JPWO2006104199A1 - 免疫誘導のためのリポソーム組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、抗原物質を抗原提示細胞のMHCクラスI分子およびクラスII分子に効率良く提示させることができるリポソーム組成物を提供することである。本発明によれば、オリゴ糖被覆リポソームと抗原物質とを含む、抗原ペプチドを抗原提示細胞のMHCクラスI分子およびクラスII分子に提示するためのリポソーム組成物が提供される。

Description

本発明は、オリゴ糖被覆リポソームを用いた免疫誘導のためのリポソーム組成物に関する。より詳細には、本発明は、腹腔内に投与した際に腹腔内のマクロファージによって取り込まれて、抗原ペプチドがMHCクラスI分子およびクラスII分子に提示されることを特徴とする、オリゴ糖被覆リポソームを用いたリポソーム組成物に関する。
癌の死亡者数における胃癌の死亡者数は肺癌に次いで多く、その主要因は、腹腔諸臓器への播種性転移である。従って、その克服には、腹膜転移およびその進展をコントロールできる免疫療法の開発が必須である。
免疫系による癌の拒絶の主要エフェクター細胞は細胞傷害性T細胞(cytotoxic T lymphocytes:CTL)であるが、その機能を発揮するためにはヘルパーT細胞(Th)の介助が大きな役割を果たしている。従って、両細胞群を同時に活性化することが効率的な免疫反応を惹起するためには必須であると考えられ、ヘルパー(Th)エピトープと細胞傷害性T細胞(CTL)エピトープの両方を抗原として用いた癌の免疫療法が検討されつつある。
上記の通り、効率の良い免疫反応を得るには、ヘルパーT細胞(Th)と細胞傷害性T細胞(CTL)を同時に活性化する必要があるが、そのためにはThエピトープ(MHCクラスII)とCTLエピトープ(MHCクラスI)の両方を含む抗原で免疫するのが理想である。しかし、タンパク質をそのまま免疫するだけではCTLが効率的に活性化されにくいことが知られている。内在性抗原はMHCクラスIに提示され、外来性抗原はMHCクラスIIに提示されるというのが一般に知られている。しかしマクロファージのような抗原提示細胞に取り込まれた外来性抗原はMHCクラスIIにより提示されやすいとされている。つまりワクチンとして抗原を単独で接種して免疫する場合、MHCクラスI分子による抗原提示に依存するCTLは効率よく活性化されにくい。
免疫系による癌の拒絶の主要エフェクター細胞はCTLであるので、クラスI分子に外来性抗原を提示させるための試みがなされてきた。免疫療法として行われているものでは、(1)患者から抗原提示細胞を採取してきて、培養し、抗原ペプチドを添加した後、患者に戻す方法、もしくは(2)抗原提示細胞に、抗原遺伝子を導入するなどの方法がとられている。上記の方法は何れも技術的、倫理的、金銭的な面で問題が多く、また免疫に適した癌抗原の同定が必要である。しかも、上記(1)の方法で複数のTh/CTLを同時に活性化するためにはTh/CTLの両エピトープの同定が必要とされる。
また、多糖抱合リポソームについて(プルランおよびマンナン)がマクロファージに取り込まれることが判明しており、かつ、MHCクラスI分子に提示されることが示されている。免疫療法にこれら多糖に抗原を包合して投与する方法が試みられている。しかし、これらの多糖構造には抗原性や毒性が存在し、ヒトへの使用は必ずしも安全であるとは言えない。またMHCクラスII分子に提示できるという証明はなされていない。
本発明は上記した従来技術の問題を解決することを解決すべき課題とした。即ち、本発明は、抗原物質を抗原提示細胞のMHCクラスI分子およびクラスII分子に効率良く提示させることができるリポソーム組成物を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、抗原をオリゴマンノース被覆リポソーム(MCL)に封入して投与することにより、マクロファージへ抗原を送達できることを見出した。これは、マクロファージが発現するマンノース受容体を介した反応によるもので、マクロファージは特異的かつ積極的に、腹腔内へ投与されたリポソームを取り込み、活性化する。