JP3980642B2 - 楽器用の改良弦 - Google Patents
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Description
1.発明の分野
本発明は、楽器用の弦に関し、詳しく言えばギター等のための弦のような、それらの長さに沿って手で扱うことができる楽器用の弦に関する。
2.関連技術の説明
今日使用されている音楽用の弦には多数のいろいろなタイプがあり、おのおのいろいろな機能を果たしている。代表的なギターは、高音用にはストレート(巻かれていない)弦(「ガット」、金属、あるいは合成ポリマー(例えば米国特許第4339499号明細書や同第4382358号明細書に開示されたもの)等)を使用し、低音用には巻きつけられた金属又はポリマーの弦(通常は、ナイロン又は同様の材料の芯に巻きつけた金属又はポリマーの巻線)を使用する。巻き弦は、巻かれた弦のら旋巻きにより供給される単位長さ当たりの弦の追加の質量に依存して、許容できる弦の張力で低音を供給する。既存の弦の設計は、優れた楽音を提供するため多年にわたり洗練されてきているが、弦は多くの点で制限を受け続けている。
今日、演奏するためギター弦を指でひきそしてかき鳴らす際のように弦の少なくとも一部分に沿って人が接触するのを必要とする、弦をつけた非常に様々な楽器が使用されている。ストレートゲージの弦は使用後にごみや油を容易にふき取ることができる一方で、巻き弦は数時間の演奏後でもごみ、皮膚油、汗で汚染されることになりやすい。ごみやその他の汚染物は弦の巻線に浸透して、巻線の動きを制限させるものと信じられる。比較的短時間の後に、一般の巻き弦は、どうやらこの汚染が蓄積するために、音楽的に「精彩」がなくなってしまう。現在のところ、音質を喪失する巻き弦は楽器から取り外して清浄にするか交換しなくてはならない。この処置は煩わしくて、時間を消費し、そして頻繁に演奏し音質に気をつかう演奏家にとって費用のかかることである。
指板(例えばギターのフレットボード)に沿って指でさわることを必要とする弦にあって遭遇するもう一つの問題は、様々な楽音を出すために演奏家によってたびたび指板にかなりの量の圧力が加えられなくてはならないことである。堪能な演奏家は標準的に、長年の楽器の演奏から指に大きなたこをつくっている。そのようなたこにもかかわらず、楽器を演奏することにより生じる圧力と摩擦は、多くの演奏家にとってフラストレーションと疲労又は傷害の主要な原因の一つになりやすい。弦楽器を演奏することにつきまとう苦痛は、初心の音楽学生にとっと特に失意となりかねない。
従来の弦にあっての、特に従来の巻き弦にあっての、なおもう一つの問題は、弦を横切り素早く指を動かす動作が不所望の雑音(ノイズ)をしばしば生じさせることである。例えば、フレットボード又は指板を横切って演奏家の指が素早く動くときにギターの巻き弦から「きしり音」が聞こえるのが普通である。そのようなきしり音を避けるために、演奏家は、フレットボード又は指板上で位置を変えるときに弦から指を完全に離す一貫した努力をしなくてはならない。この位置の変更動作は演奏家の音の変更を遅くし、疲労を更に増加させる。
これらの問題のうちの一部は、巻き弦の巻線の汚染を避けるために及び/又は弦に何らかの緩衝用又は滑らかできしり音のないカバーを施すために、弦を何らかの物質で被覆できるならば、対処できるように思われよう。例えば、フェンダー(Fender)・コーポレーションは、巻き弦の周囲の平らな硬質ポリマーテープ(例えばナイロンのような)のら旋巻きを使用するベースギター弦を提供している。このポリマーテープは、巻き弦に接着されず、且つ下にあるベース弦に順応せず、その代わりに、単にベース弦の周囲に硬質の平らなテープをきつくら旋状に巻きつけそしてギター弦の各端部で外側に糸を巻きつけてテープが巻きもどらないようにしておくことだけで所定の位置に保持される。ポリマーテープは、その側部のへりが隣合う巻きつけテープに重ならずあるいは付着せずに隣接して、巻きつけられる。更に、ポリマーテープを保持する糸が損傷しあるいは取り去られると、ポリマーテープは急速にら旋コイルとなってほどける。弦の周りにポリマーテープを巻き直し糸を巻きつけてそれを固定することで、弦を最初の状態に戻すことは可能である。
フェンダー・コーポレーションの硬質テープの巻きつけの使用はいくらかの汚染の問題を軽減するのを助けることができ(これはフェンダーにより主張されているようには見えない)、あるいは弦を演奏するのをいくらか楽にすることができるとは言うものの、このフェンダーのベースギター弦は演奏したときの音が明らかに「精彩ない」。比較的重くて硬質の巻きつけ材は、特に高い倍音周波数又は上音周波数において、弦の振動の量と時間とを制限し、その音を消しあるいは「弱める」ものと信じられる。そのような変形不能のカバーを用いる結果として、弦は、通常の「冴えた」あるいは「生き生きした」ギターサウンドが求められる大抵のギターの用途に適さない。
楽器の弦を被覆することでほかの問題が持ち上がることもある。例えば、ギター弦等の全長に沿ってカバーを巻きつける場合、カバーは弦をピックでかき鳴らした場合に摩滅しそしてすり切れることがある。たとえこれは弦の音を弱めないとしても、少なくともすり切れば見苦しく見えかねない。他方で、カバーを指板に沿ってのみ巻きつける場合には、すり切れの問題は解消されるが、弦の長さに沿って質量の不均一であることがイントネーションの問題を引き起こすことがある。
従って、フレットの領域において耐食性であること、従来の弦よりも演奏するのを速くし、容易にし、及び/又は快適にすること、そして演奏家の指が弦に沿って移動する際に不所望の雑音をそれほど生じさせやすくないことを含めて、一つ以上の利益のあるカバーを含む改良された楽器の弦を提供することが、本発明の主要な目的である。
本発明の更に別の目的は、正確なイントネーションを維持する改良されたカバー付きの楽器弦を提供することである。
本発明のこれら及びこのほかの目的は、以下の説明を検討することから明らかになろう。
発明の概要
本発明は、ギター、ダブルベース、ピアノ、バイオリン、チェロ等を含めた、とは言えそれらに限定されない、様々な弦楽器で使用するための改良された楽器用の弦である。本発明は、使用中に広い範囲にわたり手でさわられる弦を有するギターやその他の楽器のような、汚染しやすく時間をかけて音質が変化しやすい弦を用いる楽器で使用するのに特に適している。
本発明の弦は、通常の巻き弦、例えば低音を出すのに使用される中央の芯とら旋状の巻線とを有する弦の如きものと、この巻き弦の周囲に適用して付着させたポリマーのカバーとを使用することができる。好ましいカバーは、巻き弦を包みそしてその巻き弦を汚染から保護する、一つ以上のテープ、シート、又はチューブの形をした、多孔質のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。本発明のカバーは、楽器の正規の音の質を有意に低下させないように選ばれて適用される点で、音楽用の弦を被覆しようとする従前の全ての試み以上にユニークである。従って、このカバーは実質的に振動を止めないカバーである。
本発明のカバーは、潤滑性の覆いを提供するように、そして巻き弦の自由な動きをほとんどあるいは少しも妨げずに弦を汚染と腐食から保護するように適用される。好ましくは、長手方向では相対的に変形不能でありそして横断方向では相対的に変形可能であるように長手方向に伸長される延伸膨張PTFEを使用する。このカバーを、カバーの長手方向の軸線を巻き弦の長手方向の軸線に対し斜めに向けて巻きつけることにより、カバーはその位置を保持し且つ巻き弦に順応するが、なおも巻線の十分な動きを可能にして音質を維持する。
巻き弦にカバーを固定するため接着剤を適用する場合には、巻線の動きを弱めないのを保証するように結合を行うべきである。例えば、接着剤の不連続のコーティングが、巻き弦の振動を妨げることなく巻線に対しカバーをしっかりと取り付ける。
本発明の弦の性能は、延伸膨張PTFEのカバーの外側に、例えばフッ素化エチレンプロピレン(FEP)ポリマーのような材料の追加の層を適用することにより更に向上させることができる。この追加の層は、カバー層のそれ自身へのより良好な付着、そして摩耗と汚染とに対する向上した耐性を含めて、多数の重要な利益をもたらすものと信じられる。その上、そのような材料の外層はそのような層のないカバーを用いる以上に弦の音質を現実に向上させることができることが分かった。先に説明したフェンダー社の弦の厚いポリマーのカバーとは違って、本発明の弦のカバーは主要部をなす弦から一つの連続品でもっと取り除くことができず、また損傷あるいは切り裂きにより取り除かれた場合に弦へ戻すことができない。
