JP2024047715A - 金属板の通板時水切り装置、熱間圧延設備および熱間圧延鋼帯の製造方法 - Google Patents

金属板の通板時水切り装置、熱間圧延設備および熱間圧延鋼帯の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通板時の金属板上方の空間に飛散する水および金属板上面の水滴を有効に除去し、通板性の良好な技術を提供する。【解決手段】流体噴射式水切り設備4と検査装置8との間に複数設置し、金属板1の通板方向とは逆方向から、金属板1の幅方向全体に亘って上方から気流を送風する第一の送風機6と、第一の送風機6を圧延ラインの上部に固定する第一の架台と、第一の送風機6と検査装置8との間に設置され、金属板1の通板方向PLと略直交する方向から送風する第二の送風機7と、第二の送風機7を圧延ラインの幅方向両端部にそれぞれ固定する第二の架台と、第一の送風機6および第二の送風機7をそれぞれ第一の架台および第二の架台に固定するための固定治具と、第一の送風機6および第二の送風機7の使用状況を表示する機能を備えた電源盤と、を有する、金属板の通板時水切り装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、金属板の通板時水切り技術に関する。特に、熱間圧延ラインにおいて疵検出装置が誤検出する原因となる水滴を有効に排除し、通板時の熱延金属板上方の空間に飛散する水および熱延金属板上面の水滴を除去する装置、その装置を有する熱間圧延設備に関する。さらにその装置を用いた熱間圧延鋼帯の製造方法に関する。
金属板、特に鋼板の熱間圧延において、近年では、熱間圧延し、冷却された鋼板をオンラインで疵検出する装置が設置され、稼働している。
熱間圧延後に鋼板を冷却するには大量の水を用いる必要がある。そのため鋼板上に大量の水が残留し、そのままでは疵検出できない。そのため、その残留した水を除去するに、通板ラインの進行方向とは逆方向に高圧流体を噴射するものがある。たとえば、特許文献1には、上部から高圧流体を吹き付けて表面上の水を除去する技術が開示されている。特許文献2には、水切りロールや傾斜させた水流による水切り技術が開示されている。特許文献3には、通板ラインにほぼ直交する方向からさらに高圧のエアを噴射する等の手段が開示されている。
特開昭57-81916号公報 特開2011-005538号公報 特開2010-227966号公報
しかしながら、上記従来技術には、以下のような課題があった。
すなわち、特許文献1~3に記載の技術は、鋼板上の冷却水を除去することに着目した技術であり、鋼板上空に飛散した水の除去に関して対応がされていなかった。また送風することによる鋼板の通板性への影響が不明なこともあり気流の流量と送風角度を設定することができていなかった。加えて、高圧流体を供給する特別の設備を要していた。そのうえ、高圧流体の輸送中に配管の圧損が生じ、過大な設備を要することになっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、通板時の金属板上方の空間に飛散する水および金属板上面の水滴を有効に除去するとともに通板性に優れた装置を提供することを目的とする。加えて、その装置を有する熱間圧延設備およびその装置を用いた熱間圧延鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる金属板の通板時水切り装置は、圧延ラインに通板されて、仕上げ圧延後に、水冷設備および該水冷設備に併設された流体噴射式水切り設備で順次水冷および水切りされ、次いで表面の検査装置で所定の検査を受けた後、巻取機で巻き取られる金属板を対象とする水切り装置であって、前記流体噴射式水切り設備と前記検査装置との間に複数設置し、前記金属板の通板方向とは逆方向から、前記金属板の幅方向全体に亘って上方から気流を送風する第一の送風機と、前記第一の送風機を前記圧延ラインの上部に固定する第一の架台と、前記第一の送風機と前記検査装置との間に設置され、前記金属板の通板方向と略直交する方向から送風する第二の送風機と、前記第二の送風機を前記圧延ラインの幅方向端部に固定する第二の架台と、前記第一の送風機および前記第二の送風機をそれぞれ前記第一の架台および前記第二の架台に固定するための固定治具と、前記第一の送風機および前記第二の送風機の使用状況を表示する機能を備えた電源盤と、を有することを特徴とする。
