JP3981264B2 - 薬剤揮散装置及び薬剤揮散装置キット - Google Patents
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Description
この発明は、殺虫剤等の薬剤を空気中に揮散させる薬剤揮散装置に関する。特に、薬剤を含浸または充填したカートリッジの使用期限を知らせる薬剤揮散装置に関する。
【0001】
防虫剤の揮散装置において薬剤がどの程度揮散したかを知る方法として、従来は、空気と反応したときに化学変化で変色する物質を設けていた。このような装置では、開封とともに物質が変色を開始し、一定時間が経過した時使用済(使用期限)の色に変化する。使用者は、この色を見ることによって、薬剤がどの程度揮散したかをおおよそ把握することができる。
【0002】
また、電気的に作動する制御部を一体的に設けた薬剤揮散装置も実用化されている。この装置では、薬剤が揮散される時間を積算する手段を備え、この積算結果を表示器等に表示するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
空気と反応して変色する物質を使用する装置では、実際の揮散状態とは無関係に変色反応が進行するために、たとえば、モーターファンによって薬剤を揮散させる装置では、モーターが停止している時にでも変色が進行し、変色と揮散時間が一致しない問題点がある。また、防虫剤等のように、モーターファンを用いなくても昇華していく薬剤がある。このような薬剤をビニル袋に密封した場合には、ビニル袋内で薬剤の濃度がすぐに飽和して揮散は停止することになるが、残留酸素があれば反応を継続するために、この場合でも、変色と揮散時間とが一致しない問題がある。さらに、色の判断には個人差が生じるために、利用者によって判断にばらつきが生じてしまう問題がある。
【0004】
また、電気的に動作時間を積算する薬剤揮散装置では、カートリッジ交換時やバッテリの交換時に、そのカートリッジに関するそれまでのデータが失われて、正確な使用期限の管理をすることができないという不都合があった。
【0005】
この発明の目的は、カートリッジ交換等があっても、実際の揮散時間と表示内容とが一致する薬剤揮散装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するために以下のように構成される。
【0007】
(1)揮散薬剤を保持し装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記カートリッジに一体的に設けられたバッテリと、
前記カートリッジが装着され装置の電源がオンされている状態で前記バッテリの放電を行う放電回路と、
バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に対応した内容を表示器に表示する制御部と、
を備えてなることを特徴とする。
【0008】
この発明では、装置の電源がオンされてカートリッジが使用されている時にはバッテリからの電流が消費される。したがって、バッテリとして、使用時間が経過するに従ってバッテリ電圧が低下する特性のものを使用すれば、バッテリ電圧の低下に応じてカートリッジの使用時間を知ることが出来る。そして、カートリッジとバッテリは一体化されているから、カートリッジの取り外し有無に無関係に、バッテリ電圧はカートリッジの使用時間と常に相関する。すなわちカートリッジの取り外し有無や取り外し時間に無関係に、カートリッジのトータルの使用時間、またはカートリッジの使用可能残時間を知ることが出来る。このため、これを表示器に表示することで、使用者は、カートリッジの使用時間や、使用可能残時間等を簡単に知ることができる。
また、前記カートリッジの有効使用可能時間に対応して該カートリッジに設けられた特定形状部を設け、前記放電回路は、前記特定形状部に応じて放電抵抗を異にするように構成することが出来る。
【0009】
このような構成では、カートリッジの本来の有効使用可能時間に対応することが出来る。カートリッジの本来の有効使用可能時間は、カートリッジの大きさや揮散薬剤の量等によって決まるために、バッテリを同一容量とする場合には、カートリッジの本来の有効使用可能時間に対応してバッテリの放電電流(消費電流)を変える必要がある。そこで、この発明では、カートリッジの有効使用可能時間に対応して特定形状部を設け、この特定形状部によって放電抵抗が変わるようにする。例えば、カートリッジの有効使用可能時間に対応して、特定形状部の大きさや取付位置を変える。特定形状部は、機械的に検出したり、光学的、または電気的に検出する。検出した結果に応じて、放電回路の放電抵抗を変える。これにより、カートリッジの本来の有効使用可能時間(容量)に対応して、バッテリ回路の消費電流を適当な値に設定することができることになり、多種類のバッテリを用意しなくてもよい。
【0010】
(2)制御部にマイコンを使用する場合には、バッテリ電圧と表示内容との関係をテーブルに記憶しておくことが可能である。
