JP2008530021A - 医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ポリペプチド、エピトープ、およびそれらのエピトープに対する抗体に関し、より詳しくは、ストレプトコッカス・アガラクチエとも呼ばれるB群ストレプトコッカス(GBS)のSipポリペプチドに関する。Sipポリペプチドは、ストレプトコッカス感染症の予防、診断および/または処置に使用され得る。本発明により、それらの抗原、ポリペプチド、エピトープ、またはそのエピトームに対する抗体、あるいは対応するDNA断片に会合したリポソームを含む医薬組成物もまた提供される。

Description

(発明の背景)
本出願は、2005年2月8日に出願された米国特許仮出願第60/650,543号の出願日の利益を主張する。
ストレプトコッカスは、細胞表面に見られる群特異的な糖鎖抗原A〜Oによって区別されるグラム陽性細菌である。ストレプトコッカスの群は、型に特異的な莢膜の多糖類抗原によってさらに識別される。B群ストレプトコッカス(GBS)については、以下のいくつかの血清型が同定されている:Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VIIおよびVIII。GBSはまた、「cタンパク質」(α、βおよびγ)、Rib、RおよびC5aペプチダーゼのような数種の抗原タンパク質を含んでおり、それらのいくつかについてはすでに特徴付けられている。
GBSは健常人の膣内および結腸内の細菌叢の一般的な構成細菌ではあるが、この病原体は、新生児の敗血症および髄膜炎、小児における後発性髄膜炎、分娩後子宮内膜炎、ならびに乳牛における乳房炎の主な原因として長らく認識されてきた。GBSに曝露された妊婦は、分娩後感染症のリスクがあり、その乳児が産道を通過する際に乳児にこの感染症がうつる可能性がある。その生物体は抗生物質に対して感受性があるが、新生児における敗血症および小児における髄膜炎の発病率は高く、発症は急激であるので、罹患率および死亡率は高い。
乳児におけるGBS感染症は、非常に早期の新生児期に限られる。乳児感染症の約80%は、誕生した日に起こり、いわゆる早発性疾患と呼ばれる。遅発性の感染症は、生後1週間と3ヶ月との間の乳児で起こる。新生児におけるGBS疾患の臨床的症状群としては、敗血症、髄膜炎、肺炎、蜂巣炎、骨髄炎、敗血性関節炎、心内膜炎、喉頭蓋炎が挙げられる。それ自体で多大なダメージを与える、GBSによる急性疾患のほかに、新生児のGBS感染症は、死亡、身体障害、および稀な場合には感染症の再発が起こり得る。この生物体は抗生物質に対して感受性があるが、新生児における敗血症および小児における髄膜炎の発病率は高く、発症は急激であるので、罹患率および死亡率は高い。
妊婦では、GBSは軽度の尿路感染症から、生命にかかわる敗血症および髄膜炎までの範囲に及ぶ臨床上の病気を引き起こし、それらの病気には骨髄炎、心内膜炎、羊膜炎、子宮内膜炎、創傷感染症(帝王切開後および会陰切開後)、蜂巣炎、筋膜炎も含まれる。
妊娠していない成人女性では、侵襲性GBS疾患の臨床上の所見は最も頻繁には初期菌血症の形態をとるが、軟組織の皮膚感染症、肺炎、尿路性敗血症、心内膜炎、腹膜炎、髄膜炎、膿胸の形態もとる。軟組織の皮膚感染症としては、蜂巣炎、感染性末梢潰瘍、骨髄炎、肺血性関節炎、ならびに褥創または創傷感染症が挙げられる。リスクを伴う人々の中には、糖尿病などの慢性疾患を有する人々、癌を有する人々または高齢者のような消耗したものもいる。
GBS感染症はまた動物でも起こり、乳牛における乳房炎を引き起こす。
個体をGBS感染症から防御するワクチンを見出すために、研究者は型に特異的な抗原を調べてきた。これらの多糖類については、ヒトでの免疫原性に乏しいことがすでに証明されており、その多糖類を誘導した特定の血清型に限定される。これらの莢膜多糖類は、破傷風トキソイドのような担体タンパク質に結合させた場合、前臨床試験およびヒトでの臨床試験で免疫原性が高まることが分かり、そして予想通りその防御は型特異的であることが分かった。血清型分布に関する現在の情報に基づくと、北米における大部分の疾患を予防するためには、コンジュゲート型ワクチンは、Ia型、Ib型、II型、III型およびV型を含む必要がある。しかしながら、この処方物は、VI型およびVIII型のような他の血清型が優勢である、日本などの世界の他の地域でも有効であるためには、改変されなければならない。
新生児および小児の防御のための代替戦略は、遍在性タンパク質に基づくGBSワクチンを開発するものである。細菌表面タンパク質には、ワクチン開発にとっての多くの利点を有する。実際に、そのような細菌タンパク質は、ほとんどの病原性株に存在して交差防御免疫を誘発させることが他の細菌性病原体について見出された。そのうえ、これらのタンパク質は、有効なT細胞依存性抗体応答を誘発させて長期間の免疫を生じさせるため、他の分子にコンジュゲートさせる必要がない。有力なワクチン候補としてすでに研究されているGBS表面タンパク質は、Rタンパク質、cタンパク質のαサブユニットおよびβサブユニット、ならびにRibタンパク質である。これらのタンパク質のすべては、マウスにおいて抗体を惹起し得、そしてある程度までは、生存を延長させ、致死的な細菌チャレンジを防御する。
特許文献1は、「B群ストレプトコッカス抗原」の名称で1999年2月17日に公開され、特許文献1には、抗原性があることが主張されているポリペプチドが記載されている。このポリペプチドは、urface mmunogenic rotein(表面免疫原性タンパク質)にちなんで現在はSipという名称で知られている(非特許文献1)。
このポリペプチドは非常に保存されており、これまで調べられたどのGBSによっても生産されることが判明し、そのなかにはすべての血清型の代表的な単離株も含まれた(非特許文献1)。この53kDaのポリペプチドは、ヒトの免疫系によって認識される。さらに重要なことには、Sipポリペプチドで成体マウスを免疫すると、血清型Ia/c、Ib、II/R、III、VおよびVIを提示するGBS株での実験的感染に対して、強力な特異的抗体応答の誘発および防御付与が見られた(非特許文献1)。また9種の血清型のすべての代表を含めた異なるGBS株の細胞表面におけるエピトープを、Sip特異的抗体が認識することも示された(非特許文献2)。さらに、妊娠中のマウスにウサギの抗Sip血清を受動投与するか、あるいは妊娠前のメスのマウスを精製組換えSipで免疫すると、その子孫へGBS感染症に対抗する防御免疫が付与されることも最近報告された(非特許文献3)。
国際公開第99/42588号パンフレット Brodeurら、Infect.Immun.、68:5610(2000) Riouxら、Infect.Immun.69:5162(2001) Martinら、Infect.Immun.70:4897(2002)
従って、B群ストレプトコッカス感染症の予防、診断および/または処置に用いることが可能なB群ストレプトコッカスのポリペプチドが必要とされている。
(発明の詳細な説明)
本発明は、ポリペプチド、さらに特定するとストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)とも呼ばれるB群ストレプトコッカス(GBS)のSipポリペプチド、ならびにこれらの抗原、ポリペプチド、エピトープ、またはこれらのエピトープに対する抗体、あるいは対応するDNA断片に会合したリポソームを含む医薬組成物を提供し、それらの医薬組成物は連鎖球菌感染症の予防、診断および/または処置に使用され得る。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類縁体を含むポリペプチドと会合したリポソームを含む医薬組成物に関する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含むポリペプチドと会合したリポソームを含む医薬組成物に関する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むポリペプチドのエピトープ保有部分と会合したリポソームを含む医薬組成物に関する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含むポリペプチドのエピトープ保有部分と会合したリポソームを含む医薬組成物に関する。
一つの態様によれば、本発明は、以下から選択される単離されたポリペプチドと会合したリポソームを含む医薬組成物を提供する:
(a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を有するポリペプチド;
(b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
(c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を有するポリペプチド;
(d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド;
(e)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも99%の同一性を有するポリペプチド;
(f)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むポリペプチド;
(g)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むポリペプチドに対して結合特異性を有する抗体を惹起させ得るポリペプチド;
(h)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むポリペプチドのエピトープ保有部分;
(i)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)のポリペプチドからN末端のMet残基が欠失したポリペプチド;および
(j)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)または(i)のポリペプチドから分泌性アミノ酸配列が欠失したポリペプチド。
一つの態様によれば、本発明は、以下から選択される単離されたポリペプチドと会合したリポソームを含む医薬組成物を提供する:
(a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含む第二のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を有するポリペプチド;
(b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含む第二のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
(c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含む第二のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を有するポリペプチド;
(d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含む第二のポリペプチドと少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド;
(e)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含む第二のポリペプチドと少なくとも99%の同一性を有するポリペプチド;
(f)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含むポリペプチド;
(g)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含むポリペプチドに対して結合特異性を有する抗体を惹起させ得るポリペプチド;
(h)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含むポリペプチドのエピトープ保有部分;
(i)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)のポリペプチドからN末端のMet残基が欠失したポリペプチド;および
(j)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)または(i)のポリペプチドから分泌性アミノ酸配列が欠失したポリペプチド。
本明細書で用いられる場合、「〜と会合した」とは、本発明のポリペプチドが脂質に好ましくは共有結合することによってこのポリペプチドのリポソームへと付着していることを意味する。
さらなる実施形態では、本発明によるポリペプチドと会合したリポソームを含む医薬組成物中に存在するポリペプチドは抗原性を有し、それゆえその医薬組成物は抗原性である。
さらなる実施形態では、本発明によるポリペプチドと会合したリポソームを含む医薬組成物中に存在するポリペプチドは免疫原性を有し、それゆえその医薬組成物は免疫原性である。
さらなる実施形態では、本発明によるポリペプチドと会合したリポソームを含む医薬組成物中に存在するポリペプチドは宿主内での免疫応答を誘発でき、それゆえその医薬組成物は宿主内で免疫応答を誘発できる。さらなる実施形態では、免疫応答は全身性である。さらなる実施形態では、免疫応答は粘膜性である。
さらなる実施形態では、本発明は上記で定義のとおりの本発明のポリペプチドに結合特異性を有する抗体を惹起することが可能なポリペプチドと会合したリポソームを含む医薬組成物にも関する。
