JP2005535287A - グループb連鎖球菌抗原 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】本発明は、ポリペプチド、エピトープ及びこれらのエピトープを対象とする抗体に関し、更に特に、連鎖球菌の感染の防止、診断及び/又は処置に用いることができるグループB連鎖球菌(Group B Streptococcus、GBS)、また、ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)と称されるもののSip(シップ)ポリペプチドに関する。

Description

発明の分野
本発明は、ポリペプチド、エピトープ及びこれらのエピトープを対象とする抗体に関し、更に特に、連鎖球菌の感染の防止、診断及び/又は処置に用いることができるGroup B Streptococcus(グループB連鎖球菌、GBS)、また、Streptococcus agalactiae(ストレプトコッカス・アガラクティエ)と称されるもののSip(シップ)ポリペプチドに関する。
発明の背景
連鎖球菌はグラム(+)細菌であり、それらの細胞表面上に見出せるグループ特異的な糖質抗原A〜Oによって区別される。さらに、連鎖球菌群は型−特異的な莢膜多糖類抗原によって区別される。グループB連鎖球菌(GBS)について種々の血清型が確認されている:Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII及びVIII。また、GBSは“C-プロテインズ”(アルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ)として知られる抗原性タンパク質を含み、そのいくつかはクローニングされている。
GBSは正常なヒトの膣及び結腸の菌相の通常成分であるが、この病原体は、長い間、新生仔の敗血症、髄膜炎、幼児における遅発性の髄膜炎、産後の子宮内膜炎、並びに酪農用家畜の群れ(dairy herd)での乳腺炎の主要な原因と認識されている。GBSに曝された妊娠中の母親は、分娩後の感染の危険性があり、及び産道を通る子のようにそれらの仔にその感染を移すことがある。生物は抗生剤に反応し易いが、新生仔における敗血症及び幼児における髄膜炎の高い発病率及び急激な発症は高い罹患率及び死亡率をもたらす。
幼児におけるGBS感染は極めて初期の乳児期に制限される。約80%の幼児感染は生活の最初の日々に起こり、いわゆる早発性の疾病である。遅発性の感染は、1週及び2〜3月の齢の間に幼児において起こる。新生児におけるGBS疾病の臨床的症候群には、敗血症、髄膜炎、肺炎、蜂窩織炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、喉頭蓋が含まれる。GBSによる急性の病気、それ自体費用がかかるが、それに加え、新生児におけるGBS感染は、死、能力障害、及びまれな事例では、感染の再発に至ることがある。生物は抗生剤に反応し易いが、新生仔における敗血症及び幼児における髄膜炎の高い発病率及び急激な発症は高い罹患率及び死亡率を招く。
妊婦の間では、GBSは、軽度の尿路感染から重篤な敗血症及び髄膜炎に至るまでの、骨髄炎、心内膜炎、羊膜炎(amniotis)、子宮内膜炎、創傷感染(帝王切開後及び会陰切開後)、蜂窩織炎及び筋膜炎をも含む臨床的な病気を生じさせる。
非妊娠の成体の間では、侵襲的なGBS疾病の臨床所見は、一次菌血症の形態をとることが最も多いが、軟部組織の皮膚の感染、肺炎、尿性敗血症、心内膜炎、腹膜炎、髄膜炎、膿胸もある。軟部組織の皮膚の感染には、蜂窩織炎、感染した末梢性潰瘍、骨髄炎、敗血症性関節炎及び褥瘡又は創傷感染が含まれる。人々の間では、糖尿病及び癌のような慢性病を患う人々、又は高齢の人々のような衰弱した宿主に危険性がある。
GBS感染はまた、動物において起こることがあり、酪農用家畜の群れにおいて乳腺炎を生じさせる。
個体をGBS感染から守るワクチンを見出すために、研究者は型−特異的な抗原を調査している。残念ながら、これらの多糖類は、ヒトにおいて免疫原性が低いことが証明されており、多糖類が起源である特定の血清型に限られる。さらに、莢膜の多糖類の抗原は、GBS感染に対する保護のためのワクチン成分として不適切である。
他には、マウス及びラビットのモデルで免疫原性の特性が示されたC-プロテインベータ抗原に焦点があてられている。このタンパク質は、ヒトIgAのFc領域との高い親和性で及び非免疫原性の様式で相互作用するその望ましくない特性のため、ヒトのワクチンとして不適切であることが見出された。C-プロテインアルファ抗原は、ほとんどのGBS媒介状況の原因となる血清型であるGBSのタイプIII血清型においてまれであり、従って、ワクチン成分としてほとんど用いられない。
国際公開第99/42588号は、1999年2月17日に公開されており、‘グループB連鎖球菌抗原’と題し、請求するポリペプチドID-42が抗原性であることを記述する。このポリペプチドは、目下、表面免疫原性タンパク質〔Surface immunogenic protein、Brodeur (ブロダー)等、2000年、Infect. Immun.(インフェクション・アンド・イミューニティ) 68: 5610〕として、Sip(シップ)の名称で知られている。
このポリペプチドは、高度に保存されており、及び今までで、すべての血清型の代表的な単離体を含む、試験されたすべてのGBSによって生産されることが見出された(Brodeur等、2000年、Infect. Immun. 68: 5610)。この53-kDaのポリペプチドは、ヒト免疫系によって認識される。より一層重要なことには、成体マウスをSip-ポリペプチドを用いて免疫化することで、強く特異的な抗体応答が誘導され、及び血清型Ia/c、Ib、II/R、III、V及びVIを代表するGBS株での実験的な感染に対する保護が与えられることが示された(Brodeur等)。また、Sip-特異的な抗体が、すべての9種の血清型の代表例を含む異なるGBS株の細胞表面でそれらのエピトープを認識することが例示された〔Rioux(リウクス)等、2001年、Infect. Immun. 69: 5162〕。加えて、最近、ラビットの抗−Sip血清の妊娠マウスへの受動的な投与又は妊娠前の雌のマウスを精製した組換えSipで免疫化することで、それらの子孫へのGBS感染に対する防御免疫が与えられることが報告された〔Martin(マーティン)等、Abstr. 101th Gen. Meet. Am. Soc. Microbiol.(American Society for Microbiology)(米国微生物学会の第101回ジェネラル・ミーティングのアブストラクト)、2001年〕。
したがって、グループBStreptococcus感染を防止し、診断し及び/又は処置するために用いることができるグループBStreptococcusポリペプチドについてまだ満たされてない需要が残っている。グループBStreptococcusのSipポリペプチド上の表面で使用し得る領域(surface-accessible regions)の局在性を記述するデータを提示する。これらの表面使用し得る領域の利用を示す例も提示する。
発明の概要
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持つポリペプチドをコード化する分離されたポリヌクレオチドを提供する。
他の局面において、本発明のポリヌクレオチドによってコード化されたポリペプチド、薬学組成物、発現調節領域に操作可能に連結される本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、並びに、前記ベクターを用いてトランスフェクトされる宿主細胞及び前記宿主細胞を発現に適切な条件下で培養する工程を含むポリペプチドの製造方法を提供する。
図面の簡単な記載
図1は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-1遺伝子のDNA配列;(配列番号:1)を示す。
図2は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-1ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:2)を示す。
図3は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-2遺伝子のDNA配列;(配列番号:3)を示す。
図4は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-2ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:4)を示す。
図5は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-3遺伝子のDNA配列;(配列番号:5)を示す。
図6は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-3ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:6)を示す。
図7は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-4遺伝子のDNA配列;(配列番号:7)を示す。
図8は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-4ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:8)を示す。
図9は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-5遺伝子のDNA配列;(配列番号:9)を示す。
図10は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-5ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:10)を示す。
図11は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-6遺伝子のDNA配列;(配列番号:11)を示す。
図12は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-6ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:12)を示す。
図13は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-7遺伝子のDNA配列;(配列番号:13)を示す。
図14は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-7ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:14)を示す。
図15は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-8遺伝子のDNA配列;(配列番号:15)を示す。
図16は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-8ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:16)を示す。
図17は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-9遺伝子のDNA配列;(配列番号:17)を示す。
図18は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-9ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:18)を示す。
図19は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-10遺伝子のDNA配列;(配列番号:19)を示す。
図20は血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90からのΔsip-10ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:20)を示す。
発明の詳細な記載
