JP3981236B2 - 薬剤揮散装置 - Google Patents
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Description
この発明は、殺虫剤等の薬剤を空気中に揮散させる薬剤揮散装置に関する。特に、薬剤を含浸または充填したカートリッジの使用期限を知らせる薬剤揮散装置に関する。
【0001】
防虫剤の揮散装置において薬剤がどの程度揮散したかを知る方法として、従来は、空気と反応したときに化学変化で変色する物質を設けていた。このような装置では、開封とともに物質が変色を開始し、一定時間が経過した時使用済(使用期限)の色に変化する。使用者は、この色を見ることによって、薬剤がどの程度揮散したかをおおよそ把握することができる。
【0002】
また、電気的に作動する制御部を一体的に設けた薬剤揮散装置も実用化されている。この装置では、薬剤が揮散される時間を積算する手段を備え、この積算結果を表示器等に表示するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
空気と反応して変色する物質を使用する装置では、実際の揮散状態とは無関係に変色反応が進行するために、たとえば、モーターファンによって薬剤を揮散させる装置では、モーターが停止している時にでも変色が進行し、変色と揮散時間が一致しない問題点がある。また、防虫剤等のように、モーターファンを用いなくても昇華していく薬剤がある。このような薬剤をビニル袋に密封した場合には、ビニル袋内で薬剤の濃度がすぐに飽和して揮散は停止することになるが、残留酸素があれば反応を継続するために、この場合でも、変色と揮散時間とが一致しない問題がある。さらに、色の判断には個人差が生じるために、利用者によって判断にばらつきが生じてしまう問題がある。
【0004】
また、電気的に動作時間を積算する薬剤揮散装置では、カートリッジ交換時やバッテリの交換時に、そのカートリッジに関するそれまでのデータが失われて、正確な使用期限の管理をすることができないという不都合があった。
【0005】
この発明の目的は、カートリッジ交換等があっても、実際の揮散時間と表示内容とが一致する薬剤揮散装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するために以下のように構成される。
【0007】
(1)薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、を備える薬剤揮散装置において、揮散薬剤を保持し、装置の電源オン時に放電するバッテリ回路とバッテリとが一体的に設けられ、装置本体に着脱自在なカートリッジと、
バッテリ電圧に対するバッテリ使用時間をカートリッジ使用時間として記憶するテーブルと、
バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に基づいて前記テーブルからカートリッジの使用時間を判定するとともに、その時間または使用可能残時間を表示器に表示する制御部と、
を備えてなることを特徴とする。
【0008】
この発明では、装置の電源がオンされてカートリッジが使用されている時にはバッテリからの電流が消費される。したがって、バッテリとして、使用時間が経過するに従ってバッテリ電圧が低下する特性のものを使用すれば、バッテリ電圧とバッテリ使用時間との関係をあらかじめテーブルに記憶しておくことにより、このテーブルを参照することによってカートリッジの使用時間を都度判定することができる。カートリッジとバッテリは一体化されているから、カートリッジの取り外し有無に無関係に、バッテリ電圧はカートリッジの使用時間と常に相関する。すなわちカートリッジの取り外し有無や取り外し時間に無関係に、カートリッジのトータルの使用時間、またはカートリッジの使用可能残時間を知ることが出来る。このため、これを表示器に表示することで、使用者は、カートリッジの使用時間や、使用可能残時間等を簡単に知ることができる。
【0009】
(2)薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、を備える薬剤揮散装置において、揮散薬剤を保持し、装置の電源オン時に放電するバッテリ回路とバッテリとが一体的に設けられ、装置本体に着脱自在なカートリッジと、
バッテリ電圧に対するカートリッジ使用時間の関係を予め放電式として記憶する手段と、
バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に基づいて前記放電式からカートリッジの使用時間を判定するとともに、その時間または使用可能残時間を表示器に表示する制御部と、を備えてなる。
【0010】
この発明では、テーブルに代えて放電特性を表す放電式を利用する。この式は予め求めておく。これを、計算プログラムに組み入れるか、または、RAMなどに記憶しておき、演算に使用する。このようにすれば、テーブルを用意しなくてもよくなる。
