JP3980825B2 - セグメント化混合信号回路におけるノイズ整形方法 - Google Patents

セグメント化混合信号回路におけるノイズ整形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル/アナログ変換器などのセグメント化混合信号回路におけるノイズ整形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
添付図面の図1は、いわゆる“電流制御(current-steering)”タイプの従来のディジタル/アナログ変換器(DAC)の各要素を示している。DAC 1は、mビットのディジタル入力ワードD1〜Dmを対応するアナログ出力信号へと変換すべく設計される。
【0003】
DAC 1は、複数個(n)の同一の電流源21〜2nを含み、n=2m−1である。各電流源2は、実質的に一定の電流Iを通過せしめる。DAC 1は更に、n個の電流源21〜2nにそれぞれが対応する複数の差動スイッチ回路41〜4nも含んでいる。各差動スイッチ回路4は対応する電流源2に接続されると共に、その電流源により生成された電流を、上記変換器の第1接続ラインAに接続された第1端子へと、または、上記変換器の第2接続ラインBに接続された第2端子へと切り換える。
【0004】
各差動スイッチ回路4は、(以下に説明される理由により“サモメタコード化信号[thermometer-coded signal]”と称される)複数の制御信号T1〜Tnの1つを受けると共に、関連信号の値に従って自身の第1端子もしくは第2端子を選択する。DAC 1の第1出力電流IAは上記各差動スイッチ回路の各第1端子に供給された電流の総和であり、且つ、DAC 1の第2出力電流IBは上記各差動スイッチ回路の各第2端子に供給された電流の総和である。
【0005】
上記アナログ出力信号は、DAC 1の第1出力電流IAを抵抗Rに吸い込むことにより生成される電圧VAと、該変換器の第2出力電流IBを他方の抵抗Rに吸い込むことにより生成される電圧VBとの間の電圧差VA−VBである。
図1のDACにおいて、サモメタコード化信号T1〜Tnは、2進式サモメタデコーダ6により2進入力ワードD1〜Dmから導出される。該デコーダ6は次の様に作動する。
【0006】
2進入力ワードD1〜Dmが最小値を有する場合にサモメタコード化信号T1〜Tnは、差動スイッチ回路41〜4nの各々がそれらの第2端子を選択することから電流源21〜2nの全てが第2接続ラインBへと接続されるようなものである。この状態においてVA=0かつVB=nIRである。また、アナログ出力信号VA−VB=−nIRである。
【0007】
2進入力ワードD1〜Dmの値が漸進的に増加するとき、デコーダ6により生成されるサモメタコード化信号T1〜Tnは、(差動スイッチ回路41から開始して)上記差動スイッチ回路の多くがそれぞれの第1端子を選択すると共に、自身の第1端子を既に選択した差動スイッチ回路はその第2端子には戻らないようなものである。2進入力ワードD1〜Dmが値iを有するとき、最初のi個の差動スイッチ回路41〜4iはそれぞれの第1端子を選択するが、残りの(n−i)個の差動スイッチ回路4i+1〜4nはそれぞれの第2端子を選択する。アナログ出力信号VA−VBは、(2i−n)IRに等しい。
【0008】
図2は、3ビットの2進入力ワードD1〜D3(すなわち、この例においてm=3)に対して生成されたサモメタコード化信号の例を示している。この場合、7個のサモメタコード化信号T1〜T7が必要とされる(n=2m−1=7)。
図2が示す様に、2進式サモメタデコーダ6により生成されたサモメタコード化信号T1〜Tnはいわゆるサモメタコード(thermometer code)に従うが、この場合に第r番目の信号Trが起動された(“1”にセットされた)ときに下位の信号T1〜Tr−1の全ても起動されることは知られている。
【0009】
電流制御式のDACにおいてサモメタコード化は一般的である、と言うのも、2進入力ワードが増加するにつれ、既に第1接続ラインAに切り換えられた電流源が他のラインBに切り換えられることなく更に多くの電流源がラインAへと切り換えられるからである。従って、上記DACの入力/出力特性は単調であると共に、入力ワードにおける1の変化から生ずるグリッチインパルスは小さい。
【0010】
ところで、図1のアーキテクチャにおける電流源2の個数および対応する差動スイッチ回路4の個数は、特にmが6以上の場合に非常に多くなることは理解される。例えばm=6の場合、n=63であり、63個の電流源および63個の差動スイッチ回路が必要とされる。そのような多数の電流源を取扱うべく、且つ、個々の差動スイッチ回路に対して効率的にサモメタ信号が供給され得るために、各電流源および各差動スイッチ回路を2次元配列のセルとして配置し、各セルは1個の電流源および協働する差動スイッチ回路を含むことが提案されている。この配置構成は図3に示される。
【0011】
図3において、セルCLijは8行(ロウ)および8列(コラム)の8×8正方配列に配置される。図3において、各セルに適用された添字の第1桁は該セルが配置される行を表すと共に、添字の第2桁は該セルが配置される列を表す。従って、セルCL18は行1、列8のセルである。
各セルCLijはそれ自体の電流源2およびそれ自体の差動スイッチ回路4を含む。図1のDACと同様に、上記配列の各セルのそれぞれの第1端子は上記DACの第1接続ラインAに一体的に接続されると共に、上記配列の各セルのそれぞれの第2端子は上記DACの第2接続ラインBに一体的に接続される。
【0012】
図3において各セルCLijに割当てられた各番号は、各セルが起動(もしくは制御)されてそれぞれの第2端子の選択からそれぞれの第1端子の選択へと変化する順序を表している。上記配列の連続的な各行に対し、起動順序は上記配列における各セルの物理的順番に従うものであり、行1から開始してこの行の各セルを列の順番で順次に起動し、次に行2とし以下同様である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図3において生ずる1つの問題は、上記配列の個々のセルの電流源2の出力電流は均一とすべきであるが、実用上は各セルの実際の出力電流は種々の原因から生ずる不均一性の影響を受ける、ということである。
図4(a)に示されたように、例えば電源ラインに沿って電圧が低下すると、行もしくは列に沿った傾斜誤差(graded error)が生じ得る。この場合、関連する行もしくは列の最初の4個のセルにおける各電流源は負の誤差を有するが、これは各セルが平均以下の出力電流を生成することを意味する。これらの負の誤差は、関連する行もしくは列の中心に向かって減少する。関連する行もしくは列の残りのセル5〜8における各電流源はそれぞれの正の誤差を有するが、これは各セルが平均以上の出力電流を生成することを意味する。これらの正の誤差は、関連する行もしくは列の中心から端部にかけて減少する。
【0014】
図4(b)に示されたように、上記配列を含むチップの内側に熱的分布があると行もしくは列における対称的誤差を引き起こし得る。この場合、行もしくは列の端部セル1、2、7および8における各電流源は負の誤差を有するが、行もしくは列の中央セル3〜6の各電流源は正の誤差を有する。
これに加え、確率的誤差(random error)などの他の種類の誤差もあり得る。上記セル配列に対する最終誤差分布は、個々の誤差成分の全てを重畳することにより生成される。
【0015】
図4(a)および図4(b)に示された傾斜誤差および対称的誤差は、蓄積して大きな積分線形誤差(integral linearity error:INL)に帰着し易い。例えば、図4(a)に示された傾斜誤差分布が図3に示されたセル配列の第1行内に存在すると仮定する。この場合、セル1〜4が(それぞれの第2端子の選択からそれぞれの第1端子の選択へと変更されて)漸進的に起動されるときに負の誤差が蓄積し、ディジタル入力コードが4であるときには相当な負の合計誤差に達する。セル5〜8が順次に起動されるときにのみ、これらのセルに付随する正の誤差がセル1〜4に付随する大きな負の誤差を相殺する。
【0016】
当然ながら、図4(a)に対応する傾斜誤差が列1〜8の各々に沿って存在すると、状況は更に悪化する。この場合、セル1〜8が漸進的に起動されるにつれ、行1の8個のセルの各々に対して最大の負の誤差(図4(a)における位置1における誤差)が生ずる。同様に、行2において、図4(a)の位置2に対応する負の誤差は8回だけ蓄積する。従って、入力コードが(行1〜4における各セルの全てが起動された状態に対応する)32へと増加する時点までは、蓄積される負の誤差は実際に極めて大きい。
【0017】
図4(b)に示された種類の対称的誤差の蓄積によっても、同様の問題が生ずる。
傾斜誤差および対称的誤差に依る不整合(mismatch)は、上記セル配列において各セルが物理的に配置されている順序とは異なる特殊な順序で各セルを選択することにより減少され得る。特に、(英国特許公開第GB−A−2333190号に対応する)同時係属中の本出願人の特開平11−243339号には、いわゆる“魔法陣(magic square)”における番号の順序に準じた特殊なセル選択順序が記述されているが、その全体内容は言及したことにより援用する。
【0018】
しかしながら、そのような特殊なセル選択順序が採用された場合でも、個々のセグメントにより生成されるそれぞれの電流間には必然的に不整合が残留する。これは、DACの性能における非線形性を引き起こす。
カリフォルニア州、サンディエゴ、1999年3月16〜19日のデルタ−シグマデータ変換器講演課程(Delta-Sigma Data Converters Lecture Course)におけるJesper Steensgaardの“SCデルタ−シグマADCの構造的な最適化およびスケーリング(Structural Optimization and Scaling of SC Delta-Sigma ADCs)”と称された論文においては、DACの各要素間の不整合を整形(shape)すべく要素(もしくはセグメント)回転を採用することが提案されている。該提案においては、データ依存式(data-directed)に回転量を使用して各要素が回転される。同じ講演課程において“デルタ−シグマADCおよびDAC用の不整合整形マルチビットDAC(Mismatch-Shaping Multibit DACs for Delta-Sigma ADCs and DACs)”と称されたIan Galtonによる別の論文は、低周波から高周波へとノイズを移動することによりノイズ形状を改善する不整合整形技術(mismatch shaping technique)を開示している。これらの技術においてノイズは高い出力信号周波数にて周波数と共に急速に増加することから、有用な結果を得るためには大きなオーバーサンプリング比率が使用されねばならない。同じ講演課程において“ノイズ整形技術の独創的な用途(Unconventional Applications of Noise-Shaping Techniques)”と称されたBob Adamsによる更なる論文は、歪みを整形済ノイズへと変換すべくシグマ−デルタDACにおいて要素“スクランブリング”が採用され得ることを開示している。上記スクランブリングは、出力信号の所望範囲周波数の内側および外側の両者における周波数スペクトル全体に渡り均一にノイズを分散するというランダム式、または、ノイズをDCから離間移動するデータ依存式であってノイズの振幅が周波数と共に漸進的に増加するというデータ依存式、のいずれかとされ得る。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の形態によれば、一連の動作サイクルを行うように働くディジタル回路およびアナログ回路を含む混合信号回路であって、前記アナログ回路は、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有し、且つ、前記ディジタル回路は、前記サイクルの各々において、前記セグメントのそれぞれに対して適用される一群のディジタル信号を発生すべく作用可能なディジタル信号発生手段と、rを関連サイクルに対する回転量とした場合、各サイクルにおいて前記各セグメントに適用される各ディジタル信号を、先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較して、r個のセグメントだけセグメント選択時の始点を循環的にシフトする回転手段と、前記回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、前記サイクルの各々に対する前記回転量rを設定する回転制御手段と、を含むことを特徴とする混合信号回路が提供される。
【0020】
本発明の第2の形態によれば、本発明の前記第1の形態を具現する混合信号回路を含むディジタル/アナログ変換回路が提供される。
本発明の第3の形態によれば、ディジタル回路およびアナログ回路を含むと共に、一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路において、前記アナログ回路は、予め定められた所望範囲周波数内の周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有する混合信号回路で使用されるノイズ整形方法であって、前記各サイクルにおいて、前記各セグメントのそれぞれに適用される一群のディジタル信号を発生する段階と、rを関連サイクルに対する回転量とし、先のサイクルにおいて適用されたディジタル信号と比較して、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号をr個のセグメントだけセグメント選択時の始点を循環的にシフトする段階と、前記回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、前記サイクルの各々に対する前記回転量を設定する段階と、を備えることを特徴とするノイズ整形方法が提供される。
【0021】
本発明の第4の形態によれば、本発明を具現する混合信号回路において使用されるべき回転量rを選択する方法が提供される。
本発明の第5の形態によれば、コンピュータ上で実行されるときに、本発明の第4の形態を具現する方法の一定の段階もしくは全ての段階をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが提供される。上記プログラムは、担体(carrier)上にてもしくは担体により搬送され得る。担体は記憶媒体(例えば、ディスクまたはCDROM)或いは信号(例えば、インターネットからのダウンロード)とされ得る。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳述する。
図5は、本発明を具現するDAC 20の各要素を示している。上記で論じたような図1のDACの各要素と同一のもしくは密接に対応する図5のDACの各要素は同一参照番号により表されると共に、こられの各要素の記述は省略される。
【0024】
図5のDACは、ディジタル回路部分DCおよびアナログ回路部分ACを含んでいる。アナログ回路部分ACは図1のDACと同様に構成されると共に、各セグメントが定電流源2およびスイッチ4を有する複数のセグメント(もしくはセル)を含んでいる。各セグメントにおけるスイッチ4は、ディジタル回路部分DCから該スイッチ4に対して供給されて個別対応するサモメタコード化信号OTにより制御される。
【0025】
図5のDACにおいてディジタル回路部分DCは、2進式サモメタデコーダ6に加え、セグメント回転ブロック22および回転制御ブロック24を含んでいる。
セグメント回転ブロック22はn個の入力を有するが、該入力にては一群のサモメタコード化入力信号IT1〜ITnが受信される。これらのサモメタコード化入力信号IT1〜ITnは、上記DACに適用される2進式入力ワードD1〜Dmに基づき2進式サモメタデコーダ6により生成される。2進式サモメタデコーダ6は図1および図2に関して前述されたのと同様に動作することにより、2進式入力ワードD1〜Dmからサモメタコード化入力信号IT1〜ITnを導出する。
【0026】