本発明は、精製し及び単離したポリヌクレオチドを提供し、このポリヌクレオチドは、Streptococcus感染を防止し、診断し及び/又は処置するために用いることができるStreptococcusポリペプチドをコード化する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持つポリペプチドをコード化する分離されたポリヌクレオチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を持つポリペプチドをコード化する分離されたポリヌクレオチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を持つポリペプチドをコード化する分離されたポリヌクレオチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20又はその断片又は類似物:から選ばれる配列を含むポリペプチドのエピトープ関連部分(bearing portion)をコード化するポリヌクレオチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含むポリペプチドのエピトープ関連部分に関する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持つポリペプチドをコード化する分離されたポリヌクレオチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を持つポリペプチドをコード化する分離されたポリヌクレオチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を持つポリペプチドをコード化する分離されたポリヌクレオチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20:から選ばれる配列を含むポリペプチドのエピトープ関連部分をコード化するポリヌクレオチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20から選ばれる配列を含むポリペプチドのエピトープ関連部分に関する。
1局面によれば、本発明は、分離されたポリペプチドであって:
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物:から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持つポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物:から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を持つポリペプチド;
(c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含むポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含むポリペプチドのための結合特異性を持つ抗体を生じさせ得るポリペプチド;
(e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含むポリペプチドのエピトープ関連部分;
(f)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドであってN末端メチオニン残基が欠失しているポリペプチド;
(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドであって分泌性のアミノ酸配列が欠失しているポリペプチド
から選ばれるポリペプチドを含むポリペプチドを提供する。
1局面によれば、本発明は、分離されたポリペプチドであって:
(a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20:から選ばれるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持つポリペプチド;
(b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20:から選ばれるアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を持つポリペプチド;
(c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を含むポリペプチド;
(d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を含むポリペプチドのための結合特異性を持つ抗体を生じさせ得るポリペプチド;
(e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を含むポリペプチドのエピトープ関連部分;
(f)(a)、(b)、(c)、(d)又は(e)のポリペプチドであってN末端メチオニン残基が欠失しているポリペプチド;
(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドであって分泌性のアミノ酸配列が欠失しているポリペプチド
から選ばれるポリペプチドを含むポリペプチドを提供する。
1局面によれば、本発明は配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれるアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。
1局面によれば、本発明は配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20から選ばれるアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。
この技術の当業者は、本発明には、DNA分子、すなわち、本特許出願において本明細書で説明するように、かかるポリペプチドのポリヌクレオチド及びその変異体、変異形、相同体及び誘導体のような類似物をコード化するそれらの相補的な配列が包含されることを理解する。本発明には、また、本発明のDNA分子に対応するRNA分子も包含される。DNA及びRNA分子に加え、本発明には、対応するポリペプチド及びかかるポリペプチドに特異的に結合する単一特異性の抗体が包含される。
更なる具体例において、本発明に従うポリペプチドは抗原性である。
更なる具体例において、本発明に従うポリペプチドは免疫原性である。
更なる具体例において、本発明に従うポリペプチドは宿主において免疫反応を誘発することができる。
更なる具体例において、本発明は、また、上述のような本発明のポリペプチドに対して結合特異性を持つ抗体を生じさせることができるポリペプチドに関する。
“結合特異性を持つ”抗体は、試料、例えば、生物学的試料中で、選定されたペプチドを認識し、及び結合するが、他の分子を実質的に認識せず、及び結合しない。特異的な結合は、選定されたポリペプチドを抗原として使用するELISAアッセイを用いて測定することができる。
本発明に従って、生物学的研究における“保護”は、生存曲線、生存率又は生存期間における著しい上昇によって規定する。生存曲線を比較するための対数順位試験(Log rank test)を用いる統計的分析、及び生存率及び死亡までの日数を比較するためのフィッシャーの直接確率試験(Fisher exact test)は、それぞれ、P値を計算し及び2種の群の間の違いが統計的に有意かどうかを決定するのに有用である。0.05のP値は有意でないと考えられる。
本発明の追加の局面において、本発明のポリペプチド、又はその類似物の抗原性の/免疫原性の断片を提供する。
本発明の断片は、1又はそれより多いかかるエピトープ領域を含むか、又はかかる領域に十分に類似し、それらの抗原性の/免疫原性の特性を保持する必要がある。したがって、本発明に従う断片について、同一性の程度はおそらく無関係であり、その理由は、本明細書に記載するように、それらが、ポリペプチド又はその類似物の特定の部分と100%同じであり得るからである。本発明は、更に、本発明のポリペプチド配列からの少なくとも10個の近接する(contiguous)アミノ酸残基を持つ断片を提供する。1具体例においては、少なくとも15個の近接するアミノ酸残基である。1具体例においては、少なくとも20個の近接するアミノ酸残基である。
用語“断片”又は“変異形”は、本発明のポリペプチドに関する場合、ポリペプチドの生物学的機能又は活性の少なくとも1種を実質的に保持するポリペプチドを意味する。かかる生物学的機能又は活性は、例えば、上述のもののいずれかでよく、及び抗体と反応する能力を持つ、すなわち、エピトープ関連ペプチドを持つものが含まれる。ポリペプチド、例えば、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20の断片又は変異形は、それらのポリペプチドと十分な類似性を持ち、その結果、自然なポリペプチドの少なくとも1種の活性が保持される。より一層小さいポリペプチド、例えば、配列番号:2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20のポリペプチドの断片又は変異形は、自然なポリペプチド中に見出される比較され得る配列の少なくとも1種の活性(例えば、その機能的なドメインによって発現される活性、又は抗体又は本発明の抗原結合性断片と反応する能力)を保持する。
主要な問題は、今一度、断片が抗原性の/免疫原性の特性を保持することである。
当業者は、本発明のポリペプチドの類似物が、また、本発明との関連での使用、すなわち抗原性の/免疫原性の物質としての使用を見出されることを理解する。したがって、例えば、1種又はそれより多い付加、欠失、置換又は同様のものを包含するタンパク質又はポリペプチドが本発明によって包含される。
本明細書で用いるように、本発明のポリペプチドの“断片”、“類似物”、“変異形”又は“誘導体”には、1種又はそれより多いアミノ酸残基を、保存されるか又は保存されないアミノ酸残基(好ましくは保存される)で置換し、及び天然であるか又は不自然であってもよいそれらのポリペプチドが包含される。1具体例において、本発明のポリペプチドの誘導体及び類似物は、図面に例示するそれらの配列又はその断片と約70%の同一性を持つ。すなわち、それらの残基の70%が同じである。更なる具体例ではポリペプチドは80%より高い同一性を持つ。更なる具体例ではポリペプチドは85%より高い同一性を持つ。更なる具体例で、ポリペプチドは90%より高い同一性を持つ。更なる具体例で、ポリペプチドは95%より高い同一性を持つ。更なる具体例で、ポリペプチドは99%より高い同一性を持つ。更なる具体例では、本発明のポリペプチドの類似物は、約20個より少ないアミノ酸残基の置換、修飾又は欠失を持ち、及びより一層好ましくは10個より少ない。
本発明のポリペプチドの変異形は、例えば、(i)1種又はそれより多いアミノ酸残基が保存されるか又は保存されないアミノ酸残基(好ましくは、保存されるアミノ酸残基)で置換され、及びかかる置換されるアミノ酸残基が遺伝子コードによってコード化されるものであってよいか、又はそうでなくてもよいもの、又は(ii)1種又はそれより多いアミノ酸残基に置換基が含まれるもの、又は(iii)ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような他の化合物と融合するもの、又は(iv)追加のアミノ酸が、通例、形質転換された細胞のような細胞から分泌され易いタンパク質の遺伝学的に操作された形態を創出する目的のために、リーダ配列又は分泌配列又はポリペプチドの精製のために採用される配列のような、ポリペプチドに融合されているものでよい。追加のアミノ酸は、異種起源からでよく、又は天然遺伝子に対して内因性でよい。
これらの置換は、ポリペプチドの二次構造及び疎水性親水性指標(hydropathic)の性質に最小限の影響しか有さないものである。好ましい置換は、保存されるようなこの技術で既知のもの、すなわち、置換された残基が、疎水性、大きさ、荷電又は官能基のような物理的又は化学的特性を共有するものである。これらには、Atlas of Protein Sequence and Structure(タンパク質の配列及び構造のアトラス)5、1978年でのDayhoff(デイホフ), M.により、及びEMBO J.、8、779-785(第779〜785頁)、1989年でのArgos(アルゴス), P.によって記載されたもののような置換が包含される。例えば、アミノ酸で、天然又は不自然のいずれかで、次の群の1種に属するものは保存的変化を示す:
ala, pro, gly, gln, asn, ser, thr, val;
cys, ser, tyr, thr;
val, ile, leu, met, ala, phe;
lys, arg, orn, his;
及びphe, tyr, trp, his。
好ましい置換には、また、対応するL-アミノ酸についてのD-鏡像異性体の置換が包含される。
