JP3982279B2 - 湯切り口付き蓋材 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、主として生麺などの即席食品(この発明においては、以下単に即席食品という)の密封包装に使用する容器の蓋材、特に即席食品を柔らかくほぐすために注がれた湯を排出する湯切り口を備えた湯切り口付き蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】
即席食品は、カップ容器(発泡スチロール、スチロール、ポリプロピレンなどからなる)に密封包装された生麺、ソースやスープ、そして具などがそれぞれ個別に密封包装されて容器内に密封封入されている。
この即席食品を食するに当たっては、まず蓋材を容器開口から剥離し、生麺などを容器からすべて取り出す。次いで、生麺をパウチから取り出して、容器内に戻し、湯を注ぎ込み、生麺を軽くほぐす。次いで、容器内の湯を排出し、ソースやスープ、そして具などを適宜に添加して再び湯を注ぐ。
【0003】
ところで、従来の、例えば即席ラーメン(カップ麺)などでは、蓋材の一部分を容器開口部から剥離し、ここからスープ(ソース)、そして具の入ったパウチを容器外に取り出す。しかし、乾麺はそのまま容器内に留め置き、ここへスープ(ソース)、そして具を入れ、次いで湯を注ぎ込んで、蓋を再び閉めて、2〜3分間麺を蒸らし、その後蓋材を完全に剥離するようにしている。
また、焼きそばやスパゲティーなどでは、湯を注いでから、麺の解れをまって、湯を排出し、次いで蓋材をすべて剥離するようにしている。
【0004】
そして、従来のこの種乾麺等を主体とした湯切り口付き蓋材は、基本的に麺類が容器内に据え置かれたままで湯が注ぎ込まれる形態が採用されている。つまり、容器からいったん取り出されるものは、スープ(ソース)、そして具などの比較的小容量のものであった。また、麺類などをゆがく必要上、蓋材の開口量は極力小さい方が望ましいとされている。
【0005】
また、焼きそばやスパゲティーの蓋材では、湯を注ぐための部分的な開封に続き、湯切り口を開口する手間、更には食するにあたって蓋材をすべて開封する手間も要する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この発明が対象とする即席食品は、最も容量の大きな麺類などをいったん容器から取り出す必要がある。取りあえずは、従来の乾麺用の容器蓋材をそのまま転用してみたが、蓋材を完全に剥離しない限りは麺類が大変取り出し難いことが分った。また、即席食品をほぐすにも、大変ほぐしにくい欠点があることがわかった。その理由は、乾麺用の容器蓋材が、基本的には蓋材の開封面積を少なくするものであり、必然的に蓋材の開封面積が不十分であることに起因することがわかった。
【0007】
そこでこの発明は、このような観点から、即席食品の仕様に最適な蓋材を得ることを課題として開発された。
したがって、この発明は、第1に蓋材の開封面積を可及的に大きくすることを課題とする。また、第2に蓋材の開封手数を可及的に少なくし、併せて即席食品などが不用意に容器外にこぼれることを的確に防止することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の技術的な課題を解決するために、この発明の請求項1記載の湯切り口付き蓋材は、周縁部の異なる二箇所にプルタブが備わり、表面シートと基材が接着剤層を介して積層されているとともに、中央部分を横断して、容器の開口部から剥離される部分と、容器の開口部に接着されたまま残存する部分とに分ける簡易切断線が設けられ、この簡易切断線を挟んで容器の開口部から剥離される部分側に一方のプルタブが、また、容器の開口部に接着されたまま残存する部分側に他方のプルタブがそれぞれ設けられ、容器の開口部に接着されたまま残存する部分側には、容器の開口部フランジとのシール部に沿わせて複数個の湯切り口形成用部分ハーフカットが設けられていて、このハーフカットは、前記簡易切断線側が非連続で、前記シール部側が連続した部分ハーフカットに形成され、かつ、シール部側が先細りとなった形状に形成されたものである。
【0009】
【作用】