なお、本発明にかかる金属板の通板時水切り装置は、
(a)前記第一の送風機から送風される気流が20m/s以上の流速であること、
(b)前記第一の送風機は、前記金属板の端部側に配置された送風機が中央側の送風機より前記金属板通板方向で下流側に配置されること、
(c)前記第一の送風機は、気流の中心軸が、鉛直方向に対して前記金属板の通板方向で上流側に10°以上20°以下の範囲内の角度の傾きをもって配置されていること、
(d)前記第二の送風機は、前記金属板の幅方向両端側から送風する気流が互いに干渉しないように配置されていること、
などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる熱間圧延設備は、金属板が圧延ラインに通板されて、仕上げ圧延後に、水冷設備および該水冷設備に併設された流体噴射式水切り設備で順次水冷および水切りされ、次いで表面の検査装置で所定の検査を受けた後、巻取機で巻き取られる熱間圧延設備であって、上記いずれかにかかる金属板の通板時水切り装置を有することを特徴とする。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる熱間圧延鋼帯の製造方法は、熱間圧延鋼帯を通板し、仕上げ圧延後に、水冷し、流体を噴射して鋼帯表面を水切りし、次いで表面検査を行い、その後、巻取機で巻き取り、熱間圧延鋼帯を製造するにあたり、前記表面検査の前に、上記いずれかにかかる金属板の通板時水切り装置を用いて、鋼帯上の水滴を除去することを特徴とする。
本発明にかかる金属板の通板時水切り装置、熱間圧延設備および熱間圧延鋼帯の製造方法によれば、金属板である鋼板上方に飛散した水滴が表面の検査装置である疵検出装置に映り込むことを防止できる。疵検査における誤検出の頻度が大幅に低下し、オンラインでの疲検出精度を大幅に向上できる。その結果、疵見逃しや疵検出結果に応じて作業者が行う鋼板目視確認作業の負荷を大幅に軽減できる。また、従来用いていた高圧のエアを噴射するための圧縮機が不要となり、運転コストが大幅に削減されるという効果も得られる。さらに適切な角度と流速で気流を鋼板に吹き付けることで、水滴の除去だけでなく、通板性を犠牲にすることなく熱間圧延鋼帯を製造できる。
本発明の一実施形態にかかる熱延金属板の通板時水切り装置の模式図であって、(a)は上面図を示し、(b)は操作者側から見た正面図を示す。 上記装置配置における飛散水と気流の流動解析結果を示す模式図であって、(a)は送風機の配置を示す上面図であり、(b)は飛散水と気流の流線を示す斜視図である。 (a)~(e)は解析に用いた送風機の配置を示す上面図である。 上記実施形態にかかる熱延金属板の通板時水切り装置を用いて気流を吹き付けたときに熱間圧延鋼帯の先端にかかる圧力分布を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための設備や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる金属板の通板時水切り装置の模式図である。図1(a)は、上面図を示す。図1(b)は、操作者側から見た正面図を示す。
図1の例では、熱間圧延ラインの後段の、水冷の冷却設備3と表面の検査装置である疵検出装置8との間に設置された水切り装置について説明する。金属板としての鋼板1を製造する熱間圧延において、仕上圧延後に鋼板1を水冷してから巻取機10に巻き取るまでの聞に、熱延鋼板表面の疵を検出するための疵検出装置8がオンラインで設置され、疵検査を行う場合がある。巻取機10の直前に鋼板の張力を調整するピンチロール9が配される。
たとえば、図1の設備では、熱間圧延ラインに通板される鋼板1は、仕上圧延機2で圧延された後、冷却設備3で注水された冷却水で冷却される。この時、仕上圧延機2の出側の冷却設備3から鋼板1へ注いだ冷却水の一部が鋼板1の上面に水滴となって僅かでも残留していると、水滴を疵と誤検出し、疵検出精度の低下につながる。
