JP2006092986A - 燃料カートリッジ、燃料電池用残量検出装置、燃料電池システムおよび電子機器 - Google Patents

燃料カートリッジ、燃料電池用残量検出装置、燃料電池システムおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料の残量を正確かつ確実に管理することができる燃料カートリッジ、燃料電池用残量検出装置、燃料電池システムおよび電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の燃料カートリッジ1は、収容した燃料の残量に関する情報を記憶した書き換え可能な記憶装置13を備える。本発明の燃料電池用残量検出装置3は、燃料カートリッジ1を装着可能なカートリッジ装着部31と、燃料カートリッジ1の記憶装置13に対し情報を読み書きする読み出し書き込み手段341と、燃料カートリッジ1内の燃料の消費量を計測する燃料消費量計測手段と、燃料カートリッジ1内の燃料の現時点での残量を算出する残量算出手段343とを備え、残量算出手段343により算出された現時点での燃料の残量に関する情報を読み出し書き込み手段341によって燃料カートリッジ1の記憶装置13に上書きして更新する。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料カートリッジ、燃料電池用残量検出装置、燃料電池システムおよび電子機器に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤ガスをセル内で電気化学的に反応させ電力を発生させるものである。燃料電池の最小構成は、セルと呼ばれ、単セルは、燃料の電気化学反応の場である燃料極(負極)および空気極(正極)からなる電極対と、電気化学反応で発生するイオン伝導体としての電解質膜とを最小単位として構成される。
携帯機器用に用いられる燃料電池では、システム全体を小型、軽量化する必要がある。そのため燃料としてメタノール水溶液を使用し、メタノール水溶液を直接セルに供給するダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)が主に検討されている。燃料であるメタノール水溶液は、燃料カートリッジに収容された状態で、燃料電池に装着されて使用される。
ところで、化学電池を動作電源とする既存の携帯機器においては、電池の消耗状態を検知して随時電池残量を表示する機能や、電池の出力電圧が所定の下限値になった場合に、電池の交換や充電を促すアラームやメッセージ等を通知する機能(以下、便宜的に「残量通知機能」と総称する)を備えたものが多い。
具体的には、一般的な化学電池における出力電圧の経時的な変化傾向(起電力特性)は、放電に伴う時間の経過とともに出力電圧が徐々に低下することが知られているので、この出力電圧の変化を検出して定期的または継続的に電池残量や機器の駆動可能推定時間を表示したり、携帯機器等において動作が正常に行われる電圧範囲(動作保証電圧範囲)を下回る出力電圧に達した場合に、機器の利用者に電池の交換や充電等を促す通知を行っている。
これに対して燃料電池は、燃料を用いた発電装置であるので、電源システムの出力電圧特性(起電力特性)は、放電に伴う時間の経過(すなわち、燃料の残量)に関わりなく、発電部に供給される燃料の量等に基づいて設定される。したがって、携帯機器等の仕様上、安定的な動作を実現することができる理想的な一定電圧が出力されるように設計されており、燃料がなくなること(燃料切れ)により、電源システムにおける発電動作が停止して出力電圧が0Vに瞬時に変化する。
そのため、このような起電力特性を有する燃料電池を、既存の携帯機器等の電源としてそのまま適用した場合、別途燃料の残量変化を検出して、定期的または継続的に燃料残量や機器の駆動可能推定時間を表示したり、設定された燃料残量に達した場合に、機器の利用者に燃料カートリッジの交換を促す通知を行わなければならない。
また、セルの燃料切れが生じた場合にはセル特性が著しく悪化するため、燃料の残量変化を検出して、燃料切れは確実に防止しなければならない。
燃料使用量をモニタする方法としては、燃料電池の放電電流量から計算により燃料使用量を求める方法が一般的に用いられているが、経時使用により出力特性が変化すると正確な燃料使用量のモニタが難しい。