以上の構成による湯切り口付き蓋材においては、まず容器の開口部から剥離される部分側のプルタブを摘まんでこれを引っ張りあげる。これによって、蓋材の内、簡易切断線を挟んでこのプルタブが存在する側の部分が容器の開口部フランジから剥離する。このとき、蓋材は、従来のように途中まで剥離するのとは全く違って、全体を剥離するように引き上げる。この剥離は、簡易切断線の存在によって、安定的で軽快に行われる。その結果、湯切り口形成用部分ハーフカットを備えた部分のみが容器の開口部のフランジに接着された状態で残り、容器の開口部は大きく開放される。次いで、この状態から基材が切り取られた開口部から容器内に収納されている即席食品、スープ(ソース)、そして具などを取り出す。次に、前記湯切り口形成用部分ハーフカットに囲まれた部位を表面側から容器内方に向って押し込む。この押し込みによって、部分ハーフカット部分に囲まれた蓋材部分が、簡易切断線側が蓋材に連結された状態で、シール部分側が容器内方へ落ち込んで傾斜状に折り込まれる。その結果、この部分ハーフカット部分に囲まれた蓋材部分に湯切り口が形成される。次に、即席食品のみを容器に入れて湯を注いでゆがいた後に、湯切り口から湯切りする。次いで、前記他方のプルタブを摘まんで上方に引っ張りあげ、湯切り口が形成されていて容器の開口部に接着されたまま残存する部分を剥離してから、取り除き、容器の開口部を完全に開放する。その後、容器内に具やスープを入れ、電子レンジで加熱するかもしくは湯を注ぐことにより、カップ入り即席食品ができあがる。
【0010】
【発明の効果】
したがって、この発明の請求項1記載の湯切り口付き蓋材は、以下の効果を奏する。
一方のプルタブを上方に引っ張りあげて蓋材を容器の開口部のフランジから剥離すると、簡易切断線を挟んでこの一方のプルタブが存在する側の部分が容器の開口部フランジから剥離してすべて取り除かれる。湯切り口形成用部分ハーフカットを備えた部分のみが容器の開口部のフランジに接着された状態で残る。したがって、開封量を圧倒的に大きく広げることができる。その結果、容器内からのパウチに収納された即席食品の取り出し、また、パウチから取り出された即席食品の容器内への収容を、格段に楽に行える利点がある。併せて、収容された即席食品のほぐし作業も大変楽に行える利点がある。
【0011】
また、中央部分を横断して、容器の開口部から剥離される部分と、容器の開口部に接着されたまま残存する部分とに分ける簡易切断線が設けられているので、剥離安定性をうまく確保できる。
【0012】
更に、湯切り口形成用部分ハーフカットに囲まれた部位を表面側から容器内方に向って押し込む湯切り口を形成することによって、湯切りが行える。したがって、蓋材の開封手数が格段に少なくなり、迅速な開封を可能にする。併せて、この湯切り口は、部分ハーフカット部分に囲まれた蓋材部分が、簡易切断線側が蓋材に連結された状態で、シール部分側が容器内方へ落ち込んで傾斜状に折り込まれたツメが形成されることになる。したがって、湯切りする際に即席食品がこのツメによって、容器の外方に不用意に排出されるのをうまく阻止できる。
【0013】
この発明に係る湯切り口付き蓋材は、簡易切断線として請求項2に記載されるように、ハーフカットを採用したり、請求項3に記載されるように、ハの字ミシン目が採用される。
【0014】
また、この発明に係る湯切り口付き蓋材にあって、簡易切断線は、直線状であったり、請求項4に記載されるように、中間部分が湯切り口形成用部分ハーフカット存在側に凸になるように形成されるのが望ましい。
特に、中間部分を湯切り口が形成される容器の開口部に接着されたまま残存する部分側に凸にする場合には、容器の開口部をより一層広くでき、容器に収納されている即席食品の出し入れが大変容易になる上に、即席食品のほぐしも容易になるからである。
【0015】
更に、この発明に係る湯切り口付き蓋材は、請求項5に記載されるように、容器の開口部から剥離される部分側と容器の開口部に接着されたまま残存する部分側にね設けられたプルタブは、簡易切断線を挟んで互いに隣り合って設けられ、併せて両プルタブの境界には基材から表面シートに貫通し、この簡易切断線に連なるノッチが設けられるのがり望ましい。
