JP3973567B2 - 薄膜の形成方法及び薄膜の形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜の形成方法及び薄膜の形成装置に係り、特に原料となるガスを交互に供給することにより成膜を行なう薄膜の形成方法及び薄膜の形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体集積回路の微細化,高集積化に伴い,基板(例えば半導体基板)上に形成する絶縁膜および金属配線膜等に対しては,薄膜化、不純物が存在しない高品質な成膜、ウェハ全体に対し巨視的に均一な成膜、ナノメートルレベルの微視的に平滑な成膜等が望まれている。しかしながら、従来の化学的気相成長法(CVD法)では,上記した要求の内、一部の要望を満たし切れない状況にある。
【0003】
一方、これらの要望を満たす成膜方法として成膜時に複数種の原料ガスを1種類ずつ交互に供給することで、原料ガスの反応表面への吸着を経由して原子層・分子層レベルで成膜を行ない、これらの工程を繰り返して所定の厚さの薄膜を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
具体的には,第1の原料ガスを基板上に供給し、その吸着層を基板上に形成する。その後に、第2の原料ガスを基板上に供給し反応させる。この方法によれば、第1の原料ガスが基板に吸着した後第2の原料ガスと反応するため、成膜温度の低温化を図ることができる。また、ホールに成膜するにあたっては、従来のCVD法で問題となっていたような、原料ガスがホール上部で反応消費されることによる被覆性の低下を避けることもできる。
【0005】
また、吸着層の厚さは、一般に原子・分子の単層或いは多くても2〜3層であるが、その温度と圧力で決定され、吸着層を作るのに必要以上の原料ガスが供給されると排出されるという自己整合性を持っているので、極薄膜の厚さを制御するのに良い。また、1回の成膜が、原子層・分子層レベルで行われるため反応が完全に進行し易く、膜中に不純物が残留しにくくなり好適である。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−89873号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記した手法を用いて基板上に窒化チタン(TiN)を成膜する場合を想定する。TiN膜を成膜する場合、原料ガスとして四塩化チタン(TiCl4)を用い、反応ガスとしてはアンモニア(NH3)を用いる。そして、このTiCl4とNH3を、例えば基板温度100〜250℃,反応時の処理容器内の全圧を15〜200Paで処理することにより基板上にTiN膜を形成することができる。
【0008】
しかしながらTiCl4は熱的に安定した物質であるため、基板表面に吸着しにくい。このように、熱に対して非常に安定していて分解しにくい原料ガスを用いる場合、基板表面への吸着量が低下し、よって成膜速度が低下してしまうという問題点があった。
【0009】
また、基板の全面に均一にTiCl4が吸着されない場合が発生し、これに起因して成膜される薄膜の品質が低下してしまうという問題点があった。更に、安定状態(励起していない状態)のNH3を処理容器内に供給するだけでは、十分な反応速度を得ることができず、これによっても成膜速度が低下してしまう。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高品質の薄膜を迅速に形成しうる薄膜の形成方法及び薄膜の形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項1記載の発明は、原料ガスとNH3とを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成方法において、前記原料ガスと前記NH 3 とを処理容器内に交互に供給し、前記NH 3 の処理容器内への供給に合わせて前記NH 3 に光を照射し該NH3を励起することを特徴とするものである。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の薄膜の形成方法において、前記NH3に照射する光の波長が170nm以上230nm以下の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の薄膜の形成方法において、前記原料ガスがTiCl 4 であることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の発明は、原料ガスとNH 3 とを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、前記原料ガスと前記NH 3 とを処理容器内に交互に供給するガス供給手段と、前記NH 3 の処理容器内への供給に合わせて前記NH 3 に光を照射し該NH 3 を励起する光照射手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の薄膜の形成装置において、前記光照射手段は、170nm以上230nm以下の波長の光をNH 3 に照射する構成であることを特徴とするものである。
また、請求項6記載の発明は、TiCl 4 と反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成方法において、前記TiCl 4 と前記反応ガスを処理容器に交互に供給し、前記TiCl 4 の処理容器内への供給に合わせて前記TiCl 4 に光を照射し該TiCl 4 を励起することを特徴とするものである。