引き続いて起こる免疫反応では、封入抗原を自身のMHCクラスIおよびII分子に提示し、大網や腸間膜の節外性リンパ組織への遊走して細胞性免疫を活性化する。この際、マクロファージは封入抗原に由来するペプチドを自身のMHCクラスIとIIの両方の分子に提示でき、領域リンパ節へも遊走する。マウスを用いた実験では、腹腔内に投与したMLCを取り込んだマクロファージは、活性化して領域のリンパ組織である大網に到達するが、同時に封入抗原に由来するペプチドをMHCクラスI分子とMHCクラスII分子の両方に提示し、ThおよびCTLの両細胞群を活性化してIFN−γを産生させことができる。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、オリゴ糖被覆リポソームと抗原物質とを含む、抗原ペプチドを抗原提示細胞のMHCクラスI分子およびクラスII分子に提示するためのリポソーム組成物が提供される。
好ましくは、オリゴ糖はオリゴマンノースである。
好ましくは、オリゴ糖はマンノペンタオース又はマンノトリオースである。
好ましくは、抗原物質は癌抗原である。
好ましくは、本発明のリポソーム組成物は腹腔内、皮下または鼻腔内粘膜に投与され、マクロファージなどの抗原提示細胞によって取り込まれ、抗原ペプチドがMHCクラスI分子およびクラスII分子に提示される。
好ましくは、本発明のリポソーム組成物は、細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するために使用される。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明者らは、卵白アルブミン(OVA)をモデル抗原として使用し、外来性抗原タンパク質をオリゴマンノース被覆リポソーム(MCL)に封入して投与した場合に、抗原がMHCクラスIIのみならずMHCクラスIにも提示できることを明らかにした。マンノース被覆リポソームに卵白アルブミン(OVA)やOVAペプチドを封入して、直接腹腔に投与するとすみやかにマクロファージに取り込まれる。その後、マクロファージを腹腔から回収して24時間培養し、クラスI分子に提示されたOVAペプチド特異的T細胞レセプター遺伝子導入(Tg)マウスOT−Iに由来する脾臓CD8陽性Tリンパ球と混合培養すると、OVAをPBSに溶解して腹腔に注入したマウスから回収した場合にはIFN−γの産生は殆どみられないが、オリゴマンノース被覆リポソームに封入した場合にはIFN−γの産生がみられた。この結果は、MCLに封入したOVAがマクロファージにとりこまれた後、OVAペプチドがMHCクラスI分子上に提示されていることを明確にしている。一方、OVAをそのまま投与した場合には同様にマクロファージに取り込まれるが、IFN−γの産生がみられないので、MHCクラスI分子上には提示されていないと考えられる。従って、MCLに抗原タンパク質あるいは抗原ペプチドを封入して投与することで、抗原を効率よく抗原提示細胞のMHCクラスI分子上に提示できることが実証された。
一方、MHCクラスII分子に提示されたOVAペプチド特異的T細胞レセプター遺伝子導入(Tg)マウスOT-2に由来する脾臓CD4陽性Tリンパ球と混合培養すると、MHCクラスII分子に提示されたOVAペプチド特異的IFN−γの産生が誘導され、オリゴマンノース被覆リポソームに封入した場合も、直接接種した場合も効率良く提示されていることが示された。
さらに、マウスEL4リンパ腫の可溶性タンパク質を封入したMCLを同系マウスに皮下投与した場合、可溶化物を直接投与した際にはほとんど認めなかったEL4に対する強いCTL活性が観察された。すなわち皮下投与の場合も抗原提示細胞に取り込まれ効率よくMHCクラスI分子上に抗原ペプチドが提示されていることを示している。さらにこの結果は、たとえ抗原タンパク質が未知また精製されていなくても、マンノース被覆リポソームに癌細胞の抽出液を封入して投与することにより、CTLを誘導できるようなペプチドをMHCクラスI分子上に提示できることを示しており、癌に対するワクチン効果を得る手段として有効であることが示された。
