JP3977591B2 - 周波数逓倍回路および半導体集積回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スーパーヘテロダイン方式の受信機等に用いられる局部発振信号を生成する周波数逓倍回路および半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、微弱電波を送受信して非接触で種々の処理を行うシステムが多数提案されている。例えば、キーレスエントリーシステムは、車両のキーに埋め込まれた送信回路から放射された微弱電波を、車両側の受信回路で受信してドアの開閉等を行うものである。
【0003】
図8はこの種の従来の微弱電波送受信システムの概略構成を示すブロック図である。図8のシステムは、大きく分けて送信機51と受信機52で構成され、送信機51は送信回路53とアンテナ54を有する。送信機51は、315MHzをキャリア周波数として、AM変調(振幅変調)またはFM変調(周波数変調)した信号を、アンテナ54を介して放射する。
【0004】
受信機52は、アンテナ11と、SAWフィルタ12と、RFアンプ13と、局部発振信号を生成する局部発振回路14と、中間周波信号(IF信号)を生成するミキサ15と、IFフィルタ16と、IFアンプ17と、検波回路18とを有する。局部発振回路14は、基準信号を生成する源発振回路21と、基準信号の5倍の周波数をもつ5逓倍信号を出力する5逓倍回路20とを有する。
【0005】
源発振回路21は65.14MHzの周波数をもつ源発振信号を生成し、局部発振回路14は源発振信号の周波数を5倍に高めた局部発振信号fLO=325.7MHzを生成する。ミキサ15は、この局部発振信号fLOを用いて、fLO−fo=10.7MHzの中間周波信号を出力する。
【0006】
このように、アンテナ11で受信した高周波信号を、ミキサ15にて中間周波信号に変換することにより、高周波信号のままで信号処理を行う場合に比べて、信号処理が容易になる。
【0007】
ミキサ15の後段には、バンドパスフィルタであるIFフィルタ16が接続されている。このフィルタ16の通過帯域は、中間周波数である10.7MHzを中心とする約数百kHzである。IFフィルタ16にて不要な周波数成分が除去された後、IFアンプ17にて10.7MHzの中間周波信号が約70dB増幅される。
【0008】
図8のシステムを上述したキーレスエントリーシステムに適用する場合、送信機51は人間が携帯するキーに埋め込まれ、受信機52は車両に搭載される。送信機51からは通常、322MHz以下の微弱な電波が発せられる。許容電界強度は、電波法施行規則第6条で規定されており、500μV/m以下である。322MHz以上の周波数電波も使用可能であるが、322MHzから10GHzまでの許容電界強度は35μV/m以下と非常に少なく、また、周波数が高くなるほど電波の直進性が増して実用的でなくなるため、国内で使用されることはほとんどない。したがって、微弱電波としては、315MHz程度の周波数を用いるのが一般的である。
【0009】
一方、送信機51は、電池を長持ちさせるために消費電力がなるべく少ない方がよく、そのためには、回路構成をなるべく簡略化する必要がある。315MHz程度の電波を発振できる簡易な素子として、例えばSAW発振子が知られている。この素子は、回路構成を簡略化できるだけでなく、315MHz程度の周波数で直接発振できるという特徴を有する。
【0010】
他の発振素子として水晶発振子があるが、315MHz程度の周波数で直接発振させるのは技術的に困難であり、水晶発振子を低周波数で発振させた後、逓倍させる必要がある。このため、回路をなるべく簡略化したい場合には、SAW発振子を用いることが多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SAW発振子には、周波数偏差が大きいという問題がある。通常、SAW発振子の周波数偏差は100ppm以上であり、送信機にSAW発振子を用いれば送信機自体の周波数偏差が悪くなる。このため、製品の性能や歩留まり等の向上を図る場合には、水晶発振子を用いることもある。
【0012】
ここで、SAW発振子を送信機に用いる場合、その欠点を補うために、受信機側の周波数精度を向上させる必要がある。周波数精度を向上させるには、周波数偏差の少ない水晶発振子を受信機の局部発振回路に用いるのが一般的である。水晶発振子の周波数偏差は悪くても100ppmを越えることがほとんどないため、受信機側の局部発振回路に水晶発振子を用いることにより、受信機の周波数精度を向上させることができる。
【0013】
ただし、上述のように、300MHz帯の高周波を直接発振させるのは非常に困難であるため、水晶発振子自体の発振周波数を低くし、逓倍回路により周波数を逓倍して300MHz帯の周波数を得る方法が一般的である。
【0014】
従来の発振回路として、例えば315+10.7MHzの局部発振周波数325.7MHzを生成する際、65.14MHzで水晶発振子を発振させて、その波形を歪ませて高調波を発生させ、5次の高調波をフィルタ等で抽出して325.7MHzを得る5逓倍回路20を用いる手法が提案されている。
【0015】
この5逓倍回路20では、逓倍数を増やすために歪みを大きくして高次の高調波を生成する必要がある。高調波成分は、高次になるほどレベルが下がるが、本来必要な5次の高調波以外にも、多数の不要な成分を含んでいる。
【0016】
いま、歪み波として偶関数の矩形波を仮定し、区間(−x)から(+x)までを1、その他の区間を(−1)とすると、
A(x−π/2)+Asinxcosωt+A/2・sin2xcos2ωt
+A/3・sin3xcos3ωt+…+A/n・sinnxcosωt …(1)
と表される。ここで、Aは定数、ωは角周波数で2πfLO、tは時間、nは自然数であり、第1項は直流成分である。
【0017】
(1)式において、例えばn=5とすると、5次高調波成分は基本波の1/5まで減衰する。仮に、x=π/2とすると、(1)式の奇数次だけが残り、このときのみ、直流成分がゼロになる。
【0018】
5次高調波成分のみを利用するには、1次から4次までの成分と6次以降の成分を除去しなければならない。このため、5逓倍回路20を用いて、5次高調波成分のみをフィルタで抽出する。ところが、不要な高調波成分が高いレベルで残存しており、空間を伝搬するばかりか、周波数が近接しているため、SAWフィルタを用いるなどの工夫が必要となる。
【0019】
不要な高調波成分が空間や伝送線路を介して受信機のミキサ15に飛び込んでしまうと、高調波自身が妨害波として作用するのに加え、その周波数fLO'と外部から飛び込んでくる不要電波fo'との差が中間周波数10.7MHzと等しくなる周波数fo'は、すべて有害な電波として作用する。
【0020】
受信機が妨害波の影響を受けると、キーレスエントリが正常に作動しないことがあるため、不要な高調波の影響をなるべく少なくする必要がある。
【0021】
従来の技術では、これら高調波の影響をなるべく少なくするため、例えば、逓倍回路にシールドを施したり、空間的に逓倍回路とミキサとの距離を広げる等の対策が必要であった。
【0022】
また、高調波を減らすためには、逓倍数をなるべく増やさないようにする必要があるため、逓倍数に限界があり、その結果、発振周波数をあまり低くできないという問題がある。源発振周波数が高いと、回路設計が困難になり、回路が複雑になるとともに、水晶発振子のコストも高くなる。
【0023】
源発振周波数を低くするには、PLL(Phase Locked Loop)回路を用いることが考えられる。しかしながら、PLL回路を用いると、位相比較周波数を得るための発振回路と電圧制御発振回路(VCO:Voltage Control Oscillator)が必要になり、回路規模が増大するとともに、PLL回路と電圧制御発振回路の分だけコストも高くなってしまう。
【0024】
このため、PLL回路と電圧制御発振回路をワンチップにしてIC化し、回路規模とコストの増大をなるべく抑えようとする考え方もあるが、電圧制御発振回路を内蔵すると、C/N比が劣化するため、感度等の性能が劣化する。これを防ぐには、やはり電圧制御発振回路を外付けしなければならず、性能を重視しようとする場合には回路規模の縮小は見込めない。
【0025】
また、PLL回路と電圧制御発振回路を組み合わせて用いるには、位相比較スプリアスと呼ばれる高調波が発生するため、その除去対策が必要になる。
【0026】
このように、従来の発振回路では、受信機の周波数精度を上げるために水晶発振子を用いて低い周波数で発振させ、逓倍回路で水晶発振子の発振周波数を5倍に逓倍し、発生する不要高調波成分をなるべく少なくするためにシールド等を施して回路を構成していた。このため、回路を小型化するのに限界があり、かつ、妨害波の対策も必要になるという問題があった。
【0027】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な回路構成で不要な周波数成分を確実に除去できる周波数逓倍回路および半導体集積回路を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、前記フィルタ回路は、前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な第1の電流源と、前記第1の電流源を流れる電流量に応じてインピーダンスが可変制御される第1のインピーダンス素子と、を有することを特徴とする周波数逓倍回路が提供される。
【0029】
本発明では、2個の逓倍回路を縦続接続して、初段の逓倍回路に水晶発振子からの源発振信号を供給するため、源発振周波数が低くても、最終段の逓倍回路から十分に高い周波数の信号を出力できる。また、源発振周波数を低くできるため、水晶発振子を使用する源発振手段の設計が容易になり、源発振信号の特性を安定化させることができる。また、逓倍回路は、90°移相回路とミキサで構成されるため、不要な周波数成分を抑制でき、妨害に強い周波数逓倍回路を実現できる。
【0030】
また、本発明では、縦続接続された逓倍回路の段間にフィルタ回路を介挿するため、次段の逓倍回路に供給される信号に含まれる不要な周波数成分を確実に除去でき、所望の周波数成分のみを抽出できる。
【0031】
また、本発明では、90°移相回路の移相量を調整可能な移相調整回路を備えるため、温度や電圧変動等により90°移相回路の移相量が変化しても、その調整を迅速かつ正確に行うことができる。
【0032】
また、本発明では、90°移相回路内に、電流源を流れる電流量に応じてインピーダンスを可変制御できるインピーダンス素子を設けるため、電流量を制御することにより移相量を可変制御できる。
【0033】
また、本発明では、ミキサの出力直流電圧がゼロになるようにして、移相量を90°にすると同時にフィルタ回路の帯域特性を調整することができる。
【0034】
また、本発明では、フィルタ回路内に、電流源を流れる電流量に応じてインピーダンスが可変制御されるインピーダンス素子を設けるため、電流量を制御することによりフィルタ回路の特性を可変制御できる。
【0035】
また、本発明のフィルタ回路は、第1および第2の可変インピーダンス素子と、第1のキャパシタ素子と、第2の可変インピーダンス素子に流れる電流と同位相の電流を出力端子に流す電流供給回路とを有するため、周波数選択性をよくすることができる。
【0036】
また、本発明では、初段および二段目の逓倍回路の間にフィルタ回路を介挿するため、他の段間に介挿するよりも、不要な周波数成分を効率的に除去できる。
【0037】
また、本発明の一態様によれば、水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、
入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、前記フィルタ回路は、前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な第1の電流源と、入力端子および出力端子間に接続され、前記第1の電流源を流れる電流に応じてインピーダンスを可変可能な第1の可変インピーダンス素子と、前記出力端子に接続された第1のキャパシタ素子と、前記第1の電流源を流れる電流に応じて前記出力端子の電圧を制御する第2の可変インピーダンス素子と、前記第2の可変インピーダンス素子に流れる電流と同位相の電流を前記出力端子に流す電流供給回路と、を有することを特徴とする周波数逓倍回路が提供される。
また、本発明の一態様によれば、水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、
入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、前記フィルタ回路は、前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な第1の電流源と、第1の入力端子および第1の出力端子間に接続され、前記第1の電流源を流れる電流に応じてインピーダンスが可変制御される第1の可変インピーダンス素子と、第2の入力端子および第2の出力端子の間に接続され、前記第1の電流源を流れる電流に応じてインピーダンスが可変制御される第2の可変インピーダンス素子と、前記第1および第2の出力端子間に接続された第1のキャパシタ素子と、前記第1の出力端子の電圧を制御する第1のトランジスタと、前記第2の出力端子の電圧を制御する第2のトランジスタと、前記第1および第2のトランジスタの各出力側端子間に接続された第2のキャパシタ素子と、を有し、前記第1のトランジスタは、前記第2のトランジスタに流れる電流と同位相の電流を前記第1の出力端子に流し、前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタに流れる電流と同位相の電流を前記第2の出力端子に流すことを特徴とする周波数逓倍回路が提供される。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る周波数逓倍回路および半導体集積回路について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る周波数逓倍回路を使用する受信機の第1の実施形態のブロック図である。図1の受信機は、源発振回路1とアンテナ11を除いてワンチップにまとめられている。図1では、図15と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0040】
図1の周波数逓倍回路は、局部発振信号を生成する局部発振回路14aの構成が図15の周波数逓倍回路と異なる他は、図15と同様に構成されている。
【0041】
図1の局部発振回路14aは、源発振信号を生成する源発振回路1と、縦続接続された複数の周波数逓倍回路2とを有する。周波数逓倍回路2は、実際には、入力信号の周波数を2倍に高めた信号を出力する2逓倍回路2であり、この回路の内部には90°移相回路21とミキサ22とが設けられている。
【0042】
初段の2逓倍回路2の入力端子には、源発振回路1で生成された源発振信号が入力され、最終段の2逓倍回路2の出力端子から局部発振信号が出力される。この局部発振信号の周波数(局部発振周波数)fLOは、例えば325.7MHzである。
【0043】
源発振回路1としては、例えば水晶発振子を用いた発振回路が考えられる。水晶発振子を用いることにより、局部発振信号の周波数精度を向上できる。
【0044】
本実施形態では、2逓倍回路2を3段接続して、初段の2逓倍回路2に源発振周波数が40.7125MHzの源発振信号を入力している。国内の微弱電波受信システムでは、315MHzの受信電波に対して局部発振周波数を325.7MHzに設定する場合が多い。
【0045】
この場合、n=2(4逓倍)のとき、源発振周波数は81.425MHzになり、n=3(8逓倍)のとき、源発振周波数は40.7125MHzになり、n=4(16逓倍のとき)、源発振周波数は20.35625MHzになる。
【0046】
水晶発振子による源発振周波数は、周波数が低い方が特性が安定し、製造も容易である。具体的には、60MHz程度以下の周波数にするのが望ましい。
【0047】
逆に、源発振周波数を低くしすぎると、源発振周波数が中間周波周波数(IF周波数)に近づくため、n=7以上にして源発振周波数を10.7MHzよりも十分に低くするか、あるいはn=4未満にして10.7MHzよりも高くするのが望ましい。
【0048】
しかしながら、nを高くして源発振周波数を低くすると、後述するように、2逓倍回路2による不要周波数成分が源発振周波数の間隔で発生するため、この周波数成分をフィルタ回路で除去するのが困難になる。
【0049】
不要周波数成分を除去するフィルタ回路として、最も除去性能の高いものの一つであるSAWフィルタ回路を用いる場合でも、除去レベルの特性は以下のものが必要になる。
【0050】
ここで、SAWフィルタ回路の一般的な特性は、図2に示す通りなので、全体として85dBの減衰を得たい場合の不要周波数成分の所要減衰レベルは以下のようになる。
【0051】
フィルタ回路中心周波数±20MHz …65dB
フィルタ回路中心周波数±25MHz …40dB
フィルタ回路中心周波数±35MHz …30dB
フィルタ回路中心周波数±40MHz以上 …20dB
不要周波数成分は、局部発振周波数fLO±(源発振周波数×整数倍)の周波数で存在するため、源発振周波数が低いほど除去も難しくなる。したがって、フィルタ回路による高調波除去を考えると、源発振周波数は高いほど望ましい。
【0052】
このため、315MHz帯を用いる国内微弱電波受信システムでは、源発振周波数が40MHz以上となる8逓倍回路(n=3)が最も望ましいことがわかる。そこで、本実施形態では、図1に示すように、2逓倍回路2を3段縦続接続して、初段の2逓倍回路2に40.7125MHzの源発振信号を入力している。
【0053】
2逓倍回路2内の90°移相回路21は、入力信号の正弦波形を直交させて、すなわち入力信号の位相を90°シフトさせた信号を対応するミキサ22に入力する。
【0054】
今、ミキサの入力波形として最も歪んだ状態である矩形波を考えると、波形の一例として、位相が−πか0までの区間を「−1」、位相が0からπまでの区間を「+1」と記述できる。この波形が移相回路によりXだけ位相がずれた状態は、位相が−π+xからxまでの区間が「−1」、位相がxからπ+xまでの区間が「+1」と記述できる。
【0055】
ところが、ミキサ22に入力される信号には、回路素子の非線形性に起因する高調波成分が含まれており、この高調波成分により信号波形が歪むのが一般的である。
【0056】
いま、最も歪んだ状態として矩形波を考えると、波形の一例として、位相が(−π)から0までの区間は「−1」、位相が0からπまでの区間は「+1」となる波形が考えられる。
【0057】
この波形が、移相回路によりxだけ位相がずれると、位相が(−π+x)からxまでの区間は「−1」、位相がxから(π+x)までの区間は「+1」となる波形が得られる。
【0058】
これら2つの波形をミキサ22により乗算すると、(−π)から(−π+x)までの区間は「−1」、(−π+x)から0までの区間は「+1」、0から(+x)までの区間は「−1」、(+x)からπまでの区間は「+1」となり、周期が半分に短縮される。
【0059】
これら2つの波形を偶関数の級数で記述すると、(2)式のようになる。
【0060】
B(π/2-x)+C・sin(π-x)cos2ωt+C/2・sin2(π-x)cos4ωt
+C/3・sin3(π-x)cos6ωt+……+C/n・sinn(π-x)cos2nωt …(2)
ここで、B,Cは定数、nは自然数である。この式によれば、基本波に対して2n倍の高調波が得られることになるが、高調波成分が最も少なくなる条件はx=π/2の時であり、この場合、(2)式は(3)式のようになる。
【0061】
C・sin(π-x)cos2ωt+C/3・sin3(π-x)cos6ωt+……
=C・cos2ωt−C/3・cos6ωt+C/5・cos10ωt-…… (3)
(3)式からわかるように、第2次、6次、10次、……(4n-2)次が残存し、第4次、8次、12次、……4n次が除去される。
【0062】
(3)式では、2次の高調波のレベルが最も高く、次数の高い高調波ほどレベルが低くなる。また、2倍の高調波に隣接するのは6倍の高調波となる。
【0063】
例えば、源発振周波数を40.7125MHzとすると、第1段の2逓倍回路2から出力される周波数は、81.425MHz、244.275MHz、407.125MHz、……であるが、隣接する244.275MHzは、所望の周波数である81.425MHzに対して周波数的に十分に離れているため、比較的容易に不要高調波成分を除去できる。
【0064】
n=3とすると、源発振周波数は40.7125MHzであり、各2逓倍回路2の出力周波数は、それぞれ以下のようになる。
【0065】
1段目…81.425MHz、244.275MHz、407.125MHz ……
2段目…162.85MHz、488.55MHz、814.25MHz ……(81.425MHzに起因)
488.55MHz、1465.65MHz、2442.75MHz ……(244.275MHzに起因)
814.25MHz、2442.75MHz、4071.25MHz ……(407.125MHzに起因)
3段目…325.7MHz、977.1MHz、1628.5MHz ……(162.85MHzに起因)
977.1MHz、2931.3MHz、4885.5NHz ……(488.55MHzに起因)
1628.5MHz、4885.5MHz、8142.5MHz ……(814.25MHzに起因)
ここで、1段目の2逓倍回路2の出力に含まれる隣接不要高調波成分である244.275MHzに起因する信号の周波数は、2段目の出力では488.55MHz、3段目の出力になると977.1MHzとなり,いずれも300MHz帯から十分に離れているため、高調波成分による悪影響(ノイズ等)は起きない。
【0066】
一方、移相回路による周波数のずれが90°でない場合には、不要な高調波の数が倍増するだけでなく、隣接する周波数が162.85MHzとなるので、これが2段目の出力には325.7MHz、3段目の出力には651.4MHzとなって現れる。このため、不要な高調波成分を除去するのが難しくなるのに加え、必要な周波数レベルも(2)式のsin(π−x)の項により低下し、効率の悪い局部発振回路14aとなる。よって、移相回路による移相量は90°が最も望ましい。
【0067】
以上のことから、本実施形態では、周波数逓倍回路2をミキサ22と90°移相回路21からなる2逓倍回路2として不要な高調波の発生を抑制し、かつ、2逓倍回路2を多段に接続して源発振周波数の逓倍数を高くしている。具体的には、2逓倍回路2がn段接続されている場合には、最終段の2逓倍回路2から出力される局部発振信号の周波数は、2n×fになる。ここで、fは源発振周波数である。
【0068】
従来の微弱電波受信機では、局部発振回路14aの逓倍数は5程度が限界であったのに対して、本実施形態による逓倍数は、n=3の場合は23=8、n=4の場合は24=16になるため、逓倍数を高くできる分、源発振周波数を低くすることができる。
【0069】
例えば、n=3のときは(315+10.7)/8=40.7125MHz、n=4のときは(315+10.7)/16=20.35625MHzとなり、5逓倍するのに従来用いられていた源発振周波数65.14MHzに比べて、源発振周波数を低くできる。
【0070】
これにより、水晶発振子の発振周波数を低くできるため、受信機の設計が容易になり、コストダウンも図れる。また、2逓倍回路2をICに内蔵すれば、2逓倍回路2の段間等で発生する高調波成分信号がICの外部に漏れなくなる。
【0071】
このように、第1の実施形態では、局部発振回路14aの内部に、縦続接続された3段の2逓倍回路2を設け、初段の2逓倍回路2に水晶発振子の源発振信号を供給して、8逓倍した局部発振信号を生成するため、源発振周波数が低くても、十分に高い周波数の局部発振信号を生成できる。
【0072】
本実施形態によれば、水晶発振子の発振周波数を低くできるため、受信機の設計が容易になるとともに、アンテナ11を除く受信機全体を一つの半導体チップに容易にまとめることができ、不要な高調波成分が外部に放射されなくなる。
【0073】
(第2の実施形態)
第1の実施形態において、移相回路による移相のずれが90°でない場合には、ミキサの入力波形は直流成分を含む。歪み波として矩形波を考え、入力波形として直流成分を含んだ矩形波をミキサにより乗算すると、(式2)に加え、入力信号の矩形波の周波数成分が逓倍回路の出力に現れる。偶関数の矩形波として、区間−Xから+Xまでが1、その他の区間を−1、を考えると
A(x-π/2)+Asinxcosωt+A/2・sin2xcos2ωt+A/3・sin3xcos3ωt
+…+A/n・sinnxcosnωt (式3)
と記述できる。ここでAは定数、ωは角周波数で2πfL0,tは時間、nは自然数であり、第1項は直流成分である。例えば、n=2、源発振周波数f0とすると、各段の逓倍回路から出力される周波数は、(式1)、(式3)より、
1段目…f0,2*f0,3*f0,4*f0,…
2段目…f0,2*f0,3*f0,4*f0,5*f0,…(f0に起因)
2*f0,2*2*f0,3*2*f0,4*2*f0,…(2*f0に起因)
3*f0,2*3*f0,3*3*f0,4*3*f0,…(3*f0に起因)
4*f0,2*4*f0,3*4*f0,4*4*f0,…(4*f0に起因)
となり、1段目の出力から出てくる隣接する不要な高調波であるf0、3*f0は2段目の出力では3*f0,5*f0となる。必要な周波数4*f0との差はf0しかなく、これを除去するのは難しい。
【0074】
この隣接する不要な周波数は、位相ノイズが原因である。ωを角速度、tを時間とすると、位相Φは、
Φ=ω*t (式4)
と表される。2段目の逓倍回路を通過する前の位相ノイズをdΦ1とすると、(式4)より、
dΦ1=ω*dt
となる。位相ノイズの元である時間差dtは、逓倍回路を通過する前後で変化がないので、2段目の逓倍回路を通過した後の位相ノイズをdΦ2とすると、(式4)より、dΦ2=2*ω*dt=2*dΦ1となる。この式より、2段目の逓倍回路を通過した後の位相ノイズdΦ2は、2段目の逓倍回路を通過する前の位相ノイズdΦ1の2倍となることがわかる。
【0075】
これは、2段目の逓倍回路を通過した後、隣接する不要な周波数の信号レベルが、2段目の逓倍回路を通過する前の信号レベルの2倍となることを意味する。つまり必要な周波数の信号レベルを0dBとした場合、隣接する不要な周波数の信号レベルが、逓倍回路を1段通過するごとに6dB大きくなるということである。
【0076】
このように、第1の実施形態では、必要な周波数の近傍に不要な周波数が発生してしまうことに加え、隣接する不要な周波数の信号レベルが、2逓倍回路を1段通過するごとに、6dBずつ大きくなっていく。そのため隣接する不要な周波数の妨害を受けやすく、受信感度が劣化するなど通信品質の悪化につながるおそれがある。
【0077】
第2の実施形態は、2逓倍回路2の段間にフィルタ回路を挿入して、高調波ノイズをより低減するものである。
【0078】
図3は本発明に係る周波数逓倍回路を内蔵する受信機の第2の実施形態のブロック図である。図3の受信機も、アンテナ11以外の構成を一つの半導体チップにまとめることができる。図3では、図1と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
【0079】
図3の受信機は、局部発振回路14bの構成が異なる他は、図1と同様に構成されている。図3の局部発振回路14bは、源周波数逓倍回路1に接続されたn段の2逓倍回路2と、初段の2逓倍回路2の出力端子に接続されたフィルタ回路31と、各2逓倍回路2内の90°移相回路21の移相量を調整する複数の移相調整回路32とを有する。
【0080】
ミキサ22の入力信号に直流誤差成分ΔVが存在する場合には、出力信号にも入力信号が漏れ込んでしまう。例えば、実効値が100mVの信号に対して直流誤差が1mVあると、出力には20log(1mV/100mV)=-40dBの漏れが生じる。
【0081】
フィルタ回路31は、初段の2逓倍回路2の出力信号に含まれる不要な高調波成分とミキサ22の入力信号の漏れを除去する。移相調整回路32はそれぞれ、対応する2逓倍回路2内のミキサ22の出力の直流成分がゼロになるように90°移相回路21の移相量を調整する。
【0082】
また、初段の移相調整器は、対応する90°移相回路21の制御信号に比例した信号をフィルタ回路31に供給して、フィルタ回路31の周波数特性を制御する。
【0083】
図3では、各2逓倍回路2内のミキサ22の出力に基づいて、90°移相回路の移相量調整とフィルタ回路31の周波数特性の制御を行う例を示しているが、ミキサ22の出力以外の信号に基づいて、移相回路の移相量やフィルタ回路31の周波数特性を制御してもよい。
【0084】
また、図3では、初段の2逓倍回路2の出力端子のみにフィルタ回路31を接続しているが、2段目以降の2逓倍回路2の出力端子にもフィルタ回路31を接続してもよい。この場合、初段に近い側の2逓倍回路2の出力端子にフィルタ回路31を接続した方が、より効率的に不要な高調波成分を除去できる。
【0085】
第2の実施形態では、2逓倍回路2内の90°移相回路21の移相量が常に90°であることを前提としているが、実際の回路では、素子のばらつきや温度条件等により、90°移相回路21の移相量は必ずしも90°にはならない。
【0086】
移相回路の移相量をxとすると、(2)式によるミキサ22の出力の直流成分は、B(π/2−x)となる。
【0087】
x=π/2のとき、ミキサ22の出力の直流成分はゼロになるが、π/2でないときはゼロにはならず、4n次の不要高調波成分が現れるとともに、本来必要な2次の高調波レベルが(2)式のsin(π−x)項により低下する。
【0088】
すなわち、x=π/2であればsin(π−x)=1となるため、(2)式のsin(π−x)項が最大になるが、π/2からずれれば、この項は低下する。したがって、ミキサ22の出力に直流成分が存在するということは、本来必要な2次の高調波レベルが低下し、かつ4n次の不要高調波成分が現れている状態を示している。
【0089】
このため、(2)式において、sin(π−x)=1になるように90°移相回路21の移相量を調整すれば、ミキサ22の出力の直流成分をゼロにすることができる。
【0090】
移相量を調節できる90°移相回路21としては、例えば図4に示す半導体素子を用いたCR移相回路が考えられる。図4のCR移相回路は、基準発振器41と、電流源42を流れる電流量により抵抗値が可変制御される可変抵抗器R1と、電流源43を流れる電流量により抵抗値が可変制御される可変抵抗器R2と、コンデンサC1,C2と、増幅器44とを有する。基準発振器41は、前段の2逓倍回路2の出力に相当する。
【0091】
可変抵抗器R1,R2は、半導体のPN接合を利用した抵抗であり、その抵抗値Rは、PN接合部分に流れる電流をIとすると、(4)式の関係が成り立つ。
【0092】
R=VT/I …(4)
(4)式において、電流Iを変化させることによりRを変化させることができ、その結果、移相量を変化させることができる。
【0093】
(4)式のVTは、VT=kT/qで表され、常温では約26mVとなる。ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷量である。電流量Iは電流源により設定でき、電流源の電流量Iをミキサ22の出力の直流成分によって制御すれば、ミキサ22の出力の直流成分が常にゼロになるように移相量を調節することができる。
【0094】
すなわち、図4のCR移相回路では、電流源の電流量Iを調整することにより可変抵抗の抵抗値を制御でき、この抵抗値を制御することにより、ミキサ22の出力の直流成分を増減させることができる。
【0095】
移相量の誤差を小さくするには、移相調整回路32の直流利得を十分に大きくしておき、直流成分の増減に合わせて、電流源の電流量Iを増減させればよい。すなわち、直流誤差をΔV、制御回路の直流利得をAとすると、ΔVはI/Aと比例関係にあるため、Aが大きいほど誤差が小さくなる。
【0096】
以上の制御により、ミキサ22の出力の直流成分が常に0になるように90°移相回路21を制御することができ、90°移相回路21の移相量を常に90°に保つことができる。90°移相回路21での移相ずれが正しく90°に保たれている場合、2逓倍回路2の各段の出力周波数は、
1段目…81.425MHz、244.275MHz、407.125MHz ……
2段目…162.85MHz、488.55MHz、814.25MHz ……(81,425MHzに起因)
488.55MHz、1465.65MHz、2442.75MHz ……(244,275MHzに起因)
814.25MHz、2442.75MHz、4071.25MHz ……(407.125MHzに起因)
3段目…325.7MHz、977.1MHz、1628.5MHz ……(162.85MHzに起因)
977.1MHz、2931.3MHz、4885.5NHz ……(488.55MHzに起因)
1628.5MHz、4885.5MHz、8142.5MHz ……(814.25MHzに起因)
となる。
【0097】
3段目の2逓倍回路2から出力される不要高周波成分は、977.1MHz以上となって十分離れた周波数になるため、特段にフィルタ回路31を用いなくても所望の325.7MHzのみを容易に得ることができるようにもみえる。
【0098】
ところが、前述のように、移相量が90°に保たれていない場合は4n次の高調波成分が現れる。実際上、2逓倍回路2のミキサ22には種々の周波数成分が作用し、その場合の2逓倍回路2各段の出力周波数は、
1段目…81.425MHz、162.85MHz、244.275MHz、325.7NHz、407,125MHz、 ……
2段目…162.85MHz、325.7MHz、488.55MHz、651.4MHz、814.25MHz ……
(81.425MHzに起因)
325.7MHz、651.4MHz、977.1MHz、1302.8MHz、1628.5MHz ……
(162.85MHzに起因)
488.55MHz、977.1MHz、1465.65MHz、1954.2MHz ……
(244.275MHzに起因)
651.4MHz、1302.8MHz、1954.2MHz、2605.6MHz、3257MHz ……
(325.7MHzに起因)
814.25MHz、1628.5MHz、2442.75MHz、3257MHz ……
(407.125MHzに起因)
81.425MHz、162.85MHz、244,275MHz、325.7MHz ……
(1段目の高調波間の相互作用)
3段目…325.7MHz、651.4MHz、977.1MHz、1302.8MHz、1628.5MHz ……
(162.85MHzに起因)
488.55MHz、977.1MHz、1465.65MHz、1954.2MHz ……
(244,275MHzに起因)
651.4MHz、1302.8MHz、1954.2MHz、2605.6MHz、3257MHz ……
(325.7MHzに起因)
814.25MHz、1628.5MHz、2442.75MHz、3257MHz ……
(407,125MHzに起因)
977.1MHz、1954.2MHz、2931.3MHz、3908.4MHz、4885.5NHz ……
(488.55MHzに起因)
81.425MHz、162.85MHz、244.275MHz、325.7MHz ……
(2段目の高調波間の相互作用)
となる。
【0099】
このように、81.425MHzの倍数の周波数成分が最終段である3段目の出力にも残存することになる。すなわち、最終的に必要な325.7MHzの周波数に隣接する周波数は244.275MHzと407.125MHzであり、その差は81.425MHzしかないため、これを除去するのは難しい。
【0100】
この原因は、1段目の出力に81.425MHzの倍数の周波数成分を残存させたためであり、例えば1段目の出力に81.425MHzのみを透過するフィルタ回路31を挿入し、他の周波数成分を除去すると、
1段目…81,425MHz
2段目…162.85MHz、325.7MHz、488.55MHz、651.4MHz、814.25MHz ……
(81.425MHzに起因)
3段目…325.7MHz、651.4MHz、977.1MHz、1302.8MHz、1628.5MHz ……
(162.85MHzに起因)
651.4MHz、1302.8MHz、1954.2MHz、2605.6MHz、3257MHz ……
(325.7MHzに起因)
814.25MHz、1628.5MHz、2442.75MHz、3257MHz ……
(407,125MHzに起因)
977.1MHz、1954.2MHz、2931.3MHz、3908.4MHz、4885.5MHz ……
(488.55MHzに起因)
162.85MHz、325.7MHz、488.55MHz、651.4MHz ……
(2段目の高調波間の相互作用)
となる。
【0101】
このように、初段の2逓倍回路2の出力端子にフィルタ回路31を接続すると、325MHzに隣接する周波数は162.85MHz、488.55MHzとなり、その差は162.85MHzであるため、除去が比較的容易になる。
【0102】
また、2段目の2逓倍回路2の出力にも、162.85MHzのみを透過するフィルタ回路31を挿入すると、
1段目…81,425MHz
2段目…162.85MHz
3段目…325.7MHz、651.4MHz、977.1MHz、1302.8MHz、1628.5MHz ……
(162.85MHzに起因)
となり、3段目から出力される不要高調波成分が大幅に除去されるとともに、325MHzに隣接する周波数が651.4MHzとなり、十分に除去が可能となる。
【0103】
上述したフィルタ回路31には、高調波を除去するためにローパスあるいはバンドパスの構成で、しかも源発振周波数の変動に追従できるよう、周波数特性を任意に制御できることが必要とされる。
【0104】
源発振周波数の変動とは、例えば用いるシステムの違いにより異なる周波数で用いたい場合や、素子のバラツキ、温度特性等による源発振周波数が微妙に変動する場合をいう。
【0105】
このようなフィルタ回路31を実現するために、例えば図5に示すフィルタ回路31が考えられる。図5のフィルタ回路31は、電流源45を流れる電流量により抵抗値が可変制御される可変抵抗器R3と、電流源46を流れる電流量により抵抗値が可変制御される可変抵抗器R4と、増幅器47,48と、コンデンサC3,C4とを有する2次ローパスフィルタ回路である。
【0106】
図5において、初段の2逓倍回路2のミキサ22の出力の直流成分は、電流源に供給される。電流源の電流量がミキサ22の出力の直流成分の増減によって変動するようにすれば、抵抗30の値を変動させることができる。これは図4に示したCR移相回路の抵抗R1,R2と同じ考え方である。
【0107】
第2の実施形態では、図4に示すCR移相回路による移相量が実際に90°になるようにミキサ22の出力の直流成分を制御しているが、これはすなわち、源発振周波数をどのように変化させても、CR移相回路の抵抗値が、移相量が90°になるような値に落ち着くことを意味している。
【0108】
ここで、図4のCR移相回路に用いた抵抗R1,R2と同じ構成の抵抗R3,R4でフィルタ回路31を構成し、CR移相回路の制御信号により制御すれば、その抵抗値は必ず源発振周波数を90°移相させることができる抵抗値に落ち着くため、この値を逆算してフィルタ回路31の周波数特性を決めるようにコンデンサの容量を設定すれば、源発振周波数の変動に追従するフィルタ回路31を構成することができる。
【0109】
このように、第2の実施形態では、移相調整回路32を設けてミキサ22の出力を監視し、直流成分が常にゼロになるように90°移相回路の移相量を制御して移相量のずれを補正できるようにしたため、素子のバラツキや温度変化によって移相量が90°からずれても、すぐにその移相量の調整を行うことができ、ミキサ22の出力の直流成分を常にゼロにすることができる。
【0110】
また、2逓倍回路2の段間にフィルタ回路31を挿入するため、不要高調波の発生を確実に抑制でき、本実施形態の受信機を内蔵するICの外部に高調波ノイズが放射されなくなる。したがって、従来のように逓倍回路にシールドを施す必要がなくなり、また、空間的に逓倍回路とミキサ22の距離を稼ぐ必要もなくなるため、回路設計が容易になるとともに、小型化が図れる。
【0111】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の周波数逓倍回路は、90°移相回路21とフィルタ回路31の構成を第2の実施形態とは異なるものにしたものである。
【0112】
図6は第3の実施形態の90°移相回路21aの詳細構成を示す回路図である。図6の90°移相回路21aは、半導体素子(トランジスタ)を用いたCR移相回路であり、45°位相がシフトする45°移相部(第1および第2の移相部)60を2段縦続接続した構成になっている。
【0113】
図6の45°移相部60は、基準発振器41の出力がベース端子に供給されるトランジスタQ1,Q2と、トランジスタQ1,Q2のエミッタ端子間に接続されるコンデンサC5と、トランジスタQ1,Q2のエミッタ端子にそれぞれ接続される電流源61,62とを有する。電流源61,62から供給される電流は、図3の移相調整回路32により制御される。
【0114】
トランジスタQ1,Q2のベース−エミッタ間のPN接合をエミッタ側からみた抵抗Rは、PN接合部分に流れる電流をIとすると、R=VT/Iであり、Iを変化させることにより抵抗Rを変化させることができる。すなわち、トランジスタQ1,Q2を流れる電流を制御することにより、周波数特性を変化させることができる。なお、VT=kT/qで表され、常温では約26mVとなる。ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷量である。
【0115】
トランジスタQ1,Q2を流れる電流Iは電流源61,62から供給される電流により決まり、電流源61,62の電流量を図3のミキサ22の出力直流成分によって制御すれば、ミキサ22の出力直流成分が常に0になるように移相量を調節することができる。
【0116】
図6の回路では、トランジスタQ1,Q2のエミッタ抵抗は電流源61,62の電流量によって調整されており、電流源61,62の電流量はミキサ22の出力直流成分の増減に合わせて変化するようになっている。具体的には、ミキサ22の出力直流成分が減少するように、電流源61,62の電流量を変化させる。これにより、ミキサ22の出力直流成分が常に0になるように90°移相回路21aを制御することができ、移相量を90°に維持することが可能になる。
【0117】
ところが、実際の回路では、素子のバラツキや温度条件によって必ずしも移相量が90°に維持されるとは限らず、2逓倍回路2のミキサに対して種々の周波数成分が作用する。このため、図3のフィルタ回路31は、高調波を除去するためにローパスあるいはバンドパスの構成にし、しかも源発振周波数の変動に追従できるように周波数特性を任意に制御できるようにすることが必要とされる。
【0118】
源発振周波数の変動とは、例えば用いるシステムの違いにより異なる周波数で用いたい場合や、素子のバラツキ、温度特性等による源発振周波数が微妙に変動する場合をいう。
【0119】
このような要求を満たすフィルタ回路31として、図7のような回路が考えられる。図7のフィルタ回路31は、ベース−エミッタ間抵抗を可変可能なトランジスタ(第1および第2の可変インピーダンス素子)Q3,Q4と、出力端子OUT1,OUT2間に接続されたコンデンサ(第1のキャパシタ素子)C6,C7と、トランジスタQ4のベース−エミッタ間電流に応じて出力端子OUT1の電圧を制御するトランジスタ(第1のトランジスタ)Q5と、トランジスタQ3のベース−エミッタ間電流に応じて出力端子OUT2の電圧を制御するトランジスタ(第2のトランジスタ)Q6と、トランジスタQ5のエミッタと接地端子間に接続された電流源63と、トランジスタQ6のエミッタと接地端子間に接続された電流源64と、トランジスタQ5,Q6のエミッタに接続されたコンデンサ(第2のキャパシタ素子)C8,C9とを有する。
【0120】
出力端子OUT1,OUT2間とトランジスタQ5,Q6のエミッタ間にはそれぞれ2個ずつコンデンサ(C6,C7)、(C8,C9)が直列接続されているが、これは、後述する図7の小信号等価回路図との辻棲を合わせるための容量であり、コンデンサは1つでも構わない。
【0121】
電流源63,64を流れる電流は、図3の2逓倍回路2内のミキサ22の出力直流成分により制御される。電流源63,64を流れる電流が変化すると、トランジスタQ3,Q4のエミッタ抵抗を変動させることができる。これは前述のCR移相回路の抵抗と同じ考え方である。
【0122】
先に、CR移相回路による移相量が90°になるようにミキサ22の出力直流成分を制御する旨を述べたが、これはすなわち、種々条件でどのように源発振周波数が変動しても、必ずCR移相回路の抵抗値はその周波数を90°移相させることができる抵抗値に落ち着くことを意味している。
【0123】
ここで、CR移相回路内のトランジスタのエミッタ抵抗と同じ構成のエミッタ抵抗でフィルタ回路31を構成し、CR移相回路の制御信号により制御すれば、その抵抗値は必ず源発振周波数を90°移相させることができるエミッタ抵抗に落ち着くため、この値を逆算してフィルタ回路31の周波数特性を決めるような容量の値を設定すれば、源発振周波数の変動に追従するフィルタ回路31を構成することができる。
【0124】
図8は図7のフィルタ回路31の小信号等価回路図である。すなわち、図7のフィルタ回路31において、コンデンサC6=C7、C5=C9、電源源63=64として、左右対称な回路としたものである。
【0125】
図8では、トランジスタQ3,Q4とトランジスタQ5,Q6のエミッタ抵抗を可変抵抗(第1および第2の可変インピーダンス素子)reで表し、トランジスタQ5,Q6をバッファ81で表している。また、トランジスタQ5,Q6のべ−ス−コレクタはたすき掛けになっているため、定電流源(電流供給回路)82にはバッファ31の出力電流Ioと同じ電流が流れる。さらに、図7のコンデンサC6,C7はコンデンサ(第1のキャパシタ素子)C11で表し、コンデンサC8,C9はコンデンサC12で表している。
【0126】
図8の小信号等価回路の伝達関数T(s)は、(5)式のように記述される。
【0127】
T(s)=(1+s×C12×re)/(1−(ω×re)^2×C11×C12
+s×(C11×re+C12×re−C12×re)) (5)
ここで、re=VT/Iである。
【0128】
図9は、(5)式をグラフに表したもので、横軸は周波数(中心周波数で規格化)、縦軸は振幅(対数表示)である。図8の小信号等価回路のQは、容量C11、容量C12の比率C11/C12で決まり、C11/C12の値が小さいとQは高くなる。
【0129】
図9は、C11/C12=0.44,C11/C12=0.25の特性である。Qを適当な値に設定することにより、隣接する不要な周波数の減衰量を調整することができる。
【0130】
図10は図7のトランジスタQ3,Q4をダーリントン接続したフィルタ回路31である。トランジスタQ3,Q4のエミッタから入力側を見た抵抗は、2×reであり、リニアに動作する範囲は、差動で±2VT(約±52mV)となる。
【0131】
図11は実際のLSI等に用いられるフィルタ回路31である。図11のフィルタ回路31で発生される直流電圧誤差は通常1mV程度あり、必要な信号レベルはこの直流誤差電圧に対して十分大きくなければならない。図11のフィルタ回路31は、図7の入力端子とトランジスタQ3,Q4との間にリミッタアンプ(第1のリミッタアンプ)71を接続した点に特徴がある。
【0132】
図11のフィルタ回路31では、リニアに動作する範囲は±2VT(約±52mV)であり、直流誤差電圧1mVに対して十分大きくない。従って、直流誤差電圧に対して十分大きな動作範囲を得るには、非線型な範囲でフィルタ回路31を動作させる必要がある。直流誤差電圧を1%以下にしたいので、入力信号レベルは通常100mVにはしたい。しかし、非線型な範囲でフィルタ回路31を動作させる場合、入力信号レベルによってフィルタ回路31の周波数特性が変化してしまうため、図11のリミッタアンプ71が必要となる。
【0133】
図11のフィルタ回路31の周波数特性は90°移相回路21aの移相量に追従して制御される必要があるが、90°移相回路21aに挿入したリミッタアンプ26による固定の移相量がある場合、その固定の移相量に相当する分、フィルタ回路31の周波数特性がずれてしまう。これは源発振周波数が変動した場合、フィルタ回路31の周波数特性が90°移相回路21aの移相量に忠実に追従できなくなることを意味し、その結果必要な信号を減衰させてしまうことになる。
【0134】
そこで、図11のフィルタ回路31は、リミッタアンプ26により生じる固定の移相量をキャンセルするため、トランジスタQ3のエミッタとトランジスタQ5のコレクタとの間に固定抵抗(第1のインピーダンス素子)R5を、トランジスタQ4のエミッタとトランジスタQ6のコレクタとの間に固定抵抗(第2のインピーダンス素子)R6を、トランジスタQ5のエミッタと電流源63との間に固定抵抗(第3のインピーダンス素子)R7を、トランジスタQ6のエミッタと抵抗R8との間に固定抵抗(第4のインピーダンス素子)R8を、それぞれ挿入している。これにより、リミッタアンプ26により生じる固定の移相量がキャンセルされ、90°移相回路21aの移相量に忠実に追従するフィルタ回路31を実現することができる。
【0135】
これら固定抵抗R7,R8の抵抗値は以下のようにして求められる。ある周波数で90°移相回路21a(45°移相回路が2個)の固定分の移相量がα、可変分の移相量がβ(ただし、α+β=45°)であったとすると、固定抵抗R5〜R8の抵抗値Rは、(6)式で求められる。
【0136】
R:re=α:β (6)
ここで、reとβは可変であり、それぞれ定電流Iに反比例して制御される。(6)式を変形すると、(7)式が得られる。
【0137】
R=(α/β)×re (7)
固定抵抗R5,R6は、(7)式において、reを2reに代えた式になる。
【0138】
フィルタ回路31内に図11のようなリミッタアンプ71を設けた場合は、リニアに動作する範囲は±VT(約±52mV)であり、直流誤差電圧1mVに対して十分大きくない。従って、直流誤差電圧に対して十分大きな動作範囲を得るには、非線型な範囲でフィルタ回路31を動作させる必要がある。直流誤差電圧を1%以下にしたいので、入力信号レベルは通常100mVにはしたい。しかし、非線型な範囲でフィルタ回路31を動作させる場合、入力信号レベルによってフィルタ回路31の移相量が変化してしまうため、図11のリミッタアンプ71が必要となる。
【0139】
図12はリミッタアンプ71を有する90°移相回路21aの回路図である。これにより、直流電圧誤差に対し十分大きな入力信号レベルを得ることができる。
【0140】
このように、本実施形態では、90°移相回路21aのリミッタアンプ71によって生じる固定の移相量をフィルタ回路31に挿入した抵抗R6〜R8によりキャンセルするため、90°移相回路21aの移相量に忠実に追従して周波数特性を制御可能なフィルタ回路31の実現できる。これにより、隣接する不要な高周波が発生した場合でも、フィルタ回路31によって不要な周波数を減衰させることができる。
【0141】
図3では、フィルタ回路31と移相調整回路32の双方を有する局部発振回路14bについて説明したが、図13に示すようにフィルタ回路31は有するが移相調整回路32は持たない局部発振回路14bや、図14に示すように移相調整回路32は有するがフィルタ回路31を持たない局部発振回路14bも考えられる。
【0142】
図13の構成の場合、90°移相回路21aの移相量の調整はできないが、フィルタ回路31により不要な高調波成分は除去できる。また、図14の構成の場合、フィルタ回路31による高調波成分の除去はできないが、90°移相回路21aの移相量の調整は行うことができる。図13および図14のいずれの場合も、図3よりも回路構成を簡略化できる。
【0143】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、N個の逓倍回路を縦続接続して、初段の逓倍回路に水晶発振子からの源発振信号を供給するため、源発振周波数が低くても、最終段の逓倍回路からは十分に高い周波数の信号を出力できる。したがって、源発振手段の設計が容易になり、源発振信号の特性も安定化する。
【0144】
また、逓倍回路は、90°移相回路とミキサで構成されるため、不要な周波数成分を効率的に抑制でき、妨害に強い周波数逓倍回路を実現できる。また、逓倍回路の接続段数を調整することで、十分に高い周波数の信号を得ることができる。
【0145】
さらに、逓倍回路にフィルタ回路を設けることにより、不要な高周波成分を確実に除去することができる。また、フィルタ回路内に可変インピーダンス素子を設けることにより、移相回路の移相量に追従してフィルタ回路の周波数特性を制御することができる。
【0146】
また、フィルタ回路と移相回路の双方にリミッタアンプを設けることにより、フィルタ回路の周波数特性と移相回路のカットオフ周波数が入力信号レベルに依存しないようにすることができる。
【0147】
また、フィルタ回路の可変抵抗と直列にインピーダンス素子を挿入することにより、移相回路のリミッタアンプにより生じる固定の移相量をキャンセルでき、源発振周波数の変化に忠実に追従するようにフィルタ回路の周波数特性を制御することができる。
【0148】
さらに、本発明の周波数逓倍回路を用いてスーパーヘテロダイン方式の受信機を構成すれば、水晶発振子とアンテナを除く部分をワンチップにまとめることが容易になり、小型化とコストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周波数逓倍回路を内蔵する受信機の第1の実施形態のブロック図。
【図2】双フィルタ回路の一般的な特性を示す図。
【図3】本発明に係る周波数逓倍回路を内蔵する受信機の第2の実施形態のブロック図。
【図4】半導体素子を用いた90°移相回路の一例を示す回路図。
【図5】フィルタ回路の一例を示す回路図。
【図6】第3の実施形態の90°移相回路の詳細構成を示す回路図。
【図7】フィルタ回路の具体的構成を示す回路図。
【図8】図7のフィルタ回路の小信号等価回路図。
【図9】(5)式にグラフに表した図。
【図10】図7のトランジスタQ3,Q4をダーリントン接続したフィルタ回路の回路図。
【図11】実際のLSI等に用いられるフィルタ回路の回路図。
【図12】リミッタアンプを有する90°移相回路の回路図。
【図13】フィルタ回路は有するが移相調整回路は持たない局部発振回路の一例を示す回路図。
【図14】移相調整回路は有するがフィルタ回路を持たない局部発振回路の一例を示す回路図。
【図15】従来の微弱電波送受信システムの概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 源発振回路
2 2逓倍回路
11 アンテナ
12 SAWフィルタ回路31
13 RFアンプ
14,14a,14b 局部発振回路
15 ミキサ
16 IFフィルタ回路31
17 IFアンプ
18 検波回路
21 源発振回路
22 5逓倍回路
31 フィルタ回路31
32 移相調整回路
51 送信機
52 受信機
53 送信回路
54 アンテナ
Claims (12)
- 水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、
入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、
前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、
前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、
前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、
前記フィルタ回路は、
前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な第1の電流源と、
前記第1の電流源を流れる電流量に応じてインピーダンスが可変制御される第1のインピーダンス素子と、を有することを特徴とする周波数逓倍回路。 - 水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、
入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、
前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、
前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、
前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、
前記フィルタ回路は、
前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な第1の電流源と、
入力端子および出力端子間に接続され、前記第1の電流源を流れる電流に応じてインピーダンスを可変可能な第1の可変インピーダンス素子と、
前記出力端子に接続された第1のキャパシタ素子と、
前記第1の電流源を流れる電流に応じて前記出力端子の電圧を制御する第2の可変インピーダンス素子と、
前記第2の可変インピーダンス素子に流れる電流と同位相の電流を前記出力端子に流す電流供給回路と、を有することを特徴とする周波数逓倍回路。 - 水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、
入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、
前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、
前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、
前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、
前記フィルタ回路は、
前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な第1の電流源と、
第1の入力端子および第1の出力端子間に接続され、前記第1の電流源を流れる電流に応じてインピーダンスが可変制御される第1の可変インピーダンス素子と、