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の薄膜の形成方法において、前記TiCl 4 に照射する光の波長が、260nm以上270nm以下、440nm以上450nm以下、及び480nm以上500nm以下の範囲から選択される少なくとも一つの範囲を含むことを特徴とするものである。
また、請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の薄膜の形成方法において、前記反応ガスがNH 3 であることを特徴とするものである。
また、請求項9記載の発明は、TiCl 4 と反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、前記TiCl 4 と前記反応ガスを処理容器に交互に供給するガス供給手段と、前記TiCl 4 の処理容器内への供給に合わせて前記TiCl 4 に光を照射し該TiCl 4 を励起する光照射手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の薄膜の形成装置において、前記光照射手段は、260nm以上270nm以下、440nm以上450nm以下、及び480nm以上500nm以下の範囲から選択される少なくとも一つの範囲の波長の光をTiCl 4 に照射する構成であることを特徴とするものである。
また、請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の薄膜の形成装置において、前記TiCl 4 を前記処理容器に供給するガス供給通路に前記光照射手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12記載の発明は、原料ガスと反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、前記原料ガスと前記反応ガスを処理容器に交互に供給するガス供給手段と、前記原料ガスを前記処理容器に供給する原料ガス供給配管に配設されており、開弁又は閉弁することにより前記原料ガスの前記処理容器への供給又は供給停止を行う原料ガス用バルブと、前記原料ガス用バルブの開弁に合わせて前記原料ガスに光を照射し該原料ガスを励起する光照射手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13記載の発明は、原料ガスと反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、前記原料ガスと前記反応ガスを処理容器に交互に供給するガス供給手段と、前記反応ガスを前記処理容器に供給する反応ガス供給配管に配設されており、開弁又は閉弁することにより前記反応ガスの前記処理容器への供給又は供給停止を行う反応ガス用バルブと、前記反応ガス用バルブの開弁に合わせて前記反応ガスに光を照射し該反応ガスを励起する光照射手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項14記載の発明は、原料ガスとNH 3 とを処理容器内に交互に供給することにより、前記原料ガスと前記NH 3 とを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成方法であって、前記NH 3 を処理容器内へ供給するとき、光を照射することにより前記NH 3 を励起させ、前記NH 3 の前記処理容器内への供給停止後に前記光の照射を停止し、
該照射の停止後に、前記処理容器内から残存している未反応の前記NH 3 を及びNH 2 を排出することを特徴とするものである。
また、請求項15記載の発明は、請求項14記載の薄膜の形成方法において、前記基板に対し予め原料ガスを吸着された後に前記NH 3 を処理容器内へ供給することを特徴とするものである。
また、請求項16記載の発明は、原料ガスとNH 3 とを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、原料ガスとNH 3 とを処理容器内に交互に供給するガス供給手段と、前記NH 3 を処理容器内へ供給するとき、光を照射することにより前記NH 3 を励起すると共に、前記NH 3 の前記処理容器内への供給停止後に光の照射を停止させる光照射手段と、前記処理容器内に残存している未反応の前記NH 3 を及びNH 2 を排出する排出手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項17記載の発明は、TiCl 4 と反応ガスとを処理容器内に交互に供給することにより、前記TiCl 4 と前記反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成方法であって、前記TiCl 4 を処理容器内へ供給するとき、光を照射することにより前記TiCl 4 を励起させ、前記TiCl 4 の前記処理容器内への供給停止後に前記光の照射を停止し該照射の停止後に、前記処理容器内に残存している未吸着の前記TiCl 4 、TiCl 3 、TiCl 2 を排出することを特徴とするものである。
また、請求項18記載の発明は、TiCl 4 と反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、前記TiCl 4 と前記反応ガスを前記処理容器に交互に供給するガス供給手段と、前記TiCl 4 を処理容器内へ供給するとき、光を照射することにより前記TiCl 4 を励起すると共に、前記TiCl 4 の前記処理容器内への供給停止後に光の照射を停止させる光照射手段と、前記処理容器内に残存している未吸着の前記TiCl 4 、TiCl 3 、TiCl 2 を排出する排出手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明の第1実施例である薄膜形成装置を示している。本実施例では、薄膜形成装置としてCVD装置を例に挙げている。
