JP3981501B2 - 蓄積性蛍光体シートの搬送方法 - Google Patents

蓄積性蛍光体シートの搬送方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3981501B2
JP3981501B2 JP20752999A JP20752999A JP3981501B2 JP 3981501 B2 JP3981501 B2 JP 3981501B2 JP 20752999 A JP20752999 A JP 20752999A JP 20752999 A JP20752999 A JP 20752999A JP 3981501 B2 JP3981501 B2 JP 3981501B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor sheet
stimulable phosphor
sheet
stimulable
conveying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20752999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000298321A (ja
Inventor
英幹 鈴木
勝博 幸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP20752999A priority Critical patent/JP3981501B2/ja
Priority to US09/503,507 priority patent/US6534779B1/en
Publication of JP2000298321A publication Critical patent/JP2000298321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3981501B2 publication Critical patent/JP3981501B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Radiography Using Non-Light Waves (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輝尽性蛍光体を利用する放射線像記録再生方法の実施に有利に用いられる、蓄積性蛍光体シートを、その搬送方向を変更させながら搬送するための搬送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の放射線写真法に代わる方法として、輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体シート(あるいは放射線像変換パネルとも呼ばれる)を利用するもので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を該蛍光体シートの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得て、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。読み取りを終えた蛍光体シートは、残存する画像の消去が行われた後、次の撮影のために備えられる。すなわち、蓄積性蛍光体シートは繰り返し使用される。
【0003】
放射線像記録再生方法に用いられる蓄積性蛍光体シートは、基本構造として、支持体とその表面に設けられた輝尽性蛍光体層とからなるものである。ただし、輝尽性蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面していない側の表面)には通常、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0004】
輝尽性蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる。ただし、輝尽性蛍光体層としては、蒸着法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで、輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるものも知られている。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている輝尽性蛍光体層を有する蓄積性蛍光体シートも知られている。これらのいずれの蛍光体層でも、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものであるから、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例して蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に吸収され、該蛍光体シートには被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換することにより、放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0005】
