JP3979823B2 - 巻線機器および巻線機器を用いた高電圧パルス発生装置並びに高電圧パルス発生装置を備えた放電励起ガスレーザ装置 - Google Patents

巻線機器および巻線機器を用いた高電圧パルス発生装置並びに高電圧パルス発生装置を備えた放電励起ガスレーザ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻線機器および巻線機器を用いた高電圧パルス発生装置並びに高電圧パルス発生装置を備えた放電励起ガスレーザ装置に関し、特に本発明は、4kHz以上の高繰返し周波数条件においても、コアの発熱による劣化といった問題を回避することができる巻線機器および該巻線機器を用いた高電圧パルス発生装置並びに放電励起ガスレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められており、半導体露光用光源として、従来の水銀ランプから波長248nmのKrFエキシマレーザ装置が用いられている。さらに、次世代の半導体露光用光源として、波長193nmのArFエキシマレーザ装置及び波長157nmのフッ素分子(F2 )レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が有力である。
KrFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、クリプトン(Kr)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、アルゴン(Ar)ガス及びバツファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、フッ素(F2 )レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(He)の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数百kPaで封入されたレーザチェンバの内部で放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
レーザチェンバ内部には、レーザガスを励起するための一対の主放電電極が、レーザ発振方向に垂直な方向に所定の距離だけ離間して対向配置されている。この一対の主放電電極には高電圧パルスが印加され、主放電電極間にかかる電圧がある値(ブレークダウン電圧) に到達すると、主放電電極間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起される。よって、このような露光用ガスレーザ装置は主放電の繰り返しによるパルス発振を行い、放出するレーザ光はパルス光となる。現状、露光に用いられているレーザ装置のレーザパルスの繰返し周波数は2kHz程度であるが、近年、スループットの増大、露光量のバラツキの減少のため、繰返し周波数4kHz以上が要請されている。
【0003】
上記露光用ガスレーザ装置において、上記したようにレーザチェンバ内で放電を発生させレーザガスを励起させるために設けられる高電圧パルス発生回路の例を図15に示す。
図15の高電圧パルス発生回路は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1、SR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路からなる。磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイツチングロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれる。
第1の磁気スイッチSR2と第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
ここで、図15(a)は磁気圧縮回路に加え昇圧トランスTR1を含む回路、図15(b)は昇圧トランスを含まず、昇圧トランスTR1の代わりにコンデンサC0の充電用のリアクトルL1を含む例である。
【0004】
以下に図15(a)にしたがって、回路の構成と動作を説明する。なお、図15(b)の回路は昇圧トランスにより昇圧される動作が無いだけで、他の動作は図15(a)と同様なので、説明を省略する。
まず、高電圧電源CHの電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはオフになっている。主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがオンとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は、主に磁気スイッチSR1の両端にかかる。
磁気スイッチSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR1が飽和して磁気スイッチSR1が導通状態となり、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、昇圧トランスTR1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。
同時に、昇圧トランスTR1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。
【0005】
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチSR2が導通状態となり、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンテンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。