【0025】
また、本実施例では窒化チタン(TiN)を化学気相成長法によりウェハW上に成膜する処理を例に挙げて説明するものとする。具体的には、本実施例では原料ガスとして四塩化チタン(TiCl4)ガスを用い、反応ガスとしてアンモニア(NH3)ガスを用い、このTiCl4ガスとNH3ガスを反応させることによりTiN膜を成膜する。尚、本実施例では、TiCl4ガス及びNH3ガスを処理容器30に搬送するキャリアガスとして窒素(N2)ガスを用いている。
【0026】
同図に示す薄膜形成装置は、大略するとガス供給源10A〜10C、光照射装置20A、処理容器30、サセプタ33、及び制御装置60等により構成されている。
【0027】
ガス供給源10A〜10Cは、ガス供給通路11〜14を介して処理容器30内に後述する原料ガス等を供給する。即ち、ガス供給源10A〜10Cは、処理容器30内でウェハWに所定の成膜処理を施すためのガスをそれぞれ供給する。
【0028】
ガス供給源10Aは、ガス供給通路11を介して原料ガスとなるTiCl4ガスを処理容器30に向け供給する。ガス供給通路11にはバルブV1が設けられており、TiCl4ガスの流量はバルブV1の開閉により制御される。尚、このバルブV1の駆動は、後述する制御装置60により制御される。
【0029】
ガス供給源10Bは、ガス供給通路12を介して反応ガスとなるNH3ガスを処理容器30に向け供給する。ガス供給通路11にはバルブV2が設けられており、NH3ガスの流量はバルブV2の開閉により制御される。尚、このバルブV2の駆動も、後述する制御装置60により制御される。
【0030】
更に、ガス供給源10Cは、ガス供給通路13,14を介してキャリアガスであるN2ガスを処理容器30に向け供給する。ガス供給通路13はガス供給源10Aに接続されたガス供給通路11に連通しており、またガス供給通路13にはバルブV3が設けられている。
【0031】
一方、ガス供給通路14はガス供給源10Bに接続されたガス供給通路12に連通しており、またガス供給通路14にはバルブV4が設けられている。N2ガスの流量は、各バルブV3,V4の開閉により制御される。このバルブV3,V4の駆動も、後述する制御装置60により制御される。尚、図示しないが、ガス供給通路11,12には、上記した各種のガスの流量制御を行なうマスフローコントローラー等が設けられている。
【0032】
処理容器30は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス等の金属よりなり、Alを用いる場合は容器内部にアルマイト処理等の表面処理が施されている。この処理容器30は、被処理基板であるウェハWを保持する、例えばAlNやAl2O3のセラミック材料からなり、内部にヒータ33Aを埋設するサセプタ33を有する。サセプタ33は、サセプタ支持部31,32により処理容器30の底部に固定される。
【0033】
処理容器30の底部には、排気ライン35に接続する排気口34が設けられている。また、排気ライン35には、排気手段であるターボ分子ポンプ37が接続されており、処理容器30内を真空排気することが可能な構成となっている。更に、排気ライン35には、コンタクタンスを変化させて処理容器30内の圧力を調整することが可能であるAPC36が設置されている。
【0034】
一方、処理容器30の側部には、処理容器内の圧力を測定する圧力計38が取り付けられている。この圧力計38が測定する圧力値は、制御装置60に送られる構成となっている。このように、圧力計38が測定する圧力値が制御装置60にフィードバックされることにより、制御装置60にはAPC36のコンダクタンスを調整して処理容器30内の圧力を所望の値に制御しうる構成となっている。
【0035】
また、処理容器30の上部には、拡散室40Aを有するシャワーヘッド40が設置されている。このシャワーヘッド40には、ガスライン11,12が接続されている。
【0036】
光照射装置20Aは、処理容器30のウェハWと対向する位置に配置されている。この光照射装置20Aは、複数の光源25Aを有している。この光源25Aは、処理容器30に供給されるガスに対し光を照射する構成とされている。
【0037】
本実施例では、光源25Aは170nm以上230nm以下の波長の光を照射し得る構成とされている。この波長範囲の光は、例えばキセノン(Xe)ランプ、キセノン(Xe)エキシマランプ、或いはアルゴン(Ar)−フッ素(F)エキシマランプを用いることにより生成することができる。
【0038】
本実施例で用いている光の波長範囲(170nm以上230nm以下)は、反応ガスであるNH3が前期解離を起こす波長範囲である。この前期解離とは、分子が光により励起した際、当該分子が光を放射する以前に分解する現象をいう。よって本実施例では、光源25Aから上記の波長範囲(170nm以上230nm以下)の光が、処理容器30に供給されたNH3ガスに照射されることにより、NH3ガスは前期解離されてNH2が発生する(NH3→NH2+H)。
【0039】
尚、NH3が上記の波長範囲(170nm以上230nm以下)の光を照射されることにより前期解離を起こす現象の詳細については、下記の3件の文献を参照されたい。
・A.E. Douglas, Discussion Faraday Soc. 35(1963) 158
・G.Di Stenfano et.Al The Journal of Chemical Physics, Vol67, No.8 (1977)3832
・V.M. DONNELLY st.al. Chemical Physics 43 (1979) 271