容器の開口部から剥離される部分側のプルタブを上方に引っ張りあげて、簡易切断線を挟んでこの容器の開口部から剥離される部分側を容器の開口部フランジから剥離するきっかけが簡単に得られ、隣接する湯切り口形成用部分ハーフカットを備えた、容器の開口部に接着されたまま残存する部分との分離が軽快に行えるようになるからである。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、この発明に係る湯切り口付き蓋材の第1の実施の形態を図1〜7の記載に基づいて説明する。
この湯切り口付きの蓋材1は、容器2の開口部3に、容器2の開口部3とほぼ同じ外形を有し(図4参照)、周縁部4の異なる二箇所にプルタブ5,5Aを備えて構成されている。蓋材1は、図3に示されるように、基材6とこれを被覆する表面シート7が接着剤層8を介して積層される。また、蓋材1は、図1〜4に示されるように、そのほぼ中央部分を横断して、容器2の開口部3から剥離される部分Aと、容器2の開口部3に接着されたまま残存する部分Bとに分ける簡易切断線9が設けられている。そして、前記プルタブ5,5Aの内、一方のプルタブ5は、この簡易切断線9を挟んで容器2の開口部3から剥離される部分A側に、また、他方のプルタブ5Aは、容器2の開口部3に接着されたまま残存する部分B側にそれぞれ設けられている。また、前記容器2の開口部3に接着されたまま残存する部分B側には、容器2の開口部フランジ2Aとのシール部15に沿わせて、複数個の湯切り口形成用部分ハーフカット11が形成されている。この湯切り口形成用部分ハーフカット11は、内面側となる前記基材6から接着剤層8を越えて表面シート7に至る範囲で形成されている。
【0017】
この湯切り口形成用部分ハーフカット11は、前記シール部10側のみが連続した、部分ハーフカットに形成されている。また、シール部10側が先細りとなった台形状に形成されている。したがって、この湯切り口形成用部分ハーフカット11で囲まれた部位Cは、簡易切断線9側のみが蓋材1と連結されている。また、この台形状のシール部10側、つまり天側の幅15mmに、また、高さは5mmに寸法設定されている。
【0018】
図1〜4に示されるように、前記簡易切断線9は、表面側ハーフカット12と裏面側ハーフカット13とから構成されている。前記表面側ハーフカット12は、表面シート7にその表側から設けられている。また裏面側ハーフカット13は、この表面側ハーフカット12に、平面的にわずかな間隔を開けて、しかも基材6側から表面シート7に至るように並設されて設けられている。蓋材1は表面に通常の印刷が施され、通常の打ち抜き型を用いた打ち抜き工程で、直径190mmの排湯機能を備えた湯切り口付き蓋材として作製される。
【0019】
また、図7に示されるように、前記一方のプルタブ5と他方のプルタブ5Aは、簡易切断線9を挟んで互いに隣り合って設けらる。併せて両プルタブ5,5Aの境界には基材6から表面シート7に貫通し、この簡易切断線7に連なるノッチ14が設けられている。プルタブ5を上方に引っ張りあげて、簡易切断線9を挟んでこのプルタブ5が存在する側の部分、つまり剥離される部分Aを容器2の開口部フランジ2Aから剥離するきっかけが簡単に得られ、湯切り口形成用部分ハーフカット11を備えた部分Bとの分離が軽快に行えるようにするためである。このノッチ14は、図1中の部分拡大図に示されるように、表面側ハーフカット12だけでなく、裏面側ハーフカット13にも連なるように形成されている。つまり、この裏面側ハーフカット13の端部をノッチ14側に向けてカーブさせることによって、その端部をこのノッチ14に連ねてある。また、ノッチ14は、基材6から表面シート7に貫通する構成が採用されているが、表面シート7のみ、又は紙20のみを貫通する構成も採用できる。更に、裏面側ハーフカット13を、その端部においてノッチ14に連ねる構成に代えて、表面側ハーフカット12に連ねる構成も採用できる。剥離のきっかけが容易で、簡易、そして確実に得られ、湯切り口形成用部分ハーフカット11を備えた部分Bとの分離が軽快に行える効果は同等である。
【0020】
更に、図4に示されるように、前記蓋材1に設けられたシール部15を容器2の開口部3のフランジ2Aにシールすることで即制食品容器が得られる。そして、前記シール部15のシール幅は、1mmないし10mmが一般的である。
【0021】
