JP3982172B2 - 電気機器収容箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器収容箱に関し、特に屋外にて使用可能な電気機器収容箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、屋外において使用される電気機器収容箱としては、図10に示す如く、屋根体103を備えたものが使用される。この屋根体103は、屋外にて使用時に、雨水が電気機器収容箱100内部へ流入するのを防止するもので、箱本体101前面の開口部(図示せず)を開閉自在に覆う扉体102の周縁上部と箱本体101の天板前縁との接合部分を覆っている。そして、多くの場合、下面開口の箱状で、屋根体の屋根面上に滴下した雨水を流下させて雨水を屋根体上面に溜まり難くし、屋根体表面の塗装劣化や錆防止を実現するため、屋根面上面は、図11に示すこの屋根体103のように前方、または後方へ傾斜している。
【0003】
この屋根体103は、図11、12に示すように、その裏面側に垂設させた固定具105となるボルトを介して箱本体101の天板に固定されている。そして、扉体102上部にある程度覆い被さるよう、屋根体103周縁に垂下する前板104部分が扉体102より前側に張り出すようになっている。
【0004】
したがって、雨水の電気機器収容箱100内部への流入防止とともに箱本体101の天板上面への雨水の吹き上がりも防止することができ、また、天板に設けられている固定孔等から箱本体101内部への雨水の侵入も無い。なお、一般には前方側へ傾斜した屋根体をもった電気機器収容箱が使用されるが、雨天時の電気機器の保守点検の際に、雨水が前側に流下することの不具合のときには、傾斜の無いものあるいは後方傾斜型の屋根体をもったものが使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術においては、屋外にて使用される電気機器収容箱100の箱本体101は、同図に示すように、扉体102が開閉可能となるよう、屋内にて使用される電気機器収容箱100の箱本体101よりは扉体102の上端と箱本体101の上面とに比較的大きな段差が設けられている。すなわち、屋外用に用いる箱本体と屋内用に用いる箱本体とを別にそれぞれ用意されていた。したがって、相対的に数量の少ない屋外用の電気機器収容箱のコストが高くなるという問題があった。
【0006】
ところで、上記のような電気機器収容箱を屋外に設置した際には、収容された電気機器自体の発熱によって内部の温度が上昇して、冬季において、箱本体の外部には結露が生ずる。また、電気機器収容箱自体の防水性能を維持させるために、箱本体と扉体との密閉性を比較的に高める構成となっており、外部の温度変化によっても箱本体の内部にも結露が生じやすい。したがって、防水性を維持し、且つ通気性を確保するための構成を別に設ける必要があった。したがって、そのためのコストも上昇するという問題があり、さらに、重量の大きい箱本体においては、その設置を容易におこなう吊り具を設けるために穿設された吊り具孔を、設置した後において確実に密閉する必要があった。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、安いコストの箱本体を使用すること、また、屋外に設置して効果的な結露防止の実現できる電気機器収容箱を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電気機器収容箱にあっては、前面に開口部を有した箱本体と、前記開口部を開閉自在に覆う扉体と、幅方向両側に垂下する側板を有して下面開口で箱状に形成され前記扉体の周縁上部と前記箱本体の天板前縁との接合部分を覆うものであって、下面側に下方に屈曲して更に前記天板と略平行な方向に屈曲する取付片を突設させ、前記取付片の前記天板と略平行な部分に垂設させた固定具を介して前記天板に固定され、前記側板の前記箱本体の前面寄りに前記扉体が開閉可能となるよう切欠が形成されてなる屋根体と、を備えた電気機器収容箱であって、前記取付片は、屋根体の幅方向長さと略一致する長尺材とするとともに通気孔が形成され、該取付片には箱本体の前面から雨水が天板上面に吹き上がるのを防止するパッキン材が設けられ、前記天板に、前記箱本体を懸架させる吊り具を設置可能で前記通気孔とともに通気経路を形成する通気孔を兼ねた吊り具孔を穿設させたことを特徴としている。