【0011】
このような構成では、表示内容をカートリッジの使用時間に対応させておく。表示内容はカートリッジの使用時間そのものでも良いし、該使用時間に対応した記号、数値等でも良い。このテーブルを参照することによってカートリッジの使用時間を都度判定することができる。すなわち、カートリッジの取り外し有無や取り外し時間に無関係に、カートリッジのトータルの使用時間、またはカートリッジの使用可能残時間を知ることが出来る。このため、これを表示器に表示することで、使用者は、カートリッジの使用時間や、使用可能残時間等を簡単に知ることができる。テーブルを使用することで、複数種類のバッテリに対応したテーブルを用意することが可能であったり、テーブルの内容を変更することが可能になる。
【0012】
(3)テーブルに代えて放電特性を表す放電式を利用する。この式は予め求めておく。これを、計算プログラムに組み入れるか、または、RAMなどに記憶しておき、演算に使用する。このようにすれば、カートリッジの使用時間を求めることが出来るから、表示器に対して、カートリッジ使用時間を直接表示することが可能である。
【0013】
(4)薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、該モータを駆動するための装置用バッテリと、を備え、前記制御部は前記装置用バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に対応した内容を前記表示器に表示することが可能である。
【0014】
このように構成することで、表示器には、カートリッジに一体的に設けられているバッテリの監視ととともに、装置本体に設けられているバッテリの監視も行うことが出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態である殺虫剤揮散装置を示している。同図(A)は殺虫剤揮散装置の内部構成を示す断面図、同図(B)は、同殺虫剤揮散装置の蓋を取った状態の正面図を示す図である。
【0016】
殺虫剤揮散装置1のケース10の内部には、揮発性の殺虫剤が保持された通気性部材20を内蔵するカートリッジ2が水平にセットされている。このカートリッジ2の下方には、送風することによってカートリッジ2を強制的に空気に接触させるプロペラファン3と、該プロペラファン3を回転させるモータ4が設けられている。プロペラファン3を回転させることにより、ケース10の下部から取り込まれた空気がカートリッジ2の内部を通過し、通気性部材20に保持されている殺虫剤を揮発させる。これによって、揮発した殺虫剤を含む空気が、ケース10上部から大気中に放出される。
【0017】
また、ケース10の側部には、制御部を構成する回路基板5と、モータ4および回路基板5に電源を供給する装置用バッテリである乾電池6とが収納されている。回路基板5上には、電源スイッチ接点7、LCDディスプレイ8および接点板9が設けられている。電源スイッチ接点7に連結された電源スイッチ11はケース10外部に突出していて、利用者がこれをスライド操作できるようになっている。接点板9は、後述のように、カートリッジ2のボタン電池を回路基板5に設けられている放電回路に接続し、また、カートリッジ2に設けられている突起(特定形状部の一例)に当接または当接しないことにより、放電回路の放電時定数を決める接点部をオンオフする。
【0018】
カートリッジ2には、一体的に、バッテリであるボタン電池13が設けられている。このボタン電池13は、装置の電源オン時に回路基板5に設けられている放電回路を介して放電を行う。
【0019】
図2は、回路基板5の拡大図、図3は、ボタン電池の接続状態と突起13による接点部のオンオフ状態を示している。
【0020】
図2において、上記カートリッジ2に一体的に設けられている突起12は、カートリッジ2の有効使用可能時間に対応した位置に設けられている。同図に示す例では、突起12a、12bの2つが図示の位置に設けられている。カートリッジ2の有効使用可能時間に対応して、2つの突起のどちらかが設けられたり、2つとも設けられなかったりする。接点部9の一部を構成する接点部9aは、この2つの突起に対向配置され、突起があるときには、その突起に対向配置している接点部が下方に押され、図示しない接点部と接触する。この接点部は、後述の放電回路の放電時定数を決める回路に接続されている。したがって、カートリッジ2の有効使用可能時間に対応して設けられた突起12により、放電回路の放電時定数が決まる。また、接点部9の一部を構成する接点部9b は、上記カートリッジ2に一体的に設けられているボタン電池13のマイナス極に接触し、接点部9cはプラス極に接触する。
【0021】
図3(A)は、カートリッジ2の装着時に、ボタン電池13が接点部9bに接触していない状態を示している。図3(B)は、カートリッジ2の装着時に、ボタン電池13が接点部9bに接触する状態を示している。
【0022】