さらにこの後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチSR3が導通状態となり、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移行してピーキングコンデンサCpが充電される。予備電離のためのコロナ放電は、第1電極e1が挿人されている誘電体チューブTuと第2電極e2とが接触している個所を基点として誘電体チューブTuの外周面に発生するが、ピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその電圧Vpが上昇し、Vpが所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チューブTu表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって誘電体チューブTuの表面に紫外線が発生し、主放電電極E,E間のレーザ媒質であるレーザガスが予備電離される。
【0006】
ピーキングコンデンサCpの充電がさらに進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの電圧Vpが上昇し、この電圧Vpがある値(ブレークダウン電圧)Vbに達すると、主放電電極E,E間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。
この後、主放電によりピーキングコンデンサCpの電圧が急速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。このような放電動作が固体スイッチSWのスイッチチング動作によって繰り返し行われることにより、所定の繰り返し周波数でのパルスレーザ発振が行われる。
ここで、磁気スイッチSR2、SR3及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、主放置電極E,E間に短パルスの強い放電が実現される。
【0007】
磁気スイッチの構成例を図16に示す。図15に示した回路における磁気スイッチSR2, SR3のパルス幅を圧縮する性能(圧縮性能) は、磁気スイッチ飽和後のインダクタンスが小さいほど良くなることが知られている。
この構成例では、コンデンサ、コアの巻線を複数並列に設けており、コンデンサの寄生インダクタンス、磁気スイッチのコイルのインダクタンスを小さくして、上記磁気スイッチ飽和後のイングクタンスを小さくしている。
図16は例えば、磁気スイッチSR3を表している(SRn→SR3) 場合、コンデンサCn1 〜Cnn は、C21 〜C2n であり、C21 〜C2n を合成したものが図15(a)、図15(b)のC2である。このとき、コンデンサC21 〜C2n の一端はアース側に接続される。他端の一方は、磁気スイッチSR2を所定回数巻き回された後、C11 〜C1n (合成すると図15(a)、図15(b)のC1)の高圧側に接続され、他端の他方はSR3を所定回数巻き回された後、ピーキングコンデンサCp1 〜Cpn (合成すると図15(a)、図15(b)のCp) の高圧側に接続される。
ここで、各磁気スイッチやコンデンサは、冷却のため絶縁性冷媒、例えば、絶縁オイルによって満たされた不図示のタンクの中に設置される。絶縁性冷媒は自然対流やファン等を開いた強制対流によりコア表面上を流れ、その際に熱交換を行う。
【0008】
上記したように、露光に用いられているレーザ装置のレーザパルスの繰返し周波数は、4kHz以上が要請され始めている。そのため、磁気スイッチのコアでの発熱量が増加する。現状の繰返し周波数2kHzに対応したコアを用いる場合、コアの定格以上に発熱してしまう。
図16のコア1は磁性合金薄帯を芯材3に年輪状に巻き回したものである。この磁性合金薄帯は両面に絶縁物の薄膜(例: シリカ薄膜) が施されている。コアが定格以上に発熱すると、磁性合金薄帯とシリカ薄膜との熱膨張係数の違いからシリカ薄膜にクラックが生じる。クラックが生じるとそこから漏れ電流が多くなり、さらに発熱し、最終的には回路素子としての特性を失うことになる。
よって、高繰返し周波数対応するため、磁気スイッチのコアを、例えば、図17のように構成する。
図17(a)は図17(b)のB−B断面図、図17(b)は図17(a)のA−A断面図である。図17に示すものは、図16に示すコア1を薄板状に分割して、各薄板状コア1a〜1dがプレスボードやガラスエポキシ等の絶縁材料からなるスペーサ2によってそれぞれが一定距離だけ離間するように配置されている構造である。
このような構造をとることにより、絶縁性冷媒と接する面積が、図16の構造と比較して増大する。よって、コアの冷却効率が高くなるので、発熱量が増大する4kHz以上の高繰返し周波数にも対処することが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記構造により、4kHz以上の高繰返し周波数条件においても、コアの放熱量が定格以内となるように、薄板状コア1a〜1dを冷却することが可能となったものの、薄板状コア1a〜1dに接触しているスペーサ2により、コア表面における冷媒の流れが妨げられる部分が生じ、その部分での熱交換が不充分となる。
また、プレスボードやガラスエポキシ等の絶縁材料からなるスペーサ2自体が、接触する薄板状コア1a〜1dの発熱に上り劣化する。上記絶縁材料からなるスペーサ2は、温度100°C前後で劣化する。
さらに、スペーサ2が薄板状コア1a〜1dと接触している部分では、放熱が妨げられる。先に述べたように薄板状コア1a〜1dは両面に絶縁用のシリカ薄膜が施された磁性合金薄帯を芯材に年輸状に巻き回したものである。この構造だと熱伝導が良好ではなく、上記したスペーサと接触した部分は局所的に高熱となる。コアは温度120〜130°C前後で劣化する。
