JP2001097617A - 可撓性シートの搬送構造および放射線画像読取装置 - Google Patents

可撓性シートの搬送構造および放射線画像読取装置

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JP2001097617A
JP2001097617A JP28012999A JP28012999A JP2001097617A JP 2001097617 A JP2001097617 A JP 2001097617A JP 28012999 A JP28012999 A JP 28012999A JP 28012999 A JP28012999 A JP 28012999A JP 2001097617 A JP2001097617 A JP 2001097617A
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sheet
flexible sheet
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conveying
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Satoshi Tsudo
智 津藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可撓性シートの搬送構造において、搬送力を
軽減して、搬送される可撓性シートの傷つきを従来より
も軽減する。 【解決手段】 可撓性シート92を、搬送通路10に沿
わせて搬送させる、隣接する2つの搬送ローラ21およ
び22の間の屈曲した搬送通路10に沿った通路長L1
と、この2つの搬送ローラ21および22の各配設位置
における搬送通路の各法線のなす角度α1とが、並びに
隣接する2つの搬送ローラ22および23の間の搬送通
路10に沿った通路長L2と、この2つの搬送ローラ2
2および23の各配設位置における搬送通路10の各法
線のなす角度α2とが、それぞれ下記式により規定され
る。 α1/L12 ,α2/L22 ≦70[rad/m2 ]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可撓性シートの搬送
構造およびこの搬送構造を備えた放射線画像読取装置に
関し、詳細には、シートが搬送される搬送通路の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、極めて広い放射線露出域にわたる
放射線画像を得るものとしてCR(Computed Radiograp
hy;DR(Digital Radiography)とも称する)システ
ムが広く実用化されている。このCRシステムは、放射
線(X線、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等)を照
射すると、この放射線エネルギーの一部が蓄積され、そ
の後可視光等の励起光を照射すると蓄積されたエネルギ
ーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体シートに、人体
等の被写体の放射線画像情報を一旦記録し、この放射線
画像が記録されたシートにレーザビーム等の励起光を走
査して画像情報に応じた輝尽発光光(信号光)を生じせ
しめ、発光する輝尽発光光をフォトマルチプライヤ等の
光電読取手段により読み取って画像信号を得、この画像
信号に基づき写真感光材料等の記録媒体、CRT等の表
示装置に被写体の放射線画像を可視像として出力させる
システムである(特開昭55-12429号、同56-11395号、同
56-11397号など)。
【0003】このCRシステムで用いられる蓄積性蛍光
体シートは、支持体上に輝尽性蛍光体層等を積層した厚
さ400μm程度の板状体であり、一般に可撓性を有す
るものである。蓄積性蛍光体シートは上記画像信号を得
るための放射線画像読取装置や、蓄積性蛍光体シートに
放射線画像を撮影記録する撮影部およびこの放射線画像
読取装置を一部に含むオールインタイプ(ビルトインタ
イプ)の放射線画像撮影読取装置などの内部を搬送され