【0011】
(3)前記バッテリ回路は、放電抵抗と、装置本体に結合自在なコネクタとを有し、装置本体へ結合して装置本体の放電回路を介して放電することを特徴とする。
【0012】
この発明では、カートリッジの本来の使用可能時間に対応して、バッテリ回路を構成することを可能にする。カートリッジの本来の使用可能時間は、カートリッジの大きさや揮散薬剤の量等によって決まるために、バッテリを同一容量とする場合には、カートリッジの本来の使用可能時間に対応してバッテリの放電電流(消費電流)を変える必要がある。そこで、この発明では、バッテリ回路が装置本体に結合自在であって、バッテリ回路の放電抵抗を変更可能にしている。これにより、カートリッジの本来の使用可能時間(容量)に対応して、バッテリ回路の消費電流を適当な値に設定することができることになり、多種類のバッテリを用意しなくてもよい。
【0013】
(4)揮散薬剤を保持し、装置本体の制御部からのリードライトが可能なEEPROMが一体的に設けられ、装置本体に着脱自在なカートリッジと、
カートリッジ使用時に前記EEROMに対して使用時間を更新記憶し、且つその使用時間を読み出してその時間または使用可能残時間を表示器に表示する制御部と、
を備えてなることを特徴とする。
【0014】
この発明では、装置本体の電源がオンされて、カートリッジが使用されている時に、EEROMに対して使用時間を書き込んでいく。EEROMはバッテリを不要とするために、カートリッジを装置本体から取り外しても、EEROMの記憶内容が変わることがない。これにより、EEROMに記憶されている使用時間は、カートリッジの使用時間に常に一致することになる。したがって、表示器には、カートリッジの累積使用時間や、残りの使用可能残時間を正しく常に表示することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態である殺虫剤揮散装置を示している。同図(A)は殺虫剤揮散装置の内部構成を示す断面図、同図(B)は、同殺虫剤揮散装置の蓋を取った状態の正面図、同図(C)は同殺虫剤揮散装置のディスプレイの表示例を示す図である。
【0016】
殺虫剤揮散装置1のケース10の内部には、揮発性の殺虫剤が保持された通気性部材20を内蔵するカートリッジ2が水平にセットされている。このカートリッジ2の下方には、送風することによってカートリッジ2を強制的に空気に接触させるプロペラファン3と、該プロペラファン3を回転させるモータ4が設けられている。ケース10のうちカートリッジ2の上方の部分およびプロペラファン3の下方の部分には、多数の小孔からなる開口部10a、10bがそれぞれ設けられている。プロペラファン3を回転させることにより、ケース10の下部の開口部10bから取り込まれた空気がカートリッジ2の内部を通過し、通気性部材20に保持されている殺虫剤を揮発させる。これによって、揮発した殺虫剤を含む空気が、ケース10上部の開口部10aから大気中に放出される。
【0017】
また、ケース10の側部には、制御部を構成する回路基板5と、モータ4および回路基板5に電源を供給する乾電池6とが収納されている。回路基板5上には、電源スイッチ7、LCDディスプレイ8および接点9が設けられている。電源スイッチ7のキートップである押しボタン7aはケース10外部に突出していて、利用者がこれを操作できるようになっている。
【0018】
カートリッジ2には,一体的に、バッテリ回路11が設けられている。このバッテリ回路11は、ボタン電池を内蔵し、装置の電源オン時に放電を行う。図2は、カートリッジ2に一体的に設けられ、装置の電源オン時に放電するバッテリ回路を示している。このバッテリ回路11は、バッテリであるボタン電池11aと放電抵抗11bとを備えている。また、回路基板5に接続するためのコネクタ21を備えている。接点9によって、コネクタ21と回路基板5とを接続することができ、この状態で、電源スイッチ7がオンされると、装置の電源がオンし、放電抵抗11bを介して、ボタン電池11から放電される。接点9をコネクタ21から取り外すと、上記放電が停止する。
【0019】
図3は、回路基板5の回路図を示している。
【0020】
この回路基板5には、バッテリ回路11がコネクタ21を介して接続される。
【0021】
