JP3979838B2 - 既設管更生工法用耐震継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、既設管更生工法用耐震継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
老朽管の更生手段として、老朽管路を鞘管とし、その管内に新規管を推進工法で順次挿入し敷設する既設管更生工法が知られている。
【0003】
このような更生管路における管継手として、たとえば受口の内周にロックリングを装着するとともに、挿口の外周に一定の軸方向巾を有する周方向の係合溝を形成し、この係合溝にロックリングを位置させるようにしたものがある。
【0004】
このような構成であると、係合溝の受口開口側内壁にロックリングが当たる位置まで挿口の入り込みが可能であるとともに、受口奥側の内壁にロックリングが係り合うまで受口からの挿口の抜け出しが可能となり、係合溝の軸方向巾の範囲の伸縮しろができ、耐震性能が付与される。
【0005】
ところで、上記耐震継手において挿口突部とロックリングの係り合いによる脱け出し防止力は一定以上のものが必要であり、例えば、一般的には管の直径をDmmとすると、2.9DkN(0.3Dt)以上の離脱防止力が要求される。
【0006】
この場合、図5に示すような耐震継手10を使用すると受口1開口端の強度が不足し、十分な耐震性が得られないおそれがあった。
即ち、図5に示した耐震継手10は、例えば、ダクタイル鋳鉄管等の金属管11内面にライニング層11aを設けてなる一方の管11の受口1の開口端内面にロックリング収納溝2を設け、このロックリング収納溝2内に開き勝手のC字状の一つ割りリングとされたロックリング3を収納し、次いで、他方の管11の挿口5であって、外面に周方向の係合溝6を形成した挿口5を挿入し、軸方向の巾Sを有する係合溝6にロックリング3が対応するまで挿口5を挿入した後受口1外面よりセットボルト8を締付けてロックリング3を縮径させ、係合溝6に係り合うようにすることによって脱け出し防止を図るようにされたものであるが、この耐震継手10において、ロックリング収納溝2にロックリング3を収納した状態で挿口5を挿入できるようにするには、収納溝2の深さdを深くして、ロックリング3が拡径できるようにする必要があり、このようにするとロックリング収納溝2部分の管の肉厚tが局部的に薄くなって特に曲げ強度が低下し、大地震時などにロックリング3から加わる強大な力に屈してこの部分に大きな曲げ応力が発生し、受口開口端が例えば図5に点線で誇張して示すようにラッパ状に変形し、ロックリング3との係合性が低下して離脱防止力が低下する可能性があった。
【0007】
なお、図5において4はシール用ゴム輪を示し、受口1内面の収納溝1aに配置され、収納溝1aに形成した突起1bにシール用ゴム輪4の凹部4aを嵌合させることにより挿口5の挿入時に受口1奥方へ押し込まれてしまわないように保持されている。
【0008】
上記のような問題点を解決するため、図6に示すように受口1内面に形成されるロックリング収納溝2の深さdを、前記ロックリング3を収納した時にその内径rが挿口外径Rよりも小さくなり得るように浅く成形し、ロックリング収納部の肉厚を厚くして強度を増すことが考えられている。
【0009】
ところが、このようにすると、ロックリング収納溝2の深さが浅いのでロックリング3を嵌め込んだ状態では挿口5の外径Rがロックリング3の内径rより大きいため挿入が不可能となる。
【0010】
そこで、前記受口1外側面より前記ロックリング収納溝2に連通する貫通孔7を前記受口1の接線方向に沿って貫設し、ロックリング3のない状態で挿口5を受口1に挿入後、受口1の外側面から前記貫通孔7を通じ前記挿口5の係合溝6に向かい合ったロックリング収納溝2にロックリング構成部材3を挿入可能とし、ここから挿入したロックリング構成部材3を最終的にセットボルト8…で締め付けるようにし、3DkN(0.3Dtf、D:呼び径)の離脱防止力を発揮し得るようにした既設管更生工法用耐震継手が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところがロックリングは、通常、鋼製とされているのでロックリング収納溝2に沿わせて挿入していくのに強大な力を要し、例えば、油圧装置などを用いたロックリング挿入装置が必要となり、管接続作業が面倒となる問題があった。
