JP3976334B2 - B群れんさ球菌の多くの菌株に対する免疫を与える細胞表面タンパク質であるタンパク質Rib、そのタンパク質の精製方法、薬剤キットおよび医薬組成物 - Google Patents

B群れんさ球菌の多くの菌株に対する免疫を与える細胞表面タンパク質であるタンパク質Rib、そのタンパク質の精製方法、薬剤キットおよび医薬組成物 Download PDF

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Description

本発明は、B群れんさ球菌(group B streptococcus)の大部分の侵入性菌株に対する免疫を与える、Ribと呼称される新規なタンパク質〔ならびにそのサブフラグメント、変異体および多重体(multiple)〕、そのタンパク質の精製方法、そのタンパク質に特異的な抗体、薬剤キット、ならびに該タンパク質またはそのフラグメントを含有する医薬組成物に関する。
最近の30年間に、西欧世界に、新生児の疾患の主原因としてB群れんさ球菌が出現した。米国だけで、この細菌で起こる侵入性疾患は一年間当り約10000の症例がある。これらの感染症は、全死亡率が約20%であり、そして生残る小児の多くには永久的な神経後遺症がみられる。これらの知見から、予防法と治療法を見つけかつB群れんさ球菌が感染症を起こす機構を分析するため大きな努力がなされている。
全女性の約20%はB群れんさ球菌の腟内保菌者であり、母体生殖器官からの垂直伝播が恐らく、この細菌によって起こる新生児の疾患の最も普通の感染源であろう。しかし、出産時、B群れんさ球菌が定着している小児の1〜2%しか重篤な感染症にかからない。それ故、出産中この細菌に暴露されること以外の要因が新生児疾患の発生に関与しているに違いない。感染した小児の母はIII型きよう膜に対する抗体のレベルが大幅に低いが、このことはこれらの抗体が新生児疾患に対して防御するのに重要であることを意味している(Baker,C.J.およびD.L.Kasper,N.Engl.J.Med.,294巻、753頁、1976年)。
B群れんさ球菌の菌株は、その多糖類のきよう膜の構造に基づいて4種の主要血清型(Ia、Ib、IIおよびIII)に区分されている(Baker,J Inf Dis,161巻、917頁、1990年)。血清型I、IIおよびIIIは、通常のフローラ中の細菌内でほぼ等しい比率で発生するが、III型は侵入性感染症由来のすべての分離菌の約2/3を占めている。そのきよう膜は公知の毒性因子であるからかなり詳細に研究されており、特にIII型菌株のきよう膜が詳細に研究されている。III型の多糖類きよう膜が必須成分であるワクチンを開発する努力がなされている。しかし多糖類のきよう膜をワクチンとして使用すると、ヒトの組織と交差反応を起こすので問題がある(Pritchardら、Infect Immun,60巻、1598頁、1992年)。したがって、多糖類以外のタンパク質に基づいたワクチンを開発できれば非常に有益である。
またB群れんさ球菌は雌ウシの乳腺炎も起こす、これは、経済的に非常に重大なウシの疾患である。したがってB群れんさ球菌感染症に対するワクチンを開発することは獣医学の面でも大切である。
2種のB群れんさ球菌細胞表面タンパク質すなわちαタンパク質とβタンパク質がすでに詳細に研究されている。これらのタンパク質は、これらタンパク質を発現する菌株に対する防御免疫を与えるが、III型の菌株(大部分の重篤な感染症を起こす)は通常これらのタンパク質を発現しないので、B群れんさ球菌の疾患に対する重要性は限られたものになっている。
本発明は一つのれんさ球菌の細胞表面タンパク質、およびその変異体とサブフラグメントに関する。このタンパク質は、タンパク質Ribと呼称されているが、別個の95KDのタンパク質として血清型IIIのB群れんさ球菌から単離した。タンパク質Ribは、血清型IIIのB群れんさ球菌菌株のほとんどすべてと、II型のような他の血清型の少数の菌株とによって発現される。タンパク質Ribを精製する方法を考案し、そしてタンパク質Ribを発現する菌株による致死感染症に対して、このタンパク質の抗体が防御することを立証した。
また本発明は、タンパク質Ribを発現する細菌すなわち特に血清型IIIのB群れんさ球菌の菌株で起こる感染症に対して防御する性能を有する、該タンパク質の天然産のおよび人工的に修飾した変異体、サブフラグメントおよび多重体に関する。
また本発明は、非ヒトの宿主生物中に挿入して前記宿主から発現させるのに適切な、タンパク質Ribならびにその変異体、サブフラグメントおよびフラグメントの遺伝コードを含有しているプラスミド、コスミドまたはファージのようなベクターに関する。本発明は特に、寄託番号がそれぞれDSM9039,9040および9041である3種のファージクローンすなわちλRib1−3、λRib1−5およびλRib1−7に関する。
また本発明は、タンパク質Ribならびにその変異体、サブフラグメント、フラグメントおよび多重体をコードするDNA配列であって、プラスミド、コスミドまたはファージのような適切なベクター中に挿入できるDNA配列に関する。このDNA配列は、寄託されているファージ類であるλRib1−3、λRib1−5またはλRib1−7から得ることができる。
Ribタンパク質は各種のIII型菌株によって発現される。いくつもの異なる菌株から調製した抽出液を、ウエスタンブロッティング法で分析用抗Rib血清を用いて分析したところ、ほとんどすべての抽出液はタンパク質Ribを含有していたが、そのタンパク質の分子量は、65KD〜125KD(データは記載していない)の間を変動していることが分かった。大きさの変動は他のB群れんさ球菌タンパク質であるαタンパク質とβタンパク質についてもすでに報告されているので上記の結果は予想外のことではなかった。
