JP3973484B2 - 糸切り装置付ミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糸切り装置付ミシンに係り、従動体移動手段を作動させて従動体を糸切りカムに係合させ、ベッドとオイルパンとを結合させたまま、糸切りカムの作動タイミングを容易に確認できる糸切り装置付ミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
糸切り装置付ミシンは、自動または手動により入力された糸切り開始信号に従い、電磁石等の従動体移動手段を作動させて下軸に固定された糸切りカムに従動体を係合させ、糸切りカムのカム溝に沿わせて従動体を移動させ、下軸を回転させることにより糸切り機構を作動させて糸切り動作を行っている。
糸切りカムのタイミング確認作業は、平ベッド本縫い糸切り装置付ミシン等のように潤滑油が貯溜されたオイルパンとミシンのベッドとが固定されていない形式のミシンにおいては、ミシン本体を略90°後方に倒して糸切り機構を露出させ、手動で従動体を糸切りカムに係合させて糸切りカムのタイミング確認を行っている。
【0003】
また、筒型本縫い糸切り装置付ミシン等のように、オイルパンとミシンのベッドとがボルト等で固定されているミシンの場合には、ボルトを外してベッドからオイルパンを分離させた後、ミシン本体を略90°後方に倒して糸切り機構を露出させ、平ベッド本縫い糸切り装置付ミシンと同様に、手動で従動体を糸切りカムに係合させ、糸切りカムのタイミング確認を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、糸切りカムのタイミング確認を行う際、オイルパンとベッドがボルト等で固定されている形式のミシンは、ボルトを外してベッドからオイルパンを分離させてタイミング確認が行われる。その後、再びボルトでオイルパンとベッドを締結させる作業が必要であり、タイミング確認作業が煩雑となり、また長時間を要する問題点があった。
【0005】
また、オイルパンとベッドを分離させて作業を行うので、オイルパン内部の潤滑油が漏れたり、周囲に付着して、ミシンや作業者を汚染する問題点があった。特に、製品となる布に僅かでも潤滑油が付着すると、しみとなって残り、製品の価値を大幅に低下させてしまうことがあり、根本的な解決策が熱望されていた。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、オイルパンとベッドを固定したまま、すなわち糸切り機構を露出させるための煩わしい作業を不要とし、糸切りカムのタイミング確認作業を極めて簡単、かつ短時間で行えるようにすることである。
また、ベッドからオイルパンを分離することに起因する、ミシンの周囲や製品を潤滑油で汚染する可能性を皆無とするようにした糸切り装置付ミシンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載したように、針と釜との協働により上糸と下糸とを交絡させて、針落ち点上を搬送される被縫製物に縫い目を形成するミシンの縫目形成手段と、前記ミシンの下軸に固定されると共に、カム溝が形成された糸切りカムと、前記糸切りカムのカム溝に係合可能な従動体と、前記カム溝に形成されると共に、前記糸切りカムが縫製時の逆方向に回転した場合に、前記従動体に当接して前記糸切りカムの回転を阻止する段部と、前記糸切りカムの回転に従った前記従動体の動作に伴い糸切りメスを作動させて糸切りを行う糸切り機構と、電気的に動作して前記従動体を前記糸切りカムに係合させる従動体移動手段と、からなる糸切り装置と、ミシン本体とはずみ車に個別に設けられ、ミシンが所定の位相になると一致するように設定されたタイミングマークと、前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置に対して動作指令信号を発生する制御手段と、前記制御手段に対して前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置への動作の指示を入力する操作手段と、を備え、前記操作手段による糸切りの指示に従って前記制御手段が、前記従動体移動手段により従動体を糸切りカムに係合させると共に下軸を回転させて前記糸切り機構による糸切りを実行する糸切り装置付ミシンにおいて、前記制御手段に前記従動体移動手段に従動体の糸切りカムへの係合を指示する入力手段を備え、
前記入力手段により前記従動体を前記糸切りカムに係合させた後、前記はずみ車を縫製時の逆方向に回転させ、前記従動体が前記段部に当接して前記糸切りカムの回転を阻止した際、前記タイミングマークが一致することにより糸切りカムのタイミング確認を行う構成としたことを特徴としている。
【0008】
ここで、従動体移動手段としては、例えば電磁ソレノイド等を例示できる。また、制御手段としては、例えば外部からの入力信号に応じて出力信号を発生するコンピュータ等を含む電子制御装置等を例示できる。入力手段としては、例えば手動スイッチ等を例示できる。
【0009】
このように構成された糸切り装置付ミシンにおいては、例えばベッドとオイルパン等を結合させたまま、手動スイッチを切り換えることによって、電子制御装置から電磁ソレノイドへ動作指令信号を発生させることができることになる。
【0010】
従って、この糸切り装置付ミシンにおいては、ボルト等を外して例えばベッドからオイルパン等を分離させることなく、外部から電磁ソレノイドを作動させて、従動体を糸切りカムに係合させることができることになる。手動でミシンの主軸等を回転させて糸切りカムのタイミングを確認でき、従来のような、例えばベッドからオイルパン等を分離させた後、ミシン本体等を後方に倒し、手動操作して従動体を糸切りカムに係合させるという煩雑な作業が不要となる。