したがって、カートリッジ2が装置本体に装着されて電源スイッチがオンされると、ボタン電池13が放電を開始し、且つ、その放電は突起により決まる時定数によって行われる。また、カートリッジを装置本体から取り外すと放電が停止する。
【0023】
図4は、回路基板5の回路図を示している。
【0024】
回路基板5は、制御用IC30と、比較器31、32とを備えている。制御用IC30は、後述するようなテーブルTを内部に設けている。比較器31の一方の入力端子には、制御用IC30から、電源オン後、及び、その後一定周期で一定時間毎に立ち上がり信号ロが入力し、他方の端子には、ボタン電池13からの出力が入力される。比較器31の一方の端子には、抵抗R4とコンデンサC1からなる時定数回路が直列に接続されている。したがって、この一方の入力端子の信号波形は、立ち上がり信号ロに対して緩やかに上昇する積分波形となる。また、比較器31の他方の入力端子には、電源スイッチS1−2及びアナログスイッチ33を介して放電回路35が接続されている。放電回路35は、抵抗値がそれぞれ異なる放電抵抗R1、R2、R3で構成されている。R2とR3には、接点部9aが直列に接続され、いずれかの接点部9aがオンすると、その接点部9aに直列接続されているR2またはR3がR1に並列接続される。この回路により、カートリッジの突起12(12a、12b)の有無によって、放電抵抗が変わる。なお、電源スイッチS1−2とS1−1とは連動していて、電源スイッチ接点7で構成されている。また、制御用IC30は、電源がオンすると端子P06を「H」にして、アナログスイッチ33と34をオンする。
【0025】
以上の構成で、電源スイッチS1−2とS1−1がオンして制御用IC30が動作を開始すると、放電回路35を介して、バッテリ回路11から放電電流が流れる。ボタン電池13は、アルカリボタン電池であって、その放電負荷特性は図5に示すように、時間経過に伴って放電電圧が徐々に低下する特性を持っている。この実施形態では、ボタン電池13として、アルカリボタン電池を使用したが、この他、時間経過に伴って放電電圧が徐々に低下する特性の持つマンガン電池を利用することも可能である。
【0026】
図6は、図4に示す回路において、電源オン時の電圧監視特性を示す図である。P1、P2、P3は、放電回路35がR1/R2/R3(R1、R2、R3が並列接続状態)、R1/R2(R1、R2が並列接続状態)、R1のそれぞれの場合の放電特性を示している。特性P1、P2、P3は、カートリッジの突起12(12a、12b)の有無によって決まる。Aは、放電特性P1の使用時間が300Hの時の電圧監視領域を示し、Bは、放電特性P1の使用時間が700Hになった時の電圧監視領域を示している。イ〜ニの各波形は、図4のイ〜ニの部分の波形である。図6に示すように、Aに対してBの時の電池電圧が低いために、オペアンプ31の出力ニのパルス波形のパルス幅Tが短くなる。図では、700Hの使用時間の時の出力パルス幅がT2であって、300Hの時の出力パルス幅がT1(>T2)であることを示している。
【0027】
制御用IC30は、あらかじめ、ボタン電池のバッテリ電圧と表示内容との関係を記憶するテーブルTを備えている。表示内容は、この例では、カートリッジ使用時間に対応する表示セグメントである。すなわち、図6のニに示すパルス波形のパルス幅(T1やT2)をカートリッジ使用時間(つまり、バッテリ使用時間)に対応させて、これと表示すべき表示セグメント(カートリッジ使用時間に対応している)とを対比させて記憶している。したがって、制御用IC30は、このテーブルTを参照することによって、上記ニの信号のパルス幅を見ることによって、その時の表示セグメントを判定することができる。この検出は、電源オン時に一度行われ、その後、一定周期毎に行われる。
【0028】
なお、テーブルを使用することにより、バッテリの放電特性の異なる複数のボタン電池に対応することが出来る。この場合、テーブルをボタン電池の種類毎に用意しておいて、使用されているボタン電池に対応してテーブルを選択する。また、テーブルを使用することで、その内容を簡単に変更することが可能である。
【0029】
カートリッジ2の突起12(12a、12b)の有無によって、図6に示すように放電特性をP1〜P3のように変えることができるために、カートリッジ2の容量(定格使用時間)に応じて、突起12a、12bが設定される。定格使用時間が最長のものは、突起12a、12bのいずれも設けられない。定格使用時間がその次に長いものは、突起12aまたは12bのみが設けられる。定格使用時間が最短のものは、突起12a、12bのいずれもが設けられる。
【0030】
ボタン電池13は、カートリッジ2を装置本体から取り外すと放電が停止するため、カートリッジを途中で取り外して、再び取り付けるような使用を行っても、カートリッジの使用時間を正しく判定することが可能である。
【0031】