セグメント回転ブロック22もn個の出力を有するが、該出力にてはディジタル回路部分DCのサモメタコード化出力信号OT1〜OTnが生成される。
セグメント回転ブロック22はまた、回転制御ブロック24から回転量rを受信すべく該回転制御ブロック24の出力に接続された制御入力も有している。回転制御ブロック24は、外部由来適用制御信号MEANおよびSPREADをそれぞれ受信する第1および第2入力を有している。
【0027】
次に、図5のDACの動作を記述する。上記DACは、所定の動作周波数(サンプリング速度)FDACにて一連の動作サイクル(変換サイクル)を実施する。FDACは例えば、1億サンプル/秒(100Mサンプル/秒)である。
各サイクルにおいて、2進式サモメタデコーダ6は図2に関して前述したように、外部由来適用入力ワードD1〜Dmをn個のサモメタコード化信号IT1〜ITnへと変換する。
【0028】
各サイクルにおいてはまた、セグメント回転ブロック22はそのサイクルにおいて使用されるべき回転量rの値を受信すると共に、受信したr値に従いサモメタコード化入力信号IT1〜ITnからn個のサモメタコード化出力信号OT1〜OTnを導出する。
セグメント回転ブロック22の動作は図6に示されている。
【0029】
図6において、サモメタコード化出力信号OT1〜OTnは一連のサイクルCYCLE 1、CYCLE 2およびCYCLE 3に対して示されている。CYCLE 1においてセグメント回転ブロック22は、第1出力信号OT1を第1入力信号IT1に等しくし、第2出力信号OT2を第2入力信号IT2に等しくし、以下は残りの出力信号OT3〜OTnの全てに対して同様にする。
【0030】
CYCLE 2に関し、セグメント回転ブロック22に対して回転制御ブロック24により回転量r1が供給される。この回転量r1は、CYCLE 1で使用されたマッピングとは異なり、CYCLE 2に関して出力信号OT1〜OTnに対する入力信号IT1〜ITnの新たな回転マッピングを定義する。この回転マッピングにおいて、各入力信号IT1〜ITnは新たな出力信号OT1〜OTnへとマッピングされるが、該出力信号OT1〜OTnは先のサイクルにおいて上記各入力信号がマッピングされた各出力信号から回転量r1だけ異なるものである。図6に示されたように、この回転の結果、第(r1+1)番目の出力信号OT(r1+1)は第1入力信号IT1と等しくなる。同様に、次の出力信号OT(r1+2)は第2入力信号IT2と等しくなり、入力信号IT(n−r1)に等しくなる出力信号OTnまで、連続的な出力信号に関して同様である。各入力信号は循環様式で各出力信号へとマッピングされることから、第1出力信号OT1は入力信号IT(n−r1+1)に等しくなる。“ラップ・アラウンド(wrapped around)”されたITnまでの残りの各入力信号は、出力信号OT2〜OT(r1)へとマッピングされる。
【0031】
次のサイクルCYCLE 3においては、回転制御ブロック24により回転量r2が特定される。以下に説明されるように、r2は先のサイクルで使用された回転量r1と同一でも良く異なるものでも良い。r2個のセグメントだけ回転する結果、CYCLE 3において入力信号IT1は出力信号OT(r1+r2+1)へとマッピングされる。連続的な入力信号はその後に連続的な出力信号へとマッピングされ、必要ならばラップ・アラウンドし、最終入力信号ITnは出力信号OT(r1+r2)へとマッピングされる。
【0032】
連続的サイクルにおいて使用される回転量rの値が本発明の好適実施例における回転制御ブロック24により決定される手法を記述する前に、図7〜図9を参照し、各セグメントの回転の効果を説明する。
図7〜図9の各例において各プロットは、DCから、DACサンプリング速度FDACの1/2の周波数まで、の周波数範囲に渡り、図5のDACの出力信号VA−VBの信号/ノイズ比(SNR)を示している。各プロットにおいて、垂直軸上に表されたSNRはdB単位で測定されると共に、水平軸上に表された周波数はサンプリング速度FDACの割合として測定される。
【0033】
各例において個々のセグメントにおける各電流源2は、1.7%の標準偏差σを有する不整合を有するものとする。標準偏差σに対するこの数値は、出力信号スペクトル中のノイズ成分を強調することによりノイズ成分をバックグランド・ノイズから区別するに十分なほど大きくすべく、人為的に大きなものに選択している。これまでのDACにおいては、標準偏差の数値σ=0.17%が実用上は達成されている。
【0034】
また、該例においては、セグメントの個数nは64であるとする。
各例において、約0.3FDAC〜0.5FDAC(ナイキスト周波数)の広幅ノイズ・ピークが在ることは理解される。この広幅ノイズ・ピークは、量子化誤差(quantisation error)の影響を除去すべく、入力データD1〜Dmに適用された高域フィルタリング・ディザ(high-pass-filtered dither)の結果である。本説明のために、該広幅ノイズ・ピークは無視され得る。
【0035】
この例において上記DACは、該DACの出力にて、4個の“トーン(tones)”Tすなわち4個の異なる周波数成分から成る出力信号を合成すべく使用されるものとする。これらの4個のトーンは、0.09FDACの近傍の周波数の回りに中心合せされる。各トーンTは、上記DACのフルスケール出力振幅FSにおける−13dBのピーク振幅を有している。各トーンの総和のピークは、−1dB FSである。
【0036】
ところで、本例において上記出力信号は4個のトーンから成るものとする、と言うのも、複数のトーンによれば出力スペクトルにおけるノイズ成分を識別し易くなるからである。
図7は、1つのサイクルから次のサイクルまでセグメント回転が実行されない場合、すなわち、各サイクルにおいてr=0である場合の出力信号周波数スペクトルを示している。DCから0.3FDACまでの周波数範囲における平均ノイズ・レベルは約−90dBであるが、4個のトーンTの近傍においては多数の有意な相互変調積Mが在ることは理解され得る。これらの相互変調積Mは、セグメント不整合の結果である。
【0037】
図8は、各サイクルにおいて回転量r=1が使用される場合の出力信号周波数スペクトルを示している。この場合、トーンTの近傍の相互変調積Mは今や不在である。但し、代わりに、上記出力信号周波数スペクトルは周波数間隔Δf=FDAC/n(この例においては、=0.0156FDAC)にて1〜19と表示された周波数成分を包含する。これらの周波数成分は、1つのサイクルから次のサイクルへのセグメント回転の結果として上記出力信号周波数スペクトル内に存在し、且つ、以下においては“回転成分(rotation component)”と称される。
【0038】
第1回転成分(成分1)は、周波数rΔfを有する。第2回転成分(成分2)は周波数2rΔfを有し、第3および高次の回転成分は周波数3rΔf、4rΔfなどである。
平均すると、各回転成分は次数が高くなるほど大きさが減少する。但し図8で理解され得るように、平均して期待される処とは逆に、成分1および2は成分3より大きくはない。これは単に、図8の特定プロットに対する統計的変動である。
【0039】
図8のプロットにおけるように回転量r=1であるとき、最上位側成分(most significant component)1〜10は全て、DC〜0.16FDACの周波数の帯域内に包含される。これは、上記成分の全てが上記DACの出力信号周波数の所望範囲内であることを意味する。例えば、4xのオーバーサンプリングが使用されるシステムにおいて、出力信号周波数の所望範囲はDC〜0.125FDACである。
【0040】
図9は、各サイクルにおいて回転量r=21であるときの出力信号周波数スペクトルを示している。今や回転成分1〜19は図8から相当に異なる様に配置されている。第1回転成分(成分1)は周波数21Δfに配置されている。周波数2rΔf(=42Δf)を有すべき成分2は、周波数22Δfにマッピングされる。このマッピングが生ずるのは、42Δfがナイキスト周波数(n/2)Δf(=32Δf)を+10Δfだけ超えることから、該成分が(n/2−10)Δf=22Δfへとマッピングされるからである。同様に、成分3はΔfへとマッピングされる(と言うのも、3rΔf(=63Δf)はナイキスト周波数を+31Δfだけ超えることから該成分は(n/2−31)Δf=Δfだからである)。成分4は20Δfへとマッピングされる(4rΔf=84Δfはナイキスト周波数を+52Δfだけ超えることから、−20Δfへとマッピングされるが、これは0マッピングより小さいので+20Δfとなる)。高次の各成分は同様にマッピングされる。
【0041】
図9から理解され得るように、10個の低次成分1〜10のうち、成分3、6および9のみが今やDC〜0.125FDACの所望範囲内に包含される。上記所望周波数範囲内には幾つかの高次成分(成分12、15および18)が在るが、これらの高次成分の有意性は限られている。ところで、図9における(他の成分と比較して)成分18の比較的に大きなサイズもまた、統計的変動である。平均して、成分18は図9に示された大きさよりも小さい。
【0042】
以下の表1は、20〜31の範囲内の回転量rの種々の値に対し、回転成分1〜16が出力信号スペクトルの種々の位置へとマッピングされる手法を表している。上記表中のマッピング値は、関連する回転成分がマッピングされる周波数(Δfの倍数として表現されている)を表している。表1に示されたように、出力信号周波数の所望範囲がDC〜0.12FDAC(すなわち、4xオーバーサンプリング)であるとき、回転量rの好適値は、各マッピング値の関連列が該列の最初の数アイテム中に比較的に小さな値を有さない、という値である。この点に関し、24、25、26および27のr値に関連する各列が好適であることが理解され得る。例えばr=24の場合、成分1、2および4の位置は(16Δfもしくはそれ以上にて全てが)良好であるが、(両者ともに8Δfにおける)成分3および5はそれほど好適でないことが理解され得る。同様に、r=25の場合、成分1〜4の配置(+11Δf以上)は全て良好であるが、3Δfにおける成分5の位置はそれほど好適でない。実際、24〜27のr値の内、値25および26は好適値であると見做され得る、と言うのも、これらの各々に対し、例えば成分2もしくは3よりも相当に有意でない成分5のみが4xオーバーサンプリングに対する所望範囲内に在るからである。
【0043】
【表1】
Figure 0003980825
【0044】
r値25および26の有意性(significance)は、r/n=0.4となる理想値(少なくとも4xオーバーサンプリングの特定の場合におけるもの)に近いということである。この0.4という値は理想値である、と言うのも、回転成分は全てが0.4FDACへ、または、0.2FDACへ、または、DCへとマッピングされるからである。特に、成分1は0.4FDACへとマッピングされ、成分2は0.2FDACへとマッピングされる(と言うのも、0.8=(0.5+0.3)FDAC→0.2(=0.5−0.3)FDACだからである)。成分3は0.2FDACにおけるものである(と言うのも、1.2(=0.5+0.7)FDAC→−0.2(=0.5−0.7)FDAC→0.2FDACだからである)。成分4→0.4FDAC(と言うのも、1.6(=0.5+1.1)FDAC→−0.6(=0.5−1.1)FDAC→+0.6(=0.5+0.1)FDAC→+0.4(=0.5−0.1)FDACだからである)。成分5はDCへとマッピングされる(と言うのも、2.0(=0.5+1.5)FDAC→−1.0(=0.5−1.5)FDAC→+1.0(=0.5+0.5)FDAC→0(0.5−0.5)FDACだからである)。このパターンは5個の高次成分の群毎に反復され、すなわち、成分6〜10は成分1〜5と同一の位置へとマッピングされ、以下同様である。
【0045】
r/n=0.4であるときのマッピングの作用は、0.4FDAC、0.2FDACおよびDCに中心合せされた3個の狭幅帯域へとノイズを移動することである。最高のノイズを有する帯域は0.4FDACに中心合せされた帯域であり(と言うのも、それは、5個の成分の各群(1〜5、6〜10、11〜15など)の成分1および4を有するからであり)、次の上位側帯域は0.2FDACに中心合せされ(それは、各群の成分2および3を有し)、且つ、DCに中心合せされた帯域(各群の成分5のみ)は更に少ないノイズを有する。これにより、4xオーバーサンプリングに関して所望されるように、丁度DC以上から0.125FDACまでの周波数範囲を有意なノイズ成分から解放することは理解されよう。0.06〜0.11FDACの所望の周波数範囲(通過帯域)は、有意なノイズ成分から解放されて使用され得る。
【0046】
0.4という理想的r/n値は概略的に非整数値の回転量rを必要とすることは理解されよう。例えば、n=64のとき、rは25.6の非整数値へと設定されねばならない。rを1つのサイクルから次のサイクルへと変更することによりrの非整数値は実効的に達成され得ることから、それは平均して必要な値を有する。実用上は、rが必要な値を有するようにrをランダムにもしくは擬似ランダムに変更することが好適であることが分かっている。rが一定でありまたは規則的な(所定の)パターンで変更されるという状況と比較して、実用上は上記の様なランダム/擬似ランダムな変動によればノイズ整形が改善される。
【0047】
例えばn=64の場合にrは、変換サイクルの各25%に対し擬似ランダム的に24、25、26および27の値を有することにより25.5の平均r値を与えるように変更され得る。
同一の平均r値を生成しながらrを“拡散(spread)”すべく、整数値の多くの組合せが使用され得る。例えば25.5の平均r値は、各セグメントを全く回転しない(r=0)状態と、平均して変換サイクルの50%に対して51個のセグメントだけ回転するという擬似ランダム式で選択することにより達成され得る。但しこれは、可能な値24、25、26および27の間でr値が拡散されて生成された場合よりも、実用上はノイズが更に“ピーク的”となる作用を有している。rを拡散すべく使用される各値は好適には、個別に使用されるとすれば、整数値24、25、26および27の場合におけるように0.4FDAC、0.2FDACおよびDCに中心合せされた帯域の様な適切な狭幅帯域にノイズを載置し易い値とせねばならない。拡散を行うと、高次の回転成分は振幅が減少されると共に周波数において更に分散されるという効果が在る。
【0048】
r/n=0.4に対してn=128の場合、rは非整数値51.2に設定されねばならない。例えば、51.25の平均値を有すべくrは47〜55の9個の拡散値を使用してランダムにもしくは擬似ランダム的に変更され得るが、両末端値47および55の各々は変換サイクルの6.25%に対するものであり、且つ、中間値48〜54の各々は変換サイクルの12.5%に対するものである。代替的に、49〜53の5個の拡散値が使用され得るが、両末端値49および53の各々は変換サイクルの12.5%に対するものであり、且つ、中間値50、51および52の各々は、変換サイクルの25%に対するものである。
【0049】
以下の表2は、n=128の場合に46〜56の整数値の回転量rに対して出力信号周波数スペクトル内における種々の位置へと回転成分1〜16をマッピングする手法を示している。
【0050】
【表2】
Figure 0003980825
【0051】
同様に、表3〜表7は、同じ51.25の平均値を達成すべくr値を拡散する種々の量の作用を表している。表3〜表7において、セグメント不整合の標準偏差σは0.24%と仮定されるが、これは、128個のセグメントを有するDACに対しては、64個のセグメントのDACにおける0.17%の不整合標準偏差に等しい。
【0052】
表3において拡散は適用されず、回転量はサイクル毎に51.25である。これは、サイクル毎に51.25だけカウンタをインクリメントすると共にカウント値を丸めて整数値とすることにより、または、サイクル毎に51.75だけカウンタをインクリメントすると主にカウント値を切り捨てて整数値とすることにより、達成される。(切り捨てるためには、サイクル毎に丸めよりも0.5以上大きいインクリメントを必要とする、と言うのも、切り捨てはサイクル毎に0.5の平均下方シフトを生成するからである。)表4〜表7において、拡散量はそれぞれ2、4、8および16であり、各々の平均r値は51.25である。
