JP3982155B2 - 画像形成システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、双方向データ通信可能に接続した複数の画像形成装置を含む画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の複写機を相互に接続し、スキャナあるいは外部から画像データが入力されたマスター機となる複写機を介して、画像データを複数の他の複写機に転送し、一つの画像形成指令(操作)に基づく処理(ジョブ)を全複写機により行うように構成した画像形成システムは、特開平8−331292号公報または特開平9−27876号公報等で公知である。
【0003】
前記画像形成システムを構成する各画像形成装置は、単独機としても使用可能であるが、上述の如く、システムの構成機として用いる場合、負荷を分担する複写機として機能する。
【0004】
換言すれば、上記システムとしての稼働(以下、連結モード、連結複写モードあるいは画像形成システムモードという場合がある)は、例えば、大量枚数の原稿から大量部数の複写物を作製する場合、極めて作業効率がよく、有用なシステムである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の一つのジョブに対し複数の画像形成装置で画像出力するような画像形成システムにおいては、システムとしての省電力(省エネ)に対する配慮がなされていない。
【0006】
省電力対策としては、分担した複写物作製を完了した複写機毎に、例えば、一定時間経過後に、他の部品に比して電力消費が大きい定着手段や表示部に対して供給電力を低減する方法が考えられる。
【0007】
但し、そのような省電力対策は有効ではあるが、前記画像形成システムモードとしての有用性を最大限享受できない特有の問題があることが解った。
【0008】
例えば、連結モードで複写を行う場合、複写機の能力、仕事量の割り振りで分担分を完了させるのに時間差があり、その複写機が先に省電力モードになり、次にやはり連結モードで複写を行いたい場合、省電力モードにある複写機の定着を立ち上げるのに時間を要していた。
【0009】
また、例えば、一台の複写機がジャム(紙詰まり)、紙なし等、何らかのトラブルで複写機能を中断せざるを得ない事態が発生したとき、他の複写機がそのリカバリをするのであるが、他の複写機が既に省電力モードに移行している場合、他の複写機をマスター機からリカバリ指令により、定着オフの省電力モードから定着を立ち上げ、複写処理可能状態に復帰させ、未処理分の複写を行わせることになるので時間が掛かってしまい、作業効率がよい前記画像システムのメリットを充分に生かしきれていないというのがそれである。
【0010】
本願発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、主たる目的は、画像形成システムとしての作業性の良い省電力を配慮するとともに、ジャムトラブル等の発生に対する迅速な対応が可能で生産性のよい画像形成システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明の目的は、下記の構成要件によって達成することが出来る。
【0012】
(1)双方向データ通信可能に接続した複数の画像形成装置を含む画像形成システムにおいて、マスター画像形成装置と、当該マスター画像形成装置から送出された画像データに基づいて画像を形成するスレーブ画像形成装置とが、所定の画像形成処理を完了した後に、前記マスター画像形成装置から、前記スレーブ画像形成装置に対して、画像形成完了状態信号を送出させ、前記マスター画像形成装置からの前記画像形成完了状態信号を受信した後で、所定時間経過後に、前記スレーブ画像形成装置を省電力モードに移行させる、ように構成した事を特徴とする画像形成システム。
【0015】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態の一例について、以下、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、双方向データ通信可能に複数台の画像形成装置を接続することにより構成した画像形成システムを示す模式図である。
【0017】
図において、参照符号1乃至6は、それぞれ単独で複写動作ができる白黒のデジタル複写機からなる画像形成装置(以下、複写機という)で、これら複写機を双方向データ通信可能に、コネクタ71乃至76を介して伝送線80に接続することにより、一つの画像形成システムとして機能するようになっている。