本実施形態では、モータ4、制御用IC30、LCDディスプレイ8の電源である乾電池6の電圧監視を行っている。比較器32は、一方の入力端子に抵抗R5にコンデンサC2の時定数回路が接続され、他方の入力端子に乾電池6の電圧が入力する。この回路により、ボタン電池13の電圧監視と同様に乾電池6の電圧監視が行われ、装置本体の使用時間を知ることが出来る。なお、この実施形態では、乾電池6の電圧が1.1Vに低下すると、モータ4を強制的に停止させるようにしている。 図7は、上記テーブルTの一例を示している。同図(A)は、カートリッジ2の使用時間とボタン電池13の電圧と表示セグメントとの関係を示す。同図(B)は、装置本体1の使用時間と乾電池6の電圧と表示セグメントとの関係を示す。
【0032】
LCDディスプレイ8は、ボタン電池13と乾電池6の電圧監視の結果を、上記テーブルに従い、それぞれ表示部K2とK1に表示する。すなわち、ボタン電池13に対しては、検出電圧が低下するに応じて、表示部K2においてセグメントAから順次消していく。乾電池6に対しては、検出電圧が低下するに応じて、表示部K1においてセグメントXから順次消していく。例えば、ボタン電池13の検出電圧が、1.4Vに低下すると(カートリッジ100Hの使用時間に相当する)、セグメントAを消す。また、1.2Vに低下すると(カートリッジ400Hの使用時間に相当する)、セグメントA〜Dの全てを消す。また、乾電池6の検出電圧が、1.4Vに低下すると(装置本体100Hの使用時間に相当する)、セグメントXを消す。また、1.1Vに低下すると(装置本体300Hの使用時間に相当する)、セグメントX〜Zの全てを消す。さらに、P06からの信号によりアナログスイッチ34をオフすることで、モータ4を強制的に停止する。なお、セグメントA〜Dの全てが消えたときには、カートリッジ2を交換すべき時期であることがわかる。
【0033】
なお、図7(A)から分かるように、テーブルTを設けることより、カートリッジの使用時間を直接表示することが可能になる。テーブルTの形態として、電圧と表示セグメントの関係のみを記憶させることも出来る。また、テーブルを使用しなくても、プログラムにより表示セグメントを決定することも、もちろん可能である。
【0034】
図8は、上記薬剤揮散装置の制御用IC30の動作を示すフローチャートである。
【0035】
電源オン後、及び、その後一定時間毎に、この動作が実行される。
【0036】
最初に装置本体の電圧(乾電池電圧)が検出される。この電圧が1.1V未満であれば、動作を停止する。乾電池電圧が1.1V以上であることを確認すると、そのときの検出電圧の大きさに応じて、LCDディスプレイ8のK1表示部(図4参照)の表示をテーブルTに従って行う(ST3)。次に、ボタン電池13の電圧を検出し(ST4)、検出電圧の大きさに応じて、LCDディスプレイ8のK2表示部(図4参照)の表示をテーブルTに従って行う(ST5)。以上の動作を、電源オン時と、その後、一定時間毎に行う。
【0037】
別の実施形態として、上記テーブルTを使用せずに、計算式を使用することによってカートリッジと装置本体の使用時間、又は、該使用時間に対応するボタン電池13と乾電池6の電圧を求めることも可能である。求めた使用時間は、例えば、そのまま表示器に表示する。この方法では、カートリッジと装置本体の使用時間が正確に、且つ直接求まるため、表示を正確なものにすることが出来る。
【0038】
その方法を以下に示す。
【0039】
まず、図5の放電特性から、放電電圧と使用時間の関係式を求める。例えば、30kΩの放電抵抗を使用した場合、使用時間Tは、
・1.6<V≦1.4の範囲では、
T=((1.6−V)/(1.6−1.4))×100
・1.4<V≦1.3の範囲では、
T=((1.4−V)/(1.4−1.3))×300+100
・1.3<V≦1.15の範囲では、
T=((1.3−V)/(1.3−1.15))×200+400
・1.15<V≦0.9の範囲では、
T=((1.15−V)/(1.15−0.9))×100+600
の折れ線近似式で計算することが可能である。
【0040】
なお、放電特性が、図6に示すように直線であれば、例えばP1の特性では、
T=((1.5−V)/(1.5−1.0))×700
で求めることが可能である。
【0041】
図9は、この発明の他の実施形態の回路図を示している。
【0042】
この実施形態の薬剤揮散装置は、マイコンを使わずに、ディスクリートな部品を使って構成している。
【0043】
図9において、図4と同様の箇所には同一符号を付している。原発振部40は、LCDディスプレイ8のK1表示部に対して交流駆動信号を印加するためのものであり、波形変換部41は、K2表示部に対して交流駆動信号を印加するために設けられる。なお、波形変換部41は、原発振部40の信号を利用して交流駆動信号を形成している。
【0044】
