JP3982987B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラやテレビカメラ,スチルカメラ,工業用カメラ,マルチメディア機器への画像取り込みカメラなど幅広く利用可能な撮像機器に係り、特に、固体撮像素子を用いた撮像装置のダイナミックレンジを拡大する処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラや電子スチルカメラにより、室内から撮影する窓辺の人物などのような撮影対象を逆光状態で撮影する場合、一般的な露光制御を行なうと、撮影目的となる人物の画像が黒く潰れ、窓の外の風景に対しては適切な露光状態となる制御が行なわれる。そこで、このような逆光シーンを撮影する場合には、従来、逆光補正処理を行ない、撮影目的としての人物の映像信号が黒く潰れないような補正を行なっていた。ここで、逆光補正処理とは、カメラの絞りを通常よりも開き気味に設定するか、露光時間を長めに設定し、本来黒く潰れてしまう領域を明るく撮影するようにした露光処理である。しかしながら、この場合、逆光補正前に最適な露光であった室外の風景の画像は白く飛んでしまう。また、監視カメラなどにおいても、1台のカメラで室内と室外との両方を同時に監視する必要がある場合、室内外双方の露光の妥協点で撮影を行なっていた。
【0003】
以上のような広いダイナミックレンジを必要とするシーンを撮影する場合、例えば、特開平11−75118号公報に記載のように、撮像素子で1フィールド毎に長い露光時間と短い露光時間とを設定して、夫々の露光時間毎の露光量が異なる2つの信号を得、これらを合成して信号処理を行ない、ダイナミックレンジが拡大され、かつS/Nを向上した映像信号を得るようにした技術が知られている。かかる従来技術は、各フィールド内で露光時間を異ならせて2回撮影し、これによって得られた2つの信号、即ち、長時間露光信号と短時間露光信号とを用いて非線型画像合成処理を行ない、その合成信号にマトリクス処理やホワイトバランス,ガンマ補正などのカメラ信号処理を行なってテレビジョン信号を生成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公開公報に記載の従来技術での非線型合成処理について、図6により説明する。
【0005】
図6は横軸を入射光量Lとし、縦軸を信号レベルSとして、上記の長時間露光信号Slongと上記の短時間露光信号Sshortとこれらの合成信号Smixとの入射光量Lに対する信号レベルSを示すものである。
【0006】
同図において、長時間露光信号Slongは、露光量が入射光量L1で飽和するとすると、短時間露光信号Sshortは、露光時間が短いために、この入射光量L1では飽和しない。このために、長時間露光信号Slongと短時間露光信号Sshortを加算して得られる合成信号Smixの階調特性は、長時間露光信号Slongのみからなる場合の階調特性より拡大されているため、見かけのダイナミックレンジが拡大される。
【0007】
しかしながら、合成信号Smixの階調特性はこの入射光量L1で傾きの変化する非線形な直線となっているため、後段のホワイトバランスやガンマ補正が正しく行なわれないことになる。以下、その理由を説明する。
【0008】
いま、R(赤),G(緑),B(青)の組成比がR:G:B=2:4:1の白色の一様な光が入射しており、R,G,B原色の撮像素子で撮像しているものと仮定する。入射光R,G,B夫々の入射光量RL,GL,BLが全て値L1より小さく、入射光量Lが値L1よりも小さいときの合成信号Smixの階調特性の傾きをAとすると、合成信号SmixでのR,G,B信号の信号レベルは夫々、
A×RL、A×GL、A×BL ……(1)
となる。そして、これらR,G,B信号を、上記のR,G,Bの入射光の組成比より、ホワイトバランスをとると、夫々のR,G,B信号の信号レベルは、
A×RL×2、A×GL、A×BL×4 ……(2)
となる。R,G,B入射光の組成比より、
RL=LL×2、GL=LL×4、BL=LL ……(3)
とおけるので、上記式2で示すR,G,B信号の信号レベルはともに、
A×LL×4 ……(4)
となり、正しくホワイトバランスをかけることができることになる。
【0009】
ところが、R,G,B光の入射光量Lのうち、G光の入射光量Lのみが値L1より大きく、入射光量が値L1よりも小さいときの合成信号Smixの階調特性の傾きをA、入射光量が値L1よりも大きいときの合成信号Smixの階調特性の傾きをBとすると、合成信号SmixでのR,G,B信号の信号レベルは夫々、
A×RL、B×GL、A×BL ……(5)