汚染に対する耐性と向上した弦の寿命とは本発明の重要な利益ではあるが、それと同時に指の快適さ又は「演奏性」が胸をおどらせる利点である。本発明の弦は、カバーのない従来の弦よりもはるかに使用するのに快適である。このことから、演奏家はより少ない疲労でより長く演奏できることになる。更に、PTFEもしくはFEP、あるいはこれらの材料の複合体といったような、フルオロポリマーのカバーは極めて滑らかでよく滑るので、本発明の弦は指を動かす際に「きしり音」をはるかにたてにくい。これは、不所望の雑音を発生させずに、より速くて疲れの少ない運指技術を可能にする。これはまた、初心の演奏者がギターを学習し熟達するのをより容易にするものと信じられる。
このカバーを楽器の弦の一部分にだけ取り付けると、弦の長さにまたがり質量の不均衡が生じる(すなわち弦の一つの区画の質量が弦のもう一つの区画の質量と異なるものになる)。その結果は、演奏の際にわずかだがはっきりしたイントネーションの変化が認められるということである。この問題は、本発明の弦にあって、弦の長さに沿って下の(すなわち「基礎となる」又は「主要部をなす」)弦の質量を調整することにより矯正される。「基礎となる」又は「主要部をなす」という用語をこの明細書で使用するときには、カバーをかける前の本発明の先駆体の弦を指そうとするものである。主要部をなす弦のうちのポリマーのカバーを施される部分の相対質量を減少させることにより、弦の全長に沿って正確なイントネーションを維持できることが示された。弦の質量は、弦に付加されるカバーの質量を補償するのに十分なだけ調整する必要があるだけである。弦の質量のそのような変更は、被覆しようとする領域に沿って弦を研削するか他の方法で弦の直径を低下させること、被覆しようとする領域に沿って弦の巻線を切り離すこと、及び/又は被覆しないでおかれる部分に沿って弦に追加の質量を付加することを含めて、任意の適当な手段により行うことができる。
図面の説明
本発明の作用は、添付の図面に関連して検討すれば以下の記載から明らかになるはずであり、それらの図面において、
図1は本発明の弦を有するギターの半横向きの斜視図であり、
図2は本発明の弦の一つの態様の、部分的に外側を切り取った、半横向きの等角図であり、
図3は詳細に説明するためカバーを拡大して示した、図2の3−3線に沿っての拡大横断面図であり、
図4は図2と3の弦のカバーの一部分の拡大長手方向断面図であり、
図5は本発明の弦の第二の態様のカバーの一部分の拡大長手方向断面図であり、
図6は本発明の弦の第三の態様のカバーの一部分の拡大長手方向断面図であり、
図7は本発明の弦の第四の態様の拡大長手方向断面図であり、
図8は本発明の弦の第五の態様の拡大長手方向断面図であり、
図9は巻き弦のカバーとしてコーティングを備えた、本発明の弦のなおもう一つの態様の拡大長手方向断面図であり、
図10は巻き弦のカバーとしてコーティングのもう一つの態様を備えた、本発明の弦の更にもう一つの態様の拡大長手方向断面図であり、
図11は楽器用のストレート弦上の本発明のカバーの拡大長手方向断面図であり、
図12は楽器用のストレート弦上の本発明のカバーのもう一つの態様の拡大長手方向断面図であり、
図13は巻き弦の個々の巻線のおのおのの周りにカバーを備えた、本発明の弦のもう一つの態様の拡大長手方向断面図であり、
図14は、本発明の弦の、この場合には三つの反対方向向きの層の巻きつけを使用するもう一つの態様の、部分的に外側を切り取った、半横向きの等角図であり、
図15は本発明の弦を試験するのに使用した音響評価装置の概要説明図であり、
図16は部分的なカバーと可変質量の主要部をなす弦とを有する本発明の弦の拡大長手方向断面図であり、
図17は完全なカバーを有し主要部をなす弦の質量がこのカバーの長さに沿って低下している本発明の弦の拡大長手方向断面図であり、
図18は部分的なカバーと、このカバーの下の、主要部をなす弦の質量を減らすため主要部をなす弦の巻線を変更した、本発明の弦の拡大長手方向断面図であり、
図19は質量がその長さに沿って変動する未被覆の弦の拡大長手方向断面図であり、
図20は部分的なカバーを有し、主要部をなす弦のカバーのない部分に追加の弦質量を付加した、本発明の弦の拡大長手方向断面図であり、
図21は部分的なカバーを有し、主要部をなす弦のカバーのない部分に追加の弦質量を付加したもう一つの態様の、本発明の弦の拡大長手方向断面図であり、
図22は、弦の一部分が弦のうちのつまびきされるその部分だけカバーを施さずにおかれる、本発明のカバー付きの弦の更にもう一つの態様の等角図であり、
図23は部分的なカバーを有し、主要部をなす弦のカバーのない部分に追加の弦質量を付加したなおもう一つの態様の、本発明の弦の拡大長手方向断面図であり、
図24は部分的なカバーを有し、主要部をなす弦のカバー付きの部分から弦質量を控除するもう一つの態様の、本発明の弦の拡大長手方向断面図であり、
図25は部分的なカバーを有し主要部をなす弦のカバー付きの部分で弦質量を低下させた本発明の弦の拡大長手方向断面図であり、
図26は二つの角度の巻きつけの構成を持つ本発明の弦の拡大斜視図である。
発明の詳しい説明
本発明は、弦を使用する様々な楽器とともに使用するための改良された弦である。本発明の弦は、多くの様々なタイプの楽器、例えばギター、ダブルベース、ピアノ、バイオリン、チェロ等で、とは言えこれらに限定されない楽器で使用することができると考えられる。
図1は、通常の6弦ギター10、すなわち本発明の弦を使用することから利益を得ることができるような一つの楽器を図示している。通常の全てのギターは、「フレット」又は「指板」12を含み、それを横切って複数の弦14a、14b、14c、16a、16b及び16cが張られ、そして様々な音を出すため弦がそれに押しつけられる。典型的な6弦ギターには、3本の相対的に「高」音用の弦14a、14b、14cと、3本の相対的に「低」音(又は「ベース」)用の弦16a、16b、16cが含まれる。高音用の弦14は一般に、ストレート(真っ直ぐ)の「巻かれていない」材料、例えば「ガット」、金属、又はポリマーの如きものから作られる。弦の長さを増加させずあるいはその太さを過度に増加させずに有意に低い音を得るために、低音用の弦16は一般に巻き弦の構成を使用する。
代表的な巻き弦16(例えばギターベースの弦)の形態を、図2と3に図示した本発明の弦18の内部に見ることができる。図示のように、巻き弦16は、例えば真っ直ぐのゲージメタル、ガット又はポリマーといったような、芯20と、この芯20の周りに繰り返し巻かれた巻線22(例えば金属又はポリマー)とを使用する。巻線22は、張力とその端部でそれを固定することとにより芯の周りの所定の位置に保持される。
従来の巻き弦16をしばらく演奏すると、それはどうやら弦の「汚染」のために、その音質を喪失する傾向があると信じられる。巻き弦16の適正な音質は、演奏中における巻線22の個々の外被(巻きつけ材)24a、24b、24c等の間の動きを許容していることに依存しているものと信じられる。ごみ、油、汗、酸化等の形での汚染は、巻線22内に捉えられて、個々の外被24の制限された動きの原因になりがちである。これは、楽器の指板の領域では手が弦に絶えず触れることから、楽器の指板についての特別の問題である。その結果として、比較的短時間の演奏後に、巻き弦は音質が低下しはじめる。その場合、音質を気にする真剣な演奏家は、適正な音を維持するため巻き弦を定期的に取り外して交換し又は清浄にすることをしばしば必要とされる。
この問題に対処するため、本発明は、巻き弦16にカバー26を、その長さの少なくとも一部分に沿って巻きつける。本発明のカバー26は、弦の巻線22に手で触れる際に汚染しないようにするのに役立つ一方、個々の巻線24の動きを制限するという問題を回避するのに役立つ。
カバー26の形態は、本発明の実施において大変重要であると信じられる。巻き弦16には汚染を減らすため理論的には事実上任意の材料を巻きつけてよいとは言うものの、適切なカバーを選ぶのには多数の重要な検討事項がある。何らかのカバーでもって弦を包むについての真っ先の問題は、多くのカバー材料は弦の音を弱める傾向があるということである。この結果は、弦がカバーといくらか不一致に振動して当然ながら弦の振動の量と期間を減少させる場合に予期されるものである。弦に付着されていないカバー、例えばフェンダー・コーポレーションのベース用巻き弦で用いられているそれの如きものは、特に「精彩ない」音を生じさせることが示されている。ところが、弦にカバーを付着させて順応させると、巻線の個々の外被24間の動きを制限するのに貢献しかねない。これはまた、汚染がするのとほとんど同じようにして、音を冴えなくすると予期されることもある。