A表示制御部50〜D表示制御部53は、それぞれ、入力電圧(ボタン電池13の検出電圧)の大きさに応じてセグメント駆動信号を出力するICチップである。例えば、A表示制御部50は、ボタン電池13の検出電圧が1.4Vに低下すると、セグメントAの駆動信号をオフする。これにより、セグメントAは消える。また、X表示制御部60〜Z表示制御部62は、それぞれ、乾電池6の検出電圧の大きさに応じてセグメント駆動信号を出力するICチップである。例えば、X表示制御部60は、乾電池6の検出電圧が1.4Vに低下すると、セグメントXの駆動信号をオフする。これにより、セグメントXは消える。乾電池6の検出電圧が1.1Vに低下すると、Z表示制御部62によりセグメントZが消えるが、この信号を利用してアナログスイッチ34もオフさせて、モータ4を強制的に停止させる。もちろん、これ以外の方法でモータ4を停止してもよい。
【0045】
本実施形態では、マイコンを用いなくても良いから、低コストで簡単に構成することが出来る。
【0046】
なお、上記の各実施形態においては、表示器に表示する内容を使用時間に対応した表示セグメントとしたが、使用時間そのものでもよいし、残時間でも、また、使用終点を知らせる表示内容でも良い。
【0047】
また、カートリッジの本来の使用可能時間(容量)に対応して突起の有無を決めているが、突起の位置や形状を変えるようにしても良い。また、突起の検出は、装置本体で電気的、光学的に行うことが可能である。
【0048】
また、放電回路35を設けずに、電気回路に電流を消費させることも可能である。例えば、図4においては、ボタン電池13を制御用IC30の電源電圧として利用し、このIC30自体を放電回路として兼用させることも可能である。このときは、一つの電池放電特性に基づく電池電圧と使用時間等との関係を示すテーブルを設け、入力される電圧がに応じて表示用信号を出力する。
【0049】
また、カートリッジと装置本体は別々に、一つのパッケージ(収納部)に収納して販売することができる。この場合、カートリッジは消耗品であるため、別途販売される。
【0050】
【発明の効果】
この発明によれば、カートリッジにバッテリを内蔵しているため、カートリッジの取り外し有無や取り外し時間に無関係に、カートリッジのトータルの使用時間、またはカートリッジの使用可能残時間およびカートリッジの使用終点を知ることが出来る。このため、これを表示器に表示することで、使用者は、カートリッジの使用時間や、使用可能残時間、使用時間の終点等を簡単に知ることができる。
【0051】
また、カートリッジの本来の使用可能時間(容量)に対応して突起の位置や形状を変えることで、バッテリ回路の消費電流を適当な値に設定することができる。このため、多種類のバッテリを用意しなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(B)は、それぞれこの発明の実施形態である殺虫剤揮散装置の内部構成を示す断面図、蓋を取った状態の平面図を示す図である。
【図2】回路基板の拡大図
【図3】カートリッジ装着時の状態を示す図
【図4】回路基板の構成図
【図5】アルカリボタン電池の放電特性図
【図6】放電特性図と電源オン時の電圧監視領域を示す図
【図7】テーブルの一例を示す図
【図8】制御用ICの動作を示すフローチャート
【図9】この発明の他の実施形態の殺虫剤揮散装置の回路基板の構成図
【符号の説明】
2−カートリッジ
5−回路基板
8−表示器
12(12a,12b)−突起
13−ボタン電池
Claims (10)
- 薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、を備える薬剤揮散装置において、
揮散薬剤を保持しバッテリが一体的に設けられ装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記カートリッジが装着され前記電源がオンされている状態で前記バッテリの放電を行う、前記装置本体に一体的に設けられた放電回路と、
前記バッテリのバッテリ電圧を監視し、その検出電圧に対応した前記カートリッジの使用時間に関する内容を表示器に表示させる制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、を備える薬剤揮散装置において、
揮散薬剤を保持しバッテリが一体的に設けられ装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記カートリッジが装着され前記電源がオンされている状態で前記バッテリの放電を行う、前記装置本体に一体的に設けられた放電回路と、
前記バッテリのバッテリ電圧と前記カートリッジの使用時間に関する表示内容との関係を記憶するテーブルと、
前記バッテリのバッテリ電圧を監視し、その検出電圧に基づいて前記テーブルから前記カートリッジの使用時間に関する表示内容を選択し、選択した表示内容を表示器に表示させる制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、を備える薬剤揮散装置において、
揮散薬剤を保持しバッテリが一体的に設けられ装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記カートリッジが装着され前記電源がオンされている状態で前記バッテリの放電を行う、前記装置本体に一体的に設けられた放電回路と、
