JP3976582B2 - 小型船舶の操船用駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ジェット推進装置を有する水上オートバイ等の小型船舶の操船用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水上オートバイ等の小型船舶に使用されているジェット推進装置は、図10に一例を示すように、船体後部に設けたポンプ151と、ノズル152などを備えている。ポンプ151のハウジング153の内部にインペラ154が設けられている。ポンプ151が吐出する水流は、ノズル152を通って船体の後方に噴出する。ハンドルバー155を左右に操作することによってノズル152を左右方向に動かすことにより、進む方向を変えることができる。
【0003】
また、操船状況等に応じてノズル152を上下させるためのトリム機構も知られている。トリム機構の一例は、ハンドルバー155に設けたトリム操作用のグリップ160と、グリップ160を回転させることによって引かれる一対のプルケーブル161,162と、プルケーブル161,162の直線運動を回転運動に変換するためのホィール163を備えた変換機164と、ホィール163の回転に応じて押されたり引かれたりするプッシュプルケーブル165などを備えている。
【0004】
プッシュプルケーブル165は、アウタチューブ170と、アウタチューブ170の内部を通るコアワイヤ171と、アウタチューブ170の両端にそれぞれ結合されたスリーブ172,173と、コアワイヤ171の両端にそれぞれ結合されたロッド部174,175などからなる。ロッド部174,175は、それぞれスリーブ172,173に挿入されている。
【0005】
変換機164は船内側に設けられ、ノズル152は船外に設けられている。このため、ノズル152の被操作部180と変換機164とをつなぐプッシュプルケーブル165は、船内と船外とを仕切る隔壁181(例えばポンプボックス)を貫通している。プッシュプルケーブル165が貫通する個所をシールするために、プッシュプルケーブル165の固定部182と隔壁181との間にシール材183が設けられ、かつ、スリーブ173とロッド部175との間にもシール材184が設けられている。
【0006】
プッシュプルケーブル165のロッド部175の先端にねじ部190が形成されており、このねじ部190をボールジョイント等の端末金具191にねじ込むことによって、ロッド部175と端末金具191との接続がなされている。この場合、ノズル152を所定の中立位置に調整するために、一般的に、ねじ部190と端末金具191とのねじ込み量を変えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ロッド部175のねじ部190は、ノズル152のかなり奥の方に位置し、しかもロッド部175をプッシュプルケーブル165から分離させることはできない。このため、ノズル152の中立位置等をねじ部190と端末金具191とのねじ込み量に応じて微調整する作業に長時間と労力を必要としていた。
【0008】
前記微調整作業を減らすために、プッシュプルケーブル165の長さに関し、公差が厳しく設定されている。このためノズル152の種類が変わると、それに応じた品種のプッシュプルケーブル165が必要となり、同一種類のプッシュプルケーブル165を利用できないという問題がある。
【0009】
また、プッシュプルケーブル165の固定部182からノズル152の被操作部180までの距離が長いため、それに応じてプッシュプルケーブル165のロッド部175が長くなる。この場合、ロッド部175の圧縮強度を確保するために太いロッド部175が必要となり、ロッド部175のコストが高くなる原因となっている。
【0010】
従って本発明の目的は、プッシュプルケーブルに代わるロッド部材によって、ノズル等の被操作部を駆動することが可能な小型船舶の操船用駆動装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の操船用駆動装置は、船内と船外とを仕切る隔壁に固定されるベース部材と、前記ベース部材に回転自在に支持されかつ前記隔壁に形成された孔から船外側に突出する回動軸と、前記回動軸に固定されかつ船外側に位置するアーム部材と、船内側に配置され前記回動軸を回転させるトルクを前記回動軸に与えるトルク機構と、一端が前記アーム部材に接続され、他端が前記被操作部に接続されるロッド部材と、前記隔壁と前記ベース部材との間をシールしかつ前記ベース部材と前記回動軸との間をシールするシール手段とを具備している。
