JP2001081044A - リポソームおよびそれからなるワクチン - Google Patents

リポソームおよびそれからなるワクチン

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JP2001081044A
JP2001081044A JP25971799A JP25971799A JP2001081044A JP 2001081044 A JP2001081044 A JP 2001081044A JP 25971799 A JP25971799 A JP 25971799A JP 25971799 A JP25971799 A JP 25971799A JP 2001081044 A JP2001081044 A JP 2001081044A
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liposome
dna
chol
dppe
cells
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Tsugio Mizuochi
次男 水落
Naoya Kojima
直也 小島
Kanji Yasuda
斡司 安田
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Tokai University
Zeon Corp
Original Assignee
Tokai University
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンパク質を抗原提示細胞中で多量に発現す
ることができる遺伝子ワクチンを提供する。 【解決手段】 2〜11個の糖残基から成り、抗原提示
細胞由来のレクチンに結合するオリゴ糖を表面に有し、
かつ核酸を有するリポソームを遺伝子ワクチンの有効成
分として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、DNAまたはRN
Aなどの核酸を主成分とするいわゆる遺伝子ワクチン
(以下、DNAワクチンということがある)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ワクチンや免疫療法剤では、
病原体の抗原タンパク質を用いたワクチンやこれにさら
に免疫原性を高めるための補助剤としてアジュバントを
混合した製剤(以下、コンポーネントワクチンとい
う)、あるいは病原体を弱毒化させた生ワクチンなどが
実用化されている。近年、抗原タンパク質をコードする
ある種の核酸を動物に接種すると、その個体中で抗原タ
ンパク質が発現し、その個体が抗原タンパク質に対する
免疫応答を起こすことが明らかになっている。こうした
ことから、核酸そのものを有効成分とする、新たなワク
チンの可能性が期待されている。しかしながら、核酸を
そのまま動物に接種しても、核酸が発現する抗原タンパ
ク質量は微量でありワクチン効果が得られることはほと
んどない。ワクチン効果を得るためには、数100μg
の多量のDNAを頻回個体に接種する必要があるが、こ
うした多量のDNA接種は実用化に望ましい方向ではな
い。そこで、接種DNA量を減らす検討が進められ、D
NAを金やタングステン粒子のコロイドと混合して強力
な圧縮ガスを用いて接種する方法(ジーンガン法)や電
気的に細胞に穴を空けてDNAを細胞内に導入する方法
(エレクトロポレーション法)が開発されているが、こ
れらの方法はいずれも特別な設備を必要とする。その
上、これらの方法で遺伝子が導入される細胞は、免疫担
当細胞にかぎらないため効率が悪いので、こうした機械
的手法は現実的ではない。そこで、より実用性を高める
ため、種々のサイトカイン遺伝子と抗原タンパク質をコ
ードするDNAとを同時に接種して、サイトカインと抗
原タンパク質と共発現させ、これにより免疫原性を高め
る検討も行われている。一方、抗原タンパク質は一般に
抗原提示細胞に取り込まれ、その中でタンパク質のプロ
セシングを受けたのち、主要組織適合複合体(MHC)
分子とともにその細胞表面に表現されて、T細胞に認識
される必要があることが知られている。上述した方法で
は、抗原提示細胞に選択的にDNAが取り込まれないと
推測され、実際、Van Tendeloo VFらは
抗原提示細胞であるデンドリティック細胞にDNAが効
率よく取り込まれないことを報告している(Gene
Therapy,5,700−707(1999))。