「結合特異性を有する」抗体とは、選択されたポリペプチドを認識して結合する抗体であって、選択されるペプチドを本来含有する、例えば生物学的試料のような試料中の他の分子を実質的に認識および結合しない抗体である。特異的結合は、選択されたポリペプチドが抗原として使用されるELISAアッセイを用いて測定され得る。
本発明によると、生物学的研究における「防御」とは、生存率の増加と定義され、生存率の増加自体は、GBSが致死量接種されたマウスの、対照マウスと比較しての生存数の増加と定義される。
本発明のさらなる態様によれば、本発明のポリペプチドまたはそれらの類似体の抗原性断片および/または免疫原性断片と会合したリポソームを含む医薬組成物が提供される。
本発明の断片は、それらのエピトープ領域の抗原性および/または免疫原性を保持するために、一個もしくは複数個のそれらのエピトープ領域を含むべきであるか、またはそのような領域と十分に類似しているべきである。したがって、本発明による断片に関しては、本明細書に記載のポリペプチドまたはその類似体の特定の部分と100%同一であり得ることから、同一性の程度はおそらく無関係である。本発明はさらに、本発明のポリペプチドの免疫原性断片も提供し、その断片は本発明のポリペプチドの連続部分である。さらに本発明は、本発明のポリペプチド配列由来の少なくとも10個連続したアミノ酸残基を有する断片も提供する。一つの実施形態では、少なくとも15個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも20個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも30個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも40個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも50個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも100個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも150個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも200個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも250個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも300個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも350個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも400個連続したアミノ酸残基を有する。
さらに本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含むポリペプチドと同じか、または実質的に同じ免疫原性活性を有する断片も提供する。その断片(必要により担体と結合した場合)については、Sipポリペプチドを認識する免疫応答を誘発できる。
そのような免疫原性断片としては、例えばN末端のリーダーペプチドがないSipポリペプチド、および/または任意の推定構造ドメインが挙げられ得る。
さらに本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含む第二のポリペプチドと、その配列の長さ全体について少なくとも70%の同一性、好ましくは80%の同一性、さらに好ましくは95%の同一性を有するポリペプチドの細胞外ドメインの実質的にすべてを含むSip断片も提供する。
さらに本発明は、B細胞またはTヘルパー細胞のエピトープを含む断片と会合したリポソームを含む医薬組成物も提供する。
さらに本発明は、より長いポリペプチドの一部であり得る断片と会合したリポソームを含む医薬組成物も提供する。尚、それらのポリペプチドについては、分泌性配列またはリーダー配列、あるいは複数のヒスチジン残基のような精製に役立つ配列を含むさらなるアミノ酸配列、または組換え体の産生工程中の安定性を高める追加の配列、あるいは最終のポリペプチドの免疫原性の可能性を高める追加の配列を含有するのが有利であり得る。
当業者には、本発明のポリペプチドの類似体と会合したリポソームを含む医薬組成物についても、本発明の情況での用途、すなわち抗原性/免疫原性物質としての用途が見出されることが分かる。したがって、例えば一個または複数の付加、欠失、置換などを含むタンパク質またはポリペプチドについては、本発明に含まれる。
本明細書で用いられる場合、本発明のポリペプチドの「断片」、「類似体」または「誘導体」は、アミノ酸残基のうちの一個または複数が、保存されたアミノ酸残基または保存されていないアミノ酸残基(好ましくは保存されたアミノ酸残基)で置換されており、かつ天然または非天然のものであり得る、ポリペプチドを包含する。一つの実施形態では、本発明のポリペプチドの誘導体および類似体は、図面で説明された配列またはそれらの断片と約70%の同一性を有する。すなわち、残基のうちの70%が同じである。同一性%は、配列全体またはそれが相当もしくは一致する領域のいずれかについてであり得る。さらなる実施形態では、ポリペプチドは70%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは80%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは85%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは90%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは95%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは99%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、本発明のポリペプチドの類似体は、約20個未満、さらに好適には10個未満のアミノ酸残基の置換、修飾または欠失を有する。
これらの置換は、ポリペプチドの二次構造およびハイドロパシーの性質に及ぼす影響が最小限に留まるものである。好適な置換は、保存された置換として当該分野で公知の置換であり、すなわち、置換された残基は、疎水性、大きさ、電荷または官能基のような物理的または化学的な性質を共有する。それらとしては、Dayhoff、M.によってAtlas of Protein Sequence and Structure 5,1978に記載された置換、またはArgos、P.によってEMBO J.8,779−785,1989に記載された置換のような置換が挙げられる。例えば、天然または非天然のいずれかで、以下の群のうちの一つに属するアミノ酸は、保存的な変化を表す:
ala、pro、gly、gln、asn、ser、thr、val;
cys、ser、tyr、thr;
val、ile、leu、met、ala、phe;
lys、arg、orn、his;および
phe、tyr、trp、his。
また好適な置換としては、対応するL−アミノ酸に対するD−鏡像異性体の置換が挙げられる。
相同性%とは、アミノ酸型の同一性%と類似性%または保存%との合計と定義される。
一つの実施形態では、本発明のポリペプチドの類似体は、図面で説明された配列またはそれらの断片と約70%の同一性を有する。すなわち、残基の70%が同じである。さらなる実施形態では、ポリペプチドは80%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは85%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは90%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは95%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは99%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、本発明のポリペプチドの類似体は、約20個未満、さらに好適には10個未満のアミノ酸残基の置換、修飾または欠失を有する。
一つの実施形態では、本発明のポリペプチドの類似体は、図面で説明した配列またはそれらの断片と約70%の相同性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは80%超の相同性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは85%超の相同性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは90%超の相同性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは95%超の相同性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは99%超の相同性を有する。さらなる実施形態では、本発明のポリペプチドの類似体は、約20個未満、さらに好適には10個未満のアミノ酸残基の置換、修飾または欠失を有する。
アミノ酸配列の比較には、CLUSTALプログラムのようなプログラムの使用が可能である。このプログラムによってアミノ酸配列が比較され、適切な場合、いずれかの配列中にスペースが挿入されることにより、最適なアラインメントが見出される。最適なアラインメントについてのアミノ酸の同一性または相同性の計算が可能である。BLASTxのようなプログラムによって、類似配列の最長のストレッチのアラインメントがなされ、そのフィティングに対して値が割り当てられる。したがって、それぞれが異なるスコアを有するいくつかの類似性領域が見出される比較を得ることができる。両タイプの同一性解析はともに、本発明で企図される。
エピトープ領域、すなわちポリペプチドの抗原性または免疫原性の原因となる領域の同定を目的とする抗原性ポリペプチドスクリーニングが可能なことは周知である。そのようなスクリーニングの実施方法については、当該分野で周知である。したがって、本発明の断片は、一個または複数のそのようなエピトープ領域を含むべきであるか、あるいはそれらの抗原/免疫原特性を保持するために、このような領域に対して十分に類似すべきである。
したがって、類似体、誘導体または断片にとって重要なことは、それらが、それらを誘導したタンパク質またはポリペプチドの抗原性/免疫原性を少なくともある程度持っていることである。
さらに、アミノ酸領域が多型性である状況では、異なるGBS株の異なるエピトープをより効果的に模倣するために、一種または複数の特定のアミノ酸を変えることが所望され得る。
さらなる実施形態では、本発明は、本発明の一種または複数のポリペプチド、あるいはそれらの断片または類似体を含むキメラポリペプチドと会合したリポソームを含有する医薬組成物にも関する。
さらなる実施形態では、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む二種またはそれより多くのポリペプチドを含むキメラポリペプチドと会合したリポソームを含有する医薬組成物にも関する。但し、そのポリペプチドはキメラポリペプチドが形成されるように連結されている。
さらなる実施形態では、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含む二種またはそれより多くのポリペプチドを含むキメラポリペプチドと会合したリポソームを含有する医薬組成物にも関する。但し、そのポリペプチドはキメラポリペプチドが形成されるように連結されている。
好ましくは、本発明の医薬組成物のポリペプチドの断片、類似体または誘導体については、少なくとも一個の抗原性領域、すなわち少なくとも一個のエピトープを含む。
本発明の特定の実施形態では、本発明の医薬組成物中に含まれるポリペプチド断片および類似体は、メチオニン(Met)またはバリン(Val)のような開始残基を含まない。好ましくは、ポリペプチドには、リーダー配列も分泌性配列(シグナル配列)も組み込まれない。本発明のポリペプチドのシグナル部分は、確立された分子生物学の技法によって定めることができる。一般に、目的のポリペプチドはGBS培養物から単離され得、次に配列決定されて、成熟タンパク質の最初の残基が決定され得、したがって成熟ポリペプチドの配列が決定され得る。
本発明の医薬組成物のためのポリペプチドについては、組換えポリペプチドの生産および精製に都合の良い様に、それらの開始コドン(メチオニンまたはバリン)なしで、かつ/またはリーダーペプチドなしで、生産および/または使用され得ることが理解される。リーダーペプチドをコードする配列を持たないクローニング遺伝子は、ポリペプチドは大腸菌の細胞質に限定され、その回収を促進することが公知である(Glick、B.R.およびPasternak、J.J.(1998)著、Manipulation of gene expression in prokaryotes.“Molecular biotechnology:Principles and applications of recombinant DNA”、第2版、ASM Press、ワシントンDC,p.109−143)。
Sipポリペプチドは、抗原性が極めて保存されており、特異的抗体が容易に接近可能なインタクトなGBS細胞表面に存在することが示された。さらに、成熟Sipタンパク質は、GBS細胞の増殖後の細胞上清にも見出すことができる。Sipポリペプチドをリポソーム小胞に結合させることにより、特異的な免疫応答が改善されることが見出された。