るため、ある程度の柔軟性を有し、屈曲した搬送通路に
沿わせて搬送できる点で有利だからである。
【0004】また上述した放射線画像読取装置(オール
インワンタイプを含む)では、屈曲した搬送通路上に所
定の間隔を以て搬送ローラが配設され、この搬送ローラ
による搬送力(搬送方向への推進力)により蓄積性蛍光
体シートを一定の方向に送るとともに、搬送ローラ間の
屈曲した通路には案内板などを必要に応じて設けること
で、蓄積性蛍光体シートが搬送ローラ間をスムーズに推
進するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した放
射線画像読取装置(オールインワンタイプを含む)の屈
曲した搬送通路に沿わせてシートを搬送する場合、シー
トの搬送に要する搬送力を軽減することが望まれてい
る。これは省電力の観点から搬送エネルギを低減すると
同時に、搬送力すなわち摩擦力によるシート表面への傷
つきを軽減するためである。
【0006】なお、このような搬送力を軽減すべき要望
は、上記放射線画像読取装置に限らず、屈曲した搬送通
路上に所定の間隔を以て配設された搬送ローラにより、
可撓性シートを搬送通路に沿わせて搬送させる搬送構造
を有する各種の装置においても同様である。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、搬送力を軽減して、搬送される可撓性シートの傷
つきを従来よりも軽減することができる、可撓性シート
の搬送構造およびこの搬送構造を有する放射線画像読取
装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の可撓性シートの
搬送構造は、隣接する2つの搬送ローラ間の搬送通路通
路長と、この2つの搬送ローラの各配設位置における搬
送通路の各法線のなす角度とにより規定される所定の変
数を一定の範囲内としたものである。
【0009】すなわち本発明の可撓性シートの搬送構造
は、屈曲した搬送通路上に所定の間隔を以て配設され
た、少なくとも2以上の搬送ローラにより、可撓性シー
トを前記搬送通路に沿わせて搬送させる可撓性シートの
搬送構造であって、隣接する前記2つの搬送ローラ間
の、前記搬送通路に沿った通路長Li と、該2つの搬送
ローラの各配設位置における前記搬送通路の各法線のな
す角度αi とが下記式(1)により規定されることを特
徴とするものである。
【0010】αi /Li 2 ≦70 (1) (αi :[rad] ,Li :[m2 ] ) なお各法線のなす角度とは、両法線の挟角をいうもので
ある。
【0011】またこの法線のなす角度αi は下記式
(2)により規定されるものとするのが、搬送力をより
軽減する上で好ましい。
【0012】αi ≦1.2 (2) さらに搬送ローラが3以上の場合においては、搬送方向
に連続する3つの搬送ローラについての隣接する2つの
搬送ローラ間における各法線のなす角度αi およびα
i+1 の関係を下記式(3)により規定されるものとする
のが好ましい。
【0013】|αi+1 −αi |≦0.9 (3) 可撓性シートとしては、支持体上に輝尽性蛍光体層を積
層した蓄積性蛍光体シートなどを適用することができる
が、これに限るものではない。蓄積性蛍光体シートとし
ては、その支持体が厚さ100〜200μmの合成樹脂
(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)など)
であり、前記輝尽性蛍光体層が厚さ100〜300μm
であるものが好ましい。
【0014】また本発明の放射線画像読取装置は上記本
発明の可撓性シートの搬送構造を備えたものである。
【0015】すなわち本発明の放射線画像読取装置は、
蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体を励起する励起光を
出射する励起光源と、前記励起光源から出射された励起
光を前記蓄積性蛍光体シートに走査する走査手段と、前
記励起光が走査されて前記蓄積性蛍光体シートから発光
した輝尽発光光を光電的に読み取る読取手段とを備えた
放射線画像読取装置において、前記走査手段が、本発明