たとえば、特許文献3に記載の従来技術では、鋼板1の幅方向両端から、斜め上流側に向けて高圧水を噴射する水噴射式水切り設備4を設けている。それにより、鋼板上の滞留水を排除するとしている。さらに通板方向とほぼ直交するエアノズル群による高圧のエア噴射を行って、鋼板1の上面に残留する水滴を鋼板面外に除去するとしている。
しかしながら、オンラインの疵検出装置8において、水滴による誤検出を十分防止できていない。この原因について、発明者らが詳細に調査したところ、鋼板1の通板速度が大きい、すなわち搬送ローラー5の回転周速が速い時、冷却水が搬送ローラー5の回転に巻き上げられることを把握した。そして、巻き上げられた冷却水が鋼板1の上方の空間に飛散する現象が発生し、この飛散水が空間に浮遊した状態で疵検出装置8まで達する場合があることを把握した。
従来の水切り装置は、鋼板1の上面に滞留する冷却水を水噴射で除去した後、鋼板1の上面に残留する水滴に対して考案されたものである。鋼板1の上方の空間を飛散し浮遊する水滴に対しては、エアの噴射領域が狭すぎてエアが当たらず、空間に浮遊した飛散水まで除去する効果が得られなかった。
そこで、本実施形態では、広い範囲で気流を得るために図1に示すような大型の送風機を配することとした。
まず、第一の送風機6は、水噴射式水切り設備4と疵検出装置8との間における鋼板1の上方に設置する。第一の送風機6は、たとえば圧延ラインに門型の架台を設けて、圧延ラインの上方に固定治具で交換可能に取り付ける。そして、鋼板1の通板方向PLとは逆方向から、鋼板1の表面に向かって、吹き降ろすように気流を送風する。鋼板1の上方の空間の水滴を確実に落下させるために、第一の送風機6は鋼板の幅方向全体を覆う幅の気流を発生させる。1台の送風機では気流の幅が不十分な場合には、複数の送風機を用いる。
第一の送風機6を複数の送風機で構成する場合には、鋼板1の端部側に配置した送風機を中央側の送風機より前記金属板通板方向で下流側に配置することが好ましい。飛散水を鋼板側に吹き落とすとともに鋼板1の幅方向外側に吹き分けることができる。複数の送風機を設置するに際し、幅方向に横並びとすると、通板方向PLから見て、送風機間に隙間ができて気流速度の遅い領域が生じ、飛散水のすり抜けが懸念される。また、逆に鋼板1の端部側に配置した送風機を中央側の送風機より前記金属板通板方向で上流側に配置すると吹き落とした飛散水を中央に集めることになり、水滴として鋼板1の上面に残存するおそれがある。
飛散水の存在する空間高さは、搬送ローラー5の周速度、つまり、鋼板1の通板速度にもよる。通板速度20m/s(1200m/min)の場合で、2m程度である。したがって、第一の送風機6は、それ以上の高さから吹き降ろすことが好ましい。第一の送風機6としては、JIS B 0132:2005に定める送風機であって、風速20m/s以上の気流を発生できるファンとすることが好ましい。25m/s以上とすることがより好ましい。3mm径程度の飛散した水滴を除去することができる。風速100m/s超えとするには圧縮機を必要とすることから、100m/sを上限とすることが好ましい。より好ましくは風速が30m/s以下である。たとえば、500~1000mm径の円形送風機を用いることができる。
また、第一の送風機6の傾斜角度は、鉛直方向から通板方向PLの上流側に傾く角度で、10°以上20°以下であることが好ましい。水滴の除去の観点からは10°以上45°未満とすることで効果が得られる。一方、熱間圧延鋼帯の先端は、図4に示すように鎌首状に変形していることが多い。気流の角度と流速によっては、先端が浮き上がって通板性を阻害する恐れがある。第一の送風機6の傾斜角度が、20°を超えると鋼板先端の浮き上がりによる通板性の阻害懸念が生じるので、20°以下とすることが好ましい。
第二の送風機7は、通板方向PLで第一の送風機6と疵検出装置8との間の鋼板1の幅方向端部の上方に設置する。第二の送風機7は、たとえば、圧案ラインの幅方向両側に立設された架台に高さ調節可能、交換可能に固定治具で取り付けられる。第二の送風機7の気流の方向は、通板方向PLとほぼ直交する方向で吹き付ける。なお、本発明において、通板方向PLと直交する方向とは、通板方向PLと90°±10°の方向まで許容するものとする。第二の送風機7は第一の送風機が鋼板1の上面に吹き落とした飛散水を鋼板1の幅方向一方端から他方端に効率よく除去する機能を有する。その点で、第二の送風機7は、鋼板1を見下ろす俯角を15°以下とすることが好しい。好ましくは、俯角が0°超え10°以下である。また、鋼板1の下面に水の回り込みが見られる場合には、下面にも気流が当たるように設置することが好ましい。
