JP3973177B2 - 光コネクタ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,光ファイバを挿通固定し接合端面を形成した概ね角形のフェルールを,概ね角筒状のハウジング内にコネクタ軸方向に弾性的に移動可能に収容した構造を持つ,いわゆるMPO光コネクタとも呼ばれる光コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すように,例えば光ファイバテープ心線の一括接続をプッシュオン・プルオフという簡単な操作で行うことを可能にした,MPO光コネクタ等と呼ばれる光コネクタ1が知られている。この光コネクタ1は,光ファイバ心線(光ファイバテープ心線)12の先端に取り付けたプラスチック製の概ね角形のフェルール2を概ね角筒状のハウジング5内にコネクタ軸方向(図中の矢印a・矢印b方向)に移動可能に収容し,かつ前記フェルール2をコネクタ軸方向先端側(矢印a側)に押圧する押圧バネを内蔵し,ハウジング5の外周に概ね角筒状のカップリング6を設けた構造である。
前記フェルール2は,JISC5981のF12型光ファイバコネクタのようなピン嵌合位置合わせ方式の光コネクタに相当するものであって,プラスチック成形品に設けた光ファイバ穴に光ファイバを挿通固定した後,その先端面を例えばPC(Physical Contact)研磨して接合端面2aを形成し,かつ,ガイドピン穴に嵌入したガイドピン3により,フェルール2どうしの突き合わせ接続時の相互の位置合わせ行うようにした構造である。なお,フェルール2を光ファイバ心線12に取り付ける場合,光ファイバ心線12の先端(被覆を除去した光ファイバ)を接合端面2aに直接露出させる場合と,予めフェルール2に内蔵させた短尺の光ファイバに光ファイバ心線12の先端(光ファイバ)をフェルール2内で突き合わせ接続する場合とがある。
この種の光コネクタ1どうしを互いにコネクタ接続する場合,各光コネクタ1を図6中に示したようなアダプタ10の両側からそれぞれ差し込んで,係合突起9等によりアダプタ10と係合させ,それぞれのフェルール2の接合端面2aを互いに突き合わせ接続する。
なお,図6に示された光コネクタ1は,従来例および本発明に概ね共通である。
【0003】
図7に従来の光コネクタ1’の内部構造を示す。この光コネクタ1’の外観は図6と概ね同じである。フェルール2’はコネクタ軸方向後端側(矢印b側)に鍔部16を備え,この鍔部16がハウジング5’側に設けた段部19と係合して,フェルール2’のコネクタ軸方向先端側(矢印a側)への移動が規制される。また,フェルール2’は,ハウジング5’内に配置した前述の押圧バネ7によりコネクタ軸方向先端側(矢印a側)に押圧されている。この押圧バネ7は,ハウジング5’内に後端側から押し込まれてハウジング5’と爪15aで係合する後部ハウジング15で反力を受け止められる。
また,図7において,11は光ファイバ心線12のフェルール2’への差し込み部を保護するゴム製のブーツである。4はフェルール2’のガイドピン穴に通されたガイドピン3をクランプするピンクランプであり,前記ブーツ11を囲む形状である。8は前記カップリング6をコネクタ軸方向先端側に押し付ける(ないしハウジング5’をコネクタ軸方向後端側に押し付ける)スプリングであり,ハウジング5’の左右側面部(図7で上下の両側部)においてそれぞれカップリング6の内面との間に配置されている。
なお,図7に示した構造は,フェルール2’およびハウジング5’以外の部分は,後述する本発明と基本的には同じである。
【0004】
図8は図7におけるフェルール2’およびハウジング5’の部分のみを示した図,図9は図8のA−A断面図である。なお,図8,図9ではガイドピン3,ピンクランプ13,押圧バネ7,後部ハウジング15も省略している。前述のように,フェルール2’はハウジング5’内でコネクタ軸方向に移動可能であるが,従来は一般に,フェルール2’の主体部(鍔部16を除く部分)17がハウジング5’の内面5’bと接触して,コネクタ軸方向に移動する嵌合構造としている。
【0005】
