JP3978171B2 - エンジン排気ガス温度予測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンなどの内燃機関の、触媒コンバータ前端の排気ガス温度を予測する方法に係り、より詳しくは、始動初期の触媒コンバータ前端の排気ガス温度を予測する方法に関するものである。
一般に、エンジンから排出される排気ガスには、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素化合物(NOx)などが含まれていると大気汚染を誘発するので、これを除去した状態で大気に放出しなければならない。
前記のように有害な排気ガスを浄化するための装置として触媒コンバータが用いられるが、前記触媒コンバータは、触媒担体(substrate)に白金(Pt)と少量のロジウム(Rh)とを混合したものが付着されて構成され、前記白金は、主に、一酸化炭素と炭化水素の酸化作用に用いられ、ロジウムは、主に、窒素化合物の還元作用に用いられる。
前記のようなエンジンからの排気ガスが、触媒が内蔵された触媒コンバータを通過する際に触媒に接触して触媒作用が起こる。
しかし、前記のような触媒は、その触媒作用が起こる温度範囲が制限されているので、触媒コンバータに供される排気ガスの、触媒コンバータ前端での温度を正確に予測する必要がある。
従来は、前記のような触媒コンバータ前端の排気ガス温度を予測する方法として、直接温度センサーを使用したり、エンジンの状態に関する複数の変数に基づいて、触媒コンバータ前端の排気ガス温度を予測していた。
前記従来の技術による排気ガス温度予測方法は、例えば、エンジンの吸入空気充填率及びエンジン回転速度に基づいて、予め設定されたマップから排気ガス温度を算出し、吸気温度を考慮して補正した後、シリンダー排気口から触媒コンバータ前端までの時間遅延を考慮してフィルタリングすることによって、触媒コンバータ前端の排気ガス温度を予測していた。
しかし、このような従来の技術による触媒コンバータ前端の排気ガス温度予測方法では、エンジンの始動オフ後に再始動する際に、初期値を予測することができなかった。
特開2003−013786号公報 特開平08−035418号公報
本発明は前記問題点を解決するためのものであって、エンジンの始動の際の、触媒コンバータ前端の排気ガス温度を正確に予測する、エンジン排気ガス温度予測方法を提供する。
前記目的を達成するためになされた本発明によるエンジン排気ガス温度予測方法は、エンジンの始動時の、触媒コンバータ前端の排気ガス温度を予測する方法であって、エンジン制御ユニット(ECU)において、前回の始動オフの際、オフ直前の触媒コンバータ前端の排気ガス温度の値を保存して、始動オフ時触媒コンバータ前端排気ガス温度(EGT_CAT_OFF)とし、エンジン吸気部に備えた温度センサーにより検出した始動オン時の吸気温度を始動時吸気温度(INT)とし、前記始動オフ時触媒コンバータ前端排気ガス温度(EGT_CAT_OFF)と前記始動時吸気温度(INT)の差を算出する段階、再始動時間(ΔT、前回の始動オフ後から始動時までの経過時間)により特性係数(K )を算出する段階と、前記差と前記特性係数(K )の積を算出する段階と、前記積と前記始動時吸気温度(INT)の和を算出して、始動時の触媒コンバータ前端排気ガス温度(EGT_CAT_ST)の予測値を得る段階と、を含む手順で、数式:EGT_CAT_ST=(EGT_CAT_OFF − INT)*K +INTにより、前記始動時の触媒コンバータ前端排気ガス温度(EGT_CAT_ST)の予測値を算出する、ことを特徴とする。
好ましくは、前記特性係数(K)を算出する段階は、予め設定されたマップに基づいて行われる、ことを特徴とする。
好ましくは、前記マップは、前記再始動時間(ΔT)が増加するのに伴って、前記特性係数(K)が1から0に収斂するように設定されている、ことを特徴とする。
本発明によるエンジン排気ガス温度予測方法によると、エンジンの始動オフ後に再始動する場合に、触媒コンバータ前端の排気ガス温度の正確な値を求めることができる。
以下、添付した図面を参照して、前記特徴を有する本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
本発明によるエンジン排気ガス温度予測方法は、車両のエンジンを制御するエンジン制御ユニット(ECU)、エンジン制御モジュール(ECM)、又は、別途のコントローラによって行われる。以下これらを総称してエンジン制御ユニット(ECU)とする。