【0053】
【表3】
Figure 0003980825
【0054】
【表4】
Figure 0003980825
【0055】
【表5】
Figure 0003980825
【0056】
【表6】
Figure 0003980825
【0057】
【表7】
Figure 0003980825
【0058】
表3〜表7において測定値A〜Dは、以下のように種々の所望周波数範囲に渡る上記DACのノイズ特性の測定値を表している。測定値Aに対する周波数範囲はDC〜15/128(≒0.12)FDAC、すなわち、4xオーバーサンプリングrに対するベースバンドである。測定値Cに対する周波数範囲は8.5/128〜14/128(≒0.0664〜0.1094)FDAC、すなわち、4xオーバーサンプリングに対する通過帯域である。測定値Bは、測定値Aの周波数範囲に渡り利用可能な全ての狭幅帯域の中で最悪の(最もノイズの多い)狭幅帯域のノイズ・レベルを表している。同様に測定値Dは、測定値Cの周波数範囲に渡り利用可能な全ての狭幅帯域の中で最悪の(最もノイズの多い)狭幅帯域のノイズ・レベルを表している。該例における各狭幅帯域は、測定値A周波数範囲の1/4000の周波数範囲すなわち≒30×10-6DACを有するものと仮定される。
【0059】
これらの測定値は、GSMネットワークなどの移動通信ネットワークにおいて本発明を具現するDACを使用する可能性を考慮して使用される。そのようなネットワークにおいては、測定値Aに対応するベースバンド周波数範囲(例えば5〜40MHz)、または、測定値Cに対応する通過帯域周波数範囲(例えば40〜75MHz)を使用するのが好適である。測定値BおよびDはそれぞれベースバンドおよびベースバンド内における該当ネットワークの最悪状態チャネルに対応するが、各チャネルは例えば200KHzの周波数範囲を有する。ベースバンド(例えば5〜40MHz)の場合に高調波は比較的に小さいが帯域内に配置される一方、通過帯域(例えば40〜75KHz)の場合に高調波は比較的に大きいが帯域外に配置される(例えば、40MHzの第2高調波は80MHzに在り、40MHzおよび75MHzの相互変調積は35MHzに在る)。
【0060】
種々の測定値A〜Dの各々に関して各々異なる拡散量にて多数のシミュレーションが実施されると共に、各々の場合において以下の統計的情報が導出された:所望周波数範囲に渡る平均ノイズ・レベル(“Mean”)(すなわち、測定値BおよびDに対する最悪状態狭幅帯域)、その範囲/帯域に渡るノイズの標準偏差(“Sigma”)、その範囲/帯域に渡る最小ノイズ・レベル(“Min”)、および、その範囲/帯域に渡る最大ノイズ・レベル(“Max”)である。各表における全ての値は、dB FSで表現された、すなわち、DACのフルスケール出力FSに対して表現された負の値である。
【0061】
図10および図11に示されたように、上記シミュレーションにおけるDACの入力は各々が−13dB FSの振幅を有する4個のトーンであると共に、サンプリング速度FDACは832MHzであった。この数値は、90Mサンプル/秒の最小サンプリング速度に対応して、45MHzまでの入力データを取扱うべく選択された。GSMにおいて最も近い“好適な”速度(13MHzの倍数)は104Mサンプル/秒であり、8xオーバーサンプリングによればこれはFDAC=832MHzに換算される。
【0062】
拡散量が8である場合に対して表6に示された結果は、該例における最適な全体ノイズ特性を提供する。図10および図11に示されたように、そのときにノイズはDC〜0.11FDACの4xオーバーサンプリングに対する所望の周波数範囲に渡り略々フラットである。
図10は、この場合に0.035FDACの周波数に中心合せされた4個のトーンから成る出力信号による0〜0.5FDACの出力信号の周波数スペクトルを示している。期待されたように、ノイズは0.2FDACおよび0.4FDACにてピークを有している。DCにても僅かなピークが在る。0.2FDACおよび0.4FDACにおける主要ピークの両側の更なるピークは相互変調ノイズを表す(これらの更なるピークの間の約0.035FDACの間隔は上記4個のトーンの中心周波数に対応する)。図11は拡大された水平スケールに対し、図10のDC〜0.125FDACからの部分のノイズを示しているが、これは4xオーバーサンプリングによる関心部分である。図11においてラインLは、DACのスプリアス無しのダイナミック・レンジ(spurious-free dynamic range)(SFDR)を表している。SFDRは、特定された帯域幅に渡る出力信号のrms振幅とピーク・スプリアス信号との間におけるdB単位の測定値である。ところで図10および図11においてノイズは、dBc単位で、すなわち搬送波に対して測定されているが、該搬送波はこれらのシミュレーションにおいては−13dB FSのレベルを有している。従って、0dBc=−13dB FSである。
【0063】
図11においてはDCの近傍の僅かなノイズ・ピークが理解され得ると共に、ベースバンドに渡る、特に通過帯域に渡るノイズの全体的均一性が理解され得る。上記プロットにおけるベースバンドに渡るノイズ・レベルは−85.31dBFSである一方、上記プロットにおける通過帯域に渡るノイズ・レベルは−90.04dB FSである。(これらの数値は、図10および図11に関する表6における対応“平均”の数値(−86.1dB FSおよび−90.6dB FS)に近いが厳密に同一では無いと言うのも、図10および図11はシミュレーションの単一の“試行(run)”を表すのに反し、表6における各数値は統計的に更に有効なものとすべく数回の試行に基づいて獲得されたからである。)
r/n=0.4とした回転により獲得される改善を示すべく、表3〜表7における各値は、回転が使用されない場合に獲得され以下の各値と比較され得る:平均=−71.7dB FS、σ=4.2dB FS、最小ノイズ=−66.7dB FS、および、最大ノイズ=−78.7dB FS。表6におけるように拡散量が8である場合、測定値AおよびCのそれぞれにおいては15dBおよび19dBの改善が達成される。
【0064】
表6における−86.1dBという測定値Aのノイズ数値は、−165.6dB FS/HzというSFDR数値に対応する(と言うのも、測定値Aに対する帯域幅は90MHzであり、ヘルツ当たりの等価ノイズ数値は−86.1dBという平均の数値よりも79.5dBだけ良好だからである)。測定値BおよびDに対する対応帯域幅は各々の場合において200KHzであると共に、測定値Cに対して帯域幅は35MHzである。従って、表6における測定値B〜Dに対するSFDR数値はそれぞれ、−161.5、−166.0および−162.9dB FS/Hzである。
【0065】
表3〜表7を比較すると、測定値AおよびCのノイズ数値は、拡散が実行されないとき(表3)よりも拡散が実行されたとき(表4〜表7)の方が悪い。従って、合計ノイズは拡散により増加される。但し、測定値BおよびDを比較すると、拡散により、最悪状態狭幅帯域(チャネル)のノイズ・レベルの相当の改善がもたらされ、最高の改善は表6の場合において獲得される。これらの改善が生ずるのは、拡散によりノイズは問題となる更なる広帯域に渡り更に均一に分散されることから、その更なる広帯域に渡る高ノイズの個別狭幅帯域の個数を減少しもしくは除去するからである。従って、最悪状態狭幅帯域に対する性能は大きく改善される。
【0066】
GSMネットワークなどのシステム事項における上記改善の重要性は、DACにおいて(例えば、現在における2個の代わりに4個もしくは8個などの)更なる個数の搬送波が合成され得るか、または、同一数の搬送波が使用されるならば歪みおよびノイズに対して更に大きなマージンが在る、ということである。前者(DAC毎の搬送波の個数の増加)の場合に当該ネットワークの経済性は、低性能であるが安価なDACを使用することによりDAC毎に少ない個数のチャネルを配置するのではなく、高性能(で比較的に高価な)DACを使用してDAC毎のチャネルを多くすることにより、好適にシフトされる。
【0067】
図12は、図5のDACにおける回転制御ブロック24の構成の一例を示している。回転制御ブロック24は、第1加算器52、第2加算器54、擬似乱数発生器56およびラッチ58を備えている。第1加算器52は、この例においては(以下に説明される理由により)9ビットの整数値である制御信号MEANを受信する第1入力を有している。第1加算器52は擬似乱数発生器56に接続された第2入力も有するが、該第2入力はDACの変換サイクル毎に該擬似乱数発生器56から乱数RNを受信する。擬似乱数発生器56は、制御信号SPREADを受信する入力を有する。発生器56により発生された擬似乱数RNの範囲は、該発生器56に適用される制御信号SPREADにより決定される。該実施例において発生器56は−SPREAD/2〜+SPREAD/2の範囲の整数の乱数を発生するが、各整数は平均して同一周波数により発生される。
【0068】
第1加算器52の出力は第2加算器54の第1入力に接続されることにより、第1加算器52の2個の入力に適用された信号MEANおよびRNの総和MEAN+RNを第2加算器54に適用する。第2加算器54はまた、ラッチ58の出力に接続された第2入力も有し、該ラッチ58から9ビット値LASTを受信する。第2加算器54の出力はラッチ58の入力に接続されて、内部信号r9を該ラッチ58に対して適用する。信号r9は、9ビット値である。このブロックの出力信号rは、該実施例における信号r9の7個の上位側ビットにより提供される。
【0069】
次に図12の回路の動作を記述する。制御信号MEANおよびSPREADは該実施例において、上記DACのユーザにより決定される外部由来適用制御信号である。該実施例においては、セグメントの個数nは128であると共にDACにおいては4xオーバーサンプリングが使用されることから、前述のように各サイクルにおける平均r値はr/n=0.4である値に可及的に近くなることが仮定される。先に説明されたように、これは、平均r値に51.25の非整数値を持たせることにより達成され得る。該実施例においては切り捨てが採用されることから、51.25というこの平均r値はサイクル毎に51.75(=51.25+0.5であり、0.5は切り捨てから帰着するサイクル毎の平均減少である)というインクリメント値を必要とする。51.75は整数値207を4で除算した商に等しいことから、MEANは207に設定される。MEANが207に設定されたときにr値の略々最適な拡散を達成すべく、擬似乱数発生器56に適用されるSPREAD値は該実施例において32(=8×4)である。この結果、発生器56は−16〜+16の範囲の擬似乱数値RNを生成することから、上記第1加算器の出力における総和MEAN+RNは(47.25〜55.25の範囲のrに等しい)191〜223の範囲となる。
【0070】
各サイクルにおいて第2加算器54の第2入力に適用される値LASTは、先のサイクルにおいて第1加算器52により生成されたMEAN+RN値の全ての試行合計を表す。この点に関し、各変換サイクルにおいて上記第2加算器はLAST値とMEAN+RN値との総和を表すr9値を出力するが、この様に生成されたr9値はラッチ58に記憶される。各変換サイクルにおいてラッチ58もまた、LAST値として、先のサイクルにおいて該ラッチ58により受信されたr9値を出力する。
【0071】
r9値は9ビット値であり、(該実施例においては)その内の2個の下位側ビットは2進小数点(binary point)の右側であると見做されると共に、7個の上位側ビットは2進小数点の左側と見做され得る。2進小数点の左側の7ビットは関連サイクルに対して7ビットのr値として出力され、すなわちrに関する切り捨てが行われる。r値は7ビットを有する必要がある、と言うのも、該実施例においては128(=27)個のセグメントが在るからである。切り捨ての代わりにr値の丸めが実施され得るが、その場合にMEANはこの例では205(=51.25×4)に設定される。
【0072】
ところで、図6に関して前述されたように、128個のセグメント内において上記セグメント回転は循環様式で実行されることから、第2加算器54における一切の繰上げは無視され得る。従って、r9値およびLAST値を9ビットの精度に維持することのみが必要である。
図12を参照して例示的に上述されたMEANおよびSPREAD値は例示のみを目的とすることは理解されよう。他の適切な値が使用され得ると共に、各値を表すビットの個数は選択された値に適合すべく調節され得る。
【0073】
次に図13は、図5のDACで使用されたセグメント回転ブロック22の構成を説明すべく使用される説明的ブロック図である。単純化のために図13においては、DAC内にn=8のみのセグメントが在るものとする。
図13の回路は、第1、第2および第3マルチプレクサ要素62、64および66により作製される。各マルチプレクサ要素のn個の入力およびn個の出力を有し、第1マルチプレクサ要素62の各出力は第2マルチプレクサ要素64の各入力にそれぞれ接続されると共に、第2マルチプレクサ要素64の各出力は第3マルチプレクサ要素66の各入力に接続される。サモメタコード化入力信号IT1〜ITnは第1マルチプレクサ要素62の各入力にそれぞれ適用されると共に、サモメタコード化出力信号OT1〜OTnは第3マルチプレクサ要素66の各出力にて生成される。
【0074】
各マルチプレクサ要素は制御入力bも有するが、該制御入力bは、回転制御ブロック24により生成されたr値の各ビットの内で個別に対応する1ビットにより提供される。図13自体に示されたように、各マルチプレクサ要素入力は関連する出力対を有すると共に、任意の所定時点において、関連する入力と、関連する出力対の内から選択された1つの出力との間の接続を形成する。出力選択は、当該要素に適用される制御信号bに従ってなされる。
【0075】
制御信号b1(r値の第1ビット)を受信する第3マルチプレクサ要素66の場合、b1制御信号が値0を有するときに各入力は図13において該入力に直接対向する出力へと接続される。b1制御信号が値1を有するとき、各入力は直接対向する出力の直上の出力に接続される(最上段の入力の場合、“直上”出力は上記要素の最下段の出力である)。従って、第3マルチプレクサ要素66の効果は、b1制御信号に従い、サモメタコード化入力信号に対してサモメタコード化出力信号を0セグメントもしくは1セグメントだけ回転することである。
【0076】
同様に第2マルチプレクサ要素64は、b2制御信号の値(すなわち、r値の第2ビット)に従い、各入力信号に対して各出力信号を0セグメントもしくは2セグメントだけ回転する役割を果たす。而して第1マルチプレクサ要素62は、b3制御信号の値(すなわち、r値の第3ビット)に従い、各入力信号を各出力信号に対して0セグメントもしくは4セグメントだけ回転する役割を果たす。
【0077】
更に多くのセグメントを取扱うためには、図13におけるマルチプレクサ要素62〜66と同様のマルチプレクサ要素を各々が有する更なる高次の回転ステージを付加することのみが必要である。各マルチプレクサ要素は、nをセグメントの個数としてn個の入力およびn個の出力を有さねばならず、且つ、r値の各ビットの1つにより提供される制御信号を有する。r値の第4ビットにより制御されるマルチプレクサ要素は、各入力信号に対して各出力信号を0セグメントもしくは8セグメントだけ回転する役割を果たすと共に、以降は各高次の回転ステージに対して同様である。
【0078】
ところで図2に戻ると、mビットの2進式入力ワードから生成され得るサモメタコード化信号の個数は2mであるが、これらの2m個の異なる値は2m−1個のサモメタコード化信号により表され得ることは理解されよう。例えばm=3の場合、2進式サモメタデコーダ6により生成されるサモメタコード化信号の8個の異な可能的組合せは、7個のサモメタコード化信号を使用して表され得る。図13の回路において各マルチプレクサ要素により実施される回転は、2の整数乗(1、2、4、…)とされるべきであると共に典型的には、同様に2の整数乗である個数の各入力および各出力を有すべく設計される。この場合、定常的に0もしくは1に設定された“ダミー”サモメタコード化信号が第n番目のサモメタコード化入力信号としてセグメント回転ブロック22に対して適用され得る。これが実際に意味する処は、任意の所定の変換サイクルにおいて、当該1個のセグメントの状態が2進式入力ワードにより決定されるのではなくて所定状態に在るという1個のセグメントが常に存在する、ということである。