【0009】
この構成にて、電気機器収容箱の箱本体の開口部を開閉自在に覆う扉体は、その箱本体に取り付けられた、扉体周縁上部と箱本体の天板前縁との接合部分を覆う下面開口で箱状の屋根体の、幅方向両側に垂下する側板の前側に形成された切欠を横切るようにして開閉される。
【0010】
そして、前記屋根体を、前記屋根体の下面側に下方に屈曲して更に前記天板と略平行な方向に屈曲する取付片を突設させ、前記取付片の前記天板と略平行な部分に垂設させた固定具を介して前記天板に固定させることが好ましい。この場合、下面開口で箱状の屋根体が、前記屋根体の下面側に突設された前記取付片の前記天板と略平行な部分に垂設させた固定具を介して天板に固定される。
【0011】
また、前記取付片を屋根体の奥行き方向にわたって設けるのが好ましい。この場合、箱状の屋根体を、その奥行き方向にわたって下面側に突設された下方に屈曲して更に前記天板と略平行な方向に屈曲する取付片を介して前記天板に固定できる。
【0012】
また、前記取付片を屋根体の幅方向長さと略一致する長尺材とするのも好ましい。この場合、箱状の屋根体が、その屋根体の幅方向長さと略一致する長尺で前記屋根体の下面側に突設された下方に屈曲して更に前記天板と略平行な方向に屈曲する取付片を介して天板に固定される。
【0013】
また、前記固定具を前記屋根体の前記箱本体の前面寄りに設け、同屋根体後板の幅方向にわたって前記箱本体の前面側に突出させた被係止凸部を設けるとともに、前記箱本体の背板後面に係止凹所または係止小開口を形成するのが好ましい。この場合、箱状の屋根体が、その屋根体後板の幅方向にわたって突設された被係止凸部を箱本体の背板後面に設けられた係止凹所または係止小開口に係止させ且つ、前記屋根体の下面側に突設された下方に屈曲して更に前記天板と略平行な方向に屈曲する取付片に設けられ、前記屋根体の前記箱本体の前面寄りに設けた固定具を介して箱本体の天板に固定される。
【0014】
また、前記取付片を屋根体の屋根面が前記箱本体の前後方向に傾斜するように設けるのが好ましい。この場合、下面開口で箱状の屋根体が、取付片に垂設させた固定具を介して、前記屋根体の屋根面が前記箱本体の前後方向に傾斜するよう天板に固定される。
【0015】
また、前記天板に、前記箱本体を懸架させる吊り具を設置可能で、且つ同箱本体内部からの通気孔を兼ねた吊り具孔を穿設するのが好ましい。この場合、電気機器収容箱を、箱本体の天板に設けられた吊り具孔に吊り具を設けられて懸架し設置させた後、前記箱本体に取り付けられた屋根体にて覆われた吊り具孔を介して箱本体内部からの通気ができる。
【0016】
また、前記記吊り具孔に、その周縁の突出したブッシング材を配設するのが好ましい。この場合、屋根体にて覆われた電気機器収容箱の箱本体の、吊り具孔に設けられたブッシング材周縁の突出部分にて箱本体内部への雨水の侵入が防止される。
【0017】
また、前記天板を前記箱本体の前後方向に傾斜するように形成するのが好ましい。この場合、電気機器収容箱の箱本体が、前記箱本体の前後方向に傾斜するよう形成された天板部分にて雨水の滞留が防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5は、本発明の第1の実施の形態を示し、図6乃至図8は、本発明の第2の実施の形態を示し、図9は、本発明の第3の実施の形態を示している。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の電気機器収容箱の概略構成を示す斜視図、図2は、同電気機器収容箱の説明図、図3は、同電気機器収容箱の箱本体の説明図、図4は、同電気機器収容箱の屋根体を下面側から見た斜視図、図5は、同電気機器収容箱の屋根体の取付手順の説明図である。
【0020】
この実施の形態の電気機器収容箱は、前面に開口部2aを有した箱本体2にその開口部2aを開閉自在に覆う扉体3を設け、同扉体3の周縁上部3aと箱本体2の天板21前縁との接合部分を覆う、下面開口で箱状の屋根体4を箱本体2に取り付けてなる電気機器収容箱1であって、前記屋根体4は、その幅方向両側に垂下する側板42,42の箱本体2の前面寄りに、前記扉体3が開閉可能となるよう切欠45,45が形成されてなる。
【0021】
また、該実施の形態の電気機器収容箱1においては、前記屋根体4を、前記屋根体4の下面側に下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片5を突設させ、同取付片5に垂設させた固定具6を介して前記天板21に固定させてもいる。
