JP3978141B2 - 厚鋼板の冷却方法及び冷却装置 - Google Patents

厚鋼板の冷却方法及び冷却装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱間圧延された高温厚鋼板の冷却方法及び冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延された高温の厚鋼板は、表裏面の環境差異、鋼板の平坦度形状、あるいは表裏面性状の相違に起因して、不可避的に鋼板内板厚方向に温度偏差を有する。
【0003】
近年、厚鋼板の製造プロセスとして、熱間圧延直後の高温の厚鋼板を、オンラインにて水冷加速冷却するオンライン制御冷却法が実施されている。水冷加速冷却プロセスは、高温の厚鋼板が不可避的にもつ鋼板内板厚方向温度偏差、微小な表裏面熱伝達係数の差異を拡大する傾向があり、その結果、鋼板内に板厚方向に過大な温度偏差、熱応力が生じ、鋼板の変形、残留応力、材質の不均一等が発生する要因となり易い問題がある。
【0004】
鋼板に変形が生じた場合には、圧延後の工程において、プレスやレベラーにより形状矯正工程が必要となり、コストの増加、工期の延長等の問題を招いていた。
【0005】
上述の問題を解決、低減し、高温の厚鋼板を均一に冷却して、鋼板内の板厚方向温度偏差、熱応力の発生を抑制するために種々の冷却装置や方法が考案されており、例えば、次のような技術が開示されている。
【0006】
(1) 鋼板の冷却を、前段冷却と後段冷却の2段に分け、前段冷却で鋼板の表面温度を100℃以上低下させ、次いで、後段冷却で鋼板を所定温度まで冷却させることにより、鋼板の板幅方向の温度差を減少させる方法(例えば、特許文献1)。
【0007】
(2) 水冷及び空冷を複数回繰り返すことによって、鋼板の板厚方向の温度差を低減し、冷却後の鋼板の残留応力を低減する冷却方法(例えば、特許文献2)。
【0008】
(3) 鋼板の冷却を、前段冷却と後段冷却の2段に分け、前段と後段冷却の間で一旦冷却を停止し、鋼板表面温度が復熱して750〜650℃になるように前段冷却を調整し、後段冷却では所望の冷却水量で冷却することによって、鋼板温度の均一性を向上させる方法(例えば、特許文献3)。
【0009】
(4) 鋼板の冷却を、水切り装置によって、鋼板の移送方向に複数のブロックに区画し、区画された各冷却ブロックにおいて、核沸騰状態にて冷却を行なうよう調整し、各冷却ブロックの冷却水の噴射をブロック単位でオンオフすることにより、鋼板の冷却速度を制御する方法(例えば、特許文献4)。
【0010】
(5) 鋼板の冷却を、水切り装置によって、鋼板の移送方向に複数のゾーンに区画し、区画された複数の冷却ゾーンにおいて、強冷却と弱冷却とを少なくとも2回以上繰り返して行なうことによって、鋼板温度の均一性を向上させる方法(例えば、特許文献5)。
【0011】
(6) 2組のローラー間を搬送される鋼板の表裏にカバーを設け、スリット状のノズルから冷却ゾーン内に冷却水を噴射し、鋼板の搬送方向に向けて冷却水を流し冷却する装置(例えば、特許文献6)。
【0012】
(7) 厚鋼板を2つの冷却装置にオンラインで通過させて冷却するに際し、第1段の冷却装置では表裏のスリットノズルから冷却水を噴射し、第2段の冷却装置ではスプレーノズルから冷却水を噴射して厚鋼板を冷却する装置(例えば、特許文献7)。
【0013】
(8) 鋼板の上方及び下方に設けられたスリットジェットノズルにより冷却する方法において、水量を150〜200m3/hm、吐出圧力を1.5〜2kg/cm2、スリットノズル角度を15〜25°として冷却水を噴射することにより、蒸気膜を均一に除去し、安定な冷却を行なう冷却方法(例えば、特許文献8)。
【0014】
(9) 上流側ロールの近傍に設けられた上部冷却ノズルから、鋼板に対し冷却水を供給し、下流側ロールの近傍で冷却水を吸水し、下面側のロール側中央部に設けられたノズルによって鋼板を冷却する方法(例えば、特許文献9)。