となる。R,G,Bの入射光の組成比より、ホワイトバランスをとると、夫々のR,G,B信号の信号レベルは、
A×RL×2、B×GL、A×BL×4 ……(6)
となる。上記式6で表わされるR,G,B信号の信号レベルは夫々、上記式3より、
A×LL×4、B×LL×4、A×LL×4 ……(7)
となり、正しくホワイトバランスをかけることができないことになる。
【0010】
同様にして、R,G,B光の入射光量Lのうちのいずれか1つでも、その入射光量が値L1を境として他の色光の入射光量とは反対側にある場合には、入射光量Lの値L1を境にして合成信号Smixの信号レベルが非線形に変化するので、所望のガンマ特性を得ることができない。また、補色の撮像素子を使用した場合でも、同様にして、ホワイトバランスやガンマ補正が正しく行なわれない。
【0011】
かかる問題を解決するためには、入射光量Lが値L1よりも大きいときの合成信号Smixの階調特性の傾きBを入射光量Lが値L1よりも小さいときのその傾きAとするように、画像合成に際し、入射光量に対して信号レベルを線形とする処理を必要となる。しかしながら、このようにすると、合成信号Smixの出力レベルが増大化し、これをディジタル処理する場合のビット数が大きくなってしまって、後段のカメラ信号処理回路の回路規模が増大化するという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、回路規模を増大化することなく、映像信号のダイナミックレンジを拡大できて、なおかつホワイトバランスやガンマ補正を正しく行なうことができるようにした撮像装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、露光時間の異なる複数の露光信号を出力する撮像手段と、該撮像手段から出力される該露光信号から輝度信号と赤,青,緑の各色信号とを生成して処理する信号処理手段と、該信号処理手段からの該輝度信号と該各色信号を記憶するメモリ手段と、該メモリ手段から読み出された露光時間が異なる該輝度信号を加算し、かつ該メモリ手段から読み出された露光時間が異なる同じ色信号どおしを加算する加算手段と、該加算手段からの該輝度信号と該各色信号とからテレビジョン信号を生成する手段とを備え、該信号処理手段は、該色信号毎に所定のゲインをかけてホワイトバランス制御するホワイトバランス制御手段と、該輝度信号と該ホワイトバランス制御手段から出力される該各色信号に対して夫々独立にガンマ補正を行なうガンマ補正手段とを有し、該ガンマ補正手段は、露光時間の異なる該輝度信号や各色信号に夫々適したガンマ値を用い、露光時間の長い該輝度信号や各色信号の入力レベルが所望の入力値以上であるときには、出力レベルを所望の出力値とし、露光時間の短い該輝度信号や各色信号の入力レベルが所望の入力値以下であるときには、出力レベルを0とするものである。
【0014】
また、本発明は、前記撮像手段が、1フィールド期間毎に、前記露光時間の異なる複数の露光信号を出力し、前記加算手段が、同じフィールド内での露光時間が異なる該輝度信号を加算し、同じフィールド内での露光時間が異なる同じ色信号を加算するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
【0017】
図1は本発明による撮像装置の一実施形態を示すブロック図であって、1は撮像レンズ、2はCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子、3はタイミングジェネレータ、4はAGC回路、5はA/D(アナログ/ディジタル)変換器、6はカメラ信号処理回路、7はガンマ補正回路、8,9はメモリ回路、10は加算部、11はエンコーダ、12はガンマ特性切替スイッチ、13はメモリ書込切替スイッチである。
【0018】
同図において、撮像レンズ1で撮像素子2の受光面に結像した被写体像は光電変換され、画像信号として読み出される。ここで、撮像素子2の各フォトダイオードに蓄積する時間はタイミングジェネレータ3で生成するパルスによって制御され、上記従来技術と同様、各フィールド内で長い露光時間と短い露光時間とに露光時間が切り替えられる。これにより、撮像素子2からは長い露光時間で得られる長時間露光信号と短い露光時間で得られる短時間露光信号とが所望のタイミングで出力される。
【0019】
撮像素子2から出力されるこれら長時間露光信号と短時間露光信号とは、AGC回路4で所定のゲインが与えられ、次いで、A/D変換器5でデジタル信号へ変換さた後、カメラ信号処理回路6に供給されて色処理,輝度処理がなされる。
【0020】
