JP3978564B2 - 精製紫トウモロコシ色素 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臭いがしないか若しくは有意に低減された、無臭若しくは微臭の紫トウモロコシ色素及び該色素を含有する色素製剤に関する。また本発明は、保存時の光や熱の影響によって生じ得る、臭いの経時的な発現が有意に抑制されてなる無臭若しくは微臭の紫トウモロコシ色素及び該色素を含有する色素製剤に関する。さらに本発明は、フモニシンを含まない無臭若しくは微臭の紫トウモロコシ色素及び該色素を含有する色素製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
アントシアニン系色素である紫トウモロコシ色素は、主に飲料などの食品の着色に広く使用されている色素である。しかしながら、当該紫トウモロコシ色素は、原料の紫トウモロコシに起因する特有の香気成分や夾雑物を有するため、食品その他の製品に使用する際、その香気成分や夾雑物より生じる香気や沈澱物がこれら食品等の風味や味に悪影響を及ぼす場合がある。このため、従来から紫トウモロコシに特有の香気成分や夾雑物が有意に除去された紫トウモロコシ色素を含む色素製剤が求められており、これまでに各種の精製方法が検討されている。
【0003】
しかしながら、今まで紫トウモロコシ色素特有の臭いを有効に脱臭する方法は殆どなく、従来の紫トウモロコシ色素製剤は、未だ紫トウモロコシに由来する特有の香気を有しているのが実情である。
【0004】
また、従来の紫トウモロコシ色素製剤は、長期保存時に熱や光等による経時変化によって徐々に臭いが強くなる、所謂「匂い戻り現象」が生じるという問題があるのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらのことから、本発明は食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などの風味や香味に長期にわたって影響を与えることなく、着色料として安心して配合使用できる紫トウモロコシ色素を提供することを目的とするものである。
【0006】
具体的には、本発明は第1に、紫トウモロコシに含まれる香気成分が除去されて該香気成分に由来する臭いがしないか若しくはそれが有意に低減されてなる紫トウモロコシ色素並びに該色素を含有する色素製剤を提供することを目的とする。第2に本発明は、長期保存時の熱や光の影響によっても所謂「匂い戻り」といった経時変化のない紫トウモロコシ色素並びに該色素を含有する色素製剤を提供することを目的とする。第3に本発明は、香気成分や夾雑物が有意に低減され、さらにカビ毒であるフモニシンを含まないか若しくはそれが有意に低減されてなる紫トウモロコシ色素並びに該色素を含有する色素製剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記紫トウモロコシ色素製剤に関する従来の問題点を解決すべく日夜鋭意検討した結果、本発明の目的に則した下記のトウモロコシ色素を開発するに至った。すなわち、本発明は、下記(1)〜(4)に掲げる紫トウモロコシ色素である
(1) 色価を
【0008】
【数4】
Figure 0003978564
【0009】
とした場合に、含まれる香気成分濃度が 150 ppm以下である紫トウモロコシ色素。
(2) 上記香気成分が、酢酸、マロン酸ジエチルエステル、4-ビニル-2-メトキシフェノール及び 4-ビニルフェノールよりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種である(1)記載の紫トウモロコシ色素。
(3)色価を
【0010】
【数5】
Figure 0003978564
【0011】
とした場合に、含まれる酢酸、マロン酸ジエチルエステル、4-ビニル-2-メトキシフェノール及び/または4-ビニルフェノールの濃度が、総量で20ppm以下である紫トウモロコシ色素。
(4) 色価を
【0012】
【数6】
Figure 0003978564
【0013】
とした場合に、フモニシンを含まないことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の紫トウモロコシ色素。
【0014】
さらに本発明は、上記いずれかに記載の紫トウモロコシ色素を含有する色素製剤である。
【0015】
また、本発明は、下記(a)〜(c)に掲げる、上記紫トウモロコシ色素の製造方法に関する:
(a) 紫トウモロコシ色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理、イオン交換処理、酸処理、抽出処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理を行うことを特徴とする、無臭、微臭若しくは夾雑物の除去された紫トウモロコシ色素の製造方法。
