JP3976431B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変成シリコーン樹脂、あるいは、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂を主成分とし、特定の充填剤を含有する、コンクリート、モルタル、石材、セラミックス、金属、プラスチック、木材等用の接着剤として好適な接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
変成シリコーン樹脂、あるいは、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂を主成分とする接着剤は、チキソトロピックな組成物で取り扱いやすく、さらに大気中常温で硬化し、硬化後は適度な強度と弾性を有するため、建築・土木、自動車等の各種産業分野で広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
変成シリコーン樹脂、あるいは、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂を主成分とする接着剤は、各種分野において多様な環境下で使用されるが、熱、アルカリ水等の環境下でその材料物性が大きく変化することが知られている。
【0004】
本発明の目的は、熱やアルカリ環境下において最大引張り強さ、最大伸びといった材料物性の変化率が小さく安定している接着剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、変成シリコーン樹脂、あるいは、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂を主成分とし、比較的大粒径の発泡体の表面に無機剤が存在する嵩比重が0.5以下の充填剤を含有することを特徴とする接着剤組成物を提供することによって達成される。
【0006】
また、変成シリコーン樹脂、あるいは、変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂を主成分とし、硅砂を含有することを特徴とする接着剤組成物を提供することによって達成される。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(5)を提供する。
(1) 変成シリコーン樹脂100重量部に対し、変成シリコーン樹脂用触媒0.1〜20重量部、発泡体の表面に無機剤が存在する嵩比重が0.5以下の充填剤0.1〜200重量部、エポキシ樹脂0.5〜300重量部、およびエポキシ樹脂硬化剤0.1〜200重量部を含有する接着剤組成物。
(2) 前記発泡体が、エチレン酢酸ビニル樹脂またはアクリル樹脂である上記(1)に記載の接着剤組成物。
(3) 前記充填剤が、エチレン酢酸ビニル樹脂炭酸カルシウム発泡体である上記(1)または(2)に記載の接着剤組成物。
(4) 前記発泡体の粒径が、0.1〜2.5mmである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の接着剤組成物。
(5) 前記変成シリコーン樹脂が、末端にジメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレンである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の接着剤組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、熱やアルカリ環境下において最大引張り強さ、最大伸びといった材料物性の変化率が小さく安定している接着剤組成物を提供するものであり、以下の態様を含む。
本発明の第1の態様は、変成シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、および、特定の嵩比重を持つ充填剤を必須成分とする接着剤組成物である。
本発明の第2の態様は、変成シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、および、特定の嵩比重を持つ充填剤を必須成分とする接着剤組成物である。
本発明の第3の態様は、変成シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、および、硅砂を必須成分とする接着剤組成物である。
本発明の第4の態様は、変成シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤、および、硅砂を持つ充填剤を必須成分とする接着剤組成物である。
【0008】
本発明の第1〜4の態様に用いる変成シリコーン樹脂とは、珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素原子含有基を有するポリオキシアルキレンをいうが、アルコキシ基が少なくとも1つ結合し、炭素数1〜20の炭化水素基が結合してもよい珪素原子からなる加水分解性珪素官能基を末端に有するシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