【0012】
前記小型船舶の一例は水上オートバイであり、前記ベース部材が、例えば前記ジェット推進装置のポンプボックスに取付けられている。
前記ロッド部材の他端は、例えばノズルを上下方向に動かすためのトリム操作用の被操作部に接続される。
前記ロッド部材の他端は、例えばノズルを左右方向に動かすための操舵用の被操作部に接続される。
前記ロッド部材の他端が、例えばバケットを上下方向に動かすためのバケット用被操作部に接続されてもよい。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記ロッド部材の一端に第1のねじ部に螺合する第1のジョイント部材が設けられ、ロッド部材の他端に第2のねじ部に螺合する第2のジョイント部材が設けられ、これら第1および第2のジョイント部材のねじ込み位置に応じて、これらジョイント部材間の距離を調整可能としている。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記第1のジョイント部材が前記アーム部材の連結部に対して着脱可能であり、前記第2のジョイント部材が前記被操作部に対して着脱可能である。
本発明の好ましい形態では、前記第1および第2のねじ部が互いに逆ねじである。
【0015】
前記トルク機構の一例は、前記回動軸に固定されたホイールと、該ホイールに巻掛けた一対のプルケーブルである。
前記トルク機構の他の例は、前記回動軸に固定された回動部材と、一端が前記回動部材に接続されたプッシュプルケーブルである。
前記トルク機構は、トルク発生源としての電動アクチュエータと、該アクチュエータが発生したトルクを前記回動軸に伝える力伝達機構を備えていてもよい。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記回動軸は、中空の第1軸部と、該第1軸部に挿入され該第1軸部の軸回りに相対回転可能な第2軸部とを含み、前記第1軸部の船内側に該第1軸部を回転させる第1のトルク機構を設けるとともに、前記第1軸部の船外側に第1アーム部材を設け、前記第2軸部の船内側に該第2軸部に回転させる第2のトルク機構を設けるとともに、前記第2軸部の船外側に第2アーム部材を設け、前記第1アーム部材に第1の被操作部を動かす第1ロッド部材を接続し、前記第2アーム部材に第2の被操作部を動かす第2ロッド部材を接続する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の第1の実施形態について図1から図5を参照して説明する。 図1に小型船舶の一例である水上オートバイ(パーソナルウォータビークルあるいはウォータクラフトと称されることもある)1が示されている。水上オートバイ1の前部に、上下方向に延びるステアリングシャフト2と、水平方向に延びるハンドルバー3などが設けられている。
【0018】
ステアリングシャフト2の下端にアーム4が設けられ、このアーム4にプッシュプルケーブル等の操舵用ケーブル5の一端が接続されている。ハンドルバー3を矢印Aで示す方向に操作したとき、その方向に応じてアーム4が回動し、操舵用ケーブル5がプッシュ(押し)あるいはプル(引き)されることにより、ジェット推進装置6のノズル7の向きが右または左に変わる。
【0019】
ノズル7はポンプボックス8の船外側に設けられている。ノズル7の近傍に前後進切替用のバケット9が設けられている。このバケット9は、操作レバー9aとケーブル9bによって、上昇位置(前進位置)と、下降位置(後進位置)とに切替えることができる。バケット9が上昇位置にあるときには、ノズル7から噴出する水流がバケット9に当たることなく船体後方に向かうため、水上オートバイ1は前進する。バケット9を下降位置に操作すると、ノズル7から噴出する水流がバケット9に当たって船体前方に向かうため、水上オートバイ1が後進することになる。
【0020】
この水上オートバイ1は、必要に応じてノズル7を上下させることができるように、トリム機構を備えている。トリム機構の一例は、ハンドルバー3に設けられた回転可能なトリム操作用グリップ10と、トリム操作用ケーブル11と、トリム操作用ケーブル11の直線運動を回転運動に変換する変換機12と、変換機12に接続されたロッド部材13などを含んでいる。変換機12とロッド部材13は、本発明で言う操船用駆動装置14を構成している。