いずれの弦カバーについてももう一つの問題は、カバーは使用中にかなりの摩耗と摩滅とに耐えることができなくてはならないということである。カバーを下にある弦に付着させると使用中におけるカバーと弦との間での摩滅を減らすことができるとは言え、そのような付着は、上記のように弦の振動も制限しかねない。
本発明は、弦の生き生きした音を弱めるのを最小限にして弦の汚染の問題を解決する。これは、弦の少なくとも一部分に、演奏中に巻線の外被(wrap)の動きを可能にするのに十分なだけ変形可能であるポリマーのカバーを巻くことによって達成される。好ましくは、カバーは、カバーを巻線に少なくとも部分的に付着させる場合にも外被24の比較的自由な動きを可能にするのに十分変形可能である材料から製作される。更に、カバーは弦の演奏によって生じる摩滅に耐えるのに十分耐久性であることが重要である。
この明細書で「変形可能」という用語を使用するときには、カバー材料が楽器の弦にかけられる通常の圧力と応力の下でその形状を変える任意の過程(プロセス)又は状態を包含しようとするものである。本発明で使用する変形可能なカバーは、弦の長手方向の軸線に沿って弦の巻線が通常の動きをするのを可能にする一方、カバーが圧力又は応力の除去によりもとの形状に戻りやすいように少なくともいくらかの回復性(すなわち弾性)を含むことが、特に好ましい。本発明のカバーは、弦の音質を維持するように弦の長さに沿って十分に変形可能であるべきである。
本発明のカバーとして使用するのに好適な材料には次のものが含まれるが、好適な材料はそれらに限定はされない。それらの材料とは、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含め、特に多孔質延伸膨張PTFE(ePTFE)を含めたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化したエチレンプロピレン(FEP)、超高分子量ポリエチレンを含めたポリエチレン、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、及びポリアミドである。
本発明の好ましい弦カバーは、多孔質ポリマー材料、例えば一軸延伸膨張ポリテトラフルオロエチレンといったようなものを含む。この材料は、カバーされた弦について優れた音質を維持する特性とともに並外れた耐久性が証明されている。参照により全てが組み入れられる米国特許第3953566号、第3962153号、第4096227号、及び第4187390号各明細書に従って製造されたもののような、多孔質延伸膨張PTFEは、ポリマーのノードと相互接続するフィブリルとの多孔質の網状組織(ネットワーク)を含む。この材料は、デラウェア州NewarkのW.L. Gore & Associates, Inc.から様々な形態で商業的に入手できる。
延伸膨張PTFEは、上掲の特許明細書に記載されたようにしてPTFEを加熱しそして少なくとも一方向に伸長することにより急速に延伸膨張させると作られる。得られた延伸膨張PTFE材料は、延伸膨張の方向における並外れた強度、及び並外れて高い可撓性と順応性(conformability)を含めて、多数の望ましい特性を達成する。興味深いことに、延伸膨張PTFE材料は極めて強く、延伸膨張の方向において比較的非変形性であるのに、フィブリルのミクロ構造の配向した特性は、この材料を伸長の方向以外の方向では比較的変形性で容易にゆがめられるものにする。知られているように、延伸膨張PTFEの強度の大きさと変形性は、延伸膨張の手順を変更し、延伸膨張の方向と量を変えることで広い範囲の強度、多孔度、及び様々な方向における変形性を提供することにより、調節することができる。
この明細書で「延伸膨張PTFE」という用語を使用するときには、ポリマー材料の比較的大きなノードから延び出すフィブリルを有するわずかに延伸膨張した構造から、ノードの箇所で単に互いに交差するだけのフィブリルを有する極度に延伸膨張した構造に至るまでの範囲内を含め、ノードとフィブリルの構造を有するあらゆるPTFE材料を包含しようとするものである。構造のフィブリルの特性は顕微鏡検査で鑑識される。ノードはいくつかの構造については容易に鑑識できるとは言え、多くの極度に延伸膨張した構造はほとんどもっぱら、ノードがフィブリルの交差点としてのみ現れるフィブリルからなる。
たいていの巻き弦で使用するための好ましい延伸膨張PTFEは、多孔度が約50%より高いものである。
通常のギターで使用するためには、弦が一番多く手でさわられるフレットボードに沿ってのみ弦を被覆して差し支えない。弦をつまびく領域では弦を被覆しないでおくことにより、カバーは演奏の過程で加えられるピック、指の爪等による苛酷な摩耗にさらされないので、本発明の弦の寿命は長くなるものと信じられる。実際、そのような構成は、例えば弦を指だけで演奏する時のように、いくつかの条件下で有益であろう。
弦の長手方向の軸線に対し垂直により近い角度で弦の周囲にフィルムを巻くことにより、カバーの摩滅抵抗は向上するものと信じられる。ところが、逆に、この巻きつけの角度が垂直に接近するにつれて、弦の音質は悪影響を受けかねない。現時点では、弦のつまびき領域において垂直から約20〜30度それた巻きつけ角度が、耐久性を音質とバランスさせるのに好ましいものと信じられる。それとは別に、長手方向の軸線に対する垂直面から更に角度をつけて弦の周りにフィルムを巻くことで、弦の感触と順応性が向上する。弦のフレット領域において垂直面から約30〜60度それた巻きつけ角度が、順応性と音質とを最適にするのに好ましいものと信じられる。従って、同一の弦について異なる二つの巻きつけ角度(すなわちフレット領域に対しては第一の巻きつけ角度、そしてつまびき領域に対しては第二の巻きつけ角度)を組み合わせて弦の全体にカバーをかけることが好ましかろう。
同一の弦の二つの異なる部分で二つの異なる巻きつけ角度を使用する際の難点は、幅が一定である同じ長さのテープを二つの異なる巻きつけ角度について使用すると、垂直面に最も近い巻きつけ角度では弦のその領域においてテープの重なりがより多くなって、カバーの単位長さ当たりの質量がより大きくなることである。これは、巻きつけ角度が垂直面に最も近い部分について、テープの巻きつけごとに付加される質量がより少なくなるようにより細く及び/又はより薄い、別の長さのテープを使用することで避けることができる。あるいは、巻きつけ角度が弦の単位長さ当たりの質量で約2:1の比だけ異なる場合には、軽い方の被覆領域(巻きつけ角度が垂直面から一番遠い)で、一方向に弦への巻きつけを行いそして次に弦の末端に達してから反対方向へ二番目の層を逆戻りして巻きつけることによって、同じテープを二回巻きつけることができ、それにより弦のその部分におけるテープの質量は2倍となり、そして垂直面に最も近い巻きつけ角度の単位長さ当たりの質量と同じになる。
主要部をなす弦の巻線の方向とピッチに関連してのカバーの巻きつけの方向とピッチは、弦の摩滅、順応性、及び音質に影響を及ぼすことがあるということに注目すべきである。
本発明の弦を更に一層改良することができる多数の方法がある。第一に、本発明のカバーはら旋状の外被(図2に示したカバー26の外被の如きもの)の張力だけで適用してそれを弦にくっつけておいてもよいとは言うものの、カバーを弦に適用する前にカバーにくっつけた何らかの形態の接着剤、及び/又はカバー上のコーティングを用いて、カバーを弦に対して保持するのを助けるのが好ましいと信じられる。接着剤を選ぶに当たっては、カバーの下の適用された接着剤が弦の巻線を一緒に接着して弦の振動を制限するという望ましくない影響を及ぼすことがあることを記憶にとどめることが非常に重要である。
カバー26を巻線22にくっつける一つの方法は、接着剤の連続又は不連続のコーティングを使用することによるものである。図4に示されているように、ポリマー層30に接着剤コーティング28を適用することによって、巻線22内にしみ込むのに十分な接着剤を持ち込むことなく十分な接着剤を供給することができる。このようにして、接着剤は巻線間の正規の動きを妨げることがない。
本発明では多数のいろいろな接着剤を使用することができる。それらの接着剤は、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリオレフィン(例えばポリエチレン)、ポリウレタン等を含む部類から選ばれるがこれらに限定はされない、液体又は固体の形態の、熱可塑性、熱硬化性、又は反応硬化タイプであることができる。本発明で使用できる特定の接着剤には、ポリウレタン、FEP又はPFAが含まれる。好適な適用手段には、グラビア印刷、吹付け被覆、粉末被覆等が含まれる。