【0011】
また、糸切りカムのタイミング確認後、再び例えばベッドとオイルパン等を結合させるという、作業が煩雑、かつ長時間を要するという問題を解消できることになる。
【0012】
また、このように構成された糸切り装置付ミシンにおいては、タイミング確認作業に際して、例えばベッドからオイルパン等を分離させることがないので、オイルパン等からの潤滑油等の漏れを皆無にできることになる。
従って、この糸切り装置付ミシンにおいては、糸切りカムのカムタイミングの確認作業に起因する潤滑油等によるミシン周辺や作業者等の汚染のおそれがなく、製品等に潤滑油等を付着させて、製品等の価値を大幅に低下させてしまうという問題を解消できることになる。
【0013】
また、本発明は、請求項2に記載したように、針と釜との協働により上糸と下糸とを交絡させて、針落ち点上を搬送される被縫製物に縫い目を形成するミシンの縫目形成手段と、前記ミシンの下軸に固定されると共に、カム溝が形成された糸切りカムと、前記糸切りカムのカム溝に係合可能な従動体と、前記カム溝に形成されると共に、前記糸切りカムが縫製時の逆方向に回転した場合に、前記従動体に当接して前記糸切りカムの回転を阻止する段部と、前記糸切りカムの回転に従った前記従動体の動作に伴い糸切りメスを作動させて糸切りを行う糸切り機構と、電気的に動作して前記従動体を前記糸切りカムに係合させる従動体移動手段と、からなる糸切り装置と、ミシン本体とはずみ車に個別に設けられ、ミシンが所定の位相になると一致するように設定されたタイミングマークと、前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置に対して動作指令信号を発生する制御手段と、該制御手段に対して前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置への動作の指示を入力する操作手段と、を備え、前記操作手段による糸切りの指示に従って前記制御手段、前記従動体移動手段により従動体を糸切りカムに係合させると共に下軸を回転させて前記糸切り機構による糸切りを実行する糸切り装置付ミシンにおいて、
前記操作手段の操作により前記制御手段が前記糸切り装置の前記従動体移動手段への動作指令信号を発生するように切り換える切換手段を備え、
前記切換手段により前記従動体を前記糸きりカムに係合させた後、前記はずみ車を縫製時の逆方向に回転させ、前記従動体が前記段部に当接して前記糸切りカムの回転を阻止した際、前記タイミングマークが一致することにより糸切りカムのタイミング確認を行う構成としたことを特徴としている。
【0014】
ここで、操作手段としては、例えばミシンテーブルに配設されたフットペダル等が例示できる。
また、切換手段としては、例えば手動切換スイッチ等が例示できる。
【0015】
このように構成された糸切り装置付ミシンにおいては、手動切換スイッチを切り換えた後、フットペダルを操作することにより、電子制御装置から電磁ソレノイドへ動作指令信号を発生させることができることになる。これによって、例えばベッドとオイルパン等を結合させたまま、糸切りカムと従動体とを係合させて糸切りカムのタイミングを確認することができることになる。
従って、この糸切り装置付ミシンにおいては、従来のような例えばベッドとオイルパンの分離、結合という煩雑な作業が不要となる。また、漏れ出した潤滑油等がミシン周辺や製品等を汚染するという問題を解消できることになる。
【0016】
糸切りカムと従動体の係合操作は、例えば作業者の足によるフットペダルの操作で行うことができ、タイミング確認作業中、両手等を自由に使うことができる。
従って、従来のように例えば一方の手で糸切りカムと従動体の係合状態を保持しながら、もう一方の手でタイミング確認作業を行うという作業し難く、非効率な作業を解消することができることになる。
【0017】
また本発明は、請求項3に記載したように、針と釜との協働により上糸と下糸とを交絡させて、針落ち点上を搬送される被縫製物に縫い目を形成するミシンの縫目形成手段と、前記ミシンの下軸に固定されると共に、カム溝が形成された糸切りカムと、前記糸切りカムのカム溝に係合可能な従動体と、前記カム溝に形成されると共に、前記糸切りカムが縫製時の逆方向に回転した場合に、前記従動体に当接して前記糸切りカムの回転を阻止する段部と、前記糸切りカムの回転に従った前記従動体の動作に伴い糸切りメスを作動させて糸切りを行う糸切り機構と、電気的に動作して前記従動体を前記糸切りカムに係合させる従動体移動手段と、からなる糸切り装置と、ミシン本体とはずみ車に個別に設けられ、ミシンが所定の位相になると一致するように設定されたタイミングマークと、前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置に対して動作指令信号を発生する制御手段と、前記制御手段による動作指令信号を前記縫目形成手段に伝達する第1指令経路接続部で前記制御手段と接続した第1指令経路と、前記制御手段による動作指令信号を前記糸切り装置に伝達する第2指令経路と、前記制御手段に対して起動信号および糸切り信号を入力する操作手段とを備え、前記操作手段による糸切りの指示に従って前記制御手段は、前記従動体移動手段により従動体を糸切りカムに係合させると共に下軸を回転させて前記糸切り機構による糸切りを実行する糸切り装置付ミシンにおいて、
前記第1指令経路接続部に前記第2指令経路を接続して前記操作手段による入力を前記糸切り装置の前記従動体移動手段に伝達可能とし
前記操作手段により前記従動体を前記糸きりカムに係合させた後、前記はずみ車を縫製時の逆方向に回転させ、前記従動体が前記段部に当接して前記糸切りカムの回転を阻止した際、前記タイミングマークが一致することにより糸切りカムのタイミング確認を行う構成としたことを特徴としている。