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、4kHz以上の高繰返し周波数条件においても、コアの発熱による劣化といった問題を回避することができる巻線機器および巻線機器を用いた高電圧パルス発生装置並びに高電圧パルス発生装置を備えた放電励起ガスレーザ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)磁性合金薄帯が環状の巻芯に巻き回されたコアが複数個、所定距離だけ離間して配置され、この複数個のコアからなる組立体に巻線が巻かれ、絶縁性の冷媒中で使用される巻線機器において、上記コアの巻芯間に支え部材を配置し、上記コアと上記支え部材が接触しないように、支え部材の外周の直径を該巻芯の外周の直径と略一致させ、上記複数個のコアを、上記支え部材により所定距離離間させるように支持し、各コアの外側面にボスを設け、該ボスをロッド又は支持部材を介して連結する。
上記のように、各コア間に支え部材をコアとは接触しないように配置して上記複数個のコアを所定距離離間させるように支持することにより、スペーサと接触した部分が局所的に高熱となることがなく、また、コア表面における冷媒の流れが妨げられる部分が生じず、冷媒とコア表面との熱交換が阻害されることが無い。このため、4kHz以上の高繰返し周波数条件においても、コアの発熱による劣化といった問題を回避することができる。 また支え部材自体がコアと接触していないので、コアが発熱しても支え部材が発熱することがなく、劣化を防止することができる。特に、支え部材を金属製とすれば、支え部材の劣化を防止することができる。
さらに、コアと接触している部材が無いので、コアにおいて放熱が妨げられる部分も存在しない。また、ボスをロッド又は支持部材により連結することにより、各コアの自重によるたわみ等を防止することができる。
(2)上記(1)において、上記巻芯と支え部材とを貫通する筒状部材を更に設け、この筒状部材により、複数個のコアを同軸状に位置決めする。
上記のように構成することにより、構造を簡単化し、製作コストを低減化することができる。
(3)上記(1)(2)において、支え部材に開口を設け、該開口を冷媒が通過可能に構成する。
上記開口を設けることにより、薄板状コア間に円滑に冷媒を流すことが可能となり、冷媒の流れの乱れをさらに小さくすることができる。このため、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることができる。
特に、コアが長円形であっても、上記開口を介して絶縁性冷媒を流すことができるので、上記支え部材により絶縁性冷媒の流れが乱されることがなく、絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることができる。
(4)上記(2)において、上記巻芯と支え部材との積層部分に開口が形成されるように上記支え部材に突出部を設け、上記筒状部材に開口を設け、該開口を冷媒が通過可能に構成する。
上記構成とすることにより、支え部材の構造を簡単化することができるとともに、冷媒が流れる開口部を大きくすることができるので、一層円滑に冷媒を流すことができる。
(5)上記(1)において、上記支え部材が巻芯の一部とのみ接触する構造とする。
上記構成とすることにより、(4)と同様、支え部材の構造を簡単化することができるとともに、冷媒が流れる開口部を大きくすることができる。
(6)磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路および昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生装置において、磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記(1)〜(5)の巻線機器を用いる。
(7)磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生装置の出力端に接続され、レーザチェンバ内に配置された一対の電極と、上記電極に並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する放電励起ガスレーザ装置において、上記磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記(1)〜(5)の巻線機器を用いる。
(8)上記(7)の放電励起ガスレーザ装置を、KrFエキシマレーザ装置、ArFエキシマレーザ装置、または、フッ素分子レーザ装置とする。
(9)上記(8)のKrFエキシマレーザ装置またはArFエキシマレーザ装置の繰り返し周波数を4kHz以上とし、上記フッ素分子レーザ装置の繰り返し周波数を2kHz以上とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について説明する。
以下の実施例では、前記図15に示した高電圧パルス発生回路における磁気圧縮回路もしくは昇圧トランス回路に使用される磁気スイッチSR1〜SR3もしくは昇圧トランスTR1のコアについて説明する。上記高電圧パルス発生回路は、前記したArFエキシマレーザ装置、KrFエキシマレーザ装置、フッ素分子レーザ装置に適用され、高電圧発生回路が発生する高繰り返し周波数を持つ高電圧パルスを、レーザチェンバ内に設けられた放電電極E,E間に印加して、レーザチェンバ内で放電を発生させレーザガスを励起させる。