【0015】
(10) 鋼板長さ方向の冷却ノズル本数を、上部よりも下部に多く配置し、かつ、冷却水と鋼板との接触位置が表裏面にて同一となるようにノズルを配置する冷却装置(例えば、特許文献10)。
【0016】
【特許文献1】
特開昭62−289136号公報
【特許文献2】
特開平4−317519号公報
【特許文献3】
特開平7−284836号公報
【特許文献4】
特開平10−216821号公報
【特許文献5】
特開平10−216827号公報
【特許文献6】
特開昭58−86904号公報
【特許文献7】
特開昭61−153235号公報
【特許文献8】
特開昭61−264137号公報
【特許文献9】
特開昭63−168215号公報
【特許文献10】
特開昭10−166023号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の方法においては、前段冷却で鋼板内に温度偏差が生じると、引き続き行なわれる後段冷却において温度偏差が積算される結果、鋼板の温度偏差がさらに拡大する。
【0018】
特許文献2の方法においては、板厚方向の温度差を低減しようとすると、不可避的に冷却速度が低下し、冷却速度の制御可能範囲が著しく狭隘となり、制御冷却の本来の目的である材質制御が困難となる。
【0019】
特許文献3の方法においては、前段冷却に続いて復熱させ、更に後段冷却を行なうと、復熱させないで連続冷却した場合と比較して、冷却終了時の温度偏差は減少する。しかしながら、前段冷却過程において、温度偏差とそれに起因する熱応力が発生、その後蓄積されるため、冷却終了後の鋼板変形量、残留応力を許容範囲に抑制することは困難である。
【0020】
すなわち、冷却過程において、許容範囲を超える鋼板内の温度偏差が一旦発生すると、それに起因して瞬時に熱応力が生じ、さらに温度偏差が存在した状態で塑性変形が発生するため、その後に鋼板内の温度偏差を低減するような冷却を行ない、冷却終了時において鋼板内の温度偏差がない均一な状態を達成しても、鋼板の形状変形、残留応力の発生を回避することはできない。
【0021】
特許文献4の方法においては、各冷却ブロックにおける冷却を、安定冷却が容易な核沸騰領域にて行なうとしているが、鋼板表面温度を核沸騰領域温度とするためには、それに先立ち不可避的に高温側の膜沸騰領域及び遷移沸騰領域を通過しなければならず、その過程において許容範囲を超える温度偏差とそれに起因する熱応力が発生、蓄積された場合、冷却終了後の鋼板変形量、残留応力を許容範囲に抑制することは困難である。
【0022】
特許文献5の方法においては、区画された複数の冷却ゾーンにおいて、強冷却と弱冷却を少なくとも2回以上繰り返して行なうことにより、冷却前及び冷却中に発生した鋼板内の温度偏差を低減可能としているが、特許文献3及び4と同様に、冷却過程において許容範囲を超過する温度偏差が一旦でも発生した場合、その後の復熱過程にて温度偏差を低減しても、冷却終了後の変形量及び残留応力を許容範囲に低減することはできない。
【0023】
特許文献6〜9に関しては、いずれの方法、装置においても、鋼板表裏面の熱負荷が同一になるように冷却水の水量を調整することは困難であり、したがって、冷却中に表裏面に温度偏差が発生し、冷却終了後の変形、残留応力の発生は避けられない。
【0024】
特許文献10の装置においては、複数に分割された冷却ゾーンごとに、表裏面の冷却水量を適正なバランスとし、かつ、表裏面の冷却開始点を同一とすることで表裏面の冷却能分布を同一とするとしているが、冷却能力は、水量のみならず、鋼板との衝突圧力、水温にも依存することから、冷却ゾーン長、すなわち、各冷却ゾーン内での冷却時間が冷却速度に対してある程度以上に長くなると、鋼板表裏面の熱流束を同一に保つことは困難である。
【0025】
したがって、上述したいずれの特許文献によっても、冷却の全過程において、表裏面の熱流束の差異及び表裏面の温度偏差を常に許容範囲内に保ち、熱応力の発生を回避して、冷却後の変形、残留応力の発生を抑制することは困難である。