入手可能なデータは、このタンパク質は単位体(unit)の多重体で構成され、各単位体は約9KDの分子量に相当している。したがって本発明には、95KDのタンパク質のサブフラグメントと多重体または同じ特性を有する基本単位体のサブフラグメントおよび多重体が含まれる。変異体には、該タンパク質を発現する細菌によって起こる感染症に対して防御する性能を変えることなくアミノ酸を置換もしくは挿入したものが含まれる。
B群れんさ球菌の菌株は公知であり、感染したヒトの血液から単離することができる。本発明の発明者らが使用したBM110菌株は、S.Mattingly博士(テキサス州、サンアントニオ所在のテキサス大学)から入手した。本願で引用する菌株はすべて、ルンド大学およびルンド大学付属病院の本発明の発明者らから入手できる(Gunnar Lindahl博士、スエーデン、S22362ルンド、Soelvegatan 2−3、医学微生物学部)。
タンパク質Ribは、血清型IIIのB群れんさ球菌の菌株、好ましくは菌株BS30またはBM110から単離することができる。また本発明はタンパク質Ribの精製方法に関する。
該タンパク質は以下の手順で単離することができる。すなわち該タンパク質を発現するB群れんさ球菌菌株を培養し、培地および/または該微生物を単離し、該細菌を酵素好ましくはムタノリシンで消化し、プロテアーゼインヒビターを任意に添加し、消化された細菌を上澄み液から分離し、次いでその上澄み液からタンパク質Ribを抽出する。培地は、例えばトッド・ヒューイットブロス(Oxoid)のごときれんさ球菌を培養するのに適したいずれの培地でもよく、そして細胞は1〜30時間とくに12〜20時間培養することが好ましい。酵素好ましくはムタノリシンによる消化は、1〜30時間、特に10〜20時間、好ましくは15〜18時間、20〜40℃好ましくは37℃で、振盪せずに実施する。該タンパク質は培地から単離することができ、このような場合、細胞壁を破るのに使用される酵素で消化する必要はない。塩化ベンズアミジン、ヨード酢酸またはフェニルメチルスルホニルフルオリドのようなプロテアーゼインヒビターを添加して、ムタノリシンを汚染しているかまたは微生物中に存在していることがあるプロテアーゼからの作用を防止する。
該タンパク質は、イオン交換クロマトグラフィー好ましくはアニオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過法によって精製することができ、該タンパク質を含有する画分を当該技術分野で確立された方法にしたがって収集する。
本発明は特に、実質的に純品のタンパク質Ribまたはそのサブフラグメントに関する。“実質的に純品の”という用語を、本発明の発明者らは、医薬として有害な物質を含有していない物質と理解している。
また本発明は、タンパク質Ribならびにそのサブフラグメント、変異体または多重体に対応する抗体に関する。抗原で、本発明の場合タンパク質Ribで動物を免疫化し、その血液を収集し、その血清を単離し、次いで該タンパク質と反応する抗体を使用する方法は公知である。この抗体を含有する血清またはIgG画分は該タンパク質を分析するのに使用できる。
タンパク質Ribに対する抗体はB群れんさ球菌菌株による致死感染症に対して防御することができるので、このような抗体のレベルを測定する方法は、例えば妊婦が乳児をかような感染症から防御するのに充分な抗体をもっているか否かを推定するのに有益である。タンパク質Ribまたはそのサブフラグメントは該タンパク質に対するかような抗体を検出するのに用いることができる。したがって本発明は、タンパク質Ribまたはそのサブフラグメントが入っている薬剤キットに関する。
タンパク質Ribの存在について各種の試料を分析することも重要である。該タンパク質に対する抗体はこの目的のために使用できる。それ故、本発明はタンパク質Ribまたはそのサブフラグメントに対する抗体が入っている、該タンパク質を検出するのに用いる薬剤キットに関する。薬剤キットには、該抗体を含有する上記血液の画分のいずれかが入っている。またその薬剤キットには、標準として用いる該タンパク質、そのサブフラグメントまたは多重体も入っている。
タンパク質Ribの特性は、このタンパク質がB群れんさ球菌に対するワクチンを開発するのに用いることができることを示している。したがって本発明は、該タンパク質またはそのフラグメントを活性成分として含有しならびに医薬として許容される佐剤と賦形剤を含有していてもよい医薬組成物に関する。医薬として許容される適切な佐剤はこの技術分野で通常用いられる佐剤である。適切な賦形剤の例をいくつか挙げるとマンニトール、ラクトース、デンプン、グルコースなどがある。佐剤と賦形剤として挙げる例によって本発明は限定されない。
本発明は下記の添付図面によってさらに詳細に説明する。
図1は、4種の主要血清型を示すB群れんさ球菌菌株(Ia型:菌株A909;Ib型:SB35;II型:B128−4;III型:BS30)から調製した抽出物のウエスタンブロット法による分析結果を示す。その免疫ブロットに示すように、Ia型とIb型の菌株はαとβのタンパク質を発現し、これらのタンパク質の染色ゲル中の位置を矢印で示す(下側矢印:α抗原;上側矢印:β抗原)。III型菌株BS30の95KDのタンパク質Ribの染色ゲル中の位置は星印で示す。分子量マーカーはKDの単位で左側に示す。