【0022】
詳しくは、この電気機器収容箱1は、その内部にブレーカ、電磁開閉器などの電気機器を収容し屋外にて使用可能なもので、図2に示すように、箱本体2と、扉体3と、屋根体4と、箱本体2をコンクリート打ちされた床面等の設置面に安定状態に固定させるための鋼板製の台座7(図1参照)とを備えている。なお、この電気機器収容箱1の内部には、上記のような電気機器を設けてそれらを安全に使用させるために、その操作部分のみ露出させて、電気機器への配線領域となる他の部分を覆う内パネル(図示せず)が適宜設けられる。
【0023】
箱本体2は、この場合、縦長の鋼板材料製であって、その開口部2aが前側略中央位置に突出するように設けられた前面開口の箱体で、天板21、両側の側板22,22、背板24及び底板(図示せず)を有している。この箱本体2は、前面の開口部2aの周縁には水切りを兼ねた扉止め部が設けられているが、開口部2aがその略中央位置に設けられているので、屋内用の電気機器収容箱としても違和感なく使用することができる。
【0024】
天板21の両側には、図3(b)に示すようにこの箱本体2を懸架させる吊り具8が設置可能である。この天板21には、図3(a)に示すように、同箱本体2内部からの通気孔を兼ねた吊り具孔21aと、後述する屋根体4を固定するための固定孔21bとが所定位置に、上方への段抜きノックアウト加工にて形成されたノックアウト部として穿設されている。これにより、このノックアウトを叩いて取り外すまでは箱本体2の密閉性が確保され、その状態において屋根無しの屋内用の電気機器収容箱として使用できるようになっている。また、屋根有りの屋外用の電気機器収容箱として使用するときには、適宜そのノックアウトを取り外して使用することができる。さらに、この吊り具孔21a及び固定孔21bは、上方への段抜きノックアウト加工とされており、例えば結露水などの水が溜まることが無く、錆び、汚れなども生じにくく、箱本体2の使用性を向上させている。
【0025】
扉体3は、この場合、鋼板材料製で縦長薄箱状の、後面開口の扉パネル31の左縁部に把手32を設けて形成されている。そして、上記箱本体2の開口部2aの右縦辺に、その開口部2aを開閉自在に覆うよう蝶番(図示せず)を介して軸支されている。
【0026】
屋根体4は、扉体3の周縁上部3aと箱本体2の天板21前縁との接合部分を覆い、電気機器収容箱1を屋外にて使用する際に箱本体2内部へ雨水が浸入しないようにするものである。この屋根体4は、下面側に、固定具6となるボルトの設けられた鋼板材料製の取付片5を有して鋼板材料にて形成され、また、機械的に高い強度を得るため、及び上記接合部分を効果的に覆う目的にて横長箱状に形成されている。そして、その側板42の箱本体2の前面寄りに、切欠45が、前記扉体3を開閉する際に当たらないよう設けられおり、また、屋根面4aに滴下した雨水を流下させて雨水を溜まり難くして屋根体4表面の塗装劣化や錆防止をするため、その屋根面4aを形成する上面板41が、後板44から前板43にかけて箱本体2の前後方向に傾斜するよう形成されている。この上面板41の下面に取付片5が突設されている。
【0027】
取付片5は、屋根体4を箱本体2の天板21に固定させるもので、図4、図5に詳しく示すように、屋根体4の奥行き方向にわたって、屋根体4の上面板41下面の奥行き方向のそれぞれの溶接部となる固着面5a,5aから、箱状の屋根体4を前記天板21に固定可能となるよう下方に屈曲されて更に天板21と略平行な方向に屈曲され一体に形成されている。この取付片5の天板21と略平行な方向に屈曲された部分の両端部近傍部には、それぞれ固定具6が溶接固着され垂設されている。したがって、1部品による取付片5を屋根体4両側に設けて確実に固定することができる。また、屋根体4がこの取付片5にて持ち上げられることとなって、その屋根体4の全周囲に垂下する側板42,42、前板43及び後板44を幅広に形成できることとなり、屋根体4の強度向上を容易に図ることができる。
【0028】