上記繰り返し周波数は、ArFエキシマレーザ装置およびKrFエキシマレーザ装置においては4kHz以上、フッ素分子レーザ装置においては2kHz以上である。なお、フッ素分子レーザ装置は、投入エネルギーが大きいため、2kHz以上の繰り返し周波数でも発熱量が大きくなり、ArFエキシマレーザ装置およびKrFエキシマレーザ装置を4kHz以上の繰り返し周波数でレーザ発振させる場合と同様の冷却が必要となる。
【0012】
図1は本発明の第1の実施例を示す図であり、図1(a)は図1(b)のA−A’で切ったコア構造の断面図を示し、図1(b)は斜視図である。
図1において、1a〜1dはコアを薄板状に分割した薄板状コアであり、前記したように、両面に絶縁物の薄膜が施された磁性合金薄帯を芯材3に年輪状に巻回したものである。
4は円環状の支え部材であり、支え部材4は図1に示すように薄板状コア1a〜1d間に挿入され、薄板状コア1a〜1dを所定距離だけ離間させて保持する。支え部材4の外周の直径は、薄板状コア1a〜1dの芯材3の外周の直径と略一致し、薄板状コア1a〜1dとは接触しない。支え部材4は金属製であり、例えば、ステンレス(SUS310)鋼よりなる。
ここで、支え部材4はその外周より径が小さい円環状の突出部4aを上下面に有する。この支え部材4の上下面に設けた突出部4aと嵌め合うように、薄板状コア1a〜1dの芯材3の内輪側に突出した段差部3aが設けられている。支え部材4の突出部4aと、芯材3の段差部3aとにより、各薄板状コア1a〜1dが略同軸状となるように位置決めされる。
【0013】
なお、設計条件によって薄板状コア1a〜1dの厚みは変わるが、例えば、厚みが10mm以下だと薄板状コア1a〜1dの自重によるたわみが生じる。このような場合、自重によるたわみ等を防止するため、薄板状コア1a〜1dの外輪側の側面にボス5を数ヶ所設けてこれらのボス5にロッド6を貫通させ、ボス5とロッド6を止めねじ7で固定する。
【0014】
本実施例においては、上記のように薄板状コア1a〜1dを所定距離離間させて保持するに当たり、前記図17に示したように薄板状コア1a〜1dに対して放射線状に密着したスペーサではなく、芯材3にのみ密着した支え部材4で各薄板状コア1a〜1dを保持するので、支え部材4と薄板状コア1a〜1dとが接触しない。よって、薄板状コア1a〜1d表面における冷媒の流れが妨げられる部分が生じず、冷媒と薄板状コア1a〜1d表面との熱交換が阻害されることが無い。このため、4kHz以上の高繰返し周波数条件においても、コアの発熱による劣化といった問題を回避することができる。
また、支え部材4は金属製であり、また支え部材4自体が薄板状コア1a〜1dと接触していないので、薄板状コア1a〜1dの発熱による劣化がない。
さらに、薄板状コア1a〜1dと接触している部材が無いので、薄板状コア1a〜1dにおいて放熱が妨げられる部分も存在しない。
【0015】
図2は上記第1の実施例の変形例(1)を示す図であり、図2(a)はコア構造の断面図を示し、図2(b)は斜視図である。
同図に示すように、本変形例においては、第1の実施例で設けた薄板状コア1a〜1dの芯材3の内輪側に突出した段差部3aを設けず、支え部材4の上下面に設けた突出部4aのみで、各薄板状コア1a〜1dが略同軸状となるように位置決めされる。
本変形例においても、図1の実施例と同様、自重によるたわみ等を防止するため、薄板状コア1a〜1dの外輪側の側面にボス5を数ヶ所設けてこれらのボス5にロッド6を貫通させ、ボス5とロッド6を止めねじ7で固定するようにしてもよい。
本変形例によれば、薄板状コア1a〜1dの芯材3の内輪側に突出した段差部3aを設けずともよいので、図1の実施例の構造よりシンプルで、製作コストも低減される。
【0016】
図3は本発明の第1の実施例の変形例(2)を示す図である。図3(a)は図3(b)のA−A’で切ったコア構造の断面図を示し、図3(b)は斜視図である。
本変形例においては、支え部材4を円筒状に構成した。支え部材4の外周、内周の直径は、薄板状コア1a〜1dの芯材3の外周、内周の直径と略一致し、薄板状コア1a〜1dとは接触しない。支え部材4は金属製であり、例えば、ステンレス(SUS310)鋼よりなる。
また、本変形例においては、筒状部材8を新たに設ける。筒状部材8の外周の直径は、薄板状コア1a〜1dの芯材3、支え部材4の内周の直径以下であり、筒状部材8に薄板状コア1a〜1d、支え部材4を、薄板状コア1d、支え部材4、薄板状コア1c、支え部材4、……、薄板状コア1aの順に嵌めこむことにより、各薄板状コア1a〜1dと各支え部材4が略同軸状となるように位置決めされるとともに、各薄板状コア1a〜1d同士が所定距離離間されて保持される。
本変形例によれば、薄板状コア1a〜1dの芯材3の内輪側に突出した段差部3aを設けずともよく、さらに支え部材4に突出部4aを設けずともよいので、上記第1の実施例、変形例(1)の構造よりシンプルで、製作コストも低減される。
【0017】
図4は本発明の第2の実施例を示す図であり、本実施例は、前記第1の実施例の変形例(2)において、筒状部材8に開口部、支え部材4に開口を構成するための突出部を設けて、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させたものである。
図4(a)は本実施例のコア構造の断面図(図4(b)をA−A’断面方向から見た図)、図4(b)は斜視図である。
図4において、前記第1の実施例の変形例(2)と同様、支え部材4の外周、内周の直径は、薄板状コア1a〜1dの芯材3の外周、内周の直径と略一致し、薄板状コア1a〜1dとは接触しない。また、本実施例においては、支え部材4に軸方向の突起部4bが設けられ、該突起部4bにより、支え部材4の上側に配置される芯材3と、支え部材4との間に空間が形成される。
また、筒状部材8の外周の直径は、前記第1の実施例の変形例(2)と同様、薄板状コア1a〜1dの芯材3、支え部材4の内周の直径以下であり、前記したように、筒状部材8により、各薄板状コア1a〜1dと各支え部材4が略同軸状となるように位置決めされるとともに、各薄板状コア1a〜1d同士が所定距離離間されて保持される。