上記のような2つの光コネクタ1’を前記アダプタ10の両側から差し込んで,互いにコネクタ接続する場合,光コネクタ1’をアダプタ10内に押し込むと,カップリング6の外周に突設した係合用突起9により光コネクタ1’がアダプタ10に係合するとともに,相手側光コネクタ1’のフェルール2’とはガイドピン3によって相互の位置合わせがなされる。
そして,コネクタ接続前には,各光コネクタ1’のフェルール2’は,それぞれハウジング5’内で押圧バネ7で押されてコネクタ軸方向先端側(矢印a側)に位置している(図7〜図9の状態)が,互いのフェルール2’の接合端面2’aどうしが突き当たると,各フェルール2’は押圧バネ7の反力に抗してハウジング5’の奥方(コネクタ軸方向後端側:矢印b側)に押し込まれ,これによりアダプタ10に係合する2つの光コネクタ1は,それぞれのフェルール2’の接合端面2’aどうしが押圧バネ7による一定の圧力を受けた状態で突き合わせ接続される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように,アダプタ10を介して光コネクタ1’どうしを突き合わせ接続した後,例えば図6に2点鎖線で示すように光ファイバ心線12が側方に引っ張られる等して,光コネクタ1’を側方に曲げようとする横向き力(矢印A方向の力)が光コネクタ1’に作用した場合(いわゆるサイドプルが発生),この横向き力がハウジング5’を介してフェルール2’に側圧として作用し,この側圧でフェルール2’が僅かではあるが傾き,あるいは両フェルール2’の接合端面2’a間の接触圧力に変化が生じる等して,フェルール2’の接合端面2’aどうしの本来のPC接続状態が損なわれ,挿入損失,反射減衰量等の接続特性が劣化する恐れがある。
【0007】
そこで,図10に示すように,ハウジング5’内にフェルール2’の浮動を許容するクリアランス14を形成して,光コネクタ1’に作用した横向き力がハウジング5’からフェルール2’に伝達されないようにすることが考えられる。しかし,ハウジング5’内に単に図示のようなクリアランス14を設けた場合,フェルール2’に側圧が作用するのを防止できても,こんどは光コネクタ1’における(ハウジング5’における)フェルール2’の支持位置が不安定になるため,アダプタ10内でフェルール2’どうしを接続する作業の際に,相手側のフェルール2’のガイドピン穴に当該フェルール2’のガイドピン3を差し込む作業がしにくくなり,フェルール2’どうしの接続の作業性が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので,フェルールどうしを接続する前の,フェルールがコネクタ軸方向先端側位置にある時は,フェルールがハウジングの定位置に保持されるとともに,フェルールがコネクタ軸方向後端側に押し込まれてフェルールどうしが接続状態となった時は,フェルールがハウジング内で若干の浮動を許容されるようにすることによって,光コネクタ接続時の作業性を向上させることと,コネクタ接続後の光コネクタに作用するサイドプルによる接続特性の劣化を防止することとの両者を共に満たすことのできる光コネクタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1の発明は,光ファイバを挿通固定しコネクタ軸方向先端側に接合端面を形成したフェルールと,概ね筒状をなしその内部空間に前記フェルールをコネクタ軸方向に移動可能に収容するハウジングと,前記フェルールをコネクタ軸方向先端側に押圧する弾性部材とを備えるとともに,前記フェルールのコネクタ軸方向後端側に鍔部を形成し,前記ハウジングの内部に,前記フェルールの鍔部に係合することで当該フェルールのコネクタ軸方向先端側への移動を規制しかつ当該フェルールを保持する位置決め保持部を形成した光コネクタにおいて,
前記フェルールの鍔部に,ハウジングの位置決め保持部の周面部と嵌合するコネクタ軸方向先端側の位置決め周面部と,ハウジング内面との間のクリアランスがコネクタ軸方向後端側に大きくなるようにテーパ状又は湾曲状又は段差状に逃がしたコネクタ軸方向後端側の逃げ周面部とを形成するとともに,前記ハウジングの内部空間の位置決め保持部よりコネクタ軸方向後端側の部分を,前記フェルールの鍔部の位置決め周面部より大径に形成したことを特徴とする。