回路基板5は、制御用IC5aと、比較器5bとを備えている。制御用IC5aは、後述するようなテーブルTを内部に設けている。比較器5bの一方の入力端子には、制御用IC5aから、電源オン後一定時間毎に立ち上がり信号ロが入力し、他方の端子には、バッテリ回路11からの出力が入力される。比較器5bの一方の端子には、抵抗5cとコンデンサ5dからなる時定数回路が直列に接続されている。したがって、この一方の入力端子の信号波形は、立ち上がり信号ロに対して緩やかに上昇する積分波形となる。また、比較器5bの他方の入力端子には、放電抵抗5eが接続されている。このため、電源スイッチ7aおよび7b (連動している)がオンして制御用IC5aが動作を開始すると、この放電用抵抗5eを介して、バッテリ回路11から放電電流が流れる。ボタン電池11aは、アルカリボタン電池であって、その放電負荷特性は図4に示すように、時間経過に伴って放電電圧が徐々に低下する特性を持っている。この実施形態では、ボタン電池11aとして、アルカリボタン電池を使用したが、この他、時間経過に伴って放電電圧が徐々に低下する特性の持つマンガン電池を利用することも可能である。
【0022】
図5は、図3に示す回路において、電源オン時の電圧監視特性を示す図である。P1〜P3は、3種類のバッテリ回路11の放電特性を示している。この特性は、ボタン電池11aの容量が同一であるときには、放電抵抗11bの大きさによって決まる。Aは、放電特性P1の使用時間が300Hの時の電圧監視領域を示し、Bは、放電特性P1の使用時間が700Hになった時の電圧監視領域を示している。イ〜ニの各波形は、図3のイ〜ニの部分の波形である。図5に示すように、Aに対してBの時の電池電圧が低いために、オペアンプ5bの出力ニのパルス波形のパルス幅Tが短くなる。図では、700Hの使用時間の時の出力パルス幅がT2であって、300Hの時の出力パルス幅がT1(>T2)であることを示している。
【0023】
制御用IC5aは、あらかじめ、バッテリ電圧に対するバッテリ使用時間をカートリッジ使用時間として記憶するテーブルを備えている。すなわち、図5のニに示すパルス波形のパルス幅Tをバッテリ使用時間に対応させて、これとバッテリ電圧とを対比させて記憶している。したがって、制御用IC5aは、このテーブルを参照することによって、上記ニの信号のパルス幅を見ることによって、その時のカートリッジの使用時間を判定することができる。この検出は、電源オン時に一度行えばよいが、任意の時に行うことが可能である。
【0024】
ボタン電池11aとして同じものを使用した時には、放電抵抗11bを変えることによって、図5に示すように放電特性をP1〜P3のように変えることができるために、カートリッジ2の容量(定格使用時間)に応じて、それと一定的に取り付けられるバッテリ回路11の放電抵抗11bが設定される。すなわち、放電抵抗11bを適当に選択するだけで、カートリッジの容量に応じたバッテリ回路を設定することができる。
【0025】
また、このバッテリ回路は、装置本体に結合自在のコネクタ21を備えているために、カートリッジを装置本体から取り外した時には、バッテリの放電が停止する。このため、カートリッジを途中で取り外して、再び取り付けるような使用を行っても、カートリッジの使用時間を正しく判定することが可能である。
【0026】
図6は、上記薬剤揮散装置の制御用IC5aの動作を示すフローチャートである。
【0027】
ステップ100では、カートリッジがあるかどうかの判断を行う。これは、コネクタ21によってバッテリ回路11が回路基板5に接続されているかどうかを電気的に判定することによって行われる。続いて、装置側の電圧(乾電池6の電圧)の計測を行う(ステップ101)、その電圧が1.2V未満でなければ、ファンモータを駆動するのに充分な電圧が確保されているとみなして、ステップ103に進みボタン電池電圧の計測を行う。この電圧が、1.0V未満でなければ、上記のテーブルを参照することによって使用時間の計算を行う(ステップ105)。そして、使用時間が300H時間以下であれば、温度センサ5f(サーミスタTH1)の読み取りを行って、その時の温度に応じたモータ回転数を決定し(ステップ108)、20msecクロックをR02端子に出力する。R02端子にはLED5gが接続されているから (図3参照)、このLED5gが点灯状態となる(ステップ109、110)。また、上記温度に応じた最適な薬剤揮散が行われるようモータ回転数を制御する(ステップ111)。上記ステップ102において、装置の電圧が1.2V未満であれば、R02端子を“L”に設定してモータ4の回転を停止する(ステップ120、121)。また、LED5gを消灯し(ステップ122)、かつ、液晶表示器8に対して、「装置電池交換」の表示を行う(ステップ123)
図7は、上記テーブルTの一例を示している。このテーブルは、図4において30kΩの放電抵抗を使用したときのボタン電池の放電電圧と使用時間との関係を示している。このテーブルでは、電圧値が1.4Vの時の使用時間は100Hとなる。また、100H〜200Hの間は、1.4〜1.35Vの電圧から推測可能である。この期間がリニアに変化すると仮定すれば、
T=(1.4−1.35)/(200−100)+100
で使用時間Tを求めることができる。
【0028】
さらに、このステップ105において、テーブルを使用せず計算によって使用時間を求めることも可能である。その方法を以下に示す。