の可撓性シート(蓄積性蛍光体シートとして)の搬送構
造を備えたことを特徴とするものである。
【0016】なお、本発明の放射線画像読取装置は、こ
の放射線画像読取装置を読取部として一部に含み、蓄積
性蛍光体シートに放射線画像を撮影記録する撮影部をも
備えた、蓄積性蛍光体シートを循環して繰り返し使用す
るオールインタイプ(ビルトインタイプ)の放射線画像
撮影読取装置に適用することを妨げるものでないことは
いうまでもない。
【0017】
【発明の効果】本発明の可撓性シートの搬送構造および
この搬送構造を有する放射線画像読取装置によれば、隣
接する2つの搬送ローラ間の、搬送通路に沿った通路長
i と、この2つの搬送ローラの各配設位置における搬
送通路の各法線のなす角度αiとが下記式(1)により
規定されているため、一定の剛性を有する可撓性シート
について、従来の搬送構造に比べて、搬送ローラから受
ける支点反力を軽減させることができる。
【0018】αi /Li 2 ≦70 (1) (αi :[rad] ,Li :[m2 ] ) すなわち、一般に弾性材料の片持ち梁(長さL、ヤング
率E、断面2次モーメントI)の自由端に、梁の延びる
方向に直交する方向(例えば水平方向に延びる片持ち梁
については、上下方向の向き)に外力Pを付加した場
合、その自由端のたわみがvであれば、外力Pは下記式
(4)で表すことができる(図4(1)参照)。
【0019】P=3EIv/L3 (4) また、自由端のたわみ角をαとすると、v/L=tan α
が成立し、α=tan αの近似により、式(4)は下記式
(5)に変形することができる。
【0020】P=3EIα/L2 (5) 式(5)において、E,Iはともに弾性材料の固有の値
であるから、同一材料、同一断面形状の場合、常に一定
である。したがって、k=3EIとおけば、式(6)の
ように変形することができる。
【0021】 P=k(α/L2 ) (kは定数) (6) ここで、梁の固定端、自由端をそれぞれ図4(2)に示
すように、搬送通路上に設けられた第1搬送ローラ、第
2搬送ローラとみなし、梁を、搬送通路に沿って搬送さ
れる可撓性シートとみなせば、梁に加わる外力Pは、第
2搬送ローラから可撓性シートに付加される外力とみな
すことができる。
【0022】そして、可撓性シートは第1搬送ローラか
ら第2搬送ローラ方向に搬送通路に沿って搬送される間
に、この第2搬送ローラから受ける式(6)により表さ
れる外力P(垂直抗力)に応じた摩擦力を受ける。した
がって、この外力Pが依存する(α/L2 )の値を、式
(1)に示す範囲にすることで、可撓性シートに加わる
摩擦力を低減することができ、したがって、摩擦力によ
る搬送エネルギの減衰を抑制することができるため、搬
送力を軽減して、搬送される可撓性シートの傷つきを従
来よりも軽減することができる。
【0023】なお、(α/L2 )の値の最大値を70と
したのは、下表1に示す実験結果に基づくものである。
【0024】
【表1】
【0025】すなわち、表1に示した実験結果によれ
ば、(実験NO.1)におけるi=1,2、(実験N
O.2)におけるi=1、(実験NO.4)におけるi
=1,2、(実験NO.5)におけるi=2の各搬送構
造は、いずれも良好に搬送力を軽減することができ、
(実験NO.2)におけるi=2、(実験NO.3)に
おけるi=1,2の各搬送構造は従来と同程度の搬送力
を要した。
【0026】これらの実験結果によれば、(α/L2
の値の最大値は、63〜98の間の値とすべきである
が、従来よりの経験も考慮して、(α/L2 )の値の最
大値を70とした。
【0027】なお、良好に搬送力低減を示した(実験N
O.1)におけるi=1,2、(実験NO.2)におけ
るi=1、(実験NO.4)におけるi=1,2、(実
験NO.5)におけるi=2の各搬送構造のうち、(実
験NO.4)におけるi=1の搬送構造は、他の搬送構
造のものよりも搬送力低減性が劣るため、αi の値の最
大値を、1.05〜1.57の間で設定し、経験も考慮
して、αi の値の最大値を1.2とした(式(2))。
【0028】さらに、より良好な搬送力低減を示した
(実験NO.1)におけるi=1,2、(実験NO.
