JP2957561B1 - 生産ライン管理方法 - Google Patents

生産ライン管理方法

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  • General Factory Administration (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 生産ラインの長期停止後の生産再開に際し、
生産ラインの仕掛バランスを崩さず、目標生産数を達成
できる製造設備の長期停止後の処理開始時刻を決定す
る。 【解決手段】 各製造設備の最大可能稼働率データ及び
製品処理時間データ、製品処理手順データ、製品投入デ
ータ、各製造設備の処理開始予定時刻、目標生産数を入
力・設定し(ステップ101,102)、シミュレーシ
ョンを実施し(ステップ103)、シミュレーション結
果における各製造設備の製品仕掛データにより各製造設
備の適正仕掛を基準に仕掛を自動管理し(ステップ10
6,107)、仕掛漸増製造設備の処理開始予定時刻を
変更してシミュレーションを繰り返すことによって、生
産ラインの仕掛のバランスを崩さず、目標生産数を達成
できる製造設備長期停止後の処理開始時刻を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生産用の複数の製造
設備を含んでなる生産ライン管理方法に関し、特に生産
ライン全体が長期停止後に、効率的かつ円滑な生産を再
開する際の生産ライン管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の生産ライン管理方法に於ける、生
産用各製造設備の長期停止後の処理開始時刻の設定手順
としては、第1の従来例に於いては、図4のフローチャ
ートに示される様に、作業者の勘と経験とによって、ス
テップ401にて当該処理開始時刻を決定し、ステップ
402、403で決定時刻を基に各製造設備をそれぞれ
立ち上げ処理を開始し、前記処理開始時刻の生産への影
響具合については、約半月から1ヶ月の時間を要した後
スッテプ404にて判断され、この際、生産に大きく影
響した場合、ステップ405にて要因を追求し、その内
容を当該処理開始時刻には反映出来ず、次回各製造設備
の長期停止後の処理開始時刻に反映するしかなかった。
【0003】又、生産ラインの管理方法として、生産シ
ミュレーションを用いる第2の従来例の場合には、図5
に示される様に、生産ラインに於いて必要とされるデー
タ類に、多くの制約条件を付加して生産工程のモデル化
を行い、モデル化により設定されるこれらのデータ類を
ステップ501にてシミュレータに入力し、当該入力デ
ータに基づいて生産工程に関するシミュレーションをス
テップ502で実施して、当該シミュレーションが終了
した後にステップ503で算出されたシミュレーション
結果を基にして、作業者により各製造設備の処理開始時
刻を検討して決定するという方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】生産ラインに於いて、
電力の法定点検による停電、製造設備入れ替え等の為、
全製造設備を長期に渡り停止する場合に、製品の品質維
持の為に製品停滞が可能な設備と不可能な設備がある
為、設備の長期停止は生産ラインの仕掛のバランスを崩
す要因となっている。上述した従来の生産ライン管理方
法に於いては、設備の長期停止後の処理開始時刻が及ぼ
す生産への影響が定量的に把握されないままに、作業者
の勘と経験から処理開始時刻を決定していた為、生産ラ
インの仕掛のバランスを崩し、仕掛の非常に多い設備と
仕掛のない設備とが発生し、これによって各設備の目標
処理数が未達となり、結果的にライン全体の生産数が目
標未達となるだけでなく、製品のリードタイムが延伸
し、顧客のニーズに対応することが不可能になるという
問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の生産ライン管理
方法は、生産用の前記各製造設備の最大可能稼働率デー
タ及び製品処理時間データ、製品処理手順データ、製品
投入データ、前記各製造設備の製品仕掛データ、前記各
製造設備の処理開始予定時刻及び所定の目標生産数を少
なくとも含む生産上のデータを基に、前記各製造設備に
ついて予めモデルの対象として設定される適正製品仕掛