【0021】
図2と図3に示すように変換機12は、ベース部材15と、回動軸16と、アーム部材17と、トルク機構18などを備えている。ベース部材15は、船内と船外とを仕切る隔壁20の船内側に固定されるプレート部21と、プレート部21と一体の円筒状の筒部22とを含んでいる。隔壁20の一例は、ジェット推進装置6のポンプボックス8の上側の壁である。
【0022】
プレート部21には、ボルト24を通す孔25が例えば3箇所に形成されている。それぞれの孔25に挿入するボルト24と、各ボルト24に螺合させるナット26によって、プレート部21が隔壁20に固定される。隔壁20とプレート部21との間にシール材27が設けられている。
【0023】
回動軸16は、ベース部材15の筒部22に挿入され、筒部22に対して相対回転できるよう支持されている。図5に示すように回動軸16と筒部22は、隔壁20に形成された孔30を貫通して、船外側に突出している。筒部22の内周面と回動軸16の外周面との間に、摩擦抵抗を小さくするための樹脂製の滑り部材31と、筒部22と回動軸16との間をシールするためのシール材32が設けられている。シール材27,32は、本発明で言うシール手段として機能する。
【0024】
トルク機構18は船内側に設けられ、回動軸16にトルクを与えるようになっている。トルク機構18の一例は、ボルト35によって回動軸16の船内側の端部16aに固定されたホイール36と、ホイール36に巻掛けた操作力伝達用の一対のプルケーブル37,38を備えている。プルケーブル37,38は、トリム操作用ケーブル11の一例である。
【0025】
これらのプルケーブル37,38は、それぞれアウタチューブ40,41と、インナワイヤ42,43を備えている。第1のプルケーブル37のアウタチューブ40の一端40aは、ベース部材15に設けられた第1の支持部45に挿入されている。アウタチューブ40の他端40bは、トリム操作用グリップ10の近傍に設けられたワイヤ牽引機構46に挿入されている。
【0026】
第1のプルケーブル37のインナワイヤ42の一端42aがホイール36の第1係止部50に嵌合されている。インナワイヤ42の他端(図示せず)は、ワイヤ牽引機構46に接続され、グリップ10を第1の方向に回転させたときに、その回転角度に応じてインナワイヤ42が所望量引かれるようになっている。
【0027】
第2のプルケーブル38のアウタチューブ41の一端41aは、長さ調整用のアジャスタねじ機構51を介して、ベース部材15の第2の支持部52に固定されている。アウタチューブ41の他端41bはワイヤ牽引機構46に挿入されている。
【0028】
第2のプルケーブル38のインナワイヤ43の一端43aがホイール36の第2係止部53に嵌合されている。インナワイヤ43の他端(図示せず)は、ワイヤ牽引機構46に接続され、グリップ10を第2の方向に回転させたときに、その回転角度に応じてインナワイヤ43が所望量引かれるようになっている。
【0029】
それぞれのインナワイヤ42,43は、ホイール36に形成されたガイド溝54,55に沿ってホイール36に巻き掛けられている。図2において、ワイヤ牽引機構46によって第1のインナワイヤ42が引かれ、第2のインナワイヤ43が繰り出されると、ホイール36が時計回り方向に回転する。第2のインナワイヤ43が引かれ、第1のインナワイヤ42が繰り出されると、ホイール36が反時計回りに回転する。
【0030】
図3に示すように、アーム部材17は、ボルト60によって、回動軸16の船外側の端部16bに固定されている。このため回動軸16が回転すると、回動軸16と一体にアーム部材17も回転する。アーム部材17の先端部に、球状頭部を有するスタッドからなる連結部61が設けられている。ノズル7には、球状頭部を有するスタッドからなるトリム操作用の被操作部62が設けられている。
【0031】
ロッド部材13は、ロッド本体70と、ロッド本体70の両端に設ける第1のジョイント部材71と第2のジョイント部材72とを備えている。ロッド本体70の両端に、第1のねじ部73と第2のねじ部74が形成されている。第1のねじ部73と第2のねじ部74は、互いにねじ山の方向が逆である。すなわち、第1のねじ部73に対して第2のねじ部74が逆ねじである。
【0032】