筒状部材8には開口部8aが設けられ、筒状部材8の上部と下部は柱状部8bにより連結されている。そして、上記開口部8aと前記芯材3と支え部材4との間に形成される空間を介して、絶縁性冷媒が流れる。
本実施例においては、上記のように、筒状部材8に開口部8aが設けられ、支え部材4と芯材との間に空間が形成されているので、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることができる。
【0018】
図5(a)に、前記第1の実施例における薄板状コア1a〜1d間に流れる冷媒の流れの概略を、図5(b)に本実施例における薄板状コア1a〜1d間を流れる冷媒の流れの概略を示す。
同図に示すように、第1の実施例においては、支え部材4には開口部が設けられていないので、支え部材4に衝突する冷媒は流れが乱れ、コア表面における熱交換が不均一となる。
これに対し、本実施例においては、支え部材4に薄板状コア1a〜1dが積まれる際、支え部材4の突出部4bにより、芯材3との間に開口部分が形成され、さらに筒状部材8にも開口部8aが存在するので、芯材の内側も冷媒が流れることが可能となり、開口部8aが設けられていない第1の実施例と比べると、冷媒の流れの乱れが少ない。このため、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることが可能となる。
また、本実施例によれば、薄板状コア1b〜1dの芯材3の内輪側に突出した段差部3aを設けずともよく、さらに支え部材4に突出部4aを設けずともよいので、前記第1の実施例の変形例(2)と同様、シンプルで、製作コストも低減される。なお、支え部材4の突出部4bと筒状部材8の柱状部8cとは隣接するように配置することが望ましい。
ここで、支え部材4に突出部4bを設ける代わりに、図6に示すように支え部材4に開口部4cを設けてもよい。
この場合には、筒状部材8の開口部8aと支え部材4の開口部4cとが対向するよう位置決めして、支え部材4と筒状部材8とを配置することが望ましい。
【0019】
ところで、露光用ガスレーザ装置の高電圧パルス発生回路においては、特に磁気パルス圧縮回路の最終段にあたるコンデンサC2−磁気スイッチSR3−ピーキングコンデンサCpの浮遊インダクタンスを小さくして、コンデンサC2からピーキングコンデンサCpに、エネルギー(電圧)が移行するスピードを速くする必要がある。
このため、最近では磁気スイッチSR3の形状を、長円形状(レーストラック形状) とすることが多くなってきた。磁気スイッチSR3のコアの形を長円形状とすることにより、上記浮遊インダクタンスを小さくして圧縮性能を向上することができる。
【0020】
図7は本発明の第3の実施例を示す図である。本実施例は、本発明を上記長円形のコアに適用した実施例を示しており、図7(a)は図7(b)のA−A’で切ったコア構造の断面図を示し、図7(b)は斜視図である。
本実施例は、前記図1に示した実施例を長円形のコアに適用し、支え部材に開口を設け、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させたものである。
図7において、11a〜11dは長円形のコアを薄板状に分割した薄板状コアであり、前記したように、両面に絶縁物の薄膜が施された磁性合金薄帯を芯材13に年輪状に巻回したものである。
14は長円形の支え部材であり、支え部材14は図7に示すように薄板状コア11a〜11d間に挿入され、薄板状コア11a〜11dを所定距離だけ離間させて保持する。支え部材14の外周の形状は、薄板状コア11a〜11dの芯材13の外周の形状と略一致し、薄板状コア11a〜11dとは接触しない。支え部材14は前記したように金属製である。
支え部材14は、前記したように、その外周より径が小さい長円形の突出部14aを上下面に有する。また、薄板状コア11a〜11dの芯材13の内輪側に突出した段差部13aが設けられ、支え部材14の突出部14aと、芯材13の段差部13aとにより、各薄板状コア11a〜11dが略同軸状となるように位置決めされる。
支え部材14には、開口部14cが設けられ、この開口部14cを介して絶縁性冷媒が流れる。これにより、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることができる。
本実施例においても、図1の実施例と同様、自重によるたわみ等を防止するため、薄板状コア11a〜11dの外輪側の側面にボス5を数ヶ所設けてこれらのボス5にロッド6を貫通させ、ボス5とロッド6を止めねじ7で固定するようにしてもよい。
【0021】
図8(a)は、上記開口部14cがないときの薄板状コア11a〜11dの間を流れる冷媒の流れの概略を示し、図8(b)は上記開口部14cを設けたときの薄板状コア11a〜11dの間を流れる冷媒の流れの概略を示す。
図8(a)に示すように支え部材4に開口部14cを設けない場合には、支え部材14に衝突する冷媒は流れが乱れ、コア表面における熱交換が不均一となる。特に長円形にコアの場合には、コアを効率的に冷却するため、通常、冷媒を同図に示すように長円形の長軸に直交する方向に流すこととなるので、支え部材4に衝突する冷媒の乱れが大きくなる。また、冷媒の流れ方向から見て支え部材14の陰になる部分の薄板状コア11a〜11b表面近傍の冷媒の流速は著しく低下する。
一方、図8(b)に示すように、支え部材に複数の開口部14cを設けることにより、開口部14cを冷媒が流れることが可能となり、図8(a)の場合と比べると、冷媒の流れの乱れが少ない。
よって、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることが可能となる。