放射線像記録再生方法の実施に際して、蓄積性蛍光体シートは、放射線像記録再生装置内に装入され、外部からの光に対して遮光された状態で、放射線の照射(放射線画像の記録)・励起光の照射(記録された放射線画像の読み出し)・消去光の照射(残存する放射線画像の消去)というサイクルによって、放射線像の記録と再生のために繰り返し使用される。
【0006】
初期の放射線像記録再生装置においては、放射線像記録装置、放射線像読み出し装置、そして残存放射線像消去装置は、それぞれ独立の装置として設計されていた。従って、各装置間の蓄積性蛍光体シートの移動は、主として人間の手によって行なわれ、またそれぞれの装置内での蓄積性蛍光体シートの移動の殆どは、搬送ベルトなどを利用した水平方向の移動に限られていた。しかしながら、その後、装置の設置に必要な空間の減少と各装置の間の蓄積性蛍光体シートの受け渡しの自動化を求める要求を考慮した種々の改良により、各装置をまとめて一体化した放射線像記録再生装置が開発された。近年においても、このような省スペースの要求は更に高まっており、このため、一体化した放射線像記録再生装置を更に小型化する必要がある。
【0007】
一体化した放射線像記録再生装置をさらに小型化するためには、それを構成する放射線像記録装置、放射線像読み出し装置、そして残存放射線像消去装置などの各単位装置の小型化が必要であるが、同時に、各単位装置の間に配設される蓄積性蛍光体シートの搬送系の省スペース化が必要となる。そして、近年設計されている一体化された放射線像記録再生装置では、各単位装置を水平方向のみならず、垂直方向にも配置するために、搬送系は、蓄積性蛍光体シートを垂直方向に搬送するのみでなく、垂直方向から水平方向へと、そして更には垂直方向から逆向きの垂直方向(すなわち、上下反転)、水平方向から逆向きの水平方向(すなわち、前後反転)などのような搬送方向の変更を含む複雑な搬送形態が要求されるようになってきている。そして、最近の放射線像記録再生装置では、その小型化の要求に伴い、上記のような搬送方向の変更を急角度で行なう必要が出てきている。
【0008】
蓄積性蛍光体シートの垂直方向における搬送システム、そしてその垂直方向搬送システムに有利に利用できる蓄積性蛍光体シートの改良については、これまでに種々の発明が、特開昭60−40599号公報、特開昭60−40600号公報、特開昭60−211398号公報、特開昭60−211399号公報、特開昭60−213897号公報、特開昭60−213898号公報、特開昭60−213899号公報、特開昭60−213900号公報などの刊行物に公開されている。これらの刊行物に記載されている蓄積性蛍光体シートの垂直方向の搬送は、蓄積性蛍光体シートの蛍光体層表面を駆動ローラに接触させることにより、実施されている。
【0009】
しかしながら、放射線像記録再生装置において、搬送方向を急角度で変えながら、蓄積性蛍光体シートを連続的にかつ安全確実に搬送する方法は知られていない。すなわち、蓄積性蛍光体シートの急角度の搬送方向の変更(90度ターンや180度ターンなどのターン)を伴う搬送に際して、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に亀裂等の損傷が生じやすく、また輝尽性蛍光体シートの表面にも擦傷や切傷など損傷が発生しやすいという問題がある。蓄積性蛍光体層にそれら損傷が発生した場合には、損傷部分で光の散乱が発生して、再生される放射線画像の画質の低下をもたらす。従って、そのような損傷の発生を極力避けながら、蓄積性蛍光体シートを急角度でターンさせることのできる搬送システムが開発されない限り、放射線像記録再生装置の充分な小型化は困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、放射線像記録材料として蓄積性蛍光体シートを用いる放射線像記録再生方法を実施するための放射線像記録再生装置の充分な小型化を可能化するために必要な、蓄積性蛍光体シートを急角度の搬送方向の変更(90度ターンや180度ターンなどのターン)を、蓄積性蛍光体シートに発生しやすい各種の損傷を回避しながら実現するための搬送方法とを提供することを目的とする。