ここで、基材6は、図3に示されるように、あらかじめ発泡スチロール、スチロール、ポリプロピレンなどの樹脂を用いて成型された容器2との剥離を容易にする、低温接着性を有するEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)などのオレフイン系樹脂またはヒートシールニスなどからなるシーラント剤18を、15〜60μmの厚さでアルミニウム箔19(厚さ6〜15μm)の裏面に押し出しによりラミネートあるいは塗着することにより作製されたものを使用することができる。
【0022】
このシーラント剤18は、上記の他にも、例えば以下に示すような素材が採用される。例えば、EMAA(メチレン−メタクリル酸)とエステル、ポリスチレンとポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレン、ポリエチレンとポリブテンの混合物などである。
【0023】
この発明において、前記アルミニウム箔19は、必ずしも必要としない。また、アルミニウム箔19の代わりに、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物を蒸着したポリエステルフィルムを採用できる。
【0024】
また、表面シート8は、厚さが50g/m2 〜140g/m2 の範囲内にある紙20、具体的には片アート紙あるいはコート紙を使用することができる。グラビア印刷法により表裏同一行程で、表面側にインキによる印刷層21を設ける。この表面シート7の印刷層21にはプラスチックフィルムを積層して被覆層25を形成してもよい。この印刷層21並びに表面シート7を保護するためである。また、採用されるプラスチックフィルムは、例えば、PET,OPP,ONなどが挙げられる。
【0025】
更に、接着剤層8としては、印刷された紙20との熱接着性に優れた接着剤、具体的には、HDPE(高密度ポリエチレン)、EMAA(エチレン−メタクリル酸)、更にはLDPE(低密度ポリエチレン)になどを使用できる。10〜30μmの厚みで、前記アルミニウム箔19(厚さ6〜15μm)の表面に押し出しによりラミネートあるいは塗着することにより作製されたものを使用することができる。
【0026】
湯切り口形成用部分ハーフカット11は、図4〜5に示されるように、基材6から表面シート7を貫通して形成されている。
【0027】
また、簡易切断線9を形成する表面側ハーフカット12は、表面シート7の表側から紙20に、その厚みのほぼ1/4〜3/4に至る範囲で形成されている。また、裏面側ハーフカット13は、内面側となる前記基材6から接着剤層8を越えて表面シート7の紙20に、その厚みのほぼ1/4〜3/4に至る範囲で形成されている。
【0028】
簡易切断線9は、図1〜3に示されるように、蓋材1のほぼ中央部分で、前記容器2の開口部3に接着されたまま残存する部分B側に向かって凸となるように湾曲する曲線状に形成されている。
【0029】
なお、図例では、このように曲線状に形成されているが、必要に応じて、図2中想像線で示されるように、蓋材1の中央部分を横切るような直線も採用される。この他にも即席食品の容量によっては、例えば、残存する部分B側に偏って、蓋材1の1/3あるいは1/4位置に設けられる構成も採用される。要は、即席食品を可及的に出し入れし易い開封量を得ることと、安全な湯切りが行えるに足る基材6の残存量を得ることの兼ね合いをうまく図ることである。
【0030】
また、前記両プルタブ5,5Aは、図1,2に示されるように、蓋材1の周縁部4の内、この剥離される部分Aの周縁部4A、また、残存する部分Bの周縁部4Bの中間点よりも左右いずれかの側に片寄った位置に設けられるのが望ましい(図例では右側)。特に、前記各部分A,Bの右あるいは左側端、つまりは開封縁となるような部位が好ましい。その理由は、これらプルタブ5,5Aを摘まんで、この剥離される部分A、また、残存する部分Bを容器2のフランジ2Aから剥離する際に、これら各部分A,Bの一端側から剥離力を作用させることができるからである。つまり、これらプルタブ5,5Aが各部分A,Bの周縁部4A,4Bの中間点に存在すると、これらプルタブ5,5Aから各部分A,Bに働く剥離力は、左右に均等に分散される。その結果、それだけ剥離力が弱くなり、より大きな剥離力が要求されることになるからである。また、このようにすることで、この一方のプルタブ5は、湯切りされる湯の排出経路から傍らに片寄った位置に存在する。したがって、湯切り直後であっても、このプルタブ5に熱湯の雫などが付着したり、熱くなっていたりするおそれがなく、不用意に火傷を負う危惧もなくなるからである。