【0018】
換言すれば、前記伝送線80等を介して画像データや複写機の動作状態を示す状態情報およびコマンドを自動的に送受信し、取扱操作に関しては全体として一台の複写機のような動作をすることができる。
【0019】
図2は本実施の形態における複写機の全体構成を示す概略図である。
図において、複写機1は、原稿DCの画像データを読み取り、画像データを記憶し、画像データに基づいて記録紙上に画像を形成する複写機本体9と、原稿台41上にセットされた前記原稿DCを順次、プラテンガラス11上に送り込んで画像データの読み取りを行いうるように構成した、自動原稿送り装置ADFとから構成してある。
【0020】
前記自動原稿送り装置ADFは前記プラテンガラス11上に設けられており、図示を省略したモーターにより駆動されると、原稿台41にセットした原稿DCを反転部により方向転換して順番に前記プラテンガラス11上の所定位置に自動搬送するとともに、読取られた原稿を原稿排出トレー42上に排出する。
【0021】
前記原稿DCの読取りは、照明ランプ(参照符号無し)で照射され、図示を省略した複数のミラーを含む走査光学架台とレンズとの組み合わせにより撮像素子20上に像を結ぶことによりなされる。
【0022】
上記構成に代え、原稿DCの移動を利用し、光学系を固定位置に保つ構成とすることもできる。
【0023】
CCDラインセンサからなる前記撮像素子20は、CCDの読み出しクロックパルスにより原稿の横手(主走査)方向の画像信号を出力し、走査光学架台の移動により原稿の長手(副走査)方向の走査が行われて1ページ分の画像信号を出力する。
【0024】
このようにして、走査光学架台の走査により画像信号読取部Aで読取られた原稿画像の画像信号、即ち画像データは、画像データ処理部Bにおいて、濃度変換、変倍処理、階調補正などの各種画像処理が施されたのち、画像記憶部Cに記憶され、画像形成部Dに出力される。
【0025】
画像形成部Dは、半導体レーザー書込部を含み、画像データは図示しない半導体レーザーで発生されたレーザービームを画像信号に基づいて変調させ、また、露光走査系(図示を省略)で走査偏向させ、感光体ドラム12の表面を走査して静電潜像を形成する。
【0026】
前記画像形成部Dは、基本的に電子写真技術を利用する構成にあり、前記レーザービームによる走査の前に、前記感光体ドラム12の表面は一様に帯電されている。
【0027】
前記静電潜像は現像器13によりトナー像とされた後、駆動制御されているレジストローラ17によりタイミングを以て搬送される記録紙P上に転写され、定着器(定着部)14で定着処理され、原稿に対応した複写物が得られる。
【0028】
なお、参照符号15は前記記録紙Pを収納するカセット、16は前記カセット15内の記録紙を送り出すためのベルト付き給紙ローラ16を示す。
【0029】
前記画像形成において、記録紙の片面に画像形成を行う片面複写モードの場合は、反転排紙切替部18が排紙側に切り替えられており、片面に画像形成された記録紙は定着処理された後に複写機の外側に設けた排出トレイ19上に排出される。
【0030】
一方、前記記録紙の両面に画像形成を行う両面複写モードの場合は、片面に画像形成された記録紙Pは、定着機14を通過後、反転排紙切替部18により、図中に一点鎖線で示す経路35を有する反転搬送部36を介して中間トレイ37に導かれ、中間スタック38を形成する。
【0031】
片面への画像形成が終了すると、中間スタック38は矢印で示すように左方に移動され、記録紙Pはベルト付き給紙ローラ39により取り出され、U字状ガイドを持つ両面記録用紙搬送部40へと送り込まれる。
【0032】
ここで記録紙Pは表裏が反転されて給送され、回転を停止している前記レジストローラ17に先端を突き当てた状態で一時的に停止する。
【0033】
以後、前記感光体ドラム12上に形成されたトナー像の領域と記録紙Pの未複写面とが重畳するタイミングで回転される前記レジストローラ17により、前記記録紙Pの給送が開始され、前述したプロセス、即ち、転写、定着処理工程および反転排紙切替部18を経て、今や両面に画像を有する前記記録紙Pが排出トレイ19に排出される。
【0034】
本実施の形態において、制御部26は操作部28を備え、操作パネルとキースイッチとを用いて記録紙のサイズと複写枚数の指定入力、単独の複写機として使用する単独動作モードの選択、及び、複数の複写機を連結して動作可能できる態様の連結モードの選択等の動作条件を設定することができるようになっている。
【0035】