(b)酸処理が食品添加物として使用される酸を用いた処理である(a)記載の紫トウモロコシ色素の製造方法。
(c)吸着処理後に膜分離処理を行うことを特徴とする(a)又は(b)に記載の紫トウモロコシ色素の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、原料として用いる紫トウモロコシに由来する香気成分及び夾雑物を含まないか若しくはそれが有意に低減されてなる紫トウモロコシ色素である。
【0017】
本発明において、紫トウモロコシ色素とは、主に飲料、菓子などの食品の着色に広く使用されているアントシアニン系色素であり、紫トウモロコシ(Zea mays
L.:イネ科)を原料として調製されている。
【0018】
本発明において色価とは、当該対象の紫トウモロコシ色素を含有する溶液(緩衝液pH3.0)の可視部での極大吸収波長(510nm付近)における吸光度を測定し、該吸光度を10w/v%溶液の吸光度に換算した数値である。
【0019】
また本発明において香気成分とは、異臭や悪臭の原因となる紫トウモロコシ由来の揮発性香気成分を意味するものであり、特に制限されないが、具体的には酢酸、マロン酸ジエチルエステル、4-ビニル-2-メトキシフェノール、4-ビニルフェノールを挙げることができる。また、夾雑物とは、難水溶性色素成分、ワックス、残留農薬、後発的に農作物に発生するカビ及びその生成物(例えばフモニシン等)等が挙げられる。
【0020】
尚、フモニシンにはフモニシンA1、フモニシンA2、フモニシンB1、フモニシンB2及びフモニシンB3等が含まれるが、これらはトウモロコシをはじめとする穀類に発生するカビ(Fusarium moniliformeやF.proliferatum) の生成物であって、該生成物には肝発ガン性等の毒性があることが報告されている。
【0021】
本発明が対象とする紫トウモロコシ色素は、当該色素の色価を
【0022】
【数7】
Figure 0003978564
【0023】
に調整した場合に、該色素中に含まれる上記香気成分の総濃度が 150ppm以下であることを特徴とするものである。香気成分の濃度は色価にほぼ比例するものである。よって、本発明が対象とする紫トウモロコシ色素は、色素を上記色価に調整した場合に上記の香気成分濃度の範囲にあるものであればよく、それ自体が上記色価を有する必要はない。
【0024】
本発明の紫トウモロコシ色素として好ましくは、該色素の色価を上記のように調整した場合に、該色素中に含まれる酢酸、マロン酸ジエチルエステル、4-ビニル-2-メトキシフェノール及び/または4-ビニルフェノールの濃度が、総量で50ppm程度以下、より好ましくは20 ppm程度以下であるものである。当該成分は、悪臭の原因となる紫トウモロコシ由来の揮発性香気成分である。
【0025】
このように上記の香気成分の含有量が極めて低減されることによって、無臭化若しくは臭いが低減された本発明の紫トウモロコシ色素は、紫トウモロコシの色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理、イオン交換処理、pH調整処理、抽出処理または膜分離処理のいずれか一種の処理を行うか、またはこれらの処理を任意に2種以上組み合わせて行うことによって製造取得することができる。なお、pH調整処理として好適には酸処理を挙げることができる。
【0026】
本発明において用いられる紫トウモロコシの色素抽出液としては、紫トウモロコシの植物体の溶媒抽出物が用いられる。抽出に用いられる植物部位は、目的とする色素、特にアントシアニン系色素が含まれる部位であればよく、全草またはその一部(例えば雌花穂(果粒、芯)等)の別を特に問うものではない。尚、上記植物体には紫トウモロコシ植物のカルスも包含される。当該植物の全草又はその一部はそのまま(生)若しくはその破砕物として抽出操作に付してもよいし、また乾燥後、必要に応じて粉砕粉体状として抽出操作に付してもよい。
【0027】
上記抽出に用いられる溶媒としては、紫トウモロコシに含まれる色素を抽出できる溶媒であれば特に制限されないが、好適にはアルコール、水またはこれらの混合液を用いることができる。なお、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロピルアルコール、ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコールを例示することができる。好ましくは酸性水または含水アルコールである。尚、酸性水は、塩酸、硫酸又はリン酸等の無機酸又はクエン酸やリンゴ酸等の有機酸を用いて、pH約1〜4の範囲に調整されたものが好ましく、また含水アルコールに含まれるアルコール量は40%容量以下であることが好ましい。
