JP3978029B2 - メッセージ転送システム、及び回線管理装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、あらかじめ登録されている呼出先に対し、公衆回線を経由してメッセージを転送するメッセージ転送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
メッセージ転送システムは、あらかじめメッセージとその送信先とをサーバに登録しておき、いずれかのタイミングで送信先の端末に対し、公衆回線を経由してメッセージを転送するものである。そのおおよその手順は以下のようになる。
(1)転送対象のメッセージ(音声、テキストデータなど)及び送信先(電話、ポケットベル、メール機能付き携帯電話など)をクライアイントから受け付ける。
(2)クライアイントからの指示を受けたタイミングで、転送対象として登録されている端末に対してメッセージを送信する。
(3)(2)の通知に対する送信先端末からの応答(メッセージ受信の確認通知)を受ける。
【0003】
システムにおいて、(2)のメッセージ送信処理に用いられる回線を送信回線、(3)の確認通知に用いられる回線を着信回線という。ただし、電話機による通話によってメッセージを音声で伝える場合は、端末保持者が受話器を取ってメッセージを聞くことで、(2)の送信と(3)の受信確認とが同時に行われたことになるので、送信回線のみ使用され、着信回線が使用されることはない。着信回線を介しての(3)の処理が発生するのは、パーソナルコンピュータやメール受信機能付き電話機に対してメールでメッセージを送信した場合、又は、ページャにメッセージを送信した場合である。受信確認はメッセージ送信への応答として行われるので、メッセージ転送開始当初は(2)の処理が多く(3)の処理はほとんど行われない。そして、徐々に(3)が増加していき、最終的に(3)のみとなる。
【0004】
送信回線、着信回線の数は、送信先端末の数や種類(電話とそれ以外との比率)、メッセージのサイズなど、各種条件を元にシステム設計時に決定される。システム全体のコストを考えると、回線数はできるだけ少なくしたいが、回線不足によってメッセージの転送(メッセージ送信、確認通知)に停滞が生じる事態は避けなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、着信回線を用いる確認通知処理は端末利用者各自の受信時の状況などによって、短期間に集中して行われたり、比較的長い期間にわたって少しずつ行われたりする。集中して行われる場合は必要な着信回線の数は多くなるが、少しずつ行われる場合は少ない数でよい。しかし、いずれの場合になるかをシステム運用前に予想するのが難しい。
【0006】
そのため、システムの実運用開始後または試験運用の結果、着信回線数の不足が発覚して、着信回線を増設する必要が生じる場合がある。最初から着信回線を多めに設けておけば増設が必要となる事態は発生しにくいが、それではシステム全体の回線総数が多くなってコスト高となる。
本発明は上記課題に鑑み、できるだけ少ない数の回線で、メッセージ転送処理、とくに着信回線を使った確認通知の処理を停滞なく実行できるメッセージ転送システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のメッセージ転送システムは、予め登録を受け付けていたメッセージを複数の端末の各々に送信回線を用いて送信する送信処理と、当該メッセージの受信確認を前記複数の端末の各々から着信回線を用いて受け付ける確認受付処理とを含むメッセージ転送処理を実行するメッセージ転送システムであって、送信回線又は着信回線として選択的に使用される複数の切替回線と、前記複数の切替可能回線の各々について、送信回線として使用するか着信回線として使用するかを決定する回線用途決定手段とを有し、前記回線用途決定手段は、前記複数の端末のうちメッセージ送信が完了した端末の数が増加するのに従って、前記切替回線のうち送信回線として使用していたものの少なくとも一部を着信回線として使用するように用途を切り替える形で、着信回線として使用する切替回線の数を増やすこと、となっている。
【0008】
このようにすれば、システムにおける回線の総数を増やさなくても、着信回線の数は需要が高まると予想されるタイミングで増やすことができるので、着信回線不足でメッセージ転送処理が停滞する事態を、回線を増やすことなく回避できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のメッセージ転送システムに関する実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(概要)