DNAが大量に体内に入ると、抗DNA抗体が産生さ
れ、新たな病気を引き起こす懸念もあるため、DNAワ
クチンの接種DNA量はできる限り減らすことが求めら
れている。
【0003】ところで、コンポーネントワクチン用のア
ジュバントとしては、例えば、結核菌の死菌菌体と鉱物
油を混合してなるフロインド・コンプリート・アジュバ
ントや鉱物油からなるフロインド・インコンプリート・
アジュバントなどの鉱物油を用いるアジュバント、燐酸
化アルミニウムアジュバントあるいは水酸化アルミニウ
ムを主成分とするアラムアジュバントのような無機アジ
ュバントなどが知られている。アジュバントは接種する
動物に対してより毒性の低いものであることが望まれ、
新たに毒性のないコンポーネントワクチン用のアジュバ
ントとしてある種のリポソームが開発された(特許第2
828391号公報)。リポソームをDNAワクチン用
のアジュバントとして使用する例は、Vaccine
14、747(1996)などにおいて検討されている
が、リポソームのDNA含有量が少なく、必然的に細胞
へ移入できるDNA量も限られてしまい、未だ実用化レ
ベルには到達していなかった。また、免疫増強作用を高
めることができるかどうかまでは確認されていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】DNAワクチンとし
て、効率よく細胞へDNAを導入するために、金コロイ
ド粒子を担体として用いることが提案されている(特開
平11−92406号公報)。しかしながら、本発明者
らの検討の結果、十分な再現性が得られず、ワクチンと
しての実用性にかけていることが判った。
【0005】かかる従来技術のもと、タンパク質を抗原
提示細胞中で多量に発現することができる遺伝子ワクチ
ンを得るべく鋭意検討した結果、コンポーネントワクチ
ン用のアジュバントとして知られているリポソームを遺
伝子ワクチンに適用すると、効率的に免疫誘導が得られ
ることがわかり、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、2〜11個の糖残基から成り抗原提示細胞由来のレ
クチンに結合するオリゴ糖を表面に有し、かつ核酸を有
するリポソームが提供され、また当該リポソームを含有
する遺伝子ワクチンが提供される。
【0007】
【発明の実施の態様】本発明のリポソーム(以下、核酸
含有リポソームということがある)は、特許第2828
391号公報記載のリポソームにDNAまたはRNAな
どの核酸を含むものである。以下に当該公報記載のリポ
ソームを簡単に説明する。当該リポソームはその表面
に、抗原提示細胞由来のレクチンを結合することがで
き、且つ2〜11個の糖残基から成るオリゴ糖を有して
いる。ここで、抗原提示細胞は、マクロファージ、デン
ドリティック細胞等を意味する。また、抗原提示細胞由
来のレクチンとは、上記のごとき抗原提示細胞の表面に
存在するマンノース・レセプター等を意味する。オリゴ
糖は、D−マンノース(D−Man)、L−フコース
(L−Fuc)、D−アセチルグルコサミン(D−Gl
cNAc)、D−グルコース(D−Glc)、D−ガラ
クトース(D−Gal)、D−アセチルガラクトサミン
(D−GalNAc)、D−ラムノース(D−Rha)
などの単糖がα1→2結合、α1→3結合、α1→4結
合、α1→6結合またはβ1→4結合等あるいはこれら
の組合せにより2〜11個結合したものである。特に好
ましいオリゴ糖として、マンノビオース(Man2)、
マンノトリオース(Man3)、マンノテトラオース
(Man4)、マンノペンタオース(Man5)、マン
ノヘキサオース(Man6)、マンノヘプタオース(M
an7)、種々の混合オリゴ糖や、下式のM5およびR
Nなど特許第2828391号公報記載のものが挙げら
れる。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】(式中、α1→2結合しているManは、
それぞれ独立に存在していてもよく、存在していなくて
もよい。)
【0011】上記のオリゴ糖は、いずれも1個の還元末
端アルデヒド基を有する。そこで、このアルデヒド基
を、オリゴ糖をリポソーム表面に導入するため、アミノ
基を有するリン脂質と反応させてシッフ塩基を形成し、
次にこのシッフ塩基を、常法に従って、還元、好ましく
は化学還元、例えばNaBH3CNにより還元することに
より、オリゴ糖と、脂質とを結合することができる(水
落次男、糖質工学、224−232頁、産業調査会バイ
