JP3982448B2 - 水切りプレートとこれを備えたキッチンキャビネット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、水切りプレートとこれを備えたキッチンキャビネットに関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、水切りの機能を有するとともに、鍋や薬缶等の調理具も載置することのできる新しい水切りプレートとこれを備えたキッチンキャビネットに関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、板状体の表面に複数の穴が設けられ、この穴が排水の役割を担っている水切りプレートが知られており、キッチンの流し台シンクには、このような水切りプレートが普通に備えられている(たとえば、特許文献1等)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5-9963号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の水切りプレートでは、排水のために設けられた穴は、水垢や汚れ等によって目詰まりが発生しやすく、この複数の穴を一つ一つ手入れを行うのは大変に面倒であった。
【0005】
一方、従来のキッチン流し台においては、ガスコンロ等の調理機器の近傍にシンクがある場合には、水切りプレートを設置することはできるものの、たとえば調理後の加熱された鍋を調理機器の近傍のキャビネット天板上に置くことができないため、離れた場所の鍋置きまで持っていかねばならず、面倒で、しかも加熱された重い鍋の場合には危険でもあった。
【0006】
そこでこの出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、従来の問題点を解消して、水垢や汚れ等による水切りの穴の目詰まりという不都合がなく、調理機器近傍にシンクが設置されている場合であっても、調理機器の近傍へ鍋等の調理具を簡便に移動させることのできる、新しい水切りプレートとこれを備えたキッチンキャビネットを提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、前記の課題を解決するものとして、第1に、流し台シンク周縁端部の段差部に載置される水切りプレートであって、左右および前後端部の少なくとも一方には膨出部を、裏面側には水切り板としての平板部を、表面側には調理具置きとして複数の線材が平行に配設された線材部とを備え、全体の厚みもしくは高さが、裏面側を上に向けて前記段差部に膨出部を係合載置させることによって、裏面側平板部と流し台の天板とが略面一となり、また表面側を上に向けて係合載置させることによって、表面側線材部が流し台の天板よりも上方に突出するように構成されていることを特徴とする水切りプレートを提供する。
【0008】
またこの出願の発明は、第2には、線材部の高さ位置が、調理機器の高さと略同じであることを特徴とする水切りプレートを、第3には、線材部の線材が、流し台の長手方向に向けて配設されていることを特徴とする水切りプレートを提供する。
【0009】
さらにこの出願の発明は、第4には、上記のいずれかの水切りプレートが、シンクの周縁端部の段差に対して係合載置と取り外し自在とされていることを特徴とするキッチンキャビネットを提供し、第5には、水切りプレートがサイドシンクに係合載置と取り外し自在とされていることを特徴とするキッチンキャビネットを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、添付した図面に沿って、この出願の発明の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、この出願の発明の水切りプレートを例示した模式図として、(A)平面図、(B)底面図、(C)a-a断面矢示図、(D)b-b断面矢示図を示している。たとえば、この図1(A)(B)(C)(D)に例示したように、この出願の発明の水切りプレート(1)は、左右および前後端部の少なくとも一方に膨出部(2)を有し、裏面側には、水切り板としての平板部(3)を、表面側には、調理具置きとして、複数の線材が平行に配設された線材部(4)とを備えている。
【0012】
図2は、この図1の水切りプレートの表面側を上に向けてシンクに載置した状態を例示した側断面図である。流し台のシンク(5)に前記の水切りプレート(1)の表面側を上に向けて、その前後の膨出部(2)をシンク周縁端部に設けられた段差部(6)に係合させることによって、水切りプレート(1)が載置されるようにしている。この場合、水切りプレート(1)の表面側には、線材部(4)を備えられていることから、この線材部(3)には鍋や薬缶等の調理具を置くことができる。またその支持部としての平板部(3)と段差部(6)との間には隙間が生じているため、水切りとしての効果も有している。線材部(4)は複数の線材によって構成されているが、この線材の数や形状、太さ等は、前記のような調理具を安定に置くことができるのであれば、特にその断面形状や本数等が限定されるものではない。たとえば、断面形状としてはブレード状、丸棒状、角棒状等を挙げることができる。
【0013】
鍋等を載置できる線状部(4)は、これを線状により構成されていることによって加熱された鍋等の調理具が接しても熱伝導が小さく抑えられ、また、線状部(4)は図2にも示されているように流し台の天板(8)より上方に突出されていることから、加熱された調理具の熱がこの天板(8)に伝達することが小さく抑えられている。また、この場合において、水切りプレート(1)の高さ位置が、調理機器(7)の高さと略同じとすることができる。
【0014】