そこで燃料使用量をモニタする方法として、燃料電池に供給される燃料供給量を検出する流量計と、燃料電池の放電電流を検出する電流検出部と、流量計で検出される燃料供給量に基づいて燃料供給量に対応する電池容量を演算して電池の残容量に加算し、電流検出部で検出した電流量から演算される放電容量を減算する残量演算部とを備えることにより、燃料電池の残容量検出を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら上記技術は、燃料が燃料カートリッジに充填されている場合においては、燃料カートリッジ中の燃料残量を直接検出している訳ではないので、例えば、使用者が燃料カートリッジを一旦外し、他の燃料カートリッジを装着し、再度同じ燃料カートリッジを装着した場合に、正しい燃料残量の計測ができなくなる。
このような場合、正確な燃料残量を知り得ないので、発電途中の予期せぬところで燃料残量がゼロになってしまう可能性がある。燃料電池の場合、燃料がなくなると燃料電池がショートを起こす可能性がある。燃料電池では、燃料カートリッジは交換して使用するが、燃料電池セルは繰り返し使用するため、セルに不具合を起こす可能性のある燃料カートリッジが装着された場合には適切な警告を発し、セルの燃料切れを防止しなければならない。
また、燃料電池において、セルの出力は燃料流量に依存する。具体的には高出力が必要な場合は単位時間当たりの燃料流量を多く、低出力でよい場合は単位時間当たりの燃料流量を少なくする。セルに空気が入ると不具合を起こす可能性があるので、燃料を使い切る前に、余裕を見て燃料カートリッジの燃料切れサインを表示する必要がある。
従って使用する機器によって燃料カートリッジの使用可能、不可能の状態は異なり、高出力の電池で使用して燃料切れになった燃料カートリッジであっても、低出力の機械に装着すると、使用することが可能な場合が多い。
特開2003−346856号公報
本発明の課題は、燃料の残量を正確かつ確実に管理することができる燃料カートリッジ、燃料電池用残量検出装置、燃料電池システムおよび電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の燃料カートリッジは、電源として燃料電池を搭載した機器に対し着脱自在に装着して使用され、前記燃料電池へ供給する燃料を収容した燃料カートリッジであって、
収容した燃料の残量に関する情報を記憶した書き換え可能な記憶手段を備えることを特徴とする。
これにより、記憶手段に記憶された燃料の残量に関する情報に基づいて、燃料の残量を正確に検出することができるので、燃料電池を搭載した機器において、燃料の残量や燃料カートリッジの交換が必要なことなどを使用者に知らせることができ、燃料切れを招くのを確実に防止することができる。その結果、燃料切れによる燃料電池セル特性の劣化を確実に回避することができる。
また、燃料カートリッジを一旦取り外してから再度装着して使用する場合や、燃料カートリッジを取り外して他の機器に装着して使用する場合などであっても、燃料の残量を正確に検出することができ、上記効果を達成することができる。
本発明の燃料カートリッジでは、前記記憶手段は、当該燃料カートリッジが燃料切れであるか否かに関する情報をさらに記憶していることが好ましい。
これにより、燃料カートリッジ装着時に、瞬時に燃料切れか否かの判断を行うことができる。
本発明の燃料電池用残量検出装置は、本発明の燃料カートリッジを装着可能なカートリッジ装着部と、
前記燃料カートリッジの記憶手段に対し情報を読み書きする読み出し書き込み手段と、
前記燃料カートリッジ内の燃料の消費量を計測する燃料消費量計測手段と、
前記読み出し書き込み手段により前記燃料カートリッジの記憶手段から読み出された燃料の残量に関する情報と、前記燃料消費量計測手段により計測された燃料消費量の情報とに基づいて、前記燃料カートリッジ内の燃料の現時点での残量を算出する残量算出手段とを備え、
前記残量算出手段により算出された現時点での燃料の残量に関する情報を前記読み出し書き込み手段によって前記燃料カートリッジの記憶手段に上書きして更新することを特徴とする。
これにより、燃料カートリッジの記憶手段に記憶された燃料の残量に関する情報に基づいて、燃料の残量を正確に検出することができるので、燃料電池を搭載した機器において、燃料の残量や燃料カートリッジの交換が必要なことなどを使用者に知らせることができ、燃料切れを招くのを確実に防止することができる。その結果、燃料切れによる燃料電池セル特性の劣化を確実に回避することができる。