【0028】
抽出方法としては、一般に用いられる方法を採用することができる。制限はされないが、例えば溶媒中に全草若しくは部分(そのまま若しくは粗末、細切物)、又はそれらの乾燥破砕物(粉末など)を冷浸、温浸等によって浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出を行い、濾過して抽出液を得る方法、またはパーコレーション法等を挙げることができる。
【0029】
得られた抽出液は、必要に応じてろ過、共沈または遠心分離によって固形物を除去した後、そのまま若しくは濃縮して、吸着処理に供される。吸着処理は、常法に従って行うことができ、例えば活性炭、シリカゲルまたは多孔質セラミックなどによる吸着処理;スチレン系のデュオライト S-861(商標Duolite, U.S.A.ダイヤモンド・シャムロック社製、以下同じ)、デュオライト S-862、デュオライト S-863又はデュオライト S-866;芳香族系のセパビーズ SP70(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、セパビーズ SP700、セパビーズ SP825;ダイアイオン HP10(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイアイオン HP20、ダイヤイオン HP21、ダイアイオン HP40、及びダイアイオン HP50;あるいはアンバーライト XAD-4(商標、オルガノ製、以下同じ)、アンバーライト XAD-7、 アンバーライト XAD-2000などの合成吸着樹脂を用いた吸着処理を挙げることができる。次いで、樹脂担体に吸着担持された紫トウモロコシ色素は、例えば含水アルコールなどの適当な溶媒で該樹脂担体を洗浄することによって、回収することができる。ここで含水アルコールとしては、通常10〜60容量%のエタノールを含有するものを好適に例示することができる。
【0030】
かくして得られる紫トウモロコシ色素抽出液の吸着処理液は、再度吸着処理に付されるか、またはイオン交換処理、膜分離処理、抽出処理又はpH調整処理(酸処理)等の各種の処理に供される。
【0031】
吸着処理としては、前述する処理を挙げることができる。
【0032】
イオン交換処理は、特に制限されず慣用の樹脂を用いて常法に従って陽イオン交換処理または陰イオン交換処理を行うことができる。例えば陽イオン交換樹脂としては、制限されないがダイアイオン SK 1B(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオン SK 102 、ダイヤイオン SK 116 、ダイヤイオン PK 208 、ダイヤイオン WK10 、ダイアイオン WK20などが、また陰イオン交換樹脂としては、制限されないがダイヤイオン SA 10A(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオン SA 12A 、ダイヤイオン SA 20A 、ダイヤイオン PA 306 、ダイヤイオン WA 10 、ダイヤイオン WA 20などが例示される。
【0033】
また本発明でいう膜分離法とは、膜による濾過方法を広く意味するものであり、例えばメンブレンフィルター(MF)膜、限外濾過(UF)膜、逆浸透膜および電気透析膜などの機能性高分子膜を用いた濾過処理を挙げることができる。また膜分離法としてはこれらの膜を利用した限外濾過法や逆浸透膜法などのほか、イオン選別膜による濃度勾配を利用した透析法、隔膜としてイオン交換膜を使用し電圧を印加する電気透析法などが知られている。工業的には逆浸透膜法による膜分離法が好ましい。かかる膜分離法に用いられる膜材料としては、天然、合成、半合成の別を問わず、例えばセルロース、セルロース・ジ-アセテート若しくはトリ-アセテート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアクリロニトリルなどを挙げることができる。
【0034】
本発明の膜分離法には、分画分子量が例えば104〜106の範囲にある膜を用いて高分子化合物を分離除去する処理方法と分画分子量が約2000〜4000程度、好ましくは3000程度の膜を用いて低分子化合物を分離除去する処理方法が含まれる。前者の方法として具体的にはNTU-3150膜, NTU-3250膜, NTU-3550膜, NTU-3800 UF膜(以上、日東電工製);Cefilt-UF(日本ガイシ製);AHP-2013膜, AHP-3013膜, AHP-1010膜(以上、旭化成製);等を利用した限外濾過(UF)膜処理を挙げることができ、また後者の方法として具体的にはNTR-7250膜, NTR-7410膜, NTR-7430膜, NTR-7450膜(以上、日東電工製)、AIP-3013膜, ACP-3013膜, ACP-2013膜, AIP-2013膜, AIO-1010膜(以上、旭化成製)などの膜を利用した逆浸透膜(ナノフィルトレーション膜、分画分子量3000程度)処理を挙げることができる。これらは1種単独で行ってもまた2種を組み合わせて実施してもよい。