一方、制御装置60はコンピュータにより構成されており、前記した光照射装置20A及びバルブV1〜V4等が接続されている。この制御装置60は、後述する成膜処理プログラムに従い接続された各機器の駆動制御を行ない、これにより良質なTiN膜を生成する。
【0040】
尚、制御装置60は、上記した機器の他にも薄膜形成装置を構成する各種装置の制御を実施する。しかしながら以下の説明においては、本発明の要部となる光照射装置20A及びバルブV1〜V4の制御処理を主に説明するものとする。
【0041】
続いて、図1に示される薄膜形成装置を用いて実施されるTiN膜の成膜方法について説明する。図2は本発明の第1実施例であるTiN膜を形成する薄膜形成方法を示すフローチャートであり、図3は各バルブV1〜V4及び光源25Aの駆動タイミングを示すタイミングチャートである。
【0042】
TiN膜を形成するには、先ずステップ100(図では、ステップをSと略称している)において、ウェハWをサセプタ33に載置する。サセプタ33は、前記したステージヒーター35により加熱されている。このため、サセプタ33に載置されたウェハWは加熱が行なわれる。本実施例では、ウェハWは100〜250℃まで昇温される(ステップ102)。
【0043】
続いて、制御装置60はバルブV3,V4を開弁する。これにより、ガス供給源10Cからは、キャリアガスであるN2ガスが処理容器30に向け供給される。また、制御装置60はAPC36を制御することにより、処理容器30内の圧力は例えば全圧力で200Paとされる(ステップ104)。
【0044】
上記したサセプタ33の温度及び処理容器30内の圧力は、図示しないセンサにより検出され、制御装置60に送信される構成とされている。そして、ウェハWの温度及び処理容器30内圧力が所定値に達したと判断すると、ステップ106において、制御装置60はバルブV1を開弁する。これにより、TiCl4ガスは、キャリアガスであるN2ガスと共にガス供給源10Aからガス供給通路11を介して処理容器30に供給される。
【0045】
この処理容器30へのTiCl4ガスの供給は、所定時間(図3に矢印T1で示す時間。例えば、10秒)実施される。そして時間T1が経過すると、制御装置60はバルブV1を閉弁する(ステップ108)。これにより、処理容器30に対するガス供給源10AからのTiCl4ガスの供給は停止される。この時間T1において、TiCl4はウェハWの表面に吸着する。
【0046】
尚、前記したようにTiCl4ガスは熱的に安定した物質であるため、熱的処理のみでは分解しにくい特性を有している。このため、単に安定状態にあるTiCl4ガスを処理容器30に供給してもウェハWへの吸着量は少なく、よってTiN膜の成膜速度が遅くなってしまうことも前述した通りである。
【0047】
ステップ106及びステップ108の処理によりウェハW上にTiCl4が吸着されると、続いて制御装置60はAPC36を制御することにより、TMP37による真空吸引力を増大させる。これにより、処理容器30内に残存している未吸着のTiCl4ガスは処理容器30から排出される(ステップ110)。この排気処理は、例えば2秒間(図3に矢印で示す時間Tp1)実施される。この所定時間が経過すると、制御装置60は再びAPC36を元の状態に戻す。
【0048】
ステップ110の排気処理が終了すると、続いて制御装置60は光照射装置20Aの光源25Aを点灯させる。これにより、NH3ガスを前期解離しうる波長範囲(170nm以上230nm以下)の光が、光源25Aから処理容器30に向け照射される。
【0049】
次に、制御装置60はバルブV2を開弁する。これにより、反応ガスであるNH3ガスはガス供給源10Bからガス供給通路12を介して処理容器30に供給される(ステップ114)。
【0050】
この際、ステップ106,108の処理により、ウェハW上にはTiCl4が吸着している。また、ステップ110の処理により、処理容器30内には余剰なTiCl4は存在していない。更に、ステップ112の処理により、光源25から処理容器30内にはNH3ガスを前期解離しうる波長範囲(170nm以上230nm以下)の光が照射されている。
【0051】
このため、処理容器30に供給されたNH3ガスは、光源25から上記所定波長の光が照射されることにより励起して前期解離が発生する。これにより、処理容器30内にはNH2が発生する。このNH2は活性の高い、換言すれば反応性の高い分子である。このため、ウェハWに吸着されたTiCl4は、NH2と速やかに反応(窒化)してTiNが成膜される。
【0052】
このように、温度安定性が高いTiCl4であっても、これと反応するのはNH3が前期解離することにより生成された活性の高いNH2であるため反応速度は速い。このため、TiN膜の成膜処理は、高いスループットで実施される。また、単に所定波長の光を反応ガスに照射するだけでスループットの向上を図れるため、装置構成の簡単化を図ることができる。
【0053】
ところで、NH3からのNH2の生成は、プラズマ処理を行なうことにより可能であるが、プラズマ処理では設備コストが上昇してしまうと共に、原料ガスの電子温度の増加とNH2の生成にムラが発生する可能性があり望ましくない。よって、プラズマ処理に比べ、本実施例のように所定波長の光を照射することによりNH2の生成する方法の方が、コスト面及び成膜される膜の品質からも効果が大である。
【0054】
上記の処理容器30へのNH3ガスの供給及び光照射装置20Aによる所定波長光の照射は、所定時間(図3に矢印T2で示す時間。例えば、10秒)実施される。そして、この所定時間が経過すると、制御装置60はバルブV2を閉弁する(ステップ116)。これにより、ガス供給源10Bから処理容器30へのNH3ガス(反応ガス)の供給は停止される。
【0055】