【0012】
そこで本発明は、このような問題点を解決して、既設管を更生する場合に離脱防止力を低下させることなく、できるだけ大径の管を推進可能とする場合、ロックリングのない状態で挿口を挿入した受口内に、抜け出し防止用のロックリングを、大掛かりな装置を用いることなく容易に収納することを課題としてなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の既設管更生工法用耐震継手は、一方の管の端部に形成された受口の内部に他方の管の端部に形成された挿口を挿入して接続する管であって、前記受口内面に形成したロックリング収納溝に収納したロックリングを、前記挿口外面に形成された係合溝に係合させて脱け出し防止を図った耐震継手において、前記ロックリング収納溝に収納されるロックリングが、周方向に連続することにより環状体を形成できる複数の分割片からなるようにされ、前記受口の開口端からロックリングの収納溝まで前記分割片を、挿口管外周に周方向に沿わせた姿勢で軸方向に挿通できる切り欠き部が受口内面部分に形成され、前記受口内部に前記挿口を挿入したあと、前記切り欠き部を通じて前記ロックリングの分割片を前記ロックリング収納溝まで挿入し、次いで周方向へ移動することにより、ロックリング収納溝に沿って全周にわたり前記ロックリングを挿入できるようにされてなるものである。
【0014】
従って、この発明の既設管更生工法用耐震継手によれば、受口内面のロックリング収納溝が浅くされていても、受口にロックリングのない状態で接続後、受口端面の切り欠き部から順次複数に分割されたロックリングの分割片を挿入し、周方向へ移動させていけば良く、大掛かりな挿入装置を用いることなく管接続後にロックリングを挿入していくことができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の既設管更生工法用耐震継手の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の実施の形態の既設管更生工法用耐震継手の側面図である。
【0016】
図1において、管11はダクタイル金属管を示し、内面にライニング層11aが形成され、この管11の一端が挿口5とされ、他の管11の他端に形成された受口1に挿入される。
【0017】
また、挿口5の外面にロックリング3係合用の係合溝6が形成されている。このロックリング係合溝6は、軸方向巾Sを有して形成され、この巾の軸方向移動が許容されている。
【0018】
さらに、係合溝6より奥側の挿口5外面と受口1内面との間には、シール用ゴム輪4が収納されている。このシール用ゴム輪4は受口1内面に形成されたゴム輪収納溝1aに収納され、ゴム輪収納溝1aの係合突起1bにシール用ゴム輪4外周面の係合溝4aを係合させることにより、挿口5の挿入時、挿口5と共に受口奥方へ押込まれないように保持されている。
【0019】
図2は、上記収納溝2に収納されるロックリング3の正面図を示し、周方向に複数に分割されている。
図示例の場合はロックリング3を周方向に8等分した場合を示し、各分割片31の周方向端面は互いに嵌合する係合段部32とされている。
【0020】
そして、受口1の端面1cから受口内面のロックリング収納溝2に至る受口1内面及び挿口5外面にロックリングの分割片31を周方向に沿わせた姿勢で挿通していくことの出来る切り欠き14、15が設けられている。
【0021】
この切り欠き14,15は図3、図4に明示されているように、受口内面側切り欠き14と挿口外面側切り欠き15の両者が対向することにより出来る空間が、ロックリングの分割片31を受容できる径方向厚さと周方向長さとなるようにされている。
【0022】
受口1の開口端側の内面に形成されたロックリング収納用溝2の深さd及び巾は、図5に示した従来の受口内面に形成されたものより深さが浅くされ、その浅い分受口の強度が強くなるようにされている。
【0023】
即ち、挿口5が地震時の地盤の変動等によって脱け出そうとした時にロックリング3が挿口5の係合溝6に係合し、ロックリング収納溝2に軸方向脱け出し力が作用したとき、受口端面1cが曲げ応力によって例えばラッパ状に拡径してしまわないよう、曲げ強度が発揮されるようにされている。