好ましいポリマーカバーは延伸膨張PTFEであり、好ましい接着剤コーティングはPTFEの結晶融点より低融点の熱可塑性材料である。Norton Performance Plasticsより入手できるFEP #NP-20FGのような熱可塑性材料が最も好ましい。
コーティングした多孔質延伸膨張PTFEフィルムは、
a)通常厚さが約0.025mm(0.001")の膜又はフィルムの形をした多孔質PTFE基材の片面を、好ましくは厚さ約0.012mm(0.0005")から0.05mm(0.002")までのFEPのフィルム、あるいは別の熱可塑性ポリマーのフィルムである、別の層と接触させる工程、
b)工程a)で得られた構成物を熱可塑性ポリマーの融点より高い温度まで加熱する工程、
c)工程b)の加熱した構成物を、熱可塑性ポリマーの融点より高い温度を維持しながら約4:1の比で伸長する工程、
d)工程c)の製造物を冷却する工程、及び
e)フィルムを切りさいて所望の適用幅にする工程、
を含む方法により作ることができる。
FEPのほかに、熱可塑性フルオロポリマーを含めた他の熱可塑性ポリマーをこの被覆したフィルムを作るのに使用してもよい。多孔質延伸膨張PTFEフィルム上の接着剤コーティングは、伸長の量と速度、伸長の際の温度、及び伸長前の接着剤の厚さに主として依存して、連続(すなわち多孔質PTFEの表面の気孔の実質的に全てを被覆してカバーを本質的に非多孔質にする)でもよく、あるいは不連続(すなわち表面のうちの一部を未被覆のままにして、被覆フィルムを通してカバーのある程度の多孔性を保持する)でもよい。
本発明のカバーは、本発明の利益を維持しながら様々なやり方で適用することができる。上述のカバーの好ましいら旋状の巻きつけのほかに、カバーは長手方向に(「タバコ巻き」式に)巻きつけてもよく、あるいは弦を取り巻く連続でシームレスのチューブとして巻きつけてもよい。被覆する処理のタイプにかかわらず、カバーは弦の長手方向の軸線で変形可能のままであることが重要と信じられる。また、複数の層を適用してもよい。
本発明のカバーは多数のいろいろな構造により形成してよいことを認識すべきである。図5は、外側コーティング34、第一のポリマー層36、第二のポリマー層40、そして第一のポリマー層36に接着した連続又は不連続の接着剤層42を使用するカバー26を図示している。この構造は、より厚くてより耐久性のカバー26を提供する。その上、複数のポリマー層36、40を設けることにより、カバーの変形特性と強度特性を更に最大限に生かすことができる。
それぞれが長手方向に伸長されている延伸膨張PTFEの層であってこれらの延伸膨張PTFE層のおのおのを互いに異なる角度で巻きつけた、延伸膨張PTFEの少なくとも二つのポリマー層を設けることが最も好ましい。これは、弦の長手方向の軸線の反対側の端からそれぞれ測定されるおおよそ等しいけれども逆のピッチ角(すなわち第一の巻きつけと第二の巻きつけのピッチ角は弦の反対側の端から測定される)で楽器の弦を覆って適用される二つの引き続くら旋状の巻きつけによりなされる。この構造は、弦の長さに沿って良好な変形能を保ちながら優れた強度と耐久性をもたらすと信じられる。
本発明のなおもう一つの態様を図6に示す。この場合には、カバー26は、巻線22を覆う、外側コーティング34、第一のポリマー層36及び第二のポリマー層40を含む。ポリマー層36は何らかの種類の接着剤で巻線22に取り付けてもよいとは言うものの、ポリマーカバー層36と40のしっかりとした巻きつけは外側コーティング34によって適切になされるもの信じられる。
本発明の更に別の例を図7に示す。この態様では、巻線22に、重なる端部を有しそれにより連続のカバーを形成する巻きつけたポリマー層30の形をしたカバー26を施す。このポリマー層は、重なった端部を一緒に熱的に結合させるため随意に加熱してもよい。カバー26は、その外側を向いた面に接着剤コーティング、例えばFEPポリマーのコーティングの如きもの、を含んでもよくあるいは含まなくてもよい。この接着剤コーティングは、外被を一緒に接着するのに役立ち、またカバーが摩耗や汚染しないようにする追加の保護層も提供する。
本発明のなおもう一つの態様を図8に示す。この態様では、連続のシームレスポリマーカバー52内で巻線22を保護する。好ましい連続のシームレスカバーは、ポリマー材料のスリーブ(延伸膨張PTFE、FEP、PFA等の薄い、押出し成形したスリーブの如きもの)を含む。スリーブカバー52は所定の位置で接着してもよいとは言え、巻線22の周囲で熱又は張力により縮ませることができるPTFE又はこのほかの収縮可能な材料のスリーブを施すことが望ましかろう。やはり、カバー52は巻線の比較的自由な動きを可能にするようその長手方向の軸線に沿って十分変形可能であるべきであると信じられる。
本発明の弦が汚染しないようにするほかに、本発明のカバーが弦をより演奏しやすくすることも確認された。このカバーは弦をいくらか緩衝し、そして通常の弦を演奏家の指での摩擦から保護する層を提供する。その結果、順応性をなくさずにより少ない疲れでより長時間演奏するのがはるかに容易な弦となる。
本発明の弦のもう一つの重要な利点は、演奏時にそれらがみまわれる不所望の雑音がかなり少ないことである。通常の巻き弦がそれらの長さに沿って素早く指で演奏されるときに時折起きる聞き慣れた「きしり音」を、本発明の弦を使って弱め又はなくすことができることが示された。従って、本発明の弦は不所望の雑音なしに且つずっと少なくなった疲労で、指でのより速くてより容易な演奏技術を可能にするはずである。弦の音質を低下させずにギター又は他の楽器の弦の無関係の「きしり音」をなくすことは、本発明の最も重要な利益の一つになり得るものと信じられる。
本発明の有益な結果の一部は、接着したポリマーコーティングのみをカバーとして用いることにより実現できるということに注目すべきである。この用途にとって好適なポリマーには、PTFE分散液、ポリウレタン、FEP、PFAその他同様のものを含めることができる。PTFE分散液は、弦に塗布し次いで所定の位置で焼成することができる。ポリウレタン、FEP、PFA等のようなポリマーは弦に付着し、そしてそれらは接着剤として利用しあるいは接着力又は耐久性を向上させるため更に加工することができる。
図9と10は、巻き弦に適用されたそのようなコーティングの二つの態様を図示している。図9は、コーティング54がら旋状に隣接したシーム22なしに隣合う巻線にかかっている点でコーティング54が巻き弦の連続のカバーを提供している態様の拡大した長手方向断面を示している。あるいは、図10の拡大した長手方向断面により示されるように、コーティング55は、隣合う個々の巻線22間にかからないポリマーカバーを提供してもよい。この場合には、巻線間への汚染の浸透を制限するように各巻線22上の不連続のコーティング55がぴったりと隣合うのが好ましい。
ポリマーカバーはまた、ストレート(巻かれていない)弦用にも巻き弦用にも施すことができる。ストレート弦のそのようなカバーは、潤滑性を増しそして腐食から保護して、その結果より速くてより快適な演奏を可能にする。カバーは、所望される場合には弦の長さのうちの一部分のみに沿って施してもよい。例えば、カバーはギター弦のフレットボード部分に沿ってのみ施すことができる。
図11は、弦56の長さのうちの少なくとも一部分を覆う連続で且つシームレスのカバー58を備えたストレート弦56の拡大した長手方向断面を示している。カバー58は、例えば弦56を覆って取り付けた所定長さの熱収縮チューブといったような、連続でシームレスのチューブの形をとってもよく、あるいは弦56の表面に接着した先に説明したタイプのコーティングの形をとってもよい。図12の拡大長手方向断面により示されるように、ストレート弦56を覆うカバー58は、重なりあう端部を持ちそれにより連続のカバーを形成するよう弦56の周囲にら旋状に巻きつけられたポリマーフィルムの形をとることもできる。そのようなフィルムのカバーは、弦56の表面に接着してもよくしなくてもよい。この態様で使用するための適切なフィルムは、巻き弦用のカバーとして先に説明したタイプのものである。図13は、芯20へ巻きつける前の巻線22にカバー61を適用する本発明のなおもう一つの態様を図示している。このカバーもやはりコーティングの形態をしていることができる。
本発明を用いて体験することができる追加の利益の一つは、弦の向上した保存寿命である。楽器用の弦は、それらを取り付ける前でも保存中に品質が低下し始めることがよくある。これに関連する基本の問題は、最初の包装で保管されている間に巻弦も非巻き弦も両方とも攻撃する酸化であると信じられる。本発明のカバーは、弦を空気と湿気から密封してこの問題を軽減しあるいはなくすのに役立つことができる。本発明の範囲内において、それは最初の包装中の弦の長さ全体に沿ってカバーを提供し、そのような汚染の問題から更に保護するものと考えられる。この場合、弦は弦の全体をカバーして使用することができ、あるいは切り込み線を設けて、カバーの不所望の部分を弦を演奏する前に弦から取り除く(例えばはぎ取る)のを可能にすることができる。