また、バルブV2の閉弁と同時に、制御装置60は光照射装置20Aの光源25Aを消灯する。このように本実施例では、光源25の点灯時間はバルブV2が開弁している時間(即ち、反応ガスが処理容器30に供給されている時間)と等しくなるよう構成されている。これにより、光源25から照射される所定波長の光は、処理容器30に供給されるNH3ガスのみに照射されることとなる(図3(B),(C)参照)。これにより、NH3の前期解離処理を円滑かつ確実に行なうことができる。
【0056】
この所定時間T2内において、前記したようにウェハWの表面に吸着しているTiCl4は、前記のように生成されたNH2と反応し、これによりTiN膜が生成される。この際に成膜されるTiN膜は、ウェハW上に単層或いは複数層吸着したTiCl4が窒化されることにより生成される膜であるため、原子・分子レベルの薄膜となる。
【0057】
続いて、制御装置60はAPC36を制御することにより、TMP37による真空吸引力を再び増大させる。これにより、処理容器30内に残存している未反応のNH3ガス及びNH2は、処理容器30から排出される(ステップ120)。この排気処理は、例えば2秒間(図3に矢印で示す時間Tp2)実施される。この所定時間が経過すると、制御装置60は再びAPC36を元の状態に戻す。
【0058】
続いて、制御装置60はステップ122により再び処理をステップ106に戻し、以後ステップ106〜ステップ120の処理を所定回数(例えば、200回)、繰り返し実施する。2回目以降のステップ106,108の処理では、下層となるTiN膜上にTiCl4が吸着される。尚、前記したウェハWにTiCl4が吸着される1回目の吸着は化学吸着となるが、2回目以降のTiN膜上へのTiCl4の吸着は物理吸着となる。
【0059】
また、2回目以降のステップ112〜120の処理においても、反応ガスとなるNH3は光源25により光照射されて前期解離するため、2回目以降の吸着時においても、TiCl4は反応速度の速いNH2により反応(窒化)処理がされるため、高いスループットでTiN膜を成膜することができる。
【0060】
上記のステップ106〜ステップ120の処理が所定回数繰り返し実施され、所望の膜厚のTiN膜が形成されると、処理はステップ124に進む。制御装置60は、このステップ124においてバルブV3,V4を閉弁し、ガス供給源10Cから処理容器30へのN2ガス(キャリアガス)の供給を停止する。
【0061】
その後、処理容器30内を大気圧とした上で、TiN膜が形成されウェハWを取り出す。以上説明した一連の処理を実施することにより、良好なTiN膜を迅速に形成することができる。
【0062】
ところで上記した実施例では、本願発明を原料ガスとしてTiCl4ガスを用い、これに光照射により反応ガスであるNH3を前期解離した上でTiCl4と反応させTiN膜を形成する例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、種々の原料ガスについて適用できるものである。
例えば、原料ガスとしてTaF5を用いると共にこれにNH3を反応させてTaN膜を形成する場合、原料ガスとしてTaCl5を用いると共にこれにNH3を反応させてTaN膜を形成する場合、原料ガスとしてWF6を用いると共にこれにNH3を反応させてWN膜を形成する場合、及び原料ガスとしてSiH4を用いると共にこれにNH3を反応させてSiN膜を形成する場合等にも適用することができる。更に、上記した各原料ガスにSiH4等も含めた3(多)成分系の反応による、TiSiN,TaSiN,WSiN等の各薄膜の形成にも適用することができる。
【0063】
次に、図4を参照して、本発明の第2実施例である薄膜形成装置について説明する。本実施例に係る薄膜形成装置は、図1に示した薄膜形成装置に対して光照射装置20Bが異なるのみで他の構成は同一である。そこで、尚、図4において、図1に示した薄膜形成装置と同一構成については同一符号を付してその説明を省略するものとする。
【0064】
図1に示した薄膜形成装置では、光照射装置20Aを処理容器30に組み込んだ構成としたが、本変形例では光照射装置20Bをガス供給通路11に設けた構成としたことを特徴としている。即ち、本実施例では、原料ガスであるTiCl4に光を照射する構成とされている。
【0065】
光照射装置20Bは、大略すると光源25B,透明配管27、及びリフレクタ28等により構成されている。光源25Bは、260nm以上270nm以下、440nm以上450nm以下、或いは480nm以上500nm以下の波長の内、いずれかの波長の光を照射し得る構成とされている。
【0066】
尚、本実施例では、1個の光源25Bを設けているため、光源25Bは上記した3つの波長範囲から選択的に一の波長範囲を設定しているが、光源25Bを複数個設ける場合には、上記した各波長範囲を同時に設定する構成とすることも可能である。具体的には、260nm以上270nm以下の波長の光を照射する第1の光源と、440nm以上450nm以下の波長の光を照射する第2の光源と、480nm以上500nm以下の波長の光を照射する第3の光源を同時に光照射装置20B内に配置することも可能である。
【0067】
また、上記した各波長範囲の光は、例えばキセノン(Xe)ランプ、キセノン(Xe)エキシマランプ、或いはアルゴン(Ar)−フッ素(F)エキシマランプを用いることにより生成することができる。
【0068】
上記構成の光源25Bは、ガス供給通路11と対向するよう配置されている。また、ガス供給通路11の光源25Bと対向する所定範囲には、透明配管27が設けられている。よって、光源25Bから照射された上記の所定波長範囲の光は、透明配管27を透過して透明配管27内を流れるTiCl4に照射される。尚、リフレクタ28は光源25Bからの光を効率的に透明配管27に反射されるものである。
【0069】