上記種類(i)に属する変異形のポリペプチドには、例えば、突然変異体(mutein)、類似物及び誘導体が包含される。変異形ポリペプチドは、例えば、1種又はそれより多い付加、置換、欠失、挿入、反転、融合、及び切断又はこれらのいずれかの組み合わせによってアミノ酸配列において異なることができる。上記種類(ii)に属する変異形のポリペプチドには、例えば、修飾されたポリペプチド包含される。既知のポリペプチドの修飾には、制限されないが、糖鎖形成、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合性の付着、ヘム部分の共有結合性の付着、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合性の付着、脂質又は脂質誘導体の共有結合性の付着、ホスファチジルイノシトールの共有結合性の付着、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合性架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマ・カルボキシル化、グリコシル化、GPI-アンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク分解性プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、アルギニル化(arginylation)のようなタンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介付加、及びユビキチン化が包含される。
かかる修飾は、当業者に良く知られており、及び極めて詳細に科学文献に記述されている。いくつかの特に通例の修飾、グリコシル化、脂質付着、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ−カルボキシル化、水酸化及びADP-リボシル化は、例えば、Proteins--Structure and Molecular Properties(タンパク質−構造及び分子特性)、2nd ed.(第2版)、T. E. Creighton(クレートン)、W. H. Freeman and Company(フリーマン社)、New York(米国ニューヨーク州) (1993年)のような、多くの基本的なテキストに記載されている。Wold(ウォルデ), F.、Posttranslationail Covalent Modification of Proteins(タンパク質の翻訳後の共有結合性の修飾)、B. C. Johnson(ジョンソン)、Ed.、Academic Press(アカデミックプレス社)、New York 1-12(1983年); Seifter(サイフター)等、(1990年)Meth. Enzymol.(メソッド・エンザイモロジー)182:626-646及びRattan(ラタン)等、(1992年)Ann. N. Y. Acad. Sci.(アニュアル・ニューヨーク・アカデミック・サイエンス)663:48-62によるような、多くの詳細な総説が、この主題で入手できる。
種類(iii)に属する変異形のポリペプチドはこの技術で良く知られており、及び例えば、PEGulation(ペグレーション) 又は他の化学的な修飾を包含する。上記種類(iv)に属する変異形のポリペプチドには、例えば、プロタンパク質の部分の開裂によって活性化され、活性な成熟ポリペプチドを生成することができるタンパク質前駆体又はプロタンパク質が包含される。変異形には、様々な雑種、キメラ又は融合のポリペプチドが包含される。かかる変異形の典型的な例を本明細書の他の箇所で論議する。
多くの他の種類の変異形は当業者に知られている。例えば、良く知られているように、ポリペプチドは常に完全に線形ではない。例えば、ポリペプチドは、ユビキチン化の結果として分岐することができ、及び、一般に、自然なプロセシング現象、及び自然に起こらない、人間の操作によってもたらされる現象を含む、翻訳後の現象の結果として、分岐するか又は分岐しないで、環状であることができる。環状で、分岐したポリペプチド及び分岐した環状のポリペプチドは、非翻訳(non-translational)の天然の処理によって及び合成的方法によって合成される場合がある。
修飾又は変異形は、ペプチド骨格、アミノ酸の側鎖及びアミノ末端又はカルボキシ末端を包含し、ポリペプチドにおいて、どこでも発生することができる。同じ種類の修飾は、所定のポリペプチドにおけるいくつかの部位で同じか又は異なる程度で存在する場合がある。また、所定のポリペプチドは1種より多い種類の修飾を含むことができる。ポリペプチドにおけるアミノ基又はカルボキシル基の、又は双方の、共有結合性の修飾による妨害(blockage)は、天然で生じるポリペプチド及び合成のポリペプチドにおいて共通である。例えば、E. coli(大腸菌)において、タンパク質分解処理に先立って作られるポリペプチドのアミノ末端残基は、N-ホルミルメチオニンであることが多い。修飾はタンパク質がいかにして作られるかの関数であることができる。組換えポリペプチドにとって、例えば、修飾は、宿主細胞の翻訳後の修飾能力及びポリペプチドのアミノ酸配列における修飾信号によって決定される。したがって、グリコシル化が望まれる場合、ポリペプチドを、グリコシル化する宿主、概して、真核生物細胞において発現させることができる。昆虫の細胞は、哺乳類細胞と同様に、翻訳後のグリコシル化を実行することが多く、及びこのため、グリコシル化の天然パターンを持つ哺乳類のタンパク質を効率的に発現させるために、昆虫細胞の発現系が開発されている。同様の考察は他の修飾にあてはまる。
変異形のポリペプチドは、1種又はそれより多い活性において、例えば、上述の機能又は活性のいずれかで、十分に機能的であり得るか、又は機能を欠くことができる。多くの種類の有用な変形の間では、例えば、それらは触媒的な活性の変更を表わす。例えば、1具体例には、cAMPの結合をもたらすが、cAMPの加水分解をもたらさず、又はより一層遅い加水分解をもたらす結合部位での変形が包含される。同じ部位での更に有用な変形は、cAMPについての変えられた親和性をもたらすことができる。有用な変形には、また、別の環状ヌクレオチドについての親和性を提供する変化が包含される。別の有用な変形には、プロテインキナーゼAによって活発化を防ぐものが包含される。別の有用な変形は、1種又はそれより多いドメイン又は小区域(subregions)が別のホスホジエステラーゼのイソ型又はファミリからの1種かそれより多いドメイン又は小区域に操作上で融合する融合タンパク質を提供する。
代わりの手法において、類似物は、例えば、所望のポリペプチドの効果的な標識付け(tagging)によって、精製をより一層容易にさせる部分が組み合わせられる、融合ポリペプチドであることができる。“標識(tag)”を除去するのが必要であることがあり、又は融合ポリペプチドがそれ自体有用であるのに十分な抗原性を保持する場合がある。
相同性の割合は、アミノ酸の種類の同一性の割合と類似度又は保存の割合とを加えた合計として定義される。
1具体例においては、本発明のポリペプチドの類似物は、図面に例示するそれらの配列又はその断片と約70%の相同性を持つ。更なる具体例においては、ポリペプチドは80%より高い相同性を持つ。更なる具体例では、ポリペプチドは85%より高い相同性を持つ。更なる具体例で、ポリペプチドは90%より高い相同性を持つ。更なる具体例で、ポリペプチドは95%より高い相同性を持つ。更なる具体例で、ポリペプチドは99%より高い相同性を持つ。更なる具体例では、本発明のポリペプチドの類似物は、約20個より少ないアミノ酸残基の置換、修飾又は欠失を持ち、及びより一層好ましくは10個より少ない。
CLUSTAL(クラスタル)プログラムのようなプログラムを用い、アミノ酸配列を比較することができる。このプログラムは、アミノ酸配列を比較し、及び必要に応じていずれかの配列中に空間を挿入することによって最適な配列比較(alignment)を見出す。最適な配列比較のためのアミノ酸の同一性又は相同性を算出することができる。BLASTxに似たプログラムは、同様の配列の最も長い伸展(stretch)を整列(align)させ、及びそのかみ合い(fit)に値を割り当てる。このようにして、比較を得ることができ、そこで、いくつかの領域の類似度が見出され、それぞれが異なる点数(score)を持つ。双方の種類の同一性分析が本発明において考慮される。
代わりの手法において、類似物又は誘導体は、例えば、所望のタンパク質又はポリペプチドの効果的な標識付けによって、精製をより一層容易にさせる部分が組み合わせられる融合ポリペプチドであることができ、“標識”を除去するのが必要なことがあり、又は融合ポリペプチドがそれ自体有用であるのに十分な抗原性を保持する場合がある。
本発明の追加の局面において、本発明のタンパク質又はポリペプチド、又はその類似物又は誘導体の抗原性の/免疫原性の断片を提供する。
このように、類似物、誘導体及び断片のために重要なのは、それらが導き出されるタンパク質又はポリペプチドの抗原性/免疫原性の少なくともある程度をそれらが所有することである。
また、ポリペプチドの生物学的又は薬学的特性を変える他の化合物、すなわち、半減期を増加させるポリエチレングリコール(PEG);精製を簡単にするためのリーダ又は分泌アミノ酸配列;プレプロ−及びプロ−配列;及び(多)糖類を融合させたポリペプチドも包含される。
さらに、アミノ酸領域が多形であると見出されるそれらの状況において、1種又はそれより多い特定のアミノ酸を変えて異ならせて異なるStreptococcus株の異なったエピトープをより一層効果的に擬態するのが望ましい場合がある。
また、本発明のポリペプチドを、末端-NH2のアシル化(例えば、アセチル化、又はチオグリコール酸アミド化、末端カルボキシアミド化、例えば、アンモニア又はメチルアミンを用いる)により修飾して、安定性、支持体又は他の分子への連結又は結合のための高められた疎水性を提供することができる。
また、ポリペプチドの断片及び類似物のヘテロ及びホモポリペプチド多量体も考えられる。これらの重合体の形態には、例えば、アビジン/ビオチン、グルタルアルデヒド又はジメチルスーパーイミデートのような架橋剤を用いて架橋された1種又はそれより多いポリペプチドが包含される。かかる重合体の形態には、また、組換えDNA技術により生み出される多重シストロンの(multicistronic)mRNAsから生産される、2種又はそれより多い直列のか又は逆位の近接配列を含むポリペプチドが包含される。更なる具体例において、本発明は、また、本出願の図面において定義されるような1種又はそれより多いポリペプチド又はその断片又は類似物を含むキメラのポリペプチドに関する。
更なる具体例において、本発明は、また、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を持つ2種又はそれより多いポリペプチドを含み;これらのポリペプチドがキメラのポリペプチドを形成するように連結されることを条件とするキメラポリペプチドに関する。
更なる具体例において、本発明は、また、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20から選ばれる配列を持つ2種又はそれより多いポリペプチドを含み、これらのポリペプチドがキメラのポリペプチドを形成するように連結されることを条件とするキメラポリペプチドに関する。
好ましくは、本発明のポリペプチドの断片、類似物又は誘導体は、少なくとも1種の抗原性領域、すなわち、少なくとも1種のエピトープを含む。
抗原性の重合体の形成(すなわち、合成多量体)を達成するために、ビスハロアセチル基、ニトロアリールハロゲン化物、又は同様のものを持っているポリペプチドを用いることができ、そこで、これらの試薬はチオ基に特異的である。したがって、異なるポリペプチドの2つのメルカプト基の間の連結は、単結合であることができ、又は少なくとも2個、代表的には少なくとも4個で、16個以下であるが、通常約14個以下の炭素原子の連結基を構成することができる。
特定の具体例において、本発明のポリペプチドの断片及び類似物は、メチオニン(Met)の開始残基(starting residue)を含まない。好ましくは、ポリペプチドはリーダ配列又は分泌配列(シグナル配列)を組み込まれない。本発明のポリペプチドのシグナル部分は確立された分子生物学の技術に従って決定することができる。一般的に、対象のポリペプチドをStreptococcusの培養物から単離し、及び次いで配列決定して、成熟したタンパク質の最初の残基、従って成熟したポリペプチドの配列を決定することができる。
他の具体例において、本発明のポリペプチドは、N-末端リーダペプチド、及び/又は貫膜ドメイン及び/又はC-末端アンカードメインを欠くことができる。
本発明は、更に、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を前記配列の全長にわたって含む第2のポリペプチドに対し、少なくとも70%の同一性、好ましくは80%の同一性、更に好ましくは95%の同一性を持つポリペプチドの実質的にすべての細胞外ドメインを含むポリペプチドの断片を提供する。