第二の送風機7は、鋼板1の両側方に設置することが好ましい。それぞれの送風機の気流の中心軸を上面視でずらして、気流同士が干渉しないようにすることが好ましい。また、気流の中心軸を鋼板1の幅方向中央付近にあたるように向けることが好ましい。第二の送風機7としては、JIS B 0132:2005に定める送風機であって、風速20m/s以上の気流を発生できるファンとすることが好ましい。25m/s以上とすることがより好ましい。3mm径程度の水滴を除去することができる。風速100m/s超えとするには圧縮機を必要とすることから、100m/sを上限とすることが好ましい。より好ましくは風速が30m/s以下である。
本実施形態では第一の送風機および第二の送風機の使用状況を表示する機能を備えた電源盤を有する。通電状態を示すランプであってもよいし、送風機の回転数を表示するディスプレイやゲージであってもよい。不具合があると判断された送風機は固定治具を取り外して交換することができる。
(実施例1)
図1の熱間圧延設備において、図2(a)に示す第一の送風機6および第二の送風機7の配置で流体解析により飛散水の除去可能性を検討した。流体解析ソフトウェアには、Simcenter STAR-CCM+を用いた。鋼板1の板幅を1.5mとし、通板速度を20m/sとした。第一の送風機6および第二の送風機7はいずれも700mm径の円形であって、気流FAは20m/sの風速とした。第一の送風機6の気流の中心軸は鉛直方向から通板方向PLの上流側に25°傾けた。第二の送風機7の俯角は10°とした。飛散水FDは5m/sで通板方向に移動していることを計算空間入り口の初期条件とした。流体解析結果を図2(b)に示す。
本実施例では、第一の送風機6からの気流を、鋼板1の幅方向全体にわたって吹き降ろしている。そして、気流FAの中心軸は、幅方向中央側が幅方向端部側より鋼板1の通板方向PLの上流側で鋼板1と交差している。本実施例では、計算空間内で鋼板1上の下流まですり抜ける飛散水FDの軌跡はなく、すべて、鋼板1の側方外部へ除去できている。
(実施例2)
図3(a)~(e)に示すような送風機を配置し、実施例1と同様の条件で数値解析し、表1に結果を示す。残留水滴量は、飛散水の流線から疵検出装置に流出する割合を算出した。図3(a)は第一の送風機を幅方向に横並びに配置したものである。図3(b)および(d)は第一の送風機を上流側に凸になるように配置したものである。図3(c)および(e)は第一の送風機を下流側に凸になるように配置したものである。図3(a)~(c)は第二の送風機を第一の送風機より下流側に配置したものである。図3(d)および(e)は第二の送風機を第一の送風機より上流側に配置したものである。図3(b)の配置で鋼板に残留する水滴が0となり、優れていることがわかる。
Figure 2024047715000002
(実施例3)
図4は、図1の構成の第一の送風機から吹き降ろされた気流が鋼板1の先端に及ぼす圧力分布を流体解析ソフトウェアには、Simcenter STAR-CCM+を用いて計算した結果を示す模式図である。鋼板1は通板方向PLに向かって通板速度20m/sで搬送ロール5上を移動している。鋼板1は板厚1.2mm、板幅0.7mのSPHCとし、鎌首状(鋼板の最先端部が通板時に上に反り、蛇の頭のようにS字型になる状態)の最大高さを搬送ロール5の上端から1mに置いた。第一の送風機は傾斜角度15°、気流の流速を25m/sとした。鎌首状の鋼板前端にかかる、鋼板1を押さえつける力Pは84N、鉛直下方から15~30°の傾きであった。その垂直成分P1Vは74~81Nとなった。一方、鎌首の後部にかかる揚力Pは84N、鉛直上方から50~70°の傾きであった。その垂直成分P2Vは28~54Nとなった。したがって、P1V>P2Vの関係から、鋼板1の先端が浮き上がることはなく、通板性に問題がないことがわかる。