更に、前記制御部26は、連結モード時の各種段階の制御、即ち、状態情報の受信、送信や、画像データの送信、受信のための画像データ送受信部、状態情報送受信部の制御、状態情報により他の複写機が分担複写に適するか否かの判定(適合複写機選択)等の他に、通常の複写機としての画像形成のための電子写真プロセスの制御、記録紙の給送制御等を行う。
【0036】
図3は図2で示す複写機のブロック図であり、前記した画像信号読取部A、画像データ処理部B、画像記憶部C、画像形成部D、制御部26、画像データ送受信部31および状態情報送受信部34からなる回路構成について以下説明する。
【0037】
先ず、画像信号読取部Aにおいて、撮像素子20から出力されるアナログ画像信号は、A/D変換器によってデジタル画像信号に変換され、インターフェースI/Fを介して画像データ処理部Bに出力される。
【0038】
前記画像データ処理部Bに入力されたデジタル画像信号(輝度情報)は、図示を省略した濃度変換部において濃度情報に変換され、当該濃度情報は、必要に応じて、拡大・縮小等の変倍処理と、画像形成部Dの特性に応じたγ補正(階調補正)処理が施されて、原稿の有効画像領域の抽出、枠消し、折り目消し等の領域加工が行われたのち、画像データとして、インターフェース23を介して前記画像記憶部Cと前記画像形成部Dに出力される。
【0039】
前記画像記憶部Cは、入力された画像データの複数ページ分を書換可能に記憶保持しておく。
【0040】
前記画像形成部Dは、原稿DCの読取に対応して即時に記録紙上への画像形成を行うモードと、画像記憶部Cに記憶された画像データを後から任意の順番で読みだした後、画像形成を行うモードとに対応可能である。
【0041】
少なくとも、前記二つのモードを実現するために、前記画像形成部Dは画像記憶部Cからの画像データと、通常の即時画像形成用の画像データとを切り替えるためのデータセレクタ24およびレーザ書込部25とを備えている。
【0042】
前記データセレクタ24は、前記画像記憶部Cから読み出された画像データと、画像データ処理部Bから読取りに応じて逐次出力される画像データとの何れか一方を選択してレーザ書込部25に出力するものであり、必要に応じて、画像データ処理部B内に設けてもよい。
【0043】
更に、前記画像形成部Dは、自機の画像信号読取部Aから得られた画像データで画像形成するモードの他に、他の複写機から送信された画像データに基づいて画像形成するスレーブ複写機(スレーブ機)としても対応可能である。
【0044】
前記画像データ処理部Bについては画像処理系CPU44が、又、前記画像形成部Dの制御部26と操作部28とについては本体CPU27(以下、単にCPU27と呼称する)が制御している。
【0045】
前記画像記憶部Cは、アドレスレジスタ、データバッファ、読み書き信号保持のためのラッチを含む画像データ書込読出手段と、圧縮された画像データをページ単位で記憶するメモリとを有する。
【0046】
限られたメモリ容量に対して多くの画像データを蓄積するために、メモリに書き込む画像データを圧縮し、メモリから読みだした画像データを復元のために伸長するデータ圧縮伸長器が設けられる。
【0047】
前記画像形成部Dの制御部26はプログラムに基づき各種の制御をするCPU27を有しており、当該CPU27は、作業用のデータを一時記憶するRAM27Cや、複写機としての動作モードを指定したり、複写条件を指定入力する操作部28を制御する。
【0048】
前記画像形成部Dの制御部26は、複写機の動作が正常であるか否かを監視しながら次の工程の制御を進める必要があること、トラブル発生時に正確な状態を把握するための自己診断機能を備えていることのために各種のセンサを用いて複写機の状態を把握している。
【0049】
状態情報とは、複写機がどのような状態にあるか、どのようなモード、設定で動作しているかを表すステータス情報で、例えば、定着器14の温度、現像器13内のトナーの有無、使用中のカセット15の用紙サイズと収容枚数、用紙の有無、現在コピー中の複写枚数、残りの複写枚数、ジャムの有無等が挙げられる。
【0050】
これらの状態情報は一定時間毎のCPUに対する割り込み、或いは状態変化のあったときにレジスタ、バッファ、フラグなどの一時的な記憶装置にデータとして取り込まれる。
【0051】
また、これらの状態情報は単独で、或いは組み合わせデータとして取り込まれた後、操作パネル上にLED、ランプの点灯等により、例えば、ヒーターウォームアップ完了、複写機使用可能状態として表示される。
【0052】
フラグが多数の場合は前記RAM27Cに設けられたフラグテーブル或いはフラグデータエリアに記憶される。