本発明のリポソーム組成物はドラッグデリバリーシステムとしても使用することができる。ここでドラッグデリバリーシステムとは、薬剤送達システムのことを意味する。通常、薬を投与すると薬は全身に広がってしまうが、拡散を防いで効率よく狙った組織や細胞に薬を送達する技術のことを言う。ドラッグデリバリーシステムは、副作用を軽減したり、薬効を向上させる効果がある。
本発明で言うリポソームとは、リン脂質で構成される二重膜でできた人工小胞のことを言う。膜の内側は親水性部分、外側は疎水性部分が配向する。内腔には親水性の化合物を封入でき、抗癌剤などのドラッグデリバリーシステムに利用されている。
本発明のリポソーム組成物は、オリゴ糖被覆リポソームと抗原物質とを含むことを特徴とするものであり、抗原物質に由来する抗原ペプチドを抗原提示細胞のMHCクラスI分子およびクラスII分子に提示させるために使用される。さらに具体的には、本発明のリポソーム組成物は、腹腔内に投与された場合に、腹腔内のマクロファージなどの抗原提示細胞によって取り込まれ、抗原ペプチドはそのMHCクラスI分子およびクラスII分子に提示される。
マクロファージは、食作用を有する細胞であり、体に存在しない外来物質や、もはや生体を構成するものとは言えない死にかけ(アポトーシス)の細胞、癌細胞等を認識して取り込み消化する。消化された蛋白質から、特に免疫系の攻撃対象の目印となるペプチド断片を細胞表面に提示し、免疫ネットワークに攻撃対象を知らしめる司令塔としての働きを有する。
本発明で用いるオリゴ糖被覆リポソームとしては、例えば、特許第2828391号公報に記載のリポソームを用いることができる。オリゴ糖を構成する糖成分の種類は特に限定されないが、例えば、D−マンノース(D−Man)、L−フコース(L−Fuc)、D−アセチルグルコサミン(D−GlcNAc)、D−グルコース(D−Glc)、D−ガラクトース(D−Gal)、D−アセチルガラクトサミン(D−GalNAc)、D−ラムノース(D−Rha)などが挙げられる。
オリゴ糖中で、各構成糖は、α1→2結合、α1→3結合、α1→4結合、α1→6結合又はβ1−4結合等あるいはこれらの組合せにより結合している。例えば、マンノースは上記の結合により単鎖を構成してもよく、又はα1→3結合とα1→6結合との組合せにより分枝構造をとってもよい。オリゴ糖中の単糖の数は、好ましくは2〜11個である。具体的なオリゴ糖として、例えばマンノビオース(Man2)、マンノトリオース(Man3)、マンノテトラオース(Man4)、マンノペンタオース(Man5)、マンノヘキサオース(Man6)、マンノヘプタオース(Man7)、種々の混合オリゴ糖、例えば下記に示すM5(化1)及びRN(化2)等を挙げることができる。
さらに、グルコースを含有するオリゴ糖として化3に示す構造を有するものを挙げることができ、N−アセチルグルコサミンを含むオリゴ糖として化4に示すものを挙げることができ、そしてフコースを含むオリゴ糖として化5に示すものを挙げることができる。
本発明で用いるオリゴ糖は好ましくは、オリゴマンノースであり、特に好ましくはマンノペンタオース又はマンノトリオースである。
上記のオリゴ糖は、いずれも1個の還元末端アルデヒド基を有する。そこで、このアルデヒド基を、オリゴ糖をリポソーム表面に導入するための手段として使用することができる。すなわち、このアルデヒドと、アミノ基を有する脂質との間に反応によりシッフ塩基を形成し、次にこのシッフ塩基を、常法に従って、還元、好ましくは化学還元、例えばNaBH3CNにより還元することにより、オリゴ糖と、脂質とを結合することができる(水落次男、糖質工学、224−232頁、産業調査会バイオテクノロジー情報センター、1992)。
上記のアミノ基を有する脂質は、好ましくはアミノ基を有するリン脂質であり、例えばホスファチジルアミン、例えばジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)等を使用することができる。上記のようにして得られた、オリゴ糖と脂質との結合物を、本発明においては人工糖脂質と称する場合がある。