本発明はまた、蓄積性蛍光体シートの急激な搬送方向の変更(90度ターンや180度ターンなどのターン)を伴う搬送システムに有利に利用できる蓄積性蛍光体シートを提供することも、その目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、搬送方向に沿った柔軟性が幅方向に沿った柔軟性よりも大きい蓄積性蛍光体シートを、該蓄積性蛍光体シートの両側縁部の近傍のみに接触してシート平面方向前方に搬送する駆動ローラにより前進させ、次いで、蓄積性蛍光体シートの両側縁部の近傍のみに接触してシート平面方向前方への搬送を案内する、内側に互いに同一の曲面を有し、搬送すべき蓄積性蛍光体シートの横幅よりも僅かに狭い間隔を以て、それぞれの側面が向かい合うように配置された一対の蓄積性蛍光体シート側縁部ガイド、および該側縁部ガイドのそれぞれの内側に、それぞれの曲面に沿って、蓄積性蛍光体シートが通過するために充分な間隔を介して複数個配置された、蓄積性蛍光体シートの両側縁部の近傍のみに接触してシート平面方向前方への搬送を案内する回転ローラとからなる蓄積性蛍光体シート案内装置の該間隔内を移動させることを特徴とする蓄積性蛍光体シートの搬送方向を変更させながら搬送する方法にある。
【0012】
本発明の搬送方法により、支持体の両側縁部の近傍には蓄積性蛍光体層と保護膜とが存在せず、その代わりに、頂部が保護膜の上面よりも高い位置にある補強部材が付設されていて、さらに搬送方向に沿った柔軟性が幅方向に沿った柔軟性よりも大きい蓄積性蛍光体シートの搬送方向の変更を伴う搬送が容易に実施できる
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明を添付図面を参照しながら更に詳しく説明する。
図1は、本発明の蓄積性蛍光体シートの搬送方法の実施に有利に利用することのできる搬送装置(以後、蛍光体シートターン搬送装置とも呼ぶ)を内蔵した放射線像記録再生装置の内部全体の構成を示すための側面図である。
【0014】
一体化された放射線像記録再生装置の外側は、前面にX線撮影用天板1を供えた筐体2から構成されている。X線撮影用天板1の内側には、蓄積性蛍光体シート(以後、単に蛍光体シートともいう)3と、X線撮影の際に蛍光体シート3を天板1に接した状態で維持させるための押え板4とが供えられている。この押え板4は、X線撮影の終了後に、その下端部を軸として回転しながら僅かに倒れ、その上端部がX線撮影用天板1から離れるようにされている。すなわち、X線撮影の終了後、すぐに蛍光体シート3の上方は開放される。そして、蛍光体シート3は押え板4の下部に設けられている押し上げ具により押し上げられ、蛍光体シートターン搬送装置に導入される。
【0015】
図2は、蛍光体シートターン搬送装置の構成を詳しく示す斜視図である。すなわち、蛍光体シートターン搬送装置は、内側に互いに同一の曲面を有し、搬送すべき蛍光体シート3の横幅よりも僅かに狭い間隔を以て、それぞれの側面が向かい合うように配された一対の蛍光体シート側縁部ガイド5(5a,5b)、側縁部ガイド5のそれぞれの内側に、それぞれの曲面に沿って、蛍光体シート3が通過するために充分な間隔を介して複数個配置された回転ローラ6、そして少なくとも蛍光体シート側縁部ガイド5の蛍光体シート導入側縁部に近接する位置で、かつガイドの延長位置および複数の回転ローラ6が形成する曲線の延長位置にそれぞれ配置された一対の蛍光体シート駆動ローラ7を含む搬送装置に、駆動ローラ7の回転により導入される。一対の蛍光体シート駆動ローラ7は、蛍光体シート側縁部ガイド5a,5bのそれぞれに沿って軸芯8を介して連結状態で配置されており、駆動モータ9からタイミングベルト10を介して付与される回転力によって蛍光体シート3を前方に移動させる。なお、蛍光体シート3は、放射線像読み取り操作と残存放射線エネルギー消去操作の終了後に、今度は逆向きに搬送されて元のX線撮影用天板1の裏側の位置に戻されるため、蛍光体シート駆動ローラ7は、その回転方向を任意に切り換え可能なようにされることが好ましい。回転ローラ6は、蛍光体シート側縁部ガイド5a,5bのそれぞれの内側に沿って複数個、各々独立に設けられており、通常はフリーローラである。すなわち、回転ローラ6は、蛍光体シート3に駆動力をあたえることなく、蛍光体シート側縁部ガイドの内側壁の曲面に沿った蛍光体シート3の円滑な移動を補助する役目をする。
【0016】
図3は、蛍光体シート3が蛍光体シートターン搬送装置の内部に導入され、搬送方向を変えながら搬送されている状態を示す図である。
【0017】
通常は、蛍光体シートターン搬送装置の出口側(蛍光体シートを送り出す排出側)にも、入口側の蛍光体シート駆動ローラ7と同様な一対の蛍光体シート駆動ローラ11が、蛍光体シート側縁部ガイド5a,5bのそれぞれに沿って軸芯を介して連結状態で配置される。そして、蛍光体シートターン搬送装置の内部に駆動ローラ7の駆動力により導入された蛍光体シート3は、今度は、その前端部が駆動ローラ11に挟みこまれ、更に前進させられる。図に示した蛍光体シートターン搬送装置は、蛍光体シート3の搬送方向を180度変えるように設計されている。従って、搬送装置を通過した蛍光体シート3は、図4に示すように、今度は駆動ローラ11により保持されながら下降搬送される。
【0018】
蛍光体シート3の前端部が、駆動ローラ11によって保持されながら下降搬送される際に、次の放射線像読み取り装置に確実に挿入されるように、駆動ローラ11の下側で、蛍光体シート3の進行方向に沿った位置に、一対の側縁部ガイド12を設けることができる。