【0031】
以上の構成において、蓋材1は、両プルタブ5,5Aが共に容器2の外方に突出した状態で、容器2の開口部3を覆って、内面のシーラント剤18層と容器2のフランジ2Aとがシール部10で熱接着されている(図4参照)。
【0032】
次いで、図5に示される蓋材1が取り付けられている容器2を使用するに際しては、まず一方のプルタブ5を摘まんで蓋材1を容器2から引き剥がす。蓋材1は内面のシーラント剤18層と容器2のフランジ2Aとのシール部10が剥離してくる。このとき、ノッチ14の存在によって、蓋材1の容器2の開口部3から剥離される部分Aが残存する部分Bから容易に切断され、以降の分離を軽快に行うきっかけが得られる。したがって、簡易切断線9、つまり表裏両ハーフカット12,13を境にして、剥離される部分Aが簡便、かつ、軽快に剥離してくる。
【0033】
この表裏両ハーフカット12,13を境にして剥離される部分Aが容器2から完全に剥離した後は、図5に示されるように、湯切り口形成用部分ハーフカットを備えた部分、つまり残存する部分Bのみが容器2開口部3のフランジ2Aに接着されたまま残り、容器2の開口部3をほぼ1/2乃至1/2以下〜1/4程度を覆った状態となる。次いで、この状態から剥離される部分Aが切り取られた開口部3から容器2内に収納されている即席食品、スープ(ソース)、そして具などを取り出す。
【0034】
次いで、図6に示されるように、湯切り口形成用の部分ハーフカット11に囲まれた部分Cを表面シート7側から容器2の内方へ向って突き降ろす。すると、この部分ハーフカット11に囲まれた部分Cは、簡易切断線9側のみが蓋材1と繋がっているので、この部位を支点にして先端側、つまりシール部分15(13)側が容器2の内側に傾斜状に折り込まれて、湯切り口22が形成される。この傾斜姿勢は、言うまでもなくシール部分15(13)側ほど、つまり部分ハーフカット11に囲まれた部分Cの先端側ほど下位となる。
【0035】
次いで、即席食品をパウチから取り出し、即席食品だけを容器2内に入れ、湯を注いで即席食品を1〜2分間ゆがいたり、ほぐしたりする。その後、容器2を傾けて容器2の開口部3に接着されて残存する部分Bの湯切り口22から湯切りを行う。次いで、スープ(ソース)、そして具を容器2内に入れて湯を注ぎ、例えばラーメンなどのカップ入り即席食品を完成させる。その後、容器2の開口部3に接着されたまま残存する部分Bを他方のプルタブ5Aを摘まんで剥離して、取り除き、容器2の開口部3を完全に開放し、即席食品を食する。他方のプルタブ5Aは、この残存する部分Bの端の方に設けられているので、この残存する部分Bに対する引っ張り上げ力をこの残存する部分Bの一端に集中的に作用させ得る。したがって、可及的に簡便で、軽快な剥離を可能にする。
【0036】
(第2の実施の形態)
この発明の第2の実施の形態の蓋材1は、基本的な構成は前記第1の実施の形態と同じであり、前記簡易切断線9が、所謂ハの字ミシン目で構成されている点で異なる。したがって、その他の構成、作用などの詳細な説明は省略する。
【0037】
図8に示されるように、簡易切断線9を構成するこの所謂ハの字ミシン目は、前記第1の実施の形態と同様に、この蓋材1のほぼ中央部分を横断する境界線に沿って形成されている。このハの字ミシン目は、基材6から表面シート7に貫通して設けられ、互いに外側に拡がるように傾斜した形状の剥離用切れ目16を多数設けてなる切れ目線17を複数列設けて形成される。更に具体的には、剥離用切れ目16は、図8の部分拡大図に示されるように、流れ方向に対して約20度外側に斜めに拡がる形状の一対の構成で連続的に設けられて1列の切れ目線17が形成される。実施される蓋材1には、この切れ目線17が2列以上設けられた構成となっている。ここで、切れ目線17を構成する切れ目16は、前記の形状で、しかも左右対称の形状に設けるのが、切断し易く、また、隙間ができなく、切断部分に蓋材1の切断端が残らず綺麗に剥離できる。この切れ目線17は、2列以上の複数列設けられるのが望ましいが、3列以上5列以下の範囲で設けるのが、剥離性、安定性の点から好ましい。
【0038】