リポソームを構成する脂質としては、リポソームを構成するために知られている任意の常用の脂質を単独で又は複数組み合わせて使用することができる。例えば、天然物、例えば卵黄、大豆、又はその他の動植物から得られる脂質、これらの脂質を修飾したもの、例えば水素添加によって不飽和度を低下したもの、あるいは化学合成したものを使用することができる。具体的には、例えば、ステロール類、例えばコレステロール(Chol);ホスファチジルエタノールアミン類、例えばジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE);ホスファチジルコリン類、例えばジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC);ホスファチジルセリン類、例えばジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS);ホスファチジン酸類、例えばジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジン酸(DSPA)、等が挙げられる。
リポソームの作製は公知の方法[D.W.Deeamer,P.S.Uster,"Liposome"ed.by M.J.Ostro, Marcel Dekker Inc.,N.Y. Basel, 1983, p27]を用いて行うことができる。ボルテックス法および超音波法が一般的であるが、そのほかにエタノール注入法、エーテル法および逆相蒸発法などが適用でき、これらを組合せて使用することもできる。
例えば、ボルテックス法および超音波法においては、所定の脂質を有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、クロロホルム又はこれらの混合物、例えばメタノールとクロロホルムとの混合物に溶解した後、該有機溶剤を蒸発除去することにより脂質の薄層を得る。次に、この脂質の薄層に水性媒体を加えてボルテックス処理又は超音波処理することによりリポソームが形成される。この際に、上記水性媒体に、薬物、マーカーまたは造影剤などの投与物質を混入、例えば溶解又は懸濁させておくことにより、該投与物質をリポソームに封入することができる。
オリゴ糖をリポソームの表面に導入するためには、例えば、次の2つの方法のいずれかを用いればよい。前記の人工糖脂質が水溶性で有機溶剤に十分溶解しない場合、例えば、前記のM5とDPPEとの結合物(M5−DPPE)、RNとDPPEとの結合物(RN−DPPE)を用いる場合には、これらの水性溶液を調製し、これを形成されたリポソームと混合して、例えば4℃ないし室温において24〜120時間、例えば約72時間インキュベーションすればよい。
他方、人工糖脂質が有機溶剤に溶解する場合には、該人工糖脂質を、リポソーム構成用脂質と共に、リポソーム製造過程において前記のごとき有機溶剤に溶解し、以後、常法に従ってリポソームを形成すればよい。リポソームの量に対するオリゴ糖の量はオリゴ糖の種類、封入しようとする抗原の種類、リポソームの組合せ構造等により異なるが、一般に、リポソームを構成する脂質1mgに対して5μg〜500μgである。
本発明で用いるリポソームは、多重層タイプ(multilamella vesicle)であってもよく、また単層タイプ(unilamella vesicle)であってもよい。これらは既知の常法に従って調製することができ、また常法に従って一方のタイプを他方のタイプに、例えば多重層タイプのリポソームを単層タイプのリポソームに転換することもできる。本発明で用いるリポソームの粒径は特に限定されないが、必要により常法に従って、例えば所望の孔サイズのフィルターにより濾過することにより、粒径を整えることができる。
本発明では、オリゴマンノース被覆リポソームを用いることが特に好ましい。オリゴマンノース被覆リポソームは、酵母からヒトまで生物に広く保存されている糖鎖構造の一つである数個のマンノース糖鎖(オリゴマンノース)を脂質化して精製した後、リポソームに抱合したものである。オリゴマンノース被覆リポソームは、ヒトに元々ある構造を用いているので毒性がない。マクロファージに存在する受容体が、オリゴマンノースを特異的に認識すると、オリゴマンノース被覆リポソームは、食作用によって細胞内に速やかに取り込まれる。