図2はこのカメラ信号処理回路6の一具体例を示すブロック図であって、14は輝度信号生成部、15は色分離部、16は乗算部である。
【0021】
同図において、A/D変換器5(図1)から供給されるデジタル化された長時間露光信号と短時間露光信号とは輝度信号生成部14に供給され、夫々毎にマトリックス演算によって低域周波数域の輝度信号と高域周波数域の輝度信号に分離され、高域周波数域の輝度信号が所望のゲインで強調されて低域周波数域の輝度信号と加算されて、高域周波数域が強調された輝度信号Yが得られる。この輝度信号はデジタル化された長時間露光信号と短時間露光信号とからなっている。
【0022】
A/D変換器5(図1)から供給されるこのデジタル化された長時間露光信号と短時間露光信号とは、また、色分離部15に供給され、夫々毎にマトリックス演算によってR,G,Bの各色信号が分離される。これらR,G,B信号も、デジタル化された長時間露光信号と短時間露光信号とからなっている。
【0023】
このとき、カメラ信号処理回路6の前段では、長時間露光信号と短時間露光信号とを合成するといった非線形な処理は行なわれていないので、輝度信号生成部14から出力される輝度信号Yと色分離部15から出力されるR,G,B信号とは、撮像素子2への入射光量に対して線形な信号レベルの信号となっている。
【0024】
色分離部15から出力されるR,G,B信号は乗算部16に供給され、撮像素子2(図1)の被写体の白い部分が白い画像となるように、つまり被写体の白い部分のR,G,B信号が同一信号レベルになるように、夫々所望のゲインがかけられる。このとき、色分離部15から出力されるR,G,B信号は、撮像素子2への入射光量に対して線形な信号レベルとなっているので、R,G,B信号のどれに対しても、被写体の白い部分が白くなるようなホワイトバランス制御をすることができる。
【0025】
このようにカメラ信号処理回路6で処理された輝度信号YとR,G,B信号とは、図1に示すガンマ補正回路7に供給され、夫々の信号毎に独立にガンマ補正処理がなされる。このガンマ補正処理は、長時間露光信号と短時間露光信号毎に、ガンマ特性切替スイッチ12により、夫々に適したガンマ値が切り替え設定されて行なわれるものである。即ち、長時間露光信号に対しては、これに適したガンマ値Aがガンマ特性切替スイッチ12によって選択され、このガンマ値Aを用いて非線型変換処理が行なわれる。また、短時間露光信号に対しては、これに適したガンマ値Bがガンマ特性切替スイッチ12によって選択され、このガンマ値Bを用いて非線型変換処理が行なわれる。
【0026】
図3はこのガンマ補正回路7の動作を示す図であって、同図(a)は長時間露光信号に対するガンマ補正特性を、同図(b)は短時間露光信号に対するガンマ補正特性を夫々示している。ここで、長時間露光信号に対してガンマ値Aを用いて施されるガンマ補正をGlongとし、短時間露光信号に対してガンマ値Bを用いて施されるガンマ補正をGshortとする。なお、同図(c)はガンマ補正された長時間露光信号と短時間露光信号とを加算して得られる合成信号のガンマ補正特性Gmixを示すものである。
【0027】
ガンマ補正回路7に入力される長時間露光信号(その入力信号レベルSILをする)に対するガンマ補正Glongは、図3(a)に示すように、予め設定された上限リミットULimitまでの入力信号レベルSILの範囲でかけられ、ガンマ補正回路7に入力される短時間露光信号(その入力信号レベルをSISとする)に対するガンマ補正Gshortは、図3(b)に示すように、予め設定された下限リミットLLimit以上の入力信号レベルSIS の範囲でかけられる。
【0028】
ここで、長時間露光信号は、撮像素子2(図1)への入射光量が大き過ぎると、信号レベルが飽和するが、上限リミットULimitは、長時間露光信号のこの飽和信号レベルより小さく、長時間露光信号と短時間露光信号との合成信号の低域の階調が充分であって、かつS/Nも劣化しない程度の所望の値に設定される。この入力長時間露光信号は上記のガンマ値Aでガンマ補正されるが、このガンマ補正された長時間露光信号のうちの上限リミットULimitでの信号レベル(上限信号レベル)SLout以上のものが、この上限信号レベルSLoutに制限される(なお、ガンマ補正回路7の入力長時間露光信号の信号レベルSINは上記の飽和信号レベルまでの範囲にしか存在しないが、図3(a)では、後述する理由から、この飽和信号レベル以上の信号レベルが存在するものと仮想しており、その信号レベルでガンマ補正された長時間露光信号の信号レベルを上記の上限信号レベルSLoutに維持するものである)。
【0029】