図2Aと2BはIII型菌株BS30由来のタンパク質Ribの精製を示す。(図2A)予め行ったDEAEイオン交換クロマトグラフィーで部分的に精製したムタノリシン抽出物を、DEAE Bio−Ge1Aの30mlカラムを用いるイオン交換クロマトグラフィーに付した。すなわち10mMトリス、pH8.0中のNaClの直線勾配液(800ml)次いで1M NaCl(60ml)で溶出した。斜線領域がタンパク質Ribを含有する画分を示す。挿入図はSDS-PAGEで分析したタンパク質Rib含有画分のプールを示し、分子量マーカーをKD単位で左側に示し、そしてタンパク質Rib(95KD)の位置を矢印で示してある。(図2B)上記イオン交換クロマトグラフィー由来のタンパク質Rib含有画分のプールを、セファロースCL6Bのカラム(4.2×90cm)を用いるゲル濾過に付した。斜線領域はタンパク質Ribを含有する画分を示し、挿入図はSDS−PAGEによって分析したこれら画分のプールを示す(Voはボイドの容積;Vtは全容積)。
図3A、3Bおよび3Cは、α、βおよびRibのタンパク質を細胞表面が発現する、4種の主要血清型のB群れんさ球菌菌株の分析結果を示す。5種の菌株:A909(Ia型);SB35(Ib型);B1284(II型);BS30(III型);およびBM110(III型)を試験した。これら5種の菌株に用いた記号をパネルCに示す。細菌の懸濁液を、図に示すように、異なる希釈度の、α、βまたはRibのタンパク質に対するウサギ抗血清とともにインキュベートした。X軸の数字は細菌混合物中の最終抗体希釈度を示す。捕捉された抗体は、放射能標識を付けたプロテインGとともにインキュベートすることによって検出した。免疫前ウサギ血清を含有する対照をすべての試験に含めたが、すべての場合、完全に陰性であった。
図4は、精製タンパク質に対して生成したウサギ抗血清で、α、βおよびRibの精製タンパク質のウエスタンブロット分析を行った結果を示す。抗血清は1:1000の希釈度で使用し、そして捕捉された抗体は放射能標識を付けたプロテインGで検出した。分子量のマーカーをKD単位で左側に示してある。
図5は、トリプシンまたはペプシンで処理したα、βおよびRibの精製タンパク質のSDS−PAGE分析結果を示す。トリプシンによる処理はpH7.5で行い、ペプシンによる処理はpH4.0で行った。試料を中和してからSDS−PAGE分析に付した。対照はトリプシンまたはペプシンを含有する試料と同じ方式で処理したが酵素は全く添加しなかった。このような処理ではタンパク質の分解は全く起こらなかった。P=ペプシン;T=トリプシン。分子量マーカーをKDの単位で左側に示す。
図6A、6Bおよび6Cは、菌株BM110由来のrib遺伝子のクローン化と、エシェリキア・コリ(Escherichiacoli)内でのタンパク質Ribの発現の結果を示す。(図6A)7種のλクローンのウエスタンブロット分析の結果。抗Ribとともにインキュベートした。(図6B)菌株BM110由来の染色体DNAの制限消化。(図6C)Ribを発現するλ−クローンλrib3の制限消化。
異なる血清型のいくつもの菌株のムタノリシン抽出物を、SDS−PAGEに付し次いでαとβのタンパク質に対する抗血清を用いて免疫ブロッティングを行うことによって、分析した(実施例1参照)。4種の主要血清型を示す4種の菌株で得た試験結果を図1に示す。αタンパク質とβタンパク質は、Ia型菌株とIb型菌株の両者によって発現されるが、染色ゲルの高分子量領域に別個のバンドを生成した。これらのタンパク質は2種の菌株間で大きさが異なり、これは先の観察結果と一致している。高分子量領域における主要タンパク質種はIII型菌株から調製した抽出物中に存在していたが、この菌株はαタンパク質またはβタンパク質を発現しない。高分子量のかような別個のタンパク質種は他のIII型菌株の抽出物中にもみとめられ、そしてそのタンパク質は異なる菌株間では大きさが変化して出現した。αタンパク質とβタンパク質はこのように類似しているので、III型菌株の高分子量タンパク質を一層詳細に研究することが重要になった。菌株BS30をこの研究用に選択した。というのはこの菌株はマウス毒性であることが知られていたからである。この菌株が発現した95KDのタンパク質(図1)を、イオン交換クロマトグラフィーの二つの連続ステップ次いでゲル濾過法を用いて(図2)、ムタノリシン抽出物から精製した(実施例2)。95KDのタンパク質の存在について、画分をSDS−PAGEで分析した。ゲル濾過で得た妥当な画分をプールし分析したところ、二つのタンパク質種だけが見出された。すなわち大きい95KDのタンパク質と小さい90KDのタンパク質である(図2B中の挿入図参照)。この90KDのタンパク質は恐らく95KDのタンパク質の分解生成物であろう。というのはこれらの二つのタンパク質は同じNH2末端配列を有していることがその後に分かったからである。この精製されたタンパク質はタンパク質Ribと呼称される(resistance to prot eases,immunity,group B)。95KD型のタンパク質Ribに対する抗血清は、SDS−PAGEのゲルから切り取ったスライスでウサギを免疫化することによって調製した。
タンパク質Ribが細胞表面タンパク質であるか否かを分析するため、4種の主要血清型を示す菌株について、抗Rib血清を捕捉する性能を試験した(図3)。試験した5種の菌株は上記の4種の菌株と追加のIII型菌株BM110であり、BM110は高毒性のIII型クローンのメンバーである。比較のため、これら5種の菌株も、これらタンパク質の高度に精製した製剤に対する抗血清を用いて、αタンパク質とβタンパク質の発現について試験した。