リポソームはリン脂質およびその他の極性の両親媒性物質(amphile)から作製され、これらは、閉じた同心円状二層膜を形成する[Gregoriades、G.,Immunology Today,11,3,89(1990);Lasic,D.,American Scientist,80、p.20(1992);Remington’s on Pharmaceutical Sciences,第18版、1990、Mack Publishing Co.、ペンシルバニア州、p.1691に総説される]。リポソームの主要な構成成分は脂質であり、脂質は、長く非極性で疎水性の「尾部」に結合した極性で親水性の「頭部」を有する。その親水性の頭部は代表的にリン酸基からなる一方、疎水性の尾部は二個の長い炭化水素鎖から作製される。脂質分子は、水溶性の部分とそうではない別の部分とを含むので、疎水性の尾部を水から隔離するように配列された構造で凝集する傾向がある。その過程でリポソームはその内部に水および溶質を取り込み得んでもよく、あるいは疎水性領域を有する分子がリポソーム膜内に直接取込まれ得る。多くのリン脂質は、単独で、または他の脂質との組合せで、リポソームを形成する。通常、リポソームはサイズで分類され、考察対象のリポソームの型は3文字の頭字語を用いて命名される。多層小胞は「MLV」と称され、大きな単層小胞は「LUV」と称され、小さな単層小胞は「SUV」と称される。これらの名称については、リポソームの化学組成が追記される場合もある。既知のリポソームの命名法および概説については、Stormら、1998、PSIT、1:19−31に記載されている。リポソームは、抗原に対する体液性免疫応答ならびに細胞性免疫応答も増強する効率的なアジュバントである。
本発明は、リン脂質から構成されるリポソームを含む医薬組成物を提供する。それらのリン脂質は合成が可能であるか、あるいは細菌細胞、大豆または卵からの抽出が可能である。
本発明は、異なるリポソーム処方物に組換えSipポリペプチドを共有結合させるプロセスを提供する。
リポソームは、種々の合成リン脂質(リスト1)、あるいは細菌のリン脂質および/またはコレステロールおよび/またはDC−コレステロールを異なる比率で組み合わせて用いることにより調製できる。
本発明のリポソームは、ホスファチジルエーテル類およびエステル類(例えば、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルグリセロール(PG)およびホスファチジルコリン(PC))を含有する種々の小胞形成脂質から調製され得るが、ジオレオイルグリセロスクシネートのようなグリセリド類;セレブロシド類;ガングリオシド類;スフィンゴミエリン;コレステロールまたはDC−コレステロールのようなステロイド類;およびその他の脂質、ならびにビタミンEまたはビタミンCパルミテートのような賦形剤から調製してもよい。
リスト1には、Sip−リポソーム製剤の調製に使用できる合成脂質のリストの一部が挙げられている。その他の脂質も使用でき、それらについてはRemington’s on Pharmaceutical Sciences、第18版、1990、Mack Publishing Co.、ペンシルバニア州、p.390に記載されている。
本発明のSip−リポソーム製剤は、医薬組成物中に組込まれるべきものである。
リスト1.Sip−リポソーム製剤の調製に用いられる合成脂質のリスト。
1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DLPA)、
ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DMPA)、
1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DPPA)、
1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DSPA)、
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DOPA)、
1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(POPA)、
1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DLPC)、
1,2−ジトリデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)、
1,2−ペンタデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)、
1,2−ジヘプタデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、
1,2−ジミリストレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1,2−ジパルミトレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、
1−ミリストイル−2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1−ミリストイル−2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1−パルミトイル−2−ミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1−パルミトイル−2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(POPC)、
1−パルミトイル−2−リノレイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DLPE)、
1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DMPE)、
1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DPPE)、
1,2−ジパルミトレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、
1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DOPE)、
1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(POPE)、
1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DLPG)、
1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DMPG)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DPPG)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DSPG)、
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DOPG)、
1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](POPG)、
1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DLPS)、
1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DMPS)、
1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DPPS)、
1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DSPS)、
1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DOPS)、
1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](POPS)、
1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、
1,2−ジパルミトイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DPTAP)、
1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DSTAP)、
1,2−ジミリストイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DMTAP)。
リポソーム膜の流動性および安定性については、リン脂質の遷移温度(炭化水素領域が準結晶からさらに流動性を示す状態に変化する温度)に依存する。
膜流動性、ラメラ数、小胞サイズ、表面電荷、脂質対抗原の比およびリポソーム内の抗原の局在を変えることにより、リポソーム製剤のアジバント作用を調節することができる。
リポソーム製剤は多くの異なる技法で作製することができ、その技法としては、サブCMCで界面活性剤を加えて浸透化した予め作製したリポソーム中に脂質修飾タンパク質を取込ませ、界面活性剤を希釈し、エタノールを注加する方法;エーテル注入;界面活性剤の除去;溶媒エバポレーション;水性エマルジョン中のクロロホルムからの有機溶媒のエバポレーション;ヌクレオポア性ポリカーボネート膜を通しての多層小胞の押出し;リン脂質混合物の凍結および解凍;ならびに超音波処理および均質化による方法が挙げられる。
脂質については、丸底ガラスフラスコ中で適切な有機溶媒またはクロロホルム:メタノール液のような有機溶媒混合物に溶解し、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥させることによりフラスコ容器表面に平滑な膜を得ることができる。
リポソーム製剤のいくつかは、アジュバント(例えば、リピドA、モノホスホリルリピドA(MPLA)のような親油性分子;QuilA、QS21、alum、MF59、p3CSS、MTP−PEのようなリポ多糖類;ならびにインターフェロンのようなサイトカインを含めた水溶性分子)を用いて調製することもできる。好ましい実施形態では、リポソーム組成物は約0〜10%のアジュバント(一種または複数)を含んでいる。さらに好ましい実施形態では、アジュバントは約5%未満で存在している。その値については、アジュバントに応じてvol/volまたはwt/wtであり得る。
本発明によれば、リポソームは抗原の送達における重大な役割を果たす。その理由は、ポリペプチド−リポソーム組成物が、免疫系細胞によって循環血から除かれた後に、免疫系に直接提示されるためである。さらに、リポソームの脂質組成を変えることで免疫刺激経路の選択を変更できる。例えば、リピドA、ムラミルジペプチド−PE、ムラミルトリペプチド−PEおよびカチオン性脂質のような異なる免疫刺激性分子をリポソーム内に配合できる。
リポソームは、抗原に対する液性免疫応答ならびに細胞性免疫応答を増強する効率的なアジュバントである。膜流動性、ラメラ数、小胞サイズ、表面荷電、脂質対抗原の比およびリポソーム内の抗原の局在を変えることにより、リポソーム製剤のアジュバント活性を調節することができる。
好ましい実施形態では、脂質処方物は、0mol%と50mol%との間のコレステロールおよび/またはDC−コレステロールを含有する。
本発明の別の態様によれば、(i)リポソーム、担体、希釈剤またはアジュバントと共に本発明のポリペプチドを含有する組成物;(ii)本発明のポリペプチド、ならびにリポソーム、担体、希釈剤またはアジュバントを含む医薬組成物;(iii)本発明のポリペプチド、ならびにリポソーム、担体、希釈剤、またはアジュバントを含むワクチン;(iV)免疫原として有効な量の本発明の医薬組成物を宿主に投与して、GBSに対する免疫応答(例えば、防御免疫応答)を惹起することによる、宿主内でのGBSに対する免疫応答の誘導方法;ならびに特に(V)予防または治療に有効な量の本発明の医薬組成物または特異的防御抗体を対象の宿主に投与することによる、GBS感染症の予防方法および/または処置方法も提供される。
別の態様によれば、薬学的に許容されるアジュバントとの混合物中にリポソームおよび本発明の一種または複数のGBSポリペプチドを含む医薬組成物が提供される。適するアジュバントとしては、以下が挙げられる:(1)MF59TM、SAFTM、RibiTMのような水中油滴型エマルジョン製剤;(2)フロイントの完全アジュバントまたは不完全アジュバント;(3)明礬、AlK(SO、AlNa(SO、AlNH(SO、Al(OH)、AlPO、シリカ、カオリン、AlhydrogelTM、AdjuphosTMなどの塩類;(4)StimulonTMのようなサポニン誘導体、またはそれらから生成されるISCOM(免疫刺激性複合体)のような粒子;(5)インターロイキン、インターフェロン、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)のようなサイトカイン;(6)炭素ポリヌクレオチド(すなわち、ポリICおよびポリAU)、ならびに粘膜免疫を誘発させるための無毒化コレラ毒素(CTB)および大腸菌の熱不安定性毒素などのような他の物質。アジュバントに関するさらに詳しい記載は、M.Z.I Khanらによる、Pharmaceutical Research,vol.11,No.1(1994)pp.2−11の総説、およびGuptaらによる、Vaccine,Vol.13,No.14、pp.1263−1276(1995)の別の総説、ならびに国際公開第99/24578号において入手可能である。好ましいアジュバントとしては、QuilATM、QS21TM、AlhydrogelTMおよびAjuphosTMが挙げられる。