ポリペプチドを生産し及び/又はそれらの開始コドン(メチオニン又はバリン)を用いずに及び/又はそれらのリーダペプチドを用いずに使用して、組換えポリペプチドの生産及び精製を助けることができることが理解される。リーダペプチドをコード化する配列を有さないクローニング遺伝子は、ポリペプチドをE. coliの細胞質に限定し、及びそれらの回収を促進することが知られている〔Glick(グリック), B. R.及びPasternak(パステルナーク), J. J.の“Molecular biotechnology: Principles and applications of recombinant DNA(分子生物工学:組換えDNAの原理及び適用)”、2nd edition(第2版)、ASM Press(ASMプレス社)、ワシントン市所在、p.109-143(第109〜143頁)における (1998年) Manipulation of gene expression in prokaryotes(原核生物における遺伝子発現の操作)参照〕。
本発明の他の局面によれば、また、(i)本発明のポリペプチドを、担体と共に、希釈剤又は補助剤と含有する物質の組成物;(ii)本発明のポリペプチド及び担体、希釈剤又は補助剤を含有する薬学組成物;(iii)本発明のポリペプチド及び担体、希釈剤又は補助剤を含有するワクチン;(iv)宿主において、免疫原として(immunogenically)効果的な量の本発明のポリペプチドを宿主に投与し、免疫反応、例えば、Streptococcusへの防御免疫反応を誘発することによって、Streptococcusに対する免疫反応を誘導するための方法;及び特に(v)予防的な又は治療上の量の本発明のポリペプチドを必要とする宿主に投与することによって、Streptococcus感染を予防し及び/又は処置するための方法をも提供する。
免疫化の前に、本発明のポリペプチドを、また、破傷風毒素、ジフテリア毒素、B型肝炎ウイルス表面抗原、灰白髄炎ウイルスVP1抗原又は任意の他のウイルス又は細菌毒素又は抗原又は任意の適切なタンパク質のような担体タンパク質と対にするか又は接合し、より一層強い免疫反応の発生を刺激することができる。この対合又は接合は化学的にか又は遺伝学的に行うことができる。ペプチド−担体の接合のより一層詳細な説明は、Van Regenmortel(ファン・レーゲンモルテル), M. H. V.、Briand(ブライアン) J. P.、Muller(ミューラー) S.、Plaue(プラウ) S.の<<Synthetic Polypeptides as antigens>> in Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology(生化学及び分子生物学における実験技術での《抗原としての合成ポリペプチド》)、Vol.19(第19巻)(ed.) Burdou(ブルドー), R. H.及びVan Knippenberg(ファン・クニッペンバーグ) P. H.(1988年)、Elsevier(エルゼビア社) New York(ニューヨーク)において入手できる。
他の局面によれば、1種又はそれより多い本発明のStreptococcusポリペプチドが薬学的に許容できる補助剤との混合物中に含有される薬学組成物を提供する。適切な補助剤には、(1)MF59TM、SAFTM、RibiTMのような水中油滴エマルジョン製剤;(2)完全又は不完全フロインドアジュバント;(3)塩、すなわち、AlK(SO4)2、AlNa(SO4)2、AlNH4(SO4)2、Al(OH)3、AlPO4、シリカ、カオリン;(4)StimulonTM(スチムロン)のようなサポニン誘導体又はISCOMs(免疫賦活性複合体)のようなそれから生じる粒子;(5)インターロイキン、インターフェロン、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)のようなサイトカイン;(6)炭素ポリヌクレオチド、すなわち、ポリIC及びポリAU、解毒したコレラ毒素(CTB)及び粘膜免疫の誘導のためのE. coliの熱不安定性毒素のような他の物質;(7)リポソームが包含される。補助剤のより一層詳細な説明は、Pharmaceutical Research(薬学研究)、vol. 11、No. 1(1994年)pp2-11(第2〜11頁)のM. Z. I. Khan(カーン)等による総説において、及びまた、Gupta(グプタ)等による他の総説において、Vaccine(ワクチン)、Vol. 13、No. 14、pp1263-1276(1995年)において及び国際公開第WO99/24578号パンフレットにおいても入手することができる。好ましい補助剤には、QuilATM(クイルA)、QS21TM、AlhydrogelTM(アルヒドロゲル)及びAdjuphosTM(アジュホス)が包含される。
本発明の薬学組成物は、注射、迅速な注入、鼻咽頭吸収、皮膚吸収(dermoabsorption)、又は頬側によって非経口的に、又は経口によって投与することができる。
用語“薬学組成物”は、また、抗体を含むことを意味する。本発明に従って、また、本発明のポリペプチドのための結合特異性を持つ1種又はそれより多い抗体の使用を、連鎖球菌の感染及び/又は連鎖球菌の感染によって媒介される疾病及び症状の処置又は予防のために提供する。
本発明の薬学組成物は、Manual of Clinical Microbiology(臨床微生物学マニュアル)、P.R.Murray(マリー)(編集長)、E. J. Baron(バロン)、M. A. Pfaller(ファーラー)、F. C. Tenover(テノバー)及びR. H. Yolken(ヨーケン)のASM Press(ASMプレス社)、ワシントン市、seventh edition(第7版)、1999年、1773頁に記載されているように、連鎖球菌の感染及び/又は連鎖球菌の感染によって媒介される疾病及び症状の予防又は処置のために用いられる。
1具体例において、本発明の薬学組成物は、敗血症、髄膜炎、肺炎、蜂窩織炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎又は喉頭蓋の予防又は処置のために用いられる。
1具体例では、本発明の薬学組成物は、軽度の尿路感染から重篤な敗血症及び髄膜炎に至るまでの、骨髄炎、心内膜炎、羊膜炎、子宮内膜炎、創傷感染(帝王切開後及び会陰切開後)、蜂窩織炎及び筋膜炎の予防又は処置のために用いられる。
1具体例では、本発明の薬学組成物は、一次菌血症のみならず、軟部組織の皮膚感染、肺炎、尿性敗血症、心内膜炎、腹膜炎、髄膜炎又は膿胸の予防又は処置のために用いられる。軟部組織の皮膚感染には、蜂窩織炎、感染した末梢性潰瘍、骨髄炎、敗血症性関節炎及び褥瘡又は創傷感染が包含される。
1具体例では、本発明の薬学組成物は、Streptococcus感染及び/又はStreptococcus感染、特に、グループBStreptococcus(GBS又はS. agalactiae)、グループAStreptococcus〔化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)〕、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)、エス・ディスガラクティエ(S. dysgalactiae)、エス・ウベリス(S. uberis)、エス・ノカルジア(S. nocardia) 並びに黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)によって媒介される疾病及び症状の処置又は予防のために用いられる。更なる具体例において、Streptococcus感染はグループBStreptococcusGBS又はS. agalactiae)のものである。
更なる具体例において、本発明は、連鎖球菌の感染を受け易い宿主において、前記宿主に治療上の又は予防的な量の本発明の組成物を投与する工程を含む、Streptococcus感染の予防又は処置のための方法を提供する。
更なる具体例では、本発明は、GBSの感染を受け易い宿主において、前記宿主に予防的な又は治療上の量の本発明の組成物を投与する工程を含む、GBS感染の予防又は処置のための方法を提供する。
特定の具体例では、薬学組成物を、幼児、高齢者及び免疫無防備状態の(immunocompromised)宿主のような、連鎖球菌の感染の危険性があるそのような宿主に投与する。
本出願において用いるように、用語“宿主”には動物が包含される。更なる具体例で、動物は哺乳類である。更なる具体例で、動物は家畜の群れである。更なる具体例で、哺乳類はヒトである。更なる具体例で、宿主は妊婦である。更なる具体例で、宿主は非妊婦である。更なる具体例では、宿主は新生仔又は幼児である。
薬学組成物は、好ましくは、約0.001〜100μg/kg(抗体/体重)、及びより一層好ましくは0.01〜10μg/kg、及び最も好ましくは0.1〜1μg/kgの単位投与形態で、免疫化の間に1〜3回、約1〜6週の間隔を空ける。
薬学組成物は、好ましくは、約0.1μg〜10mg、及びより一層好ましくは1μg〜1mg、及び最も好ましくは10〜100μgの単位投与形態で、免疫化の間に1〜3回、約1〜6週の間隔を空ける。
他の局面によれば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物を含むアミノ酸配列によって特徴付けられるポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドを提供する。
1具体例において、ポリヌクレオチドは配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19に例示するものであり、これには読み取り枠(ORF)が含まれ、本発明のポリペプチドをコード化する。
図面に例示するポリヌクレオチドの配列を、縮重コドンで変え、なおまだ、本発明のポリペプチドをコード化させることができることは認められる。したがって、本発明は、更に、本明細書において上述したポリヌクレオチドの配列(又はその相補的配列)で、配列間に70%の同一性を持つ配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する。1具体例においては、配列間に少なくとも80%の同一性がある。1具体例では、配列間に少なくとも85%の同一性がある。1具体例では、配列間に少なくとも90%の同一性がある。1具体例では、少なくとも95%の同一性がある。更なる具体例では、97%より高い同一性がある。
更なる具体例では、ポリヌクレオチドは、厳密な条件下にハイブリダイズし得る。
ハイブリッド形成のための適切な厳密条件は、この技術の当業者によって容易に決定することができる〔例えば、Sambrook(サムブルック)等の(1989年)Molecular cloning: A Laboratory Manual(分子クローニング:実験マニュアル)、第2版、Cold Spring Harbor(コールド・スプリング・ハーバー)、N.Y.(ニューヨーク州); Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学におけるカレントプロトコルズ)、(1999年)、Ausubel(オースベル)F. M.等編、John Wiley & Sons, Inc. (ジョンワイリー・アンド・サンズ社)、N.Y.参照〕。
本明細書で用いるように、“適切な厳密条件”は、例えば、42℃で、約5×SSC、0.5%のSDS、100μg/mlの変性サケ精子DNA及び50%ホルムアミドを含有するハイブリッド形成溶液中、長いポリヌクレオチドプローブを用い、例えば、ブロットで一昼夜(例えば、少なくとも12時間)インキュベートすることを意味する。ブロットは、高い厳密な条件で洗浄することができ、例えば、5%未満のbpの不適当な組み合わせを許容し(例えば、65℃の0.1×SSC及び0.1%のSDS中で、30分間2回洗浄する)、それにより、例えば、95%又はそれより高い配列同一性を持つ配列を選定する。
適切な厳密条件の他の非制限的な例には、30mMのNaCl及び0.5%のSDSを含有する水性緩衝液中、65℃での最終的な洗浄が包含される。適切な厳密条件のもう1種の例は、50℃で、7%のSDS、0.5MのNaPO4、pH 7、1mMのEDTA中での、例えば、一昼夜のハイブリッド形成、次いで、42℃の1%のSDS溶液での1回又はそれより多い洗浄である。高度な厳密さの洗浄が5%未満の不適当な組み合わせを許容できる一方、減少したか、又は低い厳密さの条件は、20%までのヌクレオチドの不適当な組み合わせを可能にできる。 低い厳密さでのハイブリッド形成は、上記のようにではあるが、より一層低いホルムアミド条件、より一層低い温度及び/又はより一層低い塩濃度、並びにより一層長いインキュベート時間の期間を用いて遂行することができる。
更なる具体例では、本発明は、ポリヌクレオチドであって、