オテクノロジー情報センター、1992)。このように
して得られた、オリゴ糖と脂質との結合物を、本発明に
おいては人工糖脂質と称する場合がある。
【0012】リポソームを構成する脂質は、リポソーム
を構成するために知られている通常の脂質を単独でまた
は複数組合わせて使用することができる。そのような脂
質としては、例えば、卵黄、大豆、またはその他の動植
物などの天然物由来の脂質やこれらを水素添加によって
不飽和度を低下したもの、あるいは化学合成したものが
挙げられる。より具体的には、コレステロール(Cho
l)、3β−[N−(ジメチルアミノエタン)カルバモイ
ル]コレステロール(DC−Chol)、N−(トリメ
チルアンモニオエチル)カルバモイルコレステロール
(TC−Chol)などのステロール類;ジパルミトイ
ルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジス
テアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSP
E)などのホスファチジルエタノールアミン類;ジパル
ミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステア
ロイルホスファチジルコリン(DSPC)などのホスフ
ァチジルコリン類;ジパルミトイルホスファチジルセリ
ン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン
(DSPS);ホスファチジン酸類、例えばジパルミト
イルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホ
スファチジン酸(DSPA)などのホスファチジルセリ
ン類等が挙げられる。これらの中でも、3β−[N−(ジ
メチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(D
C−Chol)、N−(トリメチルアンモニオエチル)
カルバモイルコレステロール(TC−Chol)のよう
な陽性荷電を有するステロール類は、DNAやRNAな
どの核酸との親和性が高いため特に好ましい。
【0013】陽性荷電を有するコレステロール類と荷電
のないコレステロールとを併用するのが好ましく、陽性
荷電を有するコレステロール類が、全コレステロール量
の5〜50%、好ましくは10〜30%である場合、リ
ポソームが効率よくDNAを有することができ、陽性荷
電を有するコレステロールの割合が多すぎるとリポソー
ムに毒性が出る場合がある。尚、ここで例示した化合物
名の後ろの( )内のアルファベットは、各化合物の略
号であり、以下これらの略号を使用する。
【0014】リポソームは、公知の方法、例えばD.
W.Deeamer,P.S.Uster,“Lipo
some”ed.by M.J.Ostro,Marc
elDekker Inc.,N.Y.Basel,1
983,p27〜記載の方法(ボルテックス法および超
音波法)、エタノール注入法、エーテル法、逆相蒸発法
などが適用でき、これらを組合せることにより作製され
る。
【0015】オリゴ糖をリポソームの表面に導入するた
めには、例えば、次の2つの方法のいずれかを用いれば
よい。前記の人工糖脂質が水溶性で有機溶剤に十分溶解
しない場合、例えば、前記のRNとDPPEとの結合物
(RN−DPPE)を用いる場合には、これらの水性溶
液を調製し、これを形成されたリポソームと混合して、
例えば4℃ないし室温において0.5〜120時間、例
えば約24時間インキュベーションすればよい。
【0016】他方、人工糖脂質が有機溶剤に溶解する場
合には、当該人工糖脂質を、リポソーム構成用脂質と共
に、リポソーム製造過程において前記のごとき有機溶剤
に溶解し、以後、常法に従ってリポソームを形成すれば
よい。リポソームの量に対するオリゴ糖の量はオリゴ糖
の種類、封入しようとする核酸の種類、リポソームの組
合せ構造等により異るが、一般に、リポソームを構成す
る脂質1mgに対して0.5μg〜500μgである。
尚、オリゴ糖がリポソーム表面に結合していることは、
糖に該当するレクチンを添加してリポソームの凝集反応
で調べることができる。
【0017】本発明のリポソームは、多重層タイプ(m
ultilamella vesicle)であっても
よく、また単層タイプ(unilamella ves
icle)であってもよい。これらは既知の常法に従っ
て作製することができ、また常法に従って一方のタイプ
を他方のタイプに、例えば多重層タイプのリポソームを