2)におけるi=1、(実験NO.4)におけるi=
2、(実験NO.5)におけるi=2の各搬送構造のう
ち、(実験NO.4)における搬送構造は、他の搬送構
造のものよりも搬送力低減性が劣るため、|αi+1 −α
i |の値の最大値を、0.53〜1.57の間で設定
し、経験も考慮して、|αi+1−αi |の値の最大値を
0.9とした(式(3))。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可撓性シートの搬
送構造の具体的な実施の形態について説明する。図1
(1)は本発明の可撓性シートの搬送構造の一実施形態
を示す図、同図(2)は、(1)に示した可撓性シート
の搬送構造に用いられる可撓性シート92の断面を示す
図である。
【0030】図示の可撓性シートの搬送構造は、屈曲し
た搬送通路10上にそれぞれ間隔L1,L2を以て配設
された、3つの搬送ローラ21,22,23により、可
撓性シート92を、搬送通路10に沿わせて搬送させる
可撓性シートの搬送構造であって、隣接する2つの搬送
ローラ21および22の間の搬送通路10に沿った通路
長L1と、この2つの搬送ローラ21および22の各配
設位置における搬送通路の各法線のなす角度α1とが、
並びに隣接する2つの搬送ローラ22および23の間の
搬送通路10に沿った通路長L2と、この2つの搬送ロ
ーラ22および23の各配設位置における搬送通路10
の各法線のなす角度α2とが、それぞれ下記式(1′)
により規定されて、これらの搬送通路10および搬送ロ
ーラ21,22,23が設定されている。
【0031】 α1/L12 ,α2/L22 ≦70[rad/m2 ] (1′) ただし、α1,α2の単位は[rad] 、L1,L2の単位
は[m] である。なお、上記角度α1およびα2はさら
に、下記式(2′)および(3′)をも満たしている。
【0032】 α1,α2≦1.2[rad] (2′) |α2−α1|≦0.9[rad] (3′) なお搬送通路10の屈曲外側には、搬送ローラ21,2
2,23間を搬送されるシート92が、この外側に飛び
出すのを防止して、搬送通路10に沿ってシート92を
案内するガイド板(図示せず)が設けられている。
【0033】図1(2)に示す可撓性シート92は、そ
の搬送方向の長さが、搬送通路長L1およびL2よりも
長いものである。
【0034】上述した本実施形態の搬送構造に可撓性の
シート92を、例えば図示右側から左側下方に向けて、
すなわち搬送ローラ21,22,23の順に搬送させる
と、シート92は、搬送通路10に沿って図示右側から
左側下方に搬送されるが、この搬送構造は式(1′)を
満たすように構成されているため、従来の搬送構造に比
べて、搬送ローラ21,22,23からシート92が受
ける支点反力を軽減させることができる。この結果、シ
ート92が搬送される際に各搬送ローラ21,22,2
3から受ける、支点反力の低減に伴って低減する摩擦力
も軽減され、これにより、摩擦力により生じるシート9
2表面の傷つきを従来よりも軽減させることができる。
【0035】また上記角度α1およびα2は、式
(2′)を満たす構成であるため、各搬送ローラ21,
22間および22,23間においてそれぞれ、シート9
2が90度(=π/2>1.2)を超えて屈曲されるこ
とがなく、シート92が搬送通路10よりも屈曲内側を
ショートカットすることがない。
【0036】さらに上記角度α1およびα2は、式
(3′)を満たす構成であるため、中間の搬送ローラ2
2においてシート92が60度(=π/3>0.9)を
超えて急激に屈曲されることがなく、シート92が中間
の搬送ローラ22に強く押さえられて損傷するのを抑制
することができる。
【0037】図2は、本発明の放射線画像読取装置の一
実施形態を示す要部構成図であり、本発明の可撓性シー
トの搬送構造を一部に備えたものである。また図3は図
2に示した放射線画像読取装置に用いられる、可撓性シ
ートの一実施態様である蓄積性蛍光体シート91を示す
図である。
【0038】図示の蓄積性蛍光体シート91は、厚さが
略100μmのPETで形成された透明な支持体91a