【0018】
このように構成された糸切り装置付ミシンにおいては、第1指令経路接続部に第2指令経路を接続することにより、フットペダル操作による縫目形成手段への動作指令信号を、電磁ソレノイドに伝達して作動させることができることになる。
【0019】
従って、この糸切り装置付ミシンにおいては、第1指令経路と第2指令経路との接続を変更した後、フットペダルの操作によって糸切りカムに従動体を係合させ、糸切りカムのタイミングを確認することができることになる。また、指令経路を切り換えるための専用の装置等を設ける必要がなく、極めて安価にタイミング確認のための回路等を構成することができることになる。
【0020】
また本発明は、請求項4に記載したように、請求項2または請求項3に記載した糸切り装置付ミシンであって、前記操作手段は、作業者が足で前踏みすると縫製を開始するフットペダルであって、前記糸切り装置の前記従動体移動手段への動作指令信号の発生は前記フットペダルの踏み返しによって行うことを特徴としている。
【0021】
このように構成された糸切り装置付ミシンにおいては、フットペダルの踏み返しによって、電子制御装置から電磁ソレノイドへ動作指令信号を発生させ、糸切りカムに従動体を係合させることができることになる。
従って、この糸切り装置付ミシンにおいては、両手等を自由に使って確認作業を行うことができ、糸切りカムのタイミング確認を効率よく、かつ、確実に行うことができることになる。
【0022】
また、本発明は、請求項5に記載したように、請求項2から請求項4のいずれかに記載した糸切り装置付ミシンであって、前記操作手段の操作による前記糸切り装置への動作指令時に、前記操作手段に誤操作を行っても縫製が実行されないよう前記制御手段により前記縫製の実行が禁止されていることを特徴としている。
【0023】
このように構成された糸切り装置付ミシンにおいては、糸切りカムのタイミング確認作業中に、例えば誤ってフットペダルを操作しても、ミシンを駆動するモータ等の回転を禁止することができることになる。
従って、この糸切り装置付ミシンにおいては、フットペダルの誤操作があってもミシン等が不意に回転する問題が解消され、安全に糸切りカムのタイミング確認作業を行うことができることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4に示すように、本発明に係る第1の実施形態である糸切り装置付ミシン1は、縫目形成手段2と、糸切り装置3と、制御手段である電子制御装置4と、入力手段である手動スイッチ5とを備えている。
縫目形成手段2は、針6と釜8とから構成され、電磁クラッチモータ36を回転させて針6を上下動させ、釜8との協働により上糸と下糸とを交絡させて、針落ち点上を搬送される被縫製物(図示せず)に縫い目を形成するように配置されている。
【0025】
図2ないし図4に示すように、糸切り装置3は、糸切りカム9と、従動体10と、糸切り機構11と、従動体移動手段である電磁ソレノイド12とから構成されている。
糸切りカム9は、糸切り装置付ミシン1の下軸13に固定された溝カムであり、下軸13と共に回転可能に配置されている。糸切りカム9のカム溝9aは、後述する可動メス30を糸切り装置付ミシン1の所定のタイミングに従って作動させるような曲線溝となっている。カム溝9aの一方のカム面には、所定の位相にカム溝9aの進行方向と直交するように、段部(図示せず)が形成されている。
【0026】
段部は、糸切りカム9が正規の回転方向(縫製時の回転方向)に回転する場合には、障害とならずに従動体10を通過させる。糸切りカム9の逆方向の回転に対して、段部は、従動体10に当接して糸切りカム9の回転を阻止するようになっている。段部の位相は、後述する糸切りカム9のタイミングを確認する位相に設定されている。
【0027】
図2(b)および図3に示すように、従動体10は、糸切りカム9のカム溝9aに係合し、糸切りカム9の回転に伴なって移動して可動メス30を作動させるためのものであって、揺動腕18の一端18aに固定され、カム溝9aに対向して配置されている。
揺動腕18は、略中央に一対の腕18cがコの字形に形成されている。一対の腕18cに設けられた貫通穴には、ピン16が嵌合し、揺動腕18が揺動可能に支持されている。
【0028】
ピン16は、後述するメス駆動腕24に固定されたピン支持台(図示せず)によって支持され、メス駆動腕24と共に揺動可能に配設されている。
従動体10は、ピン16を中心とする揺動腕18の揺動により、糸切りカム9のカム溝9aに係合し、又はカム溝9aとの係合を解除するようになっている。揺動腕18の従動体10と反対側の端部は、L字形に折り曲げられて押圧部18bが形成されている。
【0029】
糸切り装置付ミシン1のベッド28に固定された支持ピン19には、クラッチ板20が回動自在に嵌合している。クラッチ板20の一端20aは、半円形に形成され、揺動腕18の押圧部18bに対向して配置されている。
クラッチ板20の他の一端20bは、リンク21を介して電磁ソレノイド12のプランジャ22に連結されている。また、他の一端20bは、ボビン押え17にリンク27によって連結されている。ボビン押え17は、図2(a)に破線で示す位置と、実線で示す位置との間で揺動可能になっている。
【0030】
電磁ソレノイド12を作動させてプランジャ22を吸引すると、クラッチ板20は、図2(a)および図3において、支持ピン19を中心として反時計方向に回動する。
クラッチ板20の一端20aが揺動腕18の押圧部18bを押圧すると、揺動腕18はピン16を中心として揺動する。これにより従動体10は、図3において紙面裏面方向に移動して、糸切りカム9のカム溝9aに係合するように配置されている。