【0035】
本発明において抽出処理とは、特に制限はされないが、炭酸ガス、エチレン、プロパン等を紫トウモロコシ色素抽出液の吸着処理液に臨界点以上の温度、圧力下の密閉系装置内で接触させる方法を挙げることができる。
【0036】
またpH調整処理(酸処理)は、紫トウモロコシ色素抽出液の吸着処理液若しくは上記の各種処理が施された処理液をpH1〜4に調整し、酸性条件下に曝されることによって実施できる。好ましくはpH1.5〜2の条件下に曝される酸処理である。酸処理は、具体的には上記処理液に酸を添加配合することによって簡便に行うことができる。かかる酸としては、食品添加物として通常使用される酸であれば特に制限されず、かかる中から任意に選択使用することができる。例えばクエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸または硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸等を例示することができる。好ましくは食品添加物として通常使用される無機酸を用いた酸処理である。
【0037】
かかる酸処理を行う温度条件は特に制限されず、通常5〜100℃の範囲から適宜選択使用することができる。例えば20〜100℃や40〜100℃の範囲を例示することができる。酸処理時間も特に制限されず、通常1〜300分の範囲から適宜選択することができる。一般に高温下での処理であればより短い処理時間で十分であり、よって例えば40〜100℃での処理の場合は5〜60分の範囲から処理時間を採択することができる。なおこの時、処理液は撹拌してもしなくても特に制限されない。
【0038】
上記の各種処理は、紫トウモロコシ色素抽出液の吸着処理液に対して1種単独で行っても、また任意の2種以上の処理を任意の順番で組み合わせて行ってもよく、また同一処理を、同一もしくは異なる条件で、繰り返し実施してもよい。
【0039】
好ましい処理方法は、特に制限されないが、紫トウモロコシ色素抽出液に対し吸着処理を行い、脱吸着処理液後に、膜分離処理を行う方法である。また、必要に応じて上記脱吸着処理後に更にイオン交換処理(好ましくは陰イオン交換樹脂処理)を行うこともできる。なお、ここで膜分離処理は、好ましくは逆浸透膜処理または限外濾過膜処理であり、より好ましくは逆浸透膜処理である。また、当該膜分離処理は、分画分子量が2000〜4000、好ましくは3000付近である膜を用いて行うことが好ましい。
【0040】
かくして得られる本発明の紫トウモロコシ色素は、前述する紫トウモロコシ由来の香気成分並びに夾雑物が効果的に除去されてなるものであって、これによって無臭か若しくは食品に配合してもその風味に殆ど影響しない程度に臭いが低減されてなる微臭の紫トウモロコシ色素を提供することができる。また、上記方法によって得られる本発明の紫トウモロコシ色素は、長期保存時における熱や光の影響によっても所謂「匂い戻り」といった経時変化を生じないものである。これは、上記本発明の製造方法によって、異臭や悪臭を発現し得る、夾雑物に含まれる香気成分の前駆体が分解されたかまたは除去されたためと考えられる。
【0041】
一般に、トウモロコシ等のイネ科の植物は、カビ毒成分であるフモニシンに汚染されやすい。本発明の色素の原料として用いる紫トウモロコシもトウモロコシの1種であることからフモニシンに汚染される可能性がある。本発明の方法によれば、たとえ原料として用いる紫トウモロコシがフモニシンに汚染されていたとしても、紫トウモロコシ色素からフモニシン等の毒成分を効果的に除去することが可能であり、斯くしてフモニシンを含まない安全な紫トウモロコシ色素を提供することができる。なお、ここで言う「含まない」とは色素若しくは色素製剤に含まれるフモニシン濃度がその検出限界である0.2ppm以下であることを意味する。
【0042】
かくして得られる本発明の紫トウモロコシ色素は、水、アルコール(例えば、エタノール)、その他の溶媒に溶解若しくは分散した溶液状態、若しくは乾燥状態(粉状、顆粒状、錠剤状、丸剤状など)の色素製剤として調製することができる。
【0043】
