
Figure 2009190307
※上記の商品名は全て日本化学産業社製
なお、めっき条件としては、めっき浴、89〜94℃、pH4.6(一定)、ニッケル濃度5.0〜6.0g/lで無電解ニッケルめっきを行い、所定の薄膜の無電解ニッケルめっき膜を得た。次いで、下記スルファミン酸ニッケルめっき浴を用いて約300μmのニッケル電鋳を行った。
(スルファミン酸ニッケルめっき浴)
スルファミン酸ニッケル 300g/L
塩化ニッケル 30g/L
ほう酸 30g/L
pH 4.0
温度 50℃
その後、上記転写材をアセトンに1時間浸漬した後、超音波洗浄により転写材を除去し、ニッケル電鋳金型を得た。
Figure 2009190307
上記の商品の説明は下記のとおりである。
商品名「UV−7600B」、UV硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー、日本合成化学工業社製
商品名「UV−6300B」 同上
商品名「UV−3700B」 同上
商品名「UV−6100B」 同上
アクリレ−トモノマー、商品名「1,6HX−A」(共栄社化学社製)
光開始剤(1)、商品名「ダロキュア 1173」 チバ・ジャパン社製
光開始剤(2)、商品名「イルガキュア 651」 チバ・ジャパン社製
有機過酸化物、商品名「パーブチルO」(日本油脂社製)
(1)UV透過率(%)
365nm透過率が30%以上であれば、概ね良好と評価した。
(2)ガラス転移温度 Tg(℃)
上記基材を長さ20mm,幅4mm(厚さ25μm)に裁断してサンプルとした。サンプルのTgを、TMA (Thermal Mechanical Analysis) 装置SS6100(SIIナノテクノロジー(株)製)を用いて、サンプル温度:30〜120℃、昇温レート:5℃/分、引張張力:4.9×105Paの条件で測定した。
(3)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準じて測定した引っかき硬度
(4)転写層硬化性
めっき液を浸漬前の転写層のUV硬化層の硬化レベルの定量化
(評価方法)
母型モールドの凹凸パターンの転写後に、基材側から5000mJ/cm2照射して転写層を硬化し、母型モールドを剥離した。
(評価基準)
UV硬化層のタックが低減し、剥離性が良好であれば「○」、そうでない場合は「×」とした。
(5)めっき液安定性
(評価方法)
無電解めっき及び電鋳を施し、転写材の基材層のめっき液の安定性を目視にて評価した。
(評価基準)
無電解めっき工程において、めっき液による基材層の溶解や膨潤による変色・変形について評価した。良好であれば「○」、そうでない場合は「×」とした。
本発明の一実施例に係る製造方法の工程(A)〜(E)を説明する概略図である。 本発明の一実施例に係る製造方法に用いる転写材(3層構造)を示す部分断面図である。 転写材を母型モールドに押圧した状態で紫外線照射し、凹凸パターンを有する転写層を形成した様子を説明する概略図である。
符号の説明
1 転写材
10 転写層
11 基材層
12 ハードコート層
40 めっき皮膜
20 剥離シート
30 電鋳層(電鋳金型)
50 母型モールド

Claims (2)

  1. 所定の凹凸パターンが形成された母型モールドの該凹凸パターンに、紫外線硬化型樹脂組成物からなる転写面を有する転写材の該転写面を接触させ、該転写面を紫外線硬化させて転写材に上記凹凸パターンに対応した凸凹面を形成し、次いで、該凸凹面を有する上記転写材の表面に無電解めっき及び電鋳を行い、上記転写材を除去することにより、上記所定の凹凸パターンと同じ凹凸を有する電鋳金型を得る電鋳金型の製造方法において、上記転写材が、上記転写面を有する転写層、基材層及びハードコートの3層構造を有し、基材層の表面に転写層が、基材層の裏面にハードコート層がそれぞれ設けられており、かつ上記ハードコート層は、ガラス転移温度が120℃以上、波長365nmにおける紫外線透過率が30%以上及び鉛筆硬度が2H以上である材料にて形成されることを特徴とする電鋳金型の製造方法。
  2. 上記ハードコート層は、ウレタンアクリレートオリゴマーを主材として形成される請求項1記載の電鋳金型の製造方法。
JP2008034516A 2008-02-15 2008-02-15 電鋳金型の製造方法 Pending JP2009190307A (ja)

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