【0079】
上述の各実施例においてセグメント回転は出力信号周波数スペクトルにおける各回転成分を事前選択箇所(0.4FDAC、0.2FDACおよびDC)へとマッピングすべく実行されたが、本発明の他の実施例においてはrとnとの間の比率の異なる値を使用して各回転成分の他の有用なマッピングを達成し得ることは理解される。各特定用途において最も適切なマッピングは種々の要因、特にDACが生成する出力信号周波数の所望範囲と(もしあれば)オーバーサンプリング比率、に依存する。
【0080】
例えば2xオーバーサンプリングが使用されたとき、31.5の平均r値によるランダム回転は、主要ノイズを0.5FDACに載置すると共にそれより低いノイズをDCに載置し、且つ、0.1FDAC〜0.3FDACの通過帯域を完全なまま残す。31.5の平均r値は種々の手法により生成され得るが、各々が変換サイクルの50%とされた31および32の値が使用され得る。
【0081】
(ときには、1xオーバーサンプリングと称される)オーバーサンプリング無しの場合、0.5の平均r値は主要ノイズを例えばDC〜0.1FDACの帯域内においてDCの近傍に載置する。例えば各々が時間の50%に対するという0および1のr値を使用して、必要な平均r値0.5を生成し得る。この場合に例えばDACへのデータ入力に対して低域フィルタリング・ディザ(low-pass-filtered dither)が適用されたとき、ディザは利用可能帯域の低い方の部分に影響する。ディザは例えば0.1FDACにて停止し、その周波数から0.5FDACまでの通過帯域を完全のまま残す。
【0082】
次に、rとnとの間の比率の値をシステマティックに選択することにより各回転成分の有用なマッピングを達成する方法に関して更なる記述を行う。
3個の例を考察する。第1例においては、出力信号周波数は13.5〜48.5MHzであると共にサンプリング速度FDACは832Mサンプル/秒であると仮定する。これは、8xオーバーサンプリングに対する第1ナイキスト領域の通過帯域における出力信号周波数に対応する。第2例においては、出力信号周波数の範囲は55.5〜90.5MHzであると共に同じく832Mサンプル/秒のサンプリング速度であると仮定する。これは、第2ナイキスト領域における通過帯域の出力信号周波数に対応する。第3例においては、出力信号周波数は117.5〜152.5MHzであると共に同じサンプリング速度であると仮定する。これは、第3ナイキスト領域における通過帯域の出力信号周波数に対応する。
【0083】
図14および図15は、第1例(第1ナイキスト領域の場合)において適切なr値を選択する方法を説明すべく使用されるグラフである。図14は、(以下に説明されるように考慮されるべき最上位側成分である)最初の9個の回転成分に関し、異なるr値に対してこれらの成分がマッピングされる各周波数を示している。本例の全てにおいてセグメントの個数nは128とする。図14における水平軸上のr値の範囲は0〜64、すなわち0〜n/2である。
【0084】
ラインL1は、異なるr値に対して第1回転成分がマッピングされる周波数を表す。期待されたように、rが増加してr=n/2にてFDAC/2に到達するにつれ、第1回転成分周波数は線形に増加する。ラインL2は、rが変化するときに第2回転成分がマッピングされる周波数を表す。第2回転成分周波数は0からr=n/4におけるFDAC/2まで線形に増加し、次にこの値からr=n/2における再度の0まで線形に減少する。ラインL3〜L9はそれぞれ、第3〜第9回転成分に対するマッピングを示している。
【0085】
図14はまた、8本の水平実線として、出力信号を構成すべく均一に離間された一群の8個のトーン(周波数)も示している。第1実施例においてこれらの8個のトーンはそれぞれ、13.5、18.5、23.5、28.5、33.5、38.5、43.5および48.5MHzの周波数を有している。同様に、図14における8本の水平点線はそれぞれ、8個のトーンの第2高調波を表している。これらの第2高調波周波数はそれぞれ、それらの対応トーンの周波数の2倍である。同様に、図14における8本の水平一点鎖線はそれぞれ、8個のトーンの第3高調波を表しており、これらは対応トーンの3倍の周波数である。図14においては、低周波側の第2高調波および第3高調波は13.5〜48.5MHzの出力信号範囲内に在ることが理解され得る。
【0086】
所望のノイズ整形を達成すべく適切なr値を選択するための第1要件は、有意な各回転成分が出力信号周波数の範囲から離間した周波数へとマッピングされるべきことである。この第1要件を満足する適切なr値は図14のグラフにおける“ホール(hole)”中に包含されるが、該ホールにおいては、所望の出力信号周波数範囲内における各トーンを表す各水平ラインのいずれに対してもL1〜L9が交差していない。図14においては、そのような3個のホールH1、H2およびH3が特定されている。第1ホールはr=32すなわちr=n/4上に中心合せされている。第2ホールH2はr=42.67すなわちr=n/3上に中心合せされている。第3ホールH3はr=51.20すなわちr=2n/5上に中心合せされている。図14上にては利用可能な他のホールも在るが、これらの3個のホールH1〜H3は最大であることから観察するのが容易である。
【0087】
適切なr値を選択するための第2要件は、有意な相互変調積もまた出力信号周波数範囲から可及的に離間されるべきことである。図15は、第1実施例における各回転成分に依る主要相互変調側波帯の効果を示すグラフである。これらの側波帯は、各回転成分に依る出力信号の相互変調から帰着するものである。図15においては、6個の傾斜ライン群M1〜M6が在る。2つのライン群M1およびM2はそれぞれ、第1回転成分の上下の第1側波帯に対応する。同様に、2つのライン群M3およびM4はそれぞれ、第2回転成分の上下の側波帯に対応する。2つのライン群M5およびM6はそれぞれ、第1回転成分の上下の第2側波帯に対応する。上記の各側波帯はノイズ整形目的に対しては最も重要なものである。
【0088】
図15においては、それぞれの水平実線として8個の出力信号のトーンも示されている。相互変調の観点から適切なr値は、出力信号ラインが相互変調ライン群M1〜M6のいずれとも交差しないr値である。図15からは、第1実施例において(ベースバンドの場合)は、適切なr値の範囲は約22.4〜約56.5であることが理解される。
【0089】
図14および図15の2つのグラフに示された結果を考え合わせると、図14においては3個のホールH1、H2およびH3におけるr値が良好な値であり、図15から明確なように各出力信号から有意な相互変調側波帯(significant intermodulation sidebands)を離間保持することと両立可能である。ところで、r=51.2の値はr/n=0.4にて前述した値である。
【0090】
従って、図14および図15は、第1実施例において適切なr値(n=128の場合)は32、42.67または51.2の任意のものとしてシステマティックに選択され得ることを示している。
図16および図17はそれぞれ図14および図15に対応するグラフであるが、第2実施例(第2ナイキスト領域における通過帯域)に関している。該第2実施例において各トーンはそれぞれ、55.5、60.5、65.5、70.5、75.5、80.5、85.5および90.5MHzの周波数を有している。この場合、図14と同様にしてラインL1〜L9により境界付けられた各ホールが存在する。但し図17において相互変調の観点から適切なr値の範囲は相当に制限されており、r≒42〜r≒50の1つの帯域とr≒56〜r≒61の別の帯域が在る。2つのグラフを考え合わせると、第2実施例においてr値に対する良好な選択は見いだすことが比較的に困難である。最適な可能性は、r=42.67すなわちr=n/3に中心合せされた狭幅範囲である。他の可能性は、r≒48およびr≒60である。但し後者の場合、第2回転成分(ラインL2)の周波数は出力信号における最低周波数トーンに極めて近いことが理解され得る。各相互変調積の間にも相互変調が生ずることを念頭に置くと、各回転成分と、出力信号周波数帯域の縁部との間に一定のクリアランスを維持することが望ましい。
【0091】
図18および図19はそれぞれ、第3実施例(第3ナイキスト領域における通過帯域)に対して図14および図15に対応するグラフである。該第3実施例において、各トーンはそれぞれ117.5、122.5、127.5、132.5、137.5、142.5、147.5および152.5MHZの周波数を有している。この場合にも、図18の回転成分グラフにおいては出力信号周波数ラインに対してラインL1〜L9のいずれも交差しないという種々の“ホール”が在る。図19においても、相互変調グラフ中に3個の“ホール”が在る。2つのグラフを組合せて考慮すると、rに対しては4個の良好な選択すなわちr≒8、r≒32、r≒48およびr≒51.2が在り、r≒32が最適である、と言うのも、両グラフにおけるその対応ホールが比較的に広いからである。
【0092】
ところで、全てのグラフにおいては拡散は使用されておらず、すなわち、r値は全てのサイクルにおいて同一である。実用上は、少量の拡散(例えば2)が使用されねばならない(大きな拡散は不都合である、と言うのも、それは各回転成分を所望の出力信号周波数範囲内に拡散し易いからである)。例えば、r=31とr=32との間でランダム選択を行い、31.5の平均r値を与えることも可能である。
【0093】
各グラフを使用して可能的な候補r値を包含する各ホールを特定した後、次のステップは、適切なMEANおよびSPREAD値(図21)を選択することにより所望の周波数範囲における最適なノイズ整形特性を達成することである。これは、シミュレーションを実施する一方で、特定された領域内において種々のMEANおよびSPREAD値により該領域を掃引することで達成され得る。
【0094】
次に、図20および図21を参照して第1ナイキスト領域を更に詳細に考察する。上記第1実施例(13.5〜48.5MHzの通過帯域)と、第4実施例(13.5〜48.5MHzのベースバンド)が考察される。
図20は、図14のグラフに包含された情報を、最初の9個の回転成分から最初の20個の回転成分へと拡張している。図20からは、利用可能な“ホール”は特定の割合(fraction)である比率r/nに対応することが理解され得る。例えば図14におけるホールH1〜H3はそれぞれ、割合1/4、1/3および2/5に対応する。他のホールは、1/5、2/7、3/7、3/8などの対応割合を有している。従って、これらの割合は、可能的に良好な候補r/n比率を提供することが期待され得る。図21の表は、候補r/n比率としてこられの割合を更に詳細に考慮すると共に、図11〜図13を使用したr値のグラフ式選択の有効性を確認する一定のシミュレーション結果を与えるものである。r/n=22.4/128〜r/n=56.5/128の範囲における割合のみが検証されたが、これは、該範囲が第1実施例に対する図15の相互変調グラフにおける“ホール”の範囲だからである。
【0095】
図21の表において、第1列はr/nに対する各候補割合の分子NUMおよび分母DENを与えている。列2は、セグメントの個数nが128である場合に割合に対応するr値を表している。列3は、最低周波数(DCを除く)を有する回転成分の周波数Fupperを示している。列4は、最初の数個の回転成分がマッピングされる各周波数を表している。ここでは最初のDC成分までの各成分が(5個の成分の最大まで)表されている。DCにマッピングされた一切の回転成分は省略される。実際、全ての第DEN番目の回転成分はDCへとマッピングされる。列4において特定された各周波数は、サンプリング周波数FDACの割合として表現される。列3におけるFupperの値は列4における最低値割合の実際の周波数、すなわち、出力信号周波数範囲の上限に最も近い成分である。
【0096】
列5および6は特に第4実施例(ベースバンドの場合:0〜48.5MHz)に関し、且つ、列7および8は特に第1実施例(第1ナイキスト領域における通過帯域:13.5〜48.5MHz)に関すると共にシミュレーション結果を提供する。
種々の候補割合値の各々に対して多数(200回)のシミュレーションが実施されたが、各シミュレーションにおけるDACの入力は図14および図18に示された各周波数を有すると共に均一に離間された8個のトーンであり、且つ、サンプリング速度FDACは832MHzである。
【0097】
各シミュレーションにおいて、DAC伝達関数は1つの試行から次の試行へと入念に変更され、製造に起因する1つのDACデバイスから次のDACデバイスへの予期固有伝達関数の変動性をシミュレーション中へ要因として織り込んだ。
各試行においては、帯域(第4実施例に対しては0〜48.5MHz;第1実施例に対しては13.5〜48.5MHz)に渡る任意の単一の100KHzチャネルにおける最高(最悪の場合)のノイズ・レベルが決定された。これらの最悪状態ノイズ・レベルの平均(mean)が計算され(列5および7)、且つ、これらの試行に渡るこれらの最悪状態ノイズ・レベルの標準偏差(σ)も計算された(列6および8)。DAC伝達関数の変動性は、ノイズ特性の標準偏差に繋がる。図21の表から明らかなように、平均およびσの両者はr/nの種々の割合値に対して変化する。ランダム回転が実行されたとき(表の最終行)、平均ノイズおよび標準偏差の数値はそれぞれ114.4dBおよび3.2dBである。ランダム回転は、一切のノイズ整形を無効化する、すなわち、全くノイズ・ピークを有さない完全にフラットなノイズ平坦部分を有する広帯域ノイズを生成する、という作用を有する。第4実施例(ベースバンドの場合)において、回転が実行されたときの平均および標準偏差の数値は、“ランダム回転”の場合よりも相当に悪いものからそれよりも相当に良好なものまで極めて広範に変化する。第1実施例(通過帯域の場合)において、平均および標準偏差の数値の変動性は少なく且つ全てが“ランダム回転”の場合よりも良好である。
【0098】
列9は、ベースバンドの場合における最悪状態平均ノイズ・レベルを通過帯域の場合と比較して示している。DENが比較的に小さい(9以下)とき、ベースバンド・ノイズ特性は通過帯域ノイズ特性よりも相当に低いことが理解され得る。これは、DENが小さいときに、相当に有意な低次回転成分が(ベースバンドの場合における出力信号周波数範囲において)DCへとマッピングされるからである。一方、DENが10以上である場合、低次の回転成分(次数<DEN)はDCへとマッピングされないことから、DENが増加するときにベースバンド特性は改善されると共にベースバンドの場合と通過帯域の場合との間における平均ノイズ・レベルの差は小さくなる(0.5dB以下)。但しDENが更に増加するとFupperは低下し、ベースバンドおよび通過帯域の場合の両者に対する出力信号範囲の上限に近いところへと最低周波数回転成分をもたらす。これの作用は、その最低周波数成分の次数に依存する。もしそれが高次の成分であれば、その作用は、低い次数の成分であった場合よりも損害は少ない。例えば、列4における記述項が割合2/11、3/11および4/11と比較されたとき、最低周波数成分(各場合における1/11FDACもしくは75.6MHz)は、4/11に対する第3成分、3/11に対する第4成分および2/11に対する第5成分であることが観察され得る。従って、2/11は3/11もしくは4/11よりも良好な選択であることが期待されると共に、ベースバンドの場合(列6)の標準偏差の数値はこれを裏付ける。概略的に、ベースバンドの場合においては、最低周波数回転成分を可能的な最高次数(すなわち、列4における可及的な右方)とする割合を選択するのが望ましい。例えば、一定のシステムに対して該例においてはFupper<62MHzでは問題を引き起こすことが予期されるが、これは、DC成分によりベースバンド特性が通過帯域特性よりも悪化される(62−48.5(帯域の上方のマージン)=13.5−0帯域(帯域の下方のマージン))という同一の理由によるものである。そのような上方のマージンは望ましい、と言うのも、任意の拡散によればFupperにおけるノイズ成分は必然的に上記出力信号周波数範囲の上記上限に近くもたらされるからである。