よって本発明は、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などの着色料として有用な、上記紫トウモロコシ色素を含有する色素製剤を提供するものである。当該色素製剤は、上記本発明の紫トウモロコシ色素に加えて、食品衛生上許容される担体や添加剤が配合されていてもよく、かかる担体及び添加剤として、具体的には、例えばデキストリン、乳糖、粉末水飴の他、色素・色素製剤に通常用いられる保存剤、安定剤または酸化防止剤などの食品添加物を挙げることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の紫トウモロコシ色素は、高度に精製されることによって、原料として用いる紫トウモロコシ、特にその雌花穂(芯又は果粒)に含まれる香気成分や夾雑物に由来する悪臭若しくは異臭がしないか、または臭いが有意に低減されてなる、無臭若しくは微臭の色素である。さらに、本発明の紫トウモロコシ色素は、長期保存時の光や熱の影響によっても匂い戻り現象等の経時変化が有意に抑制されてなるものである。このため、本発明の色素または当該色素を含有する色素製剤によれば、飲料その他の食品類、医薬品、医薬部外品、化粧品などの着色に用いても、紫トウモロコシ色素特有の香気成分の匂いに影響されることなく、風味の良い製品を製造することができる。また、本発明の紫トウモロコシ色素の製造方法によれば、万が一原料として使用した紫トウモロコシにカビ(例えば、Fusarium moniliformeやF.proliferatum)が発生していたとしても、カビの毒成分(フモニシン)を有意に除去することができるため、安全な紫トウモロコシ色素並びに色素製剤を提供することができる。
【0045】
【実施例】
以下に、本発明の構成ならびに効果をより明確にするために、実施例および比較例を記載する。但し本発明は、これらの実施例等に何ら影響されるものではない。
【0046】
比較例1
水16L、エタノール4Lと硫酸90 gの混合液(pH2.3)に紫トウモロコシ乾燥物(雌花穂(芯と果粒))2kgを投入し、室温下に一夜放置して、赤色素を抽出した。抽出後、60メッシュ金網にて固液分離した液に濾過助剤及び珪藻土を配合してろ紙濾過し、紫トウモロコシ色素抽出液約16Lを得た。この紫トウモロコシ色素抽出液を合成吸着樹脂アンバーライト XAD-7 (1.5L) を用いて吸着処理し、水5Lで樹脂をよく洗浄した後、50%エチルアルコール水で紫トウモロコシ色素を溶出し、溶出液5Lを得た。次いでこの溶出液を減圧濃縮して色価E10% 1cm = 100の色素液 800 gを得た。この色素液 800 gに水223 g、クエン酸(結晶) 30 g及びエチルアルコール267 gを加えて色価E10% 1cm = 60の紫トウモロコシ色素製剤 1330 gを調製した。当該色素製剤は紫トウモロコシ由来の特有の異臭を有していた。
【0047】
実施例1
比較例1と同様の方法により紫トウモロコシ色素抽出液15.8 Lを得、この紫トウモロコシ色素抽出液を合成吸着樹脂アンバーライトXAD-7(1.5L) を用いて吸着処理し、水5Lで樹脂をよく洗浄した後、0%および50%エチルアルコール水を用いてグラジエントをかけて目視にて赤色画分を収得し、紫トウモロコシ色素溶出液4.8Lを得た。この溶出液を、限外濾過膜(AHP-2013膜:旭化成製、分画分子量50,000)を用いて3 kg/cm2, 20゜Cで処理し限外ろ過透過液を得た。次いで、得られた限外ろ過透過液に硫酸を加えてpH 2.0に調整し、水5 Lを加えて逆浸透膜処理(NTR-7250膜:日東電工製、分画分子量 約3000程度)を行い、逆浸透膜処理液1 Lを得た。この際、夾雑物は濾液として透過除去され、精製された色素成分が残液として濃縮された。次いでこの逆浸透処理液を、減圧下で濃縮して、色価E10% 1cm = 200の有意に精製された色素液 80 gを得た。この色素液中には、紫トウモロコシ色素の主色素成分であるシアニジン−3−グルコシド(Cyanidin 3-O-β-D-glucoside)が3.1重量%含まれていた。この色素液80 gに水130 gとエチルアルコール40 g、クエン酸(結晶)10gを加えて色価E10% 1cm = 60の紫トウモロコシ色素製剤260 gを調製した。当該色素製剤は無臭であった。
【0048】
実験例1 GC-MS測定
比較例1で製造した紫トウモロコシ色素製剤(比較品)および実施例1で製造した紫トウモロコシ色素製剤(本発明品)に含まれる香気成分量を、ガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC-MS)を用いて比較した。具体的には、それぞれの色素製剤(E10% 1cm =60) 30gを採取し、内部標準物質としてメチルオクタノエート0.5 ppmを含むジエチルエーテル200 mlで抽出し、次いでジエチルエーテル溶液を蒸発乾燥し、得られた濃縮液を下記の条件のガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC-MS)に供して、香気成分量を測定した。
