JP3976695B2 - 調質圧延機テンションロールの異物除去方法 - Google Patents
調質圧延機テンションロールの異物除去方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調湿圧延機テンションロールの異物除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、エアーシリンダーや電動モーターにより砥粒入りワイパーをロールに押し当てて、異物を除去していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、異物除去の効率が悪く、かなりの量の疵の付いたストリップを廃棄せねばならなかった。そのほか、次のような欠点があった。設置コストがかかり過ぎること。シリンダーストロークやワイパーヘッドの大きさにより、設備が大型化し、設置スペースの狭い調質圧延機出側に設置することが、容易でない。 そのほか、調質圧延機テンションの異物除去方法として、ドクターブレード,粘着ロール方式などがあるが、いずれも異物除去の効率が悪く、設置コスト,設置スペースの面で取付が容易でない。また、手入れ等によるメンテナンス負荷,ブレードロール取り替えによる費用が発生し、経済的ではない。
本発明は上記課題を解決し、異物除去の効率が良く、設置コストや維持コスト,メンテナンス負荷の面で優れた調質圧延機テンションロールの異物除去方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1態様である異物除去方法は、調質圧延機のテンションロールの上下一対の少なくとも下ロールとして、表面をディンプル加工されたロールを使用し、前記ロールに向かい、かつ、その両端方向に異物を吹き飛ばすように、防錆油と高圧空気とを混合した状態で噴射することを特徴としている。
【0005】
本発明の第2態様である異物除去方法は、調質圧延機のテンションロールの上下一対の少なくとも下ロールとして、表面をディンプル加工されたロールを使用し、前記ロールに向かい、かつ、その両端方向に異物を吹き飛ばし、かつ、既設防錆油噴射手段からの油流の一部を透引するように、該既設防錆油噴射手段の近くから高圧空気を噴射することを特徴としている。
【0006】
本発明の第3態様である異物除去方法は、第1態様又は第2態様に加え、前記ディンプル加工されたロールの表面粗度は、平均粗度Ra=2〜3.4(μm),最大粗度Rmax=14〜25(μm)に定められていることを特徴としてい
る。
【0007】
本発明の第4態様である異物除去方法は、第1態様又は第2態様に加え、前記ディンプル加工されたロールの表面粗度は、平均粗度Ra=2.1〜3.3(μm),最大粗度Rmax=15〜25(μm)に定められていることを特徴としている。
【0008】
ここで、前記ディンプル加工されたロールとして、次のものが使用される。即ち、特開平4−120297号公報に記載されたものとして、(1)ロール表面に球状の粒子を噴射してその表面を球状粗化し、その後、当該表面にCrメッキ,又はNi−W合金メッキのいずれか一層を施したもの。(2)ロール表面に球状の粒子を噴射してその表面を球状粗化し、その後、当該表面に下地Niメッキを施し、更にその上にCrメッキ、またはNi−W合金メッキのいずれか一層を施したもの。(3)ロール表面をにNi下地メッキを施し、その後、球状の粒子を噴射してその表面を球状粗化した後、Crメッキ、またはNi−W合金メッキのいずれか一層を施したもの。
【0009】
また、特開2002−302793公報に記載されたものとして、表面にクロムメッキ皮膜が形成されたロールであって、前記クロムメッキ皮膜が、ロール本体に形成されているブラスト処理面に施したクロムメッキ皮膜と、このクロムメッキ皮膜に形成したブラスト処理面に施したクロムメッキ皮膜とを有する多層クロムメッキ皮膜であるもの。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施態様を図面に示す一実施例にもとづき説明する。
図1において、焼鈍後のストリップSは機械的性質,表面仕上げ,形状矯正を受けるため、調質圧延機(バックアップロール1,ワークロール2)の軽圧下圧延を施されたのち、テンションロール3a,3bを介し、防錆油ノズル4で防錆油を霧状で吹き付けられ、テンションリール5に巻き取られる。
【0011】
そして、図2,3において、テンションロールの上下一対の、少なくとも下ロール3bとして、表面をディンプル加工されたロールを使用する。そして、前記ロールの両端方向に異物を吹き飛ばすように、二流体ノズル6から防錆油と高圧空気を混合した状態で噴射するのである。
【0012】
次に他の実施態様を図4,5で説明する。前記ロールの両端方向に異物を吹き飛ばし、かつ、 既設の前記防錆油ノズル4からの油流の一部を透導するように、該防錆油ノズル4の近くで、一流体ノズル7から高圧空気を噴射するのである。
【0013】