【0026】
本発明の目的は、熱間圧延された高温の厚鋼板を冷却するに際し、冷却水量密度、鋼板表裏面温度、冷却水温により定まり、冷却過程において不可避的に差異が発生する鋼板の表裏面の冷却速度を、全冷却過程において常に許容範囲内に抑制し、さらに、鋼板の表裏面の温度偏差を、全冷却過程において常に許容範囲内に保つように表裏面冷却水量密度、冷却時間を決定することにより、冷却中及び冷却後に生ずる鋼板の変形、残留応力を抑制することが可能な、高温厚鋼板の冷却方法及び装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を克服するために、連続する複数組の冷却帯とそれに続く復熱帯を通過させて連続的に水冷する方法あるいは装置において、所望の材質を造り込むために必要とされる冷却温度範囲及び冷却速度範囲の制約内で、鋼板表裏面水量密度と冷却時間を最適化することにより、さらに最適な表裏面水量密度と冷却時間の組合せを実現可能な制御冷却装置を構築することにより、目的を達成したもので、その要旨は以下に示す通りである。
【0028】
(1) 熱間圧延された厚鋼板を連続した複数組の冷却帯及び復熱帯にて水冷する方法であって、予め厚鋼板の高温強度・板厚・板幅などにより定まる熱弾塑性臨界応力を求め、一方、冷却水量密度、冷却水温度、厚鋼板表裏面温度、冷却時間の初期設定値から全冷却過程における表裏面温度偏差の推移を求め、更にそれにより発生する熱応力の推移を求め、復熱帯を含めた全冷却過程において、前記熱応力が前記熱弾塑性臨界応力以下となるように、前記複数の各冷却帯における冷却水量密度、あるいは冷却時間を修正し決定することを特徴とする厚鋼板の冷却方法。
【0029】
(2) (1)の厚鋼板の冷却方法において、前記熱応力が前記熱弾塑性臨界応力以下となるように、前記複数の各冷却帯における冷却水量密度、冷却時間、もしくは冷却帯長さを修正し決定することを特徴とする厚鋼板の冷却方法。
【0030】
(3) 熱間圧延後の厚鋼板を冷却する冷却装置であって、前記冷却装置が複数組の冷却帯及び復熱帯からなり、鋼板の高温強度・板厚・板幅などから熱弾塑性臨界応力を求める機能、冷却水量密度、冷却水温度、厚鋼板表裏面温度、冷却時間から表裏面温度偏差を求め、更にそれにより発生する熱応力を求める機能、及び、前記熱応力が前記熱弾塑性臨界応力以下にとなるような、前記複数の各冷却帯における冷却水密度、あるいは冷却時間を求める機能とを有した演算装置と、前記求めた冷却水量密度、あるいは冷却時間に従って冷却水量密度、冷却水温度、あるいは冷却時間を制御可能な前記冷却装置とを有したことを特徴とする厚鋼板の冷却装置。
【0031】
(4) (3)の厚鋼板の冷却装置において、前記演算装置が、更に熱応力が前記熱弾塑性臨界応力以下にとなるような、前記複数の各冷却帯における冷却帯長さを求める機能を有し、また、冷却装置が更に冷却帯長さを変更可能な機構であることを特徴とする厚鋼板の冷却装置。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0033】
伝熱現象は、板厚方向一次元についてのみ考えると、一般に数1に示す熱伝導偏微分方程式にて表現される。
【数1】
Figure 0003978141
ここで、 T: 鋼板内部位置Xにおける温度 [K]
t: 時間 [S]
q: 変態熱 [J/g・S]
λ: 鋼板内部熱伝導率 [J/K・mm・S]
ρ: 比重 [g/mm3
C: 比熱 [J/K・g]
X: 鋼板内部板厚方向位置 [mm]
【0034】
また、鋼板表面における温度変化は、熱伝達係数αを用いて数2のように表される。
【数2】
Figure 0003978141
ここで、 α: 熱伝達係数 [J/K・mm2・S]
W: 冷却水温 [K]
【0035】