第1のジョイント部材71は、連結部61に対して着脱可能な孔75を有するシャフト76と、連結部61が孔75から抜けないように連結部61を保持するロック用スリーブ77と、ロック用スリーブ77をロック方向に付勢するばね78とを含んでいる。ばね78の弾力に抗してロック用スリーブ77をロック解除方向に移動させたとき、第1のジョイント部材71を連結部61から切離すことができる。
【0033】
第1のねじ部73は、シャフト76に形成された雌ねじ79に螺合している。第1のねじ部73にロックナット80が螺合している。ロックナット80を弛めることにより、第1のジョイント部材71に対するねじ部73のねじ込み位置を変化させることができる。
【0034】
第2のジョイント部材72は、被操作部62に対して着脱可能な孔85を有するシャフト86と、被操作部62が孔85から抜けないように被操作部62を保持するロック用スリーブ87と、ロック用スリーブ87をロック方向に付勢するばね88とを含んでいる。ばね88の弾力に抗してロック用スリーブ87をロック解除方向に移動させたとき、第2のジョイント部材72を被操作部62から切離すことができる。
【0035】
第2のねじ部74は、シャフト86に形成された雌ねじ89に螺合している。第2のねじ部74にロックナット90が螺合している。ロックナット90を弛めることにより、第2のジョイント部材72に対するねじ部74のねじ込み位置を変化させることができる。
【0036】
この実施形態の場合、第1のねじ部73に対して第2のねじ部74が逆ねじであるため、ロックナット80,90を弛め、ロッド本体70を所望量回転させることによって、ジョイント部材71,72間の距離を簡単に調整することができる。ジョイント部材71,72間の距離を調整することにより、ノズル7の中立位置を調整することができる。
【0037】
しかもこのロッド部材13は、ジョイント部材71,72をアーム部材17とノズル7から簡単に取外すことができるため、ねじ部73,74に対するジョイント部材71,72のねじ込み位置を簡単に調整することができる。
【0038】
ねじ部73,74にそれぞれ一般的な右ねじを用いてもよい。その場合、一方のねじ部73に螺合するジョイント部材71と、他方のねじ部74に螺合するジョイント部材72の少なくとも一方のねじ込み位置を変えることにより、ジョイント部材71,72間の距離を調整することができる。
【0039】
次に、前記水上オートバイ1の動作について説明する。
水上オートバイ1のエンジンを始動させ、ジェット推進装置6のノズル7から水流を噴出させることにより、水上オートバイ1を走らせることができる。水上オートバイ1を旋回させるにはハンドルバー3を右または左に操作し、操舵用ケーブル5を介してノズル7の向きを右または左に変えることで、進行方向を変えることができる。
【0040】
また、グリップ10を第1の方向に回転させ、トリム操作用ケーブル11を介してノズル7を下方に向けると、水上オートバイ1の船首が下がる。グリップ10を第2の方向に回転させ、トリム操作用ケーブル11を介してノズル7を上方に向けると、水上オートバイ1の船首が上がる。こうして、波の状況や操船状況に応じて臨機応変にノズル7のトリム操作を行うことができる。
【0041】
水上オートバイ1を後進させる場合、操作レバー9aを前進位置から後進位置に切替えることにより、バケット9をノズル7と対向する位置まで降下させる。こうすることにより、ノズル7から噴出する水流がバケット9に当たって船体前方に向かうため、水上オートバイ1が後進する。
【0042】
なお、回動軸16を回動させるトルク機構18は、ホイール36と一対のプルケーブル37,38を用いる代わりに、回動軸16に固定されるホイール36あるいはレバー等の形態をとる回動部材と、この回動部材を動かすためのプッシュプルケーブルを用いてもよい。
【0043】
以上説明した変換機12とロッド部材13とを備えた操船用駆動装置14は、ノズル7を左右方向に動かすための操舵機構に利用することもできる。その場合には、操舵用ケーブル5によってホイール36を回転させるようにし、かつ、アーム部材17に接続したロッド部材13を、ノズル7の側部に設けた操舵用の被操作部95(図1に示す)に接続する。こうすることにより、ハンドルバー3を右または左に移動させたときに、その向きに応じてノズル7の向きを変えることができる。
【0044】