図1は、本発明の実施の形態であるメッセージ転送システム1の構成を関連する外部構成と共に示す図である。
【0010】
メッセージ転送システム1は、予めメッセージとメッセージ送信先とを登録しておき、災害など緊急事態が発生した時に、送信先端末に対し回線を介して当該メッセージを転送するシステムである。呼出先端末には、ページャ、電話機(据置き型、携帯)、パーソナルコンピュータなどがある。
呼出応答システムAによるメッセージ伝達処理は、
(1)契約者から災害時に送信すべき緊急メッセージの内容と送信先(送信先端末の電話番号、メールアドレス等)を受け付ける。
(2)契約者からメッセージ送信開始指示を受け付ける(災害発生時、又は災害訓練時など)
(3)送信先端末に対して順次メッセージを送信する(「送信回線」を使用)。
(4)(3)のメッセージ送信に対する端末から確認通知を受け取る(「着信回線」を使用)。
【0011】
という手順から成る。
ただし、電話機による通話によってメッセージを音声で伝える場合は(3)の送信によって(端末保持者が受話器を取ってメッセージを聞くことで)、送信の確認も行われたことになるので、着信回線を用いて(4)の処理が行われることはない。
【0012】
メッセージ転送システム1が有する回線は3つの種類に分かれている。1つ目はメッセージ送信(3)のためだけに用いられる送信用回線、2つ目は確認通知の受け取り(4)のためだけに用いられる着信用回線、3つ目は、その時々の状況に応じて、送信用又は着信用のいずれかの用途に選択的に切り替えて用いることのできる切替可能回線である。
【0013】
上記のメッセージ転送処理において、処理開始直後はメッセージ送信(3)がほとんどであるが、その後、メッセージを受信した端末からの確認通知(4)が増えてくる。応答の早い端末からの確認通知は、メッセージ送信処理が全端末について完了するより前に開始されることになる。そして、(3)が全端末に対して完了した後は、(4)の処理のみが行われることになる。すなわち、上記の処理では(3)と(4)とが並行して行われる時間帯が存在する。そして、この時間帯についても、当初は(3)の処理が多く(4)の処理はほとんど行われない。そして、徐々に(4)が増加していき、最終的に(4)のみとなる。
【0014】
そこで、メッセージ転送システム1は、メッセージ転送処理開始の時点では切替可能回線の全てを送信用に使用し、その後、(4)の増加に従って切替可能回線のうち着信用に用いる回線の数を増やしていく。
(構成)
メッセージ転送システム1は、メッセージ転送サービスの対象であるメッセージや当該メッセージの送信先端末の登録を外部(管理者が操作する管理者端末T)から受け付ける受付部21、登録されたメッセージを送信先端末へ送信するとともに、これに対する端末からの応答(確認通知)を受け取るメッセージ送信部22、回線L1〜Lnの各々に対して1つずつ設けられ、回線を介してのメッセージや確認通知の送受信処理を制御する回線制御部C1〜Cn(以下、個別に言及する場合以外は「回線制御部C」)、回線のうち切替可能回線について、用途の切替を制御する切替部10とを有する。そして、メッセージ転送システム1は、公衆回線網Nを介して送信先端末との通信を行う。
【0015】
受付部21は、メッセージ転送先(端末の電話番号、アドレスなど)、転送対象のメッセージの内容を利用者から受け取り、その内容を登録データ保持部23に格納する。また、この時、登録された送信先端末の総数を切替部10(送受信部11)に通知する。そして、管理者端末T経由で利用者からメッセージ送信開始の指示を受け付けると、メッセージ送信部22に対し、メッセージを端末に送信するよう指示する。
【0016】
メッセージ送信部22は、送信先端末へのメッセージ送信を行うとともに、切替可能回線の用途切替に関する情報や指示を切替部10に送る。メッセージ送信部22は処理実行のために、送信に使用できる回線(送信回線及び切替可能回線)の管理情報(回線ごとの「回線番号」、「種別(送信専用回線か切替可能回線か)」「使用状態(送信処理実行中か否か)」、「切替可能回線の現在用途(「送信」か「着信」)」などの項目からなるもの)を予め保持している。
【0017】