また、燃料カートリッジを一旦取り外してから再度装着して使用する場合や、燃料カートリッジを取り外して他の機器に装着して使用する場合などであっても、燃料の残量を正確に検出することができ、上記効果を達成することができる。
本発明の燃料電池用残量検出装置では、前記燃料消費量計測手段は、前記燃料カートリッジから流出する燃料の単位時間当たりの流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段により計測された単位時間当たりの流量を積算することにより燃料消費量を算出する燃料消費量算出手段とを有することが好ましい。
これにより、燃料消費量をより正確に検出することができ、その結果、燃料の残量をより正確に検出することができる。
本発明の燃料電池用残量検出装置では、前記残量算出手段により算出された現時点での燃料の残量および/または該残量に応じた情報を逐次表示する表示手段をさらに備えることが好ましい。
これにより、燃料の残量やそれに応じた情報をリアルタイムに使用者に知らせることができる。
本発明の燃料電池用残量検出装置では、前記制御手段は、前記燃料カートリッジが燃料切れの場合、前記燃料カートリッジの交換を促す旨を前記表示手段に表示することが好ましい。
これにより、燃料カートリッジの交換が必要な場合、使用者に迅速かつ確実にその旨を知らせることができる。
本発明の燃料電池用残量検出装置では、前記読み出し書き込み手段は、前記残量算出手段により算出された現時点での燃料の残量に関する情報を前記燃料カートリッジの記憶手段に上書きするのを、前記燃料電池が発電を停止しているときに行うことが好ましい。
これにより、燃料カートリッジの記憶手段に記憶された燃料の残量に関する情報を更新する場合、より正確な残量の情報に更新することができる。
本発明の燃料電池用残量検出装置では、前記読み出し書き込み手段は、前記残量算出手段により算出された現時点での燃料の残量に関する情報を前記燃料カートリッジの記憶手段に上書きするのを、電源オフ処理時に行うことが好ましい。
これにより、電源オフ処理時、燃料カートリッジの記憶手段に記憶された燃料の残量に関する情報を最新の情報に更新することができ、燃料の残量をより正確かつ確実に管理することができる。
本発明の燃料電池用残量検出装置では、前記カートリッジ装着部に燃料カートリッジが装着されているか否かを検出するカートリッジ検出手段をさらに備えることが好ましい。
これにより、例えば、燃料カートリッジが装着されていない場合に、その装着を使用者に促す旨を表示手段に表示する等の制御が可能となる。
本発明の燃料電池システムは、本発明の燃料電池用残量検出装置と、
前記燃料カートリッジから供給される燃料を用いて発電する燃料電池とを備えることを特徴とする。
これにより、燃料カートリッジの記憶手段に記憶された燃料の残量に関する情報に基づいて、燃料の残量を正確に検出することができるので、燃料電池を搭載した機器において、燃料の残量や燃料カートリッジの交換が必要なことなどを使用者に知らせることができ、燃料切れを招くのを確実に防止することができる。その結果、燃料切れによる燃料電池セル特性の劣化を確実に回避することができる。
また、燃料カートリッジを一旦取り外してから再度装着して使用する場合や、燃料カートリッジを取り外して他の機器に装着して使用する場合などであっても、燃料の残量を正確に検出することができ、上記効果を達成することができる。
本発明の電子機器は、本発明の燃料電池システムを搭載し、該燃料電池システムの燃料電池が発電した電力により作動することを特徴とする。
これにより、例えば外出先や屋外のようにコンセントのない場所であっても、長時間の使用が可能な電子機器を提供することができる。さらに、燃料カートリッジの記憶手段に記憶された燃料の残量に関する情報に基づいて、燃料の残量を正確に検出することができるので、燃料の残量や燃料カートリッジの交換が必要なことなどを使用者に知らせることができ、燃料切れを招くのを確実に防止することができる。その結果、燃料切れによる燃料電池セル特性の劣化を確実に回避することができる。
また、燃料カートリッジを一旦取り外してから再度装着して使用する場合や、燃料カートリッジを取り外して他の機器に装着して使用する場合などであっても、燃料の残量を正確に検出することができ、上記効果を達成することができる。