以下に掲げる例は、本発明の範囲を限定しようとするのでなく、本発明をどのように実施しそして利用することができるかを説明する。
例1
この例は、直径が0.61mm(0.024インチ)、0.81mm(0.032インチ)及び1.067mm(0.042インチ)の購入したフェンダー社のギター用150SXLニッケル巻き弦から製作した。カバーは2種類のePTFEフィルムであって、1種類は片面にFEP接着剤の連続コーティングを備え、そして一つは片面にFEPの不連続コーティングを備えていた。両方の種類のePTFEフィルムとも、平均のフィブリル長さは約50ミクロン、嵩密度は約0.35g/ccであった。この平均のフィブリル長さは、ePTFEフィルムの表面の走査型電子顕微鏡写真から推定された。FEPの連続コーティングを備えたフィルムは厚さが0.025mm(0.001インチ)であった。FEPの不連続コーティングを備えたフィルムは厚さが0.015mm(0.0006インチ)であった。図14に示したように、外被の構成は、幅6.35mm(1/4インチ)の三つの複合フィルムテープ60a、60b、60cを各層を異なる方向に適用して互い違いになった層でもって配置したバイアス巻きであった。これらのテープは、弦の長手方向の軸線に対する垂直面からおよそ30°でおよそ50%重ねて巻きつけた。第一の層は連続のFEPコーティングをワイヤにむけたePTFEであり、第二の層は不連続のFEPコーティングをワイヤから離れた方へ向けたePTFEであり、第三の層は連続のFEPコーティングをワイヤから離れた方へ向けたePTFEであった。
弦を張力下に置いて、375℃に設定した対流炉で345℃に加熱した。弦の露出した金属表面に取り付けた熱電対で測定し表示器で監視して、弦の表面が345℃に達したなら弦を炉から取り出した。
例2
この例は、直径が1.067mm(0.042インチ)の購入したフェンダー社のギター用150SXLニッケル弦から製作した。カバーは、接着剤なしで厚さがおよそ0.010mm(0.0004インチ)のePTFEフィルムであった。このePTFEフィルムは、平均のフィブリル長さが約70ミクロン、嵩密度が0.30g/ccであった。テープと外被の構成は、二つの互い違いの層のみを反対方向に適用したことを除いて例1におけるバイアス巻きであった。この弦は例1において説明したように加熱した。
例3
この例は、直径が0.61mm(0.024インチ)と1.067mm(0.042インチ)の購入したERNIE BALLのニッケル巻きギター弦から製作した。これらの弦に、ニュージャージー州RaritanのZeus Industrial Products, Inc.からの連続長のTFE収縮チューブでカバーを施した。このカバーは、前の例におけるように熱電対と温度表示器で測定して、375℃に設定した炉内で327℃まで弦を加熱して弦の回りで収縮させた。カバーは次のとおりであった。
例4
この例は、直径0.81mm(0.032インチ)の購入したERNIE BALLのニッケル巻き弦から製作した。この弦に、例3におけるようにZEUSの1.17mm〜0.56mm(0.046インチ〜0.022インチ)のTFE収縮チューブでカバーを施した。収縮チューブを加熱してワイヤに順応させる前に、弦を試験しそして性能を記録した。
例5
この例は、購入した直径1.067mm(0.042インチ)のフェンダー社のギター用150SXLニッケル巻き弦から製作した。この弦に、3M社のスコッチ35番のビニルプラスチック絶縁テープ(ミネソタ州Hutchinsonの3M社より入手可能)を接着剤を巻線に当ててら旋状にテープ巻きした(1層且つ1方向)。テープは、6.35mm(1/4インチ)幅に切って、ほかの例におけるように適用した。加熱は行わなかった。
例6
この例は、購入した直径1.067mm(0.042インチ)のフェンダー社のギター用150SXLニッケル巻き弦から製作した。この弦を、厚さがおよそ0.015mm(0.006インチ)の多孔質の超高分子量ポリエチレンでカバーした。このプロセスは、ほかの例におけるようにら旋状にテープを巻きつけることを必要とした。フィルムは、1層でもっておよそ50%の重なりで1方向に適用した。次に、弦を200℃に設定した対流炉内で加熱して、ほかの例におけるように熱電対と表示器で測定してワイヤ弦が175℃に達したら取り出した。
例7
縁を隣合わせたポリアミドの巻き材料(ナイロンの平坦テープ)を有するフェンダー社により供給される直径2.33mm(0.092インチ)の購入したフェンダーベースギター弦#2200を使って、一連の試料弦を作った。テープは、幅がおよそ0.97mm(0.038インチ)、厚さがおよそ0.33mm(0.013インチ)であった。
比較試験を行うために、同じ弦を使って四つの試験試料を製作した。これらの試料は次のように構成された。
試料1: 商用パッケージで受け入れたままのフェンダー弦。
試料2: 試料1のフェンダー弦のナイロンカバーをはぎ取り、裸の金属ワイヤ巻き弦として試験した。これは、この例のほかのフェンダー社の試料をこれと対比して試験する対照の弦であった。
試料3: 試料2の弦を例1で使用した2種類のePTFEフィルムで被覆した。次のとおり、互い違いの方向の合計して4つの層を弦に適用した。
層1: FEPの連続コーティングを備え、FEPをワイヤの方へ向けたePTFEフィルム。
層2: FEPの不連続コーティングを備え、FEPをワイヤから離れた方へ向けたePTFEフィルム。
層3: FEPの不連続コーティングを備え、FEP側を最初の二つの層の方へ向けたePTFEフィルム。
層4: 連続のFEPコーティングを備え、FEPをワイヤから離れた方へ向けたePTFEフィルム。
カバーした弦は例1で説明したように加熱した。
試料4: 前の三つの試料で使用した弦をやはり使用したが、前の試料で説明したePTFEフィルムの2層を次のとおり追加した。
層5: 連続のFEPコーティングを備え、FEPをワイヤの方へ向けたePTFEフィルム。
層6: 連続のFEPコーティングを備え、FEPをワイヤから離れた方へ向けたePTFEフィルム。
この弦はやはり例1で説明したように加熱した。
例8
この例は、直径1.35mm(0.053インチ)の購入したD'ADDARIOのギター用巻き弦パートナンバーJ-16 Phosphorous Bronze Lightから製作した。この例の目的は、弦の二つの異なる区画において二つの異なる巻きつけ角度を使用して単位長さ当たりの質量が一定のカバー付きの弦を構成することであった。
このプロセスは、例1におけるようにFEPの連続コーティングを備えたフィルムでテープ巻きすることを必要とした。カバーのためには幅1/8インチのテープを選んだ。FEPで被覆した側を弦の巻線の方に向けた。テープ巻きは、弦の一方の端からおよそ40cmの箇所(フレット区画)で、弦の長手方向の軸線に対する垂直面からおよそ58°の角度で開始した。テープ巻きの順序には、弦の方の端まで回転当たり6.68mm(0.263インチ)の巻きつけを行い、58°の角度を反対方向に逆転させ、巻きつけを出発点まで戻し、巻きつけ角度を弦の長手方向の軸線に対する垂直面から25°に変更して、弦の残りの未被覆区画(つまびき用の区画)に回転当たり1.98mm(0.078インチ)で巻きつけを行うことが含まれていた。こうして完成した弦には、弦のフレット領域における反対方向の58°の巻きつけ角度で適用されたフィルムの二つのら旋状の巻きつけと、弦のつまびき領域における25°の巻きつけ角度で適用された単一のら旋状の巻きつけとがあった。25°の巻きつけは、その前の58°での巻きつけの約2倍ほどの重なりを生じさせた。カバーした弦はほかの例におけるように対流炉で加熱しなかった。
弦の区画の質量を測定するため、弦を2本の25cmの長さに切断した(一つは25°の巻きつけであり、そして一つは58°の巻きつけである)。最初に、弦の区画をグラムスケール(±0.004gまで校正)で秤量し、続いてPTFEカバーを除去した。次に、個々の構成要素を同じスケールで別々に秤量し、値を記録した。
カバーした弦:
フレット区画=2.671g
つまびき区画=2.676g
カバーのみ:
フレット区画=0.094g
つまびき区画=0.090g
巻き弦のみ:
フレット区画=2.576g
つまびき区画=2.585g