メッセージ送信部22は、回線受付部21からの指示を受け取ると、登録データ保持部23からメッセージ及び送信先端末の情報を読み出す。そして、上記の管理情報を参照し、現在送信処理中でない回線(送信回線、及び切替可能回線のうち「現在用途」が「送信」になっているもの)に対応する回線制御部Cの各々に対して、メッセージの内容と送信先端末の電話番号又はアドレスを送って、送信実行を指示する。その後は、いずれかの回線制御部Cから送信完了の通知を受け取るたびに、当該回線制御部Cに次の送信先端末の電話番号/アドレスを送って送信実行を指示する、という処理を、全送信先端末への送信が完了するまで繰り返す。送信が完了した時点で切替可能回線の「現在用途」の内容を全て「送信」に書きかえる。
【0018】
また、メッセージ送信部22は、上記処理の過程で、ある回線制御部Cに送信指示を出すたびに、当該回線制御部Cに対応する回線の管理情報のうち「使用状態」の内容を「送信処理中」を示す値に書きかえる。また、各送信先端末についても状態情報(「端末の番号/アドレス」、「送信済/送信中/未送信」、「「送信中」ならば使用している回線の番号」、「確認通知の有無」)を保持しておき、送信の指示を出したり、送信完了の通知を受け取ったりするたびにこれを更新する。そして、この状態情報を元にして、転送処理の進行状況を定期的に受付部21経由で管理者端末Tに送る。
【0019】
切替可能回線の一部は、切替部10による切替で送信用から着信用回線に切り替えられる場合があるが、メッセージ送信部22は切り替えられた回線について、対応する回線制御部Cから通知を受け、これを元に上記の回線用の管理情報を更新する(「現在用途」を「送信」から「着信」に、または「着信」から「送信」に)。また、回線制御部Cを介して端末から確認通知(端末のアドレスを含む)を受け付けると、当該端末に関する状態情報のうち「確認通知の有無」の項目の内容を「有」に更新する。
【0020】
回線制御部Cは、それぞれが回線のいずれか1つに対応し、対応する回線経由で端末との間のデータ(メッセージ、受信確認通知)の送受信を行う。送信用回線に対応する回線制御部Cは、送信先端末へのメッセージ送信を行い、着信用回線に対応する回線制御部Cは、端末からメッセージの受信確認通知を受け付ける。切替可能回線に対応する回線制御部は、メッセージ送信又は受信確認受付の一方を行う。
【0021】
送信用に使用されている回線(送信用回線及び切替可能回線の一部)に接続された回線制御部Cは、メッセージ送信部22からメッセージデータと共に送られてくる通信アドレスを元に、自身が接続された送信用回線を用いて送信先端末との通信を確立し、当該端末にメッセージを送信する。そして、この送信処理を終えると、回線制御部Cは、自身が接続された回線の回線番号と共に、送信処理の完了をメッセージ送信部22、切替部10に通知する。
【0022】
着信用に使用されている回線(着信用回線及び切替可能回線の一部)に接続された回線制御部Cは、端末からのメッセージ転送システム1の通信アドレス宛てに送られてくる確認通知を受け取ると、その旨を確認通知を送ってきた端末のアドレスと共にメッセージ送信部22に送る。
切替可能回線に接続された回線制御部Cは、切替部10からの指示に従って、送信回線用処理又は着信回線用処理のいずれかを行う。初期状態では上記の送信用の処理を行っているが、その後、切替部10からの指示に従って着信用の処理を行うように切り替えられる。切替の際には、メッセージ送信部22に対して、自身の対応する回線の番号と共に切替が生じた旨の通知を送る。
(切替部10の構成)
切替部10は、メッセージ送信の進行状況(全端末のうち送信が完了した端末の比率)を判定し、その結果に応じて、切替可能回線に接続された回線制御部Cに対し、回線の用途を送信用から着信用に切り替えるよう指示する。切替部10は、送受信部11、記録部12、切替判定部13、記憶部14を有する。進行状況の判定及び切替指示の発行は、1つの端末へのメッセージ送信が完了するたびに当該送信を行った回線制御部Cから送られてくる「送信完了通知」を受信したタイミングで開始される。
【0023】
記憶部14には、切替部10が判定処理において参照する各種情報が格納されている。記憶部14に格納されている情報は、各回線の属性に関する情報(回線情報)、メッセージ送信の進行状況を示す送信状況管理情報、判定時に参照される閾値情報である。回線情報、閾値情報は、メッセージ転送システム1の構築時に管理者によって生成され、システムの構成変更などがあれば管理者によって変更される。送信状況管理情報は、メッセージの送信開始時に記録部12によって生成され、その後、メッセージ送信の進行に応じて更新される。