ところで、上記の熱伝達係数は、鋼板表裏面温度、冷却水温、冷却水量密度、冷却水衝突圧力、鋼板表面性状の関数であることが知られている。ノズルタイプが同一であれば、冷却水衝突圧力はほぼ一定と考えられ、また、鋼板表面性状も鋼種成分、加熱、圧延条件が一定であればほぼ一定と考えられる。したがって、冷却中の熱伝達係数の変動については、鋼板表裏面温度、冷却水温、冷却水量密度の影響を考慮すればよい。
【0036】
図1、図2に、冷却水量密度を1.0m3/m2とした場合の、鋼板表裏面温度と鋼板表裏面熱伝達係数の関係を示す。図1は鋼板表面温度、図2は鋼板裏面温度に係るもので、T1、T2の2つの温度水準で示している。
【0037】
図1、図2の鋼板表裏面温度に対する鋼板表裏面熱伝達係数の変化について説明する。高温の鋼板を水冷すると、冷却中の鋼板表裏面温度に応じて、3つの冷却形態、すなわち、沸騰現象が生じる。鋼板表裏面が高温の場合、鋼板表裏面と冷却水の間に蒸気膜が形成される。このような状態を膜沸騰という。膜沸騰状態では、鋼板表裏面温度が非常に高いため、冷却水が鋼板表面に接触する前に蒸発し、鋼板と冷却水の間に常に蒸気膜が存在するため、熱流束が小さく、したがって、熱伝達係数も小さい。鋼板表裏面温度が低下してくると、鋼板表面の蒸気膜が不安定となり、冷却水と鋼板が局所的に接触するようになる。このような状態を遷移沸騰という。遷移沸騰状態では、熱流束が急激に増大し、熱伝達係数も急激に増加する。更に鋼板表裏面温度が低下すると、鋼板表面の蒸気膜は存在しなくなり、鋼板のほぼ全表面が冷却水と接触し蒸気泡が発生する。このような状態を核沸騰という。核沸騰状態では、熱流束は緩やかに減少する。これに対応し、熱伝達係数も緩やかに減少する。
【0038】
従って、高温では熱伝達係数が小さく、低温であるほど熱伝達係数は大きくなり、仮に初期の鋼板表裏面に温度差があり、表裏面同じ冷却強度の場合は表裏面温度偏差は益々大きく発散する。
【0039】
また、鋼板表裏面ともに、冷却水温が高くなるほど、熱伝達係数は減少する。冷却水は循環水を使用している場合が多く、この場合使用中に冷却水温度は徐々に上昇する。従って同じ水量密度でも熱伝達係数は減少していく傾向にある。
【0040】
図3に、板厚40mmの鋼板を850℃の高温から、鋼板表裏面の冷却水量密度を1.0m3/m2一定に保持して連続冷却した場合の、冷却時間に対する表裏面熱伝達係数比の変化を示す。一定の冷却水量密度の条件下では連続冷却時間が長くなると、鋼板表裏面温度及び冷却水温が変化することに起因して鋼板表裏面の熱伝達係数バランスが急激に変化する。
【0041】
図4に、板厚40mmの鋼板を850℃の高温から、鋼板表裏面の冷却水量密度を1.0m3/m2一定に保持して連続冷却した場合の、冷却時間に対する表裏面温度偏差の変化を示す。連続冷却時間が長くなると、上記のように鋼板表裏面の熱伝達係数バランスが急激に変化することに起因し、表裏面温度偏差も急激に増大する。
【0042】
図5に冷却水量密度を1.0m3/m2、鋼板表裏面温度が同一と仮定した場合の、鋼板表裏面温度と冷却水温変動による鋼板表裏面熱伝達係数のバランスの変化を示す。このように、冷却過程における適正な表裏面のバランスは鋼板表裏面温度と冷却水温により変化することが見出された。
【0043】
上述のように、一旦表裏面のバランスが崩れ、その結果鋼板表裏面温度偏差が発生すると、直ちに熱応力が発生して、その後の冷却過程で温度偏差を改善しても、鋼板変形、残留応力の発生が避けられない。したがって、冷却途中における鋼板表裏面温度や冷却水温の変動を考慮して、それらに起因する鋼板表裏面の熱伝達係数バランス、すなわち冷却速度のバランスを常に適正に制御する必要がある。
【0044】
このように、鋼板変形、残留応力の発生を回避するためには、鋼板表裏面温度偏差に起因する熱応力を、鋼板の板厚、板幅、鋼板高温強度により定まる熱弾塑性臨界応力を超過しない範囲に、全冷却過程において抑制しなければならない。そのためには、各冷却帯における表裏面冷却水量密度、冷却水温、鋼板表裏面温度、冷却時間により決定される鋼板表裏面温度偏差を、熱弾塑性臨界応力、板厚、鋼板の熱膨張率より定まる最大許容鋼板表裏面温度偏差を超過しない範囲に、全冷却過程を通して抑制しなければならない。