【0019】
放射線像読み取り装置の構成は多数の刊行物に示されていて既に公知である。図1に示されている放射線像読み取り装置は、半導体レーザ光源13、ポリゴン14、レーザ光方向変更用ミラー15、集光用ミラー16、そして光電子増倍管17から構成されている。
【0020】
側縁部ガイド12に沿って下降してきた蛍光体シート3は、放射線像読み取り装置の前後に配置された駆動ローラ18、19により、確実に支持されながら下降を続け、放射線像読み取り装置によって、蛍光体シート3に記録されていた放射線像が読み取られ、そして更に下降を続ける。
【0021】
駆動ローラ19の下側にも、前記のものと同様な側縁部ガイド20が任意に設けられていて、下降する蛍光体シート3の移動方向を確実に案内する。そして、今度は、蛍光体シート3の下降方向の搬送を上昇方向の搬送に180度方向変更するための搬送装置(前記のものと同様な構成のもので、上下が逆に配置されている)21に導入され、次いで、蛍光体シート3の移動方向は、搬送装置21によって上昇方向に変えられ、消去装置22に導入される(図5参照)。
【0022】
消去装置22の構成も既に公知である。すなわち、消去装置は、消去用ランプとそれを覆う遮光性カバーとから構成されており、ランプより発する消去光を蛍光体シート3の表面に照射して、蛍光体シート3に残留していた放射線エネルギーを放出させる装置である。この消去装置22の消去用ランプの対向位置には、蛍光体シート案内保持板23を設けることが好ましい。
【0023】
消去装置22において、残留放射線エネルギーを放出した蛍光体シート3は、次いで、次回の使用のために、今度は、これまでの搬送方向と逆の方向に搬送される(図5参照)。この場合の搬送工程では、勿論、放射線像の読み出し操作は実施しない。そして、蛍光体シート3は、図1に示した撮影位置に戻され、次回のX線撮影作業に利用される。
【0024】
本発明の蓄積性蛍光体シートの搬送方法は、上記において説明した搬送装置を利用して有利に実施することができる。
【0025】
本発明の搬送方法によって、方向を変えながら搬送される対象となる蓄積性蛍光体シートとしては公知のものを使用することができる。公知の蓄積性蛍光体シートの典型的な構成は、前述のように、支持体とその表面に設けられた輝尽性蛍光体層とを基本構成とするものであり、通常は、輝尽性蛍光体層の表面には透明な保護膜が設けられている。
【0026】
支持体は、透明もしくは不透明なプラスチックシートを主体とし、これに任意に、各種の機能層(輝尽発光光反射層、励起光吸収層、接着層など)が付設された層である。
【0027】
輝尽性蛍光体層は、通常は、輝尽性蛍光体粒子とそれを分散支持する結合剤から形成されている。輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線を照射したのち励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。本発明の方法に用いる輝尽性蛍光体の例としては、特開平2−193100号公報および特開平4−310900号公報に詳しく記載されているものがある。公知の輝尽性蛍光体のうちでは、ユーロピウムあるいはセリウム付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、およびセリウム付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体が特に高輝度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明に用いる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるものではなく、照射された放射線を蓄積することができ、その後の任意な時期に励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
【0028】
輝尽性蛍光体層の表面に一般的に設けられる透明な保護膜としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護膜中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の光散乱性微粒子、パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。
【0029】
本発明の蓄積性蛍光体シートの方向変更を伴う搬送方法では、蓄積性蛍光体シートの両側縁部の表面のみを駆動回転ローラに接触させながら搬送させる方法が利用される。従って、方向を変更する搬送に際して、搬送方向前方の辺の中央附近が、変更前の方向に沿った側に膨れるような変形が発生しやすいという問題がある。このため、本発明の搬送方法では、進行方向(搬送方向)に沿った柔軟性が幅方向に沿った柔軟性よりも大きな、すなわち、幅方向における変形が発生しにくくされるように構成された蓄積性蛍光体シートを用いる。そのような特性の蓄積性蛍光体シートは、搬送方向の柔軟性が幅方向の柔軟性よりも大きな支持体を用いることにより容易に製造することができる。