そして、前記二流体ノズル6,一流体ノズル7は図2,4において、各々ロール3bの軸心に向ける。また、図3,5のように偶数本(図示4本)がロールの軸方向中心を通る軸直角断面(鉛直断面)に対し対称的に配置され、かつ、噴射方向が前記鉛直断面に対しロール端側に角度Aで傾斜させる。
【0014】
本発明では上記のようにするので、二流体ノズル6から噴射された防錆油と空気の混合流体がテンションロール3bの表面に吹き付けられる。また、一流体ノズル7から噴射された空気流に、防錆油ノズル4からの霧状防錆油が透引され、両者は混合流体となってテンションロール3bの表面に吹き付けられる。そして、これらのノズル6,7は各々ロール3bの軸心に向き、かつ、ロール3bの鉛直断面に対し、ロールの端部側に角度Aで傾斜されている。
【0015】
従って、ロール表面に付着した防錆油の粒子はロール端部方向への力を受けてロール端部方向へ移動し、その間にロール表面に付着していた異物を包み込み、この異物を包み込んだ油粒子がロール端部から吹き飛ばされるのである。このように、油粒子が異物を包み込むので、ロール表面に付着した異物が付着面で溶かされ、除去され易くなるのである。
また、表面をディンプル加工されたロールを使用するので、防錆油が表面に吹き付けられても、ストリップが滑ることなく、作業可能となった。
【0016】
次に、テンションロールでの押疵の発生状況の、3年余りにわたる試験例を図6に示す。本発明での押疵の発生状況が、従来に比べ格段に減少したことが分かる。この試験時の各種数値は次の通りであった。
・ディンプル加工されたロール3bにおいて、
Ra:3±0.3μm,Rmax:20〜25μm
図7は、試験運転でテンションロールのRaの推移を示すグラフである。
図8は、試験運転でテンションロールのRmaxの推移を示すグラフである。
・防錆油ノズル4において、
防錆油流量:20〜30cc/min,空気圧力:2〜3kg/cm2,
角度(噴射方向):ストリップSに対しほぼ垂直,
ストリップSとの距離L:300〜500mm
・二流体ノズル6において、
防錆油流量:10〜20cc/min,空気圧力:5kg/cm2,
角度(噴射方向):図2でロール3bの軸心に向き、図3でロール3bの
鉛直断面に対し角度A30〜60°,
ロール3bの表面との距離M:200〜300mm
・一流体ノズル7において、
空気圧力:5kg/cm2,
角度(噴射方向):図4でロール3bの軸心に向き、図5でロール3bの
鉛直断面に対し角度A30〜60°,
ロール3bの表面との距離M:200〜300mm
防錆油ノズル4との距離N:200〜300mm
【0017】
本発明は前記した実施例や実施態様に限定されず、特許請求の精神および範囲を逸脱せずに種々の変形を含む。
【0018】
【発明の効果】
本発明では異物除去の効率が良く、設置コストや維持コスト,メンテナンス負荷の面で優れる。しかも、表面をディンプル加工されたロールを使用するので、防錆油が表面に吹き付けられても、ストリップが滑ることなく、作業可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す全体概略図である。
【図2】 図1の要部拡大図である。
【図3】 図2の右側面図である。
【図4】 本発明の他の実施例の要部拡大図である。
【図5】 図4の右側面図である。
【図6】 試験運転のテンションロールでの押疵の発生状況を示すグラフである。
【図7】 試験運転でテンションロールのRaの推移を示すグラフである。
【図8】 試験運転でテンションロールのRmaxの推移を示すグラフである。
【符号の説明】
1 バックアップロール
2 ワークロール
3a,3b テンションロール
4 防錆ノズル
5 テンションリール
6 二流体ノズル
7 一流体ノズル
Claims (4)
- 調質圧延機のテンションロールの上下一対の少なくとも下ロールとして、表面をディンプル加工されたロールを使用し、前記ロールに向かい、かつ、その両端方向に異物を吹き飛ばすように、防錆油と高圧空気とを混合した状態で噴射することを特徴とする調質圧延機テンションロールの異物除去方法。
- 調質圧延機のテンションロールの上下一対の少なくとも下ロールとして、表面をディンプル加工されたロールを使用し、前記ロールに向かい、かつ、その両端方向に異物を吹き飛ばし、かつ、既設防錆油噴射手段からの油流の一部を透引するように、該既設防錆油噴射手段の近くから高圧空気を噴射することを特徴とする調質圧延機テンションロールの異物除去方法。
- 前記ディンプル加工されたロールの表面粗度は、平均粗度
Ra=2〜3.4(μm),最大粗度Rmax=14〜25(μm)に定められていることを特徴とする請求項1又は2記載の調質圧延機テンションロールの異物除去方法。 - 前記ディンプル加工されたロールの表面粗度は、平均粗度
Ra=2.1〜3.3(μm),最大粗度Rmax=15〜25(μm)に定められていることを特徴とする請求項1又は2記載の調質圧延機テンションロールの異物除去方法。
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