【0024】
図2は、記憶部14に格納されている回線情報200の構成と内容の例とを表形式で示す図である。回線情報200は回線番号欄210と種別欄220とから成り、それぞれに、各回線の識別情報である回線番号、当該回線番号が指す回線の種別が格納されている。回線の種別は、「送信用回線:S」、「着信用回線:T」、「切替可能回線:S/T」である。
【0025】
送受信部11は、メッセージ送信部22及び回線制御部Cとのデータ送受信を行う。
記録部12は、メッセージ送信が開始された時点で、送受信部11を経てメッセージ送信部22からの指示を受け取り、これに応じて送信状況管理情報を記憶部14内に生成し、その後、回線制御部Cからメッセージ送信完了通知を受けるたびに更新する。回線情報200は切替判定部13によって参照される。
【0026】
図3は、管理情報300の構成と内容の一例とを表形式で示す図である。管理情報300は、端末総数欄310と完了端末数欄320とから成る。
端末総数欄310に格納されるのはメッセージを転送すべき端末の総数であり、メッセージがシステム1に登録された時点で受付部21から送受信部11経由で通知されてくる。端末総数欄310に格納される値はメッセージ毎に決まる。
【0027】
完了端末数欄320には初期値として「0」が設定され、その後、回線制御部Cからメッセージの送信完了通知が届くたびに記録部12によって1ずつカウントアップされる。
図3に示す管理情報300は、メッセージを転送すべき端末の総数が256であり、そのうち64端末に対してメッセージ登録の通知が完了していることを示す。
【0028】
切替判定部13は、1つの端末へのメッセージ送信が完了したタイミングで当該送信を行った回線制御部Cから送られてくる「送信完了通知」を送受信部11経由で受信する度に、当該回線制御部Cに対応する回線について切替を行うか否か判定する。具体的には、先ず、回線制御部Cから、メッセージ送信を終えた旨の通知と当該回線制御部Cに対応する回線の識別情報とを受け取る。すると、当該回線の識別情報をキーに回線情報200を検索して当該回線の種別を確認する。種別が「切替可能回線(S/T)」であった場合に限り、切替判定部13は、送信状況管理情報300を読み出し、完了端末数を端末総数で割った値(以下「完了率」)と閾値とを比較し、完了率が閾値以上となった場合は、当該回線制御部Cに対して回線用途の着信用への切り替えを送受信部11経由で指示する。
【0029】
切替判定部13が参照する閾値は、システム設計時に予め設定された値で、送信がどの程度完了した時点から着信回線需要が増え始めるかを予測して定められる。例えば60%という値である。ただし、閾値は管理者端末Tからの操作で変更も可能である。
(動作)
次に、メッセージ転送システム1による回線切替処理の動作について、切替部10を中心に、以下、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図4は、切替部10による回線切替処理時の動作を示すフローチャートである。切替部10は、メッセージ転送処理の開始時点で起動される。
先ず、送受信部11に対し、端末へのメッセージ送信を終えた回線制御部Cから「送信完了の通知」を受け取る(S401:Yes)。この通知には、当該回線制御部Cが対応する回線の識別情報(回線番号)が付加されている。送受信部11は、受け取った回線の識別情報を記録部12に送り、送信状況管理情報(図3参照)の更新を指示する。
【0031】
記録部12は、記憶部14に格納されている送信状況管理情報300の内容を更新(完了端末数欄320の値を「1」カウントアップ)した上で、「送信完了の通知」に付加された回線の識別情報を切替判定部13に渡し、切替判定処理の実行を指示する(S402)。
切替判定部13は、記憶部14内の回線情報200から、渡された識別情報に対応するものを読み出し、当該回線の種別(種別欄220の内容)を参照する(S403)。種別欄220の内容が切替可能回線を示す“S/T”であれば(S404:Yes)、切替判定部13は記憶部14からさらに送信状況管理情報300、閾値400を読み出す。そして、送信状況管理情報300から得られる完了率(完了端末数÷端末総数)を、閾値400と比較する。そして、完了率が閾値以上である場合(S405:Yes)、切替判定部13は、記録部12から受け取った前記回線の識別情報を送受信部11に送り、当該回線に対応する回線制御部Cに対し、回線制御の処理内容を送信用から着信用に切り替える旨の指示を送らせる(S406)。