【0030】
また、本発明の蓄積性蛍光体シートの方向変更を伴う搬送方法では、蓄積性蛍光体シートの両側縁部の表面を駆動回転ローラに接触させながら搬送させる方法が利用されるが、駆動部材の輝尽性蛍光体層の表面への接触は、本発明の搬送方法のような縁部のみの接触によるものであっても、蛍光体層に物理的な衝撃を与えやすいことから、可能な限り回避することが望ましい。従って、本発明の方向変更を伴う搬送方法において用いる蓄積性蛍光体シートは、その輝尽性蛍光体層が両側縁部にまで延びていない構造をとることが望ましい。
【0031】
本発明の搬送方法において用いるのに好ましい蓄積性蛍光体シートの構造の例を図6に示す。図6において、蓄積性蛍光体シート3では、支持体61の上に、蓄積性蛍光体層62と保護層63がこの順に積層されている。但し、蓄積性蛍光体層62と保護層63の両方とも、蛍光体シートの両側縁部(搬送方向を基準としている)の領域において除去されており、その領域部分には、その代りに両側縁部補強部材(搬送方向補強部材)64a、64bが、その頂部が、保護膜63の表面の高さよりも高くなるような構成にて設けられている。両側縁部補強部材の材料は、ターン搬送される蓄積性蛍光体シートが滑らかな曲線を描いて曲がることができるように、柔軟な材料であることが望ましい。そのような材料の例としては、高密度ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフテネートなどのポリエステル、ポリアミドなどのポリマー及び遮光などの目的で繊維やフィラーを添加したり、金属や無機物などをコーティングした上記のポリマーなどの樹脂の成型体、あるいはそれらを何枚か貼り合わせた構造体などを挙げることができる。両側縁部補強部材は、支持体の上に接着剤を用いて固定することができる。なお、両側縁部補強部材の設置、そして補強部材の構成は、本発明の蓄積性蛍光体シートの両縁部駆動方式を利用する搬送方法にとって有利であるが、必ずしも、そのような構成を必要とするものではない。
【0032】
蓄積性蛍光体シート3の前端部と後端部(搬送方向を基準とした前端部と後端部)の支持体61の下側(輝尽性蛍光体層が設けられていない側)には、その端部に沿って設けられた幅方向補強部材65a、65bが付設されている。すなわち、本発明の蓄積性蛍光体シートの方向変更を伴う搬送方法では、蓄積性蛍光体シートの両側縁部の表面のみを駆動回転ローラに接触させながら搬送させる方法が利用される。従って、方向を変更する搬送に際して、蓄積性蛍光体シートの搬送方向前方の幅方向の辺の中央附近が、変更前の方向に沿った側に膨れるような変形が発生しやすいという問題がある。そのような変形は、蓄積性蛍光体シートが、その膨れた部分で搬送装置に接触する可能性があるため、そのような変形の発生を可能な限り抑制することが望ましい。ここのため、本発明の蓄積性蛍光体シートの前端部及び/又は後端部に、幅方向に伸びる補強部材を設置して、変形を低減させることが望ましい。
【0033】
図7と図8には、蓄積性蛍光体シートの搬送方向の柔軟性を、幅方向の柔軟性よりも大きくするための手段の例が示されている。図7は、蓄積性蛍光体シートの側面図であるが、この蓄積性蛍光体シートの支持体は、幅方向に揃えて配置されたガラスファイバーやカーボンファイバーなどをポリエチレンテレフタレートシートで挟んだ構成をしている。一方、図8は、蓄積性蛍光体シートの裏面図であるが、支持体の裏面に多数の幅方向のスリットが形成されている。なお、これらの構成は、本発明の搬送方法で用いられる蓄積性蛍光体シートの例に過ぎず、その他の任意の構成により、搬送方向の柔軟性が、幅方向の柔軟性よりも大きい蓄積性蛍光体シートとすることができることは勿論である。
【0034】
蓄積性蛍光体シートとの幅方向補強部材は、通常のプラスチック材料から形成することもできるが、剛性を有する材料から形成することが望ましい。補強部材は、通常、一方の方向に長い長尺状の板状の部材が用いられるが、その幅方向の曲げ弾性率は、縦方向の曲げ弾性率よりも大きいことが望ましく、具体的には、5000〜50000kg/mm2の範囲の間にあることが望ましい。そのような剛性の高い材料の例としては、繊維強化プラスチックシート(FRP)、特にガラス繊維強化プラスチックシート(GFRP)、あるいはカーボンファイバーコンポジットシートを挙げることができる。これらのシートは、曲げ弾性率の高い方向を順次変えるような方法で複数枚積層した形で用いることもできる。あるいは、同方向に並べたアルミニウム線の束、アルミニウムシートなどの金属シートとプラスチックシートとの積層体であってもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明の搬送方法によれば、放射線像記録再生装置内における蓄積性蛍光体シートの90度ターンや180度ターンなどのような方向変更を伴う搬送を、蓄積性蛍光体シートの記録特性の低下を殆ど発生させることなく、実施することができる。従って、放射線像記録再生装置の小型化に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓄積性蛍光体シートの搬送装置(蛍光体シートターン搬送装置)を内蔵した放射線像記録再生装置の内部全体の構成を示すための側面図であり、X線撮影時における蓄積性蛍光体シートの位置を示している。