以下、本発明の燃料カートリッジ、燃料電池用残量検出装置、燃料電池システムおよび電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の燃料カートリッジの実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す燃料カートリッジを装着可能なカートリッジ装着部を示す斜視図、図3は、本発明の燃料電池システムのブロック図である。
図1に示す燃料カートリッジ1は、燃料電池21へ供給する燃料を収容したカートリッジである。この燃料カートリッジ1は、メタノール水溶液、エタノール水溶液等の燃料を収容した本体11と、燃料供給口12と、記憶装置13と、電気接点14とを有している。
記憶装置13は、例えばEEP−ROM等の電気的に書き換え可能なメモリで構成されている。この記憶装置13には、この燃料カートリッジ1内の燃料の残量に関する情報と、この燃料カートリッジ1が使用可能か、または燃料切れで使用不可能かについての情報とが記憶されている。また、記憶装置13には、例えばこの燃料カートリッジ1の製造年月日などの日付コード、燃料構成など、適切な発電を可能にするために必要な燃料に関する情報がさらに記憶されていてもよい。
記憶装置13は、電気接点14に対し電気的に接続されている。よって、電気接点14を介して記憶装置13にアクセスすることができる。
この燃料カートリッジ1は、後述するカートリッジ装着部31に対し、底面15をカートリッジ装着部31に対向させた姿勢で装着される。本実施形態では、燃料供給口12、記憶装置13および電気接点14は、それぞれ、底面15側に設けられている。
図2に示すカートリッジ装着部31は、装着された燃料カートリッジ1から燃料を採取するためのものである。このカートリッジ装着部31は、燃料カートリッジ1を保持するホルダー311と、このホルダー311の底部に設置された燃料採取針312および電気接点313とを有している。
燃料カートリッジ1をホルダー311に装着する際には、燃料カートリッジ1の底面15を下にして、ホルダー311に挿入する。ホルダー311に燃料カートリッジ1が装着されると、燃料採取針312が燃料供給口12に挿入する。燃料供給口12には、燃料採取針312の挿脱に伴って開閉する弁(図示せず)が設置されており、燃料採取針312が燃料供給口12に挿入すると、この弁が開通し、燃料が通過可能となる。燃料採取針312は、中空になっており、燃料カートリッジ1内の燃料は、燃料採取針312を通って、燃料電池21への燃料供給路22へと流出する。
また、ホルダー311に燃料カートリッジ1が装着されると、電気接点313が燃料カートリッジ1の電気接点14と接触し、両者が導通する。
図2中では図示を省略するが、カートリッジ装着部31には、燃料カートリッジ1が装着されているか否か(装着の有無)を検出するカートリッジ検出センサ(カートリッジ検出手段)32がさらに設けられている。カートリッジ検出センサ32は、ホルダー311の底面から突出した突起を有しており、ホルダー311に燃料カートリッジ1を装着すると、この突起を燃料カートリッジ1が押圧することにより、カートリッジ検出センサ32がオンするように構成されている。
図3に示す燃料電池システム2は、携帯可能な電子機器に搭載され、この電子機器を作動させる電力を供給するものである。この燃料電池システム2を電子機器に搭載することにより、例えば外出先や屋外のようにコンセントのない場所であっても、電子機器を長時間使用することが可能となる。
燃料電池システム2が搭載される電子機器としては、特に限定されず、例えば、パーソナルコンピュータ(特にノートパソコン)、プリンタ、ビデオカメラ、電子ゲーム機器、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、各種測定機器、プロジェクター等の投射型表示装置等が挙げられるが、本実施形態では、ノートパソコン4に燃料電池システム2を搭載した場合について説明する。
燃料電池システム2は、燃料電池21と、燃料カートリッジ1内の燃料の残量を検出する燃料電池用残量検出装置3と、DC/DCコンバータ25と、キャパシタ26とを備えている。
燃料電池21には、燃料排出路23を介してポンプ24が接続されている。ポンプ24を作動させて吸引することにより、燃料カートリッジ1内の燃料が燃料供給路22を通って燃料電池21へ供給される。燃料電池21は、供給された燃料と、空気中の酸素(酸化剤ガス)とをセル内で電気化学的に反応させることにより、発電を行う。