抗α血清は予想どおりIaとIbの菌株と強く反応し、またIII型の二つの菌株とは弱く反応した(図3C)。しかし、III型菌株のムタノリシン抽出物は、ウエスタンブロット法で分析したところ検出可能なαタンパク質を含有していなかった。したがって、抗α血清のIII型の全細菌との弱い反応性は、ある種の他の細胞壁成分との交差反応性を示すようである。これらのデータは、抗α血清との反応性は、菌株が細胞表面にα抗原を発現するか否かを明確に分析するのに使用できることを示している。類似のデータを抗β血清によって得た(図3B)。
タンパク質Ribに対する抗血清は上記2種のIII型菌株と反応したがIaとIb型の菌株とは反応しなかった(図3A)。中間レベルの結合性がII型菌株にみとめられた。分析用抗Rib血清を用いて、5種の菌株のムタノリシン抽出物をウエスタンブロット法で分析したところ、III型菌株の抽出物は強く反応して95KDの位置に大きなブロッティングバンドを示したが、他の3種の菌株の抽出物は反応性が完全に欠除していた(データは示していない)。この結果は、抗Rib血清のII型菌株との中位の反応性は交差反応性が原因でありこの反応性はウエスタンブロットの条件下では消失したことを示している。本発明の発明者らは、タンパク質Ribは上記2種のIII型菌株の細胞表面に発現されるが残りの3種の菌株の細胞表面には発現されないと結論するものである。
公知の血清型の合計58個の菌株(これらはすべて侵入性感染症から単離した)を、タンパク質Ribに対する抗体を捕捉する性能について試験した(表1、実施例6参照)。また各菌株はαとβのタンパク質に対する抗体を捕捉する性能について試験した。多数の菌株の試験を簡素化するため、各抗血清は、図3に示すデータに基づいて選択した1000倍希釈度一つだけで試験した。この種の分析によって、実施例6の表1に要約した明確な結果が得られた。タンパク質Ribは、33個のIII型菌株のうち31個の細胞表面および13個のII型菌株のうち1個の細胞表面に見出されたが、12個のIa型とIb型の菌株のいずれからも発見されなかった。
細胞表面上にタンパク質Ribを欠除している菌株が、該タンパク質を倍地中に放出することがありうると思われた。したがって、表1に列挙した58個の菌株の培養物の上澄み液を、分析用抗Rib血清を用いてドットブロット法で分析した。タンパク質Ribは、細胞表面に該タンパク質を発現しない26個のすべての菌株の上澄み液中に検出されなかったが、細胞表面に該タンパク質を発現する32個の菌株のうち26個の上澄み液中に見出された(データは記載していない)。
タンパク質Ribに対するウサギ抗体がB群れんさ球菌による致死感染症に対して防御できるか否かを試験するため、マウスの防御モデルを使用した(表2、実施例7)。対照の動物は、提示しているように、αタンパク質に対する抗血清または免疫前の血清を投与された。得られたデータは、タンパク質Ribに対する抗血清が、タンパク質Ribを発現する菌株による致死感染症に対してマウスを防御することを示している。
タンパク質Ribはαタンパク質およびβタンパク質と同様に防御免疫を与えるため、これら3種のタンパク質を比較することは重要であった。分析用の精製タンパク質に対する抗血清を用いてウエスタンブロット試験を実施した(図4)。染色ゲルは、これら3種のタンパク質が高度に精製されて各製剤中に一つの主要種として含有されていることを示したが、ウエスタンブロットに示すように、これら3種のタンパク質間に血清学的交差反応は全くなかった。
αタンパク質とβタンパク質は、本来、プロテアーゼ感受性の差によって識別された。αタンパク質はトリプシンに対して耐性であるがペプシンに対して感受性であり、一方βタンパク質はこれら両者のプロテアーゼに対して感受性である(BevangerおよびMaeland,Acta Path Microbiol Scand Sect B、87巻、51頁、1979年)。精製したαタンパク質とβタンパク質による試験で、上記の差を確認しまたタンパク質Ribがトリプシンとペプシンの両者に対して耐性であることを立証した(図5)。予想どおりに、これら3種のタンパク質はすべてプロテイナーゼKによる分解に対して感受性であった(データは示していない)。タンパク質Ribのプロテアーゼ耐性はインヒビターが存在するためではない。というのは、βタンパク質は、タンパク質Ribの存在下でもトリプシンとペプシンの両者によって完全に分解されたからである(データは提示していない)。
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されない。
実施例 1 タンパク質の同定
4種の主要血清型を示す4種のB群れんさ球菌菌株を参考菌株として使用した。すなわちA909、Ia/c型;SB35、Ib型;B1284、II型;BS30、III型である。BS30菌株は、ルンド大学の大学病院で、新生児疾患がみられる男児から単離した。細菌菌株はすべて、振盪することなく、トッド・ヒューイットブロス(Oxoid)中37℃で増殖させた。これら菌株のムタノリシン抽出物は、SDS−PAGEを行い次にαとβのタンパク質に対する抗血清を用いて免疫ブロティングを行うことによって分析した。れんさ球菌菌株の小規模ムタノリシン抽出物を、タンパク質の精製に用いた大規模抽出物について記載したのと同様にして製造したが、わずか50mlの培養物を用いて20%の細菌懸濁液を調製し、その1mlの試料を酵素で消化した。