上記の例は、テープ巻きの巻きつけ角度と供給速度とを調節することにより、弦の各区画において最適の材料特性を達成するよう単位長さ当たりの質量が一定の楽器弦を製作できることを証明している。
例9
本発明の弦が演奏につきまとう不所望の雑音をそれほどたてやすくないことを証明するため、音響試験を行った。直径2.66mm(0.105インチ)のGHS Progressive電気ベース弦に、例1におけるようにFEPの連続コーティングを備えたPTFEカバーをかけた。カバーは、FEPをコーティングした側を巻き弦へ向けて適用した。フィルムテープは、およそ50%重ねて、弦の長手方向の軸線に対する垂直面からおよそ30°の角度で巻きつけた。フレット区画(弦の長さのおよそ60%)のみを2層でカバーし、各層は同じ方向に適用した。弦は例1におけるようにやはり加熱した。
音響試験を行うために、Columbia Research Laboratories, Inc.製の音量計SPL-103を使って、弦の被覆区画と未被覆区画において弦の長手方向の軸線に沿ってセルロイドピック引きずらせてだした音を監視した。試験の一貫性を確保するため、弦の表面へピックにより87gの力を適用しそして弦の長手方向の軸線に対して平行にピックを横向きに移動させるため163gの力を適用する備品を製作した。
Aスケールと90dB範囲に設定した計器による重みつきの応答の組について、四つの試料の試験についての平均の値は未被覆の区画についてはおよそ2dB、被覆した区画についてはおよそ−6dBであった。
例10
この例は、例8と同じタイプの弦から製作した。構成は、幅1/4インチのフィルムテープを使用し例1におけるように加熱したことを除き、やはり例8と同じであった。この例の目的は、本発明のカバーの変形可能な特性を証明することであった
弦のカバーを評価するため、およそ50mm×2.5mmのカバー材料の断片を弦のフレット区画から取り除いた。これは、長手方向の軸線に沿って弦を研削し(フレット領域の弦の片側で)、そしてカバーの触れられていない部分(研削の反対側)を弦の巻線から剥がして行われた。
キャリパーで測定して試料の38.1mm(1.5インチ)の部分に印をつけた。次に、試料を締めつけ用の止血鉗子を用いて各端で把持し、約6%伸びるまで長手方向に手でゆっくり引っ張り、そして弛緩させた。およそ5秒後に、試料をもう一度測定して、その初めの長さと同じ長さであることを確かめた。
例11
この例は、Martinのミディアムアコースティックギター弦を使って行った。目的は、弦を張った楽器を演奏するのにつきまとう不所望のきしる雑音をそれほど示さない本発明の弦の更に別の証拠を提供することであった。この特性の主観的な例を提供するため、プロの演奏家が録音しながら歌を演奏した。最初に、演奏家は、購入したままのMartinのミディアムアコースティックギター弦を取り付けたEPIPHONE #PR350CEアコースティックギターで歌を演奏した。二番目に、演奏家は、例9で説明したカバーと同じカバーを備えた同じMartinの弦を取り付けた同じギターで再び歌を演奏した。この例については、巻き弦の全長にカバーを施した。
その結果得られたオーディオ録音を調べると、本発明の弦は演奏している間にそれほどきしり雑音(すなわち弦に沿って移動する演奏家の指の無関係の雑音)を示さないことが証明される。
試験
上記の例1〜6からのギター弦と相当するカバーなしの対照の弦を、PEAVY PREDATOR電気ギターに個々に取り付けて試験した。例7の弦は、フェンダーのジャズ電気ベースギターに取り付けて試験した。各ギターのピックアップは、ENVOY 110アンプを使って増幅した。次に、アンプの出力ジャックにHP 35670Aダイナミックシグナルアナライザーをつないで、信号出力をモニターし且つ捕捉した。バネ押し式の機械的アームを持つ備品を使用して、試験した各弦の振れ(deflection)を一致させた。
例1〜6の対照弦は、製造者から購入したままの弦であって、それらを同じ種類と寸法の本発明のカバー付きの弦と比較した。表1の比較データは、いろいろな倍音について対照の弦と相当する本発明のカバー付きの弦により発生された音の大きさの違いを対比して、基本倍音での両方の弦からの等しい大きさの信号を基にして(すなわち、基本周波数での(対照の弦と本発明の弦の)振幅を差がゼロになるまで調整した)、記載している。後続の倍音の値は、倍音の範囲内で実際の大きさの差を反映するよう計算された。例えば、被覆した弦の基本周波数の強度が−59dBであり対照弦の基本周波数の強度が−62dBである場合には、調整は−3dBである。後続の倍音における差を得るためには、被覆した弦の各倍音についての記録された値に−3dBの調整を加える。被覆した弦対対照の弦の差は、こうして弦をかき鳴らしあるいはつまびくことによるいずれのばらつきもなくす。表1のデータは、dB差が2dBより大きかった場合のものだけが示されている。正の値は相当する対照の弦についてよりもカバー付きの本発明の弦について振幅がより大きいことを示し、一方、負の値は反対の結果を示している。例のタイプは、表1の番号をつけた各列の始めに記載されている。
同じ比較を、2秒間のうちの最後(8番目)の1/4秒間の比較を追加して、例7で説明したフェンダーベースギター弦#2200で行った。これらの追加のデータを表2で説明する。この最後の1/4秒は、ベースの音は演奏中持続させることが一般に所望されるので、ベースギターにとって特に重要であると信じられる。フェンダーの対照は例7の試料2であった。
音響波の倍音の中味とスペクトル形状の分析は複雑な問題である。通常のオシロスコープは時間領域(time domain)で信号を表示し、そしてそれは振幅又は強度を時間の関数として表現する。時間の任意の瞬間での振幅は、存在している全ての倍音の全ての振幅の重なりの結果である。結果として生じる波形は複雑な、時間により変化する信号である。ダイナミックシグナルアナライザー(DSA)を使用すると、記録された信号の情報の中味を高速フーリエ変換(FFT)を利用して時間領域から周波数領域(frequency domain)へと変換することができる。その結果得られた表示は、各周波数での振幅又は強度を表し、信号をその成分に効果的に分解する。この分析のためには、Hewlett-Packardのモデル35670A DSAのシリアルナンバー3340-A00485を使用した。この分析器は基本的にディジタルサンプリングの記憶式オシロスコープであって、信号によりFFTの働きをしてCRTに結果を表示し又は後の処理での分析のためにフロッピーディスクに結果を保存する組込みのマイクロプロセッサとソフトウェアを備えている。
電気ギター本体に、弦の振動を直接感知する電気ギターピックアップを装備した。バネで作動される機械的なアームを備えた備品をギターに取り付けた。変動し得る雑音効果を減らすために、通常のプラスチックギターピックに代えてPINK PEARLブランドの消しゴムを用いた。分析装置を図15に模式的に示す。
音の測定を行うには、試験を受ける弦をギター本体に取り付け、SABINE ST-1100オートチューナーを使って正しいピッチに合わせ、そして試験備品に取り付けたPINK PEARLの消しゴムで一度振れさせた。DSAを最初の2秒の信号を捕捉するように設定した。信号の発生からこの分析器の時間の計測が始まるようにした。ピッチの一番高い弦(基本周波数146.83HzのD弦)について10番目を越える有意の倍音は試験した弦のいずれにも存在しないので、分析器のバンド幅は1,600Hzに設定した。この結果、おのおのが1/4秒の長さの八つのブロックのデータがブロック当たり1024の個々のサンプルとともに記録された。保存信号について、結果として4Hzの周波数分解能でFFTを行った。
2秒の計測時間についての記録を、DSA用のネイティブデータフォーマットであるHP SDFフォーマットのデータファイルとして保存した。得られた八つのブロックのうちの一番目と最後のブロックについてのFFTのトレースも保存した。HPにより供給されたプログラムの「ビューデータ(Viewdata)」を利用して、保存された各FFTトレースを調べた。各倍音における信号のピークの振幅とその対応する周波数とを記録し、プロット目的でマイクロソフト社の「エクセル(EXCEL)」のスプレッドシートプログラムへ入力した。各カバーつきの弦についてのデータをカバーなしの対応する対照弦と、基本周波数において等しい振幅の信号を使用しそして次により高い各倍音でのカバーつきの弦と対照の弦との差を取って比較した。最初の1/4秒は、たいていのギター音楽がかなり速いテンポで演奏されるので、分析にとって最も適切であると信じられる。また、ベースギター弦は、それらは通常音をより長く持続させて演奏されるので、最後の8番目の1/4秒のブロックでやはり分析された。この試験から、次に掲げる主観的な結論が引き出された。