一方、図3は、水切りプレートの裏面側を上に向けてシンクに載置した状態を例示した側断面図である。水切りプレート(1)の裏面側を上に向けてシンクに載置しており、平板部(3)は流し台の天板(8)と略面一になっており、この場合においても、水切りプレート(1)は前記膨出部(2)との係合によってシンク(5)の周縁端部に設けられている段差部(6)に載置されている。このような膨出部(2)の載置によって平板部(3)とシンク(5)の段差部(6)との間には隙間が生じ、水はこの隙間からシンク(5)内へとスムーズに流れ落ちるようになっている。もちろん、配設されるこの膨出部(2)の数等は特に限定されない。平板部(3)には、従来のような排水のための穴がなく、従来のように水垢や汚れによってこの排水穴の目詰まりが生じることなく、この清掃のための負担も生じない。しかも、平板状であるため水切りとしてだけでなく、調理プレートとしても活用することができる。
【0015】
図4は上記の水切りプレート(1)をシンク(5)に載置状態を例示した全体斜視図であり、(A)は水切りプレート(1)を調理具置きとして使用している様子を、(B)は水切りのために使用している様子を示している。
【0016】
図4のように、水切りプレート(1)が載置されるシンク(5)が、調理機器(7)近傍に設けられている場合には、たとえば図4(A)の例示のとおり、水切りプレート(1)を線材部(4)を上にして、シンク(5)に載置することによって、加熱された鍋等の調理具をこの水切りプレート(1)にスムーズに移動させることができる。
【0017】
また図4(B)のように、水切りプレート(1)を平板部(3)を上にして、シンク(5)に載置することによって、水切りプレート(1)を水切りとして使用することができ、しかも魚や野菜等の食品等の調理のための調理プレートとしても使用することができ、流し台のスペースを有効に活用することもできる。
【0018】
すなわち、この出願の発明の水切りプレート(1)は、使用者の必要に応じて、上下反転させることによって、水切り板として、あるいは調理具置きとして自由に使用することができる。
【0019】
図4のような横幅があるシンク(5)に水切りプレート(1)が載置される場合には、シンク(5)の形状やサイズに応じた範囲において、任意にスライド(矢印)させることもできる。
【0020】
さらにまた、図5のようにサイドシンク(9)を調理機器(7)近傍に設け、水切りプレート(1)をこのサイドシンク(9)に載置することもできる。これによって、前記のとおりのこの出願の発明の水切りプレート(1)の効果が得られるとともに、スペースをもより有効に活用することができる。
【0021】
この出願の発明の水切りプレート(1)では、その線材部(4)の高さ位置は、たとえば、図6(A)に例示した図5a-a断面矢示図のように、調理機器(7)の高さと略同じとすることにより、鍋や薬缶等の調理具の移動の際の負担を減らすことができる。また、調理機器(7)からの調理具の移動は、通常横方向であるが、水切りプレート(1)の線材部(4)の線材が流し台の長手方向に向かって配設させれることによって、調理具の移動が、よりスムーズにすることができる。
【0022】
もちろん、この出願の発明は以上の例によって限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。
【0023】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、水切りの機能を有するとともに、鍋や薬缶等の調理具も載置することのできる新しい水切りプレートとこれを備えたキッチンキャビネットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の水切りプレートを例示した模式図として、(A)は平面図、(B)は底面図、(C)は(A)のa-a断面矢示図、(D)は(A)のb-b断面矢示図である。
【図2】図1の水切りプレートの表面側を上に向けてシンクに載置した状態を例示した側断面図である。
【図3】図1の水切りプレートの表面側を上に向けてシンクに載置した状態を例示した側断面図である。
【図4】図1の水切りプレートをシンクに載置した全体斜視図として、(A)は鍋置きとして、(B)は水切り板として使用している状態を例示した図である。
【図5】この出願の発明の別の実施形態としてサイドシンクに水切りプレートを載置した全体斜視図として、(A)は鍋置きとして、(B)は水切り板として使用している状態を例示した図である。
【図6】 (A)は鍋置きとして使用している状態におけるa-a断面矢示図、(B)は水切り板として使用している状態におけるa-a断面矢示図である。
【符号の説明】
1 水切りプレート
2 膨出部
3 平板部
4 線材部
5 シンク
6 段差部
7 調理機器
8 天板
9 サイドシンク
Claims (5)
- 流し台シンク周縁端部の段差部に載置される水切りプレートであって、左右および前後端部の少なくとも一方には膨出部を、裏面側には水切り板としての平板部を、表面側には調理具置きとして複数の線材が平行に配設された線材部とを備え、全体の厚みもしくは高さが、裏面側を上に向けて前記段差部に膨出部を係合載置させることによって、裏面側平板部と流し台の天板とが略面一となり、また表面側を上に向けて係合載置させることによって、表面側線材部が流し台の天板よりも上方に突出するように構成されていることを特徴とする水切りプレート。
- 線材部の高さ位置が、調理機器の高さと略同じであることを特徴とする請求項1の水切りプレート。
- 線材部の線材が、流し台の長手方向に向けて配設されていることを特徴とする請求項1または2の水切りプレート。
- 請求項1から3のいずれかの水切りプレートが、シンクの周縁端部の段差に対して係合載置と取り外し自在とされていることを特徴とするキッチンキャビネット。
- 水切りプレートがサイドシンクに係合載置と取り外し自在とされていることを特徴とする請求項4のキッチンキャビネット。
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