SDS−PAGEは、架橋度が3.3%のポリアクリルアミドを全濃度10%で用いて標準の方法で実施した。試料を、2%のSDSと5%の2−メルカプトエタノールを含有する溶液中で3分間煮沸してから電気泳動にかけた。分離したタンパク質はクーマシー・ブリリアント・ブルーR−250で染色するか、またはSemi−Dry Electroblotter(デンマーク、Vig所在のAncos社)を用い、電気ブロッティングによって、メタノールで活性化させたポリジフッ化ビニリデンの膜(Immobilon−P;フランス、Molsheim所在のMillipore Corp.社)に転移させた。このImmobilon膜を、標準法を用いてゼラチンでブロックし、次いで1000倍に希釈した指定した型のウサギ抗血清とともにインキュベートし(実施例7参照)次に放射能標識をつけたプロテインGを用いてオートラジオグラフィーに付した。
タンパク質の放射能標識付けは、クロラミンT法を用いて担体なしの125I(英国、Amersham International社)で行った。全タンパク質の濃度はMicroBCAタンパク質検定試薬(Pierce)で測定した。SDS−PAGEゲルからのタンパク質の電気溶出を、Bio−Rad社から入手したmodel422 Electro−Eluterで実施した。
試験結果を図1に示す。
実施例 2 タンパク質Ribの精製
菌株BS30の一夜培養物10l中の細菌を遠心分離し(spin down)、50mMトリスpH7.3で2回洗浄し次に同じ緩衝液に再懸濁させて20%(v/v)にした。この細菌懸濁液(125ml)に、10mMリン酸カリウムpH6.2に溶解して5000単位/mlにしたムタノリシン(米国、ミズーリ州、セントルイス所在のSigma Chemical Co.社)を添加し、最終濃度を350単位/mlにした。消化を、緩やかに振盪しながら37℃で17時間行い、次にプロテアーゼインヒビター類を次の最終濃度まで添加した。すなわち塩化ベンズアミジン、5mM;ヨード酢酸、5mM;フッ化フェニルメチルスルホニル、2mMである。得られた懸濁液を遠心分離し、その上澄み液を直ちに10mMトリスpH8.0に対して透析した(透析管:Spectrapor No.4)。この透析された製剤をイオン交換クロマトグラフィーの二つの連続ステップに付した。予備試験で分かっていたように、この方法によって純粋なタンパク質Ribを最高に回収することができた。タンパク質Ribが存在していることは、SDS−PAGEを行い次に95KDのバンドの存在についてゲルを視覚検査することによって分析した。第一のクロマトグラフィーのステップでは、透析された製剤(110ml)を、10mMトリスpH8.0中0.4M NaClおよび10mMトリスpH8.0で平衡化したDEAE Bio−Gel A(30ml)(米国、カリフォルニア州、リッチモンド所在のBioRad Laboratories社)と混合した。この混合物を4℃で1時間ゆるやかに攪拌し、次いで未吸収物質(タンパク質Ribを含有している)をガラスフィルターによる濾過を行ってゲルから分離した。第二のクロマトグラフィーのステップ(図2A)では、タンパク質Ribを含有する濾液を蒸留水で20倍に希釈してイオン強度を低下させ、次に先に述べたようにして平衡化させたDEAE Bio−Gel A(30ml)と混合した。4℃で16時間ゆるやかに攪拌した後、ゲルを濾過によって回収し10mMトリスpH8.0で洗浄した。吸収されたタンパク質(タンパク質Ribを含有している)を、塩の直線勾配液(10mMトリスpH8.0中の0〜0.2M NaCl)800mlで続いて1M NaCl 60mlで溶離した。10mlずつの画分を収集し、タンパク質Ribを含有する画分をプールし、濃縮し、次にPBSA(0.12M NaCl、0.03Mリン酸塩、0.02%NaN3、pH7.2)中のセファロース CL 6Bのカラム(4.2cm×90cm)でゲル濾過に付した(図2B)。上記の各画分は95KDのバンドの存在についてSDS−PAGE電気泳動によって分析した。タンパク質Ribを含有する画分(10mlずつ)をプールし凍結した。タンパク質Ribの収量は細菌25g当り約6mgであった。免疫化学分析に用いるタンパク質Ribの製剤の純度を保証するため、この試験に使用する該タンパク質はさらにSDS−PAGEで精製し生成した95KDのバンドを電気溶出させた。しかし、SDS−PAGE分析した結果、この電気溶出がなされた物質と上記ゲル濾過ステップで回収された物質との間に純度の差は全くみとめられなかった。
上記のように、タンパク質Ribは該タンパク質を発現する菌株の培地中にもみとめられる。該タンパク質は、上記の方法に類似の方法を用いて、かような培地から精製することができる。
Immobilonに転移させたタンパク質バンドの自動アミノ酸配列の分析を、Applied Biosystems 470Aガス−液体固相シークエネータを用いて、上記膜上で直接実施した。これらの膜をクーマシー・ブリリアント・ブルーで軽く染色してタンパク質のバンドの位置を突き止め、そのバンドを配列決定のために切り取った。タンパク質の配列の分析についてはSwissProt Data Bankを利用した。
菌株BS30由来のタンパク質RibのNH2末端の配列を配列番号:1に示す。精製されたタンパク質Rib中の推定分子量が95KDと90KDの二つのタンパク質(図2B)は同じNH2末端配列を有することが見出されたが、このことは、小さい方の分子が大きい方の分子の分解生成物であることを示唆している。データサーチを行ったところ、タンパク質RibのNH2末端の配列は独特のものであることが分かった。
菌株BM110からのタンパク質Ribの単離も同じ精製手順にしたがって行った。菌株BM110から単離されたタンパク質RibのNH2末端配列(配列番号:2)は、BS30由来の対応するタンパク質のNH2末端配列と7位で異なっている。すなわちBM110の該タンパク質は7位にAspの代わりにSerを有している。