単層タイプのリポソームに転換することもできる。本発
明のリポソームの粒径は特に限定されないが、必要によ
り常法に従って、例えば所望の孔サイズのフィルターに
より濾過することにより、粒径を整えることができる。
【0018】本発明のDNA含有リポソームを得るため
には、上述してきたリポソームに、発現させたいタンパ
ク質をコードする任意の核酸、すなわちDNAまたはR
NAなどの遺伝子を封入あるいは表面結合させる必要が
ある。DNAやRNAは断片でもよいし、プラスミドD
NAのような環状構造であってもよい。例えばDNAを
用いる場合は、プロモーター配列・遺伝子配列・終了配
列(転写終了、ポリA付加シグナルを含む)が存在する
ことが望ましい。RNAの場合は細胞内で安定に存在す
るためのキャップ構造、ポリA配列、翻訳開始コドンよ
り始まり、タンパク質部分をコードするRNAを含んだ
RNA分子であることが望ましい。このような遺伝子と
して、例えば病原体の抗原遺伝子、例えばヒト免疫不全
症ウイルス(HIV)のgag、pol、env遺伝
子、インフルエンザウイルスのHA、M遺伝子、ニュー
カッスル病ウイルスのHN、F遺伝子、マラリア原虫・
結核菌などの外被タンパク質遺伝子等の全部あるいはそ
の一部の遺伝子を含む核酸が挙げられる。また、宿主由
来の遺伝子、例えばサイトカインの遺伝子のような機能
性タンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。
【0019】これらのDNAやRNAの調製方法として
は、従来からの方法、例えば、ウイルス感染細胞からウ
イルスDNAやRNAを調製する方法などが挙げられ
る。宿主由来の遺伝子であれば、宿主動物の染色体DN
Aから直接にあるいは目的とする遺伝子の相補的DNA
から調製することができる。プラスミドDNAの場合
は、形質転換された大腸菌等の細菌より大量に調製する
ことができる。
【0020】リポソームの量に対する核酸の量は、非常
に重要であり、核酸の種類、リポソームの組成や構造等
により異るが、一般にリポソームを構成する脂質1mg
当り0.1μg〜500μgである。リポソームが核酸
を有していることは核酸の紫外部吸収あるいは核酸と特
異的に結合する試薬、例えばエチジウムブロマイド、あ
るいは標識された核酸、例えばメチルグリーン標識のD
NAを用いて調べることができる。
【0021】本発明の遺伝子ワクチンは、上述した、核
酸が結合したリポソームでさらに人工糖脂質を含有する
ものであり、培養細胞に遺伝子を導入したり、ヒト・動
物に注射・飲水などにより投与することにより個体の細
胞内で遺伝子を発現させることができる。培養細胞に遺
伝子を導入するためには、本発明の遺伝子ワクチンを細
胞培養用の培地など適当な液体にけん濁した形で培養細
胞に混合すればよい。また、動物への投与は生理食塩水
などのバッファーにけん濁し、それを皮下、皮内、筋肉
などに注射する、あるいは飲水・食物に混合して経口投
与する方法をとればよい。そのような方法で個体に取り
込まれた遺伝子は抗原提示細胞に効率よく取り込まれ、
それらの細胞内で遺伝子が発現し、その結果、液性・細
胞性免疫を誘導することができ、ワクチンとして利用さ
れることとなる。
【0022】
【実施例】以下に実施例および実験例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】(参考例1)人工糖脂質の調製 α1→3結合したマンノビオース(Man2)、Man
α1→6(Manα1→3)Manという構造を有する
マンノトリオース(Man3)、M5(化1に示した化
合物)、およびRN(化2に示した化合物)2.5mg
に600μlの蒸留水を加えて攪拌溶解してオリゴ糖溶
液を調製した。
【0024】次に、クロロホルム/メタノール(1:
1、体積比)混合液にDPPEを5mg/mlの濃度で
溶解してDPPE溶液を調製した。また、メタノール
に、NaBH3CNを10mg/mlの濃度に溶解してN
aBHCN溶液を調製した。前記オリゴ糖の各溶液6
00μlに前記DPPE溶液9.4mlおよび前記Na
BHCN溶液1mlを加えて攪拌混合した。この反応混
合液を60℃にて16時間インキュベートし、人工糖脂
質を生成せしめた。この反応混合液をシリカゲルカラム
およびC18逆相カラムにより精製することにより人工
糖脂質(Man2−DPPE、Man3−DPPE、M
5−DPPEおよびRN−DPPE)を得た。
【0025】(参考例2)人工糖脂質含有リポソームの