本実施例で用いている光の波長範囲(260nm以上270nm以下、440nm以上450nm以下、或いは480nm以上500nm以下)は、原料ガスであるTiCl4が解離を起こす波長範囲である。よって、光源25Bから上記の波長範囲の光が、透明配管27を介してTiCl4ガスに照射されることにより、TiCl4ガスは解離されてTiCl3或いはTiCl2が発生する。
尚、TiCl4が上記の波長範囲(260nm以上270nm以下、440nm以上450nm以下、或いは480nm以上500nm以下)の光を照射されることにより解離を起こす現象の詳細については、P.Kubat J. Photochem.Photobiol. A: Chem., 63 (1992) 257を参照されたい。
【0070】
続いて、図4に示される薄膜形成装置を用いて実施されるTiN膜の成膜方法について説明する。図5は本発明の第2実施例であるTiN膜を形成する薄膜形成方法を示すフローチャートであり、図6は各バルブV1〜V4及び光源25Aの駆動タイミングを示すタイミングチャートである。
【0071】
TiN膜を形成するには、先ずステップ200においてウェハWをサセプタ33に載置し、ステップ202においてステージヒーター35によりウェハWの加熱が行なわれる。続いて、制御装置60はバルブV3,V4を開弁し、ガス供給源10CからキャリアガスであるN2ガスを処理容器30に向け供給する。この際、制御装置60はAPC36を制御しており、これにより処理容器30内の圧力は例えば全圧力で200Paとしている(ステップ204)。
【0072】
そして、ウェハWの温度及び処理容器30内圧力が所定値に達したと判断すると、制御装置60は光照射装置20Bの光源25Bを点灯させる(ステップ206)。これにより、TiCl4ガスを解離しうる波長範囲(260nm以上270nm以下、440nm以上450nm以下、或いは480nm以上500nm以下)の光が、光源25Bから透明配管27を介してガス供給通路11内に照射される。
【0073】
次に、制御装置60はバルブV1を開弁する。これにより、原料ガスであるTiCl4ガスはガス供給源10Aからガス供給通路11を介して処理容器30に供給される(ステップ208)。
【0074】
この際、前記したように本実施例では、光源25BからTiCl4を解離する波長範囲の光が、透明配管27を介してガス供給通路11を流れてくるTiCl4ガスに照射され、これによりTiCl4ガスは励起される。このように、TiCl4ガスが励起されると解離現象が発生し、TiCl4はTiCl3或いはTiCl2に解離する。このようにして発生したTiCl3及び/或いはTiCl2は、キャリアガスに搬送されて処理容器30に供給される。
【0075】
ところで、前記したようにTiCl4ガスは熱的に安定した物質であるため、熱的処理のみでは分解しにくい特性を有している。このため、単に安定状態にあるTiCl4ガスを処理容器30に供給してもウェハWへの吸着量は少なく、よってTiN膜の成膜速度が遅くなってしまうことも前述した通りである。
【0076】
しかしながら本実施例では、上記のようにTiCl4が励起し解離されることにより生成されたTiCl3及び/或いはTiCl2が処理容器30に供給される。このTiCl3,TiCl2は、活性の高い、換言すれば吸着力の強い分子である。このため、TiCl3,TiCl2はウェハWに速やかに吸着される。また、TiCl3,TiCl2は吸着力が強いため、短時間でウェハWの全面に均一に吸着される。
【0077】
この処理容器30へのTiCl4ガスの供給は、所定時間(図6に矢印T1で示す時間。例えば、10秒)実施される。そして時間T1が経過すると、制御装置60はバルブV1を閉弁する(ステップ210)。これにより、処理容器30に対するガス供給源10AからのTiCl4ガスの供給は停止される。この時間T1において、TiCl4はウェハWの表面に吸着する。
【0078】
また、TiCl4ガスの供給は停止されると、制御装置60は光源25を消灯する(ステップ212)。このように本実施例では、光源25の点灯時間は、バルブV1が開弁している時間(即ち、原料ガスが処理容器30に供給されている時間)と等しくなるよう構成されている(図6(B),(C)参照)。
【0079】
ステップ206及びステップ212の処理によりウェハW上にTiCl3及び/或いはTiCl2が吸着されると、続いて制御装置60はAPC36を制御することによりTMP37による真空吸引力を増大させる。これにより、処理容器30内に残存している未吸着のTiCl3,TiCl2,TiCl4は処理容器30から排出される(ステップ214)。この排気処理は、例えば2秒間(図6に矢印で示す時間Tp1)実施される。この所定時間が経過すると、制御装置60は再びAPC36を元の状態に戻す。
【0080】
ステップ214の排気処理が終了すると、制御装置60はバルブV2を開弁する。これにより、反応ガスであるNH3ガスはガス供給源10Bからガス供給通路12を介して処理容器30に供給される(ステップ216)。
【0081】
この際、ステップ206〜212の処理により、ウェハW上にはTiCl3及び/或いはTiCl2が均一に吸着している。また、ステップ214の処理により、処理容器30内には余剰なTiCl3,TiCl2,TiCl4は存在していない。このため、ウェハWに吸着されたTiCl3及び/或いはTiCl2は、NH2と速やかに反応(窒化)してTiNが成膜される。
【0082】
このように、温度安定性が高いTiCl4であっても、これに解離を行なわせる所定波長を有した光を照射することにより、ウェハWとの吸着速度を速めることができる。このため、TiN膜の成膜処理は、高いスループットで実施される。また、単に所定波長の光を原料ガスに照射するだけでスループットの向上を図れるため、本実施例においても装置構成の簡単化を図ることができる。