また、下限リミットLLimitは、撮像素子2での長時間露光時間をLtime、短時間露光時間をStimeとすると、
LLimit=ULimit×Stime÷Ltime ……(8)
で表わされる。
【0030】
上記のように、撮像素子2では、タイミングジェネレータ3からのパルスにより、図4に示すように、1フィールド期間内に上記の長時間露光時間Ltimeと短時間露光時間Stimeとが設定されており、これらは
Ltime+Stime=1フィールド、かつLtime>Stime ……(9)
の関係にある。ここで、撮像素子2(図1)において、時刻t0を1フィールドの撮像動作の開始時点、時刻t1を長時間露光時間Ltimeの長時間露光から短時間露光時間Stimeの短時間露光への切替時点、時刻t2を1フィールドの撮像動作の終了時点とすると、長時間露光は時刻t0〜t1(=Ltime)の間露光するものであり、短時間露光は時刻t1〜t2(=Stime)の間露光するものである。従って、時刻t1での撮像素子2の光電変換素子の積算受光量(時刻t0〜t1の受光量)が長時間露光信号の信号レベルを決め、時刻t2での撮像素子2の光電変換素子の積算受光量(時刻t1〜t2の受光量)が短時間露光信号の信号レベルを決めるものであるが、上記式8での露光時間Ltime,Stimeの関係から、長時間露光信号の信号レベルが上限リミットULimitとなるときの撮像素子2への入射光量と短時間露光信号の信号レベルが下限リミットLLimitとなるときの撮像素子2への入射光量とは等しい。この入射光量を、以下、境界入射光量Ldevide という。
【0031】
短時間露光信号は、図3(b)に示すように、下限リミットLLimit未満の入力信号レベルSISのものが除かれ、下限リミットLLimit以上の入力信号レベルSISのものに対してガンマ値Bによるガンマ補正がなされる。
【0032】
なお、図3(a),(b)の横軸(入力レベル軸)は撮像素子2での同じ入射光量軸(図示せず)を基準にして示しており、従って、図3(b)の横軸の単位長での信号レベルSISは図3(a)の横軸の単位長での信号レベルSILのLtime/Stime倍となっている。
【0033】
図3(a)に示すようにガンマ補正Glongされた長時間露光信号と図3(b)に示すようにガンマ補正Gshortされた短時間露光信号とが加算されて合成信号が形成されるのであるが、この合成信号のガンマ補正Gmixは、図3(a)で示すガンマ補正特性と図3(b)に示すガンマ補正特性とをそのまま加算した特性となり、図3(c)に示すようになる。
【0034】
なお、図3(a)では、ガンマ補正回路7に入力される長時間露光信号は、上記の境界入射光量Ldevide以上の入射光量のときには、その信号レベルSILが飽和信号レベルに保たれるから、この入力長時間露光信号には、この飽和信号レベル以上の信号レベルは存在しない。しかし、このガンマ補正回路7では、撮像素子2の入射光量に関してみると、境界入射光量Ldevide以上の入射光量のとき、かかる入射光量に対するガンマ補正回路7からの出力信号レベルSOLを上限信号レベルSLoutという一定の信号レベルとするものであり、このことから、図3(a)では、ガンマ補正回路7の入力長時間露光信号に対し、上限リミットULimit以上の信号レベルSILを想定し、この入力信号レベルSILに対するガンマ補正回路7からの長時間露光信号の出力レベルSOLを上限信号レベルSLoutとするものである。これにより、図3(a),(b)の特性を対応させることができ、これらの特性を加算することにより、図3(c)に示す合成信号のガンマ補正Gmixが得られるとすることができる。
【0035】
図3(c)に示すガンマ補正Gmixの合成信号は、撮像素子2での入射光量が長時間露光信号の上限リミットULimit,短時間露光信号の下限リミットLLimitに対する上記の境界入射光量Ldevideまでの入射光量の範囲では、図3(a)に示したガンマ補正Glong後の長時間露光信号の上限リミットULimitまでのものであり、この境界入射光量Ldevide以上の入射光量の範囲では、図3(a)に示すガンマ補正された長時間露光信号での入力信号レベルSILが上限リミットULimitであるときの出力信号レベル、即ち、上限信号レベルSLoutに、図3(b)に示すようにガンマ補正された短時間露光信号を加算したものである。
【0036】
そこで、いま、ガンマ補正回路7への入力長時間露光信号の信号レベルSILに対してガンマ値Aで、同じく短時間露光信号の信号レベルSISに対してガンマ値Bで夫々、上記のように、ガンマ補正されるから、図3(c)に示すガンマ補正Gmixの合成信号の信号レベルSmixは、