上に、厚さが略300μmの輝尽性蛍光体層91bと透
明な保護層91cとを、この順番に積層したものであ
る。輝尽性蛍光体層91bは、放射線を照射すると、こ
の放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後レーザ光
Kを照射すると蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光
Mを示す特性を有している。
【0039】また図示の放射線画像読取装置は、蓄積性
蛍光体シート91を搬送通路10に沿って搬送させる7
対の搬送ローラ対21a/21b,22a/22b,2
3a/23b,24a/24b,25a/25b,26
a/26b,27a/27bと、搬送通路10を搬送さ
れたシート91にレーザ光Kを走査するレーザ光照射系
40と、レーザ光Kが走査されて、シート91に蓄積記
録された放射線画像情報に応じて発光する輝尽発光光M
を光電的に読み取る読取系50と、光電的に輝尽発光光
Mが読み取られた後のシート91に蛍光灯等による消去
光を照射して、シート91に残存するエネルギーを略完
全に放出される消去系60と、装着されたカセッテ90
から、内部に収容された蓄積性蛍光体シート30を1枚
ずつ搬送通路10に供給する枚葉手段30と、これらに
電力を供給する電源70と、構成全体を覆うカバー80
とを備えた構成である。
【0040】ここで、搬送通路10は、枚葉手段30、
消去系60、レーザ光照射系40および読取系50をそ
れぞれ通過するように形成されている。
【0041】またレーザ光照射系40は、レーザ光Kを
出射する光源41と、出射されたレーザ光Kを一定の方
向に繰り返し反射偏向する回転多面鏡42と、回転多面
鏡42で反射偏向されたレーザ光Kの向きを、搬送通路
10上を搬送されるシート91に照射するように変更す
る長尺プリズム43および長尺反射鏡44とを備えた構
成であり、回転多面鏡42による反射偏向の方向は、シ
ート91が搬送通路10上を搬送される方向に対して略
直交する方向(図面の紙面に対して鉛直方向)であり、
この方向を主走査方向とする。
【0042】読取系50は、PMT(光電子増倍管)5
3と、レーザ光Kが照射されてシート91から発光し
た、このシート91に蓄積記録された放射線画像情報に
応じた強度で発光する輝尽発光光Mを、PMT53まで
導光する、アクリル樹脂で形成された光ガイド51と、
輝尽発光光Mとともに光ガイド51に入射したレーザ光
Kをカットして輝尽発光光Mのみを通過させるバンドパ
スフィルター52とを備えた構成であり、PMT53に
より光電的に読み取って得られた電気信号(画像信号)
Sは、外部の画像処理装置等に出力される。
【0043】搬送通路10と、7対の搬送ローラ対21
a/21b,22a/22b,23a/23b,24a
/24b,25a/25b,26a/26b,27a/
27bとは、詳しくは以下のように構成されている。
【0044】すなわち、隣接する各2対の搬送ローラ対
21a/21bと22a/22bとの間の通路長L1、
22a/22bと23a/23bとの間の通路長L2、
23a/23bと24a/24bとの間の通路長L3、
24a/24bと25a/25bとの間の通路長L4、
25a/25bと26a/26bとの間の通路長L5、
および26a/26bと27a/27bとの間の通路長
L6、並びに搬送ローラ対21a/21bの法線と22
a/22bの法線とのなす角度α1、22a/22bの
法線と23a/23bの法線とのなす角度α2、23a
/23bの法線と24a/24bの法線とのなす角度α
3、24a/24bの法線と25a/25bの法線との
なす角度α4、25a/25bの法線と26a/26b
の法線とのなす角度α5、および26a/26bの法線
と27a/27bの法線とのなす角度α6は、以下の式
により規定されて設けられている。