実施例 3 αタンパク質の精製
αタンパク質は、αタンパク質とβタンパク質の両方を発現するIb型菌株である菌株SB35から精製した。使用した方法は、菌株BS30からタンパク質Ribを精製するのに使用したのと類似の方法である。各画分は、ウサギ抗α血清(ノルエーのトロンヘイム大学のL.Bevanger博士から提供された)および125Iで放射能標識をつけたプロテインG(米国、カリフォルニア州、サンディエゴのCalbio chem Co.社)を用いて、ドットブロット分析法によって、αタンパク質の存在について分析した。イオン交換ステップとゲル濾過ステップにおいて、αタンパク質の挙動はタンパク質Ribの挙動と類似していた(図2参照)。ゲル濾過ステップで回収されたαタンパク質はシャープなピークで存在していた。異なる抗血清でこの物質を分析したところ、この物質が痕跡量の汚染βタンパク質を含有していることを示したが、この汚染βタンパク質は該製剤をIgA−セファロースの小カラムを通過させることによって除去した。精製されたαタンパク質は、SDS−PAGE分析の結果、分子量が約110000であった(図4参照)。αタンパク質の収量は、細菌39g当り12mgであった。免疫化学試験に用いるαタンパク質は、タンパク質Ribについて先に述べたようにしてSDS−PAGEゲルから電気溶出法でさらに精製した。しかしSDS−PAGEで分析したところ、この電気溶出された物質とゲル濾過ステップから回収した物質との間に純度の差はみとめられなかった。
実施例 4 βタンパク質の精製
IgA結合βタンパク質(Russell−Jonesら、J Exp Med、160巻、1467頁、1984年)を、Ribタンパク質およびαタンパク質に使用したのと類似の方法で精製した。出発物質は、洗浄したSB35細菌を、50mMグリシン−NaOH緩衝液pH11.0中でインキュベートすることによって得た(懸濁液の最終pH9.7)。本発明の発明者らの実験室での以前の研究によって、このような抽出物中の主要タンパク質の種はβタンパク質であることが分かっていた。その抽出物(222ml)を直ちに10mMトリスpH8.0に対して透析し、蒸留水で20倍に希釈し、次いで40mlのDEAE Bio−Gel A(10mMトリスpH8.0で平衡化した)と混合した。4℃で2時間ゆるやかに攪拌した後、ゲルをカラムに移し、800mlの塩の直線勾配液(10mMトリスpH8.0中0〜0.2MのNaCl)で溶離した。βタンパク質の存在について画分(10mlずつ)を試験するため、分析用の、放射能標識を付けたIgAまたは抗β血清および放射能標識を付けたプロテインGを用いて、ドットブロット法を利用した。βタンパク質は該勾配液の最初の部分で溶出した。適正な画分をプールし、濃縮し、次いでPBSA中のAcA 34のカラム(4.2×100cm)(スエーデン、アプサラ所在のPharmacia−LKB社)でゲル濾過に付した。βタンパク質は明確なピークで溶出した。適正な画分をプールし、濃縮し次いで凍結した。その収量は、細菌23g当り純粋なタンパク質9mgであった。このような製剤の主要タンパク質の種は、SDS−PAGEによる分子量が約130000であったが、そのタンパク質をウエスタンブロット分析に付したところ、分子量が小さい少量の分解生成物もみとめられた。
実施例 5 プロテアーゼ感受性の分析
プロテアーゼ感受性を分析するため(図5)、精製したα、βまたはRibのタンパク質(0.5mg/ml)の試料200μlずつを、トリプシン、ペプシンまたはプロテイナーゼK(0.2mg/ml)とともに37℃で1時間インキュベートした。トリプシンによる消化は、0.25Mリン酸ナトリウムpH7.5中で実施し、ペプシンによる消化は、0.25M酢酸ナトリウムpH4.0中で行い、そしてプロテイナーゼKによる消化は0.25MトリスpH7.4中で行った。試料はSDS−PAGEで分析する前に中和した。
実施例 6 α、βおよびRibのタンパク質の細胞表面での発現に関するれんさ球菌菌株の分析
本発明の発明者らの実験室で入手できる5種の参考菌株を、第一に、α、βおよびRibのタンパク質の表面発現について分析した。その後、58個のB群れんさ球菌菌株のコレクション(すべて侵入性感染症の症例から単離した)もこれら細胞表面タンパク質の発現を試験するのに用いた(表1参照)。B群れんさ球菌菌株の型の判定は、標準の方法を用いてルンド大学大学病院の臨床微生物学研究所で実施した。
10mlの一夜培養物中の細菌をPBSAT(0.05% Tween20で補充したPBSA)で2回洗浄し次いでPBSATによる1%懸濁液を調製した。この細菌懸濁液の試料(180μl)を、PBSATで希釈したウサギ抗血清(20μl)と混合し、次にその混合物を23℃で1時間インキュベートした。2mlのPBSATを添加し、細菌を遠心分離し、2mlのPBSATで一回洗浄し、200μlのPBSATに再懸濁させた。捕捉されたIgGを検出するため、25μlの放射能の標識をつけたプロテインG(PBSAT中約104cpm)を添加し、インキュベーションを23℃で1時間続けた。2mlのPBSATを添加してから、細菌を遠心分離し、得られたペレットを、2mlのPBSATを添加することによって洗浄した。最終の遠心分離を行った後、上澄み液を排棄してペレットの放射能を測定した。多くの菌株をα、βおよびRibのタンパク質の発現について試験したとき(表1)、1:1000という単一の最終抗血清希釈度を使用した。免疫前のウサギ抗血清による対照を常に含めたがすべての場合、完全に陰性であった。タンパク質Ribは、33個のIII型菌株のうち31個の細胞表面に見出されたが12個のIa型とIb型の菌株のいずれからも見出されなかった。