なお、前記図1〜図4に示した円環状のコアにおいては、コアの内径部分に巻線が比較的に密に巻かれるので、上記のような開口部を設けても冷媒の流れが必ずしも円滑にならない。これに対し、長円形コアの場合、巻線は主に両側の円弧部分に巻かれ、開口部を設けた部分の内径部分に巻線が密に巻かれることはないので、上記開口部14cを設けることにより、冷媒を円滑に流すことが可能となり、コアを効率的に冷却することができる。
【0022】
なお、図示しないが、図2の実施例1の変形例と同様、コアの芯材の内輪側に突出した段差部を設けず、支え部材の上下面に設けた突出部のみで、各コアが略同軸状となるように位置決めしてもよい。このように構成すれば、コアの芯材の内輪側に突出した段差部を設けずともよいので、構造がシンプルで、製作コストも低減される。
【0023】
図9は本発明の第4の実施例を示す図であり、本実施例は、前記第2の実施例を長円形のコアに適用した実施例を示しており、図9(a)は図9(b)のA−A’で切ったコア構造の断面図を示し、図9(b)は斜視図を示している。
図9において、支え部材14の外周、内周は、前記第2の実施例と同様、薄板状コア11a〜11dの芯材13の外周、内周と略一致し、薄板状コア11a〜11dとは接触しない。
また、前記第2の実施例と同様、支え部材14に軸方向の突出部14bが設けられ、該突出部14bにより、支え部材14の上側に配置される芯材13と、支え部材14との間に空間が形成される。
また、前記したように、筒状部材18により、各薄板状コア11a〜11dと各支え部材4が略同軸状となるように位置決めされるとともに、各薄板状コア1a〜1d同士が所定距離離間されて保持される。
筒状部材18には開口18aが設けられており、前記芯材13と支え部材14との間に形成される空間、および、上記開口部18aを介して、絶縁性冷媒が流れる。
本実施例においても、図1の実施例と同様、自重によるたわみ等を防止するため、薄板状コア11a〜11dの外輪側の側面にボス5を数ヶ所設けてこれらのボス5にロッド6を貫通させ、ボス5とロッド6を止めねじ7で固定するようにしてもよい。
本実施例においては、筒状部材18に開口部8aが設けられ、支え部材4と芯材との間に空間が形成されているので、前記図8に示したように、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることができる。
また、本実施例においては、前記図7に示したように、支え部材14に突出部14aを設ける必要がないので、構造がシンプルで、製作コストも低減される。
【0024】
図10は本発明の第5の実施例を示す図であり、本実施例は、本発明を前記長円形のコアに適用した実施例を示しており、図10(a)は図10(b)のA−A’で切ったコア構造の断面図を示し、図10(b)は斜視図、図10(c)は支え部材の形状を示している。
図10に示す実施例は、支え部材を複数の円柱状部材から構成することにより、さらにコア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させたものであり、前記第2の実施例と同様、長円形のコアに適用するのに好適である。
図10において、11a〜11dは長円形のコアを薄板状に分割した薄板状コアであり、前記したように、両面に絶縁物の薄膜が施された磁性合金薄帯を芯材13に年輪状に巻回したものである。芯材13の内径側には前記したように、段差部13aが設けられている。
24a〜24dは円柱状の支え部材であり、各支え部材24a〜24dは、図10(c)の側面図、上面図に示すように、略円柱状の部材25のA,B部分を、上記芯材13の内径形状に合わせて切り欠き、薄板状コア11a〜11dを所定距離だけ離間させるための突出部26を形成したものである。
各支え部材24a〜24dは図10に示すように、薄板状コア11a〜11d間に挿入され、薄板状コア11a〜11dを所定距離だけ離間させて保持する。
支え部材24a〜24dは、例えば図10に示すように長円形の曲線部と直線部が接する部分の近傍の芯材13上の4個所に設けられ、各支え部材24a〜24dの上下端面は上記段差部13aに接触し、薄板状コア11a〜11dとは接触しないように設けられる。なお、支え部材24a〜24dは前記したように金属製(例えばステンレス鋼SUS310)である。
上記支え部材24a〜24dにより、各薄板状コア11a〜11dが略同軸状となるように位置決めされる。
【0025】
本実施例では、上記のように、複数の支え部材24a〜24dを設けているので、前記第2の実施例の場合より、各薄板状コア1a〜1dの間に、より円滑に冷媒を流すことが可能となり、冷媒の流れの乱れをさらに小さくすることができる。このため、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることが可能となる。
なお、高電圧がかかる条件では、芯材13に鋭角的な突出部あると、この突出部と巻線の間で絶縁破壊が起こる可能性がある。したがって、支え部材24a〜24dの形状は、図10に示すように円柱形状とするなど、巻線との間に放電が起こりにくい形状とするのが望ましい。
また、図示は省略するが、第1の実施例の変形例と同様、芯材13の内輪側に突出した段差部を設けず、各え部材24a〜24dの上下面をそれぞれ接触させて、各薄板状コア11a〜11dが略同軸状となるように位置決めしてもよい。。このような構成によればコアの芯材の内輪側に突出した段差部を設けずともよいので、構造がシンプルで、製作コストも低減される。
また、本実施例においても、図1の実施例と同様、自重によるたわみ等を防止するため、薄板状コア11a〜11dの外輪側の側面にボス5を数ヶ所設けてこれらのボス5にロッド6を貫通させ、ボス5とロッド6を止めねじ7で固定するようにしてもよい。