・A弦とE弦では、3巻きのePTFEが均一により大きな強度のより高い倍音をもたらし、D弦では一部の倍音が増強される一方でそのほかは弱められた。
・E弦では、接着剤なしに適用されたePTFEとTFEの収縮チューブがより高い倍音において強度が大まかに言ってより大きかった。ビニル絶縁テープも多孔質UHMWPEも一部の倍音が増強され、一部が弱められた。
・A弦にゆるく適用した熱収縮TFEチューブを利用すると、倍音の量が減少することになる。ところが、E弦とD弦について例3におけるように収縮させると、大抵の周波数にまたがって倍音の強度がより大きくなる。
・フェンダーベースのA弦では、ベースの音は演奏中持続させる傾向があるので、意味のある比較は試験した最後の時間の枠でのものと信じられる。データを8番目の1/4秒のブロックで集めた。そしてこの8番目のブロックでの比較が重要である。フェンダーベースグター弦の変形不能なナイロンテープの巻き材料は、全ての倍音について倍音量を減衰させた。ePTFEのカバーはほぼ全ての周波数について倍音の強度を増大させた。
カバーの存在することは、振動する巻き弦の振動の倍音の中味を変える。カバーが接着剤を用いた又は用いないePTFEである場合、結果として得られた弦は、同じピッチに合わせたカバーなしの弦と比較するとより高い倍音又は上音においてより多くのエネルギーで振動する。倍音強度のはっきりした増大が認められた一方で、一部の特定の周波数は一部の構成について対照のそれら未満に弱められた。
ほぼ3kHzで感度が最高になる人間の聴覚は、このようにこれらの一般に低いピッチの弦の高い方の倍音に対して特に敏感である。より高い倍音のより大きな強度の主観的な解釈は、たとえ1以上の特定のより高い周波数がカバーなしの対照の弦と比べるとわずかに弱められることがあるとしても、本発明の弦については音が「より冴えており」又は「より豊かである」ように思えるということである。
本発明のカバーされた弦の全ての事例において、演奏家達はカバーなしの通常の弦を用いると遭遇するよりも弦を指で演奏する際の摩擦がより少ないことを体験した。これは、より長時間にわたりはるかに多くの快適な演奏を可能にした。本発明の弦を何週間かにわたり長いこと演奏して、演奏家の演奏する手にできるたこが現実に減る(恐らくは本発明の弦を用いた場合のすりむけが減少することから)ことが認められた。
本発明の弦を演奏することからカバーなしの通常の弦と比べると無関係の雑音(「きしり音」)が事実上なくなるという、もう一つの重要な改良点が認められた。これは、音を変更する際の「きしり音」なしのより速い指使いの技術、より多くの快適さを可能にし、そしてポジションを変えるときに指は弦から完全に離れる必要がないのでより少ない演奏の疲れを可能にした。
弦の音を増大させ又は弱める度合いはいろいろな種類の弦でいろいろな種類のカバーを用いると変動することが認められたので、音質を調和及び一致させるために一組の弦において異なる弦のタイプについて異なるポリマーカバーを用いることが有益であろう。
実験
本発明の弦の最初の試験から、部分的にカバーした弦はそれらの長さに沿って演奏した場合に、特により高い方のフレット、例えば9番目や12番目のフレットで演奏した場合に、わずかに不正確なイントネーションを示すことが明らかになった。演奏される全ての音についての適正なイントネーションのためには、弦の単位長さ当たりの均一な質量が必要であろうと理論化される。
この理論を試験するために、三つの弦の状態の特性を表3に記載したようにまとめた。オハイオ州AkronのS.I.T.製の、直径が0.046インチ(1.17mm)の一連の「E」線ブロンズ巻きギター弦を、音の測定用に選んだ。各試料で新しい弦を使用した。全ての弦をGIBSONのEPIPHONEアコースティックギターに個別に取り付け、基本音の「E」に合わせた。手で演奏したいろいろな音を日本のコーグ(KORG)社製のKORGモデルDTR-1 TONE WORKSチューナーでモニターした。マイナスの値(セント)は音程が下がった(フラットの)音を、そしてプラスの値は音程の上がった(シャープの)音を表している。
試料A:
試験した最初の「E」弦はパッケージで受け入れたまま変更しなかった。
試料B:
グラムスケールを使用して、第二の「E」弦の重量を測定すると7.20gであった。次いで、片面にFEPの連続コーティングを有するePTFEフィルムでこの弦にカバーを施した。このePTFEのフィブリルの長さは約50ミクロンであり、嵩密度は約0.35g/ccであった。このフィルムは、FEPを塗布した面をワイヤに向け、そして弦の長手方向の軸線に対する垂直面からおよそ30°でおよそ50%重ねて、テープを巻くようにして適用した。二つの層を同じ方向に適用した。フレットボードを直接覆う弦の部分のみにカバーをつけた(弦の長さのおよそ60%)。弦を張力下に置いて、375℃に設定した対流炉でもって345℃まで加熱した。露出した金属弦の表面に取り付けた熱電対により測定しそして表示器で監視して弦の表面が345℃に達したなら、弦を炉から取り出した。冷却後、弦を再び秤量して、7.46gと測定された。従ってカバーの重量は0.26gであった。試験は上記のとおりに行った。
試料C:
第三の「E」弦を選択し、試料Bにおけるように秤量した。この弦は試料Bと全く同様で、7.29gの重量であった。重量が0.26gのカバーをこの試料のためにやはり使用した。金属の巻弦の質量を、フレットボードの直ぐ上の領域において研磨サンダー処理して減少させた(弦の長さのおよそ60%にわたって0.26g)。次に、質量を減少させた領域を試料BにおけるePTFEカバーで被覆した。加熱も試料Bにおけるのと同じであった。試験を上記のように行った。値は表3で報告される。
試料Cの改造弦を図16に図示する。弦64は、芯20と巻線22とを含む、下にある主要部をなす弦65、そしてこの主要部をなす弦65の一部分の上にのみ取り付けたカバー26を含む。理解されるように、巻線22はカバーなしの区画66に沿っては完全な直径であり、カバー区画68に沿っては直径がわずかに低下している。主要部をなす弦65の直径は、そぎ取り、研削、酸処理等によるのを含めて、任意の適当なやり方により低下させることができる。この例では、カバー区画68に沿っての巻線22の質量は研磨サンダー処理により減少させた。
表3は、これらの三つの試料の弦間のイントネーションの変化を説明するものである。試料Aの通常の弦では、7番目のフレットまで正しい音が証明されたが、9番目のフレットではわずかに下がった音に、そして12番目のフレットではもっと下がった音になった。試料Bの被覆した弦では、7番目のフレットでわずかに上がった音を示し始め、9番目と12番目のフレットではっきりと上がった音を示した。対照してみるに、試料Cの改良した弦は、9番目のフレットまで正しいイントネーションであることを証明し、12番目のフレットで音がわずかに下がっただけであった。理解されるように、本発明の改良弦では、フレットボードの全体にまたがり通常の未被覆の弦よりも正しいイントネーションであることが実際に証明された。
この試験に基づいて、正確なイントネーションのためには、ギター弦の単位長さ当たりの質量が均一であることが望ましかろう。下記で述べるように、この条件は、その長さの一部分だけにカバーを有する弦について、ギター用の巻き弦の巻きつけピッチを可変にすること、すなわちカバーのある領域では個々の巻きつけの間隔を更にあけること、研削又は他の方法によりカバーの所期の領域の巻線の質量を減らすこと、及び/又はカバーのない区画に沿って弦の質量を増加させることによるのを含めて、多数のオプションにより達成することができる。
本発明のもう一つの態様を図17に示す。この場合には、弦64はその全長に沿って直径を減少させた主要部をなす弦65を含む。これはやはり、弦の巻線22の一部分を研削し、そぎ取り、又は別の方法で取り除くことによりなされる。この場合、主要部をなす弦65はその全長に沿ってカバー26で被覆される。
カバーの質量に備えて調整するため主要部をなす弦65の一部分を取り除くほかに、同様の機能の結果を達成するのに多数のほかのオプションがある。図18は、カバーを施した区画68に沿って巻線22を意図的に切り離した本発明の弦64を図示している。この切り離しは、個々の巻きつけ材24の間に間隙70を残し、それに応じてその領域の弦の質量を減少させる。これは、下にある最初の弦65を製作する際に果たすことができ、あるいは弦の作製に続いて巻線22を作り変えることで行うことができる。どちらの場合にも、巻線22の切り離しは、カバーのある区画68に沿って下にある弦の質量の減少がカバー26により付加される追加の質量におおよそ等しくなるようなものであるべきである。