Figure 0003976334
α、βおよびRibのタンパク質の細胞表面発現は特異的抗血清で分析し、そして捕捉された抗体は、図3に示すように放射能標識をつけたプロテインGで検出した。
ここで試験した58個の菌株はすべて侵入性感染症の症例から単離したが、これら菌株の無作為のコレクションではない。というのはII型の菌株の大部分は最初に試験したコレクションにその後つけ加えたものであり、最初のコレクションにはII型菌株は2個しか含まれていなかったからである。
実施例 7 抗血清の製造とマウス防御試験
抗血清はすべてウサギに産生させた。そのウサギは背中への皮下注射で免疫化した。菌株BS30によって発現されるタンパク質Ribに対する抗血清を調製するため、SDS−PAGEゲル中のいくつもの95KDバンドに相当するスライスを切り取り、小片に分割し、次に完全フロイントアジュバントと混合した。最初の免疫化を行うため、1mlのPBS中6個のスライス(約60μgのタンパク質)を1mlのアジュバントと混合した。追加注射(booster injection)用に3個のバンド(30μgのタンパク質)を使った。第一の追加注射は4週間後に行い、次いで3回の追加注射を2週間の間隔をおいて行った。次にそのウサギから3週間の間隔をおいて3回採血し、これら3回の採血で得た血清をプールし、ここで報告する実験に使用した。αタンパク質に対する抗血清は同様の方法で製造した。抗α血清の第一の試料は、精製中の画分を分析するのに使用したが、これはトロンヘイム在住のLars Bevanger博士から入手した。精製されたβタンパク質に対する抗血清は本発明の発明者らの実験室で入手できた。
本発明の発明者らの部署で飼育したC3H/HeNマウスを10〜20週齢で使用した。これらのマウスに、PBSで5倍に希釈したウサギ血清0.5mlを腹腔内注射し、次に4時間後、トッド・ヒューイットブロスで希釈した対数期の細菌0.5mlを腹腔内注射することによって感染させた。使用した細菌の数は、90%致死量(LD90)と推定された数であり、BM110、BE210およびSB35sedlについては2×106c.f.u.であり、BS30とL25については2×107c.f.u.であった。死亡動物は4日間毎日計数した。対照の動物は通常24時間以内に死亡した。
Figure 0003976334
C3H/HeNマウスに0.1mlのウサギ抗血清(PBSで0.5mlまで希釈)を腹腔内注射し、次にトッド・ヒューイットブロス0.5mlで希釈した対数期細菌のLD90量を4時間後に注射して免疫性を試験した。生存データをカイ二乗検定法で解析した。
− タンパク質Ribまたはαタンパク質の発現、この実験に関連する二つの抗原。
+ 4日間生残するマウスの数/感染マウスの合計数。
§P<0.001 抗α血清または通常血清を受けている対照と比較した場合。
"n.d. =未測定。
Figure 0003976334
抗α血清を受けている対照と比較した場合。
--P<0.01 抗Rib血清を受けている対照と比較した場合。
表2のデータは、タンパク質Ribに対する抗血清が、該タンパク質が精製されたIII型菌株であるBS30による致死感染症に対して防御することを示している。この防御は、対照の血清による試験で分かるように非特異的ではない。また抗Rib血清は、B群れんさ球菌菌株の高毒性クローンのメンバーである他のIII型菌株のBM110(Musserら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86巻、4731頁、1989年)による致死感染症に対して防御した。これに対して抗Rib血清は、タンパク質Ribを発現しないIII型菌株の一つであるL25による感染症に対して防御をしなかった(表2)。抗Rib血清の防御作用は、タンパク質Ribを発現するII型菌株による試験で示されているように、III型菌株に限定されなかった。予想どおりに、抗Rib血清はα抗原を発現するIb型菌株に対して防御しなかった。これらのデータを総合してみると、タンパク質Ribは、ほとんどすべてのIII型菌株といくつかのII型菌株、すなわち侵入性感染症を起こす大部分のB群れんさ球菌菌株に毒性因子として作用することを強く示唆している。
実施例 8 rib遺伝子のクローン化およびエシェリキア・コリ(Escherichia coli)でのタンパク質Ribの発現
タンパク質Ribに対する構造遺伝子を、高毒性クローンのメンバーの血清型IIIの菌株である菌株BM110からクローン化した。この菌株が発現するタンパク質Rib(配列番号:2)と菌株BS30が発現するタンパク質Rib(配列番号:1)は、類似した大きさとNH2末端配列を有している。バクテリオファージλ中に菌株BM110DNAのライブラリーを構築した。菌株BM110の対数期のトッド・ヒューイット培養物500ml中の細菌を遠心分離した。ペレットの凍結と融解を3回行い、20mlのTE緩衝液(10mMトリス、1mM EDTA、pH8.0)中に懸濁させ、遠心分離し、洗浄し次いで4mlの同じ緩衝液中に再懸濁させた。10mMリン酸カリウムpH6.2に5000単位/mlまで溶解したムタノリシン(米国、ミズーリ州、セントルイス所在のSigma Chemical Co.)を、上記細菌懸濁液に添加して、最終濃度500単位/mlにした。リゾチーム(Sigma社)を最終濃度8mg/mlまで添加し、次に消化を37℃で3時間行った。最近の細胞を、200μlの10%SDSおよび500μlのTween溶解ミックス(2%Tween−20、50mMトリスpH8.0および60mM EDTA)を添加し、次いで別の200μlの10%SDSを添加することによって溶解した。