なお,上記において,周面部とは,コネクタ軸方向と直交する面でなく,コネクタ軸方向に対して概ね平行な面を指すものであり,必ずしも全周の面を意味しない(請求項2においても同じ)。
【0010】
請求項2の発明は,フェルールの鍔部に,ハウジングの位置決め保持部として形成されたコネクタ軸方向後端側に広がるテーパ状の周面に面接触するコネクタ軸方向先端側のテーパ状の位置決め周面部と,平行面状若しくは少なくとも前記テーパ状周面部の勾配より小さな勾配のテーパ面状のコネクタ軸方向後端側の逃げ周面部とを形成するとともに,前記ハウジングの内部空間の位置決め保持部よりコネクタ軸方向後端側の部分を,前記フェルールの鍔部の逃げ周面部より大径に形成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態を図1〜図6を参照して説明する。
以下に述べる本発明の各実施例の光コネクタの外観は,本発明および従来例に概ね共通する図6について先に説明した通りである。図4は請求項1の発明の一実施例の光コネクタ21の一部を水平断面で示した平面図である。図4に示された請求項1の一実施例の光コネクタ21および後述する他の実施例の光コネクタ,請求項2の光コネクタは,いずれも,フェルールとハウジングとの嵌合構造以外の点では,図7で説明した従来の光コネクタ1’と基本的に同じである。したがって,図4における図7と共通する部分の再度の説明は省略し,図7と異なる部分すなわちフェルールおよびハウジングの部分について,以下に説明する。
【0013】
図1は図4の光コネクタ21におけるフェルール22およびハウジング25の部分を示したもので,(イ)はコネクタ接続前における水平断面図,(ロ)はコネクタ接続前における垂直断面図,(ハ)はコネクタ接続後における水平断面図,(ニ)はコネクタ接続後における垂直断面図,(ホ)は図1(イ)の要部拡大図,(ヘ)は後述のフェルール22の鍔部26の逃げ周面部の変形例,(ト)は逃げ周面部のさらに他の変形例,(チ)は逃げ周面部のさらに他の変形例である。また,図5は図4の光コネクタ21におけるフェルール22およびハウジング25の嵌合構造を説明するための要部の一部切り欠き斜視図である。
【0014】
これらの図に示すように,この光コネクタ21は,フェルール22のコネクタ軸方向後端側(矢印b側)に鍔部26を形成し,ハウジング25の内部に,フェルール22の鍔部26と係合することで当該フェルール22のコネクタ軸方向先端側への移動を規制しかつ当該フェルールを保持する位置決め保持部29を形成している。この光コネクタ21では,フェルール22の鍔部26が,図1(ホ)に要部を拡大して示すように,ハウジング25の位置決め保持部29の周面部29aと互いに嵌合するコネクタ軸方向先端側の位置決め周面部26aと,ハウジング25の内面25aとの間のクリアランスが大きくなるようにテーパ状に逃がしたコネクタ軸方向後端側の逃げ周面部26bとからなっている。
なお,上記において,ハウジング25の位置決め保持部29の周面部29aとフェルール22の鍔部26の位置決め周面部26aとが「嵌合」するとは,必ずしも緊密に接触嵌合することを意味しない。すなわち,フェルール22の鍔部26の位置決め周面部26aとハウジング25の位置決め保持部29の周面部29aとは,コネクタ接続時のフェルール22の位置決め容易性を高めるため必要な範囲で,かつ,ガイドピン3によるフェルール22どうしの接続に支障ない範囲の嵌合状態(厳格すぎない嵌合状態)とする。
なお,ハウジング25側の位置決め保持部29は,コネクタ軸方向と直交する方向の位置決めを行う前記の周面部29aと,フェルール22がコネクタ軸方向先端側に移動するのを規制する側面部の垂直壁29bとからなる。なお,図示例では,ハウジング25の上下面には垂直壁は形成していない。
また,ハウジング25の内部空間23の前記位置決め保持部29よりコネクタ軸方向後端側の部分23aを,位置決め保持部29の周面部29aより大径に形成(すなわち空間を広く形成)して,ハウジング25の内面側にも逃げを形成している。
