JP3978053B2 - エレベータ部品の寿命値演算方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータを構成する複数の部品のうち定期的な交換が必要となる部品の寿命値を演算するエレベータ部品の寿命値演算方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレベータを構成する複数の部品のうち定期的な交換が必要となる交換部品の寿命値は、設計者が定めた設計寿命値あるいは専門技術者の知識や過去の経験が反映されるフィールドデータ調査結果に基づき設定されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のものでは交換部品に故障が発生した場合に装置および取扱者や運転者等の人員に与える影響が寿命値に反映されていないとともに、寿命値が顧客毎の使用頻度の差異に関わらず一律であるため、故障が発生した際に顧客に大きなリスクを負わせる恐れがあるとともに、交換部品が本来有する寿命値に到達する前に交換を要して交換費用が多大となったり、部品の交換が一時期に集中して部品供給や交換作業員の確保に困難が生じる恐れがあった。
【0004】
本発明はこのような従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、適切な交換部品の寿命値を設定することのできるエレベータ部品の寿命値演算方法を提供することにある。
【0005】
また、第2の目的は、顧客毎に異なる使用頻度に対応することのできるエレベータ部品の寿命値演算方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この第1の目的を達成するために本発明の請求項1に係る発明は、エレベータを構成する複数の部品のうち定期的な交換の対象となる交換部品の寿命値を演算するエレベータ部品の寿命値演算方法において、前記交換部品毎に、あらかじめ計測された各種データに基づき寿命予測値を求めるとともに、故障発生時に装置へ与える影響に応じてあらかじめ定められる故障評点(Cs)と人員へ与える影響に応じてあらかじめ定められる致命度評点(Ce)との積算値である重要度評点(Cl)が高いほど高い重要度に設定し、この重要度が高いほど不信頼度確立の低い値に設定して、前記寿命予測値を短い値とするように演算するようにしてある。
【0007】
本発明の請求項1に係る発明によれば、定期的な交換の対象となる交換部品毎に、あらかじめ計測された各種データに基づき寿命予測値を求めるとともに、故障発生時に装置へ与える影響に応じてあらかじめ定められる故障評点(Cs)と人員へ与える影響に応じてあらかじめ定められる致命度評点(Ce)との積算値である重要度評点(Cl)に基づき重要度を求め、かつ重要度が高い交換部品を不信頼度確率の低い値に設定して短い寿命値とする。このように交換部品毎に異なる重要度が寿命値に反映されることから、適切な交換部品の寿命値を設定することができる。
【0008】
また、第2の目的を達成するために本発明の請求項2に係る発明は、顧客毎に前記交換部品の稼働データを計測し、前記寿命値および前記稼働データに基づき交換時期を演算するようにしてある。
【0009】
本発明の請求項2に係る発明によれば、交換部品の重要度、および顧客毎に計測される交換部品の稼働データに基づき交換時期が演算される。これによって、顧客毎に異なる使用頻度に対応することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベータ部品の寿命値演算方法の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明のエレベータ部品の寿命値演算方法の一実施形態を示すフローチャート、図2は交換時期演算に用いられる交換部品の重要度を示す説明図、図3は重要度および稼働データに基づき演算される寿命値を示す説明図、図4は重要度および交換時期を算出するための数式である。
【0012】
本実施形態の寿命値演算方法にあっては図1に示すように、まず、定期的な交換の対象となる交換部品毎に、寿命予測演算ステップS1としてあらかじめ計測された各種データに基づき寿命予測値を求める。すなわち、当該交換部品が新規に使用されるものか、他の機種で同一交換部品として使用されているかを判断し、後者であることを判断すると、例えば過去に故障が発生したときの故障データ、故障により交換が発生した交換実績データ、および顧客毎のエレベータ仕様データを用い故障発生確率を算出し、累積ハザード法によるワイブル解析に基づき寿命予測値を求める。
【0013】
次いで、重要度演算ステップS2としていわゆるFMEA技法により故障発生時に装置へ与える影響に応じてあらかじめ定められる故障評点、および人員に与える影響に応じてあらかじめ定められる致命度評点に基づき重要度を求める。すなわち、図2に示す故障評点Csおよび致命度評点Ceに基づき重要度評点Clを算出し重要度等級を設定する。
【0014】