燃料電池21の単セルは、燃料の電気化学反応の場である燃料極(負極)および空気極(正極)からなる電極対と、電気化学反応で発生するイオン伝導体としての電解質膜とを主要な構成としており、この単セルを複数集積して燃料電池21が構成される。
この燃料電池21は、いかなるタイプのものであってもよいが、システム全体の小型、軽量化を図る観点からは、燃料としてメタノール水溶液を使用し、メタノール水溶液を直接セルに供給するダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)であるのが好ましい。
燃料電池21によって発電された電力は、DC/DCコンバータ25およびキャパシタ26を介して、ノートパソコン4の各部へ供給される。DC/DCコンバータ25は、燃料電池21の負荷を一定にして、安定化させるように機能する。キャパシタ26は、大電力が必要とされる際に、蓄えた電力を放出してこれを賄うように機能する。すなわち、キャパシタ26は、負荷変動分を吸収する補助電源として機能する。
燃料電池用残量検出装置3は、前述したカートリッジ装着部31およびカートリッジ検出センサ32と、燃料供給路22に設置された流量計(流量計測手段)33と、制御手段34と、ディスプレイ(表示手段)35と、記憶部37とを有している。
電気接点313、カートリッジ検出センサ32、流量計33、ディスプレイ35および記憶部37は、それぞれ、制御手段34と電気的に接続されている。また、燃料カートリッジ1がカートリッジ装着部31に装着された状態では、電気接点14と電気接点313とが接触することにより、燃料カートリッジ1の記憶装置13が制御手段34と電気的に接続される。
制御手段34は、電気接点313および電気接点14を介して記憶装置13にアクセスすることにより、記憶装置13に情報を読み書きすることができる。すなわち、制御手段34は、記憶装置13に対する読み出し書き込み手段341としての機能を有している。
カートリッジ検出センサ32は、カートリッジ装着部31に燃料カートリッジ1が装着されたこと、および、燃料カートリッジ1が取り外されたことを検出し、その検出信号を制御手段34へ出力する。
流量計33は、燃料供給路22を流れる燃料、すなわち燃料カートリッジ1から流出した燃料の単位時間当たりの流量を計測し、その流量に応じた信号を制御手段34へ出力する。
制御手段34は、記憶部37に記憶されたプログラムおよびデータに基づいて、燃料電池用残量検出装置3の後述するような制御動作を実行する。この制御手段34は、例えばマイクロコンピュータで構成される。また、制御手段34は、ポンプ24の作動の制御も行う。さらに、制御手段34は、ノートパソコン4のCPU41とも接続されており、CPU41と制御の連携が可能となっている。
このような制御手段34は、流量計33により計測された単位時間当たりの燃料の流量を積算(積分)することにより、燃料消費量を算出する。すなわち、制御手段34は、燃料消費量算出手段342としての機能を有している。
なお、本実施形態では、流量計33と制御手段34とで、燃料カートリッジ1内の燃料の消費量を計測する燃料消費量計測手段が構成される。ただし、本発明では、燃料消費量計測手段は、このような構成に限定されず、いかなる方法によって燃料カートリッジ1内の燃料の消費量を計測するものでもよく、例えば、燃料カートリッジ1の重量を計測し、その重量の減少分から燃料消費量を計測するようなものであってもよい。
また、制御手段34は、燃料カートリッジ1の記憶装置13から読み出された燃料の残量の値から、上述のようにして計測された燃料消費量の値を減算することにより、燃料カートリッジ1内の現時点での燃料の残量を算出する。すなわち、制御手段34は、燃料の残量を算出する残量算出手段343としての機能を有している。
以下、このような燃料電池用残量検出装置3の作用について説明する。
ノートパソコン4の電源スイッチの操作により電源が投入されると、制御手段34は、カートリッジ検出センサ32の検出信号に基づき、燃料カートリッジ1の有無を検知し、燃料カートリッジ1がカートリッジ装着部31に装着されていない場合には、燃料カートリッジ1がない旨の情報をディスプレイ35に表示する。
制御手段34は、燃料カートリッジ1がカートリッジ装着部31に装着されている場合は、燃料カートリッジ1の記憶装置13のフォーマット情報を読み込む。このフォーマット情報には、燃料カートリッジ1が使用可能か、または燃料切れで使用不可能かに関する情報と、使用可能の場合には燃料の残量に関する数値情報とが少なくとも含まれている。