【図2】本発明の蓄積性蛍光体シートの搬送装置(蛍光体シートターン搬送装置)の内部構成を詳しく示す斜視図である。
【図3】図1の放射線像記録再生装置において、X線撮影後の蓄積性蛍光体シートが蛍光体シートターン搬送装置内に導入されていく状態を示す側面図である。
【図4】図1の放射線像記録再生装置において、X線撮影後の蓄積性蛍光体シートが蛍光体シートターン搬送装置から送り出され、放射線像読み出し装置に導入されている状態を示す側面図である。
【図5】図1の放射線像記録再生装置において、放射線像が読み出された蓄積性蛍光体シートが下側の蛍光体シートターン搬送装置から送り出され、残存放射線エネルギー消去装置に導入されている状態を示す側面図である。
【図6】本発明の蓄積性蛍光体シートの搬送装置(蛍光体シートターン搬送装置)を利用する搬送方法において有利に用いることのできる蓄積性蛍光体シートの構成の例を示す斜視図である。
【図7】 本発明の搬送方法に有利に用いられる蓄積性蛍光体シートの別の構成例を示す側面図である。
【図8】 本発明の搬送方法に有利に用いられる蓄積性蛍光体シートの別の構成例をシート裏側から見た状態で示す平面図である。
【符号の説明】
1 X線撮影用天板
2 放射線像記録再生装置筐体
3 蓄積性蛍光体シート
4 押え板
5 側縁部ガイド
5a 側縁部ガイド
5b 側縁部ガイド
6 回転ローラ(フリーローラ)
7 蛍光体シート駆動ローラ
8 蛍光体シート駆動ローラの軸芯
9 駆動モータ
10 タイミングベルト
11 蛍光体シート駆動ローラ
12 側縁部ガイド
13 半導体レーザ光源
14 ポリゴン
15 レーザ光方向変更用ミラー
16 集光用ミラー
17 光電子増倍管17
18 蛍光体シート駆動ローラ
19 蛍光体シート駆動ローラ
20 側縁部ガイド
21 蛍光体シートターン搬送装置
22 消去装置
23 蛍光体シート案内保持板
61 支持体
62 蓄積性蛍光体層
63 保護層
64a 両側縁部補強部材
64b 両側縁部補強部材
65a 幅方向補強部材
65b 幅方向補強部材

Claims (7)

  1. 搬送方向に沿った柔軟性が幅方向に沿った柔軟性よりも大きい蓄積性蛍光体シートを、該蓄積性蛍光体シートの両側縁部の近傍のみに接触してシート平面方向前方に搬送する駆動ローラにより前進させ、次いで、蓄積性蛍光体シートの両側縁部の近傍のみに接触してシート平面方向前方への搬送を案内する、内側に互いに同一の曲面を有し、搬送すべき蓄積性蛍光体シートの横幅よりも僅かに狭い間隔を以て、それぞれの側面が向かい合うように配置された一対の蓄積性蛍光体シート側縁部ガイド、および該側縁部ガイドのそれぞれの内側に、それぞれの曲面に沿って、蓄積性蛍光体シートが通過するために充分な間隔を介して複数個配置された、蓄積性蛍光体シートの両側縁部の近傍のみに接触してシート平面方向前方への搬送を案内する回転ローラとからなる蓄積性蛍光体シート案内装置の該間隔内を移動させることを特徴とする蓄積性蛍光体シートの搬送方向を変更させながら搬送する方法。
  2. 搬送対象の蓄積性蛍光体シートが、シート状支持体と、その支持体の一方の側の表面に設けられた蓄積性蛍光体層そして保護膜からなり、その支持体の搬送方向に沿った柔軟性が幅方向に沿った柔軟性よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の蓄積性蛍光体シートの搬送方法。
  3. 搬送対象の蓄積性蛍光体シートが、シート状支持体と、その支持体の一方の側の表面に設けられた蓄積性蛍光体層そして保護膜からなり、その支持体の両側縁部の近傍には蓄積性蛍光体層と保護膜とが存在していない蓄積性蛍光体シートであることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の蓄積性蛍光体シートの搬送方法。
  4. 蓄積性蛍光体シートの両側縁部の近傍の蓄積性蛍光体層と保護膜とが存在していない部分に補強部材が配置されている蓄積性蛍光体シートであることを特徴とする請求項に記載の蓄積性蛍光体シートの搬送方法。
  5. 補強部材が、その頂部が保護膜の上面よりも高い位置にある補強部材であることを特徴とする請求項4に記載の蓄積性蛍光体シートの搬送方法。
  6. 補強部材が絶縁性の部材であることを特徴とする請求項4に記載の蓄積性蛍光体シートの搬送方法。
  7. 搬送対象の蓄積性蛍光体シートが、その搬送方向の前側辺部近傍及び/又は後側辺部近傍に、それぞれの辺部に沿って配置された補強部材を有する蓄積性蛍光体シートであることを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載の蓄積性蛍光体シートの搬送方法。