図19は、図16の部分的にカバーを施した弦のための先駆体の弦72を図示している。その長さに沿って質量が可変である、カバーのないこの弦にも、多数の独自の用途があろうと考えられる。例えば、質量の低下した弦の区画74はより平坦な輪郭をもたらし、これは通常の巻き弦よりも演奏するのが快適であろう。
本発明に対するなおもう一つのアプローチを図20に示す。この弦64は通常の主要部をなす弦65を使用する。とは言え、弦に沿って質量を等しくするために、弦の未被覆の区画に均等コーティング76を適用する。ここでも、この追加のコーティングは、質量がカバー26の質量におおよそひとしくなるべきである。均等コーティング76は、任意の適当な材料、例えば接着剤(例としてFEP、PFA等)、金属めっき、金属又はプラスチック等の更に別の巻き材料、追加の材料のスリーブ等の如きもの、を含むことができる。コーティング76の目的はカバー26の質量を補償することにより弦に沿っての質量を等しくすることであるから、このコーティングは、それをカバーのない区画66に沿って楽器をつまびくのにより適したものにすることができる向上した耐摩耗性またはその他の性質を持つことが望ましかろう。これに関して特に好ましいのは、金属めっきといったような均等コーティング76であろう。均等コーティング76は弦の巻線22間の動きを減少させないようにして適用すべきであるということを認識すべきである。
図21は、本発明の弦64の構成に対する更にもう一つのアプローチを示している。この場合には、カバーのない区画66に沿って巻線22の下に追加の材料を配置する。この追加の材料、例えば細いゲージワイヤ等の如きものは、カバーのある区画68に沿ってのカバー26の質量におおよそ等しい質量を提供する。
弦の全長を被覆すると摩耗の多い領域のカバーがいくぶん見苦しく寸断されることがあり、また弦の長さの一部分にカバーを施すだけだとイントネーションが不正確になることがある、ということが認められた。図22は、本発明の改良された弦80を製作することへの更にもう一つのアプローチを示している。この場合には、弦80は、使用中の弦で多くの摩耗が生じる領域(例えば、ギターではこれは弦が演奏中に指で触れられあるいはつまびきされる8〜10cmの区画であろう)におおよそ対応する短いカバーなしの区画84を残して、不連続のカバー82a、82bを有する。このカバーなしの区画は、不正確なイントネーションを最小限にするためできるだけ短くすべきである。
不連続のカバー82a、82bは、下の弦の周りにカバー82を不連続に巻きつけることにより、あるいは製作後に弦からカバーを除去することによるのを含めて、任意の適切な方法により適用することができる。その上、1以上の切り込み線86又は他の手段をカバーに設けて、カバーの各部分をカバーの摩耗が生じる前又は生じた後に演奏家が所望の箇所で素早く且つ容易に取り除くのを可能にすることができる。
図23ほ、弦のカバーつきの部分におけるカバー26の質量を補償するため弦のカバーのない部分にだけ設けられる巻線22の外面の周囲の小さなゲージワイヤの追加の巻線90を主要部をなす弦65に備えつける、本発明の別の態様の拡大断面を図示している。
図24は、ストレートの巻かれていない主要部をなす弦20(すなわち外側の巻線のない弦)がカバーのない部分94に沿ってよりもカバーのある部分92に沿ってより小さな直径を持ち且つその結果として質量がより軽くなるようにされるなおもう一つの別態様を図示している。その長さの一部分のみにカバーを持ちそしてカバーの質量を合計の質量に含める場合において単位長さ当たりの質量が同じになるように製作されているそのような非巻き弦は、先に説明した利点の多くを有すると期待される。
弦の質量を均等にするなおもう一つの方法を図25に示す。この場合には、弦の長さのうちのカバーのある部分92に、カバーのない部分94の巻線98よりも直径が小さく且つ質量が少ない巻線96を備える。このような構成は、ほかの方法で、例えばめっき、研削等のような手段により、前駆体の弦の質量を変更する必要を不要にする。二つの異なる部分に巻線を施すため図25に示した弦は直径を異にする二つの別々のワイヤを使用して製作することが予想されるとは言え、その長さのそれぞれ第一の部分と第二の部分に沿って直径を異にする単一の連続する所定長さのワイヤを使用することが可能であろう。
図26は、本発明の改良された弦99を製作することに対するなおもう一つのアプローチを図示している。この場合には、カバー100を同じ弦の二つの別個の部分に二つの別個の巻きつけ角度を使用する巻きつけ材101A及び101Bの形で適用する。
上記の説明から認識されるはずであるが、本発明の部分的なカバーにより供給される追加の質量を補償するように、本発明の弦を主要部をなす弦の単位長さ当たりの質量を変えることができるように変更することができる多くの方法がある。そのような主要部をなす弦の単位長さ当たりの質量が可変である前述の態様は、本発明をどのように実施することができるかのいくつかの例として役立つはずであるが、本発明はこれらの例だけに限定しようというものではない。それゆえに、本発明は、弦の別個の区画に沿って単位長さ当たりの質量が可変であるどのような弦(すなわち弦の一つに区画に沿って単位長さ当たりに一つの質量を有し、そして弦のもう一つの区画に沿って単位長さ当たりに別の質量を有する弦)も包含するものと考えられる。
ここでは本発明の特定の態様を例示して説明してはいるが、本発明はそのような例示と説明に限定されるべきではない。請求の範囲の記載の範囲内で変更や改変を本発明の一部として取り入れて体現してもよいことは明らかなはずである。
Claims (10)
- 単位長さ当たりの質量がその長さ方向に沿って異なる1本の主要部をなす弦と、この主要部をなす弦の一部分を覆うカバーとを含み、当該主要部をなす弦と当該カバーとの組み合わせが当該弦の長さ方向に沿って単位長さ当たりの質量がおおよそ等しい楽器用の弦を提供する、楽器用の弦。
- 前記主要部をなす弦が被覆された区画と未被覆の区画とを有し、当該主要部をなす弦のこの未被覆の区画は被覆する以前の上記の被覆された区画よりも単位長さ当たりの質量が大きい、請求項1記載の楽器用の弦。
- 前記被覆された区画が、その質量を減らすため主要部をなす弦の長さに沿って一部分を取り除かれた主要部をなす弦を含む、請求項2記載の楽器用の弦。
- 前記未被覆の区画が、その質量を増すためそれに付加された追加の材料を有する主要部をなす弦を含む、請求項2記載の楽器用の弦。
- 前記主要部をなす弦がその長さに沿って巻線を含み、前記主要部をなす弦の前記被覆された区画が、その質量を減らすため前記主要部をなす弦の前記未被覆の区画よりも広く間隔をあけた巻線を有する、請求項2記載の楽器用の弦。
- 単位長さ当たりの質量がその長さ方向に沿って異なる、楽器用の弦であって、当該弦の少なくとも一部分を覆うカバーを含み、前記カバーが、その全長に沿っておおよそ等しい単位長さ当たりの質量を有する弦を作るよう当該弦のうちの質量を減らした部分を被覆している、楽器用の弦。
- 前記カバーがフルオロポリマーを含むことにより、当該弦を演奏するときの無関係の雑音を回避する、請求項1記載の楽器用の弦。
- 当該弦が長手方向の軸線を有し、前記カバーが、フルオロポリマーを含み、かつ、当該弦がその音質を保持するよう当該弦の当該長手方向の軸線に対して平行に変形可能であって、このカバーが当該弦を演奏するときに当該弦を無関係の雑音をたてないように保護する、請求項1記載の楽器用の弦。
- 主要部をなす所定の長さの弦と、この主要部をなす弦の一部分を覆うカバーであって当該弦の音を弱めることなしに当該弦が汚染しないよう保護するカバーとを含み、該カバーは長手方向では相対的に変形不能でありそして横断方向では相対的に変形可能であるフルオロポリマーを含み、このカバーと主要部をなす弦とが組み合わさって当該主要部をなす弦の長さに沿って単位長さ当たりの質量をおおよそ一致させ、そして当該カバーが当該弦を演奏するときに無関係の雑音をたてないように保護する、楽器用の弦。
- 所定の長さを有するギター弦であって、主要部をなす弦と、この主要部をなす弦を覆うカバーとを含み、当該主要部をなす弦と当該カバーとが組み合わさって当該ギター弦の全長にわたり単位長さ当たりの質量をおおよそ均一にしていて、ギターに装着したときに少なくとも第9番目のフレットまで正しいイントネーションを生じさせるギター弦。
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