また、以下で表現される“予め設定されたマップ”は、前記エンジン制御ユニット(ECU)に設けられた保存手段、例えばロム(ROM)にデータとして保存されており、対応するプログラムの実行により具現化される。
以下、本発明の第1実施例により、エンジンの始動の際に、シリンダーから排出される、触媒コンバータ前端での排気ガス温度を予測する方法を説明する。
本実施例は請求項1〜4に係るものである。
図1にはエンジンの始動オフ後に再始動する際の、再始動時間(ΔT、前回の始動オフ時から再始動時までの経過時間)に対する、触媒コンバータ前端の排気ガス温度のグラフを示す。
このように、エンジンの始動オフ後に時間が経過するにつれ、始動時の触媒コンバータ前端の排気ガス温度(EGT_CAT_ST)は、エンジンの始動オフ時の触媒コンバータ前端の排気ガス温度(EGT_CAT_OFF)より減少し、所定の時間が経過すると、始動時の触媒コンバータ前端の排気ガス温度(EGT_CAT_ST)は始動時の吸気温度(INT)と同一になる。
すなわち、始動時の触媒コンバータ前端の排気ガス温度(EGT_CAT_ST)は、前回の始動オフ時から始動までの経過時間が長いほど減少し、最終的には始動時の吸気温度に収斂する。
図2には、エンジン制御ユニット(ECU)において、始動の際の排気ガス温度を、前記関係を反映して予測するためのフローダイアグラムを示す。前記フローダイアグラムは、次の数式1により表現できる。
[数式1]
EGT_CAT_ST=(EGT_CAT_OFF−INT)*K+INT
ここで、
EGT_CAT_ST:始動時触媒コンバータ前端排気ガス温度
EGT_CAT_OFF:前回の始動オフの際、オフ直前に保存しておいた、始動オフ時触媒コンバータ前端排気ガス温度
INT:エンジン吸気部に備えた温度センサー(図示せず)により検出した、始動時吸気温度
:再始動時間(ΔT)によって決定される特性係数。
特性係数(K)は、予め設定されたマップから算出される。
こうして、エンジンの始動オフ後に再始動する際の、触媒コンバータ前端の排気ガス温度(EGT_CAT_ST)の初期値を予測することができる。
実施例1に係る、再始動時間に対する、始動の際の排気ガス温度の関係を示したグラフである。 実施例1に係る、始動の際の排気ガス温度を予測するためのフローダイアグラムである。
符号の説明
EGT_CAT_OFF: 始動オフ時触媒コンバータ前端排気ガス温度
ΔT: 再始動時間
INT: 始動時吸気温度
: 再始動時間(ΔT)によって決定される特性係数
EGT_CAT_ST: 始動時触媒コンバータ前端排気ガス温度

Claims (3)

  1. エンジンの始動時の、触媒コンバータ前端の排気ガス温度を予測する方法であって、エンジン制御ユニット(ECU)において、
    前回の始動オフの際、オフ直前の触媒コンバータ前端の排気ガス温度の値を保存して、始動オフ時触媒コンバータ前端排気ガス温度(EGT_CAT_OFF)とし、エンジン吸気部に備えた温度センサーにより検出した始動オン時の吸気温度を始動時吸気温度(INT)とし、
    前記始動オフ時触媒コンバータ前端排気ガス温度(EGT_CAT_OFF)と前記始動時吸気温度(INT)の差を算出する段階、
    再始動時間(ΔT、前回の始動オフ後から始動時までの経過時間)により特性係数(K )を算出する段階と、
    前記差と前記特性係数(K )の積を算出する段階と、
    前記積と前記始動時吸気温度(INT)の和を算出して、始動時の触媒コンバータ前端排気ガス温度(EGT_CAT_ST)の予測値を得る段階と、
    を含む手順で、数式:
    EGT_CAT_ST=(EGT_CAT_OFF − INT)*K +INT
    により、前記始動時の触媒コンバータ前端排気ガス温度(EGT_CAT_ST)の予測値を算出する、
    ことを特徴とするエンジン排気ガス温度予測方法。
  2. 前記特性係数(K)を算出する段階は、予め設定されたマップに基づいて行われる、ことを特徴とする請求項に記載のエンジン排気ガス温度予測方法。
  3. 前記マップは、前記再始動時間(ΔT)が増加するのに伴って、前記特性係数(K)が1から0に収斂するように設定されている、ことを特徴とする請求項に記載のエンジン排気ガス温度予測方法。
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