【0032】
一方、ステップS404の判定において、回線種別が切替可能回線(“S/T”)でなかった場合(S404:No)、あるいは、ステップS405の判定において送信完了率が切替閾値未満であった場合(S405:No)、切替判定部13はそこで切替処理を終了する。
上記のS401〜S406の処理は、メッセージ送信が1つの端末について完了するたびに行われ、全ての端末に対してメッセージ送信が完了するまで繰り返される(S407:Yes)。
(まとめ)
上記の通り、本実施の形態におけるメッセージ転送システム1では、メッセージ送信が完了した端末の比率が閾値以上となった後、送信用に使われていた切替可能回線が順次着信用に切り替えられていく。そのため、回線を送信用、着信用にどれだけ割り当てるか事前に厳密な予測を立てる必要がなく、また、事前の予測との間に差が生じても、こうした回線用途の切替によって対応できる。また、着信専用回線、送信専用回線をそれぞれピーク時需要に合わせた数だけ設けておく場合に比べて回線総数は少なくてすむ。
【0033】
なお、上記の実施の形態では、閾値は全ての切替可能回線に共通のものが1つだけ設定されている。そのため、完了率が例えば60%を越えた後、送信用に使用されていた切替可能回線は実行中の送信処理を終えた時点で着信用に切り替えられ、着信用に用いられる回線の数は急増する。だが、各々の切替可能回線に固有の閾値を設けることで、メッセージ送信処理の進行に従って少しずつ切替可能回線を着信用に切り替えていくこととしてもよい。例えば、回線番号「3」の切替可能回線は閾値が61%、番号「4」の回線は62%、番号「n」の回線は(60+n)%、とするやり方である。この場合、切替部10内の記憶部14から閾値情報400は削除される。そして、その代わりに、回線情報200に閾値欄が追加されて、切替可能回線についてだけ当該閾値欄に上記のような閾値が各々設定されることになる。
【0034】
また、上記実施の形態では、切替処理実行のタイミングは、ある回線を介して1つの端末に対して行われたメッセージ送信処理が終った時点とし、さらに切り替え判定の対象も、当該送信処理を終えた回線のみとしているが、タイミングや対象回線はこれに限定されない。所定の時間間隔で切替判定部13が判定処理を行って、切替が必要な場合は切替対象の回線の回線制御部Cに切り替えを通知しておき、当該回線制御部Cは、実行中の送信処理終了後に回線を着信に切り替える、という形も考えられる。上述したように回線ごとに異なる閾値を設定する場合は、こちらの方式がむしろ適している。
【0035】
また、本実施の形態では、登録するのは1種類のメッセージであり、また、転送対象端末数が処理の途中で変わることはないが、実際のシステム運用では、複数メッセージを登録しておき、あるメッセージの送信が全て完了する前に次の新たなメッセージの送信が開始される場合、あるいは、転送が完了しなくてもタイムアウトによって転送が中止される場合などに、転送対象端末数が代わることもありうる。その場合、新たなメッセージの送信開始時、タイムアウトによる中止の発生時に、記録部12が進行状況管理情報300の端末総数欄310に、新たなメッセージの送信先端末数の加算、中止端末数の減算を行う。図4の処理で言えば、ステップ401とS407との間に、「新たなメッセージの送信が開始されたか?(転送中止端末が発生したか?)」という判定ステップと、その判定が“Yes”であった場合に実行される「端末総数欄に新たなメッセージの送信先端末数を加算(転送中止端末数を減算)」というステップとが追加されることになる。更に言えば、この端末総数の増加に伴って完了率(完了端末数÷増加後の端末総数)の値が閾値を下回った場合は、切替部10から回線制御部C又はメッセージ送信部22に指示を出して、着信用に使用中の切替可能回線の一部又は全部を送信用に切り替えさせる、ということも考えられる。なお、実際の運用では、同じ端末に対して所定の時間間隔をおいて第1報のメッセージと第2報のメッセージとを転送する、という形があるが、この場合、その時点で第1報メッセージが届いていなかった端末については転送が中止されるので、上記の送信先端末数の加算、減算が同時に発生する。