(a)ポリペプチドをコード化するDNA配列又は
(b)ポリペプチドをコード化するDNA配列の相補物(complement)
のいずれかに、厳密な条件下でハイブリダイズし;前記ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物を含むポリヌクレオチドを提供する。
更なる具体例では、本発明は、ポリヌクレオチドであって、
(a)ポリペプチドをコード化するDNA配列又は
(b)ポリペプチドをコード化するDNA配列の相補物
のいずれかに、厳密な条件下でハイブリダイズし;前記ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20を含むポリヌクレオチドを提供する。
更なる具体例では、本発明は、ポリヌクレオチドであって、
(a)ポリペプチドをコード化するDNA配列又は
(b)ポリペプチドをコード化するDNA配列の相補物
のいずれかに、厳密な条件下でハイブリダイズし;前記ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物含むポリペプチドからの少なくとも10個の近接するアミノ酸残基を含むポリヌクレオチドを提供する。
更なる具体例では、本発明は、ポリヌクレオチドであって、
(a)ポリペプチドをコード化するDNA配列又は
(b)ポリペプチドをコード化するDNA配列の相補物
のいずれかに、厳密な条件下でハイブリダイズし;前記ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18又は20を含むポリペプチドからの少なくとも10個の近接するアミノ酸残基を含むポリヌクレオチドを提供する。
更なる具体例では、ポリヌクレオチドは配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20に例示する本発明のポリペプチド又はその断片又は類似物をコード化するものである。
更なる具体例では、ポリヌクレオチドは本発明のポリペプチドをコード化する配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19に例示するもの又はその断片又は類似物である。
更なる具体例では、ポリヌクレオチドは配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20に例示する本発明のポリペプチドをコード化するものである。
更なる具体例では、ポリヌクレオチドは本発明のポリペプチドをコード化する配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19に例示するものである。
当業者によって容易に認められるように、ポリヌクレオチドには、双方のDNA及びRNAが包含される。
本発明には、また、本出願において記載したポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドが包含される。
更なる局面では、本発明のポリペプチドをコード化するポリヌクレオチド、又はその断片、類似物又は誘導体をDNA免疫化の方法において用いることができる。すなわち、それらは、注入により複製し及び発現することができ、それによって、インビボで抗原性ポリペプチドを生産するベクターに組み込むことができる。例えば、ポリヌクレオチドは、真核細胞中で機能するCMVプロモータの制御下に、プラスミドベクター中に組み込むことができる。好ましくは、ベクターを筋肉内に注射する。
他の局面によれば、ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドを、宿主細胞中で発現させ及び発現したポリペプチドの生成物を回収することによる組換え技術によって、本発明のポリペプチドを生産する方法を提供する。代わりに、ポリペプチドは、確立された合成化学技術、すなわち、リゲートし十分なポリペプチドを生成するオリゴペプチドの溶液相又は固相の合成(ブロックリゲーション)に従って生産することができる。
ポリヌクレオチド及びポリペプチドの獲得及び評価のための一般的な方法は、以下の参考文献に記載されている: Sambrook等のMolecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989; Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel F.M.等による編集, John Wiley and Sons, Inc. New York; Molecular Cloning to Genetic Engineering(遺伝子工学にとっての分子クローニング)、White(ホワイト) B. A.による編集、Humana Press(ヒュマーナプレス社)、Totowa(トトワ)、New Jersey(ニュージャージー州)、1997年、490頁からのPCR Cloning Protocols(PCRクローニングプロトコルズ); Protein Purification, Principles and Practices(タンパク質精製、原理及び実際)、Scopes(スコープス)R. K.、Springer-Verlag(シュプリンガー出版)、New York、3rd Edition(第3版)、1993年、380頁;Current Protocols in Immunology(免疫学におけるカレントプロトコルズ)、Coligan(コーリガン) J. E.等による編集、John Wiley & Sons Inc.、New York。
組換え生産のために、宿主細胞を、本発明のポリペプチドをコード化するベクターでトランスフェクトし、及び次いで、プロモータの活性化、形質転換体の選定又は遺伝子の増幅に適切なように修飾した栄養培地中で培養する。適切なベクターは、選ばれた宿主において生存可能で及び複製可能であり、及び染色体性の、非染色体性の及び合成のDNA配列、例えば、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミド及びファージDNAの組合せから導かれるベクターを包含するものである。ポリペプチド配列は、ベクター中で、適切な部位に、プロモータ、リボゾーム結合部位(コンセンサス領域又はシャイン−ダルガルノの配列)、及び随意にオペレータ(調節要素)を含む発現調節領域にそれが操作可能に連結するように、制限酵素を用いて組み込むことができる。所定の宿主及びベクターにとって適切な発現調節領域の個々の成分は、確立された分子生物学の原理に従って選定することができる(Sambrook等のMolecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989;Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel F.M.等による編集, John Wiley and Sons, Inc. New York参照)。適切なプロモータには、限定されないが、LTR又はSV40プロモータ、E. coliのlac、tac又はtrpプロモータ及びファージラムダPLプロモータが包含される。好ましくは、ベクターは、複製起点並びに選択マーカ、すなわち、アンピシリン耐性遺伝子を組み込む。適切な細菌ベクターには、pET、pQE70、pQE60、pQE-9、pD10ファージスクリプト(phagescript)、psiX174、pブルースクリプト(pbluescript)SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5及び真核生物のベクターpBlueBacIII、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG、pSVK3、pBPV、pMSG及びpSVLが包含される。宿主細胞は、細菌、すなわち、E. coliBacillus subtilis(枯草菌)、Streptomyces(ストレプトマイセス);真菌、すなわち、Aspergillus niger(クロカビ)、Aspergillus nidulins(アスペルギルス・ニドリンス);酵母、すなわち、Saccharomyces(酵母菌属)又は真核生物、すなわち、CHO、COSでよい。
培養中でのポリペプチドの発現の際、細胞を代表的に、遠心分離によって収集し、次いで物理的又は化学的手段によって破壊し(発現したポリペプチドが培地中に分泌されない場合)、及び得られる粗抽出物を保持し対象のポリペプチドを単離する。培養培地又は可溶化液からのポリペプチドの精製は、ポリペプチドの特性に基づく確立された技術によって、すなわち、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィ、ホスホセルロースクロマトグラフィ、疎水的相互作用クロマトグラフィ、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィ及びレクチンクロマトグラフィを用いることによって達成することができる。最終的な精製はHPLCを用いて達成することができる。
ポリペプチドはリーダ配列又は分泌配列を有するか又は有しないで発現させることができる。前者の場合、リーダは、翻訳後の処理を用いて除去するか(米国特許第4,431,739号;第4,425,437号;及び第4,338,397号明細書参照)、又は発現したポリペプチドの精製に次いで化学的に除去することができる。
更なる局面によれば、本発明のポリペプチドを、連鎖球菌の感染についての、特にグループBStreptococcusの感染の診断上の試験に用いることができる。
いくつかの診断上の方法が可能であり、例えば、生物学的試料中のStreptococcus生物体の検出は、次の方法:
(a)宿主から生物学的試料を得る工程;
(b)本発明の連鎖球菌のポリペプチドと反応する抗体又はその断片を生物学的試料と共にインキュベートし混合物を形成する工程;及び
(c) Streptococcusの存在を示す混合物中の特異的に結合した抗体又は結合した断片を検出する工程
によることができる。
代わりに、Streptococcus抗原、及び特にグループBStreptococcus抗原に特異的な抗体を含有するか、又は含有する疑いのある生物学的試料中の前記抗体を検出するための方法は、次の:
(a)宿主から生物学的試料を得る工程;
(b)本発明の1種又はそれより多い連鎖球菌のポリペプチド又はその断片を生物学的試料と共にインキュベートし混合物を形成する工程;及び
(c)Streptococcusに特異的な抗体の存在を示す混合物中の特異的に結合した抗原又は結合した断片を検出する工程
のように実行することができる。
当業者は、この診断上の試験が、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ又はラテックス凝集アッセイのような免疫学的試験を含む、種々の形態を採用し、本質的にポリペプチドに特異的な抗体が生物体中に存在するかどうかを決定することができることを認識する。
本発明のポリペプチドをコード化するDNA配列は、また、Streptococcusを含む疑いのある生物学的試料中のかかる細菌の存在の検出において使用するDNAプローブを設計するのに用いることができる。この発明の検出方法は:
(a)宿主から生物学的試料を得る工程;
(b)本発明のポリペプチドをコード化するDNA配列又はその断片を持つ1種又はそれより多いDNAプローブを生物学的試料と共にインキュベートし混合物を形成する工程;及び
(c)Streptococcus細菌の存在を示す混合物中の特異的に結合したDNAプローブを検出する工程
を含む。
本発明にかかるDNAプローブは、また、循環する(circulating)Streptococcus、すなわち、試料中のStreptococcusの核酸を検出するために、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応を用い、Streptococcus感染を診断する方法として用いることができる。プローブは通常の技術を用いて合成することができ、及び固相上に固定化することができるか、又は検出可能なラベルで標識化(label)することができる。この適用として好ましいDNAプローブは、本発明のStreptococcusポリペプチドの少なくとも約6個の近接するヌクレオチドに相補的な配列を持つオリゴマである。
宿主におけるStreptococcusの検出のための他の診断上の方法は:
(a)本発明のポリペプチドと反応する抗体又はその断片を検出可能なラベルで標識化する工程;
(b)標識化した抗体又は標識化した断片を宿主に投与する工程;及び
(c)Streptococcusの存在を示す宿主中の特異的に結合した標識化抗体又は標識化断片を検出する工程
を含む。