本発明の医薬組成物は、注射、迅速注入、鼻咽頭内吸収、皮膚吸収によって非経口的に、あるいはバッカルまたは経口的に投与され得る。
その医薬組成物という用語は、抗体を含むこともまた意味する。本発明によれば、GBS感染症、ならびに/またはGBS感染症によって媒介される疾患および症状の処置または予防を目的とした、本発明のポリペプチドに対する結合特異性を有する一種または複数の抗体の使用も提供される。
本発明の医薬組成物は、ストレプトコッカス感染症、ならびに/またはストレプトコッカス感染症によって媒介される疾患および症状の予防に用いられる。このような疾患および症状についてはP.R.Murray(主編集者)、E.J.Baron,M.A.Pfaller,F.C.TenoverおよびR.H.Yolken著、Manual of Clinical Microbiology、ASM Press、ワシントンDC,第7版、1999、全1773ページに記載されている。
一つの実施形態では、本発明の医薬組成物は、新生児の敗血症および髄膜炎、小児における遅発性髄膜炎、分娩後の子宮内膜炎、ならびに乳牛における乳房炎のような地方病および流行病の処置または予防に用いられる。一つの実施形態では、本発明のワクチン組成物は、ストレプトコッカス感染症、ならびに/またはストレプトコッカス感染症によって媒介される疾患および症状の処置または予防に用いられる。さらなる実施形態では、ストレプトコッカス感染症はGBSである。
さらなる実施形態では、本発明はGBS感染症にかかりやすい宿主におけるGBS感染症の予防方法または処置方法を提供し、その方法は予防または治療に有効な量の本発明の組成物を宿主に投与する工程を含む。
本出願で用いられる場合、「宿主」という用語には、哺乳動物が含まれる。さらなる実施形態では、宿主は乳牛である。さらなる実施形態では、哺乳類はヒトである。さらなる実施形態では、宿主は成人である。さらなる実施形態では宿主は妊婦である。さらなる実施形態では、宿主は妊娠していない女性である。さらなる実施形態では、宿主は新生児、乳児または小児である。
特定の実施形態では、医薬組成物は新生児、乳児、小児、高齢者および免疫無防備状態の宿主のようなGBS感染症の危険がある宿主に投与される。
特定の実施形態では、医薬組成物は成人のようなGBS感染症の危険がある宿主に投与される。
医薬組成物は、好ましくは約0.001〜100μg/kg(抗原/体重)、さらに好ましくは0.01〜10μg/kg、最も好ましくは0.1〜1μg/kgの単位投与形態で、免疫の間に約1〜6週間の間隔をおいて1〜3回投与される。
医薬組成物は、好ましくは約0.1μg〜10mg、さらに好ましくは1μg〜1mg、最も好ましくは10〜100μgの単位投与形態で、免疫の間に約1〜6週間の間隔をおいて1〜3回投与される。
別の態様によれば、組換え技法による本発明のポリペプチドの製造のためのプロセスが提供され、このプロセスは本ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを宿主細胞内で発現させ、その発現ポリペプチド産物を回収することにより行なわれる。
あるいは、すでに確立された合成化学的技法(すなわち、全長ポリペプチドを生産するために連結されるオリゴペプチドの液相合成または固相合成(ブロック連結))によってそれらのポリペプチドを製造することができる。
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの入手および評価の一般的な方法については、以下の参照文献に記載されている:Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor、ニューヨーク、1989;Ausubel,F.M.ら著、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.、ニューヨーク;White B.A.著、Molecular Cloning to Genetic Engineering中のPCR Cloning Protocols、Humana Press、トトワ市、ニュージャージー、1997、全490ページ;Scopes,R.K.著、Protein Purification,Principles and Practices、Springer−Verlag、ニューヨーク、第3版、1993、全380ページ;ならびにColigan J.E.ら著、Current Protocols in Immunology、John Wiley & Sons Inc.、ニューヨーク。
本発明は、ポリペプチドの製造のためのプロセスを提供し、このプロセスはそのペプチドの発現に適した条件下で本発明の宿主細胞を培養する工程を含む。
組換え体を生産するには、本発明のポリペプチドをコードするベクターで、宿主細胞をトランスフェクトし、次にその細胞をプロモーターの活性化、形質転換体の選択または遺伝子の増幅に適するように必要に応じて改変した培養培地中で培養する。適したベクターは、選択された宿主内で生存し複製可能であるものであり、それらには例えば、染色体性、非染色体性および合成のDNA配列(例えば、細菌性プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、ならびにプラスミドとファージDNAとの組合せから得られるベクター)が含まれる。そのポリペプチド配列は、制限酵素を用いて適切な部位でベクター内に組込むことができ、その際にその配列は、プロモーター、リボソーム結合部位(コンセンサス領域またはシャイン−ダルガノ配列)、および必要に応じてオペレーター(調節エレメント)を含む発現調節領域に作動可能に連結される。与えられた宿主およびベクターに適する発現調節領域のそれぞれの構成要素については、すでに確立された分子生物学の原則(Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor、ニューヨーク、1989;Ausubel F.M.ら編、Curent Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons Inc.、ニューヨーク)に従い選択できる。適したプロモーターとしては、LTRまたはSV40プロモーター、大腸菌のlac、tacまたはtrpプロモーター、ならびにファージラムダPプロモーターが挙げられるが、それらに限定されない。ベクターは好ましくは、複製起点ならびに選択マーカー(すなわち、アンピシリン耐性遺伝子)が組み込まれる。適した細菌用ベクターとしては、pET、pQE70、pQE60、pQE−9、pD10phagescipt、psiX174、pbluescript SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A、ptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540およびpRIT5が挙げられ、適した真核細胞用ベクターとしては、pBlueBacIII、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG、pSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVLが挙げられる。宿主細胞は、細菌性宿主(すなわち、大腸菌、枯草菌、ストレプトミセス);真菌性(すなわち、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニデュリンス);酵母(すなわち、サッカロミセス)、あるいは真核細胞(すなわち、CHO、COS)であり得る。
培養液中にポリペプチドが発現する場合、代表的に細胞を遠心分離によって集菌し、次いで(発現されたポリペプチドが培地中に分泌されない場合)物理的または化学的手段で破壊し、得られた粗製抽出物が、対象のポリペプチドを単離するために保持される。培養培地または細胞溶解産物からのポリペプチドの単離は、そのポリペプチドの性質に依存して、すでに確立された技法によって、すなわち、硫酸アンモニウムまたはエタノールによる沈殿、酸抽出、陰イオン交換クロマトグラフィーまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを用いて達成され得る。最終的な精製はHPLCを用いて達成され得る。
ポリペプチドは、リーダー配列もしくは分泌配列を伴ってまたは伴わずに発現され得る。前者の場合、リーダーは翻訳後プロセシング(米国特許第4431739号、第4425437号および第4338397号参照)を用いて除去され得るか、または発現ポリペプチドの精製の後に化学的に除去され得る。
さらなる態様によれば、本発明の医薬組成物は、ストレプトコッカス感染症、特にGBS感染症に関する診断用試験において用いることができる。
いくつかの診断法が可能であり、例えば生物学的試料中のGBS生物体の検出には以下の手順が続き得る:
a)宿主から生物学的試料を得る工程;
b)本発明の医薬組成物と反応性のある抗体またはその断片を、この生物学的試料とともにインキュベートして混合物を形成する工程;および
c)その混合物中の、特異的に結合した抗体または結合断片を検出する工程であって、検出された場合、GBSの存在が示される、工程。
あるいは、GBS抗原に特異的な抗体を含有するかまたは含有する疑いのある生物学的試料中のGBS抗原に特異的な抗体の検出法は、以下のとおりに実施され得る:
a)宿主から生物学的試料を得る工程;
b)この生物学的試料を本発明の医薬組成物と共にインキュベートして混合物を形成する工程;および
c)その混合物中の、特異的に結合した抗体または結合断片を検出する工程であって、検出された場合、GBSに特異的な抗体の存在が示される、工程。
当業者は、その診断試験は、タンパク質に特異的な抗体が生物体中に存在するか否かを本質的に決定するための数種の形態を採り得ることを理解し、それらの試験形態としては酵素免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイまたはラテックス凝集アッセイのような免疫学的試験が挙げられる。
本発明のポリペプチドをコードするDNA配列については、GBSの存在が疑われる生物学的試料中のそのような細菌の存在を検出するのに用いるためのDNAプローブを設計するのに用いることもできる。本発明の検出方法は以下の工程を含む:
a)宿主から生物学的試料を得る工程;
b)本発明のポリペプチドまたはその断片をコードするDNA配列を有する一種または複数のDNAプローブを、この生物学的試料と共にインキュベートして混合物を形成する工程;および
c)その混合物中の、特異的に結合したDNAプローブを検出する工程であって、検出された場合、GBS細菌の存在が示される、工程。
本発明のDNAプローブは、GBS感染症の診断法として、試料中の循環しているGBS(すなわち、GBS核酸)の検出にも用いることができ、その際には例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が用いられる。そのプローブは、従来の技法を用いて合成され得、そして固相へと固定されてもよく、あるいは検出用標識で標識されてもよい。本出願にとって好適なDNAプローブは、本発明のGBSポリペプチドのうちの少なくとも約6個連続したヌクレオチドと相補的な配列を有するオリゴマーである。さらなる実施形態では、好ましいDNAプローブは、本発明のGBSポリペプチドのうちの少なくとも約15個連続したヌクレオチドと相補的な配列を有するオリゴマーである。さらなる実施形態では、好ましいDNAプローブは、本発明のGBSポリペプチドのうちの少なくとも約30個連続したヌクレオチドと相補的な配列を持つオリゴマーである。さらなる実施形態では、好ましいDNAプローブは、本発明のGBSポリペプチドのうちの少なくとも約50個連続したヌクレオチドと相補的な配列を持つオリゴマーである。
宿主中のGBSの検出のための別の診断法は、以下の工程を含む:
a)本発明の医薬組成物と反応性のある抗体を、検出可能な標識で標識する工程;
b)その標識された抗体を宿主に投与する工程;
および
c)宿主中の、特異的に結合した標識された抗体または標識された断片を検出する工程であって、検出された場合、GBSの存在が示される、工程。
本発明のさらなる態様は、GBS感染症の診断および特にGBS感染症の処置のための特異的抗体の産生を目的とする免疫原としての、本発明の医薬組成物の使用である。適した抗体は、適切なスクリーニング方法を用いて決定され得、例えば、試験モデル動物におけるGBS感染症に対する特定の抗体の受動防御能を測定することにより決定され得る。その抗体は、抗体全体またはその抗原結合性断片であり得、そして任意の免疫グロブリンのクラスに属し得る。抗体または断片は、動物起源のもの、特に哺乳類起源のもの、さらに具体的にはマウス、ラットまたはヒト起源のものであり得る。抗体または断片は、天然の抗体またはその断片、あるいは所望により組換え抗体または抗体断片であり得る。組換え抗体または抗体断片という用語は、分子生物学的技法を用いて生産された抗体または抗体断片を意味する。抗体または抗体断片は、ポリクローナル、または好ましくはモノクローナルのものであり得る。抗体または断片は、GBSポリペプチドと会合した多くのエピトープに特異的であり得るが、好ましくは一種のエピトープに特異的である。
一つの態様によれば、本発明はGBS感染症の予防および/または処置のための抗体の使用を提供する。
本発明のさらなる態様は、受動免疫のための、本発明の医薬組成物に対する抗体の使用である。本願に記載の抗体を使用可能である。
本発明のさらなる態様は、本発明の医薬組成物によって惹起された抗体を、受動免疫を提供するのに充分な量で宿主に投与することによる、免疫のための方法である。
さらなる実施形態では、本発明は、GBS感染症の予防用または治療処置用の医薬品の製造における、本発明の医薬組成物の使用を提供する。