【0045】
各冷却帯における表裏面冷却水量密度、冷却水温、鋼板表裏面温度、冷却時間の設定計算フローを図6、図7に示す。
【0046】
図6に、各冷却帯長及びそれに続く復熱帯長が固定である場合の、表裏面冷却水量密度、冷却時間、鋼板通板速度の設定計算フローを示す。
【0047】
まず、初期設定条件を用いて、熱伝導差分計算、表裏面熱伝達係数、表裏面温度偏差、熱応力を算出する。鋼板表裏面温度偏差に起因する熱応力が、鋼板の板厚及び板幅、鋼板高温強度により定まる熱弾塑性臨界応力を超過しない範囲であるか判定を行う。範囲内の場合、次冷却帯の設定計算を引き続き行う。範囲から外れる場合、表裏面水量密度表裏面比の変更可否の判定を行う。これは、変更後の冷却速度が材質上の要求から定まる冷速範囲を満足するか否かにより判定される。可の場合、表裏面水量密度表裏面比を変更する。不可の場合、通板速度を増加し、連続冷却時間を短縮する。以上の設定計算を鋼板表裏面温度偏差に起因する熱応力が許容熱弾塑性臨界応力範囲に入るまで繰り返す。
【0048】
各冷却帯について上記設定計算を繰り返し、最終冷却帯については、冷却終了温度が材質上の要求から定まる冷却終了温度範囲にあるか判定を行う。不可の場合、通板速度を増加し、第一の冷却帯から上記の各冷却帯の設定計算を再度行う。
【0049】
熱弾塑性臨界応力及び許容表裏面温度差は以下のとおり算出できる。
【0050】
鋼板が表裏面の温度差に起因する熱応力により図10に示すように変形する場合を考える。図10は鋼板の板幅、変形量、変形曲率の関係を示す図である。図10において、板厚H、板幅W、鋼板歪高さδ、変形曲率半径R、変形曲率中心角θ、表裏面幅差ΔW及び歪量εの間には、次の関係が成り立つ。
W =2Rθ
δ =R(1−cosθ)=2Rsin(θ/2)≒1/2(Rθ
ΔW=2(R+H/2)θ−2(R−H/2)θ=2Hθ
ε =ΔW/W=2Hθ/W
ここで、H:板厚、W:板幅、δ:鋼板歪高さ、R:変形曲率半径、θ:変形曲率中心角、ΔW:表裏面幅差、ε:表裏面幅方向歪
【0051】
これらを整理すると
ε =8Hδ/W
あるいは、
δ =Wε/8H
鋼板表裏面に発生する熱応力は、表裏面温度差をΔTとすると、
Δσ=α(T)Ε(T)ΔT
ここで、Δσ:熱応力、ΔT:表裏面温度差、α(T):温度Tにおける熱膨張係数、E(T):温度Tにおけるヤング率
【0052】
ところで、高温における鋼板の降伏応力(Yield Stress)は図11に示すように、鋼板温度が高くなるほど低下する。すなわち、
σ(T)=f(T)
ここで、σ0(T):温度Tにおける降伏応力(Yield Stress)、T:鋼板温度
【0053】
また、塑性変形歪εを加えた場合に得られる変形応力(Flow Stress)は、次式に示すように、歪の1/2乗に比例して増大する。
σ=σ+Kε1/2
ここで、σ:変形応力(Flow Stress)、σ0:降伏応力(Yield Stress)、ε:塑性歪量(Plastic Strain)、K:モデル係数
したがって、
ε=[1/K(σ−σ)]
【0054】
冷却中の表裏面温度差に起因して発生する熱応力が鋼板の冷却中温度における降伏応力を超過する場合、鋼板に塑性歪が発生し、冷却終了後の変形あるいは残留応力発生の要因となる。したがって、冷却終了後の変形あるいは残留応力の発生を抑制、低減するためには、冷却途中における塑性歪を、強度、板厚、板幅ごとに実験的に求めた塑性歪許容値以下としなければならない。
すなわち、
▲1▼ Δσ<σの場合、鋼板に塑性歪は発生しない
▲2▼ Δσ≧Δσの場合、鋼板に塑性歪εが発生する。
[1/K(Δσ−σ)]=ε≦εTH(S,H,W)=8HσTH/Wここで、εTH(S,H,W):強度S、板厚H、板幅Wにおける塑性許容歪、σTH:許容鋼板歪高さ
【0055】
したがって、熱弾塑性臨界応力Δσcは、次式により算出される。