本発明の更なる局面は、本発明のStreptococcusポリペプチドを、Streptococcus感染の診断及び特に処置用の特異的抗体の生産のための免疫原として用いることである。適切な抗体は、適したスクリーニング方法を用いて、例えば、試験モデルにおいてStreptococcus感染に対して受動的に保護するための特定の抗体の能力を測定することによって決定することができる。1例の動物モデルは本明細書の例に記載するマウスモデルである。抗体は、抗体全体又はその抗原−結合断片でよく、及び任意の免疫グロブリンクラスに属することができる。抗体又は断片は、動物起源、特に哺乳類起源、及びより一層特には、ネズミ、ラット又はヒト起源であることができる。それは、天然抗体又はその断片でよく、又は必要ならば、組換え抗体又は抗体断片でよい。組換え抗体又は抗体断片の用語は、分子生物学の技術を用いて生産された抗体又は抗体断片を意味する。抗体又は抗体断片は、ポリクローナルでよく、又は好ましくはモノクローナルであることができる。それは、Streptococcusポリペプチドに関連する多数のエピトープに特異的であることができるが、好ましくは1種について特異的である。
本発明の更なる局面は、本発明のポリペプチドに向けられた抗体を受動的免疫法のために使用することである。本出願に記載した抗体を用いることができる。適切な抗体は、適したスクリーニング方法を用いて、例えば、特定の抗体が試験モデルにおいて連鎖球菌の感染に対して受動的に保護する能力を測定することによって決定できる。1例の動物モデルは本明細書の例に記載するマウスモデルである。抗体は、抗体全体又はその抗原−結合断片でよく、及び任意の免疫グロブリンクラスに属することができる。抗体又は断片は、動物起源、特に哺乳類起源、及びより一層特には、ネズミ、ラット又はヒト起源であることができる。それは、天然抗体又はその断片でよく、又は必要ならば、組換え抗体又は抗体断片でよい。組換え抗体又は抗体断片の用語は、分子生物学の技術を用いて生産された抗体又は抗体断片を意味する。抗体又は抗体断片は、ポリクローナルでよく、又は好ましくはモノクローナルであることができる。それは、連鎖球菌のポリペプチドに関連する多数のエピトープに特異的であることができるが、好ましくは1種について特異的である。
遺伝学的免疫化における本発明のポリヌクレオチドの使用は、好ましくは、プラスミドDNAを筋肉内に直接注入すること[Wolf(ウルフ)等、H M G(1992年)1: 363; Turnes(ターネス)等、Vaccine (1999年)、17:2089;Le(レー)等、Vaccine(2000年)18:1893;Alves (アルベス)等、Vaccine(2001年)19:788]、プラスミドDNAを補助剤と一緒にか、又は一緒でなく注入すること[Ulmer(ウルマー)等、Vaccine(1999年)18:18;MacLaughlin(マクラフリン)等、J. Control Release(ジャーナル・オブ・コントロールド・リリース)(1998年)56:259;Hartikka(ハルティカ)等、Gene Ther.(遺伝子治療)(2000年)7:1171-82;Benvenisty(バンヴェニスティ)及びReshef(レシェフ)、PNAS USA(全米科学アカデミー会報)(1986年)83:9551;Singh(シング)等、PNAS USA(2000年)97:811]、特定の担体と複合させたDNAの送達による細胞の標的指向化(targeting)[Wa(ワー)等、J Biol Chem(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ)(1989年)264:16985;Chaplin(シャプラン)等、Infect. Immun.(インフェクション・アンド・イミューニティ)(1999年)67:6434]、種々の形態のリポソーム中で複合されるか、又は封入されたプラスミドを注入すること[Ishii(イシイ)等、AIDS Research and Human Retroviruses(エイズ研究及びヒトレトロウイルス)(1997年)13:142;Perrie(ペリエ)等、Vaccine(2001年)19:3301]、照射(bombardment)の異なる方法でDNAを投与すること[Tang(タン)等、Nature(ネイチャー)(1992年)356:152;Eisenbraun(アイゼンブラウン)等、DNA Cell Biol(DNA・アンド・セル・バイオロジ)(1993年)12:791;Chen(チェン)等、Vaccine(2001年)19:2908]、及び生きたベクターでDNAを投与すること[Tubulekas(チューブルカス)等、Gene(ジーン)(1997年)190:191;Pushko(プシュコ)等、Virology(ウイルス学)(1997年)239:389;Spreng(シュプレング)等、FEMS (2000年)27:299;Dietrich(ディートリック)等、Vaccine (2001年)19:2506]のような適切な送達方法又は系を用いる。
更なる局面では、本発明は、Streptococcus感染を受け易い宿主において、Streptococcus感染の予防的な又は治療上の処置のための方法であって、宿主に、予防的な又は治療上の量の本発明の薬学組成物を投与する工程を含む方法を提供する。
更なる具体例において、本発明は、連鎖球菌の感染を受け易い宿主における連鎖球菌細菌感染の予防的な又は治療上の処置のための薬学的な方法の使用であって、前記宿主に、治療上の又は予防的な量の本発明の組成物を投与することを含む使用を提供する。
更なる具体例では、本発明は、連鎖球菌の感染の検出又は診断のための、本発明のポリペプチドを含むキットを提供する。
他に定めがない限り、本明細書で用いるすべての技術的及び科学的用語は本発明が属する技術の当業者により普通に理解されるのと同じ意味を持つ。本明細書に言及するすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、参考としてそれらのすべてを組み入れる。不一致の場合、本明細書が、定義を含め、制御する。加えて、物質、方法、及び例は説明のためのものに過ぎず、及び制限することを意図しない。
例1
この例はポリメラーゼ連鎖反応(PCR) による切断されたsip遺伝子産物のクローニング及び切断された分子の発現を記載する。
グループB連鎖球菌のsip(特許協力条約国際公開第WO99/42588号パンフレットからの配列番号:42)遺伝子の断片を、PCR〔DNA Thermal Cycler GeneAmp PCR system 2400 Perkin Elmer(DNAサーマル・サイクラー・ジーンアンプ・PCRシステム2400パーキンエルマー)〕によって、血清型Ia/cグループB連鎖球菌株C388/90のゲノムDNAから、制限酵素認識部位(restriction site)及びメチオニンの付加のための塩基伸長(base extension)を含むオリゴヌクレオチドのプライマの対を用いて、増幅させた(表1)。メチオニンをC-末端及び内部切断したSipポリペプチドのために付加した。PCR生成物を、アガロースゲルから、QIAgen(QIAゲン社)からのQIAquick gel extraction kit(QIAクイックゲル抽出キット)を製造者の指示に従い用いて精製し、及び制限エンドヌクレアーゼを用いて消化した。pETベクター〔Novagen(ノバゲン社)、Madison(マディソン)、WI(ウィスコンシン州)〕を、同じエンドヌクレアーゼで消化し、及びアガロースゲルから、QIAgenからのQIAquick gel extraction kitを用いて精製した。消化したPCR生成物を次の直線化したpET発現プラスミド、pET21又はpET32の1種にリゲートした。リゲート生成物を、E. coli株DH5α[F-φ80dlacZΔM15Δ(lacZYA-argF)U169 endA1 recA1 hsdR17(rK-mK+) deoR thi-1 phoA supE44 λ ̄gyrA96 relA1]〔Gibco BRL(ギブコBRL社)、Gaithersburg(ゲイサーズバーグ)、MD(メリーランド州)〕中に、製造者の提案に従い形質転換させた。sip遺伝子断片を含む組換えpETプラスミド(rpET)を、QIAgen プラスミドキットを用いて精製し、及びそれらのDNA挿入断片(insert)を配列決定した〔Taq Dye Deoxy Terminator Cycle Sequencing kit(タック・ダイ・デオキシ・ターミネータ・サイクル・シークエンシング・キット)、ABI(アプライドバイオシステムズ社)、Foster City(フォスターシティ)、CA(カリフォルニア州)〕。各々の得られたプラスミド構築物を用い、エレクトロポレーション〔Gene Pulser II apparatus(ジーン・パルサーII装置)、BIO-RAD Labs(バイオラド・ラボラトリーズ社)、Mississauga(ミシサーガ)、Ontario(オンタリオ州)、Canada(カナダ国)〕によって、E. coli株BL21(DE3)[F- ompT hsdS B (r- B m- B ) gal dcm (DE3)]又はAD494(DE3)[Δara-leu7697 ΔlacX74 ΔphoA PvuII phoR ΔmalF3 F'[lac +(lacI q ) pro] trxB::Kan (DE3)](Novagen)を形質転換した。これらのE. coliの株において、組換えポリペプチドの発現を制御するT7プロモータはT7 RNAポリメラーゼ(λDE3プロファージ上に存在)によって特異的に認識され、その遺伝子はIPTGによって誘導可能なlacプロモータの制御下にある。形質転換体を37℃において250rpmで撹拌しながら、1mL当たり100μgのカルベニシリン〔Sigma-Aldrich Canada Ltd.(シグマ−アルドリッチ・カナダ社)、Oakville(オークビル)、Ontario、Canada〕を含有するLBブロス(ペプトン10g/L、酵母抽出物5g/L、NaClの10g/L)中で、A600が0.6の値に達するまで増殖させた。グループB連鎖球菌の切断されたSip組換えポリペプチドの生産を誘導するため、細胞を追加の3時間、1mMの終濃度のIPTGの存在下にインキュベートした。500mLの培養物からの誘導された細胞を遠心分離によってペレット化し、及び-80℃で凍らせた。発現した組換えポリペプチドを、超音波処理されたIPTG-誘導E. coli培養物の遠心分離から得られた上清画分から、His結合(His-Bind)金属キレート樹脂を用いて精製した(QIAgen、Chatsworth、CA)。生じた遺伝子産物を表2に挙げる。E. coliの可溶性画分から得られる組換えポリペプチドの量をMicroBCA(マイクロBCA)〔Pierce(ピアス社)、Rockford(ロックフォード)、Illinois(イリノイ州)〕によって評価した。
Figure 2005535287
Figure 2005535287
例2
この例は、His-標識付けし切断されたSip組換えポリペプチドとヒト血清中に存在する抗体との反応性を例示する。
表3に示すように、ΔSip-2(215-434)、ΔSip-3(146-434)、及びΔSip-4(272-434)のHis-標識付け組換えポリペプチドは、免疫ブロットにおいて、ヒト血清のプール中に存在する抗体によって最も良く認識された。これは重要な結果であり、それは、普通にGBSと接触したヒトが、このポリペプチドのC-末端部分(aa 215-434)に特異的な抗体を発生させることを明瞭に示すからである。これらの特定のヒト抗体は、GBSの感染に対する保護に関与しているかもしれない。
Figure 2005535287

例1に記載したように生産し及び精製したHis-標識付け組換えポリペプチドを用いて免疫ブロッティングを行った。
ヒトから収集した血清をプールし及び1/500に希釈して免疫ブロッティングを行った。
例3
この例は、切断されたSipポリペプチドに対して向けられる抗体の無傷のGBS細胞の表面での結合を例示する。
細菌細胞を、Todd-Hewitt(トッド−ヒュイット)ブロス〔THB:Difco Laboratories(ディフコ・ラボラトリーズ社)、Detroit(デトロイト)、Mich.(ミシガン州)〕中で初期対数期まで増殖させ、及びOD600nmをTHBで0.15に調節した(〜108CFU/mLに対応する)。10μLのマウスの切断したSip-特異的な血清又はコントロールの血清を1mLの細菌懸濁液に添加した。細菌懸濁液及び血清懸濁液を含有する管を緩徐な回転の下で2時間4℃でインキュベートした。試料を、阻止緩衝液(blocking buffer)[2%(重量/容量)のウシ血清アルブミン〔BSA:Sigma Chemical Co.(シグマ・ケミカル社)、St. Louis(セントルイス)、Mo.(ミズーリ州)〕を含有するphosphate-buffered saline(リン酸緩衝食塩水)(PBS)]中で3回洗浄し、及び次いで、阻止緩衝液中で希釈された1mLのヤギのフルオレッセイン(FITC)-複合化(conjugated)抗−マウスIgG+IgM〔Jackson ImmunoResearch Laboratories(ジャクソン・イムノリサーチ・ラボラトリーズ社)、Mississauga、Ontario、Canada〕を添加した。室温での60分間の更なるインキュベートの後、試料を3回阻止緩衝液中で洗浄し、及びPBS緩衝液中の0.3%のホルムアルデヒドを用い18時間4℃で固定した。細胞をPBS緩衝液中で2回洗浄し、及び0.5mLのPBS緩衝液中に再懸濁させた。細胞を、フローサイトメトリ[Epics(R)〔エピクス(登録商標)〕XL;Beckman Coulter, Inc.(ベックマン・クールター社)、Fullerton(フラートン)、Calif.(カリフォルニア)]によって分析するまで4℃で暗所に保った。
