JP3979069B2 - 折れ戸装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は引戸を操作するように折れ戸がスムーズに折畳まれ、そして折畳まれた際にドアの先端部が通路側へはみ出さないようにした折れ戸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の一般的な折れ戸の開閉動作を示し、該折れ戸は親ドア(イ)と子ドア(ロ)から成って互いに折畳み出来るように間には蝶番などの継手が設けられている。そして子ドア(ロ)は吊元側に設けている軸(ハ)に回転自在に取付けられ、親ドア(イ)の上端に設けているスライダーが上レールに沿って移動することが出来、その為に同図に示すような軌跡を伴って開閉することが出来る。
【0003】
出入り口に装着されて開閉する折れ戸は開き戸に比較して開閉操作が容易である。特に出入り口の幅が大きな場合、開き戸を装着するならば開き戸の先端持ち手を握って開閉する場合、吊元の軸を中心とする回転半径が大きくなって操作がし難い。これに対して折れ戸であれば、図6に示すように上レールに沿っての移動である為に比較的操作が簡単となる。
【0004】
又、開き戸は吊元の継手を中心として回転する為に、開いた場合には出入り口から大きくはみ出してしまい、これが邪魔になる。一方、出入り口を開閉する装置として引き戸が多用されているが、これは出入り口を開くことで引き戸が収まる戸袋等の引き込みスペースを必要とし、空間的に余裕のない所では引き戸を装着するには問題がある。
【0005】
ところで、図6に示すように親ドア(イ)と子ドア(ロ)から成る折れ戸では、その開閉操作は比較的容易であるが、折畳んだ場合には親ドア(イ)の先端部は通路側へはみ出してしまい、開き戸ほどではないがこのはみ出し部分が邪魔になる。これは親ドア(イ)の上端にはスライダーが取付けられ、このスライダーは上レールに沿って移動し、折畳まれた状態では親ドア(イ)が上レールに対してほぼ垂直方向を向く為に、該スライダーの位置より先端部が通路側へ突出することになる。
【0006】
そこで、スライダーを親ドア(イ)の先端に取着するならば、折畳む際に持ち手(ニ)を手前に引いても開くことは出来ない。この場合には親ドア(イ)と子ドア(ロ)の継手部を奥へ押してある程度折畳んだところで親ドア(イ)の先端を上レールに沿って子ドア側へスライドさせることが必要となり、開閉操作が非常に面倒になってしまう。すなわち親ドア(イ)の持ち手(ニ)を引いて折畳むには先端部がスライダーから突出していることが必要である。
【0007】
ところで、折れ戸は親ドア(イ)の先端を手前に引いて開くことになるが、車椅子に乗っている身体障害者にとっては比較的操作しにくい。すなわち、親ドア(イ)の先端を手前に引くことで、折れ戸は前記図6に示すような軌跡を伴って開くために乗っている車椅子に当るようになる。従って、親ドア(イ)に対して車椅子を斜めに近づけて操作しなくてはならない。
【0008】
一方、従来の折れ戸は軸(ハ)にて子ドア(ロ)が軸支されると共に、該子ドア(ロ)に親ドア(イ)が蝶番等の継手を介して折畳み出来るように連結支持されているに過ぎない。従って子ドア(ロ)と親ドア(イ)の荷重は全て軸(ハ)に作用する為に、特に親ドア(イ)が大きくて重い場合には折れ戸が撓んで開閉操作がスムーズに行なわれないことになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の折れ戸には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、車椅子に乗った身体障害者であっても開閉操作を容易に行なうことが出来、折畳んだ際に親ドア先端部が通路側へ突出することなく、しかも折れ戸がその自重にて撓まないようにした折れ戸装置を提供する。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
本発明の折れ戸装置は、親ドアと子ドア及び先頭パネルの3枚で構成している。そして、親ドアと子ドア及び親ドアと先頭ドアは蝶番等の継手を介して折畳み出来るように連結され、子ドアの吊元側は上レールを移動する吊車にて吊設され、又先頭ドアの上端にも吊車が取付けられている。
【0011】
そこで、本発明の折れ戸装置では子ドアの吊元側に設けた吊車と先頭ドア上端に設けている2個の吊車によって上レールに吊設され、折れ戸を開く場合には各ドア間の継手が屈曲して親ドアと子ドアが一方側へ張出す。ただし、この場合に先頭ドアは上レールから張出すことなく、又向きを変えることなく上レールに沿って吊元方向へ移動するだけとなる。すなわち、本発明の折れ戸装置では先頭ドアを上レール方向へ押したり引いたりすることで開閉可能としている。従来のように、手前方向に引く必要はない。
【0012】
ところで、本発明では先頭ドアを上レール方向へ押すことで親ドア及び子ドアが張出すように作用する張出し装置を備えている。この張出し装置とはラック−ピニオン機構を利用して構成したものであって、子ドアの吊車にはラックが取着され、一方のピニオンは上レール側に取付けられている。折れ戸が伸長して閉じた状態では、子ドアの後方端には隙間が形成され、先頭ドアを押すならば伸長した状態にある折れ戸は隙間を残す吊元側へ移動し、その為に吊車に取着しているラックと噛み合っているピニオンは回転することが出来る。
【0013】