さらなる実施形態では、本発明は、GBS感染症の検出または診断のための、本発明の医薬組成物を含むキットを提供する。
本発明は、ストレプトコッカス感染症の予防、診断および/または処置に用いることができる精製および単離されたストレプトコッカスのポリペプチドも提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を含む単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも98%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも99%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を持つ単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を含むポリペプチドのエピトープ保有部分を提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を含む単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも98%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を含む第二のポリペプチドと少なくとも99%の同一性を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を有する単離されたポリペプチドを提供する。
一つの態様によれば、本発明は配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を含むポリペプチドのエピトープ保有部分を提供する。
さらなる実施形態では、本発明によるポリペプチドは抗原性である。
さらなる実施形態では、本発明によるポリペプチドは免疫原性である。
さらなる実施形態では、本発明によるポリペプチドは宿主内で免疫応答を惹起することができる。
さらなる実施形態では、本発明は上記で定義したような本発明のポリペプチドに結合特異性を有する抗体を惹起し得るポリペプチドにも関する。
「結合特異性を有する」抗体とは、選択されたポリペプチドを認識して結合する抗体であって、生物学的試料などの試料中の他の分子を実質的に認識および結合しない抗体である。特異的結合性は、選択されたポリペプチドが抗原として用いられるELISAアッセイを使用して測定され得る。
本発明のさらなる態様によれば、本発明のポリペプチドの抗原性/免疫原性断片、またはそれらの類似体が提供される。
本発明の断片については、それらの抗原特性/免疫原特性を保持するために、一種もしくは複数種のエピトープ領域を含むか、またはそのような領域と十分に類似しているべきである。したがって、本発明による断片に関しては、本明細書に記載のポリペプチドまたはその類似体の特定の部分と100%同一であり得ることから、同一性の程度はおそらく無関係である。本発明はさらに、本発明のポリペプチド配列由来の少なくとも10個連続したアミノ酸残基を有する断片も提供する。一つの実施形態では、少なくとも15個連続したアミノ酸残基を有する。一つの実施形態では、少なくとも20個連続したアミノ酸残基を有する。
本発明のポリペプチドに関して言及される「断片」または「変異体」という用語は、そのポリペプチドのいくつかの生物学的機能または活性の少なくとも一つを実質的に保持しているポリペプチドのことを意味する。そのような生物学的機能または活性は、例えば、上記のいずれかのものであり得、抗体と反応する能力を有する、すなわちエピトープ性ペプチドを有するものを含む。配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12が例として挙げられるポリペプチドの断片または変異体は、天然のポリペプチドの少なくとも一種の活性が保持されているポリペプチドに対する十分な類似性を有する。例えば、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12のポリペプチドよりも小さなポリペプチドの断片または変異体については、天然のポリペプチドで見られる匹敵する配列の少なくとも一種の活性(例えば、それらの機能的ドメインによって発現される活性、または本発明の抗体もしくは抗原結合性断片と反応する能力)を保持している。
再度述べると、重要な論点はその断片が抗原特性/免疫原特性を保持していることである。
当業者は、本発明のポリペプチドの類似体もまた、本発明の情況での用途、すなわち抗原性物質/免疫原性物質としての用途が見出されることを認識している。したがって、例えば一個または複数の付加、欠失、置換などを含むタンパク質またはポリペプチドについては、本発明に包含される。
本明細書で用いられる場合、本発明のポリペプチドの「断片」、「類似体」、「変異体」または「誘導体」は、一個または複数のアミノ酸残基が、保存されたかまたは保存されていないアミノ酸残基(好ましくは保存されたもの)で置換されており、かつ天然または非天然のものであり得る、ポリペプチドを包含する。一つの実施形態では、本発明のポリペプチドの誘導体および類似体は、図面で説明された配列またはそれらの断片と約70%の同一性を有する。すなわち、残基のうちの70%が同じである。さらなる実施形態では、ポリペプチドは80%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは85%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは90%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは95%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、ポリペプチドは99%超の同一性を有する。さらなる実施形態では、本発明のポリペプチドの類似体は、約20個未満、さらに好ましくは10個未満のアミノ酸残基の置換、修飾または欠失を有する。
本発明のポリペプチドの変異体は、例えば以下のものである:(i)一個または複数のアミノ酸残基が、保存されたかまたは保存されていないアミノ酸残基(好ましくは保存されたアミノ酸残基)で置換され、そのような置換されたアミノ酸残基が遺伝子コードでコードされてもよくまたはコードされなくてもよいもの、あるいは(ii)一個または複数のアミノ酸残基が置換基を含むもの、あるいは(iii)ポリペプチドの半減期を増大させる化合物(例えばポリエチレングリコール)のような別の化合物とポリペプチドが融合したもの、あるいは(iv)リーダー配列もしくは分泌性配列、またはポリペプチドの精製に用いられる配列のような追加アミノ酸がポリペプチドに融合したものであって、一般には形質転換細胞のような細胞から分泌可能な遺伝子操作された形態のタンパク質の創造を目的とするものが挙げられる。追加アミノ酸は、異種供給源由来のものであってもよく、または天然の遺伝子に内在するものであってもよい。
上述の(i)のタイプに属する変異型ポリペプチドとしては、例えばムテイン、ならびにそれらの類似体および誘導体が挙げられる。変異型のポリペプチドについては、例えば一個または複数個の付加、置換、欠失、挿入、転位、融合および短縮化、あるいはそれらの任意のものの組み合わせによってアミノ酸配列が異なり得る。上述の(ii)のタイプに属する変異型ポリペプチドとしては、例えば修飾ポリペプチドが挙げられる。既知のポリペプチド修飾には、グリコシル化、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋形成、シスチン形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のようなt−RNA媒介性の、タンパク質へのアミノ酸付加、およびユビキチン付加が含まれるが、それらに限定されない。
そのような修飾については、当業者に周知であり、すでに科学文献に極めて詳細に記載されている。いくつかの特に一般的な修飾、例えば、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のγ−カルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP−リボシル化は、T.E.Creighton著、Proteins−Structure and Molecular Properties、第2版、W.H.Freeman & Company、ニューヨーク(1993)のような多くの基礎的なテキストに記載されている。多くの詳細な総説がこの主題について利用可能であり、例えばWold,F.著、Posttranslational Covalent Modification of Proteins、B.C.Johnson編、Academic Press、ニューヨーク、1−12(1983);Seifterら、Meth.Enzymol.182:626−646(1990)およびRattanら、Ann.N.Y.Acad.Sci.,663:48−62(1992)によって利用可能である。
(iii)のタイプに属する変異型ポリペプチドは、当該分野で周知であり、例えばPEG化またはその他の化学修飾を含む。
上述の(iv)のタイプに属する変異型ポリペプチドとしては、例えばプロタンパク質部分を切断して活性化して活性な成熟ポリペプチドを生じ得る、プレタンパク質またはプロタンパク質が挙げられる。変異体としては種々のハイブリッドポリペプチド、キメラポリペプチドまたは融合ポリペプチドが挙げられる。そのような変異体の典型例は、本明細書のどこかの箇所で考察されている。
その他の多くの変異体は、当業者に公知である。例えば、周知のように、ポリペプチドは必ずしも完全に直鎖状ではない。例えば、ポリペプチドは、ユビキチン化の結果、分岐し得、ポリペプチドは、分岐の有無にかかわらず、翻訳後事象(天然のプロセシング事象および天然では生じず、人為的操作によって起こる事象を含む)の結果として一般に環状であり得る。環状ポリペプチド、分岐ポリペプチド、および分岐環状ポリペプチドは、翻訳によらない天然のプロセシング、ならびに合成法によって合成され得る。
修飾またはバリエーションは、ポリペプチドのどの場所でも生じることができ、その場所としてはペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およびアミノ末端またはカルボキシル末端が挙げられる。同タイプの修飾は、所定のポリペプチド中のいくつかの部位において、同じかまたは異なる程度で存在し得る。さらに、所定のポリペプチドは、1種類よりも多くのタイプの修飾を含み得る。ポリペプチド中のアミノ基またはカルボキシル基の、あるいはその両方の共有結合修飾によるブロックは、天然に存在するポリペプチドおよび合成ポリペプチドにおいて一般的である。例えば、大腸菌中で作製されるポリペプチドのタンパク質分解プロセシング前のアミノ末端残基は、しばしばN−ホルミルメチオニンである。修飾は、タンパク質の作製方法の機能のひとつであり得る。組換えポリペプチドに関しては、修飾は例えば、宿主細胞の翻訳後修飾能、およびポリペプチドのアミノ酸配列中の修飾シグナルによって決定される。したがって、グリコシル化を所望する場合は、ポリペプチドは、グリコシル化が行われる宿主内、一般には真核細胞内で発現され得る。昆虫細胞ではしばしば、哺乳類細胞と同じ翻訳後グリコシル化が起こり、それゆえ、天然のグリコシル化パターンを持つ哺乳類タンパク質を効率的に発現させるための昆虫細胞発現系が開発されてきた。同様の考慮事項は他の修飾にも適用される。
変異型ポリペプチドは、完全に機能を持っていてもよく、あるいは一種または複数の機能または活性のいずれかが欠けていてもよく、例えば、上記の機能または活性のいずれかが欠けていてもよい。多くのタイプの有用なバリエーションは中でも、例えば、触媒活性の変化を示すものである。例えば一つの実施形態は、結合部位にバリエーションを含み、その結果、cAMPを結合するが加水分解をしないか、あるいは加水分解をゆっくりにする。同じ部位でのさらに有用な変異は、cAMPに対する親和性の変化をもたらし得る。有用なバリエーションはまた、別の環状ヌクレオチドに対する親和性を付与する変化を含む。別の有用なバリエーションは、プロテインキナーゼAによる活性化を防ぐものを含む。別の有用なバリエーションは、一個または複数のドメインまたは部分領域が、別のホスホジエステラーゼのアイソフォームまたはファミリー由来の一個または複数のドメインまたは部分領域に作動可能に融合されている融合タンパク質を提供する。
代替アプローチによれば、類似体は、例えば所望のポリペプチドを効果的にタグ化することによって、その精製を容易にする部分が組み込まれている融合タンパク質であり得る。その「タグ」の除去が必要になる場合もあれば、あるいはその融合タンパク質自体が有用であるために充分な抗原性を保持している場合もあり得る。
代替アプローチによれば、類似体または誘導体は、例えば所望のポリペプチドを効果的にタグ化することによって、その精製を容易にする部分が組み込まれている融合タンパク質であり得る。その「タグ」の除去が必要になる場合もあれば、あるいはその融合タンパク質自体が有用であるために充分な抗原性を保持している場合もあり得る。
本発明のさらなる態様によれば、本発明のタンパク質またはポリペプチド、あるいはそれらの類似体または誘導体の抗原性/免疫原性断片が提供される。
したがって、類似体、誘導体および断片に関して重要なことは、それらを誘導したタンパク質またはポリペプチドの抗原性/免疫原性を少なくともある程度持っていることである。
また含まれるのは、ポリペプチドにその生物学的または薬理学的な性質を変える他の化合物が融合したものである
(すなわち、半減期を増大させるポリエチレングリコール(PEG);精製を容易にするリーダー配列または分泌性アミノ酸配列;プレプロおよびプロ配列;および(多)糖類が挙げられる。