[1/K(Δσ−Δσ(T))]=εTH(S,H,W)=8HσTH/W
整理すると
Δσ=Δσ(T)+KεTH(S,H,W)1/2=σ(T)+K(8HσTH/W1/2
さらに、許容表裏面温度差は、次式により算出される。
【数3】
Figure 0003978141
【0056】
なお、表裏面温度偏差の推移については、伝熱計算により計算される表裏面温度の差異を逐次計算することにより、また熱応力の推移は、表裏面温度偏差と熱膨張係数の積をとることにより算出することができる。
【0057】
図7に、各冷却帯長及びそれに続く復熱帯長が任意に変更可能である場合の、表裏面冷却水量密度、鋼板通板速度、冷却帯長の設定計算フローを示す。
【0058】
まず、初期設定条件を用いて、熱伝導差分計算、表裏面熱伝達係数、表裏面温度偏差、熱応力算出する。鋼板表裏面温度偏差に起因する熱応力が、鋼板の板厚及び板幅、鋼板高温強度により定まる熱弾塑性臨界応力を超過しない範囲であるか判定を行う。範囲内の場合、次冷却帯の設定計算を引き続き行う。範囲から外れる場合、表裏面水量密度表裏面比の変更可否の判定を行う。これは、変更後の冷却速度が材質上の要求から定まる冷速範囲を満足するか否かにより判定される。可の場合、表裏面水量密度表裏面比を変更する。不可の場合、冷却帯長及び連続する復熱帯長の変更可否判定を行う。これは、主に設備仕様制約により判定される。可の場合、冷却帯長を短縮、連続する復熱帯長を延長し、連続冷却時間を短縮する。不可の場合、通板速度を増加し、連続冷却時間を短縮する。以上の設定計算を鋼板表裏面温度偏差に起因する熱応力が、許容熱弾塑性臨界応力範囲に入るまで繰り返す。
【0059】
各冷却帯について上記設定計算を繰り返し、最終冷却帯については、冷却終了温度が材質上の要求から定まる冷却終了温度範囲にあるか判定を行う。不可の場合、通板速度を増加し、第一の冷却帯から上記の各冷却帯の設定計算を再度行う。
【0060】
ここで、冷却帯長さ及び復熱帯長さを変更可能とした装置の一例を示す。
図9は、本発明装置の一実施例を示す図である。
図は、圧延した鋼板1を搬送する搬送ローラ2(テーブルローラ)とその上に冷却ゾーンを区分けする水切り用ロール3とを配列し、それらロールの上方、下方それぞれに冷却用のスプレーノズル4を配置している。この装置により本発明方法により求められた冷却帯と復熱帯の長さにあわせて、各ノズルをON-OFFすることにより、冷却帯と復熱帯とに使い分けることができる。
あるいはロールやスプレーノズルを可動式としておき、本発明方法により求めた冷却帯長さに設定してももちろん良い。
【0061】
【実施例】
冷却開始からの時間に対する鋼板表裏面温度偏差の変化について、従来法と本発明を比較した一例を図8に示す。図8は、熱弾塑性臨界応力を1.0とした場合の従来法と本発明方法とにおける冷却中の鋼板に発生する応力の推移(残留応力指数)を表わしたものである。従来法では+3.75〜−0.83と大きく臨界応力を超過しているのに対し、本発明を適用した場合、+0.75〜0と臨界応力内に収まっている。
【0062】
各冷却帯における表裏面冷却水量密度比、冷却水温、鋼板表裏面温度、冷却時間により決まる鋼板表裏面温度偏差を、熱弾塑性臨界応力、板厚、鋼板の熱膨張率より定まる最大許容鋼板表裏面温度偏差を超過しない範囲に、全冷却過程において抑制し、表裏面熱伝達係数差、鋼板表裏面温度偏差に起因する熱応力を、鋼板の板厚、板幅、鋼板高温強度により定まる熱弾塑性臨界応力を超過しない範囲に、全冷却過程を通して抑制することにより、鋼板変形、残留応力の大幅な低減を達成した。
【0063】
【発明の効果】