また、図9に示されるように、前記湯切り口形成用部分ハーフカット11は、図1に示される簡易切断線9と同様に、表面側ハーフカット11Aと裏面側ハーフカット11Bとから構成されている構造を採用できる。言うまでもなく、表面側ハーフカット11Aは、表面シートにその表側から設けられる。また、裏面側ハーフカット11Bは、この表面側ハーフカット11Aに平面的に僅かな間隔を開けて、しかも基材6側から表面シート7に至るように並設されて設けられている。表面側ハーフカット11Aは、表面シート7の表側から紙20に、その厚みのほぼ1/4〜3/4に至る範囲で形成されている。また、裏面側ハーフカット11Bは、内面側となる前記基材6から接着剤層8を越えて表面シート7の紙20に、その厚みのほぼ1/4〜3/4に至る範囲で形成されている。湯切り口22を形成するに当たって、この湯切り口形成用部分ハーフカット11に囲まれた部位Cを容器側に落とし込む作業が簡単で、軽快に行える上に、不用意な外力の働きで湯切り口22が開口されるのをうまく防止できるからである。
【0039】
以上各実施の形態においては、蓋材1の形状を円形で紹介したが、その形状は適宜任意に選択され、容器2の開口部3の形状に合わせれば良い。また、部分ハーフカット11で囲まれた部位Cの形状は、台形の他にも、半円形、部分円弧(図1中想像線で示す)、楕円形、あるいは三角形であっても同様の効果を奏する。更に、湯切り口22の大きさや設けられる数、更には設けられる位置も任意であり、湯切りの際に即席食品が漏れ出さず、しかも素早い湯切りができるように設定される。
【0040】
【実施例】
以下この発明の実施例を説明する。
(実施例1)
この湯切り口付き蓋材1は、次のようにして作製される。
まず、あらかじめカップ容器2との剥離を容易にした低温接着性を有するEVAなどのオレフィン系樹脂からなるシーラント剤18(25μm厚)をアルミニウム箔19(9μm厚)に塗着する(ポリエチレンの接着層23を介しても良い)ことによって基材6を作製する。同時に、巻取り状の紙20(コート紙:84.9g/m2 )に、グラビア印刷法により、表裏同一工程で、インキによる印刷層21とその表面側を、ポリエチレンの接着層24を介してドライラミネートにより、ポリエステル(12μm厚)の被覆層25で覆うことにより表面シート7を作製する。引き続きLDPE(低密度ポリエチレン:15μm厚)からなる接着剤層8により、エクストルーダーを用いて、表面シート7を基材6の表面にラミネートすることにより積層材を得る。
なお、前記被覆層25は必要に応じて採用されれば良い。
【0041】
続いて、このラミネートされた巻取り状の積層材を枚葉状に大断ちした後、ハーフカット加工を行い(巻取り状にてハーフカット加工をする場合もある)、ハーフカット加工完了後、小断ち・抜き加工を経て、この発明の蓋材1を作製する(ハーフカット加工と同時に小断ち・抜き加工を行う場合もある)。
【0042】
そして、この蓋材1をカップ容器2にヒートシールなどにより、シール部10のシール幅を4mmとしてシールすることによって、排湯機能を備えた即席食品容器が完成する。このカップ容器2は、例えば発泡スチロール、スチロール、ポリプロピレンなどから、あらかじめ成形されている。
【0043】
前記ハーフカット加工において、湯切り口形成用の部分ハーフカット11、また、簡易切断線9を構成する表裏両ハーフカット12,13としては、共に直線状のハーフカットで形成されているが、必要に応じて、ミシン目状のハーフカットで形成されても良い。
【0044】
この実施例1における蓋材1が取り付けられた容器の使用手順は、前記第1の実施の形態に示される手順と同様であるので、その詳細な説明は省略し、構成の説明にとどめる。
【0045】
(実施例2)
この発明の実施例2の蓋材1は、基本的な構成は実施例1の蓋材1と同様であるので、同じ構成については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
この実施例2の実施例1との大きな差異は、簡易切断線9が所謂ハの字ミシン目で構成されている点である。
【0046】
前記実施例1と同様の手順で得られた積層材を枚葉状に大断ちした後、ハの字ミシン目加工を行い(巻取り状にてハの字ミシン目加工をする場合もある)、ハの字ミシン目加工完了後、小断ち・抜き加工を経て、この発明の蓋材1を作製する(ハの字ミシン目加工と同時に小断ち・抜き加工を行う場合もある)。