【0045】 α1/L12 ≦70[rad/m2 ] α2/L22 ≦70[rad/m2 ] α3/L32 ≦70[rad/m2 ] α4/L42 ≦70[rad/m2 ] α5/L52 ≦70[rad/m2 ] α6/L62 ≦70[rad/m2 ] α1,α2,α3,α4,α5,α6≦1.2[rad] |α2−α1|≦0.9[rad] |α3−α2|≦0.9[rad] |α4−α3|≦0.9[rad] |α5−α4|≦0.9[rad] |α6−α5|≦0.9[rad] |α7−α6|≦0.9[rad] なお以上の式を、i =1〜6として整理して、下記式
(1)〜(3)とする。
【0046】αi /Li 2 ≦70 (1) (αi :[rad] ,Li :[m] ) αi ≦1.2 (2) |αi+1 −αi |≦0.9 (3) 次に本実施形態の放射線画像読取装置の作用について説
明する。
【0047】まず、被写体の放射線画像を蓄積記録した
蓄積性蛍光体シート91を内部に収容してなるカセッテ
90が、この放射線画像読取装置に装着されると、装着
動作によりカセッテの蓋が装置内部で開放され、枚葉手
段30が、この蓋が開放されたカセッテ90内部からシ
ート91を吸着して引き出し、シート91を搬送通路1
0上に配置する。
【0048】搬送通路10上ではまず第1搬送ローラ対
21a/21bが配置されたシート91を、搬送通路1
0に沿って第2搬送ローラ対22a/22bまで送り、
第2搬送ローラ対22a/22bは、送られたシート9
1を搬送通路10に沿って次の搬送ローラ対23a/2
3bへ送り、この搬送作用を、第3搬送ローラ対23a
/23b、第4搬送ローラ対24a/24b,第5搬送
ローラ対25a/25b,第6搬送ローラ対26a/2
6b,第7搬送ローラ対27a/27bがそれぞれ順次
なすことにより、シート91は搬送通路10に沿って、
放射線画像読取装置内を消去系60、レーザ光照射系4
0および読取系50へと搬送される。
【0049】また各搬送ローラ対21a/21b,22
a/22b,…は、その回転方向を逆転することによ
り、シート91を上記搬送方向とは逆の方向にも搬送し
うる。
【0050】このようにして搬送通路10に沿ってレー
ザ光照射系40および読取系50へ搬送されたシート9
1はレーザ光照射系40によりレーザ光Kが照射され、
レーザ光Kの照射によりシート91から発光した輝尽発
光光Mが読取系50により光電的に読み取られ、読み取
って得られた画像信号は外部の画像処理装置に出力され
る。
【0051】放射線画像の読取りが終了したシート91
は、第7搬送ローラ対27a/27bが逆回転すること
により、搬送通路10に沿って逆方向に、すなわち第6
搬送ローラ対26a/26bに搬送され、以下順次、第
5搬送ローラ対25a/25b、第4搬送ローラ対26
a/26b、…へと搬送される。
【0052】ここで、上記逆方向への搬送中、シート9
1の進行方向先端が第3の搬送ローラ対23a/23b
を通過すると、消去系60から消去光が出射され、この
消去光は第3の搬送ローラ対23a/23bから第2の
搬送ローラ対22a/22bの間の搬送通路10上を搬
送されるシート91に照射される。この結果、光電的に
輝尽発光光Mが読み取られた後のシート91に残存する
放射線エネルギーがシート91から略完全に放出され、
シート91は再使用可能な状態とされる。
【0053】シート91はさらに第2搬送ローラ対22
a/22b、第1搬送ローラ対21a/21bにより搬
送通路10に沿って搬送され、カセッテ90の内部に収
容される。そしてこのカセッテ90は放射線技師等によ
り放射線読取装置から取り外され、再撮影可能なシート
91を収容するものとして放射線画像撮影室等へ運ばれ
る。
【0054】そして本実施形態の放射線画像読取装置に
よれば、搬送通路10および各搬送ローラ対21a/2
1b,22a/22b,…が式(1)を満たすように構
成されているため、従来の放射線画像読取装置に比べ
て、各搬送ローラ対21a/21b,22a/22b,
…からシート91が受ける支点反力を軽減させることが
できる。この結果、シート91が搬送される際に各搬送
ローラ対21a/21b,22a/22b,…から受け
る、支点反力の低減に伴って低減する摩擦力も軽減さ
れ、これにより、摩擦力により生じるシート91表面の
傷つきを従来よりも軽減させることができる。
【0055】また上記角度α1,α2,…は、式(2)