本発明で用いる抗原物質の種類は特に限定されないが、例えば、サバイビン、リビン、リカバリン、gp110、MART-1、NY-ESO-1、SSX、PBF、HER2、SYT-SSX、CEA、MUC-1などが挙げられる。抗原物質は、好ましくは癌抗原である。
リポソームの量に対する抗原物質の量は、投与したリポソーム組成物が腹腔内のマクロファージによって取り込まれて、抗原ペプチドが抗原提示細胞のMHCクラスI分子および/又はクラスII分子に提示されるという本発明の効果が得られる限り特に限定されず、投与物質の種類やリポソームの組成や構造等により適宜設定することがえきる。一般的には、投与物質の量は、リポソームを構成する脂質1mg当たり1μg〜100μgである。
本発明のリポソーム組成物は、所望により薬学的に許容される担体を含んでいてもよい。担体としては,滅菌水、緩衝液又は食塩水を用いることができる。また、本発明のリポソーム組成物は、所望により塩類、糖類、蛋白質、澱粉、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコール等を含んでいてもよい。
本発明のリポソーム組成物の投与経路は特に限定されないが、好ましくは腹腔内、腹腔内、皮下または鼻腔内粘膜に投与することができる。本発明のリポソーム組成物の投与量は、投与物質の種類、投与経路、症状の重篤度、患者の年齢および状態、副作用の程度等により変動するが、一般に、0.1〜100mg/kg/日の範囲である。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1:オリゴ糖被覆リポソームの製造方法および抗原の封入方法
以下の方法により、マンノトリオース(M3)(Manα1→6(Manα1→3)Manという構造を有するマンノトリオース(Man3))と、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)とを還元アミノ化反応で化学的に結合させM3-DPPEを合成した。
先ず、マンノトリオース(M3)2.5mgに600μlの蒸留水を加えて攪拌溶解してオリゴ糖溶液を調製した。次に、クロロホルム/メタノール(1:1、体積比)混合液にDPPEを5mg/mlの濃度で溶解してDPPE溶液を調製した。また、メタノールに、NaBH3CNを10mg/mlの濃度に溶解してNaBH3CN溶液を調製した。前記オリゴ糖の各溶液600μlに前記DPPE溶液9.4mlおよび前記NaBH3CN溶液1mlを加えて攪拌混合した。この反応混合液を60℃にて16時間インキュベートし、人工糖脂質を生成せしめた。合成した人工糖脂質はHPLCを用い高純度に精製した。
抗原タンパク質(卵白アルブミン(OVA)、又はEL4抗原)を封入したリポソームは、以下のようにして作製した。
先ず、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、コレステロールおよび人工糖脂質(M3-DPPE)を1:1:0.1で混合したクロロホルム/メタノール溶液もしくはエタノール溶液をなし型フラスコにいれ、ロータリーエバポレーターで減圧乾固し脂質フィルムを作製した。次いで、抗原タンパク質を含むPBS溶液(5 mg/ml)0.3 mlを脂質フィルムに加え、ボルテックスミキサーを用いて激しく撹拌し、M3-DPPE被覆リポソームを作製した。
その後、リポソームをPBSで数回洗浄し、リポソームに封入されていない可溶性の物質を遠心により取り除いた。さらにこのリポソームの粒径を1μmのフィルターを用いて整えた。封入タンパク質量はタンパク質定量により、またリポソームの脂質組成比および薬物はHPLCによって定量した。
実施例2: MHCクラスIとMHCクラスII分子への抗原提示の確認