【0047】
そして、この蓋材1をカップ容器2にヒートシールなどにより、シール部10のシール幅を4mmにしてシールすることによって、排湯機能を備えた即席食品容器が完成する。この実施例では、ハの字ミシン目は基材5から表面シート4に貫通して設けられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における湯切り口付き蓋材を示し、その一部を取り出して拡大した平面図である。
【図2】この発明の実施例1における湯切り口付き蓋材の裏面図である。
【図3】この発明の実施例1における湯切り口付き蓋材の積層構成を示し、図1中A−A線に沿った断面図である。
【図4】この発明の実施例1における湯切り口付き蓋材を容器に開口部に接着した状態を示し説明断面図である。
【図5】容器に開口部に接着したこの発明の実施例1における湯切り口付き蓋材を剥離した状態を示す説明断面図である。
【図6】この発明の実施例1における湯切り口付き蓋材の湯切り口を示し説明断面図である。
【図7】この発明の実施例1における湯切り口付き蓋材のノッチを示し、図1中B矢示図である。
【図8】この発明の実施例2における湯切り口付き蓋材を示し、その一部を取り出して拡大した表面図である。
【図9】この発明の湯切り口付き蓋材の湯切り口形成用部分ハーフカットの変形例を示す一部切欠き平面図である。
【図10】図9に示される湯切り口形成用部分ハーフカットを示す要部の説明断面図である。
【符号の説明】
1…蓋材,2…容器,3…開口部,5…一方のプルタブ,5A…他方のプルタブ,6…基材,7…表面シート,8…接着剤層,9…簡易切断線,10…シール部分,11…湯切り口形成用部分ハーフカット,11A…表面側ハーフカット,11B…裏面側ハーフカット,12…表面側ハーフカット,13…裏面側ハーフカット,14…凸の部分,15…シール部分,16…切れ目,17…切れ目線,18…シーラント剤,19…アルミニウム箔,20…紙,21…印刷層、22…湯切り口,A…剥離される部分,B…残存する部分,C…部分ハーフカットに囲まれた部位。

Claims (5)

  1. 周縁部の異なる二箇所にプルタブが備わり、表面シートと基材が接着剤層を介して積層されているとともに、中央部分を横断して、容器の開口部から剥離される部分と、容器の開口部に接着されたまま残存する部分とに分ける簡易切断線が設けられ、この簡易切断線を挟んで容器の開口部から剥離される部分側に一方のプルタブが、また、容器の開口部に接着されたまま残存する部分側に他方のプルタブがそれぞれ設けられ、容器の開口部に接着されたまま残存する部分側には、容器の開口部フランジとのシール部に沿わせて複数個の湯切り口形成用部分ハーフカットが設けられていて、このハーフカットは、前記簡易切断線側が非連続で、前記シール部側が連続した部分ハーフカットに形成され、かつ、シール部側が先細りとなった形状に形成されていることを特徴とする湯切り口付き蓋材。
  2. 簡易切断線は、表面シートにその表側から設けられた表面側ハーフカットと、このハーフカットに平面的に僅かな間隔を開けて、基材側から表面シートに至るように並設された裏面側ハーフカットとから構成されている請求項1記載の湯切り口付き蓋材。
  3. 簡易切断線は、表面シートから基材に貫通する、互いに外側に拡がるように傾斜した形状の剥離用切れ目を多数設けてなる切れ目線を複数列設されて構成されている請求項1記載の湯切り口付き蓋材。
  4. 簡易切断線は、中間部分が湯切り口形成用部分ハーフカット存在側に凸になるように形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の湯切り口付き蓋材。
  5. 容器の開口部から剥離される部分側と容器の開口部に接着されたまま残存する部分側に設けられたプルタブは、簡易切断線を挟んで互いに隣り合って設けられ、併せて両プルタブの境界には基材から表面シートに貫通し、この簡易切断線に連なるノッチが設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の湯切り口付き蓋材。
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