【0053】
前記画像データ送受信部31は、画像データ送信ユニット29、画像データ送信バッファ29B、画像データ受信ユニット30、画像データ受信バッファ30Bと、図示を省略したインターフェースボードとを含み、メモリから読みだされた画像データを外部の複写機に送信したり、外部の複写機からの画像データを受信したりする。
【0054】
状態情報送受信部34は、状態情報受信ユニット32、状態情報受信バッファ32B、状態情報送信ユニット33、状態情報送信バッファ33Bと、図示を省略したインターフェースボードとを含み、各複写機の画像形成に関する状態情報を外部の複写機に送信し、或いは外部の複写機から受信するように構成されている。
【0055】
前記画像データ送受信用ユニット31の制御は、通信制御用のプログラムにより実行される。
【0056】
前記CPU27は画像データの送り先を指定して、画像記憶部Cに保存されている画像データを送信ユニット33の送信バッファ33Bに転送して送信開始信号を送るだけでよく、接続開始、接続確認、送信、接続終了の手順は自動的に進行し、相手側複写機の受信ユニット32の受信バッファ32B上に順次受信データを得ることが出来る。
【0057】
前記CPU27はフラグデータエリアに保存されている状態情報を送信ユニット33の送信バッファに転送して送信開始信号を送るだけでよく、接続開始、接続確認、交信、接続終了の手順は自動的に進行し、受信ユニット32の受信バッファ32B上に受信データを得ることが出来る。
【0058】
電源部90は定着部(定着器)14に交流電源を供給する他、CPUや操作部28、画像信号読取部A、画像データ処理部B、画像記憶部C、画像形成部D等へDC電源を供給するため電源制御部93に電源を供給し、電源制御部93はCPU27からの制御命令に基づいて、電源部90の電源の供給を制御し、各部に供給している。
【0059】
図4は操作部28の操作パネル45を説明するための模式図である。
参照符号50はコピーボタンを示し、これを押すことにより例えば、単独機、あるいは、連結複写モードにおけるマスター複写機(マスター機)として使用する場合、それらモードに対応した複写動作が開始される。
【0060】
テンキー51は複写部数を入力するためのキーで、このキーで設定した複写部数と複写作業中の複写部数は表示部52に表示される。
【0061】
53は予熱ボタンで、これを押すことにより前記定着器14で消費される熱量が大幅に減少される省電力モード(節電モードあるいは省エネモードと同義)を選択することが出来る。
【0062】
割り込みボタン54は、単独機として使用されている場合、連続複写作業を実行中に1〜2枚のコピーを至急取りたいときに用いられる。
【0063】
複数の複写機を連結して複写動作させるモードを、前述の如く、連結モード等と呼ぶが、連結モードを選択するときは、連結モード選択ボタン55を押すことにより連結モードが指定選択され、ボタン上部のLEDが点灯し連結モードで動作中であることを表示する。
【0064】
また、連結モード解除ボタン56を押せば、前記連結モードが解除されるとともに、連結モード選択中のLEDが消灯される。
【0065】
連結モード選択中、マスター複写機から画像データが送信されて画像形成するスレーブ複写機(スレーブ機)においては、連結モード動作中であることを示す前記LEDと前記割り込みボタン54以外、即ち、連結モードの動作に不要な表示およびキー入力を無効にして、不要な電力の消費を抑えるようにしてある。
【0066】
更に、連結動作中のスレーブ複写機では、電源制御部によりスレーブ機には不必要な画像信号読取部A、画像データ処理部Bに供給する電源部からの電源の供給をオフし、基板レベルでの省電力を行う効果がある。
【0067】
また、ここでは押しボタンとLEDで操作・表示部を構成しているが、大型液晶パネルを用いて、連結モードを示すランプと連結解除ボタンと割り込みボタンとを液晶タッチパネルの外に出し、連結モードでスレーブ複写機である際に液晶を消灯させる構成とすれば更なる節電効果が得られる。
【0068】
オート復帰ボタン57は、主要な機能を指定してなる初期設定モードに復帰させる手段であり、例えば、このボタンを押すことにより、ソータ、自動ペーパーサイズ選択機能、自動コピー濃度調整機能、自動原稿送り装置が使用可能状態となり、複写倍率が等倍になる処理等が全部自動的に行われる。
【0069】
また、複写機を単独で使用している場合は、複写終了後、一定時間経過でオート復帰が掛かり、モードが初期値となる。