フローサイトメトリ分析は、ΔSip-2(215-434)、ΔSip-3(146-434)、及びΔSip-4(272-434)−特異的抗体が、試験された相同的な(C388/90)GBS株上のそれらの対応する表面露出されたエピトープを効率的に認識することを明らかにした(表4)。分析されたGBSの10,000個の細胞の90%より多くが、これらの血清中に存在する抗体で標識化されることが決定された。加えて、ΔSip-2(215-434)、ΔSip-3(146-434)、及びΔSip-4(272-434)−特異的血清のプール中に存在する抗体は、血清型IIIのGBS株NCS954の表面で付着した(表4)。また、この株の10,000個の細胞の80%より多くが、特異的な抗体によって標識化されることが決定された。これらの観察は、SipポリペプチドのC-末端部分がその表面で接近可能であり、そこで、それが抗体によって容易に認識され得ることを明確に示す。抗-GBS抗体は、GBS感染に対する保護において重要な役割を担うことが示された。実際、本発明者は、Sip-特異的抗体が経胎盤性障壁を効率的に交差させ、従って、GBS感染に対して防御免疫を与えることが示された〔Martin(マーティン)等、101th(第101回)Gen. Meet. Am. Soc. Microbiol.(米国微生物学会のジェネラル・ミーティング)2001年のAbstr(アブストラクト)〕。
Figure 2005535287

マウスを、20μgの精製した組換えポリペプチドと20μgのQuilAアジェバントとを混合したもので、3週の間隔で3回皮下注射した。血清を1/100に希釈した。
分析された10,000個の細胞の中からのラベル化細胞の%である。
蛍光指標を、コントロールマウスの血清について得られた蛍光値によって分けられた免疫血清で細胞をラベル化した後に得られた中央(median)蛍光値として算出した。1の蛍光値は、無傷のGBS細胞の表面で抗体の結合がなかったことを示した。
GBS株C388/90からの精製したSipポリペプチドの20μgで免疫化したマウスから得た血清を、1/100に希釈し、及び陽性コントロールとしてアッセイのために用いた。
未免疫の又は見せかけに免疫化した(sham-immunized)マウスから収集した血清をプールし、1/100に希釈し、及びこのアッセイのための陰性コントロールとして用いた。
例4
この例は、致命的なグループB連鎖球菌の感染に対し、精製し切断したSip組換えポリペプチドでの免疫化によって誘導されるマウスの保護を例示する。
8匹の雌のCD-1マウス〔Charles River(チャールズリバー)〕の群を、20μgのQuilAアジュバント〔Cedarlane Laboratories Ltd(シーダレーン・ラボラトリーズ社)、Hornby(ホーンビー)、Canada〕の存在下に、例1で記載したように生産し及び精製した切断されたSipポリペプチドの20μgを用い、3週の間隔で3回、皮下により免疫化した。コントロールのマウスは、PBS中のQuilAアジュバント単独を用い注射した。血液試料を、眼窩の洞(orbital sinus)から、各免疫化に先立って1、21、及び42日及び3回目の注射後の14日(56日)に収集した。1週間後、マウスを、およそ3×105CFUのグループB連鎖球菌株C388/90(Ia/c)に負荷した。グループB連鎖球菌の負荷接種材料を血液寒天プレート上で平板培養し、CFUを決定し、及び負荷投与量を確かめた。7日の期間、死亡を記録した。ΔSip-2(215-434)、ΔSip-3(146-434)、ΔSip-4(272-434)、及びΔSip-6(184-434)のいずれかの組換えポリペプチドで免疫化したマウスの60%より多くが、GBSでの致死的な負荷に対し保護された。これに対し、アジュバント単独、ΔSip-1(1-214)、又はΔSip-5(1-360)でのマウスの免疫化はかかる保護を与えなかった(表5)。ΔSip-2(215-434)、ΔSip-3(146-434)、ΔSip-4(272-434)、及びΔSip-6(184-434)で免疫化したマウスの群について決定された生存率は、フィッシャーの直接確率検定によってコントロール群と統計的に異なることが示された。
Figure 2005535287
例5
この例は、モノクローナル抗体(Mabs)の単離及びこれらのMabsのSipポリペプチドのエピトープの特徴付けのための使用を記載する。
雌のCD1マウス(Charles River)を、20μgのQuilAアジュバント(Cedarlane Laboratories Ltd, Hornby, Canada)の存在下に、GBS株C388/90からのΔsip-3遺伝子産物を用い皮下で免疫化した。マウスの群を、20μgのアフィニティ精製したΔSip-3ポリペプチドを用い、3週の間隔の3回、免疫化した。融合前3〜4日で、マウスに、PBS単独中に懸濁させたそれぞれの抗体の10μgを静脈内に注射した。ハイブリドーマを、Hamel(ハーメル)等によって前に記載されたように、脾臓細胞を非分泌性のSP2/0ミエローマ細胞と融合させることにより生産した[J. Med. Microbiol.(ジャーナル・オブ・メディカル・ミクロバイオロジ)、23、ppl63-170(1987年)]。ハイブリドーマの培養上清を、最初に、精製した組換えポリペプチド又は熱死滅させた(heat-killed)GBS細胞の懸濁液の調製物で被覆されたプレートを用いるBrodeur等(2000年)によって記載された手法に従う酵素結合免疫アッセイによってスクリーニングした。次いで、様々な抗体とのELISA反応性に基づいて選定された陽性のハイブリドーマを、限界希釈によってクローン化し、拡大し(expanded)及び凍結した。
ハイブリドーマを、Mabsによって認識されるエピトープを特徴付けるために、sip遺伝子産物に対するELISA及びウエスタンイムノブロットによって、及びGBS株C388/90(血清型Ia/c)に対する細胞蛍光測定法アッセイによって試験した。Mabsの免疫反応性の研究から得られた結果(表6及び表7)は、切断したSipポリペプチドで得られる表面の接近可能性(accessibility)に一致する。実際、ほとんどの接近可能なMabsはSipポリペプチドのC-末端領域(215-434)を認識した。特に、データはSipポリペプチド上の少なくとも4種の別々の表面露出した及び潜在的に保護性のエピトープの存在を明らかにした。これらの領域は、アミノ酸215-272、272-322、360-366、及び391-434に位置することが決定された。これに対し、アミノ酸1〜214を含むN-末端部分に位置するエピトープは、内部のもので、抗体に接近可能でなかった。
Figure 2005535287
Figure 2005535287

エピトープは、切断したSipポリペプチドとのMabの反応性によって決定した(表6参照)。
分析された10,000個の細胞の中からのラベル化細胞の%である。
蛍光指標は、Mabs、又はコントロールMabsについて得られた蛍光値によって分けられた免疫血清を用いて、細胞をラベル化した後に得られた中央蛍光値として算出した。1の蛍光値は、無傷のGBS細胞の表面で抗体の結合がなかったことを示した。
関係がない(irrevalant)Mabを希釈せず、及びこのアッセイのための陰性コントロールとして用いた。
GBS株C388/90からの精製したSipポリペプチドの20μgで免疫化したマウスから得た血清を、1/100に希釈し、及び陽性コントロールとしてアッセイのために用いた。
例6
この例は、致命的なグループB連鎖球菌の感染に対し、Sip-特異的Mabsを用いる受動免疫によって誘導されるマウスの保護を例示する。
感染に対して新生仔を保護するSip-特異的Mabsの保護の可能性を、半−精製(semi-purified)Mabs抗体の受動的な投与によって評価した。16日の妊娠期間の妊娠マウスに、500μLの半−精製Mabs抗体又は部分的に精製したラビットのSip-特異的抗体を静脈内注射(i. v.)した。6匹のコントロールの妊娠マウスは、同じ容量の半−精製された関係のないMabを受け取った。子には、血清型Ia/cのGBS株C388/90からの3〜4×104cfuの致死的な投与量を用いて、生後24時間から48時間の間に皮下(s. c.)に負荷した。生存データを表8に示す。2種のSip-特異的Mabs、6F3及び11D2の組合せの妊娠への投与は、致死的なGBSの負荷に対して、子の65%(15/23)を保護した。子の匹敵する生存は妊娠マウスが1種のSip-特異的Mabを受け取った場合には観察されなかった。
Figure 2005535287

妊娠期間16日での妊娠マウスに、500μLの最大容量の半−精製抗体をi. v.で投与した。2種のMabsの組合せを妊娠マウスに受動的に投与する場合、250μLの各Mabを注射前に一緒にプールした。
生存の数は負荷後7日間のものであった。子には、血清型Ia/cのGBS株C388/90からの3〜4×104cfuを含む50μLで、生後24時間から48時間の間にs. c.に負荷した。
Δsip-1遺伝子のDNA配列;(配列番号:1)を示す図である。 Δsip-1ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:2)を示す図である。 Δsip-2遺伝子のDNA配列;(配列番号:3)を示す図である。 Δsip-2ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:4)を示す図である。 Δsip-3遺伝子のDNA配列;(配列番号:5)を示す図である。 Δsip-3ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:6)を示す図である。 Δsip-4遺伝子のDNA配列;(配列番号:7)を示す図である。 Δsip-4ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:8)を示す図である。 Δsip-5遺伝子のDNA配列;(配列番号:9)を示す図である。 Δsip-5ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:10)を示す図である。 Δsip-6遺伝子のDNA配列;(配列番号:11)を示す図である。 Δsip-6ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:12)を示す図である。 Δsip-7遺伝子のDNA配列;(配列番号:13)を示す図である。 Δsip-7ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:14)を示す図である。 Δsip-8遺伝子のDNA配列;(配列番号:15)を示す図である。 Δsip-8ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:16)を示す図である。 Δsip-9遺伝子のDNA配列;(配列番号:17)を示す図である。 Δsip-9ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:18)を示す図である。 Δsip-10遺伝子のDNA配列;(配列番号:19)を示す図である。 Δsip-10ポリペプチドのアミノ酸配列;(配列番号:20)を示す図である。

Claims (30)

  1. 分離されたポリヌクレオチドであって:
    (a)ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物:から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持ち;
    (b)ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物:から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を持ち;