マンノース被覆リポソームに卵白アルブミン(OVA)やOVAペプチドを封入して、直接C57BL/6マウスもしくはBALB/cマウスの腹腔に投与するとすみやかに、MHCクラスIおよびMHCクラスIとIIを共に発現するCD11b陽性細胞に取り込まれる。CD11b陽性細胞は抗原提示細胞として働くことが知られているので、OVAを封入したオリゴマンノース(M3)被覆リポソームがCD11b陽性細胞にとり込まれた後に、MHCクラスIとMHCクラスII分子の何れにも提示できることを明らかにする目的で、以下に示す実験を行なった。
(1)実験群
A群は、PBSに溶解したOVA50μgが封入されたM3被覆したリポソームを、PBSで合計200μlとしてマウスの腹腔内へ投与した。
B群は、PBSに5mg/mlの濃度で溶解されたOVA溶液10μlをPBSで合計200μlとしてマウスの腹腔内へ投与した。A群と同じ50μgのOVAを投与したことになる。
C群は、PBSのみ封入されたM3被覆リポソーム38μlを、PBSで合計200μlとしてマウスの腹腔内に投与した。
D群は、PBS200μlをマウスの腹腔へ投与した。
(2)腹腔から回収したCD11b陽性細胞の前処置
マウスは、生後8週齢のC57BL/6もしくはBALB/cマウスを用いた。腹部を70%エタノールに浸した脱脂綿で消毒した後、各々の群にそれぞれツベルクリン用シリンジを用いて投与した。投与後1時間経過した後、ネンブタール麻酔薬の投与で安楽死させ、すみやかにマウス腹腔内へ5mlのハンクス液を注入して腹腔を洗浄し、腹腔から回収することで腹腔内の遊離細胞を回収した。各群3匹からハンクス液で回収した腹腔内の細胞は、群ごとに一本にまとめてから1,000rpmで5分間遠心した。沈澱した細胞は、10%のウシ胎児血清を含むRPMI液(RPMI-A液)10mlに懸濁したのち、再度1,000rpmで5分間遠心した。同じ操作を2度繰り返し、1μMの2-メルカプトエタノールと10%のウシ胎児血清を含むRPMI液(RPMI-B液)で懸濁して96穴プレートに100μlづつ分注した。CO2インキュベーターで37℃、5%CO2で2時間培養し、CD11b陽性細胞が接着させたのち非付着細胞を洗い流したあと、100μlのRPMI-B液で24時間の培養を行なった。
(3)MHCクラスI分子およびクラスII分子に提示された抗原の検出
B6マウスのMHCクラスIもしくはクラスII分子に提示されたOVAペプチドの有無は、それぞれB6系統マウスであるOT-1マウス(MHCクラスI分子であるH-2Kbに提示されるOVA257ー264を認識)とOT-2マウス(MHCクラスII分子であるH-2Ab/OVA323-339)を用いて行なった。これらのマウスから脾臓をとり出してきて、ハンクス5ml液に浸しながらスライドガラス2枚で、すりつぶした。そして15mlの遠心管に移して5分間静置することで脾臓組織を構築する繊維性組織を沈澱させて除去したのち、マウスリンパ球比重分離液M-SMF(日本抗体研究所)をもちいて遠心することでリンパ球を得た。また、クラスII分子に提示される効率は、BALB/c系統のマウスであるDO11.10マウス(H-2Ad/OVA323-339に提示されたOVAペプチドを認識する)も用いた実験も行なっている。1x107個のリンパ球をRPMI-B液1mlで混濁し、準備したCD11b陽性細胞(2-d)を含むウェルに100μlづつ混合して培養した。48時間後に培養上清を回収して、その中に含まれているIFN−γ値を定量した。
結果を図1及び図2に示す。図1及び図2の結果から、マンノース被覆リポソームに卵白アルブミン(OVA)を封入して投与すると、抗原はMHCクラスI分子およびクラスII分子の両方に提示され、IFN−γが効率的に誘導されることが実証された。
実施例3:マウスリンホーマEL4に対するCTLの誘導
EL4細胞を同系マウスであるC57BL/6マウスの皮下に投与し、EL4の細胞隗を得た。この細胞塊をPBS中でホモジナイズし、100,000gの上清をEL4抗原として使用した。
EL4抗原をオリゴマンノース被覆リポソームに封入し、タンパク質量として1マイクログラムをC57BL/6マウスの皮下に投与し免疫した(1週間ごとに3回)。