【0031】
図3に示すように、揺動腕18の一対の腕18cの間には、支持軸23を中心として揺動自在に配設されたメス駆動腕24が挟持されている。
カム溝9aに係合する従動体10が、糸切りカム9の回転に伴なって図3において左右方向に移動すると、一対の腕18cによって挟持されたメス駆動腕24は、支持軸23を中心として矢印A方向又は逆方向に揺動するように構成されている。メス駆動腕24の一端24aは、図4をも参照して、連結リンク25によって糸切り機構11のメスアーム26の一端26aに連結されている。
【0032】
図4は、糸切り機構11をベッド28の表面側から見た平面図である。糸切り機構11は、縫製の終了時に、上糸および下糸を切断して糸切りを行うためのものであって、図4に示すように、糸切り基台27が、ベッド28の裏面に固定されている。
糸切り基台27には、メスアーム26が、段ねじ29に嵌合して揺動可能に配置されている。糸切り基台27には、固定メス31が固定されると共に、可動メス30がピン32に嵌合して回動自在に配設されている。可動メス30に固定された駆動ピン30aは、メスアーム26の他端26bに形成されたU字溝26cに嵌合している。
【0033】
メスアーム26が段ねじ29を中心として回動すると、可動メス30は、U字溝26cによって駆動ピン30aが駆動され、ピン32を中心として回動する。そして、固定メス31との協働作業により上糸および下糸を同時に切断して糸切りするようになっている。
【0034】
図5に示すように、糸切り装置付ミシン1のミシン本体32およびはずみ車33には、タイミングマーク32a,33aが設けられており、糸切り装置付ミシン1が所定の位相になると、タイミングマーク33aがタイミングマーク32aと一致するように設定されている。
【0035】
図1および図6に示すように、制御手段である電子制御装置4は、コンピュータを含んで構成された電子装置であり、例えば操作手段であるフットペダル34や入力手段である手動スイッチ5等の外部からの入力信号に応じて動作指令信号を発生し、電磁ソレノイド12等の各装置に動作指令信号を伝達するようになっている。
【0036】
図1に示すように、フットペダル34には、フットペダル34を前方に踏み込んだときに回路が閉成する第1スイッチ38、および後方に踏み返ししたときに回路が閉成する第2スイッチ39が、フットペダル34の下部に配置されている。
第1スイッチ38および第2スイッチ39は、フットペダル34の踏込状態を検出して電子制御装置4に入力するようになっている。電子制御装置4は、フットペダル34を前踏みして第1スイッチ38を閉成させると、縫製開始信号を出力し、またフットペダル34を踏み返しして第2スイッチ39を閉成させると、電磁ソレノイド12へ動作指令信号を出力するようになっている。
【0037】
図6に示すように、電子制御装置4の動作指令信号は、縫い目形成手段2に動作指令を伝達する第1指令経路40、および従動体移動手段である電磁ソレノイド12に動作指令を伝達する第2指令経路41を介して、夫々の装置に伝達されるようになっている。
第2指令経路41は、分岐されて副指令経路41aが設けられている。副指令経路41aの中間には、入力手段である手動スイッチ5が配置されている。手動スイッチ5は、手動操作することにより、接点5a,5b間を導通、非導通の何れかの状態に切換可能な手動スイッチである。
【0038】
通常、手動スイッチ5は、接点5a,5b間が非導通の状態にされている。従って、副指令経路41aは、遮断された状態となっている。
手動スイッチ5の電子制御装置4側の接点5aには、常時、電子制御装置4から動作指令信号が出力された状態となっており、手動スイッチ5を手動操作して副指令経路41aを導通させると、動作指令信号は、副指令経路41aを介して直ちに電磁ソレノイド12に伝達されるように構成されている。
【0039】
前述した糸切り装置付ミシン1によれば、糸切カム9のタイミング確認作業は、下記の手順により行われる。図6において、先ず手動スイッチ5を手動操作して接点5a,5b間を導通させると、電子制御装置4からの動作指令信号は、副指令経路41aを介して直ちに電磁ソレノイド12に伝達される。
【0040】
図2および図3に示すように、電磁ソレノイド12が作動してプランジャ22が引き込まれると、クラッチ板20は、支持ピン19を中心として反時計方向に回動し、一端20aが揺動腕18の押圧部18bを押圧する。揺動腕18は、図2(b)において、ピン16を中心として反時計方向に揺動し、従動体10が糸切りカム9のカム溝9aに係合する。
【0041】
ここで、図5に示すように、はずみ車33を、はずみ車側から見て時計方向(電磁クラッチモータによる縫製時の回転方向とは逆方向)に、手動でゆっくりと回転させると、糸切カム9は、通常の回転方向とは逆の矢印B方向(図2(b))に回転する。
カム溝9aに嵌合する従動体10は、糸切カム9の回転に伴なって相対的にカム溝9a中を移動する。従動体10がカム溝9aの段部に達すると、従動体10は段部に当接して糸切カム9の回転を阻止する。
【0042】
このとき、はずみ車33に設けられたタイミングマーク33aが、ミシン本体32に設けられたタイミングマーク32aと一致していることを目視確認することにより、糸切カム9が所定の位相に固定されていることを知ることができる。従って、糸切カム9のタイミング確認を行うことができる。
【0043】
前述した糸切り装置付ミシン1によれば、手動スイッチ5を手動操作した後、はずみ車33を時計方向にゆっくりと回転させ、糸切カム9の回転が阻止されたとき、はずみ車33のタイミングマーク33aと、ミシン本体32のタイミングマーク32aとが一致していることを確認するだけで、糸切カム9のタイミングを確認することができる。