【0029】
まず、図4の放電特性から、放電電圧と使用時間の関係式を求める。例えば、30kΩの放電抵抗を使用した場合、
・1.6<V≦1.4の範囲では、
T=((1.6−V)/(1.6−1.4))×100
・1.4<V≦1.3の範囲では、
T=((1.4−V)/(1.4−1.3))×300+100
・1.3<V≦1.15の範囲では、
T=((1.3−V)/(1.3−1.15))×200+400
・1.15<V≦0.9の範囲では、
T=((1.15−V)/(1.15−0.9))×100+600
の折れ線近似式で計算することが可能である。
【0030】
なお、放電特性が、図5に示すように直線であれば、例えばP1の特性では、
T=((1.5−V)/(1.5−1.0))×700
で求めることが可能である。
【0031】
上記ステップ104において、ボタン電池11aの電圧が1.0V未満であれば、カートリッジの定格使用時間が終了したと判断して、カートリッジの交換表示を液晶表示器8で行う(ステップ130)。
【0032】
上記ステップ106において、カートリッジの使用時間が300Hを超えていると判断した時には、ステップ140においてさらにその使用時間が400Hを超えているかどうかを判定する。400H以下であれば、R02端子に500msecクロックを出力して、LED5gを点滅作動させる(ステップ141、142)。また、液晶表示器8にカートリッジの残量表示を行う。なお、この残量は、上記テーブルを参照することによって簡単に求めることができる。すなわち、現在の使用時間がステップ105で計算されると、定格の使用時間からその使用時間を引くことで残量、すなわち残りの使用時間を知ることができる。また、ステップ144において、R02端子の“H”の時間を設定することにより、モーターの回転数を決める。ステップ111と同様に、この“H”の時間は、ステップ141の500msecのクロック出力に基づいて決められる。
【0033】
使用時間が400Hをさらに超えている場合には、ステップ140からステップ150に進む。この場合には、R02端子を“L”としてモーター4の回転を停止する(ステップ150、151)。また、LED5gを消灯し(ステップ152)、液晶表示器8に、カートリッジを交換すべき旨の表示を行う(ステップ153)。
【0034】
図8は、この発明の他の実施形態の回路図を示している。
【0035】
この実施形態の薬剤揮散装置は、図3に示す装置のバッテリ回路11に代えて、EEROM回路30を使用している。30aはEEROMであって、フラッシュROM等の電気的書き込み可能なメモリが使用される。カートリッジの定格使用時間は、あらかじめこのEEROM30aに書き込まれている。または、ゼロが書き込まれている。そして、このEEROM回路30が上記の実施形態と同様にコネクタ21によって装置本体に装着され電源オンされると、その時間経過に応じて、ROMデータが更新されていく。電源再投入時に、このROMデータを制御用IC5aで読み取ることにより、現在のカートリッジ使用時間を判定する。バッテリ回路を使用せずに、このような単純なEEROM回路を使用することによっても、カートリッジの正しい使用時間を記憶しておくことが可能である。
【0036】
図9は、上記第1の実施形態の薬剤揮散装置を、ディスクリートな部品を使って構成した場合の実施例である。図10は、同実施例の各回路の波形を示している。
【0037】
図9において、図3と同様の箇所には同一符号を付している。コンパレータU1、U2はオープンドレイン型のコンパレータで、U3はシュミット型インバータである。また、CR1はツェナーダイオード(約1Vの定電圧発生用)である。電源スイッチ7をオンすると、装置電源がオンするとともに、ボタン電池11aの放電が開始される。図10のイの波形は放電特性を示す波形である。このボタン電池11aの電圧(B1電圧)が第1の基準値であるロの電圧(1.2V)以下になった時に、コンパレータU2をオープンし、出力ニが“L”になる。また、B1の電圧が第2の基準値であるハの電圧(1.0V)以下になった時、コンパレータU1がオープンになり、その出力が“L”になる。
【0038】
インバータU3は矩形波を発振する回路を構成している。
【0039】
上記の回路において、電源オン直後、ヘの電圧は0V、トの電圧は“H”状態にある。トが“H”のために、ヘは抵抗R2を介してC1+C2に充電され、インバータU3のスレッシュルドレベルVHになるまで徐々に上昇する。VHに達するとトは“L”になる。
【0040】
トが“L”になると、ヘ電圧はR2を介してC1+C2から放電し、インバータU3のVLになるまで徐々に下降する。VLに達するとトは“H”になる。
上記の動作を繰り返すことで矩形波が発生する。
【0041】