【0083】
上記の処理容器30へのNH3ガスの供給は、所定時間(図6に矢印T2で示す時間。例えば、10秒)実施される。そして、この所定時間が経過すると、制御装置60はバルブV2を閉弁する(ステップ218)。これにより、ガス供給源10Bから処理容器30へのNH3ガス(反応ガス)の供給は停止される。
【0084】
この所定時間T2内において、前記したようにウェハWの表面に吸着しているTiCl3及び/或いはTiCl2はNH3と反応し、これによりTiN膜が生成される。この際に成膜されるTiN膜は、ウェハW上に単層或いは複数層吸着したTiCl3及び/或いはTiCl2が窒化されることにより生成される膜であるため、原子・分子レベルの薄膜となる。
【0085】
続いて、制御装置60はAPC36を制御することにより、TMP37による真空吸引力を再び増大させる。これにより、処理容器30内に残存している未反応のNH3ガスは、処理容器30から排出される(ステップ220)。この排気処理は、例えば2秒間(図6に矢印で示す時間Tp2)実施される。この所定時間が経過すると、制御装置60は再びAPC36を元の状態に戻す。
【0086】
続いて、制御装置60はステップ222により再び処理をステップ206に戻し、以後ステップ206〜ステップ220の処理を所定回数(例えば、200回)、繰り返し実施する。この際、2回目以降のステップ206〜212の処理においても、原料ガスとなるTiCl4は光源25により光照射されて解離するため、2回目以降の吸着時においても、TiCl3及び/或いはTiCl2は強い吸着力により速やかにウェハWに吸着し、よって高いスループットでTiN膜を成膜することができる。
【0087】
上記のステップ206〜ステップ220の処理が所定回数繰り返し実施され、所望の膜厚のTiN膜が形成されると、処理はステップ224に進む。制御装置60は、このステップ224においてバルブV3,V4を閉弁し、ガス供給源10Cから処理容器30へのN2ガス(キャリアガス)の供給を停止する。
【0088】
その後、処理容器30内を大気圧とした上で、TiN膜が形成されウェハWを取り出す。以上説明した一連の処理を実施することにより、良好なTiN膜を迅速に形成することができる。
【0089】
ところで上記した実施例では、本願発明を原料ガスであるTiCl4ガスを光照射により解離し、これにより生成されたTiCl3及び/或いはTiCl2をウェハWに吸着させ、これに反応ガスであるNH3を反応させてTiN膜を形成する例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、種々の反応ガスについて適用できるものである。
例えば、TiCl4に反応ガスとしてSiH4を反応させてTi膜またはチタンシリサイド膜を形成する場合、TiCl4に反応ガスとしてH2Oを反応させてTiO2膜を形成する場合、TiCl4に反応ガスとしてO2を反応させてTiO2膜を形成する場合等にも適用することができる。
【0090】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、原料ガス或いは反応ガスに光を照射して励起を行なうため、基板への原料ガスの吸着速度及び原料ガスと反応ガスとの反応速度が速くなり、成膜のスループットを高めることができる。また、原料ガスを基板上に均一に吸着させることができるため、成膜される薄膜の品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である薄膜形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例である薄膜形成方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施例である薄膜形成方法を実施した場合のバルブ及び光源の駆動タイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2実施例である薄膜形成装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例である薄膜形成方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施例である薄膜形成方法を実施した場合のバルブ及び光源の駆動タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10A〜10C ガス供給源
11〜14 ガス供給通路
20A,20B 光照射装置
25A,25B 光源
27 透明配管
30 処理容器
33 サセプタ
60 制御装置
W ウェハ
V1〜V4 バルブ
Claims (18)
- 原料ガスとNH3とを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成方法において、
前記原料ガスと前記NH 3 とを処理容器内に交互に供給し、
前記NH 3 の処理容器内への供給に合わせて前記NH 3 に光を照射し該NH3を励起することを特徴とする薄膜の形成方法。 - 請求項1記載の薄膜の形成方法において、
前記NH3に照射する光の波長が170nm以上230nm以下の範囲であることを特徴とする薄膜の形成方法。 - 請求項1または2記載の薄膜の形成方法において、
前記原料ガスがTiCl 4 であることを特徴とする薄膜の形成方法。 - 原料ガスとNH 3 とを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、
前記原料ガスと前記NH 3 とを処理容器内に交互に供給するガス供給手段と、
前記NH 3 の処理容器内への供給に合わせて前記NH 3 に光を照射し該NH 3 を励起する光照射手段とを設けたことを特徴とする薄膜の形成装置。 - 請求項4記載の薄膜の形成装置において、