制御手段34は、記憶装置13に記憶された燃料の残量の情報を読み込み、記憶部37に記憶する。
また、制御手段34は、記憶装置13から読み出された燃料カートリッジ1内の燃料の残量の値が規定値以下の場合、すなわち燃料切れの場合には、ディスプレイ35に燃料カートリッジ1の交換を促す旨の表示を行い、使用者に燃料カートリッジ1の交換を促す。
これに対し、記憶装置13から読み出された燃料カートリッジ1の残量が、ノートパソコン4を作動させる電力を発電するのに十分な量であった場合には、制御手段34は、ポンプ24を作動させて、燃料電池21への燃料の充填動作を行う。この充填動作の際にも、制御手段34(燃料消費量算出手段342)は、流量計33で計測された燃料流量に充填動作の継続時間を乗算することによって燃料吸引量を算出し、燃料消費量に計上する。なお、1回の充填動作でのポンプ24の燃料吸引量を予め定められた所定量としてもよく、その場合には、流量計33での計測結果に基づくことなく、その所定量を充填動作での燃料消費量として計上してもよい。
燃料電池21に燃料が充填されると、燃料電池21は、発電を開始する。発電期間中の燃料消費量は、燃料消費量算出手段342により算出される。残量算出手段343は、記憶装置13から読み出された残量の値から、燃料消費量算出手段342により算出された燃料消費量を減算することにより、燃料カートリッジ1内の現時点での燃料の残量を算出する。
残量算出手段343により算出された燃料カートリッジ1内の現時点での燃料の残量の値は、ディスプレイ35に逐次(リアルタイムに)表示される。これにより、ノートパソコン4の使用者は、燃料の残量を常に把握することができる。なお、燃料の残量の値そのものをディスプレイ35に表示するのではなく、その残量に応じた情報を表示するようにしてもよい。残量に応じた情報を表示するとは、例えば、燃料が十分ある場合、燃料が少ない場合、燃料切れの場合を区分して表示するような場合である。
制御手段34(読み出し書き込み手段341)は、残量算出手段343により算出された燃料カートリッジ1内の現時点での燃料の残量の値を燃料カートリッジ1の記憶装置13に上書きすることにより、記憶装置13に記憶された残量の情報を更新する。この上書きは、燃料電池21が発電していないとき、すなわち燃料供給路22に燃料が流れていないときに行うのが好ましい。これにより、燃料の残量を上書きする動作中にさらに燃料が消費されることがないので、燃料の残量をより正確に検出することができる。なお、制御手段34は、流量計33の検出信号に基づいて、燃料電池21が発電しているか否かを検出することができる。
さらに、ノートパソコン4の電源がオフされる場合の電源オフ処理時にも、制御手段34(読み出し書き込み手段341)は、残量算出手段343により算出された燃料カートリッジ1内の現時点での燃料の残量の値を燃料カートリッジ1の記憶装置13に上書きすることにより、記憶装置13に記憶された残量の情報を更新する。これにより、ノートパソコン4の電源がオフされた後に燃料カートリッジ1を一旦外し、後日再び同じ燃料カートリッジ1を装着した場合や、異なる機械(電子機器)に燃料カートリッジ1を差し替えた場合であっても、燃料残量が燃料カートリッジ1に設置された記憶装置13に記憶されているので、正しい燃料残量を計測することができる。
また、1つの燃料カートリッジを異なる機械で使用する場合であっても、燃料カートリッジ1に設置された記憶装置13に記憶された燃料残量をもとに、使用可能かどうか判定を行うため、例えば燃料消費量の大きい燃料電池で使用した燃料カートリッジ1であっても、燃料消費量の低い燃料電池ではまだ使用可能となる可能性が大きいため、より効率的に燃料を使用することが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、燃料カートリッジ中の燃料の残量に関する情報を正確に検出して使用者に把握させることができるので、燃料カートリッジの交換が必要な場合には、その旨を使用者に促すことが可能となる。よって、燃料切れを確実に防止することができ、燃料切れによる燃料電池セル特性の劣化を確実に回避することができる。