作製 2μmolのDPPCを含むクロロホルム・メタノール
(2:1、体積比、以下C/Mという)溶液と、1μm
olのChol、DC−CholまたはTC−Chol
のC/M溶液とを、それぞれ2:1の割合で混合し合計
3mlとした。これらを、それぞれ25mlの梨型フラ
スコに取り、エバポレーターに梨型フラスコを接続さ
せ、40℃で減圧下、C/Mを蒸発除去し、混合脂質膜
Chol/DPPC、DC−Chol/DPPCおよび
TC−Chol/DPPCを作製した。同様に、1μm
olのCholまたはDC−Chol、TC−Chol
溶液およびDPPC 2μmolとM5−DPPE
0.2μmolを用いて混合脂質膜Chol/DPPC
/M5−DPPE、DC−Chol/DPPC/M5−
DPPEおよびTC−Chol/DPPC/M5−DP
PEを作製した。
【0026】フラスコの底に薄い脂質膜ができるが、こ
れにクロロホルムを加えて膜を一旦溶かした後に、再度
溶媒を蒸発除去した。この操作をさらに2〜3回繰り返
すと、きれいな脂質の薄膜ができた。デシケーターにフ
ラスコを1時間以上入れて完全に溶媒を除き、リン酸塩
バッファー(pH6.5、以下PBSという)1mlを
加え、ボルテックス法でリポソームを作製後、超音波を
かけて粒径を小さくした。
【0027】(実施例1)DNA含有リポソームの調製
と確認 (1)DNA含有リポソームの調製 結合用DNAとしてメチルグリーン標識DNA(シグマ
社製)を用いた。参考例で得たリポソームのPBS溶液
1mlのうち、50μlに対して、メチルグリーン標識
DNA 50μlを加えて30分間室温で放置後、20
℃ 9,000×gで30分間遠心すると、DC−Ch
olおよびTC−Cholを用いた場合は、メチルグリ
ーンの色素が沈殿したリポソームに付着していたため
に、DNA−リポソーム複合体(DNA含有リポソー
ム)の形成が確認された。
【0028】(2)DNA含有リポソームの構成成分の
確認 上述の沈殿と、リポソーム 50μlをそれぞれC/M
200μlに溶解した後、遠心してDNAを沈殿除去
後、真空乾燥した。次いで、それぞれをクロロホルム/
メタノール/水(10/10/3;体積比)溶液40μ
lに溶解させそのうちの20μlをTLCプレートにス
ポットし、クロロホルム/メタノール/水(45/45
/10;体積比)で展開した後オルシノール硫酸法でM
5−DPPEがDNA含有リポソーム形成後も存在して
いるかを調べた。TLCによる展開法では、人工糖脂質
や各脂質はそれぞれ違うRT値を持っているため、リボ
ソームをTLC展開することで、各リボソームごとに目
的の人工糖脂質や脂質が含まれていることが確認でき
る。ここでのTLC展開の結果、いずれのリボソーム
も、目的の人工糖脂質や脂質が、DNA複合体を形成し
た後も存在していることが確認された。
【0029】(3)DNA含有リポソーム表面に人工糖
脂質が含まれていることの証明 実施例3で作製したDNA含有リポソーム溶液の一部を
採り、そのまま、あるいはM5と反応するコンカナバリ
ンA溶液を加えてから96穴の凝集用プレートに入れ、
室温放置後、凝集反応の有無を調べた。その結果、M5
−DPPEを加えて作製したDNA−リポソームでのみ
コンカナバリンAとの凝集反応が観察され、リポソーム
表面に人工糖脂質であるM5−DPPEの糖鎖が露出し
ていることが確認された。
【0030】(実施例2)DNA含有量の確認 DC−CholとCholの組成物のDC−Cholの
DC−CholとCholとの合計量(1μmol)に
対する比率が表1記載の値となるように、DC−Cho
lとCholの比を変えて、それぞれ調製した。これと
は別にDPPC2μmolとM5−DPPE 0.2μ
molの比にて混合した組成物を調製した。両組成物を
混合し、脂質フィルムを作り、リポソームを作製した。
各組成のリポソームを全量1.2mlとしその100μ
lと1mg/mlのpCMV−βGalプラスミド(フ
ァルマシア社製)100μlを混合して10,000r
pm、4℃、30分間遠心し、上清(200μl)と沈
殿に分けた。沈殿中にDNA含有リポソームが形成され
ている。この沈殿のDNA量を測定するため、沈殿を1
%SDSを含むPBS400μlに溶解し、3分間煮沸
後、9,000×g、4℃、30分間遠心し上清400
μlを回収した。DNA量の定量は260nmの吸光度
を測定して計算した。
【0031】
【表1】
【0032】この結果よりリポソームがDNAを含んで
いることが判り、特にDC−Chol含量が12.5%