図6は本発明の第2の実施形態の操船用駆動装置100を示している。この操船用駆動装置100は、トルク機構101に電動アクチュエータ102を用いている点で第1の実施形態の操船用駆動装置14とは相違している。ただしこれら実施形態の双方に共通の個所もあるため、両者に共通の個所に共通の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0045】
第2の実施形態の操船用駆動装置100は、隔壁20に固定されるベース部材15と、回動軸16と、回動軸16に固定さるアーム部材17と、例えばDCサーボモータ等の電動アクチュエータ102を用いたトルク機構101と、ロッド部材13とを備えている。電動アクチュエータ102は、トルク発生源として機能する。
【0046】
電動アクチュエータ102の出力軸103に駆動ギヤ104が取付けられている。駆動ギヤ104に被動ギヤ105が噛合っている。被動ギヤ105は回動軸16に固定されている。電動アクチュエータ102によって駆動ギヤ105を所望の方向に回転させると、被動ギヤ105が回転することにより、回動軸16とアーム部材17が回転する。駆動ギヤ104と被動ギヤ105は、電動アクチュエータ102のトルクを回動軸16に伝えるための力伝達機構として機能する。
【0047】
図7から図9は、本発明の第3の実施形態の操船用駆動装置110を示している。この操船用駆動装置110において、第1の実施形態と共通する個所には両者に共通の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0048】
この操船用駆動装置110は、隔壁20に固定されるベース部材111と、ベース部材111に挿入された回動軸112とを備えている。回動軸112は、中空の第1軸部113と、第1軸部113に挿入された第2軸部114とを含んでいる。第1軸部113の船内側の端部に、第1のトルク機構115が設けられている。第2軸部114の船内側の端部に、第2のトルク機構116が設けられている。第1軸部113の船外側の端部に、第1アーム部材121が取付けられている。第2軸部114の船外側の端部に、第2アーム部材122が取付けられている。
【0049】
隔壁20とベース部材111との間がシール材125によってシールされている。ベース部材111と第1軸部113との間にシール材126が設けられている。第1軸部113と第2軸部114との間にもシール材127が設けられている。
【0050】
第1アーム部材121と第2のアーム部材122に、それぞれ、球状頭部を有するスタッドからなる連結部130,131が設けられている。各連結部130,131に、それぞれ、第1の実施形態で説明したロッド部材13と同様の構成のロッド部材13A,13Bが接続される。
【0051】
第1軸部113と、第1のトルク機構115と、第1アーム部材121と、ロッド部材13Aは、バケット9(図1に示す)を操作するために使われる。第1のトルク機構115は、第1軸部113に固定された第1ホイール135と、第1ホイール135に巻き掛ける一対のプルケーブルなどを用いたバケット操作用ケーブル9bなどを備えている。ロッド部材13Aの一端に設けた第1のジョイント部材71は、第1アーム部材121の連結部130に接続される。ロッド部材13Aの他端に設けた第2のジョイント部材72は、バケット用の被操作部140(図1に示す)に接続される。
【0052】
第2軸部114と、第2のトルク機構116と、第2アーム部材122と、ロッド部材13Bは、ノズル7を上下方向に動かすためのトリム機構として機能する。第2のトルク機構116は、第2軸部114に固定された第2ホイール136と、第2ホイール136に巻きかける一対のプルケーブルなどを用いたトリム操作用ケーブル11などを備えている。ロッド部材13Bの一端に設けた第1のジョイント部材71は、第2アーム部材122の連結部131に接続される。ロッド部材13Bの他端に設けた第2のジョイント部材72は、ノズル7のトリム操作用の被操作部62に接続される。
【0053】
グリップ10を回転させることにより、トリム操作用ケーブル11を介して、第2ホイール136を回転させることができる。第2ホイール136が回転すると、第2アーム部材122が旋回することにより、ロッド部材13Bが操作されるため、ノズル7を上下方向に動かすことができる。
【0054】