【0099】
ところでそれは、高次回転成分(次数>9)は第1実施例の場合においてノイズ特性にそれほど影響しないからであり、従って、図14のグラフにおいては最初の9個の回転成分に対するラインL1〜L9のみをプロットすることが妥当である。
最適な全体ノイズ数値は、r/n=3/14により第1実施例(ベースバンド)に対し、且つ、r/n=2/7により第3実施例(通過帯域)に対して獲得される。通過帯域の場合、5/13も良好な選択である。平均ノイズ特性が良好であるべきだけでなく、ノイズ特性の標準偏差も良好であるべきだが、これはデバイス間のノイズ特性の変動性に対する測定値である。例えば、64MHzにおけるノイズが許容され得る通過帯域の場合、5/13が選択され得る。一方、もし64MHzにおいてノイズが許容されなければ、2/7が選択されねばならない。例えばセル式通信システムにおいて、(例えば)13.5MHz〜48.5MHzの送信帯域において送信信号を発生すべく上記DACが使用され得る。この場合、(例えば)53.5MHz〜88.5MHzの受信帯域が受信信号に対して使用され得る。これが意味する処は、(上記DACでは無く)システムは受信帯域におけるノイズに影響されることから、この帯域内の各周波数にノイズ成分を載置することは潜在的問題である、ということである。従って、118.8MHzにおいては割合2/7に対するFupperが更に良好である。
【0100】
図21の表における最後の2つの列10および11は、両方の場合に対し、平均値から標準偏差σの2倍を減算することにより生成されるノイズ特性数値(平均−2σ)を示している。従って、列10の各値は、列5の値から列6の値の2倍を減算することにより生成される。同様に、列11の各値は、列7の値から列8の値の2倍を減算することにより生成される。最適な列10の数値は、r/n=5/13もしくは3/14の場合に獲得される。同様に、最適な列11の数値はr/n=2/7もしくは5/13の場合に獲得される。
【0101】
列10および11の値は、デバイス歩留まりと最低保証デバイス性能との間のトレード・オフを評価する上でデバイスの製造者にとり有用なものである。公知のデバイス歩留まり曲線に基づくと、例えば、列10および11の数値などの“平均−2σ”数値に基づいて最低保証性能が見積られるなら、製造されたデバイスの約95%は保証性能を満足しもしくはそれを超え、すなわち、歩留まりは95%であることは公知である。
【0102】
もし、“平均−2σ”数値を使用する代わりに、製造者が更に緩やかな“平均−3σ”数値に基づいて保証性能を見積るならば、歩留まりは例えば98.5%まで僅かに増加されて単位コストは僅かに低減されるが、見積られた性能も当然に低くなるので消費者に対するデバイスの興味は低くなる。もし製造者が更に厳しい“平均−σ”数値に基づいて保証性能を見積るならば、歩留まりは例えば50%まで劇的に低下して単位コストは倍加するが、見積り性能は更に高くなり、消費者に対してデバイスは更に魅力的となる。本件の場合には“平均−2σ”数値は相応なトレード・オフである、と言うのも、これによれば消費者に対して魅力的な性能レベル(例えば、r/n=5/13に対して120.4dB)を与える一方で単位コストが経済的となる様に歩留まりを好適に高く保持するからである。
【0103】
列10および11の最終行においては、ランダム回転が実行された場合のDACに対する比較可能な“平均−2σ”数値(108.0dB)が見られる。これらの例における最適な候補割合により達成される改善は略々12dBであるが、これは、DAC精度においては余剰(extra)な2ビットであり、極めて重要な改善である。
【0104】
従って、図11〜図20に示されたようなグラフと、図21の表から収集される統計的情報とに基づく分析を使用すると、任意の特定の状況において使用されるべき良好なr/n値をシステマティックに選択することが可能である。各グラフはコンピュータプログラムに従い動作するコンピュータにより生成され得ると共に、“ホール”は(印刷物でもしくは表示画面上で)手動によりまたはコンピュータプログラムにより自動的に特定されて整合され得る。
【0105】
上述の各実施例は種々の変換サイクルにおいて種々のr値を使用したが、全ての場合においてこれを行う必要はないことは理解されよう。各回転成分および各相互変調積が全て、固定r値に依る回転により所望の関心帯域にマッピングされるという実施例においては、固定r値が使用され得る。
また、図13に関して記述されたセグメント回転ブロックはいわゆる“バレル・シフタ(barrel shifter)”アーキテクチャを採用しているが、本発明の各実施例においては他の任意の適切なセグメント回転ブロックの構成およびアーキテクチャが使用され得ることも理解されよう。例えば、バタフライ・シャッフラ・アーキテクチャ(butterfly shuffler architecture)もしくはツリー構造が採用され得る。代替的に、そのようなバレル・シフタに対する必要性を回避すべく、以下に説明されるように図5に示されたのとは異なるアーキテクチャが採用され得る。
【0106】
図5〜図13を参照して上述された各実施例において、2進式入力ワードD1〜Dmは最初に2進式サモメタデコーダ6により全体的にデコードされてサモメタコード化入力信号IT1〜ITnを導出する。これらのサモメタコード化入力信号IT1〜ITnは次にセグメント回転ブロック22により回転量rだけ全体的に回転されることにより一群の回転済出力信号OT1〜OTnを生成するが、これらの回転済出力信号は、n個のセグメントにおいてそれぞれ提供された差動スイッチ回路41〜4nに対する入力T1〜Tnとして機能する。
【0107】
図22は、本発明を具現するDAC 200の代替的配置構成を示している。上記で論じた図5のDACの各要素と同一もしくは密接に対応する図22のDACの各要素は同一参照番号で表されると共に、これらの要素の記述は省略される。
図22のDACにおいて各セグメントは、図5に関して上述された定電流源2およびスイッチ4に加えてローカルデコーダ26を有している。各セグメントにおけるスイッチ4は、該スイッチ4に対してローカルデコーダ26から供給される個別対応サモメタコード化信号Tにより制御される。
【0108】
図22のDACは概略的に図5の回転制御ブロック24と同様の回転制御ブロック24を含むが、該実施例においては図5の2進式サモメタデコーダ6およびセグメント回転ブロック22は必要でない。各セグメントにおけるローカルデコーダ26は、回転制御ブロック124から供給された回転量rを第1入力で受信すると共に、2進式入力ワードD1〜Dmを第2入力にて受信する。
【0109】
ローカルデコーダ26内に包含される回路は、図23を参照して記述される。各ローカルデコーダは、加算器262および比較器264を備えている。上記加算器は、上記ローカルデコーダの第1入力に適用された回転量rを一方の入力において受信すると共に、当該セグメントに固有な事前割当セグメントIDを他方の入力にて受信する。比較器264はその2つの入力において、上記ローカルデコーダの第2入力に適用された2進式入力ワードD1〜Dmと、加算器262の出力IDrotとを受信すると共に、そのセグメントに対するサモメタコード化信号Tを出力する。
【0110】
次に、図22および図23に示されたDAC 200の動作を記述する。該実施例においては、セグメントの個数nは128であり、且つ、回転量r(r<n)の値は図5に関して上述された回路の各サイクルにおいて回転制御回路124により生成されるものとする。この実施例においては128個のセグメントが在ることから、2進式入力ワードD1〜Dmは7ビット幅であり、回転量rおよびローカル・セグメントIDもそうである。128個のセグメントの各々には、値0〜127から選択された1つの固有IDが割当てられる。該IDは例えば、上記ローカルデコーダ内にハード配線される。
【0111】
図5を図22と比較すれば理解され得るように、該実施例においては、2進式入力ワードD1〜Dmからサモメタコード化信号T1〜Tnへのデコードおよびその回転の両者は、(図5におけるデコーダ6のように集中式2進/サモメタデコーダにより)“全体的”には行われないが、その代わりにn個のセグメントの各々の内部においてローカルに実施される。全てのセグメントに対する回転量rは依然として、回転制御回路124により共通して生成される。
【0112】
ローカルデコーダ26において、回転量rは加算器262によりローカル・セグメントIDに対して加算される。上記加算器において発生した一切の繰上げは無視されることから、加算の結果IDrotは127を超えた後に0へと“ラップ・アラウンド”される(すなわち、上記加算器はmod−128である)。該結果IDrotは次に比較器264により2進式入力ワードD1〜Dmと比較されて、そのセグメントに対する差動スイッチ回路4の状態を決定する。この例において、2進式入力ワードが加算の結果よりも大きければ、比較器の出力(T)はhigh(1)である。
【0113】
上述のように128個のセグメントの各々においてそのような不等号比較器(greater-than comparator)が使用されたとき、任意のサイクルにおいて各セグメントの1つ(IDrot=127となるセグメント)は常にOFF状態(T=0)である、と言うのも、上記2進式入力ワードは127より大きくなり得ないからである。(上記スイッチ回路の差動電流切り換え特性を考慮して)ゼロ・オフセットを維持すべく、常にON状態(T=1)に維持される余剰“ダミー”セグメントが含められる。これは127個のセグメントのみを使用するよりも好都合である、と言うのも、その場合には各セグメントにおいて単純なmod−128加算器の代わりにmod−127加算器が必要だからである。もし比較器により不等号/等号比較(greater-than-or-equal comparison)が代替的に実施されれば、各セグメントの1つ(IDrot=0となるセグメント)は常にON状態(T=1)であることから、余剰“ダミー”セグメントは代替的にOFF状態(T=0)に維持されてゼロ・オフセットを達成する必要がある。
【0114】
上述のように、各セグメントは0〜127に渡るIDを有する。従って、回転量rが0である瞬間を仮定すると、そのIDが2進式入力ワードより小さい各セグメントは1にセットされたサモメタコード化信号Tを有する。他の全てのセグメントは、0にセットされたサモメタコード化信号を有する。従って、該実施例において、一群の比較器264は図5の実施例の2進式サモメタデコーダ6と同一の基本機能を実施する。
【0115】
各サイクルにおいてセグメントIDの各々に対して非ゼロの回転量rを加算するとセグメントIDを量rだけ回転する作用があることから、先のサイクルにおいて起動された群と比較して、現在のサイクルにおいては同一の2進式入力ワードに対して異なる群のセグメントが起動される。従って、一群の加算器262は、図5のセグメント回転ブロック22と同一の基本機能を実施する。図5の実施例と比較した図22の実施例の1つの利点は、該実施例が、セグメントの個数が多くなったときに重くなり得るバレル・シフタの必要性を回避することである。
【0116】
ところで、回転量rに対してセグメントのIDを加算する代わりに回転量rからIDを減算して同一の効果を達成することも可能である。減算は例えば、セグメントIDを2の補数の形態で提供すると共にそれを回転量rに加算することにより達成され得る。
図24は図22における回転制御ブロック124の1つの可能的実施方式を示し;これは図12に示された実施方式の代替的実施方式であると共に図5のDACにおいても使用され得る。図12の回転制御回路は、7ビット・レジスタ701〜704、マルチプレクサ72、第1ラッチ74、加算器76および第2ラッチ78を備えている。マルチプレクサ72は、7ビット・レジスタ701〜704のそれぞれの出力R1〜R4に接続されて出力R1〜R4を受信する4個のデータ入力と、2個の選択信号S1およびS2に接続されて該選択信号S1およびS2を受信する2個の選択入力とを有している。マルチプレクサ72は、選択信号S1およびS2に依存して自身の4個のデータ入力R1〜R4の内の1つを選択する。第1ラッチ74の出力(すなわち、データ入力R1〜R4の内から選択されたもの)は第1ラッチ74を介し、加算器76の1つの入力として提供される。上記加算器の出力は、第2ラッチ78の入力へと提供される。第2ラッチ78の出力は回転量rを提供するが、該回転量rはフィードバックされて加算器76への別の入力として作用する。
【0117】
図24の回転制御回路の動作において4個のレジスタ701〜704に対してはそれぞれ、回転量rに対する所定の4個の可能的値R1〜R4がロードされる。値R1〜R4は全てが異なるものでも良いが、2個以上の値を同一ともし得る。これらの可能的値の1つは、マルチプレクサ選択信号S1およびS2として2個の擬似ランダムビットを供給することで、マルチプレクサ72により各変換サイクルにおいてランダムに選択される。該実施例において各可能的値は、平均して同一の周波数により選択される。各可能的値は上述のように選択され、所望の平均および拡散を与える。例えば、49、51、52および53の値を使用すると、51.25の平均(mean)および4の拡散(spread)が与えられる。ランダムに選択された値は次に、図12の第2加算器54およびラッチ58と同様にして加算器76および第2ラッチ78により蓄積され、上記回転制御回路の上記出力における回転量rを提供する。
【0118】
図24の例においては、4個のレジスタ701〜704が配置される。しかしながら、適切な任意の個数のレジスタが使用され得る。レジスタ値R1〜R4が事前設定されまたは必要に応じて各レジスタへとダイナミックにロードされ得ることは理解されよう。
ところで、もし極めて高速の動作が必要とされれば、各セグメント用のローカルデコーダに対しては、各パラメータ(セグメントID、回転量rおよび2進式入力ワードD1〜Dm)の個々のビットに対する同一の基礎加算および比較演算を実施する2個(以上)の回路部分が配置される。例えば第1回路部分はクロック信号の各立ち上がりに応じて各上位側ビットに作用しても良く、且つ、第2回路部分はクロック信号の各立ち下がりに応じて各下位側ビットに作用可能である。上記2個以上の回路部分はまた、所望であればパイプライン式で動作しても良い。
【0119】
そのようなパイプライン式ローカルデコーダの1つの例は、図25および図26を参照して記述される。図25は、第1回路部分261および第2回路部分262を備えたローカルデコーダ回路260を示している。回路部分261および262の各々は概略的に図23に関して上述された単一のローカルデコーダ26と同様であることから、ここでは回路部分261および262の更なる詳細説明は省略する。
【0120】
該例においてローカルデコーダ260により実施される演算は、第1回路部分261により実施される各下位側ビットに関する演算と、第2回路部分262により実施される各上位側ビットに関する演算とに分割される。第1回路部分261は、回転量rの下位側ビットr(lsb)、2進式入力ワードD1〜Dmの下位側ビットD(lsb)、および、ローカル・セグメントIDの下位側ビットID(lsb)のみを使用する。第2回路部分262は、回転量rの上位側ビットr(msb)、2進式入力ワードD1〜Dmの上位側ビットD(msb)、および、ローカル・セグメントIDの上位側ビットID(msb)のみを使用する。図25に示されたように、下位側ビット加算器2621から上位側ビット加算器2622へとキャリー・ビットcarry−addも通信される必要があり、且つ、下位側ビット比較器2641から上位側ビット比較器2642へとキャリー・ビットcarry−compが通信される必要がある。また、図26に関して記述されるタイミングを制御すべく、エッジトリガ式ラッチL11、L12、L21、L22およびL31が含められる。
【0121】