さらに、本発明のポリペプチドは、末端の−NHのアシル化(例えばアセチル化、またはチオグリコール酸アミド化、(例えばアンモニアまたはメチルアミンを用いた)末端カルボキシアミド化)によって修飾されることにより、安定性が提供され、支持体または他の分子へ連結または結合についての疎水性が高まる。
また企図されるのは、そのポリペプチドの断片および類似体のヘテロまたはホモのポリペプチドマルチマーである。これらのポリマー形態としては、例えば、アビジン/ビオチン、グルタルアルデヒドまたはジメチルスペリミデートのような架橋剤で架橋された一種または複数のポリペプチドが挙げられる。そのようなポリマー形態としては、組換えDNA技法によって得られた多シストロン性mRNAから生産された二種またはそれより多くのタンデムまたは逆向きの連続配列を含むポリペプチドが挙げられる。さらなる実施形態では、本発明は本出願の図面において規定したポリペプチド、あるいはそれらの断片または類似体を一種または複数種含むキメラポリペプチドにも関する。
さらなる実施形態では、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体から選択される配列を有する二種またはそれより多くのポリペプチドを含むキメラポリペプチドにも関する。但し、そのポリペプチドは、キメラポリペプチドが形成されるように連結されている。
さらなる実施形態では、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12から選択される配列を持つ二種またはそれより多くのポリペプチドを含むキメラポリペプチドにも関する。但し、そのポリペプチドはキメラポリペプチドが形成されるように連結されている。
好ましくは、本発明のポリペプチドの断片、類似体または誘導体については、少なくとも一個の抗原性領域、すなわち少なくとも一個のエピトープを含む。
一つの実施形態では、本発明の医薬組成物はストレプトコッカス感染症、特にB群ストレプトコッカス(GBSまたはストレプトコッカス・アガラクチエ)感染症、および/またはストレプトコッカス感染症によって媒介される疾患および症状の処置または予防に用いられる。
別の態様によれば、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むアミノ酸配列で特徴づけられるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供される。
一つの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードする、オープンリーディングフレーム(ORF)を含み得る、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9または配列番号11に記載のものである。
当業者には、本発明には、本特許出願においてここに記載のとおりの、そのようなポリペプチドの突然変異体、変異体、相同体および誘導体のような類似体をコードするDNA分子、すなわち、ポリヌクレオチドおよびそれらの相補配列が含まれることが理解される。本発明には、本発明のDNA分子に対応するRNA分子も含まれる。そのDNA分子およびRNA分子に加えてさらに、本発明には、対応するポリペプチド、ならびにそのようなポリペプチドに特異的に結合する単一特異性抗体も含まれる。
図面に示したポリヌクレオチド配列が、依然として本発明のポリペプチドをコードしながら、縮重コドンを用いて変更され得ることが理解される。したがって、本発明は、配列間で70%の同一性を有する、本明細書における前述のポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするポリヌクレオチド(またはそれらの相補的配列)もさらに提供する。一つの実施形態では、配列間では少なくとも80%の同一性を有する。一つの実施形態では、配列間では少なくとも85%の同一性を有する。一つの実施形態では、配列間では少なくとも90%の同一性を有する。一つの実施形態では、配列間では少なくとも95%の同一性を有する。さらなる実施形態では、配列間では97%超の同一性を有する。
さらなる実施形態では、ポリヌクレオチドはストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能である。
ハイブリダイゼーションについての適したストリンジェントな条件は、当業者によって容易に決定され得る(例えば、Sambrookら、Molecular cloning:A laboratory Manual、第2版(1989)、Cold Spring Harbor、ニューヨーク;Ausubel,F.M.ら編、Current Protocols in Molecular Biology(1999)、John Wiley & Sons,Inc.、ニューヨークを参照)。
本明細書で用いられる「適するストリンジェントな条件」とは、例えば約5×SSC、0.5%SDS、100μg/mlの変性サケ精子DNAおよび50%ホルムアミドを含有するハイブリダイゼーション溶液中で長いポリヌクレオチドプローブを用い、42℃でブロットを一晩(例えば、少なくとも12時間)インキュベートすることを意味する。ブロットは、例えば、5%未満のbpのミスマッチを許容する高ストリンジェンシー条件(例えば、0.1×SSCおよび0.1%SDS中、65℃で30分間の洗浄を2回)で洗浄され得、それによって95%またはそれより高い配列同一性を有する配列を選択できる。
適するストリンジェントな条件のその他の非限定的な例としては、30mMのNaClおよび0.5%SDSを含有する水性緩衝液中、65℃で行う最終洗浄が挙げられる。適するストリンジェントな条件の別の例としては、7%SDS、0.5MのNaPO、pH7、1mMのEDTA中、50℃での、例えば一晩のハイブリダイゼーション、続いて1%SDS溶液を用いた42℃での一回または複数回の洗浄が挙げられる。高ストリンジェンシーでの洗浄によって5%未満のミスマッチを許容するのに対し、より低いストリンジェンシーまたは低ストリンジェンシーは、20%までのヌクレオチドミスマッチを許容し得る。低ストリンジェンシーでのハブリダイゼーションは上記のとおりに達成され得るが、より低いホルムアミド濃度、より低い温度および/またはより低い塩濃度、ならびにより長いインキュベート時間を用いても実施され得る。
さらなる実施形態では、本発明は、ストリンジェントな条件下で以下のいずれかにハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する:
(a)ポリペプチドをコードするDNA配列、または
(b)ポリペプチドをコードするDNA配列の相補体、
ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む。
さらなる実施形態では、本発明は、ストリンジェントな条件下で以下のいずれかにハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する:
(a)ポリペプチドをコードするDNA配列、または
(b)ポリペプチドをコードするDNA配列の相補体、
ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含む。
さらなる実施形態では、本発明は、ストリンジェントな条件下で以下のいずれかにハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する:
(a)ポリペプチドをコードするDNA配列、または
(b)ポリペプチドをコードするDNA配列の相補体、
ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むポリペプチド由来の少なくとも10個連続したアミノ酸残基を含む。
さらなる実施形態では、本発明は、ストリンジェントな条件下で以下のいずれかにハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する:
(a)ポリペプチドをコードするDNA配列、または
(b)ポリペプチドをコードするDNA配列の相補体、
ここで、このポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12を含むポリペプチド由来の少なくとも10個連続したアミノ酸残基を含む。
さらなる実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12に示した本発明のポリペプチド、あるいはそれらの断片または類似体をコードするものである。
さらなる実施形態では、ポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチド、あるいはそれらの断片または類似体をコードする配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9または配列番号11に示したものである。
さらなる実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10または配列番号12に示した本発明のポリペプチドをコードするものである。
さらなる実施形態では、ポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドをコードする、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9または配列番号11に示したものである。
当業者ならば容易に分かるように、ポリヌクレオチドにはDNAおよびRNAの両方が含まれる。
本発明には、本出願に記載のポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドも含まれる。
本発明のさらなる態様は、本発明のポリペプチドに対する抗体の、受動免疫のための使用である。本出願に記載の抗体を使用し得る。適した抗体は、適切なスクリーニング方法を用いて決定され得、例えば、試験モデルにおいて特定の抗体のストレプトコッカス感染症に対する受動防御能を測定することにより決定され得る。動物モデルの一例は、本明細書の実施例に記載のマウスモデルである。抗体は、抗体全体またはその抗原結合性断片であり得、任意の免疫グロブリンクラスに属し得る。抗体またはその断片は、動物起源のもの、特に哺乳類起源のもの、さらに特定すればマウス、ラットまたはヒト起源のものであり得る。抗体またはその断片は、天然の抗体またはその断片、あるいは所望の場合、組換え抗体またはその断片であり得る。組換え抗体またはその抗体断片という用語は、分子生物学的技法を用いて生産された抗体または抗体断片を意味する。抗体または抗体断片は、ポリクローナル、または好ましくはモノクローナルであり得る。抗体またはその断片は、ストレプトコッカスのポリペプチドと会合した多数のエピトープに特異的であり得るが、一個のエピトープに特異的であるのが好ましい。
さらなる態様によれば、本発明はストレプトコッカス感染症にかかりやすい宿主におけるストレプトコッカス感染症の予防または治療処置の方法を提供し、その方法は、予防または治療に有効な量の本発明の医薬組成物を宿主に投与する工程を含む。
さらなる実施形態では、本発明はストレプトコッカス感染症にかかりやすい宿主におけるストレプトコッカス細菌感染症の予防または治療処置のための、医薬組成物の使用を提供し、この処置は、治療または予防に有効な量の本発明の組成物をこの宿主に投与する工程を含む。
さらなる実施形態では、本発明はストレプトコッカス感染症の検出または診断のための本発明のポリペプチドを含むキットを提供する。
そのほか特に規定されていない場合、本明細書で用いられる技術用語および専門用語はすべて、本発明が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で言及したすべての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献は、そのすべての部分が参考として援用される。矛盾する場合は、定義を含めた本明細書が優先する。加えて、材料、方法および例は、単なる例示であって、限定されることを意図していない。
(実施例1)
本実施例は、組換えSip(rSip)ポリペプチドの製造、精製、DPPE−MCCリン脂質への化学的カップリング、およびリポソームの生成手順を記載する。
C388/90株(血清型Ia/c)由来のsip遺伝子を、組換えTaq DNAポリメラーゼ(Amersham Pharmacia Biotech)を製造者の記載に従って用いるPCRによって、精製した染色体DNAから増幅した。BglII制限部位およびXbaI制限部位を各々含む二種類のプライマーOCRR−259(5’−CCGGCAGATCTATGAAAATGAATAAAAAGGTACTATTG−3’)(配列番号13)、およびOCRR−260(5’−GGCCGTCTAGATTATTTGTTAAATGATACGTGAACA−3’)(配列番号14)を用いて増幅を行った。94℃で30秒、56℃で20秒および72℃で30秒のサイクルを10回、さらに94℃で30秒、70℃で20秒および72℃で30秒のサイクルを25回、そして72℃で5分の最終伸長期間を用いてPCRを行った。増幅産物をプラスミドpURV22中に連結させ、配列決定後にpURV32と命名した組換えプラスミドで大腸菌XL1−Blue MRF’株を形質転換した。