【0024】
また、受口外周には、ロックリング収納溝に沿ってセットボルト8用のねじ孔が設けられている。
なお、このセットボルト8用のねじ孔は、図示例の場合は、8個の分割片31…に対し一つ置きとなる4箇所に設けた場合を示したが、一個の分割片に対し一個のセットボルト8用のねじ孔を設けるようにしても良い。
【0025】
次に、この耐震継手の接続について説明する。
受口1内面のゴム輪収納溝4aにシール用ゴム輪4を設置した後、必要に応じて滑材(図示せず)を塗布して挿口5を、挿口外面の切り欠き15が受口内面の切り欠き14に対応するように挿入し、挿口外面の係合溝6が受口1内面のロックリング収納溝2位置に対応するまで挿入する。
【0026】
そして、ロックリングの分割片31…を、挿口外周に周方向へ沿わせた姿勢にして設置し、その姿勢で切り欠き14、15で形成される空間に挿入し、奥端に位置するロックリング収納溝2位置まで押しこみ、次いで周方向にすべり移動させることを繰り返して、ロックリング収納溝全周にわたって分割片31を収納していく。
【0027】
また、ロックリングを形成する分割片31の周方向端部には互いに係合できる係合段部が形成されているので、ロックリング同士の係合状態も安定し、受口1外周から締めつけられるセットボルト8の締付け力によって、ロックリング分割片31…はロックリング収納溝2周囲に沿って固定され、離脱防止を行う。
【0028】
この時、管継手の状態は図1に示した状態となっているが、大地震などにより大きな地盤の変動があり、挿口5に脱け出し力が作用して、係合溝6の奥端壁6bがロックリング3と係合すると、ロックリング収納溝2内壁にも脱け出し力が伝達され、受口1開口端1c側へ向け強大な力が加わる。
【0029】
しかし、ロックリング収納溝2部分の肉厚は、厚肉とされているので曲げ強度が強く、受口開口部に変形を生じさせることがない。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の既設管更生工法用耐震継手によれば、ロックリングは周方向に分割された分割片を受口開口端から挿入し、ロックリング収納溝内で円周に沿って接続していくので、従来のように長いロックリングを強制的に挿入していく手間が完全に省け、管接続作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の耐震継手の要部拡大断面図である。
【図2】この発明の実施の形態の耐震継手のロックリングの正面図である。
【図3】この発明の実施の形態の耐震継手の接合状態を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態の耐震継手の接合状態を示す要部断面図である。
【図5】従来例の要部破断側面図である。
【図6】他の従来例の要部破断側面図である。
【符号の説明】
1 受口
1c 受口端面
2 ロックリング収納溝
3 ロックリング
4 シール用ゴム輪
5 挿口
6 軸方向巾を有する係合溝
8 セットボルト
11 管
14 受口内面側切り欠き
15 挿口外面側切り欠き
Claims (1)
- 一方の管の端部に形成された受口の内部に他方の管の端部に形成された挿口を挿入して接続する管であって、前記受口内面に形成したロックリング収納溝に収納したロックリングを、前記挿口外面に形成された係合溝に係合させて脱け出し防止を図った耐震継手において、前記ロックリング収納溝に収納されるロックリングが、周方向に連続することにより環状体を形成できる複数の分割片からなるようにされ、前記受口の開口端からロックリングの収納溝まで前記分割片を、挿口管外周に周方向に沿わせた姿勢で軸方向に挿通できる切り欠き部が受口内面部分に形成され、前記受口内部に前記挿口を挿入したあと、前記切り欠き部を通じて前記ロックリングの分割片を前記ロックリング収納溝まで挿入し、次いで周方向へ移動することにより、ロックリング収納溝に沿って全周にわたり前記ロックリングを挿入できるようにされてなる既設管更生工法用耐震継手。
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