数を基準とし、前記各製造設備の製品仕掛数を管理しな
がら生産シミュレーションを実施し、この生産シミュレ
ーション結果における前記生産ライン全体の生産数が前
記目標生産数に到達しない場合、前記各製造設備の適正
製品仕掛数と前記生産シミュレーション結果に於ける製
品仕掛数とを基に、前記各製造設備の中で前記処理開始
予定時刻から前記製品仕掛数が前記適正製品仕掛数を越
えて徐々に増加している仕掛漸増製造設備を自動的に抽
出し、前記仕掛漸増製造設備の前記処理開始予定時刻を
自動的に変更して前記生産シミュレーションを実施する
手順をこの生産シミュレーション結果における前記生産
ライン全体の生産数が前記目標生産数に到達するまで繰
り返して、前記目標生産数を満足する前記各仕掛漸増製
造設備の処理開始時刻を決定することを特徴としてい
る。
【0006】尚、生産ラインに含まれる複数の製造設備
の製品仕掛数を管理する方法として、前記各製造設備に
ついて予めモデルの対象として設定される適正製品仕掛
数を基準とし、前記各製造設備の製品仕掛数を生産シミ
ュレーションを介して自動的に個別に管理するようにし
てもよく、又、前記生産上のデータの1つである各製造
設備の処理開始予定時刻は、過去の履歴に基づいて設定
してもよく、又、前記生産ライン全体の生産数を管理す
る方法として、前記生産ラインについて予めモデルの対
象として設定される目標生産数を基準とし、前記生産ラ
イン全体の生産数を前記生産シミュレーションを介して
自動的に管理するようにしてもよい。
【0007】又、生産シミュレーションを実施する手順
としては、生産ラインに含まれる複数の製造設備の最大
可能稼働率データ及び製品処理時間データ、製品処理手
順データ、製品投入データ、前記各製造設備の製品仕掛
データ、前記各製造設備の処理開始予定時刻及び所定の
目標生産数を少なくとも含む生産上のデータを生産シミ
ュレータに入力して生産シミュレーションを実施する第
1のステップと、生産シミュレーション結果における生
産ライン全体の生産数が目標生産数を達成出来るか否か
判定する第2のステップと、前記第2のステップに於い
て目標生産数を達成出来ない場合、前記各製造設備の製
品仕掛数が、1日当たりの平均製品処理数の所定の比率
を越えて徐々に増加する仕掛漸増製造設備が存在するか
どうか判定する第3のスッテプと、前記第3のスッテプ
での判定結果により1日当たりの平均製品処理数の所定
の比率を越えて製品仕掛数が徐々に増加する前記仕掛漸
増製造設備があった場合、前記仕掛漸増製造設備の処理
開始予定時刻を変更する第4のステップと、前記第4の
ステップにより変更された生産上のデータに基づいて再
度シミュレーションを実施する第5のスッテプと、前記
第2〜第5のスッテプを繰り返すことによって、目標生
産数を達成出来る各製造設備の処理開始予定時刻を見つ
ける第6のステップと、第6のステップより目標生産数
を達成出来る各製造設備の処理開始予定時刻を見つけた
場合、当該生産シミュレーション結果を基に、各製造設
備の処理開始時刻を決定する第7のステップと、を少な
くとも含むことが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0009】図1は、本発明の生産ライン管理方法の一
実施形態に於ける手順を示すフローチャートであり、手
順の中に生産シミュレーションを含んでいる。又、図2
は本実施形態に含まれる生産シミュレーションを実施す
るためのシミュレータ装置の構成例を示すブロック図で
あり、生産シミュレーションに必要な最大可能稼働率デ
ータ、製品処理手順データ、製品投入データ、製品仕掛
データ、製造設備処理開始予定時刻、目標生産数等を入
力・設定する入力装置201と、入力装置201より入
力・設定されたデータを用いてシミュレーションを実施
する生産シミュレータ202と、生産シミュレータ20
2によるシミュレーション結果を表示する表示画面20
3とを備えて構成されている。以下、図1及び図2を参
照して、本実施形態における処理手順について説明す
る。
【0010】図1、図2を参照すると、本実施形態の生
産ライン管理方法においては、まず作業者により、生産
シミュレーションに必要な各製造設備の最大可能稼働率
データ、製品処理手順データ、製品投入データ、製造設
備処理開始予定時刻、各製造設備の製品仕掛データ及び