また、前後進切替用の操作レバー9aを操作することにより、ケーブル9bを介して第1ホイール135を回動させることができる。第1ホイール135が回動すると、第1アーム部材121が旋回することにより、ロッド部材13Aが操作されるため、バケット9を上下方向に動かすことができる。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、アーム部材と被操作部との間をプッシュプルケーブルに代わってロッド部材によってつなぐことができる。このため、厳しい公差管理が必要なプッシュプルケーブルを使用しないことにより、コストダウンが可能となる。また、アーム部材からノズルまでの距離を短くすることが可能となり、ロッド部材が短くてすむため、ロッド部材を太くすることなく、圧縮方向の強度を確保することができる。
【0056】
従来は、船種によってノズル等の操作角度が異なる場合、プッシュプルケーブルの取付け位置を設計し直したり、プッシュプルケーブル自体を設計し直す必要があったが、本発明によれば、アーム部材の長さを変更することによって対応でき、設計工数を減らすことができる。
【0057】
請求項2に記載した発明によれば、水上オートバイにおいて前記効果を享受することができる。本発明では、例えばポンプボックスの上面あるいは側面に変換機を取付けることができるため、変換機のアーム部材からノズル周りの被操作部までの距離を、従来の変換機を用いる場合のプッシュプルケーブルのロッド部に比べて短くすることができる。このため本発明によれば、短いロッド部材を用いることにより、径の小さなロッド部材でも圧縮荷重に耐えることができる。
【0058】
請求項3に記載した発明によれば、トリム操作用の被操作部を、プッシュプルケーブルに代わる前記ロッド部材によって操作することができる。
請求項4に記載した発明によれば、操舵用の被操作部を、プッシュプルケーブルに代わる前記ロッド部材によって操作することができる。
請求項5に記載した発明によれば、バケット用の被操作部を、プッシュプルケーブルに代わる前記ロッド部材によって操作することができる。
【0059】
請求項6に記載した発明によれば、第1のジョイント部材と第2のジョイント部材の少なくとも一方のねじ込み位置を変えることにより、中立位置の調整を容易に行うことができる。
請求項7に記載した発明によれば、中立位置の調整をさらに容易に行うことができる。
従来は中立位置の調整に長時間を必要としていたため、船の生産ラインでの中立位置の調整が困難であり、ディーラー等で調整を行ってからユーザーに納入されていた。そのため、調整不良が生じることがあったが、本発明により、生産ラインでの中立位置の微調整が容易となり、品質を安定させることができる。
【0060】
請求項8に記載した発明によれば、中立位置の調整をさらに容易に行うことができる。
請求項9に記載した発明によれば、前記回動軸をプルケーブルのみによって回転させることが可能となり、プッシュプルケーブルを接続する場合と比較して、ベース部材等を小型化することができ、操船用駆動装置の設置レイアウトの自由度が増す。プッシュプルケーブルはプルケーブルに比べて硬く撓みにくいため、ケーブルを直線的に配置する必要があったが、プルケーブルを用いることによってレイアウトの自由度が増すことになる。
【0061】
請求項10に記載した発明によれば、前記回動軸をプッシュプルケーブルによって回転させることができる。
請求項11に記載した発明によれば、前記回動軸を電動アクチュエータによって回転させることができる。
【0062】
請求項12に記載した発明によれば、少なくとも2種類の被操作部、例えばトリム操作用の被操作部とバケット用の被操作部を、1台の操船用駆動装置によって、それぞれ独立して操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の操船用駆動装置を備えた水上バイクの斜視図。
【図2】 図2に示された水上バイクの操船用駆動装置の一部の平面図。
【図3】 図2に示された操船用駆動装置の変換機とロッド部材の側面図。
【図4】 図3に示された変換機の正面図。
【図5】 図4中のF5−F5線に沿う断面図。
【図6】 本発明の第2の実施形態を示す操船用駆動装置の側面図。
【図7】 本発明の第3の実施形態を示す操船用駆動装置の変換機の平面図。
【図8】 図7中のF8−F8線に沿う断面図。
【図9】 図7に示された操船用駆動装置の正面図。
【図10】 従来の操船用駆動装置を示す側面図。
【符号の説明】
1…水上オートバイ(小型船舶)
6…ジェット推進装置
7…ノズル
12…変換機
13…ロッド部材
14…操船用駆動装置