以上ではリポソーム中に極めて効率よくDNAが取り込
まれていることがわかる。
【0033】(実施例3)DNA含有リポソームの抗原
提示細胞内へのDNA移入・発現効果の測定 参考例2で作製したリポソームChol/DPPC、D
C−Chol/DPPC、TC−Chol/DPPC、
DC−Chol/DPPC/M5−DPPE、およびT
C−Chol/DPPC/M5−DPPEからそれぞれ
10μl採り、pCMV−βGalプラスミド 4μg
を混合して複合体を作った。同様にリポソーム5μlに
前記プラスミド2μg、あるいはリポソーム3μlに前
記プラスミド1μgを混合して複合体を作製した。
【0034】Balb/C雌マウスの腹腔細胞約4X1
をシャーレにまき、1時間後シャーレ中の浮遊細胞
を捨ててシャーレに接着した細胞をマクロファージとし
て使用した。このマクロファージ細胞と上記のpCMV
−βGalプラスミド結合リポソームを混合し、37
℃、5%CO存在下5時間培養した後培地を交換しさ
らに48時間培養した。ついで、2%パラホルムアルデ
ヒド500μlを加えて10分間室温で放置して固定し
た後、2mg/mlのXgalを加えて遮光して反応さ
せ、染色細胞をカウントしDNA移入・発現細胞とし
た。
【0035】
【表2】
【0036】注)A:DC−Chol/DPPC/M5
-DPPE使用時の陽性細胞数 B:DC−Chol/DPPC使用時の陽性細胞数
【0037】なお、TC−Chol/DPPC/M5-
DPPEとTC−Chol/DPPCを使用した実験の
場合も、上記と同様、TC−Chol/DPPC/M5
−DPPEではβ−Gal発現マクロファージ細胞数の
増加結果が得られたが、TC−Chol/DPPCを使
用した場合には、β−Gal発現マクロファージ細胞数
の増加が認められなかった。また、M5−DPPEのか
わりに、参考例1で得られた人工糖脂質Man2−DP
PE、Man3−DPPEあるいはRN−DPPEを用
いても上記と同様の結果が得られた。
【0038】同時にマウス3T3細胞(上皮系細胞)を
使用し、同じ実験を行った。その結果、リポソームとし
てDC−Chol/DPPC/M5−DPPEとDC−
Chol/DPPCを使用した場合の陽性細胞数に顕著
な差は認められず、陽性細胞数は100個程度と上表の
Bカラムと同程度の細胞数であった。したがって、本発
明によるリポソームは抗原提示細胞において通常の上皮
系細胞以上に効率よくDNAを細胞内に移入・発現でき
ることが明らかとなった。抗原提示細胞以外の細胞にD
NAが移入されても、目的とする免疫誘導は得られな
い。抗原提示細胞内で抗原タンパク質が発現すると免疫
誘導は起こる。従って、本発明のリポソームをDNAワ
クチンとして用いると、選択的に抗原提示細胞にDNA
が移入されるため、DNAワクチンの接種量を少量に抑
えても十分な効果の得られることが判る。
【0039】(実施例4)DNA−リポソームのマウス
免疫試験 (1)ニューカッスル病ウイルス(NDV)のF遺伝子
を持ったプラスミドpCMV−NDV−Fの作製 NDVのF抗原のcDNAがクローニングされたプラス
ミドpNZ98(特開平3−27284)から制限酵素
BamHIの部分消化後、EcoRIで完全消化した
後、DNAポリメラーゼIで処理して平滑末端としてア
ガロース電気泳動により、約1.7kbpのNDV−F
遺伝子断片を得た。一方、pCMV−Scriptプラ
スミド(ストラタジーン社製)を制限酵素SacIで消
化した後、DNAポリメラーゼIで処理して平滑末端と
し、上記NDV−F遺伝子断片と結合してpCMV−N
DV−Fを得た。
【0040】DC−Chol 0.25μmolとCh
ol 0.75μmolをとり、DPPC 2μmo
l、M5−DPPE 0.2μmolの比にて脂質フィ
ルムを作りPBSを封入したリポソームを作製した。同
様にDPPC 2μmolとDC−Chol 0.25
μmolとChol 0.75μmolの比でリポソー
ムを作製した。これら2つのリポソームをそれぞれ全量
1.2mlとしその100μlと1mg/mlのpCM
V−NDV−Fプラスミド100μlを混合して9,0
00×g、4℃、30分間遠心し、上清(200μl)
と沈殿に分けた。沈殿中のDNA量を測定するため、沈
殿を1%SDSを含むPBS400μlに溶解し、3分
間煮沸後、9,000×g、4℃、30分間遠心し上清
400μlを回収した。260nmの吸光度を測定して
DNA量を計算し、終濃度1μgDNA/10μlリポ
ソームとした。以後、M5−DPPE含有リポソームで