上記の電気機器収容箱1においては、箱本体2に扉体3を設けた状態にて上記ノックアウトを取り外さない状態において、図3(a)に示すように屋根無しの屋内用の電気機器収容箱として使用可能である。そして、屋根有りの屋外用の電気機器収容箱として使用するとき、電気機器収容箱の重量の大きいときには、まず、吊り具孔21aのノックアウトを取り外して、図3(b)に示すように吊り具8をナツト81にて固定し、その吊り具8を介して箱本体2を懸架させ設置場所に固定させることができる。次いで、その吊り具8を取り外した後、図5に示すように、固定孔21bのノックアウトを取り外す。なお、この場合、その吊り具孔21aに、周縁の突出した合成樹脂製のブッシング材9を配設する。その後、下面開口で箱状の屋根体4を、その下面側に下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する突設された取付片5に垂設させた固定具6、6に、箱本体2の内側から座金62を介在させてナット61を螺着させ天板21に固定させる。
【0029】
このようにして、屋根体4にて覆われた箱本体2の天板21の前縁と扉体3の周縁上部3aとの接合部分、及び、吊り具孔21aから箱本体2内部への雨水の侵入が防止され、さらにこの場合、吊り具孔21aに設けられたブッシング材9周縁の突出部分にて例えば箱本体2の前側から天板21上面に吹き上がった雨水が流入するのも確実に防止できて防水が確実にできるのである。また、電気機器収容箱1を設置させた後、図2に示すように、その箱本体2に取り付けられた屋根体4にて覆われた吊り具孔21aを介して箱本体2内部から通気経路Aが形成され、且つ内部の通気構造を容易に達成できるのである。
【0030】
したがって、以上説明した電気機器収容箱1によると、電気機器収容箱1の箱本体2の開口部2aを開閉自在に覆う扉体3は、その箱本体2に取り付けられた、扉体3の周縁上部と箱本体2の天板21前縁との接合部分を覆う下面開口で箱状の屋根体4の、幅方向両側に垂下する側板42,42の箱本体2の前面寄りに形成された切欠45,45を横切るようにして開閉されるので、箱本体2を屋内用のものと共用化することが出来、以て、安いコストの箱本体2を使用することができる。
【0031】
そして、下面開口で箱状の屋根体4が、その下面側に突設された下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片5に垂設させた固定具6を介して天板21に固定されるので、屋根体4の全周囲に垂下する側板42,42、前板43及び後板44を幅広に形成できることとなり、容易にその強度向上を図ることができる。また、箱状の屋根体4を、屋根体4の奥行き方向にわたって下面側に突設された下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片5を介して前記天板に固定できるので、1部品による取付片5を屋根体4両側に設けて確実に固定することができる。
【0032】
また、下面開口で箱状の屋根体4が、取付片5に垂設させた固定具6を介して、その屋根面4aが箱本体2の前後方向に傾斜するよう天板21に固定されるので、簡単な構成によって屋根体4表面の塗装劣化や錆防止を達成できる。また、電気機器収容箱1を、箱本体2の天板21に設けられた吊り具孔21aに吊り具8を設けられて懸架し設置させた後、その箱本体2に取り付けられた屋根体4にて覆われた吊り具孔21aを介して箱本体2内部からの通気ができるので、電気機器収容箱1を容易に設置可能で、且つ内部の通気構造を容易に達成でき、しかも、屋根体4にて覆われた電気機器収容箱1の箱本体2の、吊り具孔21aに設けられたブッシング材9周縁の突出部分にて箱本体2内部への雨水の侵入が防止されるので、例えば箱本体2の前側から天板21上面に吹き上がった雨水が流入するのも確実に防止できて防水が確実にできる。
【0033】
[第2の実施の形態]
図6は、第2の実施の形態の電気機器収容箱の概略構成を示す説明図、図7は、同電気機器収容箱の屋根体の他の実施例のものを下面側から見た斜視図、図8は、同電気機器収容箱の屋根体のさらに他の実施例の説明図である。
【0034】
この実施の形態の電気機器収容箱は、屋根体を固定する構成のみが第1の実施の形態と異なるもので、他の構成部材は第1の実施の形態のものと同一で、該実施の形態の電気機器収容箱1は、前記取付片5を屋根体4の幅方向長さと略一致する長尺材としている。また、該実施の形態の電気機器収容箱は、固定具6を屋根体4の前側に設け、同屋根体4の後板44の幅方向にわたって箱本体2の前面側に突出させた被係止凸部44aを設けるとともに、前記箱本体の背板後面に係止凹所または係止小開口を形成してもいる。
【0035】