【0070】
更に、後記するが、連結モードで使用している場合は、動作中の出力がすべて終了後であって、例えば、各機毎に定めてある一定時間経過後に、自動的にオートリセット動作を行い、初期設定モードに戻るように構成されている。
【0071】
これらの機能のうち、自動ペーパーサイズ選択ボタン58、倍率拡大ボタン59、倍率縮小ボタン60、コピー濃度(淡)ボタン61、コピー濃度(濃)ボタン62、コピーモード(片面−両面)選定ボタン63、ソータモード選定ボタン64は、所定のボタンを押すことによって手動で条件を設定できる。
【0072】
手動で条件を設定したとき、それぞれのボタンで設定したモードはLEDで表示される。
【0073】
コピーモード選定ボタン63は、原稿の片面を読み取って記録紙の片面に画像を形成する片面−片面モードや、或いは、原稿の両面を読み取って記録紙の両面に画像形成する両面−両面モード等のコピーモードを指定するものである。
【0074】
このコピーモード選定ボタン63の指定によりメモリに対する画像データの書き込み、メモリに保存された画像データの読み出し順番の変更の有無、反転排紙切替部の自動切替、中間トレイの使用不使用が自動的に設定される。
【0075】
図5は、画像形成システムモード(連結モード)における省電力タイマ、オートリセットタイマをセットするフローチャートであり、本サブルーチンはメインのルーチンにより呼び出され実行される。
【0076】
まず、複写機が連結モードで動作しているか単独モードで動作しているか判断し(ステップ101)、単独モードならばメインルーチンに戻る。
【0077】
次にプリント出力が完了しているか判断し(ステップ102)、完了していなければやはりメインルーチンに戻る。
【0078】
次に複写機が自機で原稿を読み取り外部の他の複写機に画像を転送するマスターモードであるか、マスターからの画像情報を入力し画像を形成するスレーブモードかを判断し(ステップ103)、マスターモードならば連結モードで動作する他のスレーブモードの複写機がすべて完了し、各外部の複写機から複写完了状態信号が受信されたか判断する(ステップ104)。
【0079】
連結モードで動作するすべての複写機のすべての完了が確認されたならば、連結モード複写完了状態信号をマスター複写機から、他のスレーブ複写機に送信する(ステップ105)。
【0080】
その後、マスター複写機の省電力タイマをセットし(ステップ106)、この後オートリセットタイマをセットする(ステップ107)。
【0081】
前記の工程(ステップ103)で複写機がスレーブモードにあれば、マスター複写機から連結モードでの複写完了状態信号が受信されているか確認し(ステップ108)、受信されていなければメインルーチンに戻り、受信されていれば、連結モードにあるすべての複写機の出力が確認されたので、省電力タイマをセットし、次にオートリセットタイマもセットする。
【0082】
図6は省電力モード解除のサブルーチンの一例を示すフローチャートであり、本サブルーチンもメインルーチンで呼び出され、処理される。
【0083】
サブルーチンがスタートすると、省電力中であるかを判断し(ステップ201)、省電力中でなければメインルーチンに戻り、省電力中であればウェークアップの条件の指定キーによる入力が自機になされたか否かを判断する(ステップ202)。
【0084】
指定キー入力がない場合、外部のコンピュータ等から複写ジョブの入力があるかを判断し(ステップ203)、入力がなければメインルーチンに戻り、入力があれば、指定キー入力ありのときと同様に、次のステップで連結モードかどうかを判断する(ステップ204)。
【0085】
連結モードでなければ他の複写機に対して連動動作が不要なので、自機自体をウェークアップするためにウェークアップフラグをセットしてメインルーチンに戻る(ステップ208)。
【0086】
連結モードである場合は、ウェークアップディレイモードであるかを判断する(ステップ205)。
【0087】
ウェークアップディレイモードとは、連結モードで連動する複写機の定着電源が一度に立ち上がってしまうと、瞬時に電流が流れたり、これにより、電流容量オーバや電波障害等の不具合が起きる場合があるので、これを避けるために、少なくとも、スレーブ機一台に送信するウェークアップコマンドを遅らすモードのことをいい、このモードであるか否かを判断する。
【0088】
前記構成は、マスター機からスレーブ機全機に対するウェークアップコマンドを順次、あるいは、適宜の台数毎に遅らす態様を包含する。
【0089】