より具体的には、末端にジメトキシシリル基等を有するポリオキシアルキレンが例示され、例えば、メチルジメトキシシリル末端ポリプロピレンオキシド等が使用できる。これらの変成シリコーンは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
このような変成シリコーン樹脂としては、市販品が利用でき、例えば、鐘淵化学工業社製のMSポリマーやサイリルが例示される。
【0009】
本発明の第1〜4の態様に用いる変成シリコーン樹脂用触媒としては、変成シリコーン樹脂用の硬化触媒として用いられる公知の触媒が使用可能であり、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート等のカルボン酸金属塩、有機錫酸オルガノシロキシチタン等の有機チタン酸エステル、アミン類、4級アンモニウム塩、グアニジン化合物等が挙げられる。変成シリコーン樹脂用触媒として市販品を利用することができ、例えば、SCAT−1(三共有機合成(株)製)等が好適に使用できる。
本発明の第1〜4の態様に係る接着剤組成物における変成シリコーン樹脂用触媒の含有量は、共に、前記変成シリコーン樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部であり、0.1〜10重量部が好ましい。この範囲であれば得られる本発明の接着剤組成物の硬化性が良好だからである。
【0010】
本発明の第1および第2の態様に用いる特定の嵩比重を持つ充填剤とは、比較的大粒径の発泡体の少なくとも表面に無機剤が存在する(付着した)充填剤である。
発泡体は、有機系、無機系いずれでもよく特に限定はないが、後述する本発明の接着剤組成物の他の必須成分と充填剤を混練する際に、発泡体が壊れないことが必要で、この観点から、特に、エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等の有機系の発泡体が好ましい。エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂としては、特に限定はない。
発泡体の粒径は、0.1〜2.5mmが好ましく、0.3〜1.5mmがより好ましい。この範囲内であれば、本発明の接着剤組成物の作業性が良好となるからである。また、上記より好ましい範囲で粒径を選択すると、熱環境下、アルカリ環境下、あるいはこれらの過酷な条件下ではない通常の常温の環境下といった、異なった環境間での最大伸びの変化率を小さくすることができ、接着性への信頼性が高くなる。
発泡体の少なくとも表面に存在する無機剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が挙げられるが、特に取扱いが容易であることから炭酸カルシウムが好ましい。無機剤は、少なくとも発泡体の表面に付着していればよく、発泡体の内部に混在していてもよい。
このような発泡体と無機剤からなる充填剤の嵩比重は、0.5以下であり、0.3以下が好ましい。この範囲以内であれば、本発明の接着剤組成物の塗布作業の軽減ができるからである。
本発明の第1および第2の態様に係る接着剤組成物における充填剤の含有量は、前記変成シリコーン樹脂100重量部に対し、0.1〜200重量部であり、10〜40重量部が好ましい。この範囲内であれば、得られる本発明の接着剤組成物の最大引張り強さを、熱環境下やアルカリ環境下でも、従来の有機系接着剤に比してさほど損なうことなく、かつ、最大引張り強さ、最大伸びといった材料物性の変化率を、従来の有機系接着剤に比して低減化し安定化し、良好な値を示すことができ、また、接着剤組成物の十分な塗布厚を確保しつつ、樹脂の粘りが低減化され、従来の有機系接着剤の持っていた塗布しにくさが軽減されるからである。
このような充填剤としては、市販品が利用でき、例えば、(有)イワサキ壁材製のエチレン酢酸ビニル炭酸カルシウム発泡体(商品名:EVA W−24)が例示できる。
【0011】
本発明の第3および第4の態様においては、上記第1および第2の態様で用いられる発泡体を含む充填剤の代わりに、珪砂を充填剤として用いる。
本発明の第3および第4の態様に係る接着剤組成物に用いる珪砂とは、セキエイ粒を主とする砂で、SiO2 90%を含み、ほかに長石、ジルコン、ジテッ鉱等を含むものである。本発明に用いる珪砂としては、特に粒径の限定はない。
本発明の第3および第4の態様に係る接着剤組成物における、珪砂の含有量は、前記変成シリコーン樹脂100重量部に対し、10〜500重量部であり、50〜200重量部が好ましい。この範囲内であれば、得られる本発明の接着剤組成物の最大引張り強さを、熱環境下やアルカリ環境下でも、従来の有機系接着剤に比して向上させることができ、かつ、最大伸びの変化率は、従来の有機系接着剤に比して低減化され安定化される。また、接着剤組成物の十分な塗布厚を確保できる。また、この範囲であると、接着剤組成物を塗布する際に樹脂特有の粘りが低減化され、サクサクとした感触で塗布することができる。
用いる珪砂は、最大粒径が2.5mm以下の珪砂が好ましく、このような珪砂としては、市販品が利用でき、例えば、山一サンド工業(株)製の珪砂5号、6号、7号等を好適に使用することができる。