クロック・エッジAから始まり、下位側ビット加算器2621は回転量rおよびローカル・セグメントIDの下位側ビットr(lsb)およびID(lsb)を加算する。この加算の結果IDrot(lsb)およびキャリー(carry−add)はそれぞれ、ラッチL11およびラッチL31によりクロック立ち下がりBによりラッチされる。この時点において上記第2加算器は、第1比較器2641が第1加算のラッチ結果IDrot(lsb)を各下位側データ・ビットD(lsb)と比較するのと同時に、(第1回路部分261から受け渡されたcarry−addビットを考慮して)回転量rおよびローカル・セグメントIDの各上位側ビットr(msb)およびID(msb)の加算を開始する。第2加算および第1比較の結果は次に、クロック立ち上がりCにてそれぞれラッチL12およびL21によりラッチされる。この時点において、第1回路部分261は次の変換サイクル用データに関する演算を開始し得る一方、第2比較器2642は先の変換サイクルに関する演算を完了する。
【0122】
図25および図26の実施例は加算演算を2つの下位演算“ADD lsbs”および“ADD msbs”に分割する。これらの下位演算の各々は、rおよびIDの全てのビットに対して演算が実行されたときよりも少ないビットを包含することから、高いサイクル速度においてさえも半サイクル以内に各lsbに関する下位演算を完了し得る。このことは、2つの少ない下位演算“COMP lsbs”および“COMP msbs”へと分割される比較演算に関しても同様である。図26から明らかなように該実施例においては、“ADD lsbs”は“COMP msbs”とオーバラップするとともに“ADD msbs”は“COMP lsbs”とオーバラップする。
【0123】
この様にして、ローカルデコーダ260により実施される演算はパイプラインされ、1つの変換サイクルからの各演算は隣接サイクルからの各演算とオーバラップする。
図25および図26に関して記述されたようにローカルデコーダを2個の回路部分261および262に分割することにより得られる別の利点は、各下位側ビット(lsbs)に関して動作する第1回路部分261が、当該各セグメントの各セグメントIDがそれらの各下位側ビットにおいて同一のビット・パターンを共有するという各セグメント間で共有されるということである。
【0124】
例えば、8個の“グループ”として取り扱われる128個のセグメントであって各々が16個の“要素(emembr)”を備えた128個のセグメント(各グループの各要素はlsbにおいて全て同一のIDを有する)を例に取ると、(lsb ID=000を有する)第1グループはセグメント0、8、16、…、120から成り、(lsb ID=001を有する)第2グループはセグメント1、9、17、…、121から成り、以下は、セグメント7、15、23、…、127から成る(lsb ID=111を有する)第8グループまで同様である。グループ毎には唯一個のlsbローカルデコーダ回路部分が必要とされ(各要素はそれ自体のmsbローカルデコーダ回路部分を有し)、且つ、上述の“carry−add”および“carry−comp”信号はそのグループの全ての要素へとルーティングされる。
【0125】
この手法は、図23に関して上述された非分割のローカルデコーダと比較して、(ゲート個数、電力および面積に相当する)ロジックの約50%を節約し得るものである。(3個のlsbと4個のmsbとを使用した)16個のセグメントから成る8個のグループによれば、ゲート個数は8×(16×7N)=896Nから8×(3N+16×4N)=536Nへと減少されるが、これはもとの60%である(40%が節約された)。
【0126】
この節約は多数の少個数グループでは更に大きくなる(例えば、8個の16グループでは、16×(8×7N)=896Nから16×(4N+8×3N)=448Nとなり、50%が節約される)が、少個数グループの使用の魅力を減じる他の設計検討事項を考慮することもある。
本発明はDACに関して記述されたが、当業者であれば、本発明はセグメント化アーキテクチャを有する任意のタイプの混合信号回路に対して適用可能であることを理解し得よう。例えば本発明は、A/D変換器、プログラマブル電流生成器に対し、且つ、セグメント化アーキテクチャを有するミキサに対して適用され得る。
【0127】
図25および図26に関して上述されたパイプライン式回転回路は、混合信号回路におけるよりも更に一般的な適用可能性を有する。例えば別実施例においては、適用された制御信号に従いサモメタコード式で制御されると共に回転量に従い回転される一群のディジタル信号を生成すべくディジタルのみの回路が必要とされる。この場合にディジタル回路は、一群のディジタル信号の1つを生成する図25の回転回路を各々が含むという複数の信号生成回路を有している。
【0128】
(付記1) 一連の動作サイクルを行うように働くディジタル回路およびアナログ回路を含む混合信号回路であって、
前記アナログ回路は、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有し、且つ、
前記ディジタル回路は、
前記サイクルの各々において、前記セグメントのそれぞれに対して適用される一群のディジタル信号を発生すべく作用可能なディジタル信号発生手段と、
rを関連サイクルに対する回転量とした場合、各サイクルにおいて前記各セグメントに適用される各ディジタル信号を、先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較して、r個のセグメントだけ回転する回転手段と、
前記回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、前記サイクルの各々に対する前記回転量rを設定する回転制御手段と、を含むことを特徴とする混合信号回路。
【0129】
(付記2) 付記1に記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、実質的に全ての各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように前記各サイクルに対する前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
【0130】
(付記3) 付記1に記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、前記予め定められた所望範囲内における低次の各回転成分の個数を最小化すべく前記各サイクルに対する前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
(付記4) 付記1または3のいずれかに記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、低次の各回転成分が前記予め定められた所望範囲の外側となる量を最大化すべく前記各サイクルに対する前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
【0131】
(付記5) 付記1〜4のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、nを前記セグメントの個数として、前記回転量rの平均値が0.4nに等しいか或いはそれに近くなるように前記各サイクルに対する前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
(付記6) 付記1〜4のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、nを前記セグメントの個数として、前記回転量rの平均値が0.5nに等しいか或いはそれに近くなるように前記各サイクルに対する前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
【0132】
(付記7) 付記1〜4のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、前記回転量rの平均値が1より小さくなるように前記各サイクルに対する前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
(付記8) 付記1〜7のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、個々の前記サイクルに対して個々の回転量rを設定すべく作用可能であることを特徴とする混合信号回路。
【0133】
(付記9) 付記8に記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、複数の予め定められた異なる可能値の中から各回転量を選択することで個々のサイクルに対して前記各回転量を拡散すべく作用可能な拡散手段を含むことを特徴とする混合信号回路。
(付記10) 付記9に記載の混合信号回路において、前記複数の予め定められた異なる可能値は整数値であり、且つ、前記各回転量の前記拡散は連続する前記各サイクルに渡る前記各回転量の平均値が非整数値であるようなものであることを特徴とする混合信号回路。
【0134】
(付記11) 付記9または10のいずれかに記載の混合信号回路において、前記拡散手段はランダムまたは擬似ランダム式に選択を行うことを特徴とする混合信号回路。
(付記12) 付記9〜11のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記拡散手段により採用される前記予め定められた異なる可能値は、前記予め定められた所望範囲におけるノイズ分散を改善すべく選択されることを特徴とする混合信号回路。
【0135】
(付記13) 付記9〜12のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記予め定められた異なる可能値の各々は所定値の回転量であり、該所定値の回転量に対して、その値に依る個別の回転から帰着する各最低次数回転成分は全てが前記予め定められた所望範囲の外側にマッピングされることを特徴とする混合信号回路。
【0136】
(付記14) 付記9〜13のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記予め定められた異なる可能値の各々は所定値の回転量であり、該所定値の回転量に対して、その値に依る個別の回転から帰着する任意の各回転成分であって前記予め定められた所望範囲にマッピングされる任意の各回転成分は高次回転成分であることを特徴とする混合信号回路。
【0137】
(付記15) 付記10に記載の混合信号回路において、前記各整数値は、前記平均値に近い連続的な値であることを特徴とする混合信号回路。
(付記16) 付記1に記載の混合信号回路において、前記回転制御手段は、比率r/nの平均値が以下の一群の割合から選択された所定の割合に等しく或いは近くなるように、前記各サイクルに対して前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路:
1/3、1/4、1/5、2/5、2/7、3/7、3/8、2/9、3/10、2/11、3/11、4/11、5/12、3/13、4/13、5/13、3/14、および、4/15。
【0138】
(付記17) 付記16に記載の混合信号回路において、前記予め定められた所望範囲はベースバンド内に在り、且つ、前記選択された割合は、7以上、好適には10以上の分母を有することを特徴とする混合信号回路。
(付記18) 付記16に記載の混合信号回路において、前記予め定められた所望範囲はベースバンド内に在り、且つ、前記選択された割合は、2/11、5/12、3/13、5/13、および、3/14の1つであることを特徴とする混合信号回路。
【0139】
(付記19) 付記16に記載の混合信号回路において、前記予め定められた所望範囲は第1ナイキスト領域における通過帯域内に在り、且つ、前記選択された割合は、2/7、5/12、5/13、および、3/14の1つであることを特徴とする混合信号回路。
(付記20) 付記1〜19のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記予め定められた所望範囲はベースバンド内に在り、且つ、前記回転制御手段は、前記比率r/nの平均値が20/128〜60/128の範囲内であるように前記各サイクルに対して前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
【0140】
(付記21) 付記1〜20のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記予め定められた所望範囲は第2ナイキスト領域における通過帯域内に在り、且つ、前記回転制御手段は、前記比率r/nの平均値が1/3、48/128または60/128に等しく或いは近くなるように、前記各サイクルに対する前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
【0141】
(付記22) 付記1〜21のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記予め定められた所望範囲は第3ナイキスト領域における通過帯域内に在り、且つ、前記回転制御手段は、前記比率r/nの平均値が8/128、32/128、48/128または51.2/128に近く、好適には32/128に近くなるように、前記各サイクルに対する前記回転量rを設定することを特徴とする混合信号回路。
【0142】
(付記23) 付記1〜22のいずれか1項に記載の混合信号回路において、前記回転手段および前記ディジタル信号発生手段は協働して、
各サイクルにおいて各セグメントのそれぞれのIDを前記回転量rだけ回転すべく作用可能なID回転手段と、
セグメントの回転済IDとデータ信号との比較に依存して、各セグメントに対して前記ディジタル信号を発生すべく作用可能な決定手段とを備えることを特徴とする混合信号回路。
【0143】
(付記24) 付記23に記載の混合信号回路において、前記各セグメントはローカルデコーダを有し、
該ローカルデコーダは、前記データ信号、前記回転量r、および、前記セグメントに固有的に割当てられたセグメントIDを受信すべく接続され、
前記ローカルデコーダは各サイクルにおいて、
割当てられた前記セグメントIDに依存する回転済ID信号であって先のサイクルにおける回転済ID信号から前記回転量rだけ異なる回転済ID信号を生成し、且つ、
前記回転済ID信号と前記データ信号との比較に依存して、該ローカルデコーダのセグメントに対して前記ディジタル信号を発生するように作用可能であることを特徴とする混合信号回路。
【0144】
(付記25) 付記24に記載の混合信号回路において、該混合信号回路は第1および第2回路部分を有し、
前記第1回路部分は、1つ以上のセグメントに対して、前記回転済ID信号の第1部分を生成すると共に、前記回転済ID信号のその部分を前記データ信号の第1部分と比較すべく作用可能であり、
前記第2回路部分は、前記1つ以上のセグメントに対して、前記回転済ID信号の第2部分を生成すると共に、その部分を前記データ信号の第2部分と比較すべく作用可能であり、且つ、
前記第2回路部分は前記回転済ID信号の前記第2部分を生成する一方、前記第1回路部分は前記回転済ID信号の前記第1部分を前記データ信号の前記第1部分と比較することを特徴とする混合信号回路。
【0145】
(付記26) 付記25に記載の混合信号回路において、それぞれの前記回転済ID信号の第1部分が同一であると共にそれぞれのデータ信号の第1部分が同一である前記セグメントのグループに対して、共通して1つの前記第1回路部分が配置されることを特徴とする混合信号回路。
(付記27) 付記1〜26のいずれか1項に記載の混合信号回路を含むことを特徴とするディジタル/アナログ変換回路。
【0146】
(付記28) 付記27に記載のディジタル/アナログ変換回路において、前記各セグメントは電流源回路または電流吸込回路を含み、
前記出力信号は、前記各セグメントの内で選択されたセグメントの電流源/電流吸込回路により給電され、或いは、場合に応じて吸込まれたそれぞれの電流を合計することにより導出され、
前記各サイクルにおける前記各セグメントの選択は、そのサイクルにおいて各セグメントに適用された前記一群のディジタル信号に従って行われることを特徴とするディジタル/アナログ変換回路。
【0147】