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のメッセージ転送システムは、予め登録を受け付けていたメッセージを複数の端末の各々に送信回線を用いて送信する送信処理と、当該メッセージの受信確認を前記複数の端末の各々から着信回線を用いて受け付ける確認受付処理とを含むメッセージ転送処理を実行するメッセージ転送システムであって、送信回線又は着信回線として選択的に使用される複数の切替回線と、前記複数の切替可能回線の各々について、送信回線として使用するか着信回線として使用するかを決定する回線用途決定手段とを有し、前記回線用途決定手段は、前記複数の端末のうちメッセージ送信が完了した端末の数が増加するのに従って、前記切替回線のうち送信回線として使用していたものの少なくとも一部を着信回線として使用するように用途を切り替える形で、着信回線として使用する切替回線の数を増やす、という構成になっている。
【0037】
こうした構成によれば、システムにおける回線の総数を増やさなくても、着信回線の数は需要が高まると予想されるタイミングで増やすことができるので、着信回線不足でメッセージ転送処理が停滞する事態を、回線を増やすことなく回避できる。
また、前記回線用途決定手段は、メッセージ送信先となる端末の総数に対するメッセージ送信済み端末の数の比率である完了率を求め、前記完了率が閾値を上回る場合に、着信回線として用いる切替回線の数を増やす、という構成とすることもできる。
【0038】
こうした構成によれば、送信処理がある程度進行して、着信回線の需要が高まり始めるタイミングで着信回線の数を増やすことができる。
また、前記切替回線には各々閾値が設定されており、前記回線用途決定手段は、前記完了率を前記切替回線のうち送信回線として使用されているものの各々について設定された閾値と比較し、前記完了率が閾値を上回った場合には、当該閾値が設定された切替回線を着信回線として使用するように用途を切り替える形で、着信回線として用いる切替回線の数を増やすという構成にすることもできる。
【0039】
こうした構成によれば、完了率の上昇に従って順次着信回線の数を増やすことになるので、完了率が閾値を超えた直後から着信用回線を急増させる方法に比べて、逆に送信回線が不足するという事態は発生しにくくなる。
また、複数のメッセージの転送処理を並行して実行する場合、前記回線用途決定手段は、前記複数のメッセージ各々の送信先端末の合計数に対する、前記複数のメッセージの各々の送信済み端末の合計数の比率という形で前記完了率を求めるという構成にすることもできる。
【0040】
こうした構成によれば、複数のメッセージを変更して転送処理する環境でも、上記の効果を実現することができる。
また、前記回線用途決定手段は、あるメッセージ転送処理中に別のメッセージの転送を開始したり、メッセージを複数転送していた状態から一方のメッセージの転送が完了する、あるいは、転送の完了しないうちにタイムアウトによって転送が中止されるなどして、転送処理中のメッセージ数が変化した場合には、完了率を計算し直す、という構成にすることもできる。
【0041】
こうした構成によれば、転送するメッセージ数が変化しても、これに対応して着信回線の数を増やすことができる。
また、前記回線用途決定手段は、更に、完了率を計算し直した結果、それまでは前記閾値以上であった完了率が前記閾値未満になった場合に、着信用回線として使用していた切替回線の一部又は全部を送信用回線として使用するように用途を切り替える、という構成とすることもできる。
【0042】
こうした構成によれば、複数メッセージを並行して転送する環境において、逆に送信回線が不足するという事態を招くことなく、上記の効果を達成できる。
また、管理者からの指示に応じて前記閾値を変更する閾値設定手段を更に有する構成とすることもできる。
こうした構成によれば、システムの運用開始後でも、着信回線の数を、閾値というパラメータを1つ更新するだけで容易に調整することができる。
【0043】
また、上記の効果は、予め登録を受け付けていたメッセージを複数の端末の各々に送信回線を用いて送信する送信処理と、当該メッセージの受信確認を前記複数の端末の各々から着信回線を用いて受け付ける確認受付処理とを含むメッセージ転送処理を実行するメッセージ転送システムにおいて、送信回線又は着信回線として選択的に使用される複数の切替回線の各々について送信回線として使用するか着信回線として使用するかを決定する回線管理装置であって、前記複数の端末のうちメッセージ送信が完了した端末の数が増加するのに従って、前記切替回線のうち送信回線として使用していたものの少なくとも一部を着信回線として使用するように用途を切り替える形で、着信回線として使用する切替回線の数を増やす、という回線管理装置によっても達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わるメッセージ転送システムの実施の形態における構成を、関連する外部構成と共に示す図である。