本発明の冷却法及び冷却装置は、高温圧延直後の厚鋼板を冷却するに際し、鋼板表裏面温度と冷却水温の変化に応じて、冷却途中にて不可避的に発生する鋼板表裏面熱伝達係数(熱流束)及び表裏面の冷却速度バランスの不均衡とそれに起因する表裏面温度差を、全冷却帯において許容範囲内に抑制するように、冷却帯毎に適正な表裏面水量密度、通板速度、冷却時間、或いは冷却帯長を決定するものであり、従来の冷却法及び冷却装置と比較して、冷却中に発生する鋼板変形と残留応力の大幅な低減を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷却水量密度を1.0m3/m2とした場合の、鋼板表面温度と鋼板表裏面熱伝達係数の関係を示す図である。
【図2】冷却水量密度を1.0m3/m2とした場合の、鋼板裏面温度と鋼板表裏面熱伝達係数の関係を示す図である。
【図3】板厚40mmの鋼板を850℃の高温から、鋼板表裏面の冷却水量密度を1.0m3/m2一定に保持して連続冷却した場合の、冷却時間に対する表裏面熱伝達係数比の変化を示す図である。
【図4】板厚40mmの鋼板を850℃の高温から、鋼板表裏面の冷却水量密度を1.0m3/m2一定に保持して連続冷却した場合の、冷却時間に対する表裏面温度偏差の変化を示す図である。
【図5】冷却水量密度を1.0m3/m2、鋼板表裏面温度が同一と仮定した場合の、鋼板表裏面温度と冷却水温変動による鋼板表裏面熱伝達係数のバランスの変化を示す図である。
【図6】各冷却帯長及びそれに続く復熱帯長が固定である場合の、表裏面冷却水量密度、冷却時間、鋼板通板速度の設定計算フロー図である。
【図7】各冷却帯長及びそれに続く復熱帯長が任意に変更可能である場合の、表裏面冷却水量密度、鋼板通板速度、冷却帯長の設定計算フロー図である。
【図8】冷却開始からの時間に対する鋼板表裏面温度偏差の変化について、従来法と本発明を比較した冷却開始からの時間と表裏面温度偏差の関係の一例を示す図である。
【図9】本発明装置の一実施例を示す図である。
【図10】鋼板の板幅、変形量、変形曲率の関係を示す図である。
【図11】高温における鋼板の温度と降伏応力(Yield Stress)との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 鋼板
2 搬送ロール
3 水きり用ロール
4 スプレーノズル

Claims (4)

  1. 熱間圧延された厚鋼板を連続した複数組の冷却帯及び復熱帯にて水冷する方法であって、予め厚鋼板の高温強度・板厚・板幅などにより定まる熱弾塑性臨界応力を求め、一方、冷却水量密度、冷却水温度、厚鋼板表裏面温度、冷却時間の初期設定値から全冷却過程における表裏面温度偏差の推移を求め、更にそれにより発生する熱応力の推移を求め、復熱帯を含めた全冷却過程において、前記熱応力が前記熱弾塑性臨界応力以下となるように、前記複数の各冷却帯における冷却水量密度、あるいは冷却時間を修正し決定することを特徴とする厚鋼板の冷却方法。
  2. 請求項1記載の厚鋼板の冷却方法において、前記熱応力が前記熱弾塑性臨界応力以下となるように、前記複数の各冷却帯における冷却水量密度、冷却時間、もしくは冷却帯長さを修正し決定することを特徴とする厚鋼板の冷却方法。
  3. 熱間圧延後の厚鋼板を冷却する冷却装置であって、前記冷却装置が複数組の冷却帯及び復熱帯からなり、鋼板の高温強度・板厚・板幅などから熱弾塑性臨界応力を求める機能、冷却水量密度、冷却水温度、厚鋼板表裏面温度、冷却時間から表裏面温度偏差を求め、更にそれにより発生する熱応力を求める機能、及び、前記熱応力が前記熱弾塑性臨界応力以下にとなるような、前記複数の各冷却帯における冷却水密度、あるいは冷却時間を求める機能とを有した演算装置と、前記求めた冷却水量密度、あるいは冷却時間に従って冷却水量密度、冷却水温度、あるいは冷却時間を制御可能な前記冷却装置とを有したことを特徴とする厚鋼板の冷却装置。
  4. 請求項3記載の厚鋼板の冷却装置において、前記演算装置が、更に熱応力が前記熱弾塑性臨界応力以下にとなるような、前記複数の各冷却帯における冷却帯長さを求める機能を有し、また、冷却装置が更に冷却帯長さを変更可能な機構であることを特徴とする厚鋼板の冷却装置。
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