【0012】
本発明の第2および第4の態様に用いるエポキシ樹脂としては、エポキシ基を1分子中に2個以上持つポリエポキシであれば、特に制限はない。
例えばビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びその誘導体、グリセリンのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうちビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、汎用のエポキシ樹脂として好適に用いられる。
本発明の第2および第4の態様に係る接着剤組成物におけるエポキシ樹脂の含有量は、共に、前記変成シリコーン樹脂100重量部に対し、0.5〜300重量部であり、40〜100重量部が好ましい。この範囲内であれば、得られる本発明の接着剤組成物は良好な接着性を示し、かつ、適度な弾性も有する。また、最大引張り強さも向上する。
【0013】
本発明の第2および第4の態様に用いるエポキシ樹脂硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる公知の硬化剤が使用可能であり、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンアミン、メンタンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等のアミン系化合物、エポキシ樹脂−ジエチレントリアミンアダクト、アミン−エチレンオキサイドアダクト、シアノエチル化ポリアミン等の変性脂肪族ポリアミン、ビスフェノールA、トリメチロールアリルオキシフェノール、エポキシ化もしくはブチル化フェノール樹脂、メチロール基含有尿素樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂等のアミノ樹脂、メルカプト基を2個有するポリスルフィド樹脂、無水フタル酸、無水ピロメリット酸等の有機酸もしくはその無水物等が挙げられる。アミン系化合物は、一級、二級、三級いずれでもよく、ケチミン等の潜在性硬化剤も使用できる。
エポキシ樹脂硬化剤として市販品を利用することができ、例えば、セイクオールTDMP(精工化学(株)製)、エピキュアH−3(油化シェルエポキシ(株)製)等が好適に使用できる。
本発明の第2および第4の態様に係る接着剤組成物におけるエポキシ樹脂硬化剤の含有量は、共に、前記エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜200重量部が好ましく、1〜100 重量部がより好ましい。この範囲であれば得られる本発明の接着剤組成物の硬化性が良好だからである。
【0014】
本発明の第1〜第4の態様に係る接着剤組成物には、上述の特定の充填剤に加え、本発明の目的を損なわない範囲において、通常用いられる充填剤を併用してもよい。このようなその他の充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;あるいはカーボンブラック、あるいはこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等が挙げられる。
併用する場合は、前記変成シリコーン樹脂100重量部に対し、最大500重量部が好ましい。この範囲であれば、十分な塗布厚を確保でき、また、接着剤組成物の粘度をあまり上げずに良好な作業性を確保することができるからである。
【0015】
また、本発明の第1〜第4の態様に係る接着剤組成物は、上述した化合物の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、可塑剤、チクソトロピー付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着付与剤、分散剤、溶剤等の添加剤を配合してもよい。
【0016】
本発明の第1〜第4の態様に係る接着剤組成物の製造方法は、特に限定されないが、好ましくは上述の各成分を、それぞれ主剤と硬化剤とに別けて、減圧した窒素雰囲気下に、混合ミキサー等の攪拌装置を用いて十分混練し、均一に分散させて接着剤組成物とし、使用時に主剤と硬化剤とを混合して用いてもよい。また、全成分を一緒に混合して、1成分系の接着剤とし、使用時に混合せずそのまま用いてもよい。
【0017】
このようにして得られる本発明の第1の態様に係る接着剤組成物は、変成シリコーン樹脂と、特定の嵩比重を持つ無機系の表面を有する充填剤と、変成シリコーン樹脂用触媒とを必須成分とするという構成を採ることにより、従来の有機系接着剤に対し、同等の最大引張り強さを示しつつ、かつ、熱環境下やアルカリ環境下でも最大伸びの変化率を低減化し安定化することができ、接着性への信頼性が高い。また、十分な塗布厚を確保しつつ、低比重化でき塗布作業が軽減化ができる。発泡体を含む充填剤を用いているので、従来の有機系接着剤に比べ粘りが少なく塗布がしやすい。