なお、上記実施例では長円形状のコアを使用する場合について説明したが、本実施例を円環状のコアに適用することもできる。
【0026】
図11は本発明の第6の実施例を示す図であり、図11(a)は図11(b)のA−A’で切ったコア構造の断面図を示し、図11(b)は斜視図を示している。
本実施例は前記第5の実施例において、円柱状の支え部材24a〜24dに換えて、突出部を有する柱状の複数の支え部材27を用いた実施例を示しており、その他の構成は前記図10に示した実施例と同様である。
支え部材27は図11に示すように、突出部27aを有する複数の平板状の部材よりなり、支え部材27は、長円形状である薄板状コア11a〜11dの芯材13の内周面の対向する平面部に、該支え部材27の複数の突出部27aが接するように構成されている。 また、支え部材27の長手方向の長さは、支え部材27が薄板状コア11a〜11dの芯材13とのみ接触し、薄板状コア11a〜11dとは接触しないように設定されている。支え部材27は金属製であり、例えば、ステンレス(SUS310)鋼よりなる。なお、支え部材27のエッジ部の形状は、巻線との間で放電が起こらないように、曲面形状となるように加工されている。
上記支え部材27により各薄板状コア11a〜11dが略同軸状となるように位置決めされるともに、薄板状コア11a〜11dを所定距離だけ離間させて保持する。
本実施例においては、前記第5の実施例における円柱形状の支え部材の2本分を、一つの支え部材で構成することができ、また形状もシンプルであるので、製作コストが低減することができる。さらに、長円形状であるコアの芯材内周面の対向する平面部と嵌めあう形状なので、位置決めが容易である。
また、支え部材27の突出部27により絶縁性冷媒が流れる空間を形成することができるので、前記図8に示したように、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることが可能となる。
【0027】
なお、上記実施例では、長円形のコアについて説明したが、本実施例で示した支え部材を前記した円環状のコアを用いた巻線機器に適用することもできる。
すなわち、図12に示す図11に示した支え部材27と同様の形状の支え部材28を、同図に示すように、薄板板状コアの芯材3の内周面の対向する平面部に複数の突出部28aが接するように取り付ける。これにより、第6の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0028】
以上の実施例では、薄板状コア1a〜1d、11a〜11dのたわみを防止する構造として、コア側面に設けたボス5にロッド6を貫通させ、ボス5とロッド6を止めねじ7で固定したが、図13、図14に示す構造としてもよい。
図13は、ロッド6に換えて平板状の支持部材9を用いて、薄板状コアのたわみを防止するようにした実施例を示している。
図13のものは、支持部材9の両端部を折り曲げてコの字状に形成し、該両端部にボス5に設けた貫通穴と同軸状に穴を開け、止めねじ7によりねじ止めするように構成したものである。
図14は、一方端に突起部6aを設け、他方端に該突起部6aが係合する凹部6bを設けたロッド6を用いて薄板状コアのたわみを防止するようにした実施例を示している。
図14のものは、上記ロッド6に設けた突起部6aをボス5に設けた貫通穴を貫通させてボス5の下側まで突出させ、突起部6aを下側のロッドの凹部6bに係合させ、止めねじ7により、上記ロッド6に設けた突起部6aを固定したものである。なお、上記止めねじ7で止める代わりに、上記突起部6aにおねじを形成し、上記凹部6bにめねじを形成して、上記おねじとめねじを螺合して、ロッド6をボス5に固定するようにしてもよい。
図13、図14のいずれの構造も、前記図1に示した構造より強固である。
【0029】
また、以上の実施例では、露光用放電励起ガスレーザ装置に用いられる高電圧パルス発生回路に適用する場合について説明したが、本発明の適用対象は上記実施例に限られるものではなく、その他の用途に適用することもできる。
例えば、パルスコロナ放電を行いダイオキシン等の化合物を分解する装置、あるいは、放電により食品等の殺菌を行う殺菌装置等においても放電セル(チェンバー)内に放電電極を設け、放電電極に高電圧パルスを印加して放電を発生させている。
この高電圧を発生させる回路として、前記した磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路と昇圧トランス回路を用いた高電圧パルス発生回路を使用し、該回路に用いられるコアに本発明で示したコアを用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】
(1) 各コアを所定距離離間させて保持するに当たり、コアに対して放射線状に密着したスペーサではなく、芯材にのみ密着した支え部材で各コアを保持するようにしたので、支え部材とコアとが接触しない。
このため、コア表面における冷媒の流れが妨げられる部分が生じず、冷媒とコア表面との熱交換が阻害されることが無くなる。よって、4kHz以上の高繰返し周波数条件においても、コアの発熱による劣化といった問題を回避することができる。
また支え部材自体がコアと接触していないので、コアが発熱しても支え部材が発熱することがなく、劣化を防止することができる。特に、支え部材を金属製とすれば、支え部材の劣化を防止することができる。
さらに、コアと接触している部材が無いので、コアにおいて放熱が妨げられる部分も存在しない。
(4)支え部材に開口部を設けたり、複数の支え部材を用いて薄板状コアを所定距離だけ離間させて保持するように構成することにより、薄板状コア間に円滑に冷媒を流すことが可能となり、冷媒の流れの乱れをさらに小さくすることができる。このため、コア表面を流れる絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることが可能となる。