(付記29) ディジタル回路およびアナログ回路を含むと共に、一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路において、前記アナログ回路は、予め定められた所望範囲周波数内の周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有する混合信号回路で使用されるノイズ整形方法であって、
前記各サイクルにおいて、前記各セグメントのそれぞれに適用される一群のディジタル信号を発生する段階と、
rを関連サイクルに対する回転量とし、先のサイクルにおいて適用されたディジタル信号と比較して、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号をr個のセグメントだけ回転する段階と、
前記回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、前記サイクルの各々に対する前記回転量を設定する段階と、を備えることを特徴とするノイズ整形方法。
【0148】
(付記30) 付記1〜26のいずれか1項に記載の混合信号回路により使用される回転量rを選択する方法であって、
周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有するグラフをプロットする段階と、
事前選択された複数の低次数回転成分の各々に対し、前記グラフにおける対応第1ラインを使用して、前記回転量rが変化せしめられるときに当該成分がマッピングされる個々の周波数を表示する段階と、
前記グラフにおいて前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する段階と、
前記グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域を特定する段階と、
そのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量rを選択する段階と、を備えることを特徴とする回転量を選択する方法。
【0149】
(付記31) 付記1〜26のいずれか1項に記載の混合信号回路により使用される回転量rを選択する方法であって、
周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有するグラフをプロットする段階と、
事前選択された複数の有意な相互変調側波帯の各々に対し、前記グラフにおいて対応する第1群のラインを使用して、前記回転量が変更されるときに前記側波帯がマッピングされる個々の周波数を表示する段階と、
前記グラフにおいて前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する段階と、
前記グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1群のラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域を特定する段階と、
そのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量を選択する段階と、を備えることを特徴とする回転量を選択する方法。
【0150】
(付記32) 付記1〜26のいずれか1項に記載の混合信号回路により使用される回転量rを選択する方法であって、
周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有する第1グラフをプロットする段階と、
事前選択された複数の低次数回転成分の各々に対し、前記第1グラフにおける対応第1ラインを使用して、前記回転量rが変化せしめられるときに当該成分がマッピングされる個々の周波数を表示する段階と、
前記第1グラフにおいて該第1グラフの前記第1軸に沿い適切な位置にて該第1グラフの前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する段階と、
前記第1グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域を特定する段階と、
周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有する第2グラフをプロットする段階と、
事前選択された複数の有意な相互変調側波帯の各々に対し、前記第2グラフにおいて対応する第1群のラインを使用して、前記回転量rが変更されるときに前記側波帯がマッピングされる個々の周波数を表示する段階と、
前記第2グラフにおいて該第2グラフの前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2グラフの前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する段階と、
前記第2グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1群のラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域を特定する段階と、
前記第1および第2グラフの一方においてそのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量rを選択する段階と、を備えることを特徴とする回転量を選択する方法。
【0151】
(付記33) 付記32に記載の方法において、前記選択段階における前記回転量rは、前記第1グラフで特定された領域に対応する回転量rの第1範囲と、前記第2グラフで特定された領域に対応する回転量rの第2範囲との両者に含められるように選択されることを特徴とする回転量を選択する方法。
(付記34) 付記30〜33のいずれか1項に記載の方法において、さらに、オペレータによる分析のために、前記1つまたは各グラフを表示画面上に表示し、或いは、該グラフを記録媒体に印刷する段階を備えることを特徴とする回転量を選択する方法。
【0152】
(付記35) 制御信号に依存して連続的な動作サイクルにおいて一群の回転ディジタル信号を発生し、前記群の内で所定状態を有する前記ディジタル信号の個数と、回転量rとを特定し、前記サイクルの内で先のサイクルにおける前記群に対して現在のサイクルにおける前記群が回転される前記ディジタル信号の個数を特定するディジタル信号発生回路であって、該ディジタル信号発生回路は、
複数の信号生成回路であって、各々が自身に固有的に割当てられた回路IDを有すると共に、各々が前記各サイクルにおいて、前記割当てられた回路IDに依存する回転済ID信号であって先のサイクルにおける回転済ID信号から前記回転量rだけ異なる回転済ID信号を生成すべく、且つ、前記回転済ID信号と前記制御信号との比較に依存して前記ディジタル信号をその信号生成回路に対し前記所定状態へと設定すべく、作用可能な複数の信号生成回路を備え、
前記信号生成回路の各々は、
前記回転済ID信号の第1部分を生成すると共に前記回転済ID信号の該部分を前記制御信号の第1部分と比較すべく作用可能な第1回路部分と、
前記回転済ID信号の第2部分を生成すると共に該部分を前記制御信号の第2部分と比較すべく作用可能な第2回路部分と、を備え、且つ、
前記第2回路部分は前記回転済ID信号の前記第2部分を生成する一方、前記第1回路部分は前記回転済ID信号の前記第1部分を前記制御信号の前記第1部分と比較することを特徴とするディジタル信号発生回路。
【0153】
(付記36) 付記35に記載のディジタル信号発生回路において、1つの前記第1回路部分が、それぞれの前記回転済ID信号の第1部分が同一であると共に、それぞれのディジタル信号の第1部分が同一である一群の前記セグメントに対して共通的に配置されることを特徴とするディジタル信号発生回路。
(付記37) 一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路であって、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有するアナログ回路と、前記セグメントのそれぞれに対して適用すべく一群のディジタル信号を前記各サイクルにおいて発生するディジタル回路とを備え、回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号は先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較してr個のセグメントだけ回転される、混合信号回路により使用されるべき回転量rを選択する方法において使用されるコンピュータプログラムであって、
該プログラムは、
周波数を表す第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表す第2軸とを有するグラフをプロットするプロットコード部分と、
事前選択された複数の低次数回転成分の各々に対し、前記グラフにおける対応第1ラインを使用して、前記回転量rが変化せしめられるときに当該成分がマッピングされる個々の周波数を表示する回転成分表示コード部分と、
前記グラフにおいて前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する出力信号表示コード部分と、を備えることにより、
前記グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域の特定と、
そのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量rの選択と、を促進するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体。
【0154】
(付記38) 一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路であって、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有するアナログ回路と、前記セグメントのそれぞれに対して適用すべく一群のディジタル信号を前記各サイクルにおいて発生するディジタル回路とを備え、回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号は先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較してr個のセグメントだけ回転される、混合信号回路により使用されるべき回転量rを選択する方法において使用されるコンピュータプログラムであって、
該プログラムは、
周波数を表す第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表す第2軸とを有するグラフをプロットするプロットコード部分と、
事前選択された複数の有意な相互変調側波帯の各々に対し、前記グラフにおいて対応する第1群のラインを使用して、前記回転量が変更されるときに前記側波帯がマッピングされる個々の周波数を表示する相互変調側波帯表示コード部分と、
前記グラフにおいて前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する出力信号表示コード部分と、
を備えることにより、
前記グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域の特定と、
そのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量の選択と、を促進するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体。
【0155】
(付記39) 一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路であって、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有するアナログ回路と、前記セグメントのそれぞれに対して適用すべく一群のディジタル信号を前記各サイクルにおいて発生するディジタル回路とを備え、回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号は先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較してr個のセグメントだけ回転される、混合信号回路により使用されるべき回転量rを選択する方法において使用されるコンピュータプログラムであって、
該プログラムは、
周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有する第1グラフをプロットする第1プロットコード部分と、
事前選択された複数の低次数回転成分の各々に対し、前記第1グラフにおける対応第1ラインを使用して、前記回転量rが変化せしめられるときに当該成分がマッピングされる個々の周波数を表示する回転成分表示部分と、
前記第1グラフにおいて該第1グラフの前記第1軸に沿い適切な位置にて該第1グラフの前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する第1出力信号表示コード部分と、
周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有する第2グラフをプロットする第2プロットコード部分と、
事前選択された複数の有意な相互変調側波帯の各々に対し、前記第2グラフにおいて対応する第1群のラインを使用して、前記回転量rが変更されるときに前記側波帯がマッピングされる個々の周波数を表示する相互変調側波帯表示コード部分と、
前記第2グラフにおいて該第2グラフの前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2グラフの前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する第2出力信号表示コード部分と、を備えることにより、
前記第1グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域の特定と、
前記第2グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域の特定と、
前記第1および第2グラフの一方においてそのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量rの選択と、を促進するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体。
【0156】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、ディジタル/アナログ変換器などのセグメント化混合信号回路におけるノイズ整形を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上記で論じたように先に考慮された電流制御式DACの各要素を示す図である。
【図2】上記で論じたように図1のDACにおいて2進入力ワードから如何にしてサモメタコード化制御信号が導出されるかを説明すべく使用される表を示す図である。
【図3】上記で論じたようにDACにおいて使用されるべく先に考慮されたセル配列回路の各要素を示す図である。
【図4】上記で論じたように図3のセル配列回路における傾斜誤差および対称的誤差の発生を説明すべく使用された概略図である。
【図5】本発明を具現するDACの各要素を示す図である。
【図6】図5のDACの動作を説明すべく使用される概略図である。
【図7】セグメント回転が実行されないときの図5のDACの出力信号の周波数スペクトルを示す図である。
【図8】回転量r=1によりセグメント回転が実行されるときの図5のDACの出力信号の周波数スペクトルを示す図である。
【図9】回転量r=21によりセグメント回転が実行されるときの図5のDACの出力信号の周波数スペクトルを示す図である。
【図10】本発明の他の実施例にける出力信号の周波数スペクトルを示す図である。
【図11】図10の出力信号の周波数スペクトルの拡大部分を示す図である。
【図12】図5のDACの回転制御ブロックの構成の一例を示すブロック図である。