【0044】
従って、ベッド28からオイルパン(図示せず)を分離する必要がなく、また糸切り装置付ミシン1を後方に倒すこともせずに、糸切カム9のタイミングを確認することができる。
従って、潤滑油が漏れ出すことはなく、潤滑油による糸切り装置付ミシン1の周囲、作業者の手および製品等の汚染を皆無とすることができる。また、短時間で簡単に糸切カム9のタイミング確認作業を行うことができる。
【0045】
図7は、本発明に係る第2実施形態の糸切り装置付ミシン1の構成を示す回路図である。本発明に係る第2実施形態である糸切り装置付ミシン1は、縫目形成手段2と、糸切り装置3と、制御手段である電子制御装置4と、操作手段であるフットペダル34と、切換手段である手動切換スイッチ50とを備えている。
【0046】
なお、以下説明する各実施の形態において、既に図1ないし図5において説明した縫目形成手段2、糸切り装置3、電子制御装置4およびフットペダル34については、第1実施形態のものと同一であるので、説明は省略する。
【0047】
図7に示すように、手動切換スイッチ50は、第1指令経路40と第2指令経路41とを手動で切り換えるためのものであって、第1指令経路40および第2指令経路41の中間に設けられている。
【0048】
第1指令経路40は、電子制御装置4と縫目形成手段2を電気的に接続している。また、第2指令経路41は、電子制御装置4と電磁ソレノイド12を電気的に接続している。第1指令経路40の縫目形成手段2側は、分岐されて手動切換スイッチ50内に設けられた接点50a,50bに接続されている。
【0049】
第2指令経路41の電磁ソレノイド12側は、分岐されて接点50c,50dに接続されている。第1指令経路40の電子制御装置4側には、可動片51が、また第2指令経路41の電子制御装置4側には、可動片52が配設されている。可動片51は、接点50a又は接点50dに切り換えて接続可能である。可動片52は、接点50c又は接点50bに切り換えて接続可能となっている。
【0050】
縫製状態においては、可動片51は接点50aに、また可動片52は接点50cに接続されている。
従って、第1指令経路40は、電磁弁59のソレノイド59aに接続されている。電磁弁59は、チユーブよって押上げシリンダ58に接続され、圧縮空気源57から供給される圧縮空気を押上げシリンダ58に供給または遮断するようになっている。押上げシリンダ58は、縫い目形成手段2の一構成要素である押え47(図1)に連結され、押え47を上昇または下降させるようになっている。第2指令経路41は、電磁ソレノイド12に電気的に接続されている。
【0051】
電子制御装置4は、フットペダル34を前踏みして第1スイッチ38を閉成させると、縫い目形成手段2に縫製開始信号を出力する。
また、電子制御装置4は、縫製中にフットペダル34を踏み返しして第2スイッチ39を閉成させると、糸切り装置3に動作指令信号を出力するようになっている。更に、電子制御装置4は、糸切り装置付ミシン1が停止中に、フットペダル34を踏み返しして第2スイッチ39を閉成させると、第1指令経路40に押上げ指令信号を出力するようになっている。
【0052】
押上げ指令信号が第1指令経路40を介して電磁弁59のソレノイド59aに伝達されると、電磁弁59は、59Aに示す圧縮空気源57と押上げシリンダ58が遮断された状態から、59Bに示す圧縮空気源57と押上げシリンダ58が接続された状態に切り換わる。
圧縮空気源57から供給された圧縮空気は、押上げシリンダ58に供給され、押上げシリンダ58のピストンロッドに連結されている押え47を上昇させるようになっている。
【0053】
糸切りカム9のタイミングを確認する際、手動切換スイッチ50を図7に実線で示す位置から破線で示す位置に切り換えて、可動片51を接点50dに、また可動片52を接点50bに接続させる。
【0054】
ここで、糸切り装置付ミシン1の停止中に、フットペダル34を踏返し操作して第2スイッチ39を閉成させると、電子制御装置4から第1指令経路40に出力された動作指令信号は、可動片51、接点50dを介して電磁ソレノイド12に伝達される。これによって、プランジャ22が引き込まれて従動体10は、糸切りカム9のカム溝9aに係合する。
以後のタイミング確認手順は、第1実施形態で説明した糸切り装置付ミシン1と全く同様に行われるので、説明を省略する。
【0055】
前述した第2実施形態の糸切り装置付ミシン1によれば、ベッド28とオイルパンを分離することなく、容易に糸切りカム9のタイミング確認を行うことができる。
また、潤滑油による糸切り装置付ミシン1の周囲、作業者の手および製品等の汚染を皆無とすることができる。また、フットペダル34を踏返しするごとに、電磁ソレノイド12を作動させて従動体10をカム溝9aに係合させることができる。従って、作業者は両手を自由に使うことができ、確認作業を効率よく、短時間で行うことができる。
【0056】
図8は、本発明に係る第3実施形態である糸切り装置付ミシン1の構成を示す回路図である。本発明に係る第3実施形態である糸切り装置付ミシン1は、縫目形成手段2と、糸切り装置3と、制御手段である電子制御装置4と、第1指令経路40と、第2指令経路41と、操作手段であるフットペダル34とを備えている。
【0057】
図8に示すように、第1指令経路40は、電子制御装置4からの動作指令信号を、電磁弁59のソレノイド59aに伝達するためのものであって、第1指令経路接続部55によって電子制御装置4に接続されている。
【0058】