ピニオンにはアームが取着されて該アームの先端は子ドアと連結している為に、ピニオンが回転することでアームを旋回させて子ドアを上レールから張出すことが出来る。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
【実施例】
図1は本発明の折れ戸装置を示す表面図であり、図2はその横断面を示している。同図の1は先頭ドア、2は親ドア、3は子ドアを表わし、上記先頭ドア1の上端には吊車4が、子ドア3の後方側上端には吊車5が取着され、この両吊車4,5によって上レール6に吊設されている。そして先頭ドア1と親ドア2、及び親ドア2と子ドア3は継手7,7によって連結されていて、親ドア2と子ドア3は折畳まれる。
【0015】
この場合、先頭ドア1は上レール6に沿って移動するだけで折畳まれないように、上端の吊車4は上レール6にガイドされると共に、吊車4に対して先頭ドア1の向きが変化しないように吊設されている。図2に示すように、(a)は折れ戸が伸長して間口を閉じている場合、(b)は折れ戸が折畳まれて間口を開いた場合であり、親ドア2と子ドア3は共に折畳まれる。
【0016】
折れ戸が間口を閉じた場合、その先頭ドア1の先端は戸先側縦桟8に当っているが、子ドア3の後方端は戸尻側縦桟9との間に距離Lの隙間10が形成されている。勿論、この隙間10は何らかの部材でカバーされて見えないように成っているが、子ドア3の後方に取着している吊車5は距離Lの範囲において上レール6を移動することが出来る。すなわち、子ドア3は定位置に軸支されていない。
【0017】
折れ戸の先頭ドア1には持ち手11が取付けられて、この持ち手11を握って上レール6に沿って押すことで、(b)に示すように折畳まれるが、上レール6に沿って作用する押圧力だけでは親ドア2及び子ドア3が上レール6から張出すことが出来ない為に、本発明では張出し装置を備えている。図2の12はピニオンを示し、このピニオン12は上レール側に軸支されていて、そして該ピニオン12からアーム13が延びている。アーム先端は子ドア3に取着した連結具14と連結している。
【0018】
又、ピニオン12は吊車5に取付けているラック15と噛み合っていて、吊車5が移動するならばラック15も移動し、その結果ピニオン12は回転する。そしてアーム13が旋回して子ドア3を上レール6から張出すことで折畳み出来るように作動する。図3、図4は上記張出し装置を示した実施例であり、ピニオン12は吊車5に取着されたラック15と噛み合っている。図3ではピニオン12から延びるアーム13が子ドア3と平行を成していて、折れ戸が閉じている状態であるが、ピニオン12が回転するならばアーム13は旋回する為に、子ドア3を上レール6から押出すことが出来る。
【0019】
子ドア3の上端には連結具14が取着され、この連結具14には長溝16が形成されていて、アーム先端に設けている軸ピン17は該長溝16に遊嵌していて、アーム旋回に伴って長溝16に沿ってスライド出来る。図4に示しているように、ラック15は吊車上部に取着され、上レール側に取付けられているピニオン12から脚18が下方へ延び、この脚18の下端からアーム13が水平に延びている。
【0020】
図5はアーム13が旋回して子ドア3を上レール6から張出した場合である。
以上述べたように、本発明の折れ戸装置では、先頭ドアと親ドア及び子ドアの3枚ドアで折れ戸を構成し、子ドアの後方側にはラック−ピニオン機構から成る張出し装置を設けたもので、次のような効果を得ることが出来る。
【0021】
【発明の効果】
本発明の折れ戸装置では、先頭ドア、親ドア、及び子ドアの3枚ドアで折れ戸を構成し、先頭ドアを上レールに沿って押したり引いたりすることで折れ戸は開閉することが出来る。すなわち、子ドアには張出し装置が取付けられていて、先頭ドアを押すことで子ドアは後退するが、この場合、吊車に取着しているラックによってピニオンが回転し、ピニオンから延びるアームの旋回によって子ドアは上レールから張出され、親ドアと共に折畳まれる。従って、折れ戸を開閉する場合、引戸と同じような操作で開閉することが出来る為に、車椅子に乗っている身体障害者であっても、容易に開閉操作が可能であり、車椅子が折れ戸に当ることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の折れ戸装置を示す正面図。
【図2】本発明の折れ戸折畳の横断面図。
【図3】張出し装置の平面図。
【図4】張出し装置の縦断面図。
【図5】子ドアが張出し装置によって張出された場合。
【図6】従来の折れ戸の開閉軌跡。
【符号の説明】
1 先頭ドア
2 親ドア
3 子ドア
4 吊車
5 吊車
6 上レール
7 継手
8 戸先側縦桟
9 戸尻側縦桟
10 隙間
11 持ち手
12 ピニオン
13 アーム
14 連結具
15 ラック
16 長溝
17 軸ピン
18 脚

Claims (1)

  1. 先頭ドア、親ドア、及び子ドアの3枚ドアから成って、各ドア間には継手を設けて折畳み出来るように連結し、先頭ドアの上端及び子ドアの後方側上端に取着した吊車によって上レールに吊設した折れ戸装置において、子ドアの後方側上端に取着した上記吊車にはラックを設け、このラックに噛み合うピニオンを上レール側に軸支すると共に、ピニオンから脚を垂下すると共に脚下端からアームを延ばし、アーム先端の軸ピンを子ドアの上端に取着した連結具の長溝に遊嵌し、そして上記ピニオンの大きさを概略1/4円としたことを特徴とする折れ戸装置。
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