また,この実施例では,ハウジング25の先端開口側(矢印a側)の内部空間23bを,上下面および左右面とも先端側にテーパ状に広がるテーパ空間として,フェルール22の角形(直方体状)の主体部27(鍔部26以外の部分)に対してテーパ状のクリアランスを設けている。このテーパ空間を設ける理由は,後述のように,アダプタ10において接続された1対の光コネクタ21の各フェルール22がそれぞれハウジング25内で容易に浮動できるようにするためである。このように,テーパ空間としたことでフェルール22とハウジング25との間のクリアランスが大となり,フェルール22がハウジング25内で容易に浮動できるため,サイドプル特性が向上する。ただし,ハウジング25の先端開口側の内部空間23bの内壁を,図示例のようなテーパ面とせずに,均等なクリアランスを形成するような平行面としてもよい。
【0015】
上記のような光コネクタ21どうしを互いに接続する場合,図6中の前述のアダプタ10に両側からそれぞれ光コネクタ21を差し込んで,それぞれのフェルール22の接合端面22aを互いに突き合わせ接続する。
この場合,コネクタ接続前には,各光コネクタ21のフェルール22はそれぞれハウジング25内で押圧バネ7により,鍔部26がハウジング25の位置決め保持部29の垂直面29bに当たるまで押されて,コネクタ軸方向先端側に位置している(図1(イ),(ロ)の状態)が,この状態では,フェルール22の鍔部26の位置決め周面部26aがハウジング25の位置決め保持部29の周面部29aに嵌合しており,フェルール22はハウジング25内で定位置に保持されているので,フェルール22どうしを突き合わせ接続する作業の際に,相手側のフェルール22のガイドピン穴に当該ガイドピン3を差し込む作業は容易であり,フェルール22どうしの突き合わせ接続の作業性は良好である。
そして,互いのフェルール22の接合端面22aどうしが突き当たると,各フェルール22は押圧バネ7の反力に抗してハウジング25の奥方(コネクタ軸方向後端側:矢印b側)に押し込まれ,それぞれのフェルール22の接合端面22aどうしが押圧バネ7による一定の圧力を受けたコネクタ接続状態となる(図1(ハ),(ニ)の状態)。
【0016】
コネクタ接続後に,光コネクタ21に横向き力が作用(いわゆるサイドプル)した場合,従来構造であれば,この横向き力がハウジング5’を介してフェルール2’に側圧として作用する。しかし,本発明では,フェルール22がハウジング25の奥に押し込まれたコネクタ接続状態(図1(ハ),(ニ)の状態)では,鍔部26とハウジング25の内面25aとの間に十分な逃げが形成されており,相互に干渉しないので,フェルール22にハウジング25を介して側圧が作用することを防止できる。したがって,光コネクタ21にサイドプルが作用しても,フェルール22が傾いたり,両フェルール22の接合端面22a間の接触圧力に変化が生じる等の恐れはなく,フェルール22の接合端面22aどうしの本来の接続状態が確保され,接続特性が劣化する恐れは少ない。
【0017】
なお,上記の実施例では,フェルール22の鍔部26の逃げ周面部26bはテーパ面により形成したが,図1(ヘ)のようにアール面により形成した逃げ周面部26b1 でもよいし,図1(ト)のようにテーパ面26’b2 とアール面26”b2 により形成した逃げ周面部26b2 でもよいし,図1(ヘ)のように段差により形成した逃げ周面部26b3 でもよい。
【0018】
図2に請求項2の一実施例の光コネクタ31の要部を示す。この光コネクタ31のフェルール32およびハウジング35以外の構造は,前記光コネクタ21(図4の光コネクタ21)と同じである。図2は光コネクタ31におけるフェルール32およびハウジング35の部分の水平断面図または垂直断面図を示すもので,(イ)はコネクタ接続前における水平断面図,(ロ)はコネクタ接続前における垂直断面図,(ハ)はコネクタ接続後における水平断面図,(ニ)はコネクタ接続後における垂直断面図である。