その精製した組換えプラスミドpURV32を用いて、大腸菌BLR株(FompT hsdS(r ) gal dcm Δ(srl−recA)306::Tn10 (Tc)(Novagen社製)を、電気穿孔法(Gene Pulser II装置、BIO−RAD Labs、カナダ、オンタリオ、ミッシソーガ)によって形質転換した。この組換え株を、40μg/mlのカナマイシンを含有するLB培地(Gibco BRL)に接種し、そして最初に35℃で攪拌しながら約2時間インキュベートし(OD600nm=0.6)、その後、組換えポリペプチドの産生を誘導するために、温度を40℃に上げ、さらに3時間インキュベートした。その誘導期間の後、rSipポリペプチドが細菌細胞内、ならびに培養上清中に認められるようになることが観察された。その培養上清から、以下のラインに記載したようにrSipポリペプチドを精製した。まず、4℃での15000×g、10分間の遠心分離によって、培養培地から細菌細胞を除去した。次に、上清を0.45μmの膜でろ過し、20mMのTris塩基、5mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、2mMのジチオスレイトール(DTT)および1Mの硫酸アンモニウムを加えた。さらに、連続した3種のクロマトグラフィー工程によって、培養上清中に存在するその他の分子からrSipポリペプチドを精製した;まず、Phenyl Sepharose FF(Amersham Pharmacia Biotech)を用いる疎水性相互作用クロマトグラフィーを行い、続いてQ−Sepharose HP樹脂(Amersham Pharmacia Biotech)を用いる陰イオン交換クロマトグラフィーを行い、第三にButyl Sepharose FF(Amersham Pharmacia Biotech)を用いる疎水性相互作用クロマトグラフィーを行った。rSipポリペプチドの純度をSDS−PAGEで評価したところ、約95%であった。そしてポリペプチドの量を、MicroBCA(Pierce Chemical Company製、イリノイ、ロックフォード)を製造業者の指示書に従って決定した。
精製されたrSipをDPPE−MCCリン脂質(ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−(4−(p−マレイミドメチル)シクロヘキサン−カルボキサミン)(Avantiの極性脂質、アラバマ、アラバスター)を介してリポソームに化学的に結合させることを、Harokopakisらの文献(J.Immunol.Methods,185:31−42(1995))に記載された方法にしたがって実施した。手短に述べると、ジパルミトイル−sn−グリセロール−3−ホスホコリン(DPPC;Avanti)、DC−コレステロール(DC−Chol;Avanti)およびDPPE−MCCから作製されるリポソームを、急速希釈法によって調製した。二層膜リポソームを作製するために、丸底ガラスフラスコ中で脂質をクロロホルム:メタノール液(2:1)に溶解し、ロータリーエバポレーター(Rotavapor、Buechi、スイス)を用いて乾燥して容器に平滑な薄膜を形成させた。この脂質膜を、56℃でリン酸緩衝液(137mMのNaCl、1mMのKHPO、9mMのNaPO、2.7mMのKCl含有、pH7.4)に再懸濁させた。この液を室温で1時間攪拌しながら保持した。得られた乳濁液を、ステンレス鋼製押出し装置(Lipex Biomembranes、カナダ、バンクーバー)を用いて孔径が1000,400,200および100nmのポリカーボネートフィルターを順番に通して押出しろ過した。4℃、20000×gで15分間、遠心分離して脂質凝集体を除去した。次にリポソーム液を、4℃、200000×gで1時間、遠心分離し、ペレットをPBS緩衝液に懸濁させた。小胞の大きさおよび均質性を、サブミクロン粒子分析機(モデルN4 Plus、Beckman Coulter)を用いる準弾性光散乱法によって評価した。この装置を用いて、リポソームの大きさは約100nmであると推定された。
DPPE−MCC含有リポソームにrSipを結合させるために、アミン反応性試薬SPDP(モル比22:1)(N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート;Pierce)によってrSipの遊離アミノ基にチオール基を付加させ、rSip−チオプロピオネート(rSip−TP)を得た。そのチオール基は、リポソームのDPPE−MCC構成成分のマレイミド基と反応させる必要がある。それゆえ、DTTを用いてrSip−TPを還元し、P−6脱塩カラムを用いるゲルろ過によって、過剰な遊離ピリジン−2−チオン、SPDPおよびDTTを除去した。還元されたrSipポリペプチドを、最終濃度1mg/mlで、リポソーム懸濁液とともに窒素雰囲気下でインキュベートした。得られたrSip−リポソームを、超遠心分離(200000×g、室温、1時間)によって遊離ポリペプチドから分離し、等容量の0.3Mスクロース含有PBS緩衝液に再懸濁した。リポソーム製剤を0.22μmの膜に通してろ過することによって滅菌し、使用前まで−80℃で保存した。rSip−リポソームの量を、クロロホルム:メタノール液(2:1)でのrSip−リポソーム製剤の可溶化後にMicroBCA(Pierce)によって評価した。
rSipのDPPE−MCCリン脂質への化学結合をさらにうまくコントロールするために、実施例2に記載の代替戦略についても評価した。
(実施例2)
本実施例は、C1rSipおよびC2rSipの生成に用いるクローニング戦略、それらの組換えポリペプチドの大腸菌中での生産、およびそれらの精製を記載する。
結合反応効率の向上およびさらに安定なSip−リポソームの生成を目的として、少なくとも1個のシステイン残基がアミノ酸配列に加えられた修飾型rSipポリペプチドを設計した。好ましくは、これらのシステイン残基は、もとのSipポリペプチドの抗原性を失わせない位置で加えられる。
本発明のSipポリペプチドとしては、リポソームへの結合のために少なくとも1個のシステインが加えられたSipポリペプチドが挙げられる。
もとのsip遺伝子配列に対する改変を表1に示す。C1rSipポリペプチドおよびC2rSipポリペプチドを得るために、Stratagene社製Quickchange Site−Directed Mutagenesisキット、表2に記載のオリゴヌクレオチド、およびpURV22ベクター(実施例1)内でクローニングされたsip遺伝子を用いた変異誘発実験を、製造業者の推奨に従って行った。
得られたプラスミド構築物の各々を用いて、電気穿孔法(Gene Pulser II装置、BIO−RAD Labs、カナダ、オンタリオ、ミッシソーガ)により大腸菌BLR株(F ompT hsdS(r ) gal dcm Δ(srl−recA)306::Tn10 (Tc)(Novagen)を形質転換した。その組換え株を、40μg/mlのカナマイシンを含有するLBブロス(Gibco BRL)に接種し、最初に35℃で攪拌しながら約2時間インキュベートし(OD600nm=0.6)、その後、組換えポリペプチドの産生を誘導するために温度を40℃に上げてさらに3時間インキュベートした。rSipポリペプチドの場合と同様に、C1rSipポリペプチドおよびC2rSipポリペプチドを、実施例1に記載のとおりに培養上清から精製した。
Figure 2008530021
Figure 2008530021
(実施例3)
本実施例は、DPPE−MCCリン脂質へのC1rSipおよびC2rSipの結合について説明する。
DPPE−MCCリン脂質にC1rSipおよびC2rSipを結合させるために、実施例1での記載と同様にDPPE−MCC脂質含有リポソームを調製した。結合の前に、C1rSipポリペプチドおよびC2rSipポリペプチドを、25mMのDTTによって室温で30分間処理した。そのインキュベート後、P−6脱塩カラムを用いるゲルろ過によってDTTを除去した。処理したC1rSipポリペプチドおよび処理したC2rSipポリペプチドを、0.01%のTriton X−100を含有するリポソーム懸濁液での最終濃度が2mg/mlとして、窒素雰囲気下でインキュベートした。得られたC1rSip−リポソームおよびC2rSip−リポソームを、超遠心分離(200000×g、室温、1時間)によって遊離タンパク質から分離し、等容量の0.3Mスクロース含有PBS緩衝液中に再懸濁した。このリポソーム製剤を0.22μmの膜に通してろ過することにより滅菌し、使用するまで−80℃で保存した。リポソームに結合したC1rSipおよびリポソームに結合したC2rSipをクロロホルム:メタノール液(2:1)で可溶化した後、リポソームに結合したC1rSipの量およびリポソームに結合したC2rSipの量をMicroBCA(Pierce社製)によって評価した。
それらのリポソーム製剤の安定性の評価のために、8週間にわたって4℃および37℃に置いたそれらの製剤からの試料を、SDS−PAGEゲル、およびサブミクロン粒子分析機を用いる準弾性光散乱法によって分析した。時間が経過すると、一部のポリペプチドの分解、および凝集による小胞の大きさの増大が、rSip−SPDP−リポソーム製剤について観察された(表3)。別のロットのC1rSip−リポソームおよびC2rSip−リポソームでは、そのようなポリペプチドの分解も凝集も記録されなかった。この結果から、C1rSip−リポソーム製剤およびC2rSip−リポソーム製剤がrSip−SPDP−リポソーム製剤よりも安定で均質であり得ることが示唆された。
Figure 2008530021
(実施例4)
本実施例は、rSip/C1rSip/C2rSip−リポソーム製剤によるCD−1マウスの免疫について記載する。
メスのCD−1マウス(Charles River Laboratories社製、カナダ、ケベック、セントコンスタント)の複数の群を、種々の量(0.001〜20μg)の精製rSip−リポソーム製剤、C1rSip−リポソーム製剤またはC2rSip−リポソーム製剤を用い、2週間の間隔を置いて3回筋肉内(IM)免疫した。一群のマウスをまた、対照として、10%の水酸化アルミニウムアジュバント(AlOH;AlhydrogelTM2%:Brenntag Biosector、デンマーク)に吸着させた20μgの精製rSip、あるいは10%AlOH含有PBSで免疫した。用量−反応評価のために、ポリペプチドを含まないリポソームを、リン脂質とDC−コレステロールとの総量を互いに一定に保ちながら、種々の容量で特定の製剤に加えた。各免疫の前および最後の注射の2週間後に、眼窩洞から血液試料を採取した。血清試料を−20℃で保存した。
(実施例5)
本実施例は、異なるリポソーム製剤で免疫した後のマウス血清のELISAによる分析を記載する。
CD−1マウスから採取した血清中のSip特異的抗体の力価の決定をELISAによって決定した。手短に述べると、精製したrSipを濃度1μg/mLで含有する炭酸緩衝液(15mMのNaCO、35mMのNaHCO(pH9.6))100μLを、平底のマイクロタイトレーションプレート(Falcon 3415、Becton Dickinson、ニュージャージー、フランクリンレークス)の各々のウェルに加え、室温で一晩インキュベートした。そのプレートを、0.05%(v/v)のTween 20を含有するPBSで3回洗浄した。マウス血清をPBS−Tween緩衝液で連続希釈し、100μlの各希釈液を適切なウェルに加えた。プレートを室温で90分間インキュベートした後、PBS−Tween緩衝液で3回洗浄した。次にPBS−Tween緩衝液に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化ヤギ抗マウス免疫グロブリンG(KPL:Kikegaard−Perry Laboratories、メリーランド、ゲイザースブルグ)100μLを各ウェルに加え、プレートを室温で60分間インキュベートした。プレートを3回洗浄し、100μLのテトラメチルベンジジン基質(KPL)を加え、室温で10分間インキュベートした。100μlの1Mリン酸を加えて反応を停止させた。そのOD450nmの値を、SpectraMax 340(Molecular Devices Corporation、カリフォルニア、サニーベイル)マイクロプレートリーダーで読み取った。抗Ig抗体(KPL)でコーティングしたウェルおよび既知濃度の精製マウス免疫グロブリン(Sigma−Aldrich)を用いて各プレートについて作成した較正曲線における補間によってマウス抗体濃度を算出した。
試験した3種類のSipベースのリポソーム製剤(rSip−SPDP−リポソーム;C1rSip−リポソームおよびC2rSip−リポソーム)は、ELISAにより評価した結果、3回目の投与の後にマウス体内に同程度の量のSip特異的抗体を誘導した(表3)。表4に示したように、Sip特異的抗体の濃度は、動物に注射したC1rSip−リポソームの量と相関した。この後者の結果は、動物に注射された抗原の量が、特異的免疫応答の大きさに影響を与えることを示す。特異的Sip抗体は、1ngのような極めて少量のC1rSip−リポソームが注射されたマウスの血清中でも検出された。このことは、この製剤が体液性免疫応答を誘導するのに極めて効率的であることを示す。
(実施例6)
本実施例は、異なるリポソームベースの製剤での免疫によって誘導された、致死的B群ストレプトコッカス感染症に対するマウスの防御を説明する。