15…ベース部材
16…回動軸
17…アーム部材
18…トルク機構
20…隔壁
27…シール材
32…シール材
71…第1のジョイント部材
72…第2のジョイント部材
Claims (12)
- ジェット推進装置を備えた小型船舶のノズル周りの被操作部を動かすための操船用駆動装置であって、
船内と船外とを仕切る隔壁に固定されるベース部材と、
前記ベース部材に回転自在に支持されかつ前記隔壁に形成された孔から船外側に突出する回動軸と、
前記回動軸に固定されかつ船外側に位置するアーム部材と、
船内側に配置され前記回動軸を回転させるトルクを前記回動軸に与えるトルク機構と、
一端が前記アーム部材に接続され、他端が前記被操作部に接続されるロッド部材と、
前記隔壁と前記ベース部材との間をシールしかつ前記ベース部材と前記回動軸との間をシールするシール手段と、
を具備したことを特徴とする小型船舶の操船用駆動装置。 - 前記小型船舶が水上オートバイであり、前記ベース部材が前記ジェット推進装置のポンプボックスに取付けられていることを特徴とする請求項1記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記ロッド部材の他端が、前記ノズルを上下方向に動かすためのトリム操作用の被操作部に接続されることを特徴とする請求項1記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記ロッド部材の他端が、前記ノズルを左右方向に動かすための操舵用の被操作部に接続されることを特徴とする請求項1記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記ロッド部材の他端が、バケットを上下方向に動かすためのバケット用被操作部に接続されることを特徴とする請求項1記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記ロッド部材の一端に第1のねじ部に螺合する第1のジョイント部材が設けられ、前記ロッド部材の他端に第2のねじ部に螺合する第2のジョイント部材が設けられ、これら第1および第2のジョイント部材のねじ込み位置に応じて、これらジョイント部材間の距離を調整可能としたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記第1のジョイント部材が前記アーム部材の連結部に対して着脱可能であり、前記第2のジョイント部材が前記被操作部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項6記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記第1および第2のねじ部が互いに逆ねじであることを特徴とする請求項6記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記トルク機構は、前記回動軸に固定されたホイールと、該ホイールに巻掛けた一対のプルケーブルであることを特徴とする請求項1記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記トルク機構は、前記回動軸に固定された回動部材と、一端が前記回動部材に接続されたプッシュプルケーブルであることを特徴とする請求項1記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記トルク機構は、トルク発生源としての電動アクチュエータと、該アクチュエータが発生したトルクを前記回動軸に伝える力伝達機構を有することを特徴とする請求項1記載の小型船舶の操船用駆動装置。
- 前記回動軸は、中空の第1軸部と、該第1軸部に挿入され該第1軸部の軸回りに相対回転可能な第2軸部とを含み、
前記第1軸部の船内側に該第1軸部を回転させる第1のトルク機構を設けるとともに、前記第1軸部の船外側に第1アーム部材を設け、
前記第2軸部の船内側に該第2軸部に回転させる第2のトルク機構を設けるとともに、前記第2軸部の船外側に第2アーム部材を設け、
前記第1アーム部材に第1の被操作部を動かす第1ロッド部材を接続し、
前記第2アーム部材に第2の被操作部を動かす第2ロッド部材を接続することを特徴とする請求項1記載の小型船舶の操船用駆動装置。
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