変成シリコーン樹脂と、特定の嵩比重を持つ無機系の表面を有する充填剤と、変成シリコーン樹脂用触媒とに加え、さらにエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を含有する本発明の第2の態様に係る接着剤組成物は、熱環境下やアルカリ環境下でも最大伸びの変化率を低減化し安定化することができ、さらに最大引張り強さが向上する。
【0018】
また、上述のようにして得られる本発明の第3および第4の態様に係る接着剤組成物は、変成シリコーン樹脂と、珪砂と、変成シリコーン樹脂用触媒とを必須成分とする構成を採ることにより、上述のような従来の有機系接着剤に対し、同等の接着強さを示しつつ、より良好な最大引張り強さを示し、かつ、熱環境下やアルカリ環境下に対し、最大伸びの変化率を、低減化して安定化することができる。さらに、このように最大引張り強さを保持しながら厚みが確保でき、塗布作業性が良好である。
変成シリコーン樹脂と、硅砂と、変成シリコーン樹脂用触媒とに加え、さらにエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を含有する本発明の第4の態様に係る接着剤組成物は、熱環境下やアルカリ環境下でも最大伸びの変化率を低減化し安定化でき、最大引張り強さが特に優れる。
【0019】
【実施例】
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
下記表1に示す配合で各成分を混合して組成物を得た。得られた組成物について、以下に示す条件下で養生した後、接着性および皮膜物性(引張り強さ、最大伸び)を測定した。結果を表1に示す。また、図1、2に実施例1、7と比較例1で得られた組成物、図3、4に実施例3、4と比較例2で得られた組成物について、各条件下で養生した後の最大強度比と最大伸び比を図示する。
<接着強さ>
モルタル2片の一方に実施例1〜6、比較例1〜3で得られた組成物を接着面積6cm2 となるように塗布し、もう一方のモルタル片を圧着し、これらがH型状になるようにし、テープで固定し、この状態で常温下14日間養生後、得られた2片1組のモルタル片を試験片とした。引張り速度を20mm/minとして接着強さを測定した。表中、CFは、凝集破壊(接着剤の破壊)を表す。
<皮膜物性(引張り強さと最大伸び)>
組成物の硬化物を以下に示す3条件下で養生し、JIS K 7113に記載の方法に準拠して、ダンベル2号型試験片を用い、引張り速度20mm/minで、引張り強さと最大伸びを測定した。表中、括弧内の値は、初期養生での測定値に対する変化率(百分率)である。
▲1▼ 初期養生:20℃で7日間養生
▲2▼ アルカリ温水:初期養生後、水酸化カルシウム飽和水溶液に浸漬して、60℃で7日間養生
▲3▼ 熱劣化:初期養生後、80℃で7日間養生
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
<表中の各成分>
変成シリコーン樹脂:カネカMSポリマーS303 (鐘淵化学工業(株)製)
エポキシ樹脂:エポトートYD−128(東都化成(株)製)
変成シリコーン樹脂硬化剤:SCAT−1(三共有機合成(株)製)
エポキシ樹脂硬化剤:セイクオールTDMP(精工化学(株)製)
エピキュアH−3(油化シェルエポキシ(株)製)
エチレン酢酸ビニル炭酸カルシウム発泡体:EVA W−24(有)イワサキ壁材社製、粒径0.7mm、嵩比重0.2)
(表中、エチレン酢酸ビニルをEVAと記す)
炭酸カルシウム:カルファイン200M(丸尾カルシウム(株)製)
シランカップリング剤(アミノシラン):A1120(日本ユニカー(株)製)
【0023】
表1と図1、2の結果から分かるように、実施例1で得られた変成シリコーン樹脂と、変成シリコーン樹脂用触媒と、エチレン酢酸ビニル炭酸カルシウム発泡体を含む組成物は、比較例1で得られた変成シリコーン樹脂と、変成シリコーン樹脂用触媒を含み、エチレン酢酸ビニル炭酸カルシウム発泡体を含まない組成物に比して、引張り強さは損なわれることなく同等であり、最大伸びの変化率を低減化した。また、各養生における最大伸びの変化率が小さい。
また、表1と図3、4の結果から分かるように、実施例3、4で得られた変成シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、エチレン酢酸ビニル炭酸カルシウム発泡体、エポキシ樹脂、およびエポキシ樹脂硬化剤を含む組成物は、比較例2で得られた変成シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、エポキシ樹脂、およびエポキシ樹脂硬化剤を含み、エチレン酢酸ビニル炭酸カルシウム発泡体を含まない組成物に比して、引張り強さが向上し、最大伸びの変化率が低減化した。
【0024】
(実施例7〜12、比較例4〜6)
下記表2に示す配合で各成分を混合して組成物を得た。得られた組成物について、各条件下で養生した後、接着性および皮膜物性を測定した。養生の各条件は実施例1〜6と同じ条件である。結果を表2に示す。また、図1、2に実施例7と比較例4で得られた組成物、図5、6に実施例8、9で得られた組成物と比較例5で得られた組成物について、各条件下で養生した後の最大強度比と最大伸び比を図示する。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