初回免疫から3週後にマウスから脾臓を摘出し、ハンクス5ml液に浸しながらスライドガラス2枚で、すりつぶした。そして15mlの遠心管に移して5分間静置することで脾臓組織を構築する繊維性組織を沈澱させて除去し、マウスリンパ球比重分離液M-SMF(日本抗体研究所)を用いて遠心することでリンパ球を分離し、エフェクター細胞として使用した。その後、エフェクター細胞を可溶化した蛋白質抗原により(100mg EL4 / 107 cells)、3日間stimulationを行った。ターゲット細胞(EL4 cell:104cells/well)に対してエフェクター細胞を以下の比で混合した(E/T Ratio= 50:1, 25:1, 12.5:1, 6.25:1, 3.125:1,1:1)。8時間培養した後、CytoTox96アッセイキット(Promega)によりCitotoxicityを測定した。
測定結果を図3に示す。図3の結果から分かるように、EL4抗原をオリゴマンノース被覆リポソームに封入して投与すると、CTLが効率的に誘導できた。
実施例4:
腹腔内にOVA封入OML(オリゴマンノース被覆リポソームOML/OVA)、OVA封入未被覆リポソーム(BL/OVA)またはOVAのみをOVAで5μg投与し、1時間後に腹腔内細胞を回収し、培養シャーレに写して1時間培養した。浮遊細胞を取り除いた後、付着細胞に新鮮なRPMI1640培地を加え、24時間後に培地を回収し培地中のサイトカインをELISA法で測定した。結果を図4に示す。OML/0VAのみからIL12の産生が認められた。
実施例5:
実施例4と同様にOML/OVAまたはLPS(10ナノグラム)を腹腔内に投与して、1時間後に腹腔内細胞を回収し、マクロファージからのサイトカインの産生を測定した。結果を図5に示す。LPS刺激ではIL1、TNFが優位に産生されたが、OML刺激ではIL12が優位に産生された。
実施例6:
OVA257-264 on H-2Kb (MHC class I)を認識するTCRをトランスジェニックしたマウスOT-1およびOVA323-339 on H-2Ab (MHC class II)を認識するTCRをトランスジェニックしたマウスOT-2からそれぞれCD8陽性T細胞およびCD4陽性T細胞を調整し、レスポンダー細胞とした。一方、OVAを封入したOMLをC57/BL6マウスの腹腔に投与し、腹腔内細胞を1時間後に回収、培養し付着細胞をマクロファージとして使用した。前記T細胞とマクロファージを混合培養し、24時間後に培養液を回収し培地のサイトカインを測定した。結果を図6に示す。
実施例7:
OVAを単独で投与した場合とOVAをOMLに封入して投与した場合の抗原提示の効率を比較した。方法は実施例6と同様である。結果を図7に示す。OMLに封入されたOVA2μgを投与した場合のサイトカインの産生量はOVA単独1000μgと同程度であるのでMHCクラスIIへの提示はおよそ500倍よいと考えられる。同様にMHCクラスIへの提示は50倍よいと考えられた。すなわち、OMLに抗原を封入することにより非常に効率よく抗原を提示することができる。
実施例8:
OVA/OMLをOVAで1μg相当C57CL/6マウスに免疫(1週間間隔で2回皮下投与)した。腸管免疫の活性化のための免疫スケジュールを図8に示す。最終免疫から1週間後に脾臓細胞を取り出し、抗原で刺激後培地中のサイトカインを測定した(図9)。同時に細胞障害能をEG7細胞(EL4細胞にOVA遺伝子を導入し自身のMHCクラスI上にOVAペプチドを抗原提示している細胞)をターゲット細胞として測定した(図9)。顕著なTh1サイトカインの産生がOVA封入OMLで免疫したマウスで観察され、顕著な細胞障害能も観察された。一方親株であるEL4をターゲットとした場合はいずれも細胞障害能は観察されない。従って抗原特異的なCTLが誘導されたといえる。
実施例9:
実施例8に記載の通り免疫したマウスに対して最終免疫から1週間後に1×106のEG-7を背中に移植し、3週間後の腫瘍体積を測定した。結果を図10に示す。OVA/OMLで免疫したマウスでは腫瘍の生着が完全に阻害されていた。
実施例10:
1×106のEG-7を背中に移植し、9日目(およその腫瘍体積が100mm3)にOML/OVAをOVAで1μg接種した。その後腫瘍体積を測定した。結果を図11に示す。OML/OVA投与群ではほとんどのマウスで腫瘍の退縮が観察され少なくとも3例では完全に退縮していた。また、腫瘍接種マウスの生存率を図12に示す。OVA/OML投与群では顕著に生存率がのびていた。
実施例11:
OML/OVAを5μgOVAで1週間間隔で3回マウスの鼻腔内に投与し、最終投与から1週間後に鼻腔関連リンパ組織(NALT)および脾臓を採取し、抗原刺激後のサイトカインの産生を測定した。結果を図13に示す。OML/OVA投与群では顕著なTh1サイトカインの産生がNALTで認められた。
本発明により、癌抗原などの抗原ペプチドを抗原提示細胞のMHCクラスI分子およびクラスII分子に効率的に提示させることができるリポソーム組成物を提供することが可能になった。本発明によれば、患者から細胞を取り出して戻すという操作を必要としない簡便な免疫法を構築することができる。本発明のリポソーム組成物は、特に、癌抗原となるタンパク質を封入して患者に直接投与することができ、ワクチン療法として有用である。
図1は、MHCクラスI制限OVAペプチド特異的TCRトランスジェニックマウス由来の脾臓細胞のIFN−γの産生量を示す。 図2は、OVAを取り込んだ腹腔内マクロファージに対するMHCクラスII制限OVAペプチド特異的TCRトランスジェニックマウス(DO11.10)由来の脾臓細胞の応答を示す。 図3は、Man3−リポソームの免疫による細胞障害性T細胞の誘導を示す。 図4は、腹腔内にオリゴマンノース被覆リポソーム(OML/OVA)などを投与した後の腹腔内細胞のサイトカイン産生量を示す。 図5は、腹腔内にOML/OVAまたはLPSを投与した後の腹腔内細胞のサイトカイン産生量を示す。 図6は、OVA257-264(MHC class I)を認識するTCRトランスジェニックマウスOT-1およびOVA323-339 (MHC class II)を認識するTCRトランスジェニックマウスOT-2からそれぞれCD8陽性T細胞およびCD4陽性T細胞とマクロファージを混合培養した場合のサイトカイン産生量を示す。 図7は、OVAを単独で投与した場合とOVAをOMLに封入して投与した場合の抗原提示の効率を比較した結果を示す。 図8は、腸管免疫の活性化のための免疫スケジュールを示す。 図9は、腸管免疫の活性化免疫の最終免疫から1週間後に脾臓細胞を取り出し、抗原で刺激後の培地中のサイトカイン量を測定した結果、並びに細胞障害能をEG7細胞をターゲット細胞として測定した結果を示す。 図10は、腸管免疫したマウスに対して最終免疫から1週間後にEG-7を背中に移植し、3週間後の腫瘍体積を測定した結果を示す。 図11は、EG-7を背中に移植した9日目にOML/OVAを接種した後の腫瘍体積を測定した結果を示す。 図12は、腫瘍接種マウスの生存率を示す。 図13は、OML/OVAをマウスの鼻腔内に投与し、最終投与から1週間後に鼻腔関連リンパ組織(NALT)および脾臓を採取し、抗原刺激後のサイトカインの産生を測定した結果を示す。

Claims (6)

  1. オリゴ糖被覆リポソームと抗原物質とを含む、抗原ペプチドを抗原提示細胞のMHCクラスI分子およびクラスII分子に提示するためのリポソーム組成物。
  2. オリゴ糖がオリゴマンノースである、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  3. オリゴ糖がマンノペンタオース又はマンノトリオースである、請求項1又は2に記載のリポソーム組成物。
  4. 抗原物質が癌抗原である、請求項1から3の何れかに記載のリポソーム組成物。
  5. 腹腔内、皮下または鼻腔内粘膜に投与され、マクロファージなどの抗原提示細胞によって取り込まれ、抗原ペプチドがMHCクラスI分子およびクラスII分子に提示される、請求項1から4の何れかに記載のリポソーム組成物。
  6. 細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するために使用される、請求項1から5の何れかに記載のリポソーム組成物。
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