【図13】図5のDACのセグメント回転ブロックの構成を説明するために使用されるブロック図である。
【図14】出力信号周波数範囲が第1ナイキスト領域内の通過帯域内に在るという第1実施例における回転成分のマッピングを示すグラフを示す図である。
【図15】上記第1実施例における有意な相互変調側波帯を示すグラフを示す図である。
【図16】出力信号周波数範囲が第2ナイキスト領域における通過帯域内に在るという第2実施例における回転成分のマッピングのグラフを示す図である。
【図17】上記第2実施例における有意な相互変調側波帯を示すグラフを示す図である。
【図18】出力信号周波数範囲が第3ナイキスト領域における通過帯域内に在るという第3実施例における回転成分のマッピングを示すグラフを示す図である。
【図19】上記第3実施例における有意な相互変調側波帯のグラフを示す図である。
【図20】図14に対応するが更なる高次の回転成分を示す別のグラフを示す図である。
【図21】上記第1実施例と、出力信号周波数範囲がベースバンド内に在るという第4実施例とに関する表を示す図である。
【図22】本発明の他の実施例に係るDACの各要素を示す図である。
【図23】図22のDACのローカルデコーダの構成の一例を示すブロック図である。
【図24】図22のDACの回転制御ブロックの構成の一例を示すブロック図である。
【図25】図23のローカルデコーダの代替実施例を示すブロック図である。
【図26】図25のローカルデコーダ回路の動作を説明する上で使用させるタイミング図である。
【符号の説明】
1,20,200…ディジタル/アナログ変換器(DAC)
2…定電流源
1〜2n…電流源
1〜4n…差動スイッチ回路
6…2進式サモメタデコーダ
22…セグメント回転ブロック
24…回転制御ブロック
26…ローカルデコーダ
261…第1回路部分
262…第2回路部分
52…第1加算器
54…第2加算器
56…擬似乱数発生器
58…ラッチ
62…第1マルチプレクサ要素
64…第2マルチプレクサ要素
66…第3マルチプレクサ要素
701〜704…7ビットレジスタ
72…マルチプレクサ
74…第1ラッチ
76…加算器
78…第2ラッチ
124…回転制御部
260…ローカルデコーダ回路
262…加算器
2621…下位側ビット加算器
2622…上位側ビット加算器
264…比較器
2641…下位側ビット比較器
2642…上位側ビット比較器

Claims (9)

  1. 一連の動作サイクルを行うように働くディジタル回路およびアナログ回路を含む混合信号回路であって、
    前記アナログ回路は、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有し、且つ、
    前記ディジタル回路は、
    前記サイクルの各々において、前記セグメントのそれぞれに対して適用される一群のディジタル信号を発生すべく作用可能なディジタル信号発生手段と、
    rを関連サイクルに対する回転量とした場合、各サイクルにおいて前記各セグメントに適用される各ディジタル信号を、先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較して、r個のセグメントだけセグメント選択時の始点を循環的にシフトする回転手段と、
    前記回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、前記サイクルの各々に対する前記回転量rを設定する回転制御手段と、を含むことを特徴とする混合信号回路。
  2. 請求項1に記載の混合信号回路を含むことを特徴とするディジタル/アナログ変換回路。
  3. ディジタル回路およびアナログ回路を含むと共に、一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路において、前記アナログ回路は、予め定められた所望範囲周波数内の周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有する混合信号回路で使用されるノイズ整形方法であって、
    前記各サイクルにおいて、前記各セグメントのそれぞれに適用される一群のディジタル信号を発生する段階と、
    rを関連サイクルに対する回転量とし、先のサイクルにおいて適用されたディジタル信号と比較して、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号をr個のセグメントだけセグメント選択時の始点を循環的にシフトする段階と、
    前記回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、前記サイクルの各々に対する前記回転量を設定する段階と、を備えることを特徴とするノイズ整形方法。
  4. 請求項1に記載の混合信号回路により使用される回転量rを選択する方法であって、
    周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有するグラフをプロットする段階と、
    事前選択された複数の低次数回転成分の各々に対し、前記グラフにおける対応第1ラインを使用して、前記回転量rが変化せしめられるときに当該成分がマッピングされる個々の周波数を表示する段階と、
    前記グラフにおいて前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する段階と、
    前記グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域を特定する段階と、
    そのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量rを選択する段階と、を備えることを特徴とする回転量を選択する方法。
  5. 請求項1に記載の混合信号回路により使用される回転量rを選択する方法であって、
    周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有するグラフをプロットする段階と、
    事前選択された複数の有意な相互変調側波帯の各々に対し、前記グラフにおいて対応する第1群のラインを使用して、前記回転量が変更されるときに前記側波帯がマッピングされる個々の周波数を表示する段階と、
    前記グラフにおいて前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する段階と、
    前記グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1群のラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域を特定する段階と、
    そのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量を選択する段階と、を備えることを特徴とする回転量を選択する方法。
  6. 請求項1に記載の混合信号回路により使用される回転量rを選択する方法であって、
    周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有する第1グラフをプロットする段階と、
    事前選択された複数の低次数回転成分の各々に対し、前記第1グラフにおける対応第1ラインを使用して、前記回転量rが変化せしめられるときに当該成分がマッピングされる個々の周波数を表示する段階と、
    前記第1グラフにおいて該第1グラフの前記第1軸に沿い適切な位置にて該第1グラフの前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する段階と、
    前記第1グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域を特定する段階と、
    周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有する第2グラフをプロットする段階と、
    事前選択された複数の有意な相互変調側波帯の各々に対し、前記第2グラフにおいて対応する第1群のラインを使用して、前記回転量rが変更されるときに前記側波帯がマッピングされる個々の周波数を表示する段階と、
    前記第2グラフにおいて該第2グラフの前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2グラフの前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する段階と、
    前記第2グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1群のラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域を特定する段階と、
    前記第1および第2グラフの一方においてそのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量rを選択する段階と、を備えることを特徴とする回転量を選択する方法。
  7. 一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路であって、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有するアナログ回路と、前記セグメントのそれぞれに対して適用すべく一群のディジタル信号を前記各サイクルにおいて発生するディジタル回路とを備え、回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号は先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較してr個のセグメントだけセグメント選択時の始点を循環的にシフトされる、混合信号回路により使用されるべき回転量rを選択する方法において使用されるコンピュータプログラムであって、
    該プログラムは、
    周波数を表す第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表す第2軸とを有す るグラフをプロットするプロットコード部分と、
    事前選択された複数の低次数回転成分の各々に対し、前記グラフにおける対応第1ラインを使用して、前記回転量rが変化せしめられるときに当該成分がマッピングされる個々の周波数を表示する回転成分表示コード部分と、
    前記グラフにおいて前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する出力信号表示コード部分と、を備えることにより、
    前記グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域の特定と、
    そのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量rの選択と、を促進するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体
  8. 一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路であって、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有するアナログ回路と、前記セグメントのそれぞれに対して適用すべく一群のディジタル信号を前記各サイクルにおいて発生するディジタル回路とを備え、回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号は先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較してr個のセグメントだけセグメント選択時の始点を循環的にシフトされる、混合信号回路により使用されるべき回転量rを選択する方法において使用されるコンピュータプログラムであって、
    該プログラムは、
    周波数を表す第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表す第2軸とを有するグラフをプロットするプロットコード部分と、
    事前選択された複数の有意な相互変調側波帯の各々に対し、前記グラフにおいて対応する第1群のラインを使用して、前記回転量が変更されるときに前記側波帯がマッピングされる個々の周波数を表示する相互変調側波帯表示コード部分と、
    前記グラフにおいて前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する出力信号表示コード部分と、を備えることにより、
    前記グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域の特定と、
    そのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量の選択と、を促進するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体。
  9. 一連の動作サイクルを行うように働く混合信号回路であって、予め定められた所望範囲周波数における周波数を有する出力信号を協働して生成する複数の回路セグメントを有するアナログ回路と、前記セグメントのそれぞれに対して適用すべく一群のディジタル信号を前記各サイクルにおいて発生するディジタル回路とを備え、回転の結果として前記出力信号の周波数スペクトル内に存在する各周波数成分である1つ以上の各回転成分が、前記予め定められた所望範囲の外側の、1つ以上の事前選択周波数へとまたは事前選択狭幅帯域周波数へとマッピングされるように、各サイクルにおいて各セグメントに適用される各ディジタル信号は先のサイクルにおいて適用された各ディジタル信号と比較してr個のセグメントだけセグメント選択時の始点を循環的にシフトされる、混合信号回路により使用されるべき回転量rを選択する方法において使用されるコンピュータプログラムであって、
    該プログラムは、
    周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有する第1グラフをプロットする第1プロットコード部分と、
    事前選択された複数の低次数回転成分の各々に対し、前記第1グラフにおける対応第1ラインを使用して、前記回転量rが変化せしめられるときに当該成分がマッピングされる個々の周波数を表示する回転成分表示部分と、
    前記第1グラフにおいて該第1グラフの前記第1軸に沿い適切な位置にて該第1グラフの前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する第1出力信号表示コード部分と、
    周波数を表示する第1軸と、該第1軸に直交すると共に前記回転量rを表示する第2軸とを有する第2グラフをプロットする第2プロットコード部分と、
    事前選択された複数の有意な相互変調側波帯の各々に対し、前記第2グラフにおいて対応する第1群のラインを使用して、前記回転量rが変更されるときに前記側波帯がマッピングされる個々の周波数を表示する相互変調側波帯表示コード部分と、
    前記第2グラフにおいて該第2グラフの前記第1軸に沿い適切な位置にて前記第2グラフの前記第2軸の方向に延在する1つ以上の対応第2ラインを使用して、前記出力信号の前記所望周波数範囲における1つ以上の周波数を表示する第2出力信号表示コード部分と、を備えることにより、
    前記第1グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域の特定と、
    前記第2グラフにおいて、前記第2ラインの内で前記第1ラインのいずれによっても交差されない部分を含む領域の特定と、
    前記第1および第2グラフの一方においてそのようにして特定された領域に対応する回転量rの範囲から、前記混合信号回路により使用されるべき前記回転量rの選択と、を促進するコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体。
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