使用時間が300H未満の時には、コンパレータU1、U2ともオープン状態にあり、C1とC2は直列に接続された状態で、約0.01μFの容量になっている。この時は、R2との時定数で約20msecの周期でクロックを発生させる。
【0042】
300H以上になると、コンパレータU2が0Vに落ちるために、C2の両端が短絡され、R2・C1の時定数で発振する。
【0043】
C1が0. 25μFとすれば、25倍の周期となり約500msecのクロックを得ることができる。
【0044】
400H以上になると、コンパレータU1が0Vに落ち、発振が停止する。
【0045】
インバータU3の出力波形トはトランジスタQ1を介してモーター4を回転させるとともに、LED5gを点滅させる。
【0046】
また、乾電池6の電圧が1.5V以下のために、LED5gのVF(順方向電圧)以下になり、通常は点灯しないが、モーター4をパルス駆動した際に発生する逆起電力を利用してチの波形を出力し点滅させる。
【0047】
【発明の効果】
この発明によれば、バッテリ電圧とバッテリ使用時間との関係をあらかじめ記憶してあるテーブルを参照することによって、カートリッジの取り外し有無や取り外し時間に無関係に、カートリッジのトータルの使用時間、またはカートリッジの使用可能残時間およびカートリッジの使用終点を知ることが出来る。このため、これを表示器に表示することで、使用者は、カートリッジの使用時間や、使用可能残時間、使用時間の終点等を簡単に知ることができる。
【0048】
また、カートリッジの本来の使用可能時間(容量)に対応して放電抵抗を変えることで、バッテリ回路の消費電流を適当な値に設定することができる。このため、多種類のバッテリを用意しなくてもよい。
【0049】
また、EEROMをカートリッジと一体的に設けることによっても、カートリッジの取り外し有無や取り外し時間に無関係に、カートリッジのトータルの使用時間、またはカートリッジの使用可能残時間を知ることが出来る。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、それぞれこの発明の実施形態である殺虫剤揮散装置の内部構成を示す断面図、蓋を取った状態の平面図、ディスプレイの表示例を示す図である。
【図2】バッテリ回路の構成図
【図3】回路基板の構成図
【図4】アルカリボタン電池の放電特性図
【図5】放電特性図と電源オン時の電圧監視領域を示す図
【図6】制御用ICの動作を示すフローチャート
【図7】テーブルの一例を示す図
【図8】この発明の他の実施形態の殺虫剤揮散装置の回路基板の構成図
【図9】上記第1の実施形態の殺虫剤揮散装置において、制御用ICに代えた実施例の構成図
【図10】上記回路の各部分の波形図
【符号の説明】
2−カートリッジ
5−回路基板
8−表示器
11−バッテリ回路
11a−ボタン電池
11b−放電抵抗
21−コネクタ
Claims (4)
- 薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、を備える薬剤揮散装置において、
揮散薬剤を保持し、前記電源がオンされている時に放電するバッテリ回路とバッテリとが一体的に設けられ、装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記バッテリのバッテリ電圧に対する前記カートリッジの使用時間の関係を記憶するテーブルと、
前記バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に基づいて前記テーブルから前記カートリッジの使用時間を判定するとともに、その時間または使用可能残時間を表示器に表示する制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 薬剤揮散用のファンを回転させるモータと、オンされている状態で前記モータを駆動させる電源と、を備える薬剤揮散装置において、
揮散薬剤を保持し、前記電源がオンされている時に放電するバッテリ回路とバッテリとが一体的に設けられ、装置本体に着脱自在なカートリッジと、
前記バッテリのバッテリ電圧に対する前記カートリッジの使用時間の関係を予め放電式として記憶する手段と、
前記バッテリ電圧を監視し、その検出電圧に基づいて前記放電式から前記カートリッジの使用時間を判定するとともに、その時間または使用可能残時間を表示器に表示する制御部と、
を備えてなる薬剤揮散装置。 - 前記バッテリ回路は、放電抵抗と、装置本体に結合自在なコネクタとを有し、装置本体へ結合して装置本体の放電回路を介して放電することを特徴とする、請求項1または2に記載の薬剤揮散装置。
- カートリッジの有効使用可能時間に応じて前記放電抵抗の抵抗値を設定することを特徴とする、請求項3に記載の薬剤揮散装置。
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