(実施例4)
第一の送風機の吹き降ろし角度を変えて、実施例3と同じ条件で数値解析し、結果を表2に示す。表2には、水滴の除去性評価として飛散水の通過の有無を合わせて記載した。吹き降ろし角度15°の時に飛散水の通過もなく、先端部の浮き上がりもなく、総合的に優れていることがわかる。
Figure 2024047715000003
(実施例5)
特許文献3に記載の従来例では、厳格な表面検査を必要とする鋼種で数%のコイルに水滴による誤検出があり、別ラインで目視観察を行う必要があった。対して、図1の装置配置で、第一の送風機から20m/sの気流を15°の傾斜角度で送風した場合、同様の鋼種で99.8%のコイルは水滴による誤検出がなく、優れた効果が得られた。
本発明の金属板の通板時水切り装置、熱間圧延設備および熱間圧延鋼帯の製造方法によれば、金属板上方に飛散した水滴が光学式検査装置に誤検出されることを防止でき、目視検査を省略できる。くわえて、鋼板先端部の浮き上がりがなく通板性にも優れるなど生産性の向上に寄与する。圧縮機を使わないことから設備費の削減にもつながる。したがって、産業上有用である。
1 鋼板(金属板、熱間圧延鋼帯)
2 仕上圧延機
3 冷却設備(水掛設備)
4 水噴射式水切り設備(流体噴射式水切り設備)
5 搬送ローラー
6 第一のファン(送風機)
7 第二のファン(送風機)
8 疵検出装置(検査装置)
9 ピンチロール
10 巻取機
PL パスライン(金属板の通板方向)
FD 飛散水
FA 気流

Claims (7)

  1. 圧延ラインに通板されて、仕上げ圧延後に、水冷設備および該水冷設備に併設された流体噴射式水切り設備で順次水冷および水切りされ、次いで表面の検査装置で所定の検査を受けた後、巻取機で巻き取られる金属板を対象とする水切り装置であって、
    前記流体噴射式水切り設備と前記検査装置との間に複数設置し、前記金属板の通板方向とは逆方向から、前記金属板の幅方向全体に亘って上方から気流を送風する第一の送風機と、
    前記第一の送風機を前記圧延ラインの上部に固定する第一の架台と、
    前記第一の送風機と前記検査装置との間に設置され、前記金属板の通板方向と略直交する方向から送風する第二の送風機と、
    前記第二の送風機を前記圧延ラインの幅方向端部に固定する第二の架台と、
    前記第一の送風機および前記第二の送風機をそれぞれ前記第一の架台および前記第二の架台に固定するための固定治具と、
    前記第一の送風機および前記第二の送風機の使用状況を表示する機能を備えた電源盤と、
    を有する、金属板の通板時水切り装置。
  2. 前記第一の送風機から送風される気流が20m/s以上の流速である、請求項1に記載の金属板の通板時水切り装置。
  3. 前記第一の送風機は、前記金属板の端部側に配置された送風機が中央側の送風機より前記金属板通板方向で下流側に配置される、請求項1に記載の金属板の通板時水切り装置。
  4. 前記第一の送風機は、気流の中心軸が、鉛直方向に対して前記金属板の通板方向で上流側に10°以上20°以下の範囲内の角度の傾きをもって配置されている、請求項1に記載の金属板の通板時水切り装置。
  5. 前記第二の送風機は、前記金属板の幅方向両端側から送風する気流が互いに干渉しないように配置されている、請求項1に記載の金属板の通板時水切り装置。
  6. 金属板が圧延ラインに通板されて、仕上げ圧延後に、水冷設備および該水冷設備に併設された流体噴射式水切り設備で順次水冷および水切りされ、次いで表面の検査装置で所定の検査を受けた後、巻取機で巻き取られる熱間圧延設備であって、
    請求項1~5のいずれか1項に記載された金属板の通板時水切り装置を有する、熱間圧延設備。
  7. 熱間圧延鋼帯を通板し、仕上げ圧延後に、水冷し、流体を噴射して鋼帯表面を水切りし、次いで表面検査を行い、その後、巻取機で巻き取り、熱間圧延鋼帯を製造するにあたり、
    前記表面検査の前に、請求項1~5のいずれか1項に記載された金属板の通板時水切り装置を用いて、鋼帯上の水滴を除去する、熱間圧延鋼帯の製造方法。

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