この光コネクタ31では,フェルール32の鍔部36の左右側面部(例えば図2(イ)の上下両側の部分)に,ハウジング35の位置決め保持部39として形成されたコネクタ軸方向後端側(矢印b側)に広がるテーパ状の周面(すなわち39で示した部分)に面接触するコネクタ軸方向先端側(矢印a側)のテーパ状の位置決め周面部36aと,図示例では平行面状のコネクタ軸方向後端側の逃げ周面部36bとを形成するとともに,前記ハウジング35の内部空間33の位置決め保持部39よりコネクタ軸方向後端側の部分33aを,前記フェルール32の鍔部36の逃げ周面部36bより大径に形成している。内部空間33の位置決め保持部39よりコネクタ軸方向前端側の部分33bは,図1と同じくテーパ空間としている。
なお,図示例では,フェルール32の鍔部36の上下面は,テーパ面のみを形成している。また,図示例の場合,フェルール32の鍔部36の上下面はハウジング35と接触嵌合はしない。
【0019】
この光コネクタ31によれば,ハウジング35の位置決め保持部39がコネクタ軸方向後端側に広がるテーパ面であるから,フェルール32がコネクタ軸方向先端側にあるコネクタ接続前(図2(イ),(ロ))には,フェルール32の鍔部36とハウジング35の位置決め保持部39とが接触して,フェルール32がハウジング35内の定位置に保持される。
そして,フェルール32がハウジング35の奥方(コネクタ軸方向後端側:矢印b側)に押し込まれてフェルール32どうしが接続状態となった時(図2(ハ),(ニ))は,フェルール32の鍔部36(位置決め周面部36aおよび逃げ周面部36b)とハウジング35の内面35aとの間のクリアランスが生じ,フェルール32はハウジング35内で浮動を許容される。
また,位置決め保持部39および鍔部36がテーパ面で接触するから,図2(イ),(ロ)のようにフェルール32をハウジング35に嵌合させる際に,フェルール32の鍔部36のひっかかりによりフェルール32に傾きが生じることを防止する作用も得られる。
なお,図示例では,鍔部36の逃げ周面部36bが平行面状であるが,図2(ホ)のようにテーパ状周面部36aの勾配より小さな勾配のテーパ面状の逃げ周面部36’bであってもよい。これによっても,ハウジング35の内面との間にクリアランスが生じて,フェルール32の浮動を許容することができる。
【0020】
図3は本発明の光コネクタと概ね同様な効果が得られる構造の光コネクタ41を示す。この光コネクタ41のフェルール42およびハウジング45以外の構造は,前記光コネクタ21(図4の光コネクタ21)と同じである。図3は光コネクタ41におけるフェルール42およびハウジング45の部分の水平断面図または垂直断面図を示すもので,(イ)はコネクタ接続前における水平断面図,(ロ)はコネクタ接続前における垂直断面図,(ハ)はコネクタ接続後における水平断面図,(ニ)はコネクタ接続後における垂直断面図である。
この光コネクタ41では,フェルール42の鍔部46のコネクタ軸方向の長さ寸法sを,0.5mm〜1.5mmとし,かつハウジング45の内部空間43の位置決め保持部49よりコネクタ軸方向後端側(矢印b側)の部分43aを,フェルール42の鍔部46より大径に形成している。また,ハウジング45の内部空間43の位置決め保持部49よりコネクタ軸方向前端側の部分43bは,図1と同じくテーパ空間としている。
【0021】
なお,従来の一般的なフェルールのサイズは,例えば,主体部47の長さ寸法(コネクタ軸方向の長さ寸法)Lが6.0mm,幅寸法Wが6.4mm,高さ寸法Hが2.5mmであり,鍔部46のコネクタ軸方向の長さ寸法が2.0mm,幅寸法が7.0mm,高さ寸法が3.0mmであるが,この光コネクタ41では,上記の通り,鍔部46のコネクタ軸方向の長さ寸法sを0.5〜1.5mmと,従来の2.0mmよりかなり小さくする。また,この例では,フェルール42の主体部47の高さ寸法Hも,2.4mmと,従来より若干小さくしている。
【0022】
この光コネクタ41によれば,フェルール42がコネクタ軸方向先端側にあるコネクタ接続前(図3(イ),(ロ))には,フェルール42の鍔部46とハウジング45の位置決め保持部49とが嵌合して,フェルール42がハウジング45内の定位置に保持される。この場合,鍔部46のコネクタ軸方向の長さ寸法sが小さいことは,位置決め上で特に不都合ない。