このものの箱本体2は、図6に示すように、その背板24の後面に係止凹所24aが設けられている。そして、その幅方向長さと略一致する長尺で、下面側に突設された下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片5の設けられた屋根体4の後板44の下端に連設されている被係止凸部44aを係止させ、屋根体4の後側が浮き上がらないようにしている。また、この取付片5には、箱本体2内部から吊り具孔21aを介して通気経路Aを形成するための通気孔5b(図7参照)が、下方屈曲部分に所定間隔にて形成され、また、その長手方向全長にわたって、箱本体2の前側から雨水が天板21上面に吹き上がるのを防止するパッキン材10が設けられている。
【0036】
したがって、以上説明した電気機器収容箱1によると、箱状の屋根体4が、その屋根体4の幅方向長さと略一致する長尺で下面側に突設された下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片5を介して天板21に固定されるので、取付片5にて屋根体4の幅方向にわたる補強が可能となって屋根体4の薄肉化が図れる。また、箱状の屋根体4が、その屋根体4の後板44の幅方向にわたって突設された被係止凸部44aを箱本体2の背板24後面に設けられた係止凹所24aに係止させ且つ、その下面側に突設された下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片5に設けられた固定具6を介して箱本体2の天板21に固定されるので、屋根体4の前側に設けた取付片5のみにて屋根体4を確実に固定できて構成の簡略化が図れる。
【0037】
なお、本発明は、上記に示されたもの以外に、例えば、図7に示すように、箱本体2の背板24に係止凹所24aや屋根体4の後側に被係止凸部44aを設けること無しに、屋根体4の後側に固定具6を垂設させた取付小片51を設けたもの、あるいは、図8に示すように、屋根体4の前側、後側それぞれに、固定具6を垂設させた幅方向長さと略一致する長尺で下面側に突設された下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片5、5を設けたもの等、各種実施態様のものを含む。
【0038】
[第3の実施の形態]
図9は、第3の実施の形態の電気機器収容箱の説明図で、(a)は屋外用、(b)は屋内用を示す。
【0039】
この実施の形態の電気機器収容箱は、箱本体の構成のみが第1の実施の形態と異なるもので、他の構成部材は第1の実施の形態のものと同一で、該実施の形態の電気機器収容箱は、図9(b)に示す如く、前記天板21を箱本体2の前後方向に傾斜するように形成している。
【0040】
詳しくは、このものの箱本体2は、背板24から箱本体2の前面側にかけて前下がりに傾斜する角度θの勾配を設けて天板21が形成してある。これにより、電気機器収容箱1の箱本体2が、箱本体2の前後方向に傾斜するよう形成された天板21部分にて雨水の滞留が防止されるので、屋根付き屋根無しにかかわらず、箱本体2の天板21に滴下した雨水を流下させて雨水を溜まり難くでき、以て、箱本体2自体が錆びるのを確実に防止できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、上述の実施態様の如く実施されて、請求項1記載の電気機器収容箱にあっては、箱本体を屋内用のものと共用化することが出来、以て、安いコストの箱本体を使用することができる。また、箱状の屋根体が、その屋根体の幅方向長さと略一致する長尺で下面側に突設された下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片を介して天板に固定されるので、取付片にて屋根体の幅方向にわたる補強が可能となって屋根体の薄肉化が図れる。さらに、電気機器収容箱を、箱本体の天板に設けられた吊り具孔に吊り具を設けられて懸架し設置させた後、その箱本体に取り付けられた屋根体にて覆われた吊り具孔を介して箱本体内部からの通気ができるので、電気機器収容箱を容易に設置可能で、且つ内部の通気構造を容易に達成できる。
【0042】
また、請求項2記載の電気機器収容箱にあっては、箱状の屋根体が、その屋根体後板の幅方向にわたって突設された被係止凸部を箱本体の背板後面に設けられた係止凹所または係止小開口に係止させ且つ、その下面側に突設された下方に屈曲して更に天板21と略平行な方向に屈曲する取付片に設けられた固定具を介して箱本体の天板に固定されるので、屋根体の前側に設けた取付片のみにて屋根体を確実に固定できて構成の簡略化が図れる。