【0049】
<GC-MS測定条件>
GC/MS: Hewlett-Packard 5973, Mass Selective Detector,
カラム: J&W製 DB-WAX (0.25mm x 60m)、
温度条件:注入口250℃、インターフェース230℃、カラム温度50℃(2分)− 220℃、昇温3℃/分、
スプリット比: 70:1、
イオン化電圧: 70eV。
【0050】
結果を図1に示す。図1のAで示すように、本発明の紫トウモロコシ色素製剤(実施例1)のトータルイオンクロマトグラムによると、内部標準物質以外の香気成分(酢酸、マロン酸ジエチルエステル、4-ビニル-2-メトキシフェノール、4-ビニルフェノール)は総量で極微量(111ppm以下)であった。それに対して、図1のBで示すように、比較品の紫トウモロコシ色素製剤(比較例1)には数多くの揮発性成分が多量に含まれていること(総量215ppm)が観察された。この結果は、比較例1の製剤は紫トウモロコシ由来の特有の異臭を有していたのに対して、実施例1の紫トウモロコシ色素製剤は無臭であったという比較例1及び実施例1の事実と一致するものであった。
【0051】
なお、図1中、▲1▼のピークは酢酸、▲2▼のピークはマロン酸ジエチルエステル、▲3▼のピークは4-ビニル-2-メトキシフェノール、▲4▼のピークは 4-ビニルフェノールをそれぞれ示す。IS-1のピークは内部標準物質であるオクタン酸メチルである。
【0052】
実験例2 香味評価および保存テスト
比較例1で製造した紫トウモロコシ色素製剤(比較品)および実施例1で製造した紫トウモロコシ色素製剤(本発明品)について、それぞれ製造直後の香味、並びに5℃、25℃または38℃で15日乃至は30日保管した後の香味を、良く訓練されたフレーバーリスト10名のパネラーで評価を行った。また、それぞれの色素製剤を用いて飲料タイプの溶液(色価E10% 1cm = 0.04、Brix.10゜、0.2% クエン酸水溶液、フレーバー未添加)を調製し、当該飲料溶液についても上記と同様にして、製造直後並びに保管後の香味を比較評価した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003978564
【0054】
表1に示す製造直後の結果から分かるように、本発明品は比較品に比べて有意に臭いが低減されており、無臭の色素であると判断された。さらに比較品は15〜30日間と保管(保存)時間が長くなるにしたがって香気がしだいに強くなるのに対し、本発明品は、経時変化を生じることなく、製造直後の無臭状態を維持していた。このことは実施例1の方法で製造された本発明の紫トウモロコシ色素には、それ自体に臭気を発揮する香気成分が全く若しくはほとんど含まれていないだけでなく、当該香気成分の前駆体となる夾雑物も含まれていないことを示唆するものである。
【0055】
実験例3 HPLCによるカビ毒(フモニシン)の測定
水16L、エタノール4Lと硫酸90 gの混合液(pH2.3)に紫トウモロコシ乾燥物(雌花穂(芯と果粒))2 kgを投入し、室温下に一夜放置して、赤色素を抽出した。抽出後、60メッシュ金網にて固液分離した液に濾過助剤及び珪藻土を配合してろ紙濾過し、紫トウモロコシ色素抽出液約16Lを得た。次いでこの紫トウモロコシ色素抽出液約16L中に5ppm濃度になるようにフモニシンB1の標準品を添加した。このフモニシン含有抽出液を出発原料として、後の操作は上記比較例1及び実施例1の方法に従って紫トウモロコシを精製して、それぞれ色価E10% 1cm = 60の紫トウモロコシ色素製剤 823g(比較例2、比較品2)及び色価E10% 1cm = 60の紫トウモロコシ色素製剤793g(実施例2、本発明品2)を調製した。
【0056】
次いで、上記比較例2及び実施例2で調製した紫トウモロコシ色素製剤(比較品2、本発明品2)中のカビ毒(フモニシン)の含有量を、それぞれ液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて定量分析した。具体的には、それぞれの色素(色価E10% 1cm = 60)1 gを、メタノール:水=3:1の混液50 mlで希釈し、1N水酸化ナトリウムにて pH7.0 に調整後、0.5μmのメンブランろ過する。このろ液を固相抽出カートリッジであるBond Elut SAX (Varian CA 90710)カラムに自然流下してフモニシンを吸着させる。メタノール:水=3:1の混液10ml、メタノール5mlにて洗浄した後、1%酢酸を含むメタノール 30〜40 mlでフモニシンを溶出する。このフモニシン溶出液を減圧乾固し、0.1 M 硼酸緩衝液(pH8.7) 200μLにて溶解したものを分析供試サンプルとし、下記のHPLC分析条件で、カビ毒(フモニシン)を測定した。