そして,フェルール42がハウジング45の奥方(コネクタ軸方向後端側:矢印b側)に押し込まれてフェルール42どうしが接続状態となった時(図3(ハ),(ニ))は,フェルール42の鍔部46のコネクタ軸方向の長さ寸法sが小さいので,鍔部46はハウジング45の内面45aと干渉しにくい。このため,フェルール42はハウジング45内で浮動を許容される。
【0023】
なお,以上の実施例ではMPO形の光コネクタについて説明したが,本発明の構成はMPO以外の形式の光コネクタ,例えばRJ方式の光コネクタにも適用できる。
RJ方式の光コネクタ(もしくはコネクタ)は周知であるが,以下,簡単に説明すると,この光コネクタは,傾斜した弾性ツマミがコネクタボデイの側面に形成され,当該弾性ツマミの一部は,アダプタと係合されるべく係止部を有する。アダプタ結合時には,コネクタを挿入するだけで係止部がアダプタ内の対応部分に入り込んで,アダプタとコネクタとは結合位置が保持される。一方,アダプタとコネクタを離脱する場合は,前記弾性ツマミを押し付けながらコネクタを引き抜くようにする。
弾性ツマミをコネクタボディへ押し付けることにより,弾性ツマミの一部とアダプタとの係合状態は解除されるので,アダプタからのコネクタ引き離しが可能となる。
RJ方式の光コネクタとは以上の機能を有する光コネクタの総称である。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば,フェルールどうしを接続する前の,フェルールがコネクタ軸方向先端側位置にある時は,フェルールがハウジングの定位置に保持されるとともに,フェルールがコネクタ軸方向後端側に押し込まれてフェルールどうしが接続状態となった時は,フェルールがハウジング内で若干の浮動を許容されるので,光コネクタ接続時の作業性を向上させることと,コネクタ接続後の光コネクタに作用するサイドプルによる接続特性の劣化を防止することとの両者を共に満たすことのできる光コネクタを得ることができた。
【0025】
すなわち,請求項1においては,フェルールの鍔部にコネクタ軸方向先端側の位置決め周面部とコネクタ軸方向後端側の逃げ周面部とが形成されているので,フェルールがコネクタ軸方向先端側にあるコネクタ接続前には,フェルールの鍔部の位置決め周面部でフェルールを定位置に保持することができ,フェルールがハウジングの奥方(コネクタ軸方向後端側)に押し込まれたコネクタ接続後は,鍔部とハウジングの内面との間に十分な逃げが形成され,フェルールの浮動が許容される。
【0026】
請求項2の光コネクタにおいては,フェルールの鍔部とハウジングの位置決め保持部とがコネクタ軸方向後端側に広がるテーパ面で接触するものであり,かつ鍔部に逃げ周面部が形成されているので,コネクタ接続前には,フェルールの鍔部のテーパ面(位置決め周面部)でフェルールを定位置に保持することができ,コネクタ接続後には,フェルールの鍔部とハウジングの内面との間のクリアランスが生じ,フェルールはハウジング内で浮動を許容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)〜(ホ)は請求項1の発明の一実施例の光コネクタ(図4の光コネクタ)におけるフェルールおよびハウジングの部分を示すもので,(イ)はコネクタ接続前における水平断面図,(ロ)はコネクタ接続前における垂直断面図,(ハ)はコネクタ接続後における水平断面図,(ニ)はコネクタ接続後における垂直断面図,(ホ)は図1(イ)のB部の拡大図である。(ヘ)はフェルールの鍔部の逃げ周面部の変形例,(ト)は逃げ周面部のさらに他の変形例,(チ)は逃げ周面部のさらに他の変形例である。
【図2】請求項2の発明の一実施例の光コネクタにおけるフェルールおよびハウジングの部分を示すもので,(イ)はコネクタ接続前における水平断面図,(ロ)はコネクタ接続前における垂直断面図,(ハ)はコネクタ接続後における水平断面図,(ニ)はコネクタ接続後における垂直断面図,(ホ)はフェルールの鍔部の逃げ周面部についての変形例である。