3回目の免疫の3週間後に、マウスに対して約3×10CFUのB群ストレプトコッカスC388/90株(Ia/c)をチャレンジした。B群ストレプトコッカスチャレンジ接種物を、血液寒天プレートにプレーティングしてCFUを決定し、チャレンジ用量を検証した。7日間にわたって死亡を記録した。3種類のSip−リポソーム製剤のいずれかが予め注射されたマウスの群では、82%超の生存率が記録された(表3)。10%AlOHが注射された対照のマウスでは、18%未満の生存率が記録された。表4に示した用量−反応研究から、わずか5ngのC1rSip−リポソームを3回注射することにより、CD−1マウスが致死的なGBS投与に対して効果的に防御されたのに対し、1ngを注射した9匹のマウスでは2匹しか生存しないことが示された。リン脂質とDC−コレステロールとの総量を一定に保つために、ポリペプチドを含まないリポソームをいくつかの製剤に添加した。特異的免疫応答の発達に対する、より低い濃度の脂質の影響を評価するために、25ngのC1rSipを含む製剤および50ngのC1rSipを含む製剤の2種類(表4)には、ポリペプチドを含まないリポソームを添加しなかった。3回投与後のELISAの結果から、ポリペプチドを含まないリポソームを添加したC1rSip−リポソーム50ngによって誘導されたSip特異的抗体のレベル(671±300)が、ポリペプチドを含まないリポソームを添加していないC1rSip−リポソーム50ngによって誘導された抗体のレベル(497±228)に匹敵することが示された。ポリペプチドを含まないリポソームが添加されたかまたは添加されなかった、25ngおよび50ngを注射したマウスについて記録された生存率も、同様であった。これらのデータは、C1rSipポリペプチドと共に少量の脂質およびDC−コレステロールが存在することが、防御免疫応答の誘導に充分であることを示唆する。
Figure 2008530021
図1は、血清型がIa/cであるB群ストレプトコッカスC388/90株由来のsip遺伝子のDNA配列(配列番号1)を示す。 図2は、血清型がIa/cであるB群ストレプトコッカスC388/90株由来のSipポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)を示す。 図3は、c1sip遺伝子のDNA配列(配列番号3)を示す。 図4は、C1rSipポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号4)を示す。 図5は、c2sip遺伝子のDNA配列(配列番号5)を示す。 図6は、C2rSipポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号6)を示す。 図7は、血清型がIa/cであるGBSのC388/90株由来のsip遺伝子の、リーダーペプチドのコード領域を除くDNA配列(配列番号7)を示す。 図8は、血清型がIa/cであるGBSのC388/90株由来のSipポリペプチドの、25アミノ酸残基のリーダーペプチドを除くアミノ酸配列(配列番号8)を示す。 図9は、c1sip遺伝子の、リーダーペプチドのコード領域を除くDNA配列(配列番号9)を示す。 図10は、C1rSipポリペプチドの、25アミノ酸残基のリーダーペプチドを除くアミノ酸配列(配列番号10)を示す。 図11は、c2sip遺伝子の、リーダーペプチドのコード領域を除くDNA配列(配列番号11)を示す。 図12は、C2rSipポリペプチドの、25アミノ酸残基のリーダーペプチドを除くアミノ酸配列(配列番号12)を示す。 図13は、血清型がIa/cであるB群ストレプトコッカスC388/90株由来のSip遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号1)と、C1Sipをコードする遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号3)およびC2Sipポリペプチドをコードする遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号5)との比較を表わす。同一のヌクレオチドを、で表す。 図14は、血清型がIa/cであるB群ストレプトコッカスC388/90株由来のSipポリペプチドの推定アミノ酸配列(配列番号2)とC1rSipポリペプチドの推定アミノ酸配列(配列番号4)とC2rSipポリペプチドの推定アミノ酸配列(配列番号6)との比較を表す。同一のアミノ酸残基を、で表す。

Claims (14)

  1. 医薬組成物であって、
    (a)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも70%の同一性を有するポリペプチド;
    (b)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも80%の同一性を有するポリペプチド;
    (c)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも95%の同一性を有するポリペプチド;
    (d)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも98%の同一性を有するポリペプチド;
    (e)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含む第二のポリペプチドと少なくとも99%の同一性を有するポリペプチド;
    (f)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むポリペプチド;
    (g)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むポリペプチドに対して結合特異性を有する抗体を惹起させ得るポリペプチド;
    (h)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、あるいはそれらの断片または類似体を含むポリペプチドのエピトープ保有部分;
    (i)該(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)または(h)のポリペプチドからN末端のMet残基が欠失したポリペプチド;
    該(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)または(i)のポリペプチドから分泌性アミノ酸配列が欠失したポリペプチド
    から選択される単離されたポリペプチドと会合したリポソームを含む、医薬組成物。
  2. 1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DLPA)、
    ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DMPA)、
    1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DPPA)、
    1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DSPA)、
    1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(DOPA)、
    1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート(POPA)、
    1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DLPC)、
    1,2−ジトリデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DMPC)、
    1,2−ペンタデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC)、
    1,2−ジヘプタデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、
    1,2−ジミリストレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1,2−ジパルミトレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC)、
    1−ミリストイル−2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1−ミリストイル−2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1−パルミトイル−2−ミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1−パルミトイル−2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(POPC)、
    1−パルミトイル−2−リノレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、
    1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DLPE)、
    1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DMPE)、
    1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DPPE)、
    1,2−ジパルミトレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、
    1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE)、
    1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DOPE)、
    1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(POPE)、
    1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DLPG)、
    1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DMPG)、
    1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DPPG)、
    1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DSPG)、
    1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](DOPG)、
    1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−RAC−(1−グリセロール)](POPG)、
    1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DLPS)、
    1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DMPS)、
    1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DPPS)、
    1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DSPS)、
    1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](DOPS)、
    1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−[ホスホ−L−セリン](POPS)、
    1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、
    1,2−ジパルミトイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DPTAP)、
    1,2−ジステアロイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DSTAP)、または
    1,2−ジミリストイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DMTAP)
    から選択される少なくとも一種の脂質を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記ポリペプチドが、DPPE−MCCリン脂質に結合している、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記リポソームが、DPPC:DPPE−MCCE:DC−CHOLを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 前記脂質が、4.5:0.5:5の比率で存在する、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 有効量の請求項1に記載の組成物を投与する工程を含む、GBS感染症の予防または治療処置方法。
  7. 有効量の請求項2に記載の組成物を投与する工程を含む、GBS感染症の予防または治療処置方法。
  8. 有効量の請求項3に記載の組成物を投与する工程を含む、GBS感染症の予防または治療処置方法。
  9. 有効量の請求項4に記載の組成物を投与する工程を含む、GBS感染症の予防または治療処置方法。
  10. 有効量の請求項5に記載の組成物を投与する工程を含む、GBS感染症の予防または治療処置方法。
  11. 前記GBSがストレプトコッカスである、請求項1に記載の方法。
  12. 前記GBSがストレプトコッカスである、請求項2に記載の方法。
  13. 前記GBSがストレプトコッカスである、請求項3に記載の方法。
  14. 前記GBSがストレプトコッカスである、請求項4に記載の方法。
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