各製造設備の適正製品仕掛数データ、生産ラインの目標
生産数を含むデータ類が、入力装置201より生産シミ
ュレータ202に入力・設定される。(ステップ10
1、102)次に、ステップ101、102に於いて入
力・設定されたデータを基にして、生産シミュレータ2
02に於いて、過去の履歴を基に設定された前記各製造
設備の処理開始予定時刻を初期値としてシミュレーショ
ンが開始され(ステップ103)、シミュレーション結
果として算出された生産ラインの生産数がステップ10
2で設定した目標生産数を満足しているかどうか、自動
的に判断される。(ステップ104)ここで、目標生産
数を満足していると判断された場合は、図2に示される
表示画面203に先に設定された処理開始予定時刻が各
製造設備の処理開始時刻として表示される(ステップ1
05)。
【0011】次に、ステップ104にて目標生産数未達
と判断された場合は、各製造設備の仕掛状況を自動的に
参照し(ステップ106)、処理開始予定時刻直後に平
均製品処理数の所定の比率X%(X=nb)を越えて仕
掛が徐々に増加している仕掛漸増設備を抽出する(ステ
ップ107)。尚、図3は、製造設備の仕掛状況推移の
一例を示す設備Aの製品仕掛数推移グラフである。図3
に於いては、前記所定の比率X=10%であり、処理開
始予定時刻直後に10%を越えて仕掛が徐々に増加して
いる。
【0012】ステップ107で抽出した仕掛漸増設備の
処理開始予定時刻を任意の処理開始予定時刻に自動的に
変更し(ステップ108)、変更した処理開始予定時刻
が自動的にパラメータとして取り込まれ、ステップ10
3に戻り、当該目標生産数が達成されるまで、自動的に
ステップ103〜ステップ108が繰り返し行われる。
又、ステップ104にて目標生産数を達成出来る各製造
設備の処理開始予定時刻を見つけられた場合には、当該
処理開始予定時刻を処理開始時刻として、結果が図2に
示される表示画面203に表示される。当該表示画面2
03は作業者により常時監視されており、当該表示画面
203上の結果を参照して、作業者により製造設備の長
期停止後の処理開始時刻が生産に及ぼす影響について予
測管理が行われ、これにより生産ラインが正常に管理運
営される。
【0013】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の生産ライン
管理方法は、生産ラインが長期停止した後の各製造設備
の処理開始時刻を生産シミュレーションに入力するデー
タとして、生産に関する各種制約条件を含む多くのパラ
メータにより構成されるデータを同時に使用し、生産ラ
インを模擬化したシミュレーション装置に反映し、短時
間で繰り返しシミュレーションを実施することによっ
て、長期停止後の製造設備処理開始時刻が、生産に及ぼ
す影響を時間をかけずに予測・管理することが可能とな
り、生産ラインの仕掛バランスを崩さず、目標生産数の
達成に支障を与えることのない製造設備処理開始時刻を
設定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャートであ
る。
【図2】本発明に含まれる生産シミュレーションを実施
するための装置例を示す構成図である。
【図3】製造設備の製品仕掛状況の推移の例を模式的に
示す図である。
【図4】第1の従来例を示すフローチャートである。
【図5】第2の従来例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
201 入力装置 202 生産シミュレータ 203 表示画面 101〜108、401〜407、501〜503
各ステップ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生産用の複数の製造設備を含んでなる生
    産ライン全体が長期停止後に生産を再開する際の生産ラ
    イン管理方法であって、生産用の前記各製造設備の最大
    可能稼働率データ及び製品処理時間データ、製品処理手
    順データ、製品投入データ、前記各製造設備の製品仕掛
    データ、前記各製造設備の処理開始予定時刻及び所定の
    目標生産数を少なくとも含む生産上のデータを基に、前
    記各製造設備について予めモデルの対象として設定され
    る適正製品仕掛数を基準とし、前記各製造設備の製品仕
    掛数を管理しながら生産シミュレーションを実施し、こ