前記光照射手段は、170nm以上230nm以下の波長の光をNH 3 に照射する構成であることを特徴とする薄膜の形成装置。 - TiCl 4 と反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成方法において、
前記TiCl 4 と前記反応ガスを処理容器に交互に供給し、
前記TiCl 4 の処理容器内への供給に合わせて前記TiCl 4 に光を照射し該TiCl 4 を励起することを特徴とする薄膜の形成方法。 - 請求項6記載の薄膜の形成方法において、
前記TiCl 4 に照射する光の波長が、260nm以上270nm以下、440nm以上450nm以下、及び480nm以上500nm以下の範囲から選択される少なくとも一つの範囲を含むことを特徴とする薄膜の形成方法。 - 請求項6または7記載の薄膜の形成方法において、
前記反応ガスがNH 3 であることを特徴とする薄膜の形成方法。 - TiCl 4 と反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、
前記TiCl 4 と前記反応ガスを処理容器に交互に供給するガス供給手段と、
前記TiCl 4 の処理容器内への供給に合わせて前記TiCl 4 に光を照射し該TiCl 4 を励起する光照射手段とを設けたことを特徴とする薄膜の形成装置。 - 請求項9記載の薄膜の形成装置において、
前記光照射手段は、260nm以上270nm以下、440nm以上450nm以下、及び480nm以上500nm以下の範囲から選択される少なくとも一つの範囲の波長の光をTiCl 4 に照射する構成であることを特徴とする薄膜の形成装置。 - 請求項9又は10記載の薄膜の形成装置において、
前記TiCl 4 を前記処理容器に供給するガス供給通路に前記光照射手段を設けたことを特徴とする薄膜の形成装置。 - 原料ガスと反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、
前記原料ガスと前記反応ガスを処理容器に交互に供給するガス供給手段と、
前記原料ガスを前記処理容器に供給する原料ガス供給配管に配設されており、開弁又は閉弁することにより前記原料ガスの前記処理容器への供給又は供給停止を行う原料ガス用バルブと、
前記原料ガス用バルブの開弁に合わせて前記原料ガスに光を照射し該原料ガスを励起する光照射手段とを設けたことを特徴とする薄膜の形成装置。 - 原料ガスと反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、
前記原料ガスと前記反応ガスを処理容器に交互に供給するガス供給手段と、
前記反応ガスを前記処理容器に供給する反応ガス供給配管に配設されており、開弁又は閉弁することにより前記反応ガスの前記処理容器への供給又は供給停止を行う反応ガス用バルブと、
前記反応ガス用バルブの開弁に合わせて前記反応ガスに光を照射し該反応ガスを励起する光照射手段とを設けたことを特徴とする薄膜の形成装置。 - 原料ガスとNH 3 とを処理容器内に交互に供給することにより、前記原料ガスと前記NH 3 とを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成方法であって、
前記NH 3 を処理容器内へ供給するとき、光を照射することにより前記NH 3 を励起させ、
前記NH 3 の前記処理容器内への供給停止後に前記光の照射を停止し、
該照射の停止後に、前記処理容器内から残存している未反応の前記NH 3 を及びNH 2 を排出することを特徴とする薄膜の形成方法。 - 請求項14記載の薄膜の形成方法において、
前記基板に対し予め原料ガスを吸着された後に前記NH 3 を処理容器内へ供給することを特徴とする薄膜の形成方法。 - 原料ガスとNH 3 とを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、
原料ガスとNH 3 とを処理容器内に交互に供給するガス供給手段と、
前記NH 3 を処理容器内へ供給するとき、光を照射することにより前記NH 3 を励起すると共に、前記NH 3 の前記処理容器内への供給停止後に光の照射を停止させる光照射手段と、
前記処理容器内に残存している未反応の前記NH 3 を及びNH 2 を排出する排出手段とを設けたことを特徴とする薄膜の形成装置。 - TiCl 4 と反応ガスとを処理容器内に交互に供給することにより、前記TiCl 4 と前記反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成方法であって、
前記TiCl 4 を処理容器内へ供給するとき、光を照射することにより前記TiCl 4 を励起させ、
前記TiCl 4 の前記処理容器内への供給停止後に前記光の照射を停止し、
該照射の停止後に、前記処理容器内に残存している未吸着の前記TiCl 4 、TiCl 3 、TiCl 2 を排出することを特徴とする薄膜の形成方法。 - TiCl 4 と反応ガスとを反応させて薄膜を基板上に形成する薄膜の形成装置において、
前記TiCl 4 と前記反応ガスを前記処理容器に交互に供給するガス供給手段と、
前記TiCl 4 を処理容器内へ供給するとき、光を照射することにより前記TiCl 4 を励起すると共に、前記TiCl 4 の前記処理容器内への供給停止後に光の照射を停止させる光照射手段と、
前記処理容器内に残存している未吸着の前記TiCl 4 、TiCl 3 、TiCl 2 を排出する排出手段とを設けたことを特徴とする薄膜の形成装置。
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