上記モードであれば、ウェークアップディレイモードフラグをセットした(ステップ206)後に、自機のウェークアップフラグをセットする(ステップ208)。
【0090】
ウェークアップディレイフラグがセットされると、別途、メインルーチンの一部でディレイのタイマをセットし、本フラグと前記タイマとをみて、順番に規定時間経過後ウェークアップコマンドをスレーブ機に送信していく。
【0091】
ウェークアップディレイモードでなければ、スレーブ機にウェークアップコマンドを送信した(ステップ207)後に、自機のウェークアップフラグをセットする。
【0092】
ウェークアップフラグは表記しないメインのプログラムルーチン内の別の場所で呼び出され、定着の電源供給開始、操作・表示部の表示開始等、複写機をスタンバイ状態に制御させる。
【0093】
なお、前記構成において、デジタル複写機を画像形成装置として説明したが、当該画像形成装置はプリンタで構成してもよい。
【0094】
【発明の効果】
画像形成システムモード(連結モード)においては、稼働中のすべての画像形成装置が所定の画像形成処理を完了した後に省電力モードに移行出来るので、システムで終了時間に時間差が大きい場合の再コピーや、時間差が大きい場合で途中でジャム等が発生した時など、連動中で早く終了した画像形成装置が省電力モードになることなく、これにより省電力モードからの立ち上げ時間は不要となり、再動作のときに素早い複写やリカバリ複写が実行できる効果がある。
【0095】
また、同様に連結モードにあるすべての画像形成装置の完了でオートリセットタイマを起動し、タイムアップによりリセット状態に復帰することにより、終了に時間差がある場合に早期にオートリセットされることがないので、再度、連結モードでの動作が必要な際、設定変更することなく早いリカバリが可能となる。
【0096】
また、スタンバイモードからの復帰も、連結モードが選択されると、いずれの画像形成装置の操作部が操作されたかを検知し、連動中のすべての画像形成装置の定着を立ち上げる事により、より早い複写物の入手が可能となる効果がある。
【0097】
また、この時、立ち上げ時間をずらすことにより瞬時に大電流が流れるなどの不具合を防止できる効果がある。
【0098】
また、連結モード時に画像データを受信して画像を形成するスレーブ画像形成装置においては、必要のない表示部、また、画像の読み取り部関係への電力供給を断とすることにより省エネの効果が得られる。
【0099】
連結モードにおいて、画像形成システムとして省電力を考慮した電力の制御を行い、生産性の高い、複写作業効率の良い省電力ができる画像形成システムを提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】双方向データ通信可能に複数台の画像形成装置を接続することにより構成した画像形成システムを示す模式図である。
【図2】本実施の形態における複写機の全体構成を示す概略図である。
【図3】図2で示す複写機のブロック図である。
【図4】操作部の操作パネルを説明するための模式図である。
【図5】画像形成システムモード(連結モード)における省電力タイマ、オートリセットタイマをセットするフローチャートである。
【図6】省電力モード解除のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 複写機
12 感光体ドラム
13 現像器
14 定着器
15 カセット
16 ベルト付き給紙ローラ
41 原稿台
50 コピーボタン
51 テンキー
52 表示部
55 連結モード選択ボタン
56 連結モード解除ボタン
Claims (2)
- 双方向データ通信可能に接続した複数の画像形成装置を含む画像形成システムにおいて、
マスター画像形成装置と、当該マスター画像形成装置から送出された画像データに基づいて画像を形成するスレーブ画像形成装置とが、所定の画像形成処理を完了した後に、
前記マスター画像形成装置から、前記スレーブ画像形成装置に対して、画像形成完了状態信号を送出させ、前記マスター画像形成装置からの前記画像形成完了状態信号を受信した後で、所定時間経過後に、前記スレーブ画像形成装置を省電力モードに移行させる、
ように構成した事を特徴とする画像形成システム。 - 前記画像形成完了状態信号を送出した後で、所定時間経過後に、前記マスター画像形成装置は省電力モードとなる事を特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
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