前記バッテリのバッテリ電圧に対する前記カートリッジの使用時間の関係を予め放電式として記憶する手段と、
前記バッテリのバッテリ電圧を監視し、その検出電圧に基づいて前記放電式から前記カートリッジの使用時間を判定するとともに、その時間または使用可能残時間に対応する内容を表示器に表示させる制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 揮散薬剤を保持しバッテリが一体的に設けられ装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記カートリッジの有効使用可能時間に対応して該カートリッジに設けられた特定形状部と、
前記カートリッジが装着され装置の電源がオンされている状態で前記バッテリの放電を行い、且つ、前記特定形状部に応じて放電抵抗を異にする放電回路と、
バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に対応した内容を表示器に表示する制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 揮散薬剤を保持しバッテリが一体的に設けられ装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記カートリッジの有効使用可能時間に対応して該カートリッジに設けられた特定形状部と、
前記カートリッジが装着され装置の電源がオンされている状態で前記バッテリの放電を行い、且つ、前記特定形状部に応じて放電抵抗を異にする放電回路と、
バッテリ電圧と表示内容との関係を記憶するテーブルと、
バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に基づいて前記テーブルから表示内容を選択して表示器に表示する制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 揮散薬剤を保持しバッテリが一体的に設けられ装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記カートリッジの有効使用可能時間に対応して該カートリッジに設けられた特定形状部と、
前記カートリッジが装着され装置の電源がオンされている状態で前記バッテリの放電を行い、且つ、前記特定形状部に応じて放電抵抗を異にする放電回路と、
バッテリ電圧に対するカートリッジ使用時間の関係を予め放電式として記憶する手段と、
バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に基づいて前記放電式からカートリッジの使用時間を判定するとともに、その時間または使用可能残時間に対応する内容を表示器に表示する制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、該モータを駆動するための電源と、を備える請求項4〜6のいずれかに記載の薬剤揮散装置。
- 前記制御部は、前記電源から供給する駆動電圧の検出電圧が所定電圧以下になると前記モータを強制的に停止することを特徴とする請求項1〜3,7のいずれかに記載の薬剤揮散装置。
- 薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、を備える薬剤揮散装置において、
揮散薬剤を保持し、外部に電気的に接続可能なバッテリ電極端子とバッテリとが一体的に設けられたカートリッジの装着部を備え、該装着部に前記カートリッジが装着されて前記電源がオンされている状態で前記カートリッジ内のバッテリの放電を行う、前記装置本体に一体的に設けられた放電回路と、
バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に対応した使用時間に関する内容を表示器に表示する制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 揮散薬剤を保持し、外部に電気的に接続可能なバッテリ電極端子とバッテリとが一体的に設けられたカートリッジと、
薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、前記カートリッジの装着部を備え、該装着部に前記カートリッジが装着されて前記電源がオンされている状態で前記カートリッジ内のバッテリの放電を行う、前記装置本体に一体的に設けた放電回路と、バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に対応した使用時間に関する内容を表示器に表示する制御部と、を備える薬剤揮散装置と、
前記カートリッジ及び前記薬剤揮散装置が収納される収納部と、
を備えてなる、薬剤揮散装置キット。
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