第1指令経路接続部55は、電子制御装置4に配設された雌コネクタ55aと、電線の先端に固定された雄コネクタ55bとから構成されている。また、第2指令経路41は、電子制御装置4からの動作指令信号を電磁ソレノイド12に伝達するためのものであって、第2指令経路接続部56によって電子制御装置4に接続されている。第2指令経路接続部56は、電子制御装置4に配設された雌コネクタ56aと、電線の先端に固定された雄コネクタ56bとから構成されている。
【0059】
糸切りカム9のタイミングを確認する際には、図8に破線で示すように、第2指令経路接続部56の雄コネクタ56bと第1指令経路接続部55の雌コネクタ55aとを、また第1指令経路接続部55の雄コネクタ55bと第2指令経路接続部56の雌コネクタ56aとを接続する。
【0060】
ここで、糸切り装置付ミシン1の停止中にフットペダル34を踏返し操作して第2スイッチ39を閉成させると、動作指令信号が、電子制御装置4から第1指令経路接続部55に出力される。
動作指令信号は、第1指令経路接続部55の雌コネクタ55a、第2指令経路接続部56の雄コネクタ56bを介して電磁ソレノイド12に伝達される。電磁ソレノイド12が作動してプランジャ22が引き込まれると、従動体10は、糸切りカム9のカム溝9aに係合する。以後のタイミング確認手順は、第1実施形態の糸切り装置付ミシン1と全く同様に行われるので、説明を省略する。
【0061】
前述した第3実施形態の糸切り装置付ミシン1においては、手動スイッチ5や手動切換スイッチ50等のような、タイミング確認のための専用の装置を設ける必要がなく、コネクタの接続を変更するだけで、タイミング確認作業を行うことができる。従って、極めて安価にタイミング確認の回路を構成することができる。
また、第1指令経路接続部55の雌コネクタ55aと、第2指令経路接続部56の雄コネクタ56bとを接続すれば、第1指令経路接続部55の雄コネクタ55bは接続せずに解放したままとしても、同様の効果を得ることができる。
【0062】
なお、雌コネクタ55aおよび雄コネクタ55bの色は、両者とも例えば赤等の同一色となっている。また雌コネクタ56aおよび雄コネクタ56bの色は、雌コネクタ55aおよび雄コネクタ55bの色とは明らかに異なる、例えば青等の色となっている。
従って、同じ色同士のコネクタを選択して接続すれば、縫製時の接続とすることができ、誤接続を防止することができる。また目視によりタイミング確認のための回路接続となっているかどうかを容易にチェックすることが可能となる。
【0063】
図9は、本発明に係る第4実施形態である糸切り装置付ミシン1の構成を示す回路図である。図9に示すように、本発明に係る第4実施形態である糸切り装置付ミシン1は、切換えスイッチ60を備えている。
切換えスイッチ60は、電子制御装置4と電磁ソレノイド12、電磁弁59のソレノイド59aおよび電磁クラッチモータ36との間に配設されている。ソレノイド59a、電磁ソレノイド12および電磁クラッチモータ36は、夫々第1指令経路40、第2指令経路41および第3指令経路42によって電子制御装置4に電気的に接続されている。第3指令経路42の切換えスイッチ60内には、可動片53が配設されており、接点50eに接続又は遮断するようになっている。
【0064】
縫製を行う通常状態では、可動片53は、接点50eと接続された状態となっており、回転指令信号は、電磁クラッチモータ36に伝達されるようになっている。切換えスイッチ60を手動操作して切り換えると、可動片51と接点50d、可動片52と接点50bが接続されると同時に、可動片53は、接点50eから離間して第3指令経路42を遮断するようになっている。
その他の構成は、図7に示す第2実施形態のものと同一であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
糸切りカム9のタイミングを確認する際、切換えスイッチ60を切り換え、図9に破線で示すように、可動片51を接点50dに、また可動片52を接点50bに接続すると共に、可動片53を接点50eから離間させて第3指令経路42を遮断する。
ここで、糸切り装置付ミシン1の停止中にフットペダル34を踏返し操作して第2スイッチ39を閉成させると、電子制御装置4から第1指令経路40に出力された動作指令信号は、可動片51、接点50dを介して電磁ソレノイド12に伝達される。電磁ソレノイド12が作動してプランジャ22が引き込まれると、従動体10は、糸切りカム9のカム溝9aに係合する。
【0066】
以後のタイミング確認手順は、第1実施例の糸切り装置付ミシン1と全く同様に行われるので、説明を省略する。
タイミング確認作業中に、誤ってフットペダル34を操作しても、電磁クラッチモータ36と電子制御装置4を電気的に接続している第3指令経路42は遮断されているので、電磁クラッチモータ36が回転することはない。
【0067】
前述した第4実施形態の糸切り装置付ミシン1によれば、誤ってフットペダル34を操作しても、電磁クラッチモータ36が不意に回転することはなく、安全にタイミング確認作業を行うことができる。
また、縫製の実行を禁止する手段としては、例えば、フットペダル34の前踏みを機械的に阻止するストッパ等を、フットペダル34に配置するようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0068】
なお、本発明の糸切りミシンは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した各実施形態では、カムは溝カム式の糸切りカムとして説明したが、溝カムあるいは糸切りカムに限定されるものではなく、板カム、立体カム等のどの様な形式のカムであってもよく、また糸切り機構以外の機構を作動させるためのカムであってもよい。