を満たす構成であるため、各搬送ローラ対21a/21
b,22a/22b,…間においてそれぞれ、シート9
1が90度(=π/2>1.2)を超えて屈曲されるこ
とがなく、シート91が搬送通路10よりも屈曲内側を
ショートカットすることがない。
【0056】さらに上記角度α1,α2,…は、式
(3)を満たす構成であるため、各搬送ローラ対におい
てシート91が60度(=π/3>0.9)を超えて急
激に屈曲されることがなく、シート91が各搬送ローラ
対に強く押さえられて損傷するのを抑制することができ
る。
【0057】なお上記図2に示した実施形態の放射線画
像読取装置における各角度α1〜α6、各通路長L1〜
L6および対応する各式(1)〜(3)の好ましい値の
具体例を下表2に示す。
【0058】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)は本発明の可撓性シートの搬送構造の一
実施形態を示す図、(2)は(1)に示した可撓性シー
トの搬送構造に用いられる可撓性シート92の断面を示
す図
【図2】本発明の放射線画像読取装置の一実施形態を示
す要部構成図
【図3】図2に示した放射線画像読取装置に用いられる
蓄積性蛍光体シートを示す図
【図4】本発明の可撓性シートの搬送構造の作用を説明
する図
【符号の説明】
10 搬送通路 21,22,23 搬送ローラ 92 可撓性シート L1,L2 搬送通路長 α1,α2 搬送ローラ間角度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈曲した搬送通路上に所定の間隔を以て
    配設された、少なくとも2以上の搬送ローラにより、可
    撓性シートを前記搬送通路に沿わせて搬送させる可撓性
    シートの搬送構造であって、 隣接する前記2つの搬送ローラ間の、前記搬送通路に沿
    った通路長Li と、該2つの搬送ローラの各配設位置に
    おける前記搬送通路の各法線のなす角度αi とが下記式
    (1)により規定されることを特徴とする可撓性シート
    の搬送構造。 αi /Li 2 ≦70 (1) (αi :[rad] ,Li :[m] )
  2. 【請求項2】 前記法線のなす角度αi が下記式(2)
    により規定されることを特徴とする請求項1記載の可撓
    性シートの搬送構造。 αi ≦1.2 (2)
  3. 【請求項3】 前記搬送ローラが3以上の場合におけ
    る、搬送方向に連続する3つの搬送ローラについての隣
    接する2つの搬送ローラ間の前記各法線のなす角度αi
    およびαi+1 が下記式(3)により規定されることを特
    徴とする請求項1または2記載の可撓性シートの搬送構
    造。 |αi+1 −αi |≦0.9 (3)
  4. 【請求項4】 前記可撓性シートが、支持体上に輝尽性
    蛍光体層を積層した蓄積性蛍光体シートであることを特
    徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の可
    撓性シートの搬送構造。
  5. 【請求項5】 前記蓄積性蛍光体シートの支持体が、厚
    さ100〜200μmの合成樹脂であり、前記輝尽性蛍
    光体層が厚さ100〜300μmであることを特徴とす
    る請求項4記載の可撓性シートの搬送構造。
  6. 【請求項6】 蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体を励
    起する励起光を出射する励起光源と、前記励起光源から
    出射された励起光を前記蓄積性蛍光体シートに走査する
    走査手段と、前記励起光が走査されて前記蓄積性蛍光体
    シートから発光した輝尽発光光を光電的に読み取る読取
    手段とを備えた放射線画像読取装置において、 前記走査手段が、請求項4または5記載の可撓性シート
    の搬送構造を備えたことを特徴とする放射線画像読取装
    置。
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