【0043】
また、請求項3記載の電気機器収容箱にあっては、下面開口で箱状の屋根体が、取付片に垂設させた固定具を介して、その屋根面が箱本体2の前後方向に傾斜するよう天板に固定されるので、簡単な構成によって屋根体表面の塗装劣化や錆防止を達成できる。
【0044】
また、請求項4記載の電気機器収容箱にあっては、屋根体にて覆われた電気機器収容箱の箱本体の、吊り具孔に設けられたブッシング材周縁の突出部分にて箱本体内部への雨水の侵入が防止されるので、例えば箱本体の前側から天板上面に吹き上がった雨水が流入するのも確実に防止できて防水が確実にできる。
【0045】
また、請求項5記載の電気機器収容箱にあっては、電気機器収容箱の箱本体が、箱本体2の前後方向に傾斜するよう形成された天板部分にて雨水の滞留が防止されるので、屋根付き屋根無しにかかわらず、箱本体の天板に滴下した雨水を流下させて雨水を溜まり難くでき、以て、箱本体自体が錆びるのを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の電気機器収容箱の概略構成を示す斜視図である
【図2】 同電気機器収容箱の説明図である。
【図3】 同電気機器収容箱の箱本体の説明図である。
【図4】 同電気機器収容箱の屋根体を下面側から見た斜視図である。
【図5】 同電気機器収容箱の屋根体の取付手順の説明図である。
【図6】 第2の実施の形態の電気機器収容箱の概略構成を示す説明図である。
【図7】 同電気機器収容箱の屋根体の他の実施例のものを下面側から見た斜視図である。
【図8】 同電気機器収容箱の屋根体のさらに他の実施例の説明図である。
【図9】 第3の実施の形態の電気機器収容箱の説明図で、(a)は屋外用、(b)は屋内用を示す。
【図10】 本発明の従来例である同電気機器収容箱を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図11】 同電気機器収容箱の構成を示し、(a)は部分正面図、(b)は概略構成を示す斜視図である
【図12】 同電気機器収容箱の説明図である。
【符号の説明】
1 電気機器収容箱
2 箱本体
21 天板
21a 吊り具孔
2a 開口部
3 扉体
3a 周縁上部
4 屋根体
42 側板
45 切欠
4a 屋根面
5 取付片
6 固定具
8 吊り具
9 ブッシング材
Claims (5)
- 前面に開口部を有した箱本体と、前記開口部を開閉自在に覆う扉体と、幅方向両側に垂下する側板を有して下面開口で箱状に形成され前記扉体の周縁上部と前記箱本体の天板前縁との接合部分を覆うものであって、下面側に下方に屈曲して更に前記天板と略平行な方向に屈曲する取付片を突設させ、前記取付片の前記天板と略平行な部分に垂設させた固定具を介して前記天板に固定され、前記側板の前記箱本体の前面寄りに前記扉体が開閉可能となるよう切欠が形成されてなる屋根体と、を備えた電気機器収容箱であって、
前記取付片は、屋根体の幅方向長さと略一致する長尺材とするとともに通気孔が形成され、該取付片には箱本体の前面から雨水が天板上面に吹き上がるのを防止するパッキン材が設けられ、前記天板に、前記箱本体を懸架させる吊り具を設置可能で前記通気孔とともに通気経路を形成する通気孔を兼ねた吊り具孔を穿設させたことを特徴とする電気機器収容箱。 - 前記固定具を前記屋根体の前記箱本体の前面寄りに設け、同屋根体後板の幅方向にわたって前記箱本体の前面側に突出させた被係止凸部を設けるとともに、前記箱本体の背板後面に係止凹所または係止小開口を形成した請求項1記載の電気機器収容箱。
- 前記取付片を前記屋根体の屋根面が前記箱本体の前後方向に傾斜するように設けた請求項1又は請求項2記載の電気機器収容箱。
- 前記吊り具孔に、その周縁の突出したブッシング材を配設した請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電気機器収容箱。
- 前記天板を前記箱本体の前後方向に傾斜するように形成した請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電気機器収容箱。
Priority Applications (1)
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