また、糸切り装置の態様についても、図2のボビン押え17が無い態様の糸切り装置にも適用可能で、下軸に固定したカムにより動作する糸切り装置であれば、その態様は問わない。
【0069】
その他、前述した実施形態において例示した縫目形成手段、糸切りカム、従動体、糸切り機構、従動体移動手段、糸切り装置、制御手段、入力手段、操作手段、切換手段、第1指令経路、第2指令経路、フットペダル等の材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0070】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、請求項1に記載したように、手動スイッチを切り換えることによって、電子制御装置に指示して電磁ソレノイドへの動作指令信号を発生させることができる。
従って、ボルトを外してミシンのベッドからオイルパンを分離させることなく、外部から電磁ソレノイドを作動させて、従動体を糸切りカムに係合させることができ、糸切りカムのタイミングを確認することができる。これによって、従来煩雑で長時間を要したタイミング確認作業を、短時間で簡単に行うことができる。
【0071】
また、ベッドとオイルパンを分離することがないので、オイルパンからの潤滑油の漏れが防止され、潤滑油によりミシン周辺や作業者を汚染することもない。また製品に潤滑油を付着させて製品の価値を大幅に低下させてしまうことを防止することができる。
【0072】
また、本発明によれば、請求項2に記載したように、手動切換スイッチを切り換えた後、フットペダルを操作することにより、電子制御装置から電磁ソレノイドへ動作指令信号を発生させることができる。
従って、ベッドとオイルパンが固定されている筒形本縫い糸切り装置付ミシン等においても、ベッドとオイルパンを結合させたまま、作業者がフットペダルを足で操作するだけで従動体を糸切りカムに係合させることができ、糸切りカムのタイミングを簡単に確認することができる。これにより、タイミング確認作業中、両手が自由になり、従来のように一方の手で糸切りカムと従動体の係合状態を保持しながら、もう一方の手でタイミング確認作業を行うという作業し難く、非効率な作業を解消することができる。
また、漏れ出した潤滑油等によるミシン周辺や製品等の汚染を防止することができる。
【0073】
また、本発明によれば、請求項3に記載したように、第1指令経路接続部に第2指令経路を接続することにより、フットペダルによる縫目形成手段への動作指令信号を電磁ソレノイドに伝達して作動させ、従動体を糸切りカムに係合させることができる。従って、単に第1指令経路と第2指令経路との接続を変更するだけで、フットペダルを操作して糸切りカムに従動体を係合させて糸切りカムのタイミングを確認することができる。
また、指令経路を切り換えるための専用の装置を設ける必要がなく、極めて安価にタイミング確認のための回路を構成することができる。
【0074】
さらに、本発明によれば、請求項4に記載したように、フットペダルの踏み返しによって、電子制御装置から電磁ソレノイドへの動作指令信号を発生させ、糸切りカムに従動体を係合させることができる。従って、両手等を自由に使って作業が行えるので、糸切りカムのタイミング確認を効率よく、かつ確実に行うことができる。
【0075】
そして、本発明によれば、請求項5に記載したように、糸切りカムのタイミング確認作業中に、誤ってフットペダルを操作しても、ミシンを駆動するモータの回転を阻止することができる。従って、フットペダルの誤操作があってもミシンが不意に回転することがなく、安全に糸切りカムのタイミング確認作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態を示す糸切り装置付ミシンの全体構成を示す正面図である。
【図2】糸切りカム、従動体および電磁ソレノイドの連結関係を示し、(a)はベッド裏面側から見た平面図、(b)はその要部側面図である。
【図3】図2(a)の要部拡大図である。
【図4】べッド表面側から見た糸切り機構の平面図である。
【図5】ミシン本体およびはずみ車のタイミングマークを示す要部正面図である。
【図6】本発明に係る第1実施形態の手動スイッチを含んで構成された電気回路構成図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態の手動切換スイッチを含んで構成された電気回路構成図である。
【図8】本発明に係る第3実施形態の雌コネクタを含んで構成された電気回路構成図である。
【図9】本発明に係る第4実施形態の手動切換スイッチを含んで構成された電気回路構成図である。
【符号の説明】
1 糸切り装置付ミシン
2 縫目形成手段
3 糸切り装置
4 電子制御装置(制御手段)
5 手動スイッチ(入力手段)
6 針
8 釜
9 糸切りカム
10 従動体
11 糸切り機構
12 電磁ソレノイド(従動体移動手段)
13 下軸
30 可動メス(糸切りメス)
34 フットペダル(操作手段)
40 第1指令経路
41 第2指令経路
50 手動切換スイッチ(切換手段)
55a 雌コネクタ(第1指令経路接続部)

Claims (5)