得られた溶菌液をプロテイナーゼK(Sigma社、100μg/ml)で50℃にて19時間処理し次いでフエノールとクロロホルムによる抽出を繰返した。得られたDNAをエタノールで沈澱させ、SpeedVac concentrator(SAVAC)で乾燥し、次いで4.5mlのTE緩衝液に溶解した。得られたDNAをさらにCsCl密度勾配超遠心分離法で精製し、次にTE緩衝液に対して透析した。そのDNAの濃度は約2.5μg/μlであった。このDNAをSau 3AI(Promega社)で部分的に消化し、λEMBL3(Statagene社)のBam HIで開裂されたアームに連結した。その組換えファージDNAを、Gigapack II Gold Packaging Extract(Stratagene社)を用いて、生体外でパッケージした。そのライブラリーをイー・コリ(E.Coli)菌株LE392上にプレートし、タンパク質Ribの産生について免疫ブロッティング法で選別した。すなわち、約1000個のプラークを有するプレートをニトロセルロースの膜で覆って4℃で1時間放置した。膜を取り外し、ブロックし、50倍に希釈されたウサギ抗Rib血清を含有する緩衝液中でインキュベートした。陽性のプラークすなわちウサギIgGを捕捉するプラークは、ペルオキシダーゼで標識を付けたプロテインA(Sigma社)(20μg/ml)を添加することによって検出され、そしてペルオキシダーゼの存在は標準の方法を用いて可視化した。7個の独立したRib発現λクローンが単離された。これらのクローンのなかの3個すなわち、λRib 1−3、λRib 1−5およびλRib 1−7はそれぞれ寄託番号DSM9039,9040及び9041でDeutsche Sammlung von Microorganismenに寄託されている。またDNA濃度が約0.5μg/μlである、λRib 1−3クローン由来のDNA製剤を製造した。これら7種のクローンの溶菌液を、抗Rib血清を用いてウエスタン免疫ブロット分析に付した(図6参照)。これらクローンのいくつかは菌株BM110から直接単離したタンパク質Ribと同じ大きさのタンパク質Ribを発現する。
配列表
一般情報
出願人
姓 名:グンナル・リンダール
住 所:マグヌス ステンボックスガタン 5
都市名:ルンド
国 名:スウェーデン
郵便番号(ZIP):222 24
発明の名称:B群れんさ球菌の多くの菌株に対する免疫を与える細胞表面タンパク質であるタンパク質Rib、そのタンパク質の精製方法、薬剤キットおよび医薬組成物
配列の数:2
コンピュータが読出し可能なフォーム
媒体の種類:フロッピー・ディスク
コンピュータ:IBM PCコンパチブル
オペレーティングシステム:PC-DOS/MS-DOS
ソフトウェア:Patentln Release #1.0、
Version#1.25(EPO)
本件出願のデータ
出願番号:
配列番号:1
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
ハイポセティカル:NO
アンチセンス:NO
フラグメント型:N末端フラグメント
起源
生物名:B群れんさ球菌
株 名:BS30
配列
Figure 0003976334
配列番号:2
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
ハイポセティカル:NO
フラグメント型:N末端フラグメント
起源
生物名:B群れんさ球菌
株 名:BM110
配列
Figure 0003976334

Claims (10)

  1. Ribと呼称される精製タンパク質であって;
    (a)B群れんさ球菌菌株から得ることができ;
    (b)90KD〜95KDの見掛けの分子量を有し;
    (c)トリプシンおよびペプシンによる分解に対して耐性であり;
    (d)配列番号:1又は2のN末端アミノ酸配列を有し;かつ
    (e)該タンパク質を発現するB群れんさ球菌菌株に対する防御免疫を与える;
    ことを特徴とするタンパク質。
  2. B群れんさ球菌菌株が血清型IIIの菌株である請求の範囲1記載のタンパク質。
  3. 前記菌株が菌株BS30またはBM110であり、前記タンパク質がSDS−PAGEで測定した場合、約95KDの見掛けの分子量を有する請求の範囲1又は2記載のタンパク質。
  4. 請求の範囲1に定義されているタンパク質Ribを発現するB群れんさ球菌菌株を培養し、その培地および/または微生物を単離し、その細菌を酵素で消化し、消化した細菌を上澄み液から分離し、次いでタンパク質Ribを上澄み液から抽出することを特徴とする請求の範囲1に定義されているタンパク質Ribの単離方法。
  5. 前記酵素はムタノリシンである請求の範囲4記載の方法。
  6. 前記タンパク質を、透析、イオン交換クロマトグラフィーによる分画、およびゲル濾過によって、前記上澄み液から抽出する請求の範囲4又は5記載の方法。
  7. 請求の範囲1に定義されているタンパク質Ribに対して高度に特異的な抗体。
  8. 請求の範囲1に定義されているタンパク質Ribが入っていることを特徴とする、タンパク質Ribに対する抗体を検出するのに用いる薬剤キット。
  9. 請求の範囲1に定義されているタンパク質に特異的な抗体が標準として入っていることを特徴とする、タンパク質Ribを検出するのに用いる薬剤キット。
  10. 請求の範囲1に定義されているタンパク質Ribが入っていることを特徴とする請求の範囲9記載の薬剤キット。
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