JP20752999A 1999-02-12 1999-07-22 蓄積性蛍光体シートの搬送方法 Expired - Fee Related JP3981501B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20752999A JP3981501B2 (ja) 1999-02-12 1999-07-22 蓄積性蛍光体シートの搬送方法
US09/503,507 US6534779B1 (en) 1999-02-12 2000-02-14 Conveyance of stimulable phosphor sheet

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3484299 1999-02-12
JP11-34842 1999-02-12
JP20752999A JP3981501B2 (ja) 1999-02-12 1999-07-22 蓄積性蛍光体シートの搬送方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000298321A JP2000298321A (ja) 2000-10-24
JP3981501B2 true JP3981501B2 (ja) 2007-09-26

Family

ID=26373706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20752999A Expired - Fee Related JP3981501B2 (ja) 1999-02-12 1999-07-22 蓄積性蛍光体シートの搬送方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3981501B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101147208A (zh) 2005-03-31 2008-03-19 柯尼卡美能达医疗印刷器材株式会社 放射线图像转换面板及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000298321A (ja) 2000-10-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3971993B2 (ja) シート体用搬送装置および放射線画像読取装置
JPH0685045B2 (ja) 放射線画像情報変換方法および装置
JPH043140A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP3981501B2 (ja) 蓄積性蛍光体シートの搬送方法
JP4024414B2 (ja) 蓄積性蛍光体シートの搬送方法、および蓄積性蛍光体シート
JP3999392B2 (ja) 蓄積性蛍光体シートの搬送装置および搬送方法
US6534779B1 (en) Conveyance of stimulable phosphor sheet
JPH0552918B2 (ja)
JP2000235239A (ja) 蓄積性蛍光体シートの搬送装置、搬送方法、および蓄積性蛍光体シート
JPS61166463A (ja) 蓄積性螢光体シ−ト収納マガジン
JP3965959B2 (ja) 放射線画像読取装置
JP3825928B2 (ja) 放射線画像情報読取装置
EP0159613A1 (en) Device of conveying a stimulable phosphor sheet
JP2873834B2 (ja) 放射線画像情報記録読取装置
EP0269110B1 (en) Method of conveying a stimulable phosphor sheet
JPS60211399A (ja) 蓄積性蛍光体シートの搬送方法
JP2001097617A (ja) 可撓性シートの搬送構造および放射線画像読取装置
JPS60211398A (ja) 蓄積性蛍光体シートの搬送方法
JP2004163539A (ja) 放射線画像情報読取装置
JPH0554920B2 (ja)
JPH04155298A (ja) 放射線画像変換装置
JPS6289945A (ja) 放射線画像情報読取装置
JP2006053413A (ja) 画像記録担体搬送用ガイド構造
JPH06100783B2 (ja) 放射線像変換パネルの読取装置
JPH0740122B2 (ja) 放射線画像情報記録読取装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061106

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070417

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees