JP3976952B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電印刷の如き画像形成方法における静電荷像を現像するためのトナー粒子、及びトナージェット方式の画像形成方法におけるトナー像を形成するためのトナー粒子を製造するトナー粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法については、米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報に種々の方法が提案されている。電子写真法において静電荷像を現像する方法には、乾式現像法と湿式現像法とがある。乾式現像法は、二成分系現像剤を用いる方法と一成分系現像剤を用いる方法に分けられる。
【0003】
乾式現像法に用いられるトナー粒子は、一般に、主成分として結着剤樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂微粒子であり、通常その粒子径は、8〜30μmの範囲内にある。このようなトナー粒子を製造する一般的な製造方法として、結着樹脂、染顔料及び/又は磁性体の如き着色剤及びワックス類等を溶融混練し、混練物を冷却し、冷却された混練物を粉砕し、粉砕物を分級してトナー粒子を作成する所謂粉砕法がある。この粉砕法によって作成されるトナー粒子の形状は、通常、角のある不定形である。
【0004】
近年、高解像・高精細化の目的からトナーの小粒径化が進められると共に、転写効率や流動性の向上の目的から、トナー粒子の形状を球形する球形トナーの提案が多くなされている。例えば、特開昭56−13945号公報に、ディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し、球状トナーを得る方法が記載されているが、この方法は、小粒径化に問題がある。
【0005】
更に、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報及び特開昭59−61842号公報に記載されているような、懸濁重合法によって球形トナー粒子を生成する方法;水溶性極性重合開始剤の存在下で直接重合し、球形トナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法;或いは、単量体は可溶であるが得られる重合体が不溶である溶媒を用い、この溶媒中でトナー粒子を精製する分散重合法;により、球形トナー粒子を製造することが可能である。しかし、これらの重合法は、いずれもトナーに含有される結着樹脂がビニル系樹脂に限られる。
【0006】
特開平4−303849号公報及び特開平8−211655号公報には、ポリエステル系樹脂の溶液へ水を添加していく逆相沈澱法を用いる方法が提案されている。しかし、これらの方法では、トナーを構成する結着樹脂がポリエステル系樹脂に限定されている。さらに、上記の方法では、結着樹脂成分を水と非混和性である有機溶媒で溶解し、これに顔料やその他の添加剤を溶解及び/分散させた液体に水を滴下して球形トナーを得ているため、樹脂成分に対して大量の有機溶媒を使用して充分な流動性が確保された状態にしないと球形トナーが得られないといった問題もある。
【0007】
更に、特開平8−248680号公報に記載の方法においても、樹脂成分を水と非混和性である有機溶媒に溶解し、この溶液を水相中に分散させて油滴を形成しているため、充分な流動性を得るのに大量の有機溶媒を使用しなければならないという問題がある。
【0008】
先に述べた通常行なわれている粉砕法によって得られる粉砕トナーを、機械的若しくは熱的に球形化して球形トナーを作成する試みもなされているが、これらの方法で真球状のトナーを得るには、多量の時間若しくはエネルギーを必要とし、経済的ではない。
【0009】
特開平8−179553号公報及び特開平9−34167号公報は、結着樹脂及び着色剤を含有する微粒子を常温固体の分散剤を含む水系媒体中に分散させて粒子分散液を調製する工程、得られた粒子分散液を水系媒体分散液に疎水性溶剤を分散させた非水混和性溶剤分散液と混合する工程、及び得られた混合液を加熱及び/又は減圧することにより疎水性溶剤を除去して球形化または変形化させる工程を有するトナーの製造方法に関して記載している。
【0010】
しかしながら、これらの公報においては実施例において、上記の粒子分散液と非水混和性溶剤分散液との混合を粒子分散液に非水混和性溶剤分散液を加えることによって行なっているため、所謂溶媒ショックにより粒子分散液中の微粒子が凝集を起こし易く、得られるトナー粒子の粗大化や粒度分布のブロード化が生じ易いという問題点が生じてしまう。
【0011】
以上のように、トナーを構成する樹脂成分によらず、球形トナーを容易に製造でき、さらに粒度分布の増大や粗大粒子の発生が伴うことがないトナーの製造方法はこれまで見出されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の如き従来技術の問題点を解決し、トナーを構成する樹脂成分の種類によって限定されることなく、球形トナーを容易に製造することのできるトナーの製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明の別の目的は、球形化処理しているにもかかわらず、トナー粒子のシャープな粒度分布が損なわれず、粗大粒子の発生もない優れたトナーの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明の構成により達成される。
【0015】
すなわち、本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子を調製する工程、及び得られたトナー母粒子を球形化処理してトナー粒子を得る球形化処理工程、を有するトナーの製造方法において、
該球形化処理工程は、
(1)分散剤を含有する水系媒体中に、該トナー母粒子を分散し、分散系(a)を調製する工程、
(2)水系媒体中に軟化剤を含有する油滴粒子を分散し、分散系(b)を調製する工程、
(3)上記分散系(a)を上記分散系(b)に添加することにより両者の混合分散系(c)を調製し、該混合分散系(c)において、該軟化剤を該トナー母粒子に吸収せしめる工程、及び
(4)該軟化剤を該トナー母粒子から除去する工程、
を有していることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0016】
上記のトナーの製造方法において、該分散系(a)を該分散系(b)に添加する時間が、1分以内でかつ1秒間に投入される該分散系(a)の量が該分散系(b)の総量の20%以内であることが好ましい。
【0017】
上記のトナーの製造方法において、該分散系(a)中の該トナー母粒子の含有量が混合分散系(c)100重量部に対して1.6〜50重量部であることが好ましい。
【0018】
上記のトナーの製造方法において、該分散系(b)中の該軟化剤の含有量が該混合分散系(c)100重量部に対して1.0〜20重量部であることが好ましい。
【0019】
上記のトナーの製造方法において、該分散液(a)を該分散液(b)に添加する際の該トナー母粒子100重量部に対する該軟化剤の割合が2〜1000重量部であることが好ましい。
【0020】
上記のトナーの製造方法において、該分散系(a)に含有される該トナー母粒子の平均粒子径よりも、該分散系(b)に含有される該油滴粒子の平均粒子径が小さいことが好ましい。
【0021】
上記のトナーの製造方法において、該トナー母粒子は、個数平均粒子径0.5μm乃至30μmを有することが好ましい。
【0022】
上記のトナーの製造方法において、該軟化剤の室温における水に対する溶解度が1×10-6乃至10の範囲であることが好ましい。
【0023】
上記のトナーの製造方法において、該トナー母粒子は、形状係数SF−1が150より大きく、得られるトナー粒子は、形状係数SF−1が100〜120であることが好ましい。
【0024】
上記のトナーの製造方法において、該トナー母粒子を調製する工程は、混練物を得るために、少なくとも結着樹脂及び着色剤を溶融混練する工程;及び粉砕物を得るために、得られた混練物を冷却後粉砕する工程;を少なくとも有していることが好ましい。
【0025】
上記のトナーの製造方法において、該軟化剤は、長鎖アルコール,酢酸アルキルエステル類,ケトン類,脂肪族又は芳香族炭化水素類,ハロゲン化炭化水素類,硫黄含有有機化合物及び窒素含有有機化合物からなるグループから選択される化合物であることが好ましい。
【0026】
上記のトナーの製造方法において、該分散系(a)は、該分散剤を該トナー母粒子100重量部に対して0.01〜5.0重量部含有していることが好ましい。
【0027】
上記のトナーの製造方法において、該分散剤は、有機系分散剤であることが好ましい。
【0028】
上記のトナーの製造方法において、該分散剤は、無機系分散剤であることが好ましい。
【0029】
上記のトナーの製造方法において、該トナー粒子は、個数平均粒径0.3μm〜20μmを有し、粒径10μm以上のトナー粒子の含有量が10個数%以下であることが好ましい。
【0030】
上記のトナーの製造方法において、該トナー粒子は、個数平均粒径0.3μm〜10μmを有し、粒径10μm以上のトナー粒子の含有量が5個数%以下であることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく、鋭意検討の結果、少なくとも結着樹脂及び着色剤を有するトナー母粒子を有する水系媒体分散液(系)(a)と、軟化剤を含む油滴粒子の水系媒体分散液(系)(b)とを別々に調製し、その後、分散液(a)を分散液(b)に加えることにより混合して混合分散液(系)(c)を調製することによって、混合分散液(c)中において軟化剤をトナー母粒子に吸収させ、その後、トナー母粒子より軟化剤を除去すれば、トナー母粒子を容易に球形化できることを知見して本発明に至った。そして、上記のようにすれば、トナーを構成する結着樹脂成分の種類や、トナー母粒子の製造方法、更には、トナー母粒子の形状に関わらず、実質的に球形のトナーが容易に得られることがわかった。ここでいう実質的に球形のトナーとは、後述する画像解析装置を使用して得られる形状係数(SF−1)が100乃至120のトナーのことである。
【0032】
本発明のトナーの製造方法においては、トナー母粒子を有する分散液(a)と軟化剤を含む油滴粒子の分散液(b)を混合することにより両者の混合分散液(c)を形成するが、このとき、分散液(a)を分散液(b)に加えることにより混合分散液(c)を調製することが重要である。もしも、この順番を逆にして油滴粒子を含有した分散液(b)にトナー母粒子を含有した分散液(a)を加えて両者の混合分散液(c)を形成すると、所謂溶媒ショックによりトナー母粒子が凝集を起こし、トナー粒子の粗大化が促進されてしまう場合がある。これに対し、分散液(a)を分散液(b)に加える混合方法を用いれば、球形処理後においても元のトナー母粒子の粒度分布が損なわれることがなく、シャープな粒度分布を有する小粒径の球形トナーが容易に得られる。
【0033】
本発明のトナー製造方法において使用する軟化剤としては、主に室温で液体状態で、且つ水系分散媒体に不溶で、該水系分散媒体中で油滴を形成することができ、更に、トナー母粒子中の結着樹脂を溶解又は膨潤し得る機能を有する有機溶媒を用いることが好ましい。即ち、トナー母粒子が、このような軟化剤を吸収すると、トナー母粒子を構成している樹脂成分が軟化し、水系分散媒体との界面張力によって真球状に粒子が変形する。この軟化剤のトナー母粒子への吸収機構については定かではないが、本発明者らは、分散媒体中に僅かに溶解した軟化剤がトナー母粒子中に拡散して吸収される機構と、分散媒体中の軟化剤油滴とトナー母粒子とが物理的に衝突することにより軟化剤が吸収される機構の2つの機構により吸収が起こるものと考えている。
【0034】
先に述べた形状係数(SF−1)は、トナー粒子の丸さの度合いを数値的に示すものであり、下記のように定義される。
【0035】
日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、倍率500倍〜2000倍に拡大したトナー粒子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製の画像解析装置(Luzex III)等に導入し、解析を行って下式(A)より算出し、得られた値を形状係数(SF−1)と定義する。
【0036】
【外1】
(式中、MXLNGはトナー粒子の絶対最大長を示し、AREAはトナー粒子の投影面積を示す。)
【0037】
従って、トナー粒子が真球状であれば、形状係数(SF−1)は100となる。上記の方法で溶融混練−粉砕法で生成されるトナー粒子の形状係数を算出すると、通常、形状係数(SF−1)は150を超える値となり、粉砕トナーの形状が不定形であることを示している。
【0038】
本発明において母粒子分散系を軟化剤分散系に投入することで、粒度分布の悪化を防ぐことができるが、この投入のスピードは遅すぎると投入開始と終了時間の差が大きくなり、母粒子の膨潤状態に差が生じるため、球形トナーの粒度分布を悪化させることになる。よって好ましくは、トナー母粒子(a)を投入し始めてから終わるまでの時間が1分以内、より好ましくは30秒以内、更に好ましくは10秒以内であることが良い。ただし、軟化剤の分散系(b)に対して一度に大量のトナー母粒子分散系(a)を投入しすぎると、いわゆる溶媒ショックにより軟化剤液滴や膨潤状態の母粒子の合着を生じ、その結果粗大粒子の発生を招くこととなる。具体的には1秒間に投入される分散系(a)の量が軟化剤分散系(b)総量の20%以下であるならば、上記の如き障害は起こりにくいことを発明者らは見いだした。よって、本発明では、分散系(a)の投入開始から終了までの時間が、1分以内であり、かつ1秒間に投入される分散系(a)の総量が分散系(b)の総量の20%以下であることを、分散系(a)の投入の好適条件とする。上記数値は、分散系(a)の投入開始から終了までの時間を測定し、その測定時間と、分散系(a)の投入総量と、分散系(b)の総量から算出するものとする。
【0039】
本発明のトナーの製造方法においては、分散系(a)を分散系(b)に添加して、混合分散系(c)を調製する際分散系(a)中のトナー母粒子の含有量は特に限定されるものではないが、混合分散系(c)の総量を100重量部とした場合に、トナー母粒子の含有量が50重量%以下、より好ましくは25重量%以下になることが好ましい。これより多い場合には膨潤状態の粒子同士の合着が多発し、粗大粒子の発生や、粒度分布のブロード化を招く原因となる。
【0040】
また母粒子濃度があまり少なくても生産効率が悪いので、添加するトナー母粒子の含有量は混合分散系(c)の総量に対して1.6重量%以上になるよう調整するのがより好ましい。さらに、添加するトナー母粒子の含有量が15重量%以上になる場合には、粒子同士の合着を防ぐ目的で、後述する高分子分散剤や無機固体分散剤を用いることがより好ましい。これらの分散剤は、トナー母粒子の分散系(a)にあらかじめ加えていてもよいし、分散系(a)と分散系(b)を混合した後、混合分散系(c)に投入してもよい。
【0041】
更に、分散系(a)を分散系(b)に添加して、混合分散系(c)を調製する際の分散系(b)中の軟化剤の含有量が、混合分散系(c)の総量を100重量部とした場合に、好ましくは1.0重量部〜20重量部、より好ましくは1.0重量部〜12重量部であることが良い。軟化剤の含有量が1.0重量部未満の場合には乳化するのが困難であり、20重量部を越える場合には粗大粒子の発生を招いたり、粒度分布がブロードになりやすくなる。この理由は定かではないが、油滴粒子の密度が高くなるために油滴同士が合着しやすくなり、不安定化するためと思われる。
【0042】
更に本発明においてはトナー母粒子を有する分散系(a)を軟化剤を含む油滴粒子の分散系(b)に添加する際のトナー母粒子100重量部に対する軟化剤の割合は、トナー母粒子を構成する結着樹脂の種類や分子量、軟化剤の種類などによって適宜決定することが必要であるが、好ましくは2〜1000重量部、より好ましくは5〜100重量部であることが良い。トナー母粒子100重量部に対する軟化剤の割合が2重量部未満の場合には、トナー母粒子を球形にするほどトナー母粒子を膨潤させることができず、完全に球形にならない場合があったり、逆に1000重量部を越える場合にはトナー母粒子同士が合着してしまい、粗大粒子が発生するなどの問題がある。
【0043】
更に、本発明のトナーの製造方法においては、トナー母粒子を分散剤を含有する水系媒体中に分散した分散系(a)に含有されているトナー母粒子の平均粒子径よりも、軟化剤を含有する油滴粒子が水系媒体中に分散されている分散系(b)の油滴粒子の平均粒子径が小さくなるように構成することも好ましい実施の形態である。
【0044】
トナー母粒子に対して軟化剤の油滴の粒子径が大きいと、油滴がトナー母粒子に吸収されにくかったり、膨潤状態のトナー母粒子の合着が起こり易くなる等の弊害が起こり、粒度分布がブロードになる恐れがある。さらに、軟化剤の油滴をなるべく小さくし、表面積を大きくすることにより、軟化剤の拡散速度が大きくなり吸収速度が大きくなることも考えられ、油滴粒子の粒子径を小さくすることはより好ましい条件である。尚、本発明において、分散系(a)及び分散系(b)における分散粒子の粒子径は、例えば、光学顕微鏡写真より求めることができる。
【0045】
更に、本発明のトナーの製造方法においては、トナー母粒子として、個数平均粒子径が0.5μm〜30μmのものを使用することが好ましい。即ち、本発明においては、トナーとしての最終形態、及び水系媒体中での粒子の分散安定性等を考慮すると、トナー母粒子の個数平均粒子径が0.5μm乃至30μmのものを用いることが好ましい。
【0046】
更に、本発明のトナーの製造方法においては、室温における水に対する溶解度が、1×10-6乃至10の範囲にある軟化剤を使用することも好ましい態様である。より好ましくは、1×10-5乃至5、更に好ましくは1×10-4乃至1の範囲にある軟化剤を使用する。ここで、水に対する溶解度は、水100gに溶解し得る溶質の最大質量をgで示したものである。上記でいう室温とは、25℃のことである。
【0047】
本発明のトナー製造方法において、水に対する溶解度が上記の特定の値を有する軟化剤を使用することが好ましい理由は定かではないが、本発明者らは、以下のように考えている。即ち、先に述べたように、トナー母粒子に軟化剤が吸収される機構の一つとして、水系媒体に微量に溶解した軟化剤が拡散によりトナー母粒子へ吸収される機構を挙げたが、このとき、軟化剤の水に対する溶解度が1×10-6未満の場合には、水に溶解した軟化剤の量があまりにも僅かであるために、球形のトナー粒子が得られるほど充分にトナー母粒子へ軟化剤が吸収されないためと考えられる。軟化剤の水に対する溶解度が10を超える場合には、軟化剤の水との混和性がよくなり過ぎてしまい、トナー母粒子へ選択的に軟化剤が吸収されず、軟化剤の添加量を多くしなければならなかったり、結着樹脂成分が水系媒体中に可溶化してしまうことから、球形トナーが得られなくなる場合が生じる。
【0048】
本発明のトナーの製造方法では、上記構成に加えて、トナー母粒子が粉砕法によって製造されたものであることも好ましい実施の形態である。即ち、本発明のトナーの製造方法の特徴は、トナー母粒子の球形化処理が容易に行なえることにある。本発明においてトナー母粒子として、通常球形トナーが得られる重合法トナーに適用した場合にも、トナー表面の凹凸を平滑にする効果が期待されるが、球形化という観点からは、あまり意味のないものとなる。従って、本発明においては、特に、粉砕法によって得られた形状係数(SF−1)が150より大きい不定形のトナー母粒子を用いて、球形化処理を行って、形状係数(SF−1)が100〜120のトナー粒子を得る場合に、その効果がより大きく発現されると言える。
【0049】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
【0050】
本発明におけるトナー母粒子の製造方法としては、結着樹脂、染顔料及び/又は磁性体の如き着色剤、ワックスを溶融混練後、冷却し、冷却された混練物を粉砕してトナーを得る粉砕法;特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報及び特開昭59−61842号公報に記載されているような懸濁重合法;単量体は可溶であるが、得られる重合体は不溶な親水性有機溶媒を用いる分散重合法、水溶性重合開始剤の存在下で重合を行う乳化重合法等の各種の重合法を用いたトナー製造方法;特公昭56−13945号公報に記載のディスク又は多流体ノズルを用い、溶融混合物を空気中に霧化しトナーを得る方法;を用いることができ、この他の公知のいかなるトナー製造方法も用いることができる。
【0051】
更に、必要であれば、上記のトナーの製造方法に、分級操作や外添剤の外添が行われ、トナーとしての機能付与がされたものをトナー母粒子として用いることもできる。
【0052】
本発明のトナーの製造方法におけるトナー母粒子の球形化処理は、上記に挙げた各種のトナー製造方法におけるいかなる段階で行ってもよい。具体的には、以下の段階で行うことが挙げられる。
(1)外添剤を外添する工程の後に行う。
(2)分級工程と外添剤を外添する工程の間に行う。
(3)粉砕工程と分級工程の間に行う。
(4)結着樹脂のみを1μm〜30μm程度の粉体とした後に行う。
【0053】
上述した重合法によってトナー母粒子を製造する場合については、懸濁重合を例にとって、製造工程の一例を説明する。先ず、重合性単量体、着色剤、重合開始剤及び必要によりその他の添加剤を含む重合性単量体組成物を調製し、調製された組成物を分散剤を含有する水系媒体に入れ、例えば、ホモジナイザー及びホモミキサーの如き混合機によって重合性単量体組成物を分散させて造粒する。その後は、造粒された粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行って、重合反応を進行させる。重合温度は、好ましくは30℃〜90℃、より好ましくは40℃以上80℃以下の範囲に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温してもよく、更に、未反応の重合性単量体や生成物を除去するために、反応後半及び/又は反応終了後、一部水系媒体を留去してもよい。反応終了後、生成したトナー母粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥させる。更に、必要に応じて分級し、好適な粒子径、粒子径分布を有するトナー母粒子としてもよい。
【0054】
そして、上記のようにして重合法によって得られたトナー母粒子に対し、本発明のトナーの製造方法における球形化処理を行う場合にも、粉砕法を用いた場合と同様に、製造のどの段階で球形化処理を行ってもよい。具体的には、以下の段階で行うことが挙げられる。
(1)外添剤を外添する工程の後に行う。
(2)分級工程後に行う。
(3)重合系から重合粒子を取り出して乾燥させた後、乾燥した重合粒子を水系媒体中に再分散させて分散系を形成して行う。
(4)重合終了後、重合終了時の分散液をそのまま分散系として用いる。
【0055】
本発明において、トナー母粒子が含有する結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単独重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニル;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が挙げられる。特に、架橋されたスチレン系共重合体及び架橋されたポリエステル樹脂が好ましい結着樹脂である。
【0056】
重合法によってトナー母粒子を作成する場合に使用する重合性単量体としては、例えば、スチレン、ポリ−p−クロルスチレン及びポリビニルトルエンの如きスチレン及びその誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如き二重結合を有するモノカルボン酸若しくはその誘導体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸及びその誘導体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体は、単独若しくは2以上を組み合わせて用いることができる。特に、スチレン又はその誘導体と二重結合を有するジカルボン酸又はその誘導体との組み合わせが好ましい。
【0057】
架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは、単独若しくは混合物として用いられる。
【0058】
本発明においては、結着樹脂としてスチレン−アクリル系共重合体を用いる場合には、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布で、分子量3千〜5万の領域で少なくとも1つピークが存在し、分子量10万以下の成分が50%〜90%であるような結着樹脂を用いることが好ましい。
【0059】
本発明において、結着樹脂のTHF(テトラハイドロフラン)可溶分のTHFを溶媒としたGPCによる分子量分布は次の条件で測定し、分子量1000以上を測定するものとする。
【0060】
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。資料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102 〜107 程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムをしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合わせを挙げることができる。
【0061】
上記の方法で得られたGPCによる分子量分布から、分子量1000以上の分子量積分値に対する分子量10万以下の分子量積分値の割合を算出することによって、分子量10万以下の成分の含有量を求める。
【0062】
試料は以下の様にして作製する。
【0063】
試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)などが使用できる)を通過させたものをGPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分が、0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0064】
本発明のトナー製造方法においては、結着樹脂として、以下に示すポリエステル樹脂を用いることもできる。好適なポリエステル樹脂は、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分のものである。
【0065】
アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、(B)式で表されるビスフェノール誘導体、(C)式で表されるジオール類の如きジオール類;グリセリン;ソルビット;ソルビタン;の如き多価アルコール類が挙げられる。
【0066】
【外2】
【0067】
全酸成分中50mol%以上を占める2価のカルボン酸としては、具体的には、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸若しくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。さらに、3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物が挙げられる。
【0068】
本発明のトナー製造方法に好適なポリエステル樹脂としては、酸価が、好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下であるものを用いるとよい。これは、分子鎖の末端基数が増えると、トナーの帯電特性において環境安定性が不安定になる場合があるためである。
【0069】
ポリエステル樹脂の酸価は、以下の測定方法を用いて測定する。
【0070】
酸価の測定方法
酸価とは、樹脂1g中に含まれるカルボキシル基を中和するのに必要なカ性カリのミリグラム数として定義されている。したがって酸価は末端基の数を示していることになる。測定の方法はつぎのとおりである。
【0071】
サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。溶解性がわるいようであれば少量のアセトンを加えてもよい。0.1%のプロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10カ性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量からつぎの計算で酸価を求める。
【0072】
酸価(mgKOH/g)={KOH(ml数)×N×56.1}/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
【0073】
ポリエステル樹脂を結着樹脂として用いる場合には、数平均分子量が、好ましくは3,000〜10万であり、重量平均分子量が、好ましくは5,000〜50万の範囲のものを使用することが好ましい。
【0074】
さらに本発明において、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、好ましくは0℃〜150℃、より好ましくは30℃〜100℃、さらに好ましくは50℃〜90℃の範囲にあることが好ましい。
【0075】
結着樹脂のTgが0℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下し、Tgが150℃を超える場合には、定着可能温度が高くなってしまう。
【0076】
結着樹脂のガラス転移点の測定は、以下の測定方法により測定する。
【0077】
示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
【0078】
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。
【0079】
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
【0080】
この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0081】
このときの級熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明におけるガラス転移点(Tg)とする。
【0082】
本発明のトナー製造方法において用いられる着色剤は、黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マセンタ/シアン着色剤を用いて黒色に調色されたもの、或いは、下記のイエロー、マゼンタ、シアンの各色着色剤を単独で利用することができる。
【0083】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が好適に用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、168、174、176、180、181、191が挙げられる。
【0084】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミタゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が好適に用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が挙げられる。
【0085】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が好適に用いられる。具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
【0086】
これらの着色剤は、単独又は混合して使用することもでき、更には固溶体の状態で用いることもできる。
【0087】
着色剤の含有量は、磁性体を用いた場合には結着樹脂100重量部当たり40〜150重量部トナー母粒子中に含有されていることが好ましく、その他の着色剤を用いた場合には、結着樹脂100重量部当たり5〜20重量部トナー母粒子中に含有されていることが好ましい。
【0088】
本発明のトナー製造方法によれば、磁性材料を含有せしめた磁性トナーを得ることもできる。この場合に使用する磁性材料は、着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明のトナーに使用できる磁性材料(磁性体)としては、例えば、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き磁性を有する金属、或いはこれらの金属と、アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き磁性を有していない金属との合金及びその混合物が挙げられる。
【0089】
本発明のトナー製造方法においては、より好ましくは表面改質された磁性体を用いるとよい。特に、重合法によってトナー母粒子を作成する場合には、重合阻害のない表面改質剤により疎水化処理が施されたものを用いることが好ましい。このような表面改質剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。更に、これらの磁性体は個数平均粒径は、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.1μm乃至0.5μmのものがよい。更に、外部磁場795.8kA/m(10Kエスルテッド)下での磁気特性が、保磁力(Hc )が20乃至300エルステッド、飽和磁化(σs )が50乃至200emu/g、残留磁化(σr )が2乃至20emu/gの磁性体を使用することが好ましい。
【0090】
磁性体の個数平均粒径は、透過電子顕微鏡により拡大倍率4万倍で拡大撮影した写真を用いてランダムに300個の磁性体を選びデジタイザーで測定することにより求めることが出来る。磁性体の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業社製)を用いて外部磁場795.8kA/mの下で測定した値である。
【0091】
本発明のトナーの製造方法において用いる軟化剤は、前記トナー母粒子を構成している結着樹脂成分を軟化することができる有機化合物であればいずれのものでもよいが、好ましくは、水に対する溶解度が小さいものを用いる。従って、本発明のトナーの製造方法において用いることのできる軟化剤は、トナーを構成する結着樹脂成分によって決定される。ある化合物が、トナー母粒子を構成している結着樹脂成分を軟化させることができるか否かは、例えば、以下の方法によって知ることができる。
【0092】
本発明のトナー製造方法において球形化処理に用いるトナー母粒子10gを、50mlのサンプル瓶に秤り取り、これに軟化剤として用いようとする有機化合物20gを添加して2分間程度撹拌した後、一昼夜放置する。そして、上記した粒子サンプルの様子を観察し、粒子が、溶解及び/又は膨潤、或いは変形している場合に、その化合物は、トナー母粒子を構成している結着樹脂成分を軟化させると判断する。
【0093】
本発明において用いることのできる軟化剤は、トナー母粒子に含有される樹脂成分によって好適なものを上記した方法等によって適宜に選択できるが、具体的には、例えば、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル1−ヘキサノールの如き長鎖アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソアミルの如き酢酸アルキルエステル類;酢酸クレシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸フェニル、酢酸ナフチル、酢酸ベンジル等の酢酸エステル類、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジドデシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル等のフタル酸エステル類、シクロヘキサノンの如きケトン類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンの如き脂肪族又は芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラブロムエタンの如きハロゲン化炭化水素類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドの如き硫黄又は窒素含有有機化合物類を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよいし、混合して使用することもできる。
【0094】
本発明のトナー製造方法において用いる水系媒体としては、主成分は水であるが、上記に挙げたような軟化剤の水系媒体への溶解度を適宜に調節するため、30重量%以下の親水性有機溶媒を用い、水との混合溶媒としてもよい。更に、本発明においては、トナー母粒子100重量部に対して、水の割合が300〜3,000重量部となるような水系媒体を用いることが好ましい。
【0095】
上記したような水系媒体を用いて分散系を形成する(1)の分散系(a)を調整する工程及び(2)の分散系(b)を調整する工程の各工程においては、トナー母粒子や軟化剤が充分に分散された分散系が形成されることが重要である。そのためには、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサーの如き機械的撹拌器または超音波ホモジナイザーの如き超音波分散機を用いて、充分に撹拌、分散することが好ましい。
【0096】
更に、本発明のトナー製造方法においては、トナー母粒子及び軟化剤液滴を良好に分散するために、有機系や無機系の分散剤を用いることもできる。その際の分散剤としては、公知のいかなる分散剤も使用することができる。有機系分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポルビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。無機系分散剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。本発明において、特に好ましくは、上述のような無機系酸化物であって難水溶性であり、且つ、酸に可溶性の難水溶性無機分散剤を用いるとよい。上記に挙げた分散剤は、トナー母粒子100重量部に対して0.01〜5.0重量部となるような範囲で使用することが好ましい。
【0097】
更に、これらの分散剤の分散性を向上させるために、トナー母粒子100重量部に対し、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよい。
【0098】
界面活性剤としては、例えば、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤を使用することができる。具体的には、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、混合して使用することもできる。
【0099】
これらの難水溶性無機分散剤は、市販のものをものまま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有する分散剤粒子を得るために、分散媒体中、高速撹拌下にて該難水溶性無機分散剤を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで好ましい分散剤を得ることができる。
【0100】
本発明のトナー製造方法においては、上記したような軟化剤が分散された分散系(b)に、トナー母粒子を分散した分散系(a)を添加することによって、両者の混合分散系(c)を形成し、該混合分散系(c)において、軟化剤をトナー母粒子に吸収せしめる(3)の工程において、少なくともトナー母粒子の沈殿が起こらない程度に撹拌することが好ましい。この際の好適な撹拌速度は、系の大きさ、トナー母粒子の濃度等によって異なるが、あまり遅すぎても速過ぎても粒子の合着が起こり、粒子の粗大化を招く。更に、吸収速度等を調節するために撹拌と共に、加熱又は冷却してもよい。加熱する場合には、トナー母粒子を構成している結着樹脂のガラス転移点(Tg)以下の温度とすることが好ましい。冷却する場合には、0℃以上の温度で行なうことが好ましい。
【0101】
本発明のトナー製造方法において、軟化剤を除去する(4)の工程においては、例えば、分散系を加熱したり、室温で撹拌したり、減圧したりすることによってトナー粒子から軟化剤を除去してもよい。更に、軟化剤を溶解し、且つトナー成分を溶解しない特性を有する溶媒で洗浄して軟化剤を除去してももにい。更に、これらの方法を組み合わせてもよい。上記の特性を有する溶媒としては、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテルが挙げられる。
【0102】
本発明のトナーの製造方法においては、得られるトナーの摩擦帯電特性を安定化させるために、トナー中に荷電制御剤を含有せしめてもよい。この場合、トナーの帯電スピードが速く、且つ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤を用いることが好ましい。重合法を用いてトナー母粒子を作製する場合には、重合阻害性がない荷電制御剤を用いることが特に好ましい。ネガ系の荷電制御剤としては、例えば、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体又はキレート化合物の如き有機金属化合物;スルホン酸、カルボン酸を側鎖にもつ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系の荷電制御剤としては、例えば、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。これら荷電制御剤は、結着樹脂100重量部に対し、0.5乃至10重量部の割合でトナー母粒子中に含有させることが好ましい。
【0103】
更に、本発明においては、上記に挙げた材料の他に、様々な特性付与を目的として、以下に示すような種々のトナーへの添加剤を用いることができる。
【0104】
具体的には、例えば、流動性付与剤としては、無機酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化チタン)、カーボンブラック及びフッ化カーボンが好適に用いられる。これらは疎水化処理を行ったものがより好ましい。研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化クロム)、窒化物(窒化ケイ素)、炭化物(炭化ケイ素)、及び金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び炭酸カルシウム)が好適に用いられる。滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン)、及び脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウム)が好適に用いられる。荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素及び酸化アルミニウム)及びカーボンブラックが好適に用いられる。
【0105】
これらの添加剤は、トナー母粒子100重量部に対し0.1乃至10重量部の範囲で用いられ、より好ましくは0.1乃至5重量部の範囲で用いられる。これらの添加剤は、単独で使用してもよいし、複数を併用してもよい。
【0106】
本発明においては、特にトナー粒子にシリカの如き無機酸化物微粉体を外添することが好ましい。用いられる無機酸化物微粉体は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が好ましくは、30m2 /g以上、より好ましくは60〜400m2 /gであることが良い。無機酸化物微粉体の比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試科表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出する。
【0107】
上記の製造方法によって製造されたトナー粒子は、個数平均粒子径が好ましくは、0.3〜20μm、より好ましくは、0.5〜10μmの範囲である。粒径10μm以上のトナー粒子の含有量は、好ましくは10個数%以下であり、より好ましくは5個数%以下である。トナーの個数平均粒子径が、0.3μm未満の場合には、粉体としての取り扱いが比較的困難となり、20μmを超える場合には、感光体上のドット再現性が悪くなる。粒径10μm以上のトナー粒子の含有量が10個数%を超える場合には、飛び散りやドットの再現性が悪くなるといった恐れがある。
【0108】
本発明のトナー製造方法で製造されるトナー粒子は、必要により外添剤を外添後、そのまま一成分系現像剤として用いることもできるし、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として用いることもできる。
【0109】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるわけではない。
【0110】
実施例1
・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとフマル酸及び1,2,5−ヘキサントリカルボン酸を重縮合して得られたポリエステル樹脂(重量平均分子量9万、数平均分子量4000、酸価8mgKOH/g、Tg=65℃) 100重量部
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 5重量部
・ジ−ter−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4重量部
【0111】
上記材料をヘンシェルミキサーにより、充分に予備混合を行った後、二軸押し出し混練機により、温度140℃で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度の粗粉砕し、ついでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に、得られた微粉砕物を分級してシアン色のトナー母粒子1を得た。
【0112】
このトナー母粒子1について形状係数(SF−1)を測定したところ、SF−1の値は156であり、不定形であった。このトナー母粒子1の1,000倍の電子顕微鏡写真を、キヤノン製フルカラー複写機CLC−700で200%に拡大し、1つのトナー母粒子の最長粒子直径となる方向に直角となる方向の粒子直径を粒径として測定し、この操作をトナー母粒子200個について行い、その結果を平均してこのトナーの平均粒子径を求めた。この結果、トナー母粒子の個数平均粒子径は6.2μmであった。さらに、この時の粒径10μm以上のトナー母粒子の含有量は2.3個数%であった。
【0113】
このトナー母粒子1に対して用いる軟化剤を決定するために、前述した方法で軟化剤のテストをしたところ、上記トナー母粒子1は、酢酸イソアミルによって軟化されることが確認できた。そこで、酢酸イソアミルを軟化剤として用い、トナー母粒子1について、下記に述べる方法によって球形化処理を行った。
【0114】
先ず、0.5重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液100重量部に、上記で得たトナー母粒子1を18重量部加えて、これらの材料をよく撹拌し、更に超音波分散機を用いて充分にトナー母粒子1を分散して、分散系−1(a)を形成した。
【0115】
次に、0.3重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液1,000重量部に酢酸イソアミル4重量部を投入し、超音波分散器を用い、10分間超音波分散することにより分散して、酢酸イソアミルを有する油滴粒子が分散された分散系−1(b)を形成した。
【0116】
ここで、分散系−1(a)及び分散系−1(b)を、0.5重量部ずつサンプリングし、夫々の分散状態を光学顕微鏡で観察したところ、分散系−1(a)と比較して分散系−1(b)における分散粒子が小さいことを確認できた。
【0117】
次に、上記で得た分散系−1(b)1000重量を200rpmの回転速度で撹拌しつつ、これに分散系−1(a)110重量部を3秒間かけて投入して分散系−1(c)を形成した。この場合の分散系(a)の投入時間は3秒間であり、1秒当たりに投入された分散系(a)の重量は約4重量%であった。分散系−1(c)を光学顕微鏡で観察すると、分散系−1(b)で観察された液滴粒子は消失しており、分散系−1(a)で観察されたシアン色のトナー母粒子1が酢酸イソアミルを吸収して球形に変形していることが確認できた。
【0118】
次いで、この分散系−1(c)を、水流ポンプで15時間減圧することによって酢酸イソアミルをトナー母粒子1から除去した。その後、水洗浄、濾過を3回繰り返して、球形シアントナー粒子(1)を得た。
【0119】
上記で得られた球形シアントナー粒子(1)の形状係数(SF−1)を測定したところ104であり、ほぼ真球状であった。さらに、前述と同様の方法で球形シアントナー粒子(1)の個数平均粒子径を測定したところ、6.4μmであり、10μm以上の粒子の含有量は2.5%個数であり、粒径及び粒度分布が、いずれも損なわれていなかった。
【0120】
次いで、このシアントナー粒子(1)98重量部と疎水性酸化チタン微粉体(平均粒子径0.02μm、BET比表面積140m2 /g)2重量部を混合してシアントナー(1)を調製した。
【0121】
更に、上記シアントナー(1)5重量部と、シリコーン樹脂を約1重量%コートしたコーティング磁性フェライトキャリア(平均粒径45μm)95重量部を混合して二成分系現像剤を調製した。このようにして得られた二成分系現像剤をフルカラー複写機(CLC−800、キヤノン製)に導入し、コントラスト電位を250Vにしてモノカラーモードで画出しを行ったところ、良好な画像が得られた。
【0122】
実施例2
・スチレン−ブチルアクリレート−マレイン酸モノエチルエステル共重合体(重量平均分子量18万、数平均分子量1.2万、Tg=65℃)100重量部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122) 4重量部
・ジ−ter−ブチルサリチル酸 2重量部
【0123】
上記材料を用い、実施例1と同様の方法で、個数平均粒子径が7.2μmであるマゼンタのトナー母粒子2を得た。このトナー母粒子2の10μm以上の含有量は8.3個数%であった。上記トナー母粒子2の形状係数(SF−1)を測定したところ、SF−1の値は158であり不定形であった。更に、軟化剤のテストを行ったところ、このトナー母粒子2は、酢酸イソアミルによって軟化されることが確認できた。そこで、酢酸イソアミルを軟化剤として用い、トナー母粒子1について、下記に述べる方法によって球形化処理を行った。
【0124】
トナー母粒子1の代わりに上記トナー母粒子2を用い、酢酸イソアミルの使用量を、4重量部であったのを16重量部にする以外は実施例1と同様にして、トナー母粒子2が含有された分散系−2(a)、及び軟化剤を有する油滴粒子が分散された分散系−2(b)を夫々調製した。分散系−2(a)及び分散系−2(b)を0.5重量部ずつサンプリングし、夫々の分散状態を光学顕微鏡で観察したところ、分散系−2(a)と比較して、分散系−2(b)における分散粒子が小さいことを確認できた。
【0125】
更に、実施例1と同様にして、分散系−2(a)110重量部を分散系−2(b)1000重量部に3秒間かけて添加することによって分散系−2(c)を調製し、トナー母粒子2に酢酸イソアミルを吸収させた。
【0126】
この場合の分散系(a)の投入時間は3秒間であり、1秒当たりに投入した分散系(a)の量は37重量部であり、従って、分散系(b)の総量に対する1秒間当たりに投入された分散系(a)の重量は約4重量%であった。次いで、この分散系−2(c)を大量のエタノールに投入し、トナー母粒子2からイソアミルを除去した。その後、更に、水洗浄を繰り返した後、乾燥して球形マゼンタトナー粒子(2)を得た。
【0127】
この球形マゼンタトナー粒子(2)の形状係数(SF−1)を測定したところ105であり、ほぼ真球状であった。さらに、前述と同様の方法で球形マゼンタトナー粒子(2)の個数平均粒子径を測定したところ、7.5μmであり、10μm以上の粒子の含有量は8.9個数%であり、粒径及び粒度分布は、いずれも損なわれていなかった。
【0128】
更に、この球形マゼンタトナー粒子(2)98重量部と、疎水性酸化チタン微粉体(平均粒子径0.02μm、BET比表面積140m2 /g)2重量部とを混合してマゼンタトナー(2)を調製した。このマゼンタトナー(2)を5重量部と、シリコーン樹脂を約1重量%コートしたコーティング磁性フェライトキャリア(平均粒径45μm)95重量部とを混合して二成分系現像剤を調製した。この二成分系現像剤をフルカラー複写機(CLC−800キヤノン製)に導入し、コントラスト電位を250Vにしてモノカラーモードで画出しを行ったところ、良好な画像が得られた。
【0129】
実施例3
・スチレン−ブチルアクリレート−マレイン酸モノエチルエステル共重合体(重量平均分子量18万、個数平均分子量1.2万、分子量4,000にメインピーク) 100重量部
・磁性酸化鉄(個数平均粒径0.18μm、外部磁場795.8KA/m下でHc :121エルステッド、σs :83emu/g、σr :11emu/g) 80重量部
・低分子量プロピレン−エチレン共重合体 3重量部
・ジ−ter−アルキルサリチル酸のクロム錯体 1重量部
【0130】
上記材料をヘンシェルミキサーにより充分に予備混合を行い、二軸押し出し混練機により温度140℃で溶融混練し、冷却後カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更に風力分級機を用いて分級し、個数平均粒子径8.3μmの負帯電性の磁性トナー母粒子3を得た。得られたトナー母粒子3の10μm以上の含有量は9.1個数%であった。上記トナー母粒子3の形状係数(SF−1)を測定したところ、SF−1の値は164であり、不定形であった。更に、軟化剤のテストを行ったところ、上記トナー母粒子3は、トルエンによって軟化されることが確認された。そこで、トルエンを軟化剤として用い、トナー母粒子1について、下記に述べる方法によって球形化処理を行った。
【0131】
先ず、1重量%ポリビニルアルコール水溶液100重量部に、上記で得たトナー母粒子3を200重量部加えて、これらの材料をよく撹拌し、更に超音波分散機を用いて充分にトナー母粒子3を分散して、分散系−3(a)を形成した。
【0132】
次に、0.3重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液600重量部にトルエン200重量部を投入し、超音波分散器を用い、18分間超音波分散することにより分散して、トルエンを有する油滴粒子が分散された分散系−3(b)を形成した。
【0133】
ここで、分散系−3(a)及び分散系−3(b)を0.5重量部ずつサンプリングし、夫々の分散状態を光学顕微鏡で観察したところ、分散系−3(a)と比較して分散系−3(b)における分散粒子が小さいことが確認できた。
【0134】
次に、分散系−3(b)780重量部を320rpmで撹拌しつつ、これに分散系−3(a)280重量部を5秒間かけて投入して分散系−3(c)を形成した。この場合の分散系(a)の投入時間は5秒間であり、1秒間当たりに投入した分散系(a)の量は56重量部であり、従って、分散系(b)の総量に対する1秒間当たりに投入された分散系(a)の重量は約7重量%であった。さらに、この状態で分散系−3(c)の溶液を光学顕微鏡で観察したところ、分散系−3(a)及び分散系−3(b)の夫々の粒径を有する分散粒子が共存していることが確認できた。更に、25℃にて6時間、320rpmで撹拌した後、再び光学顕微鏡で観察したところ、トナー母粒子3がトルエンを吸収し、トナー母粒子が球形に変形していることが確認できた。更に、反応容器を50℃に加熱し、トルエンをトナー母粒子3から抽出して除去した。その後、濾過と水による洗浄を繰り返した後、乾燥して球形黒色トナー粒子(3)を得た。
【0135】
この球形黒色トナー粒子(3)の形状係数(SF−1)を測定したところ112であり、ほぼ真球状のトナーであった。さらに、この黒色トナー粒子(3)の個数平均粒子径を実施例1と同様の方法で測定したところ、8.7μmであり、10μm以上の粒子の含有量は9.5個数%であり、粒径及び粒度分布は、いずれも損なわれていなかった。
【0136】
更に、上記で得られた球形黒色トナー粒子(3)100重量部に対し、疎水性乾式シリカ(BET200m2 /g)を0.4重量部加え、ヘンシェルミキサーで充分に混合して黒色トナー(3)を得た。そして、得られた黒色トナー(3)をNP−8580(キヤノン製)に搭載し画出しを行ったところ、良好な画像が得られた。
【0137】
実施例4
反応容器に、イオン交換水650重量部、及び0.1M−Na3 PO4 水溶液510重量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmの回転速度で撹拌した。これに1.0M−CaCl2 水溶液75重量部を徐々に添加していき、細かい均一の粒℃のCa3 (PO4 )2 を含む水系媒体を調製した。
・スチレン 200重量部
・n−ブチルアクリレート 50重量部
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 5重量部
・スチレン−メタクリル酸共重合体(重量平均分子量=240,000、モノマー重量比=90:10) 6重量部
・ジ−ter−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2重量部
【0138】
一方、上記の材料を混合して60℃に加温し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmにて均一に溶解、分散させた。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8重量部を溶解して、重合成単量体組成物を調製した。
【0139】
上記で調製した水系媒体中に、上記で得た重合成単量体組成物を投入し、60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて12,000rpmで20分間撹拌しつつ、水系媒体中に単量体組成物を均一に分散させて、造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ20時間重合反応させて、トナー母粒子4を合成した。
【0140】
重合反応終了後、トナー母粒子4が分散されている分散液0.5重量部をサンプリングし、希塩酸を添加してリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥して、分散液中からトナー母粒子4を取り出した。このトナー母粒子4の形状係数(SF−1)を測定したところ122であった。このトナー母粒子4の個数平均粒子径を実施例1と同様にして測定したところ、5.0μmであり、10μm以上の粒子の含有量は0.5個数%であった。
【0141】
一方、0.3重量%ドデシルスルホン酸ナトリウム水溶液400重量部に、軟化剤としてクロロホルム100重量部を投入し、超音波分散器を用い、12分間超音波分散することにより分散系−4(b)を形成した。この分散系(b)0.5重量部と分散形(a)を0.5重量部をそれぞれサンプリングして実施例1同様にして、その粒径を比較したところ、分散系(b)の分散粒子の方が小さいことが確認された。
【0142】
前記の重合反応終了後にサンプリングして残った溶液1580重量部を分散系−4(a)とし、200rpmで撹拌している上記で得られた分散系−4(b)480重量部に20秒間かけて投入し、分散系−4(c)とし、これを4時間撹拌してクロロホルムをトナー母粒子4へ吸収させた。この場合の分散系(a)の投入時間は20秒間であり、1秒当たりに投入した分散系(a)の量は79重量部、従って、分散系(b)の総量に対する1秒間当たりに投入された分散系(a)の重量は約16重量%であった。その後、この中に希塩酸を添加してリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥した後、分級して個数平均粒子径が5.2μmの球形シアントナー粒子(4)を得た。このシアントナー粒子(4)の10μm以上の粒子の含有量は0.6個数%であり、微小粒径及びシャープな粒度分布が、いずれも損なわれていなかった。さらに、球形シアントナー粒子(4)の形状係数(SF−1)を測定したところ112であり、真球度がより増していることが確認された。
【0143】
上記で得られた球形シアントナー粒子(4)98重量部と、疎水性酸化チタン微粉体(平均粒子径0.02μm、BET比表面積140m2 /g)2重量部とを混合してシアントナー(4)を調製した。
【0144】
更に、得られたシアントナー(4)5重量部と、シリコーン樹脂を約1重量%コートしたコーティング磁性フェライトキャリア(平均粒径45μm)95重量部とを混合して二成分系現像剤を調製した。
【0145】
この二成分系現像剤をフルカラー複写機(CLC−800キヤノン製)に導入し、コントラスト電位を250Vにてモノカラーモードで画出しを行ったところ、良好な画像が得られた。
【0146】
比較例1
実施例1において、分散系−1(c)の調製の際に、分散系−1(a)を分散系−1(b)に加えることに代えて、分散系−1(b)1000重量部を分散系−1(a)110重量部に20秒間かけて加える方法で分散系−1(c)′を調製した以外は実施例一と同様にして、分散系−1(c)′中で酢酸イソアミルをトナー母粒子1に吸収させた。この場合の分散系(b)の投入時間は20秒間であり、1秒当たりに投入した分散系(b)の量は50重量部、従って、分散系(a)の総量に対する1秒間当たりに投入された分散系(b)の重量は約45重量%となり、分散系(a)に急激に分散系(b)が投入された形となった。その後、実施例1と同様の方法でシアントナー粒子(5)を製造した。
【0147】
得られたシアントナー粒子(5)の形状係数(SF−1)を測定したところ110であり、ほぼ真球度であることが確認された。しかし、シアントナー粒子(5)について、走査型顕微鏡写真を用いて個数平均粒子径を測定したところ、個数平均粒子径は7.0μmであり、10μm以上の粒子の含有量は11.2個数%であり、球形化処理の前のトナー母粒子1と比較すると、粒度分布が損なわれておりブロードなものになっていた。さらに、一部に塊状部があり、粗大粒子が形成されていることも確認した。
【0148】
次いで、このシアントナー粒子(5)から粗粉を取り除いた後、実施例1と同様にして現像剤を調製し、得られた現像剤を用いて画出しを行ったところ良好な画像が得られた。
【0149】
実施例5
実施例一において、トナー母粒子1の製造時に用いたフタロシアニン顔料をカーボンブラックに変えた以外は全く同様にして、トナー母粒子6を得た。このトナー母粒子6の平均粒子径を前述の方法で測定したところ、個数平均粒子径が6.9μmであった。さらにこの時の10μm以上のトナー母粒子の含有量は7.5個数%であった。このトナー母粒子6の形状係数(SF−1)を測定したところ、155であった。
【0150】
このトナー母粒子6に対して用いる軟化剤を決定するために、前述の方法で軟化剤のテストをしたところ、上記トナー粒子6は酢酸イソアミルによって軟化されることが確認された。
【0151】
実施例1で分散系(a)中のトナー母粒子1が18重量部、分散系(b)中の軟化剤が4重量部であるのにたいし、トナー母粒子6を110重量部、軟化剤を2重量部に変えた以外は同様にして、分散系−6(b)、分散系−6(b)をそれぞれ調製した。実施例1と同様にしてサンプリングを行い、夫々の分散状態を光学顕微鏡で観察したところ、分散系−6(b)の分散粒子が分散系−6(a)の粒子より小さいことが確認された。ついで、分散系−6(a)200重量部を5秒間かけて、撹拌している分散系−6(b)1000重量部に投入した。この場合の分散系−6(a)の投入時間は5秒間であり、よって1秒当たりに投入した分散系−6(a)の量は40重量部であり、従って、分散系(b)の総量に対する1秒間当たりに投入された分散系−6(a)の重量は4重量%であった。その後実施例1を同様にして球形ブラックトナー粒子(6)を得た。
【0152】
この球形ブラックトナー粒子6の形状係数(SF−1)を測定したところ131であり、ややSF1値は大きいものの球状のトナー粒子が得られた。前述と同様の方法で個数平均粒子径を測定したところ、7.2μmであり、10μm以上のトナー粒子の含有量は8.0個数%であった。
【0153】
この球形トナーを用いて実施例1と同様の方法でトナー6を作成し、画出しを行ったところ良好な画像が得られた。
【0154】
実施例6
実施例1において、トナー母粒子1の製造時に用いたフタロシアニン顔料をイエロー顔料に変えた以外は全く同様にして、トナー母粒子7を得た。このトナー母粒子7の平均粒子径を前述の方法で測定したところ、個数平均粒子系が8.6μmであった。さらに、この時の10μm以上のトナー母粒子の含有量は3.2個数%であった。このトナー母粒子7の形状係数(SF−1)を測定したところ、157であった。
【0155】
このトナー母粒子7に対して用いる軟化剤を決定するために前述の方法で軟化剤のテストをしたところ、上記トナー粒子7は酢酸イソアミルによって軟化されることが確認された。
【0156】
実施例1で分散形(a)中のトナー母粒子1が18重量部、分散系(b)中の軟化剤が4重量部であるのに対し、トナー母粒子7を30重量部、軟化剤を310重量部に変えた以外は同様にして、分散系−7(a)、分散系−7(b)をそれぞれ調製した。実施例1と同様にしてサンプリングを行い、夫々の分散状態を光学顕微鏡で観察したところ、分散系−7(b)の分散粒径が分散系−78(a)の粒子より小さいことが確認された。
【0157】
分散系−7(a)120重量部を2秒間かけて、撹拌している分散系−7(b)1300重量部に投入した。この場合の分散系−7(a)の投入時間は2秒間であり、よって1秒当たりに投入した分散系(a)の量は60重量部、従って、分散系(b)の総量に対する1秒間当たりに投入された分散系(a)の重量は約4.6重量%であった。その後実施例1を同様にして球形トナー粒子7を得た。
【0158】
この球形トナー粒子7の形状係数(SF−1)を測定したところ102であり、真球状のトナー粒子が得られた。前述と同様の方法で個数平均粒子径を測定したところ、9.9μmであり、10μm以上のトナー粒子の含有量は10.1個数%と、やや個数平均粒径の増大、及び粗大粒子の増量が見られたが球形トナー粒子を得ることができた。
【0159】
この球形トナー粒子7を用いて実施例1と同様の方法でイエロートナー7を作成し、画出しを行ったところ良好な画像が得られた。
【0160】
実施例7
実施例4の球形トナー粒子4の作成の際に、分散系−4(a)を20秒間かけて投入したのに対し、15秒間で投入する以外は同様の方法で球形トナー粒子8を得た。この場合の分散系−4(a)の投入時間は20秒間であり、1秒当たりに投入した分散系−4(a)の量は105重量部であり、従って、分散系−4(b)の総量に対する1秒間当たりに投入された分散系(a)の重量は約22重量%とやや投入速度は速めであった。この球形トナー粒子8の形状係数(SF−1)を測定したところ101であり、真球状のトナー粒子が得られた。前述と同様の方法で個数平均粒子径を測定したところ、7.4μmであり、10μm以上のトナーの含有量は10.4個数%と、やや個数平均径の増大、及び粗大粒子の増量が見られたが球形トナー粒子を得ることができた。この球形トナー粒子8を用いて実施例4と同様の方法でトナー8を作成し、画出しを行ったところ良好な画像が得られた。
【0161】
実施例8
実施例2で分散系−2(a)110重量部を3秒間かけて投入したのに対し、70秒間かけて投入する以外は実施例2と同様にして球形トナー粒子9を作成した。この場合の分散系−2(a)の投入時間は70秒間であり、1秒当たりに投入した分散系−2(a)の量は2重量部であり、従って、分散系−2(b)の総量に対する1秒間当たりに投入された分散系−2(a)の重量は0.2重量%とやや遅めの投入速度であった。
【0162】
この球形トナー粒子9の形状係数(SF−1)を測定したところ109であり、真球状のトナー粒子が得られた。前述と同様の方法で個数平均粒子径を測定したところ、9.1μmであり、10μm以上のトナー粒子の含有量は10.4個数%と、やや個数平均粒径の増大、及び粗大粒子の増量が見られたが球形のトナー粒子を得ることができた。
【0163】
この球形トナー粒子9を用いて実施例2と同様の方法でトナー9を作成し、画出しを行ったところ良好な画像が得られた。
【0164】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トナーを構成している結着樹脂成分の種類や、その製造方法に限定されることなく、又、多大なエネルギーを必要とすることなくトナー母粒子を球形化処理することによって、容易に球形トナーが得られるトナーの製造方法が提供される。しかも、本発明によれば、トナー母粒子に対して球形化処理を行っているにもかかわらず、得られるトナー粒子のシャープな粒度分布が損なわれず、粗大粒子の発生もない優れたトナーの製造方法が提供される。
Claims (16)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子を調製する工程、及び得られたトナー母粒子を球形化処理してトナー粒子を得る球形化処理工程、を有するトナーの製造方法において、
該球形化処理工程は、
(1)分散剤を含有する水系媒体中に、該トナー母粒子を分散し、分散系(a)を調製する工程、
(2)水系媒体中に軟化剤を含有する油滴粒子を分散し、分散系(b)を調製する工程、
(3)上記分散系(a)を上記分散系(b)に添加することにより両者の混合分散系(c)を調製し、該混合分散系(c)において、該軟化剤を該トナー母粒子に吸収せしめる工程、及び
(4)該軟化剤を該トナー母粒子から除去する工程、
を有していることを特徴とするトナーの製造方法。 - 該分散系(a)を該分散系(b)に添加する時間が、1分以内でかつ1秒間に投入される該分散系(a)の量が該分散系(b)の総量の20%以内であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 該分散系(a)中の該トナー母粒子の含有量が混合分散系(c)100重量部に対して1.6〜50重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 該分散系(b)中の該軟化剤の含有量が該混合分散系(c)100重量部に対して1.0〜20重量部であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該分散液(a)を該分散液(b)に添加する際の該トナー母粒子100重量部に対する該軟化剤の割合が2〜1000重量部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該分散系(a)に含有される該トナー母粒子の平均粒子径よりも、該分散系(b)に含有される該油滴粒子の平均粒子径が小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該トナー母粒子は、個数平均粒子径0.5μm乃至30μmを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該軟化剤の室温における水に対する溶解度が1×10−6乃至10の範囲であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該トナー母粒子は、形状係数SF−1が150より大きく、得られるトナー粒子は、形状係数SF−1が100〜120であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該トナー母粒子を調製する工程は、混練物を得るために、少なくとも結着樹脂及び着色剤を溶融混練する工程;及び粉砕物を得るために、得られた混練物を冷却後粉砕する工程;を少なくとも有していることを特徴とする請求項9に記載のトナーの製造方法。
- 該軟化剤は、長鎖アルコール,酢酸アルキルエステル類,ケトン類,脂肪族又は芳香族炭化水素類,ハロゲン化炭化水素類,硫黄含有有機化合物及び窒素含有有機化合物からなるグループから選択される化合物であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該分散系(a)は、該分散剤を該トナー母粒子100重量部に対して0.01〜5.0重量部含有していることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該分散剤は、有機系分散剤であることを特徴とする請求項12に記載のトナーの製造方法。
- 該分散剤は、無機系分散剤であることを特徴とする請求項12に記載のトナーの製造方法。
- 該トナー粒子は、個数平均粒径0.3μm〜20μmを有し、粒径10μm以上のトナー粒子の含有量が10個数%以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナーの製造方法。
- 該トナー粒子は、個数平均粒径0.3μm〜10μmを有し、粒径10μm以上のトナー粒子の含有量が5個数%以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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