入射光量<Ldevideのとき、Smix = (SIL)A
入射光量≧Ldevideのとき、Smix = (ULimit)A +(SIS−LLimit)B
となるが、入射光量≧Ldevideのときのガンマ補正Gmixの合成信号の信号レベルSmixが、入射光量<Ldevideのときのガンマ補正Gmixの合成信号の信号レベルSmixから滑らかに連続してガンマ値Aでのガンマ補正特性を示すように、ガンマ値Bなどを設定する。
【0037】
このようにして、図3(c)に示すガンマ補正Gmixのように、ダイナミックレンジを拡大して、なおかつ所望のガンマ補正を行なうことができる。
【0038】
また、入射光量が大きいて、しかも狭い範囲に集中している場合には、その集中している光量に対して階調を短時間露光信号に多く割り当てるようなガンマ補正Gshortを割り当てて、高輝度部のコントラストを上げるといったような、被写体に適応したガンマ補正を行なうようにしてもよい。
【0039】
以上のようにガンマ補正された長時間露光信号と短時間露光信号とは、メモリ書込切替スイッチ13により、長時間露光信号と短時間露光信号とに分離され、長時間露光信号はメモリ回路8に、短時間露光信号はメモリ回路9に夫々書き込まれる。そして、同じフィールドの長時間露光信号と短時間露光信号との位相が一致するようにして、夫々メモリ回路8,9から読み出され、これらが加算部10で加算されてダイナミックレンジが拡大された映像信号が得られる。
【0040】
以上の加算部10までの処理は輝度信号やR,G,B信号毎になされるものであって、これにより、ダイナミックレンジが拡大された輝度信号YやR,G,B信号が得られる。これら輝度信号YやR,G,B信号はエンコーダ11に供給され、NTSC方式やPAL方式などの所定方式のテレビジョン信号に変換されて出力される。
【0041】
ここで、メモリ回路8,9による長時間露光信号と短時間露光信号との位相合わせについて説明する。
【0042】
図1における撮像素子2の光電変換部には、水平,垂直方向にマトリクス状に光電変換素子が設けられているとともに、この光電変換素子の垂直方向の配列毎に垂直転送部が設けられ、また、これら垂直転送部の出力部毎にセルが対向する水平転送部が設けられている。また、これら垂直転送部の同じ順位のセルの配列(水平方向の配列)が1ライン(1水平走査期間)分の画素を保持する。
【0043】
かかる構成の撮像素子2において、図4により、時刻t1になると、各光電変換素子の長時間露光時間Ltimeの露光による画素電荷が対応する垂直転送部の1つおきのセルに転送される。垂直転送部では、1ライン期間毎に1セル分ずつ画素電荷が垂直方向に転送され、また、水平転送部では、1ライン期間毎に各垂直転送部から1つずつ画素電荷(従って、1ライン分の画素電荷)が転送されてきて、これらが1ラインの期間にわたって1セル分ずつ水平方向に転送されて出力される。このようにして、長時間露光による各画素電荷が同期して夫々の垂直転送部内を水平転送部の方に転送され、水平転送部から出力される。
【0044】
また、図4での時刻t2になると、各光電変換素子の短時間露光時間Stimeの露光による画素電荷が対応する垂直転送部での長時間露光時間Ltimeの露光による画素電荷が存在しない他の1つおきのセルに転送され、同様にして、これら垂直転送部内を1セル分ずつ水平転送部の方に転送され、さらに、水平転送部から出力される。
【0045】
かかる動作によると、垂直転送部では、長時間露光時間Ltimeの露光による画素電荷と短時間露光時間Stimeの露光による画素電荷とが交互に配列されることになり(水平方向には、同じ露光の画素電荷が配列される)、これにより、垂直転送部から水平転送部には、長時間露光時間Ltimeの露光による1ライン分の画素電荷列(1ライン分の長時間露光信号)と短時間露光時間Stimeの露光による1ライン分の画素電荷列(1ライン分の短時間露光信号)とが、1ライン毎に交互に転送されてくることになる。従って、水平転送部からは、即ち、撮像素子2からは長時間露光信号と短時間露光信号とが1ライン毎に交互に出力されることになる。ガンマ補正回路7の入力信号も同様であり、これにより、ガンマ特性切替スイッチ12は1ライン毎に切り替わることになる。
【0046】