    の生産シミュレーション結果における前記生産ライン全
    体の生産数が前記目標生産数に到達しない場合、前記各
    製造設備の適正製品仕掛数と前記生産シミュレーション
    結果に於ける製品仕掛数とを基に、前記各製造設備の中
    で前記処理開始予定時刻から前記製品仕掛数が前記適正
    製品仕掛数を越えて徐々に増加している仕掛漸増製造設
    備を自動的に抽出し、前記仕掛漸増製造設備の前記処理
    開始予定時刻を自動的に変更して前記生産シミュレーシ
    ョンを実施する手順をこの生産シミュレーション結果に
    おける前記生産ライン全体の生産数が前記目標生産数に
    到達するまで繰り返して、前記目標生産数を満足する前
    記各仕掛漸増製造設備の処理開始時刻を決定することを
    特徴とする生産ライン管理方法。
  2. 【請求項2】 生産ラインに含まれる複数の製造設備の
    製品仕掛数を管理する方法として、前記各製造設備につ
    いて予めモデルの対象として設定される適正製品仕掛数
    を基準とし、前記各製造設備の製品仕掛数を生産シミュ
    レーションを介して自動的に個別に管理することを特徴
    とする請求項1記載の生産ライン管理方法。
  3. 【請求項3】 生産上のデータの1つである各製造設備
    の処理開始予定時刻は、過去の履歴に基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の生産ライン管理
    方法。
  4. 【請求項4】 生産ライン全体の生産数を管理する方法
    が、前記生産ラインについて予めモデルの対象として設
    定される目標生産数を基準とし、前記生産ライン全体の
    生産数を前記生産シミュレーションを介して自動的に管
    理することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に
    記載の生産ライン管理方法。
  5. 【請求項5】 生産ラインに含まれる複数の製造設備に
    対して、予めモデルの対象として設定される適正製品仕
    掛数が、前記各製造設備の1日当たりの平均製品処理数
    の前記各製造設備毎に定められる所定の比率である請求
    項1乃至4いずれか1項に記載の生産ライン管理方法。
  6. 【請求項6】 生産シミュレーションを実施する手順と
    して、生産ラインに含まれる複数の製造設備の最大可能
    稼働率データ及び製品処理時間データ、製品処理手順デ
    ータ、製品投入データ、前記各製造設備の製品仕掛デー
    タ、前記各製造設備の処理開始予定時刻及び所定の目標
    生産数を少なくとも含む生産上のデータを生産シミュレ
    ータに入力して生産シミュレーションを実施する第1の
    ステップと、 生産シミュレーション結果における生産ライン全体の生
    産数が目標生産数を達成出来るか否か判定する第2のス
    テップと、前記第2のステップに於いて目標生産数を達
    成出来ない場合、前記各製造設備の製品仕掛数が、1日
    当たりの平均製品処理数の所定の比率を越えて徐々に増
    加する仕掛漸増製造設備が存在するかどうか判定する第
    3のスッテプと、 前記第3のスッテプでの判定結果により1日当たりの平
    均製品処理数の所定の比率を越えて製品仕掛数が徐々に
    増加する前記仕掛漸増製造設備があった場合、前記仕掛
    漸増製造設備の処理開始予定時刻を変更する第4のステ
    ップと、 前記第4のステップにより変更された生産上のデータに
    基づいて再度シミュレーションを実施する第5のスッテ
    プと、 前記第2〜第5のスッテプを繰り返すことによって、目
    標生産数を達成出来る各製造設備の処理開始予定時刻を
    見つける第6のステップと、 第6のステップより目標生産数を達成出来る各製造設備
    の処理開始予定時刻を見つけた場合、当該生産シミュレ
    ーション結果を基に、各製造設備の処理開始時刻を決定
    する第7のステップと、を少なくとも含むことを特徴と
    する請求項1乃至5いずれか1項に記載の生産ライン管
    理方法。
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