第2の入力端子および第2の出力端子の間に接続され、前記第1の電流源を流れる電流に応じてインピーダンスが可変制御される第2の可変インピーダンス素子と、
前記第1および第2の出力端子間に接続された第1のキャパシタ素子と、
前記第1の出力端子の電圧を制御する第1のトランジスタと、
前記第2の出力端子の電圧を制御する第2のトランジスタと、
前記第1および第2のトランジスタの各出力側端子間に接続された第2のキャパシタ素子と、を有し、
前記第1のトランジスタは、前記第2のトランジスタに流れる電流と同位相の電流を前記第1の出力端子に流し、
前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタに流れる電流と同位相の電流を前記第2の出力端子に流すことを特徴とする周波数逓倍回路。 - 前記第1または第2の可変インピーダンス素子の少なくとも一つは、バイポーラトランジスタで構成され、該トランジスタのエミッタ端子に流す電流を制御することによりインピーダンスを可変制御することを特徴とする請求項3に記載の周波数逓倍回路。
- 前記第1または第2の可変インピーダンス素子の少なくとも一つは、ダーリントン接続された複数のバイポーラトランジスタで構成されることを特徴とする請求項4に記載の周波数逓倍回路。
- 前記フィルタ回路は、前記第1および第2の入力端子と前記第1および第2の可変インピーダンス素子との間に接続され、入力信号の電圧振幅を所定の電圧範囲に制限して出力する第1のリミッタアンプを有し、
前記90°移相回路は、
互いに縦続接続され、入力信号の位相をそれぞれ略45度シフトさせて出力する第1および第2の移相部と、
前記第1の移相部の前段に接続され、入力信号の電圧振幅を所定の電圧範囲に制限して出力する第2のリミッタアンプと、
前記第1の移相部と前記第2の移相部との間に接続され、前記第1の移相部の出力信号の電圧振幅を所定の電圧範囲に制限して出力する第3のリミッタアンプと、を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の周波数逓倍回路。 - 前記フィルタ回路は、
前記第1の可変インピーダンス素子と前記第1の出力端子との間に接続された第1のインピーダンス素子と、
前記第2の可変インピーダンス素子と前記第2の出力端子との間に接続された第2のインピーダンス素子と、
前記第1のトランジスタと前記第2のキャパシタ素子との間に接続された第3のインピーダンス素子と、
前記第2のトランジスタと前記第2のキャパシタ素子との間に接続された第4のインピーダンス素子と、を有することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の周波数逓倍回路。 - 前記90°移相回路は、
前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な第2の電流源と、
前記第2の電流源を流れる電流量に応じてインピーダンスが可変制御される90°移相用インピーダンス素子と、
90°移相用キャパシタ素子と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の周波数逓倍回路。 - 前記フィルタ回路は、少なくとも初段および二段目の前記逓倍回路の間に介挿されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の周波数逓倍回路。
- 局部発振信号を生成する局部発振回路と、
アンテナで受信された高周波信号を前記局部発振信号に基づいて中間周波信号に変換する中間周波信号変換手段と、
前記中間周波信号に基づいて復調処理を行う復調手段と、を備え、
前記局部発振回路は、
水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、
入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、
前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、
前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、
前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、
前記フィルタ回路は、
前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な電流源と、
前記電流源を流れる電流量に応じてインピーダンスが可変制御されるインピーダンス素子と、を有することを特徴とする半導体集積回路。 - 局部発振信号を生成する局部発振回路と、
アンテナで受信された高周波信号を前記局部発振信号に基づいて中間周波信号に変換する中間周波信号変換手段と、
前記中間周波信号に基づいて復調処理を行う復調手段と、を備え、
前記局部発振回路は、
水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、
入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、
前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、
前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、
前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、
前記フィルタ回路は、
前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な電流源と、
入力端子および出力端子間に接続され、前記電流源を流れる電流に応じてインピーダンスを可変可能な第1の可変インピーダンス素子と、
前記出力端子に接続された第1のキャパシタ素子と、
前記電流源を流れる電流に応じて前記出力端子の電圧を制御する第2の可変インピーダンス素子と、
前記第2の可変インピーダンス素子に流れる電流と同位相の電流を前記出力端子に流す電流供給回路と、を有することを特徴とする半導体集積回路。 - 局部発振信号を生成する局部発振回路と、
アンテナで受信された高周波信号を前記局部発振信号に基づいて中間周波信号に変換する中間周波信号変換手段と、
前記中間周波信号に基づいて復調処理を行う復調手段と、を備え、
前記局部発振回路は、
水晶発振子を使用して源発振信号を生成する源発振手段と、
入力信号の位相を90°シフトさせる90°移相回路と、前記入力信号および前記90°移相回路の出力信号に基づいて前記入力信号の2逓倍信号を生成するミキサと、をそれぞれ有する、縦続接続されたn(nは2以上の整数)個の逓倍回路と、
前記n個の逓倍回路の少なくとも一部の段間に介挿され不要な周波数成分を除去するフィルタ回路と、
前記n個の逓倍回路のうち、少なくとも一部の逓倍回路に対応して設けられ、対応する前記ミキサの出力直流電圧が略ゼロになるように、対応する前記90°移相回路の移相量を調整する移相調整回路と、を備え、
前記縦続接続されたn個の逓倍回路のうち、初段の逓倍回路には前記源発振信号が入力され、最終段の逓倍回路は前記源発振信号の周波数の2n倍の周波数の信号を出力し、
前記フィルタ回路は、
前記移相調整回路の出力により電流量を調整可能な電流源と、
第1の入力端子および第1の出力端子間に接続され、前記電流源を流れる電流に応じてインピーダンスが可変制御される第1の可変インピーダンス素子と、
第2の入力端子および第2の出力端子の間に接続され、前記電流源を流れる電流に応じてインピーダンスが可変制御される第2の可変インピーダンス素子と、
前記第1および第2の出力端子間に接続された第1のキャパシタ素子と、
前記第1の出力端子の電圧を制御する第1のトランジスタと、
前記第2の出力端子の電圧を制御する第2のトランジスタと、
前記第1および第2のトランジスタの各出力側端子間に接続された第2のキャパシタ素子と、を有し、
前記第1のトランジスタは、前記第2のトランジスタに流れる電流と同位相の電流を前記第1の出力端子に流し、
前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタに流れる電流と同位相の電流を前記第2の出力端子に流すことを特徴とする半導体集積回路。
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