一方、垂直転送部と水平転送部とは常に画素電荷の転送動作を行なっているものであるから、図4での時刻t1で長時間露光信号の画素電荷が垂直直転送部に転送されると、これら画素電荷は直ちに垂直方向に転送され、さらに、水平転送部で水平方向に転送されて順次出力され、次に、図4での時刻t2で短時間露光信号の画素電荷が垂直転送部に転送されると、これら画素電荷は直ちに垂直方向に転送され、さらに、水平転送部で水平方向に転送されて順次出力されることになる。これにより、図5に示すように、同じフィールド内での長時間露光信号と短時間露光信号との間では、時間(t2−t1)、即ち、短時間露光時間Stimeの時間差が生することになる。
【0047】
このように、撮像素子2から出力される同じフィールドの長時間露光信号と短時間露光信号とでは、短時間露光時間Stimeの時間差があるため、これらを加算して合成信号を生成する場合には、かかる時間差をなくして長時間露光信号と短時間露光信号との位相を一致させなければならない。このために、メモリ書込切替スイッチ13とメモリ回路8,9とが設けられ、長時間露光信号と短時間露光信号との位相調整を行なっているのである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、非線形な長時間露光信号と短時間露光信号の合成により、線形な信号に対するホワイトバランスやガンマ補正などのカメラ信号処理が正しく行なわれることになり、所望のガンマ補正で正しい色再現性の広ダイナミックレンジの映像信号を生成することができる。
【0049】
また、従来のカメラ信号処理回路を用いて構成することができるので、回路規模を増大させることなく、映像信号のダイナミックレンジを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮像装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1におけるカメラ信号処理回路の一具体例を示すブロック図である。
【図3】図1におけるガンマ補正回路の動作とこれによってガンマ補正された長時間露光信号と短時間露光信号との合成方法とを示する図である。
【図4】図1における撮像素子の長時間露光時間と短時間露光時間とを説明するための図である。
【図5】図1における撮像素子で生成される長時間露光信号と短時間露光信号とのタイミング関係を示す図である。
【図6】従来技術の長時間露光信号と短時間露光信号の合成方法を示す図である。
【符号の説明】
1 撮像レンズ
2 撮像素子
3 タイミングジェネレータ
4 AGC回路
5 A/D変換回路
6 カメラ信号処理回路
7 ガンマ補正回路
8,9 メモリ回路
10 加算部
11 エンコーダ
12 ガンマ特性切替スイッチ
13 メモリ書込切替えスイッチ
14 輝度処理部
15 色分離部
16 乗算部
Claims (2)
- 露光時間の異なる複数の露光信号を出力する撮像手段と、
該撮像手段から出力される該露光信号毎に輝度信号と赤,青,緑の各色信号とを生成して処理する信号処理手段と、
該信号処理手段からの該輝度信号と該各色信号を記憶するメモリ手段と、
該メモリ手段から読み出された露光時間が異なる該輝度信号を加算し、かつ該メモリ手段から読み出された露光時間が異なる同じ色信号どおしを加算する加算手段と、
該加算手段からの該輝度信号と該各色信号とからテレビジョン信号を生成する手段と
を備え、
該信号処理手段は、
該色信号毎に所定のゲインをかけてホワイトバランス制御するホワイトバラ
ンス制御手段と、
該輝度信号と該ホワイトバランス制御手段から出力される該各色信号に対し
て夫々独立にガンマ補正を行なうガンマ補正手段と
を有し、
該ガンマ補正手段は、露光時間の異なる該輝度信号や各色信号に夫々適したガンマ値を用い、露光時間の長い該輝度信号や各色信号の入力レベルが所望の入力値以上であるときには、出力レベルを所望の出力値とし、露光時間の短い該輝度信号や各色信号の入力レベルが所望の入力値以下であるときには、出力レベルを0とする
ことを特徴とする撮像装置。 - 請求項1において、
前記撮像手段は、1フィールド期間毎に、前記露光時間の異なる複数の露光信号を出力し、
前記加算手段は、同じフィールド内での露光時間が異なる該輝度信号を加算し、同じフィールド内での露光時間が異なる同じ色信号を加算する
ことを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000318192A JP3982987B2 (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000318192A JP3982987B2 (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | 撮像装置 |
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