ここで、まずあらかじめ定められる要素C1〜C5を図4に示す数式(1)に当てはめ故障評点Csを求め、次に、あらかじめ定められる要素F1〜F5を図4に示す数式(2)に当てはめ致命度評点Ceを求め、この後、故障評点Csと致命度評点Ceとを図4に示す数式(3)に当てはめ重要度評点Clを求める。
【0015】
次いで、算出された重要度評点ClをA、B、C、Dの4つの重要度等級に割り振る。なお、これらの重要度等級を判定するための基準値は、故障評点Csと致命度評点Ceに当てはめられる係数の最小値から最大値の組合せで求められる数値分布を4段階に分け、かつ均等に割り振りできる数値にしてある。
【0016】
次に、寿命値演算ステップS3として寿命予測演算ステップS1で求めた寿命予測および重要度演算ステップS2で求めた重要度に基づき寿命値を求める。ここで寿命値の設定を図3に基づき説明する。図3の横軸は交換部品に関する累積回数、縦軸は累積回数に対応する不信頼度確立を示すものであり、重要度の等級が高いものほど縦軸の不信頼度確率は低い値に設定され短い寿命値となる。例えば図示しないドア開閉装置の駆動部に備えられるドアモータの寿命値の場合、重要度等級がA、不信頼度確率が5%であることから、ドア開閉回数に応じたドアモータの寿命値は3.00E+06回と演算される。
【0017】
この後、交換時期演算ステップS4として前記の寿命値および顧客毎のエレベータの状態監視により計測される交換部品の稼働データに基づき交換時期が演算される。すなわち、寿命値に対応する現時点における残寿命値を演算し、交換時期を算出する。例えば寿命値が前述のように3.00E+06回であるとともに、所定の顧客の累積ドア開閉回数が現在まで1.50E+06回、月当たりのドア開閉平均回数が1.25E+04回である場合、この顧客のドアモータの交換時期Tを図4に示す数式(4)で求める。このようにしてそれぞれの交換部品の交換時期Tを求め、これに応じて交換作業を行う。
【0018】
このように構成した実施形態では、交換部品毎に異なる重要度が寿命値に反映されることから適切な交換部品の寿命値を設定することができ、したがって、重大事故を未然に防ぎ安全性の向上を図ることができる。また、顧客毎に計測される交換部品の稼働データに基づき交換時期が演算されることにより、顧客毎に異なる使用頻度に対応することができ、したがって、効率の良い部品交換を実現してコスト低減を図ることができる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る発明によれば、故障発生時に装置へ与える影響に応じてあらかじめ定められる故障評点(Cs)と人員へ与える影響に応じてあらかじめ定められる致命度評点(Ce)との積算値である重要度評点(Cl)が高いほど高い重要度に設定し、この重要度が高いほど不信頼度確立の低い値に設定して、寿命予測値を短い値とするように演算することから、交換部品毎に異なる重要度が寿命値に反映されて、適切な交換部品の寿命値を設定することができるとともに、人員へ与える影響の大きい重大事故を未然に防ぎ安全性の向上を図ることができる。
【0020】
また、本発明の請求項2に係る発明によれば、顧客毎に計測される交換部品の稼働データに基づき交換時期が演算されることにより、顧客毎に異なる使用頻度に対応することができ、したがって、効率の良い部品交換を実現してコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータ部品の寿命値演算方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図2】交換時期演算に用いられる交換部品の重要度を示す説明図である。
【図3】重要度および稼働データに基づき演算される寿命値を示す説明図である。
【図4】重要度および交換時期を算出するための数式を示す図である。
【符号の説明】
S1 寿命予測演算ステップ
S2 重要度演算ステップ
S3 寿命値演算ステップ
S4 交換時期演算ステップ
Ce 致命度評点
Cl 重要度評点
Cs 故障評点
T 交換時期
Claims (2)
- エレベータを構成する複数の部品のうち定期的な交換の対象となる交換部品の寿命値を演算するエレベータ部品の寿命値演算方法において、
前記交換部品毎に、あらかじめ計測された各種データに基づき寿命予測値を求めるとともに、故障発生時に装置へ与える影響に応じてあらかじめ定められる故障評点(Cs)と人員へ与える影響に応じてあらかじめ定められる致命度評点(Ce)との積算値である重要度評点(Cl)が高いほど高い重要度に設定し、この重要度が高いほど不信頼度確立の低い値に設定して、前記寿命予測値を短い値とするように演算することを特徴とするエレベータ部品の寿命値演算方法。 - 顧客毎に前記交換部品の稼働データを計測し、前記寿命値および前記稼働データに基づき交換時期を演算することを特徴とする請求項1記載のエレベータ部品の寿命値演算方法。
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