【図3】 本発明の光コネクタと概ね同様な効果が得られる構造の光コネクタにおけるフェルールおよびハウジングの部分を示すもので,(イ)はコネクタ接続前における水平断面図,(ロ)はコネクタ接続前における垂直断面図,(ハ)はコネクタ接続後における水平断面図,(ニ)はコネクタ接続後における垂直断面図である。
【図4】請求項1の発明の一実施例の光コネクタの全体構成を示すもので,一部を水平断面で示した平面図である。
【図5】図4の光コネクタにおけるフェルールおよびハウジングの部分の要部の一部切り欠き斜視図である。
【図6】本発明を適用しようとする光コネクタの外観および概略構造を説明する斜視図であり,本発明および従来例に共通する。
【図7】従来の光コネクタの一部を水平断面で示した平面図である。
【図8】図7におけるフェルールおよびハウジングの部分のみを示した図である。
【図9】図8におけるA−A断面図である。
【図10】従来の問題を解消するための1つの考え方を説明するもので,図8に対応する図である。
【符号の説明】
10 アダプタ
11 ブーツ
12 光ファイバ心線(光ファイバテープ心線)
13 ピンクランプ
15 後部ハウジング
22,32,42 フェルール
22a,32a,42a 接合端面
23,33,43 ハウジングの内部空間
23a,33a,43a 内部空間の位置決め保持部よりコネクタ軸方向後端側の部分
23b,33b,43b 内部空間の位置決め保持部よりコネクタ軸方向前端側の部分
25,35,45 ハウジング
26,36,46 鍔部
26a,36a 位置決め周面部
26b,36b 逃げ周面部
27,37,47 主体部
29,39,49 位置決め保持部
29a 位置決め保持部の周面部
29b 垂直壁
矢印a コネクタ軸方向先端側
矢印b コネクタ軸方向後端側

Claims (2)

  1. 光ファイバを挿通固定しコネクタ軸方向先端側に接合端面を形成したフェルールと,概ね筒状をなしその内部空間に前記フェルールをコネクタ軸方向に移動可能に収容するハウジングと,前記フェルールをコネクタ軸方向先端側に押圧する弾性部材とを備えるとともに,前記フェルールのコネクタ軸方向後端側に鍔部を形成し,前記ハウジングの内部に,前記フェルールの鍔部に係合することで当該フェルールのコネクタ軸方向先端側への移動を規制しかつ当該フェルールを保持する位置決め保持部を形成した光コネクタにおいて,
    前記フェルールの鍔部に,ハウジングの位置決め保持部の周面部と嵌合するコネクタ軸方向先端側の位置決め周面部と,ハウジング内面との間のクリアランスがコネクタ軸方向後端側に大きくなるようにテーパ状又は湾曲状又は段差状に逃がしたコネクタ軸方向後端側の逃げ周面部とを形成するとともに,前記ハウジングの内部空間の位置決め保持部よりコネクタ軸方向後端側の部分を,前記フェルールの鍔部の位置決め周面部より大径に形成したことを特徴とする光コネクタ。
  2. 光ファイバを挿通固定しコネクタ軸方向先端側に接合端面を形成したフェルールと,概ね筒状をなしその内部空間に前記フェルールをコネクタ軸方向に移動可能に収容するハウジングと,前記フェルールをコネクタ軸方向先端側に押圧する弾性部材とを備えるとともに,前記フェルールのコネクタ軸方向後端側に鍔部を形成し,前記ハウジングの内部に,前記フェルールの鍔部に係合することで当該フェルールのコネクタ軸方向先端側への移動を規制しかつ当該フェルールを保持する位置決め保持部を形成した光コネクタにおいて,
    前記フェルールの鍔部に,ハウジングの位置決め保持部として形成されたコネクタ軸方向後端側に広がるテーパ状の周面に面接触するコネクタ軸方向先端側のテーパ状の位置決め周面部と,平行面状若しくは少なくとも前記テーパ状周面部の勾配より小さな勾配のテーパ面状のコネクタ軸方向後端側の逃げ周面部とを形成するとともに,前記ハウジングの内部空間の位置決め保持部よりコネクタ軸方向後端側の部分を,前記フェルールの鍔部の逃げ周面部より大径に形成したことを特徴とする光コネクタ。
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