  1. 針と釜との協働により上糸と下糸とを交絡させて、針落ち点上を搬送される被縫製物に縫い目を形成するミシンの縫目形成手段と、前記ミシンの下軸に固定されると共に、カム溝が形成された糸切りカムと、前記糸切りカムのカム溝に係合可能な従動体と、前記カム溝に形成されると共に、前記糸切りカムが縫製時の逆方向に回転した場合に、前記従動体に当接して前記糸切りカムの回転を阻止する段部と、前記糸切りカムの回転に従った前記従動体の動作に伴い糸切りメスを作動させて糸切りを行う糸切り機構と、電気的に動作して前記従動体を前記糸切りカムに係合させる従動体移動手段と、からなる糸切り装置と、ミシン本体とはずみ車に個別に設けられ、ミシンが所定の位相になると一致するように設定されたタイミングマークと、前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置に対して動作指令信号を発生する制御手段と、前記制御手段に対して前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置への動作の指示を入力する操作手段と、を備え、前記操作手段による糸切りの指示に従って前記制御手段が、前記従動体移動手段により従動体を糸切りカムに係合させると共に下軸を回転させて前記糸切り機構による糸切りを実行する糸切り装置付ミシンにおいて、
    前記制御手段に前記従動体移動手段に従動体の糸切りカムへの係合を指示する入力手段を備え、
    前記入力手段により前記従動体を前記糸切りカムに係合させた後、前記はずみ車を縫製時の逆方向に回転させ、前記従動体が前記段部に当接して前記糸切りカムの回転を阻止した際、前記タイミングマークが一致することにより糸切りカムのタイミング確認を行う構成としたことを特徴とする糸切り装置付ミシン。
  2. 針と釜との協働により上糸と下糸とを交絡させて、針落ち点上を搬送される被縫製物に縫い目を形成するミシンの縫目形成手段と、前記ミシンの下軸に固定されると共に、カム溝が形成された糸切りカムと、前記糸切りカムのカム溝に係合可能な従動体と、前記カム溝に形成されると共に、前記糸切りカムが縫製時の逆方向に回転した場合に、前記従動体に当接して前記糸切りカムの回転を阻止する段部と、前記糸切りカムの回転に従った前記従動体の動作に伴い糸切りメスを作動させて糸切りを行う糸切り機構と、電気的に動作して前記従動体を前記糸切りカムに係合させる従動体移動手段と、からなる糸切り装置と、ミシン本体とはずみ車に個別に設けられ、ミシンが所定の位相になると一致するように設定されたタイミングマークと、前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置に対して動作指令信号を発生する制御手段と、該制御手段に対して前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置への動作の指示を入力する操作手段と、を備え、前記操作手段による糸切りの指示に従って前記制御手段、前記従動体移動手段により従動体を糸切りカムに係合させると共に下軸を回転させて前記糸切り機構による糸切りを実行する糸切り装置付ミシンにおいて、
    前記操作手段の操作により前記制御手段が前記糸切り装置の前記従動体移動手段への動作指令信号を発生するように切り換える切換手段を備え、
    前記切換手段により前記従動体を前記糸きりカムに係合させた後、前記はずみ車を縫製時の逆方向に回転させ、前記従動体が前記段部に当接して前記糸切りカムの回転を阻止した際、前記タイミングマークが一致することにより糸切りカムのタイミング確認を行う構成としたことを特徴とする糸切り装置付ミシン。
  3. 針と釜との協働により上糸と下糸とを交絡させて、針落ち点上を搬送される被縫製物に縫い目を形成するミシンの縫目形成手段と、前記ミシンの下軸に固定されると共に、カム溝が形成された糸切りカムと、前記糸切りカムのカム溝に係合可能な従動体と、前記カム溝に形成されると共に、前記糸切りカムが縫製時の逆方向に回転した場合に、前記従動体に当接して前記糸切りカムの回転を阻止する段部と、前記糸切りカムの回転に従った前記従動体の動作に伴い糸切りメスを作動させて糸切りを行う糸切り機構と、電気的に動作して前記従動体を前記糸切りカムに係合させる従動体移動手段と、からなる糸切り装置と、ミシン本体とはずみ車に個別に設けられ、ミシンが所定の位相になると一致するように設定されたタイミングマークと、前記縫目形成手段あるいは前記糸切り装置に対して動作指令信号を発生する制御手段と、前記制御手段による動作指令信号を前記縫目形成手段に伝達する第1指令経路接続部で前記制御手段と接続した第1指令経路と、前記制御手段による動作指令信号を前記糸切り装置に伝達する第2指令経路と、前記制御手段に対して起動信号および糸切り信号を入力する操作手段とを備え、前記操作手段による糸切りの指示に従って前記制御手段、前記従動体移動手段により従動体を糸切りカムに係合させると共に下軸を回転させて前記糸切り機構による糸切りを実行する糸切り装置付ミシンにおいて、
    前記第1指令経路接続部に前記第2指令経路を接続して前記操作手段による入力を前記糸切り装置の前記従動体移動手段に伝達可能とし
    前記操作手段により前記従動体を前記糸きりカムに係合させた後、前記はずみ車を縫製時の逆方向に回転させ、前記従動体が前記段部に当接して前記糸切りカムの回転を阻止した際、前記タイミングマークが一致することにより糸切りカムのタイミング確認を行う構成としたことを特徴とする糸切り装置付ミシン。
  4. 前記操作手段は、作業者が足で前踏みすると縫製を開始するフットペダルであって、前記糸切り装置の前記従動体移動手段への動作指令信号の発生は前記フットペダルの踏み返しによって行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載した糸切り装置付ミシン。
  5. 前記操作手段の操作による前記糸切り装置への動作指令時に、前記操作手段に誤操作を行っても縫製が実行されないよう前記制御手段により前記縫製の実行が禁止されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載した糸切り装置付ミシン。
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