【図2】同実施の形態における回線情報の構成と内容の例とを示す図である。
【図3】同実施の形態における進行状況管理情報の構成と内容との例を示す図である。
【図4】同実施の形態における切替部の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メッセージ転送システム
10 切替部
11 送受信部
12 記録部
13 切替判定部
14 記憶部
21 受付部
22 メッセージ送信部
23 登録データ記憶部
C 回線制御部
Claims (8)
- 予め登録を受け付けていたメッセージを複数の端末の各々に送信回線を用いて送信する送信処理と、当該メッセージの受信確認を前記複数の端末の各々から着信回線を用いて受け付ける確認受付処理とを含むメッセージ転送処理を実行するメッセージ転送システムであって、
送信回線又は着信回線として選択的に使用される複数の切替回線と、
前記複数の切替可能回線の各々について、送信回線として使用するか着信回線として使用するかを決定する回線用途決定手段とを有し、
前記回線用途決定手段は、前記複数の端末のうちメッセージ送信が完了した端末の数が増加するのに従って、前記切替回線のうち送信回線として使用していたものの少なくとも一部を着信回線として使用するように用途を切り替える形で、着信回線として使用する切替回線の数を増やすこと、
を特徴とするメッセージ転送システム。 - 前記回線用途決定手段は、メッセージ送信先となる端末の総数に対するメッセージ送信済み端末の数の比率である完了率を求め、前記完了率が閾値を上回る場合に、着信回線として用いる切替回線の数を増やすこと、
を特徴とする請求項1に記載のメッセージ転送システム。 - 前記切替回線には各々閾値が設定されており、
前記回線用途決定手段は、前記完了率を前記切替回線のうち送信回線として使用されているものの各々について設定された閾値と比較し、前記完了率が閾値を上回った場合には、当該閾値が設定された切替回線を着信回線として使用するように用途を切り替える形で、着信回線として用いる切替回線の数を増やすこと、
を特徴とする請求項2に記載のメッセージ転送システム。 - 複数のメッセージの転送処理を並行して実行する場合、前記回線用途決定手段は、前記複数のメッセージ各々の送信先端末の合計数に対する、前記複数のメッセージの各々の送信済み端末の合計数の比率という形で前記完了率を求めること、
を特徴とする請求項2又は3に記載のメッセージ転送システム。 - 前記回線用途決定手段は、あるメッセージ転送処理中に別のメッセージの転送を開始したり、メッセージを複数転送していた状態から一方のメッセージの転送が完了するなどして、転送処理中のメッセージ数が変化した場合には、完了率を計算し直すこと、
を特徴とする請求項4に記載のメッセージ転送システム。 - 前記回線用途決定手段は、更に、完了率を計算し直した結果、それまでは前記閾値以上であった完了率が前記閾値未満になった場合に、着信用回線として使用していた切替回線の一部又は全部を送信用回線として使用するように用途を切り替えること、
を特徴とする請求項5に記載のメッセージ転送システム。 - 管理者からの指示に応じて前記閾値を変更する閾値設定手段を更に有すること、
を特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のメッセージ転送システム。 - 予め登録を受け付けていたメッセージを複数の端末の各々に送信回線を用いて送信する送信処理と、当該メッセージの受信確認を前記複数の端末の各々から着信回線を用いて受け付ける確認受付処理とを含むメッセージ転送処理を実行するメッセージ転送システムにおいて、送信回線又は着信回線として選択的に使用される複数の切替回線の各々について送信回線として使用するか着信回線として使用するかを決定する回線管理装置であって、
前記複数の端末のうちメッセージ送信が完了した端末の数が増加するのに従って、前記切替回線のうち送信回線として使用していたものの少なくとも一部を着信回線として使用するように用途を切り替える形で、着信回線として使用する切替回線の数を増やすこと、
を特徴とする回線管理装置。
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