特にコアが長円形の場合には、薄板状コアの間を冷媒が円滑に流れにくいが、上記構成とすることにより、コアが長円形であっても、絶縁性冷媒の流れの均一性を向上させることができる。
(5)各コアの外側面にボスを設け、該ボスをロッド又は支持部材を介して連結するように構成すれば、各コアの自重によるたわみ等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】第1の実施例の変形例(1)を示す図である。
【図3】第1の実施例の変形例(2)を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図5】開口部を設けない場合と設けた場合の冷媒の流れの概略を示す図である。
【図6】支え部材に開口部を設けた場合を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図8】長円形のコアにおいて開口部を設けない場合と設けた場合の冷媒の流れの概略を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示す図である。
【図10】本発明の第5の実施例を示す図である。
【図11】本発明の第6の実施例を示す図である。
【図12】第6の実施例を円環状のコアに適用する場合を説明する図である。
【図13】コアのたわみを防止する構造の変形例(1)を示す図である。
【図14】コアのたわみを防止する構造の変形例(2)を示す図である。
【図15】高電圧パルス発生回路の構成例を示す図である。
【図16】磁気スイッチの構成例を示す図である。
【図17】従来のコアの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1a〜1d 薄板状コア
2 スペーサ
3 芯材
4 円環状の支え部材
4a 突出部
4b 突出部
3a 段差部
5 ボス
6 ロッド
7 止めねじ
8 筒状部材
11a〜11d 長円形のコア
13 芯材
14 長円形の支え部材
13a 段差部
14a 突出部
14c 開口部
18 筒状部材
24a〜24d 円柱状の支え部材
27 支え部材
27a 突出部
28 支え部材
TR1 昇圧トランス
SR1〜SR3 磁気スイッチ
C1,C2 コンデンサ
Cp ピーキングコンデンサ
E 電極

Claims (9)

  1. 磁性合金薄帯が環状の巻芯に巻き回されたコアが複数個、所定距離だけ離間して配置され、この複数個のコアからなる組立体に巻線が巻かれ、絶縁性の冷媒中で使用される巻線機器であって、
    上記コアの巻芯間に支え部材が配置され、上記コアと上記支え部材が接触しないように、支え部材の外周の直径は該巻芯の外周の直径と略一致しており、上記複数個のコアは、上記支え部材により所定距離離間させるように支持され、
    各コアの外側面にボス設けられ、該ボスをロッド又は支持部材を介して連結した
    ことを特徴とする巻線機器。
  2. 上記巻芯と支え部材とを貫通する筒状部材を更に設け、この筒状部材により、複数個のコアが同軸状に位置決めされている
    ことを特徴とする請求項1の巻線機器。
  3. 上記支え部材または上記支え部材および筒状部材に開口が設けられ、該開口を冷媒が通過可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2の巻線機器。
  4. 上記巻芯と支え部材との積層部分に開口が設けられるように上記支え部材に突出部を設け、
    上記筒状部材に開口が設けられ、該開口を冷媒が通過可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項2の巻線機器。
  5. 上記支え部材が巻芯の一部とのみ接触する構造である
    ことを特徴とする請求項1の巻線機器。
  6. 磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路および昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生装置であって、
    上記磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、請求項1,2,3,4または請求項5の巻線機器を用いた
    ことを特徴とする高電圧発生装置。
  7. 磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生装置の出力端に接続され、レーザチェンバ内に配置された一対の電極と、上記電極に並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する放電励起ガスレーザ装置であって、
    上記磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、請求項1,2,3,4または請求項5の巻線機器を用いたことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
  8. 上記放電励起ガスレーザ装置が、KrFエキシマレーザ装置、ArFエキシマレーザ装置、または、フッ素分子レーザ装置である
    ことを特徴とする請求項7の放電励起ガスレーザ装置。
  9. KrFエキシマレーザ装置またはArFエキシマレーザ装置の繰り返し周波数が4kHz以上であり、上記フッ素分子レーザ装置の繰り返し周波数が2kHz以上である
    ことを特徴とする請求項8の放電励起ガスレーザ装置。
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