以上、本発明の燃料カートリッジ、燃料電池用残量検出装置、燃料電池システムおよび電子機器を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、燃料カートリッジ、燃料電池用残量検出装置、燃料電池システムおよび電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
本発明の燃料カートリッジの実施形態を示す斜視図。 図1に示す燃料カートリッジを装着可能なカートリッジ装着部を示す斜視図。 本発明の燃料電池システムのブロック図。
符号の説明
1……燃料カートリッジ 11……本体 12……燃料供給口 13……記憶装置 14……電気接点 15……底面 2……燃料電池システム 21……燃料電池 22……燃料供給路 23……燃料排出路 24……ポンプ 25……DC/DCコンバータ 26……キャパシタ 3……燃料電池用残量検出装置 31……カートリッジ装着部 311……ホルダー 312……燃料採取針 313……電気接点 32……カートリッジ検出センサ 33……流量計 34……制御手段 341……読み出し書き込み手段 342……燃料消費量算出手段 343……残量算出手段 35……ディスプレイ 37……記憶部 4……ノートパソコン 41……CPU

Claims (11)

  1. 電源として燃料電池を搭載した機器に対し着脱自在に装着して使用され、前記燃料電池へ供給する燃料を収容した燃料カートリッジであって、
    収容した燃料の残量に関する情報を記憶した書き換え可能な記憶手段を備えることを特徴とする燃料カートリッジ。
  2. 前記記憶手段は、当該燃料カートリッジが燃料切れであるか否かに関する情報をさらに記憶している請求項1に記載の燃料カートリッジ。
  3. 請求項1または2に記載の燃料カートリッジを装着可能なカートリッジ装着部と、
    前記燃料カートリッジの記憶手段に対し情報を読み書きする読み出し書き込み手段と、
    前記燃料カートリッジ内の燃料の消費量を計測する燃料消費量計測手段と、
    前記読み出し書き込み手段により前記燃料カートリッジの記憶手段から読み出された燃料の残量に関する情報と、前記燃料消費量計測手段により計測された燃料消費量の情報とに基づいて、前記燃料カートリッジ内の燃料の現時点での残量を算出する残量算出手段とを備え、
    前記残量算出手段により算出された現時点での燃料の残量に関する情報を前記読み出し書き込み手段によって前記燃料カートリッジの記憶手段に上書きして更新することを特徴とする燃料電池用残量検出装置。
  4. 前記燃料消費量計測手段は、前記燃料カートリッジから流出する燃料の単位時間当たりの流量を計測する流量計測手段と、前記流量計測手段により計測された単位時間当たりの流量を積算することにより燃料消費量を算出する燃料消費量算出手段とを有する請求項3に記載の燃料電池用残量検出装置。
  5. 前記残量算出手段により算出された現時点での燃料の残量および/または該残量に応じた情報を逐次表示する表示手段をさらに備える請求項3または4に記載の燃料電池用残量検出装置。
  6. 前記制御手段は、前記燃料カートリッジが燃料切れの場合、前記燃料カートリッジの交換を促す旨を前記表示手段に表示する請求項5に記載の燃料電池用残量検出装置。
  7. 前記読み出し書き込み手段は、前記残量算出手段により算出された現時点での燃料の残量に関する情報を前記燃料カートリッジの記憶手段に上書きするのを、前記燃料電池が発電を停止しているときに行う請求項3ないし6のいずれかに記載の燃料電池用残量検出装置。
  8. 前記読み出し書き込み手段は、前記残量算出手段により算出された現時点での燃料の残量に関する情報を前記燃料カートリッジの記憶手段に上書きするのを、電源オフ処理時に行う請求項3ないし7のいずれかに記載の燃料電池用残量検出装置。
  9. 前記カートリッジ装着部に燃料カートリッジが装着されているか否かを検出するカートリッジ検出手段をさらに備える請求項3ないし8のいずれかに記載の燃料電池用残量検出装置。
  10. 請求項3ないし9のいずれかに記載の燃料電池用残量検出装置と、
    前記燃料カートリッジから供給される燃料を用いて発電する燃料電池とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  11. 請求項10に記載の燃料電池システムを搭載し、該燃料電池システムの燃料電池が発電した電力により作動することを特徴とする電子機器。
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