    (c)ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物:から選ばれる配列を含み;
    (d)ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物:から選ばれる配列を含むポリペプチドのための結合特異性を持つ抗体を生じさせ得;
    (e)ポリペプチドのエピトープ関連部分をコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含み;
    (f)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含むポリヌクレオチド;
    (g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)中のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド
    から選ばれるポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
  2. 分離されたポリヌクレオチドであって:
    (a)ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8又は10、12、14、16、18、20:から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持ち;
    (b)ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8又は10、12、14、16、18、20:から選ばれる配列を含む第2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を持ち;
    (c)ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20:から選ばれる配列を含み;
    (d)ポリペプチドをコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20:から選ばれる配列を含むポリペプチドのための結合特異性を持つ抗体を生じさせ得;
    (e)ポリペプチドのエピトープ関連部分をコード化するポリヌクレオチドであって、ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を含み;
    (f)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19から選ばれる配列を含むポリヌクレオチド;
    (g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)中のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド
    から選ばれるポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド。
  3. 前記ポリヌクレオチドがDNAである請求項1記載のポリヌクレオチド。
  4. 前記ポリヌクレオチドがDNAである請求項2記載のポリヌクレオチド。
  5. 前記ポリヌクレオチドがRNAである請求項1記載のポリヌクレオチド。
  6. 前記ポリヌクレオチドがRNAである請求項2記載のポリヌクレオチド。
  7. 請求項1記載のポリヌクレオチドであって、
    (a)ポリペプチドをコード化するDNA配列又は
    (b)ポリペプチドをコード化するDNA配列の相補物
    のいずれかに、厳密な条件下でハイブリダイズし;
    前記ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物を含むポリヌクレオチド。
  8. 請求項2記載のポリヌクレオチドであって、
    (a)ポリペプチドをコード化するDNA配列又は
    (b)ポリペプチドをコード化するDNA配列の相補物
    のいずれかに、厳密な条件下でハイブリダイズし;
    前記ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20を含むポリヌクレオチド。
  9. 請求項1記載のポリヌクレオチドであって、
    (a)ポリペプチドをコード化するDNA配列又は
    (b)ポリペプチドをコード化するDNA配列の相補物
    のいずれかに、厳密な条件下でハイブリダイズし;
    前記ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物を含むポリペプチドからの少なくとも10個の近接するアミノ酸残基を含むポリヌクレオチド。
  10. 請求項2記載のポリヌクレオチドであって、
    (a)ポリペプチドをコード化するDNA配列又は
    (b)ポリペプチドをコード化するDNA配列の相補物
    のいずれかに、厳密な条件下でハイブリダイズし;
    前記ポリペプチドが配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20を含むポリペプチドからの少なくとも10個の近接するアミノ酸残基を含むポリヌクレオチド。
  11. ベクターであって、請求項1記載のポリヌクレオチドを含み、前記DNAが発現調節領域に操作可能に連結しているベクター。
  12. ベクターであって、請求項2記載のポリヌクレオチドを含み、前記DNAが発現調節領域に操作可能に連結しているベクター。
  13. 宿主細胞であって、請求項11記載のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
  14. 宿主細胞であって、請求項12記載のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
  15. ポリペプチドの製造方法であって、請求項13記載の宿主細胞を前記ポリペプチドの発現に適切な条件下で培養する工程を含む方法。
  16. ポリペプチドの製造方法であって、請求項14記載の宿主細胞を前記ポリペプチドの発現に適切な条件下で培養する工程を含む方法。
  17. 分離されたポリペプチドであって:
    (h)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物:を含むアミノ酸配列を持つ第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持つポリペプチド;
    (i)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物:を含むアミノ酸配列を持つ第2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を持つポリペプチド;
    (j)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を含むポリペプチド;
    (k)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を持つポリペプチドのための結合特異性を持つ抗体を生じさせ得るポリペプチド;
    (l)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を持つポリペプチドのエピトープ関連部分;
    (m)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドであってN末端メチオニン残基が欠失しているポリペプチド;
    (n)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(g)のポリペプチドであって分泌性のアミノ酸配列が欠失しているポリペプチド
    から選ばれるポリペプチドを含むポリペプチド。
  18. 分離されたポリペプチドであって:
    (a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20:を含むアミノ酸配列を持つ第2のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を持つポリペプチド;
    (b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20:を含むアミノ酸配列を持つ第2のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を持つポリペプチド;
    (c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を含むポリペプチド;
    (d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を持つポリペプチドのための結合特異性を持つ抗体を生じさせ得るポリペプチド;
    (e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を持つポリペプチドのエピトープ関連部分;
    (f)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドであってN末端メチオニン残基が欠失しているポリペプチド;
    (g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(g)のポリペプチドであって分泌性のアミノ酸配列が欠失しているポリペプチド
    から選ばれるポリペプチドを含むポリペプチド。
  19. キメラポリペプチドであって、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20又はその断片又は類似物から選ばれる配列を持つ2種又はそれより多いポリペプチドを含み;ポリペプチドがキメラのポリペプチドを形成するように連結するのを条件とするキメラポリペプチド。
  20. キメラポリペプチドであって、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20から選ばれる配列を持つ2種又はそれより多いポリペプチドを含み;ポリペプチドがキメラのポリペプチドを形成するように連結するのを条件とするキメラポリペプチド。
  21. 薬学組成物であって、請求項17〜20のいずれか一項記載のポリペプチド及び薬学上許容できる担体、希釈剤又は補助剤を含有する薬学組成物。
  22. 敗血症、髄膜炎、肺炎、蜂窩織炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎又は喉頭蓋の予防的な又は治療上の処置のための方法であって、宿主に、請求項21記載の組成物の予防的な又は治療上の量を投与する工程を含む方法。
  23. 連鎖球菌の感染を受け易い宿主におけるStreptococcus感染の予防的な又は治療上の処置のための方法であって、前記宿主に、請求項21記載の組成物の治療上の又は予防的な量を投与する工程を含む方法。
  24. 宿主が動物である請求項22記載の方法。
  25. 宿主が家畜の群れから選ばれる請求項22記載の方法。
  26. 宿主がヒトである請求項22記載の方法。
  27. Streptococcus感染を受け易い宿主におけるStreptococcus感染の診断のための方法であって、
    (a)宿主から生物学的試料を得る工程;
    (b)請求項17〜20のいずれか一項記載の連鎖球菌のポリペプチドと反応する抗体又はその断片を生物学的試料と共にインキュベートし混合物を形成する工程;及び
    (c)Streptococcusの存在を示す混合物中の特異的に結合した抗体又は結合した断片を検出する工程
    を含む方法。
  28. 生物学的試料中のStreptococcus抗原に特異的な抗体を検出する方法であって、
    (a)宿主から生物学的試料を得る工程;
    (b)請求項17〜20のいずれか一項記載の1種又はそれよりも多い連鎖球菌のポリペプチド又はその断片を生物学的試料と共にインキュベートし混合物を形成する工程;及び
    (c)Streptococcusに特異的な抗体の存在を示す混合物中の特異的に結合した抗原又は結合した断片を検出する工程
    を含む方法。
  29. 請求項22記載の薬学的方法の使用であって、連鎖球菌の感染を受け易い宿主における連鎖球菌の細菌感染の予防的な又は治療上の処置のために、前記宿主に、請求項21記載の組成物の治療上の又は予防的な量の投与を含む使用。
  30. ポリペプチドを含むキットであって、連鎖球菌の感染の検出又は診断のための請求項17〜20のいずれか一項記載のポリペプチドを含むキット。
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