【0057】
<HPLC測定条件>
カラム:L-column ODS (φ4.6mm×250mm、化学品検査協会製)
カラム温度:35℃
移動相:0.05%トリフルオロ酢酸を含むメタノール:水=3:2の混液
移動相流速:1.0ml/min
反応チューブ:ID 0.25mm×5000mm (SUS)、カラム通過後検出前に装填
反応チューブ温度:50℃
反応液:0.08% o-フタルアルデヒド、0.1N-acetyl-L-cysteine 0.4M 硼酸緩衝液 pH10.0 溶液、カラム通過後反応チューブ前に注液
反応液流速:0.4ml/min
検出波長:蛍光励起波長340nm、蛍光測定波長450nm。
【0058】
<結果>
比較品2から得られた分析供試サンプルの分析結果(クロマトグラム)を図2のAに、本発明品2から得られた分析供試サンプルの分析結果(クロマトグラム)を図2のBに示す。図2のAからわかるように比較品2の紫トウモロコシ色素製剤には色価E10% 1cm = 60当たり2.96ppmのフモニシンB1が検出されたのに対して、本発明品2の紫トウモロコシ色素製剤にはフモニシンが検出されなかった。このことから、本発明の製法によれば、万一原料として使用する紫トウモロコシにカビが発生していたとしても、その毒成分であるフモニシンを除去することができるので、安全な紫トウモロコシ色素の色素製剤を提供することができることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の紫トウモロコシ色素製剤(図A)と比較例1の紫トウモロコシ色素製剤(図B)に含まれる香気成分量を、ガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC-MS)で測定した結果を示す図である。 なお、図1中、▲1▼のピークは酢酸、▲2▼のピークはマロン酸ジエチルエステル、▲3▼のピークは4-ビニル-2-メトキシフェノール、▲4▼のピークは 4-ビニルフェノールそれぞれ示す。またIS-1のピークは 内部標準物質であるオクタン酸メチルである。
【図2】比較例2の紫トウモロコシ色素製剤(図A)及び本発明による製造方法により処理した実施例2の紫トウモロコシ色素製剤(図B)のHPLCによるフモニシンの分析結果を示す図である。

Claims (8)

  1. 色価を
    Figure 0003978564
    とした場合に、含まれる香気成分濃度が150ppm以下であり、フモニシンを含まないことを特徴とする、紫トウモロコシ色素。
  2. 上記紫トウモロコシ色素中の香気成分が、酢酸、マロン酸ジエチルエステル、4-ビニル-2-メトキシフェノール及び4-ビニルフェノールよりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種である請求項1記載の紫トウモロコシ色素。
  3. 色価を
    Figure 0003978564
    とした場合に、含まれる酢酸、マロン酸ジエチルエステル、4-ビニル-2-メトキシフェノール及び/または4-ビニルフェノールの濃度が、総量で20ppm以下であり、フモニシンを含まないことを特徴とする、紫トウモロコシ色素。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の紫トウモロコシ色素を含有する色素製剤。
  5. 紫トウモロコシ色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理および膜分離処理を行うことを特徴とする香気成分の除去されたフモニシンを含まない紫トウモロコシ色素の製造方法であって、上記吸着処理が吸着処理後に0%より高く50%未満濃度のエチルアルコール水で溶出する工程を有し、かつ上記膜分離処理が分子量50 , 000以上および3000以下の物質を除去する処理方法であることを特徴とする、上記方法。
  6. 上記の0%より高く50%未満濃度のエチルアルコール水で溶出する工程が、0%および50%エチルアルコール水を用いてグラジエントをかけて溶出する工程である、請求項5に記載する紫トウモロコシ色素の製造方法。
  7. さらに、イオン交換処理、酸処理、および抽出処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理を行うことを特徴とする、請求項5または6に記載する紫トウモロコシ色素の製造方法。
  8. 膜分離処理が、逆浸透膜処理または限外濾過膜処理のいずれか少なくとも1種である請求項5乃至7のいずれかに記載の紫トウモロコシ色素の製造方法。
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