pCMV−NDV−Fプラスミドを含有するリポソーム
をDC/M5-DPPE/F−DNA、M5−DPPE
を持たないリポソームでpCMV−NDV−Fプラスミ
ドを含有するリポソームをDC/F−DNAとし、M5
−DPPE含有リポソームでプラスミドを含有しないリ
ポソームをDC/M5−DPPEとした。
【0041】(2)マウス免疫実験 4週齢のBalb/C雌マウスを一群5匹で3群に分
け、1匹あたり50μlのDC/M5-DPPE/F−
DNAリポソーム(1μgDNA/10μlリポソー
ム)、DC/F−DNAリポソーム(1μgDNA/1
0μlリポソーム)、DC/M5−DPPEリポソーム
を背部に1回皮下接種した。3週間後、各マウスから採
血し血清をプールして各血清の抗NDV中和抗体価を測
定した。NDVに対する中和抗体価測定は、Morga
n等の方法(Morgan.R.W.,et.al.A
vian Dis.,36,858−870,199
2)に従った。
【0042】
【表3】
【0043】注 100TCID50のNDV Sat
o株を50TCID50に中和する血清希釈度。1群5
匹のプール血清での評価
【0044】本発明によるM5−DPPEを含むDNA
含有リポソームはマウスにおいて中和抗体の誘導を著し
く増強させることが明らかとなった。
【0045】(実施例5)DNA−リポソームの鶏免疫
試験 鶏免疫実験 1群10羽の試験用のSPF鶏(Line M、日本生
物科学研究所)が孵化したときに、実施例4で作製され
たDC/M5-DPPE/F−DNAリポソーム(1μ
gDNA/10μlリポソーム)、DC/F−DNAリ
ポソーム(1μgDNA/10μlリポソーム)、DC
/M5−DPPEリポソームをそれぞれ一羽あたり50
μl背部皮下に1回接種した。コントロールに使用した
市販NDV生ワクチン(北里研究所)は4日齢の雛に用
法通り点眼接種した。接種4週後に強毒NDVウイルス
(Sato株)を10PFUとなるように右大腿部筋
肉内に攻撃した。攻撃後約2週間鶏の生死および発症の
有無を観察し、生存率で効果を確かめた。NDVウイル
スを攻撃する際に各鶏を採血し、取得した血清中のNDV
に対する中和抗体の検出を行った。中和抗体価測定は、
Morgan等の方法(Morgan.R.W.,e
t.al.Avian Dis.,36,858−87
0,1992)に従った。また、各群のNDV攻撃試験
結果は表4に、NDVに対する中和抗体価測定結果は表
5に示した。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】本発明によるDNA含有リポソームは接種
した鶏に対しNDVの攻撃に対する感染防御を付与し、
さらに、M5−DPPEを含むリポソームとすること
で、そのワクチン効果が著しく増強されることが明らか
となった。DC/M5−DPPE/F−DNAリポソー
ムを接種した鶏の血清の中和抗体価は128倍(10羽
の血清をプールして測定)と、陰性コントロールに比べ
有意に高かった。これらの結果から本発明によるM5−
DPPEを含むDNA−リポソムワクチンはNDVに対
する感染防御能を接種鶏に付与していることが明らかと
なった。
【0049】
【発明の効果】本発明のリポソームは免疫誘導のための
アジュバント活性を有し、且つ毒性およびそれ自体の抗
原性が低いので、ヒトあるいは動物に対して、DNAワ
クチンのアジュバントとして使用すれば、実用的なDN
Aワクチンが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 斡司 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4C076 AA19 CC06 DD63 DD68 DD70 FF34 4C085 AA03 AA38 BA01 BB21 CC31 CC33 FF14 4C086 AA01 AA02 EA16 MA02 MA05 NA14 ZB05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2〜11個の糖残基から成り、抗原提示
    細胞由来のレクチンに結合するオリゴ糖を表面に有し、
    かつ核酸を有するリポソーム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のリポソームを含有する
    遺伝子ワクチン。
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