<表中の各成分>
変成シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、エポキシ樹脂硬化剤、炭酸カルシウム、シランカップリング剤は実施例1〜8で用いたものと同じものを使用した。
硅砂:山一サンド工業(株)製の硅砂5号、6号を、硅砂5号:6号=1:1の割合で混合したものを用いた。
【0028】
表2と図1、2の結果から分かるように、実施例7で得られた変成シリコーン樹脂と、変成シリコーン樹脂用触媒と、硅砂を含む組成物は、比較例4で得られた変成シリコーン樹脂と、変成シリコーン樹脂用触媒を含み、硅砂を含まない組成物に比して、引張り強さが向上し、最大伸びの変化率が低減化した。また、表2と図5、6の結果から分かるように、実施例8、9で得られた変成シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、硅砂、エポキシ樹脂、およびエポキシ樹脂硬化剤を含む組成物は、比較例5で得られた変成シリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂用触媒、エポキシ樹脂、およびエポキシ樹脂硬化剤を含み、硅砂を含まない組成物に比して、引張り強さが特に向上し、最大伸びの変化率が低減化した。
【0029】
【発明の効果】
本発明の第1〜第4の態様に係る接着剤組成物は、変成シリコーン樹脂を含有し弾性を有する。また、従来の樹脂のみ、あるいは樹脂と共に充填剤として通常のものを含有する有機系接着剤に対して、同等の最大引張り強さを示し、かつ、熱環境下や、アルカリ環境下においても、従来の有機系接着剤に比べ、最大引張り強さを損なうことなく、最大伸びの変化率を低減化して安定化することができ、接着性への信頼性が高い。従来の有機系接着剤に比べ粘りが少なく塗布しやすい。
特定の嵩比重をもつ発泡体を含む充填剤を含有する本発明の第1および第2の態様に係る接着剤組成物は、特に、熱環境下、アルカリ環境下の各条件下でも各条件間の最大伸びの変化率の差が極めて小さく、材料物性が安定している。さらに、十分な塗布厚を確保しながら低比重化でき塗布作業が軽減化ができる。
本発明の第1の態様に係る接着剤組成物に、さらにエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を含有する構成の本発明の第2の態様に係る接着剤組成物では、上記効果に加え、さらに最大引張り強さが向上するという効果が得られる。
珪砂を含む本発明の第3および第4の態様に係る接着剤組成物は、最大引張り強さが向上し、さらに、熱環境下、アルカリ環境下の各条件下でも、各条件間の最大伸びの変化率の差が小さい。
本発明の第3の態様に係る接着剤組成物に、さらにエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を含有する構成の本発明の第4の態様に係る接着剤組成物では、最大引張り強さが特に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1、7と比較例1(比較例4と共通)で得られた組成物の各養生条件下での最大強度比を示すグラフである。
【図2】 実施例1、7と比較例1(比較例4と共通)で得られた組成物の各養生条件下での最大伸び比を示すグラフである。
【図3】 実施例3、4と比較例2で得られた組成物の各養生条件下での最大強度比を示すグラフである。
【図4】 実施例3、4と比較例2で得られた組成物の各養生条件下での最大伸び比を示すグラフである。
【図5】 実施例8、9と比較例5で得られた組成物の各養生条件下での最大強度比を示すグラフである。
【図6】 実施例8、9と比較例5で得られた組成物の各養生条件下での最大伸び比を示すグラフである。
Claims (5)
- 変成シリコーン樹脂100重量部に対し、変成シリコーン樹脂用触媒0.1〜20重量部、発泡体の表面に無機剤が存在する嵩比重が0.5以下の充填剤0.1〜200重量部、エポキシ樹脂0.5〜300重量部、およびエポキシ樹脂硬化剤0.1〜200重量部を含有する接着剤組成物。
- 前記発泡体が、エチレン酢酸ビニル樹脂またはアクリル樹脂である請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記充填剤が、エチレン酢酸ビニル樹脂炭酸カルシウム発泡体である請求項1または2に記載の接着剤組成物。
- 前記発泡体の粒径が、0.1〜2.5mmである請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
- 前記変成シリコーン樹脂が、末端にジメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレンである請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
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